JP4789586B2 - 遊技装置および遊技場システム - Google Patents

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Description

この発明は、メダルなどの遊技媒体を介在させて遊技が実行されるスロットマシンなどの遊技装置であって、遊技媒体を機械に貯留しかつ貯留したものを精算することが可能な機能を有する遊技装置に関するもので、特にこの発明は、遊技者が不正な精算処理を行ったことを検出するための不正検出方法、およびその方法の実施に用いられる遊技装置並びに遊技場システムに関する。
従来の典型的なスロットマシンは、遊技者がメダル投入口へメダルを投入した後、始動レバースイッチをオン操作すると、複数個のリールが回転を開始するもので、つぎに、遊技者がリール毎の停止スイッチを操作する毎に、対応するリールが停止する。ところで、近年の機種は、複数枚のメダルを予め機械に貯留しておくクレジットタイプが主流であり、遊技者はベットスイッチを操作して機械に貯留したメダル(以下「貯留メダル」という。)を消費しつつ毎回のゲームを実行する。ゲームの結果、入賞すると、賞に応じた枚数のメダルが付与され、そのメダルは貯留メダルに加えられてメダルの貯留枚数がアップする。
前記メダル投入口はメダル通路に連通し、メダル通路の終端はメダル払出機のホッパーの上方に位置する。図13に示すメダル通路113を、メダル投入口に投入されたメダルMが通過するとき、その通過がメダル検知センサ110により検知されてメダル検知信号が制御部に送られ、これによりメダルの貯留枚数が1アップする。メダルの貯留枚数は、機械前面の貯留枚数表示器に表示される。遊技終了時に精算スイッチが操作されると、貯留枚数表示器に表示された貯留枚数だけメダルがメダル受け皿に放出される。
前記メダル検知センサ110は発光ダイオードより成る投光器111と、フォトダイオードより成る受光器112とから成る。投光器111および受光器112は、メダル通路113の同じ側に投光器111による投射光がメダル通路113を通過するメダルMの表面で反射して受光器112で受光されるようにそれぞれメダル通路113に向けて配置される。なお、メダル検知センサ110は、図14に示すように、投光器111と受光器112とがメダル通路113の相対する側にメダル通路113を挟んで対向配置した構成であってもよい。
前記投光器111は、図15(1)に示すように、駆動信号が常時オンであり、点灯状態に維持される。メダル通路113をメダルMが通過していないとき、投光器111からの投射光は受光器112で受光されないので、受光器112の受光信号はオフである。メダル通路113をメダルMが通過すると、投光器111による投射光はメダルMの表面で一時的に反射されて受光器112で受光されるので、図15(2)に示すように受光信号はオンになる。
従来、パチンコホールなどの遊技場では、遊技客の中に不正を働く者があり、種々の不正用具が使用されてメダルが詐取されている。例えば、図16に示すように、板状体114の先端部に発光ダイオードなどの発光素子115を取り付けた不正用具116などが用いられている。この不正用具116を発光素子115の側よりメダル投入口へ挿入し、発光素子115をメダル検知センサ110の受光器112に対向位置させた後、手元スイッチを操作して発光素子115を点灯させ、さらに、点灯と消灯とを繰り返すことによりメダル通過時のメダル検知信号と同様の不正信号(図15(3)に示す)を受光器112より出力させる。この不正信号によってメダルの貯留枚数が制限値(例えば50枚)まで加算された後、つぎに精算スイッチが操作され、貯留枚数だけメダルがメダル受け皿に放出される。
上記した不正行為を防止するために、例えば、2個のメダル検知センサをメダル通路沿いに十分な距離だけ離して設置し、メダルの通過が2個のメダル検知センサにより検出されたとき、メダルの貯留枚数を「1」加算するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような構成に対しては、不正用具116を2個用い、かつ各不正用具116の発光素子115を所定のタイミングで交互に点灯および消灯させる必要があるが、そのような操作は実際上困難であるため、メダルが詐取されるのが防止される。
特開2001−346936号公報
しかしながら、手操作によらずに2個の発光素子115,115を所定のタイミングずらせて順次点灯させかつ消灯させる点灯制御回路を組み立てることは可能であり、2個のメダル検知センサを設置するだけでは不正な精算行為を防止することは困難である。
この発明は、上記問題に着目してなされたもので、たとえ遊技者が不正用具を用いて精算処理を行っても、その不正を検出して遊技媒体が詐取されるのを防止できる遊技装置および遊技場システムを提供することを目的とする。
この発明は、投入口より投入された遊技媒体を検知して検知信号を出力するセンサと、機械に貯留されている遊技媒体の貯留数を更新しつつ記憶する機能を有し前記検知信号の入力に応じて前記貯留数を加算して更新する演算記憶手段と、前記貯留数の精算を遊技者が要求するための精算スイッチと、前記精算スイッチによる精算要求を受けて前記演算記憶手段が記憶する遊技媒体の貯留数を精算処理する精算処理手段とを備えた遊技装置において、前記精算スイッチによる精算要求があったとき、その精算要求が正常であるかどうかを判別する判別手段と、前記判別手段による判別結果を出力する出力手段とをさらに備えたものである。
この発明の上記した構成において、演算記憶手段、精算処理手段、判別手段、および出力手段は、プログラムされたコンピュータによって実現することもでき、また、専用のハードウェア回路によっても実現することができる。
また、センサには、投光器と受光器とから成るメダル検知センサが用いられるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
上記した構成の遊技装置において、投入口より遊技媒体が投入されると、センサがこれを検知して検知信号を出力する。演算記憶手段は前記検知信号の入力に応じて貯留数を加算して更新する。遊技者が精算スイッチを操作して前記貯留数の精算を要求すると、その精算要求を受けて精算処理手段は前記演算記憶手段が記憶する遊技媒体の貯留数を精算処理する。
不正用具によるメダルの疑似投入が行われたときにも同様に貯留数が加算されて更新されるが、不正の場合は、その直後に精算スイッチが操作されるなど、精算要求時期が不自然となる。
この発明においては、前記判別手段は、ボーナスゲームの進行中にセンサの検知信号出力と精算スイッチによる精算要求とがあったとき、前記精算要求は正常でないと判断する。この判断は、ボーナスゲームの進行中に遊技媒体の投入や貯留数の精算が行われることは不自然であるとの考えに基づくものである。
この発明の好ましい実施態様においては、前記出力手段が精算スイッチによる精算要求が正常でないと判断した判別結果を出力したとき警報(光や音など)を発する警報手段をさらに備えて成るものである。この警報によって遊技場の係員は不正があったことを知ることができ、また、不正を行った者に対しては不正を即刻止めさせることができる。
なお、遊技装置は、それ単独のものに限らず、遊技機本体と、遊技機本体に対して遊技媒体の貸出処理を実行する遊技媒体貸出装置とから成るものを含む。この場合に、上記した判別手段は、遊技機本体と遊技媒体貸出装置とのいずれに設けてもよい。
この発明による遊技場システムは、前記したセンサ、演算記憶手段、精算スイッチ、および精算処理手段を備えた複数台の遊技装置と、各遊技装置に接続されている管理装置とから成るものであり、前記管理装置には、各遊技装置において、前記精算スイッチによる精算要求があったとき、その精算要求が正常であるかどうかを判別する判別手段と、前記判別手段による判別結果を出力する出力手段とが設けられている。
前記判別手段は、ボーナスゲームの進行中にセンサの検知信号出力と精算スイッチによる精算要求とがあったとき、前記精算要求が正常でないと判断することを特徴とする。
この遊技場システムでは、管理装置が全ての遊技装置についての不正判別を行うもので、いずれかの遊技装置において精算要求があったとき、管理装置は、その精算要求が正常であるかどうかを判別する。
この発明によれば、たとえ遊技者が不正用具を用いて精算処理を行っても、その不正な精算処理を容易に検出することができ、遊技媒体が詐取されるのを防止できる。
図1および図2はこの発明の一実施例であるスロットマシンの構成を示すもので、図1には正面から見た前面扉2の構成が、図2には前面扉2を除いた筐体1の内部構造が、それぞれ示されている。
前記筐体1は前面が開口しており、その前面の開口部に前記前面扉2が開閉可能に取り付けられている。前記筐体1の内部には、リールブロック3、制御装置が搭載された回路基板4、低音出力用のスピーカー5、電源ユニット6、メダル払出機7などが組み込まれている。また、筐体1の上面には係員を呼び出すための呼出ランプ17が配備されている。この呼出ランプ17は遊技者による不正な精算要求があったときに点灯する警報器を兼ねている。
前記リールブロック3は、3個のリール8a,8b,8cと各リール駆動用のステッピングモータ9a,9b,9cとがフレーム10に一体に組み付けられたものである。各リール8a,8b,8cの外周面には、「ボーナス」と呼ばれる特別の賞を成立させる図柄、小役を成立させる図柄、再ゲームの権利が与えられるリプレイの図柄、はずれの図柄など、複数個の図柄が表されている。
前記前面扉2は、正面パネル11、上部パネル12、および下部パネル13を用いて構成されている。上部パネル12の中央には液晶表示器14が設けられ、その両側に効果音出力用のスピーカー15,16が配置されている。
前記液晶表示器14は、遊技内容に関わる演出表示を実行するためのもので、ゲーム結果に関わる抽選処理の結果を液晶表示器14による演出表示と前記スピーカー15,16より発せられる効果音とによって遊技者へ報知する。
正面パネル11は、透明な合成樹脂板または強化ガラスの表面にシルクスクリーン印刷を施して形成されている。正面パネル11の板面中央には、印刷領域によって囲まれた無着色で透明の図柄表示窓20が形成されている。
前記リールブロック3は図柄表示窓20の内側に位置し、3個のリール8a,8b,8cの外周面を図柄表示窓20に内側より臨ませている。図柄表示窓20は、横方向の長さが3個のリール8a,8b,8cが見えるように、また、縦方向の長さがリール停止時に3駒分の図柄が見えるように、それぞれ横に長い矩形状に形成されている。
正面パネル11の表面には、図柄表示窓20より見える各リール8a,8b,8cの3駒分の図柄を横方向に結ぶ3本の水平な入賞ラインL1〜L3と、右下がりおよび左下がりの各斜め方向に結ぶ2本の斜めの入賞ラインL4,L5とが表されている。リール停止時、これら5本の入賞ラインL1〜L5上に各リール8a,8b,8cの図柄が整列して位置する。
正面パネル11の図柄表示窓20の下方位置には、貯留枚数表示器21や払出枚数表示器22などが設けられている。貯留枚数表示器21には機械に貯留(クレジット)された貯留メダルの枚数が、払出枚数表示器22には入賞により配当として払い出されるメダルの枚数が、それぞれデジタル表示される。なお、前記の「貯留メダル」とは、ゲームの実行に先立ち、メダル投入口23より投入して機械に貯留(クレジット)されたメダルのことであり、この貯留メダルを使ってゲームが実行されるようになっている。
前記メダル投入口23は、正面パネル11の下方に設けられており、扉部2の内側のメダル通路に連通している。
図3および図4には前記メダル通路50の構成が示してある。メダル投入口23より投入されたメダルMはこのメダル通路50を通過してその下流端で放出され、メダル払出機7のホッパー7aに回収される。メダル通路50は1枚のメダルMが通過可能な幅および高さを有し、対向する両側板部50a,50b、メダルMが転動する底板部50c、および天板部50dにより構成されている。
このメダル通路50に沿ってメダル検知センサ48が取り付けられている。メダル検知センサ48はメダルMの通過を検知してメダル検知信号を出力する。
図示例のメダル検知センサ48は、メダル通路50に向けて光を投射する投光器51と、投光器51による投射光をメダルMの表面での反射を介して間接的に受光する受光器52とを含んでいる。投光器51および受光器52はメダル通路50の同じ側の側板部50aに設置されており、投光器51による投射光がメダル通路50を通過するメダルMの表面で反射して受光器52で受光されるようにそれぞれメダル通路50に向けて配置されている。
なお、この実施例のメダル検知センサ48は、メダルMの表面での反射光を受光器52が受光することによりメダルMの通過を検知する方式のものであるが、図5および図6に示すように、投光器51による投射光をメダルMが遮断して受光器52で受光できなくなったことによりメダルMの通過を検知する方式のものを用いてもよい。
図1に戻って、正面パネル11の下方には、メダル投入口23の他に、始動レバースイッチ24,3個の停止スイッチ25a,25b,25c、ベットスイッチ26、および精算スイッチ27が設けられている。また、下部パネル13の下方には、メダル放出口28やメダル受け皿29が設けられている。前記始動レバースイッチ24は3個のリール8a,8b,8cを一斉に始動させるために遊技者によって操作される。3個の停止スイッチ25a,25b,25cは対応するリール8a,8b,8cを個別に停止させるために遊技者によって操作される。
前記ベットスイッチ26は、1回のゲームに対して3枚の貯留メダルを消費することを遊技者が機械へ指示するためのものである。このベットスイッチ26が押されると、貯留メダルが3枚引き落とされるが、貯留メダルの残り枚数が2枚しかなければ2枚の貯留メダルが、1枚しかなければ1枚の貯留メダルが、それぞれ引き落とされる。
3枚の貯留メダルが使用されることに対して5本全ての入賞ラインL1〜L5が有効化される。1枚の貯留メダルの使用に対しては中央の水平な入賞ラインL1のみが、2枚の貯留メダルの使用に対しては3本の水平な入賞ラインL1〜L3が、それぞれ有効化される。
前記精算スイッチ27は貯留メダルの精算を指示するのに遊技者によって操作されるものである。精算スイッチ27が操作されると、前記貯留枚数表示器21に表示された枚数の貯留メダルがメダル放出口28からメダル受け皿29に放出される。
この精算スイッチ27による精算要求があると、その直前に、メダル投入口23へのメダルの投入による貯留操作が行われていたかどうかにより、その精算要求が正常かどうかが内部で判断される。もし、それが正常でなければ、メダルが放出されることなく、呼出ランプ17が点灯して警報が行われる。
ベットスイッチ26の押操作で入賞ラインを有効化させた後、始動レバースイッチ24を操作すると、機械内部でゲーム結果に関わる抽選処理が実行される。この抽選処理の結果、ボーナスや小役に当選すると、後述する制御装置40内で該当するフラグがセットされ、停止スイッチ25a,25b,25cが押操作されたとき、該当する図柄を有効化された入賞ライン上に引き込んでリールを停止させる制御(引込み制御)が実行される。その結果、有効化された入賞ライン上に、抽選に当たった図柄が3個並んだパターンが出現し易くなる。
図7は、上記したスロットマシンの電気的な構成を示している。
同図中、40は制御装置であり、主制御部41と副制御部42とで構成されている。主制御部41は、マイクロコンピュータにより構成され、制御、演算の主体であるCPU43、プログラムや固定データが格納されるROM44、データの読み書きに用いられるRAM45、抽選処理に用いられる乱数発生器46を含んでいる。
前記RAM45には、メダルの貯留枚数Nを更新しつつ記憶するための計数記憶領域が設定されている。CPU43は、メダル検知センサ48よりメダル検知信号を入力したとき、前記貯留枚数Nに「1」を加算して計数記憶領域の内容を更新する。また、CPU43はベットスイッチ26が押されたとき、前記貯留枚数Nが3以上であれば「3」を減算し、前記貯留枚数Nが1または2であれば「1」または「2」を減算して貯留枚数Nを更新する。
前記主制御部41には、バス47を介して、始動レバースイッチ24、停止スイッチ25a,25b,25c、ベットスイッチ26、精算スイッチ27、メダル検知センサ48、リール駆動回路49、メダル払出機7、貯留枚数表示器21、払出枚数表示器22、呼出ランプ17などの入出力各部が接続されている。
前記CPU43は、ROM44に格納されたプログラムに従ってRAM45に対するデータの読み書きを行いつつ、前記入出力各部の動作を一連に制御する他、前記乱数発生器46が発生した乱数値をサンプリングしてゲーム結果に関わる抽選処理などを実行する。
前記リール駆動回路49は、各リール8a,8b,8cの駆動源であるステッピングモータ9a,9b,9cの駆動を制御する。メダル払出機6は、精算スイッチ27が操作されたときなどに駆動し、貯留枚数表示器21に表示された枚数のメダルをメダル放出口28よりメダル受け皿29へ払い出す。メダル検知センサ48は、メダル投入口23に投入されたメダルを検知してメダル検知信号を出力する。
前記副制御部42はバス47を介して主制御部41に接続されている。この副制御部42も主制御部41と同様、CPU、ROM、RAMを含むマイクロコンピュータにより構成されるもので、液晶表示器14が接続されている。
図8は、上記した制御装置40による制御の流れを示している。なお図中、「ST」は「STEP」(ステップ)の略である。
同図のST1,16では、制御装置40のCPU43はベットスイッチ26の操作とメダル投入口23へのメダルの投入とに待機している。もし、ベットスイッチ26が押されると、ST1の判定が「YES」であり、つぎに、CPU43はRAM45の計数記憶領域を参照してメダルの貯留枚数Nが1以上であるかどうかを判定する(ST2)。もし、N≧1であれば、ST2の判定は「YES」であり、ST3でベット処理が行われる。もし、N=0であれば、ST2の判定は「NO」であり、ST1,16の待機状態に戻る。
つぎに始動レバースイッチ24がオンになると、ST4の判定が「YES」であり、CPU43は3個のリール8a,8b,8cを一斉に始動させ、ゲーム結果に関わる内部抽選処理を実行する(ST5,6)。
つぎに、停止スイッチ25a,25b,25cのいずれかが押されると、ST7の判定が「YES」であり、対応するリールが停止する(ST8)。同様にして、3個全てのリール8a,8b,8cが停止すると、ST9の判定が「YES」であり、CPU43は入賞が成立したかどうかを判定する(ST10)。もし入賞していれば、ST11の判定が「YES」であり、その賞がボーナスであれば、ST12の判定が「YES」となり、メダルの配当、ボーナスゲームへの移行など、ボーナス入賞処理が実行される。
もし小役入賞であれば、ST12の判定が「NO」であり、メダルの配当などの小役入賞処理が実行される。もしはずれであれば、ST11の判定が「NO」であり、はずれ処理が行われる。
始めの待機状態において、メダル投入口23へメダルが投入されると、ST1の判定が「NO」、ST16の判定が「YES」であり、つぎのST17において、3枚のメダルがベット済みであるかどうかが判定される。その判定が「NO」であれば、CPU43はベット処理を行い(ST18)、遊技者によるつぎのスイッチ操作に待機する(ST22〜ST25)。
もし、3枚のメダルがベット済みであれば、ST17の判定は「YES」であり、CPU43は、RAM45の計数記憶領域を参照してメダルの貯留枚数Nが制限値の50枚に達しているかどうかを判定する(ST19)。もし、N<50であれば、ST19の判定は「YES」であり、CPU43は貯留枚数Nに1加算して貯留枚数Nの値を更新する(ST20)。もし、貯留枚数Nが制限値に達していれば、ST19の判定が「NO」であり、投入されたメダルはメダル受け皿29に返却される(ST21)。
つぎのST22〜ST25の待機状態において、引き続きメダルの投入があった場合、ST22,23の判定がともに「NO」、ST24の判定が「YES」となってST17へ進み、ベット処理(ST18)または貯留枚数の計数処理(ST20)へ進む。
かくして、メダルの投入操作に引き続いて、精算スイッチ27が操作されて精算要求が出されると、ST23の判定が「YES」となってST26へ進み、CPU43は貯留枚数Nが所定の基準値M(例えばM=4)より大きいかどうかを判定する。もし、N>Mであれば、ST26の判定が「YES」であり、CPU43は呼出ランプ17を点灯または点滅させるなどして異常処理を実行する。もし、貯留枚数Nが基準値M以下であれば、貯留枚数表示器21に表示された枚数の貯留メダルがメダル放出口28からメダル受け皿29へ放出される。
ST22〜ST25の待機状態において、もし始動レバースイッチ24がオン操作されたときは、ST22の判定が「YES」となってST5へ進み、CPU43は3個のリール8a,8b,8cを一斉に始動させる。また、ST22〜ST25の待機状態において、ベットスイッチ26が押されたときは、ST25の判定が「YES」となってST2へ進み、N≧1であれば、ベット処理が可能である(ST3)。
上記実施例では、CPU43は、メダルの投入操作の直後に精算スイッチ27による精算要求があったとき、前記精算要求は正常でないと判断しているが、これに限らず、例えば、図9に示す実施例のように、精算要求からつぎの精算要求までの間のゲーム実行回数nが所定のしきい値THより小さいとき、精算要求が正常でないと判断するようにしてもよい。なお、図9は、図8の実施例と同様のSTについては図示を省略してある。
図9に示す実施例において、精算スイッチ27が押されると、CPU43はフラグFを「1」にセットし(ST34)、フラグFのセット後のゲーム実行回数nを計数する(ST30,31)。つぎに精算スイッチ27が押されると、前記フラグFが立っておれば、ST32の判定が「YES」となり、その時点でゲーム実行回数nがしきい値THより小さいかどうかが判定される。もし、n<THであれば、CPU43は呼出ランプ17を点灯または点滅するなどして異常処理を実行する。なお、その他のSTは図8の実施例と同様であり、ここでは同一の符号を付することで説明を省略する。
なお、図9に示す実施例は、精算要求からつぎの精算要求までの間のゲーム実行回数nが所定のしきい値THより小さいとき、精算要求が正常でないと判断しているが、図10に示す実施例のように、精算要求からつぎの精算要求までの間の経過時間が所定値より小さいとき、精算要求が正常でないと判断してもよい。なお、図10は、図8の実施例と同様のSTについては図示を省略している。
図10に示す実施例では、精算スイッチ27が押されたとき、フラグFを「1」にセットし(ST34)、タイマをスタートさせて計時を開始する(ST42)。つぎに精算スイッチ27が押されると、前記フラグFが立っておれば、ST32の判定が「YES」となり、その時点でタイマが所定の時間を計時してタイムアップしているかどうかが判定される(ST40)。もし、タイムアップしていなければ、ST40の判定が「NO」であり、CPU43は呼出ランプ17を点灯または点滅するなどして異常処理を実行する(ST27)。もし、タイムアップしていれば、ST40の判定が「YES」であり、タイマを再スタートされて計時を開始する(ST41)。なお、その他のSTは図8の実施例と同様であり、ここでは同一の符号を付することで説明を省略する。
上記した実施例は、精算スイッチ27による精算要求があったとき、その精算要求が正常であるかどうかをスロットマシンで判別しているが、例えば、図11および図12に示すように、スロットマシン1Aにメダル貸出装置1Bが隣接された遊技装置の場合、メダル貸出装置1Bで不正検出を行ってもよい。
前記メダル貸出装置1Bは、カード状の磁気記憶媒体(以下単に「カード」という。)を受け付け、そのカードの有価価値の全部または一部をメダル枚数に変換してそのメダルをスロットマシン1Aに貸し出すものである。前記カードの有価価値は度数によって管理されている。例えば1000円が10度数に換算され、10度数が50枚のメダルに変換される。カードには度数データの他に種々の情報が記憶されている。
前記メダル貸出装置1Bの前面には、カードを出し入れするためのカード出入口71や遊技者に機械の状態を報知するための各種のランプなどが設けられている。機械の内部には、カード出入口71に対応する位置にカードに対するカードの情報の読み書きを行うためのカードリードライター72が組み込まれている。
このメダル貸出装置1Bとスロットマシン1Aとは通信が可能なように電気的に接続されており、スロットマシン1Aの扉部2の前面には、カードの残度数を表示する度数表示器60、カードの残度数をメダル枚数に変換して貸し出すことを要求するための貸出要求スイッチ61、カードの返却を要求するためのカード返却スイッチ62が設けられている。
スロットマシン1Aおよびメダル貸出装置1Bは、マイクロコンピュータより成る制御装置40,70をそれぞれ含んでいる。スロットマシン1Aの制御装置40には、図12に示す各種のスイッチや表示器などが接続されている。また、スロットマシン1Aには、メダル貸出装置1Bの制御装置70との間で信号をやりとりするためのインターフェイス基板63と中継基板64とが組み込まれている。インターフェイス基板63は、制御装置40とメダル貸出装置1Bの制御装置70との間に設けられ、各種の要求やその要求に対する応答など、信号のやりとりを行う。
前記中継基板64は、度数表示器60、貸出要求スイッチ61、カード返却スイッチ62、および精算スイッチ27をメダル貸出装置1Bの制御装置70に接続するためのものである。これらのスイッチや表示器はスロットマシン1Aに設けられているものの、メダル貸出装置1Bの制御装置70の制御下に置かれている。従って、精算スイッチ27による精算要求があると、メダル貸出装置1Bの制御装置70はこれを取り込むとともに、スロットマシン1Aの制御装置40との間で信号のやりとりを行い、精算要求が正常かどうかを判断する。もし正常であればメダルの払出を要求する信号を、正常でなければ呼出ランプ17の点灯を要求する信号を、それぞれスロットマシン1Aの制御装置40へ送出する。
メダル貸出装置1Bの制御装置70には、カード検知センサ75、カード搬送機構74、通信インタフェイス回路73、およびカードリードライター72がそれぞれ電気接続されている。カード検知センサ75はカード出入口71に対するカードの挿入やカードの抜き取りを検知する。カード搬送機構74はカード出入口71に対するカードの搬出入を行う。カードリードライター72はカードに対するカード情報の読み書きを行う。
前記制御装置70は、通信インターフェイス回路73を介して遊技場内に設置された双方向性の通信回線84に接続される。この通信回線84には、カード販売機81、カード精算機82、管理装置80などが接続されており、制御装置70とこれらの装置との間で情報のやりとりを行う。管理装置80は、遊技場内でのカードの発行や使用に関わるデータを集計するが、この管理装置80や「ホールコンピュータ」と呼ばれる管理装置が各遊技装置における精算要求が正常かどうかを判断して警報器83の動作を制御するような遊技場システムを構築することも可能である。
なお、上記したメダル貸出装置1Bの制御装置70における不正検出制御、すなわち、精算要求が正常かどうかを判別する制御とその手順は、スロットマシンにおいてそれを実行する場合の制御手順(図8〜図10)と同様であり、ここでは図示並びに説明を省略する。
また、上記実施例では、メダル貸出装置1Bにより不正監視を行っているが、スロットマシン1Aから管理装置80へ直接、スロットマシンの外部出力端子(図示せず。)を通じて、始動レバースイッチ24の操作信号、メダル検知センサ48のメダル検知信号、および精算スイッチ27の操作信号などをデータ送信して、管理装置80がそれらを受信し、この発明にかかる不正検出制御を行うようにしてもよい。
なお、上記実施例では、精算スイッチ27による精算要求があったとき、その精算要求があった時期によって精算要求が正常であるかどうかを判別して遊技者による不正を検出しているが、精算要求があった時期の判断は統計的に行うことも可能である。すなわち、通常の遊技では、メダル投入、ゲーム実行、払出の順で遊技が進行するもので、メダル検知信号の出力回数をA、ゲーム実行回数をB、入賞払出回数をC、精算要求回数をD、精算によるメダル払出枚数をEとしたとき、これら(A,B,C,D,E)の平均出現パターンを常時監視することにより、異常の有無を判断することが可能である。例えば、あるゲーム実行回数のとき出現するパターンの状態においては、精算は遊技台を移動する場合であり、この状態は(A,B,C,d,e1)(e1<<50)となるが、同じゲーム実行回数区間で不正が生じると、(A,b,c,d,e2)となり、b,cがきわめて小さく、かつe2が平均e1より大きくなる。従って、上記した(A,B,C,D,E)をスロットマシン、メダル貸出装置、管理装置などで監視すれば、不正検知が可能である。
この発明の一実施例であるスロットマシンの外観を示す正面図である。 筐体の内部構造を示す正面図である。 メダル検知センサの取付状態を示すメダル通路の断面図である。 図3のA−A線に沿う断面図である。 他の実施例に係るメダル検知センサの取付状態を示すメダル通路の断面図である。 図5のB−B線に沿う断面図である。 スロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。 制御装置による制御の流れを示すフローチャートである。 他の実施例における制御装置による制御の流れの一部を示すフローチャートである。 他の実施例における制御装置による制御の流れの一部を示すフローチャートである。 スロットマシンとスロットマシンに隣接配備されたメダル貸出装置の正面図である。 図11の実施例の電気的構成を示すブロック図である。 メダル検知センサの取付状態を示す説明図である。 他の方式のメダル検知センサの取付状態を示す説明図である。 図13の構成例についての動作を示すタイムチャートである。 不正用具による不正行為を示す説明図である。
符号の説明
17 呼出ランプ
27 精算スイッチ
40 制御装置
43 CPU
44 ROM
45 RAM
48 メダル検知センサ
1A スロットマシン
1B メダル貸出装置
70 制御装置
80 管理装置

Claims (3)

  1. 投入口より投入された遊技媒体を検知して検知信号を出力するセンサと、機械に貯留されている遊技媒体の貯留数を更新しつつ記憶する機能を有し前記検知信号の入力に応じて前記貯留数を加算して更新する演算記憶手段と、前記貯留数の精算を遊技者が要求するための精算スイッチと、前記精算スイッチによる精算要求を受けて前記演算記憶手段が記憶する遊技媒体の貯留数を精算処理する精算処理手段とを備える遊技装置において、
    前記精算スイッチによる精算要求があったとき、その精算要求が正常であるかどうかを判別する判別手段と、前記判別手段による判別結果を出力する出力手段とをさらに備えており、前記判別手段は、ボーナスゲームの進行中にセンサの検知信号出力と精算スイッチによる精算要求とがあったとき、前記精算要求が正常でないと判断することを特徴とする遊技装置。
  2. 請求項1に記載された遊技装置であって、前記出力手段が精算スイッチによる精算要求が正常でないと判断した判別結果を出力したとき警報を発する警報手段をさらに備えて成る遊技装置。
  3. 投入口より投入された遊技媒体を検知して検知信号を出力するセンサと、機械に貯留されている遊技媒体の貯留数を更新しつつ記憶する機能を有し前記検知信号の入力に応じて前記貯留数を加算して更新する演算記憶手段と、前記貯留数の精算を遊技者が要求するための精算スイッチと、前記精算スイッチによる精算要求を受けて前記演算記憶手段が記憶する遊技媒体の貯留数を精算処理する精算処理手段とを備えて成る複数台の遊技装置と、各遊技装置に接続されている管理装置とから成り、前記管理装置には、各遊技装置において、前記精算スイッチによる精算要求があったとき、その精算要求が正常であるかどうかを判別する判別手段と、前記判別手段による判別結果を出力する出力手段とが設けられており、前記判別手段は、ボーナスゲームの進行中にセンサの検知信号出力と精算スイッチによる精算要求とがあったとき、前記精算要求が正常でないと判断することを特徴とする遊技場システム。
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