JP4787159B2 - 抗ストレス剤 - Google Patents

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Description

本発明は、糖類、特に、3−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコースを構成単位として含有する糖類を有効成分とする抗ストレス剤に関する。
ヒトまたは動物は誰でも少なからずストレスを受けており、このストレスが神経系だけに止まらず、神経系を介して免疫系にも大きな影響を及ぼしている。一般的に、ストレス負荷状態下では、副腎から分泌される糖質コルチコイド等のホルモンが抗ストレスホルモンとして分泌され、気力を高める等の作用をつかさどっている。しかし、その一方で糖質コルチコイドは、免疫担当細胞の増殖能や機能を低下させるとともに、免疫担当細胞のアポトーシスを誘導することや、タンパク分解を促進し合成を阻害する等の生体にとって不利益に働くことが知られている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。そのため、ストレス状態が長く続き慢性化すると、糖質コルチコイドが持続的に分泌され、糖質コルチコイドの生体にとっての不利益な作用によって引き起こされる種々の症状、例えば感染防御能の低下、創傷治癒の遅延、代謝障害等のいわゆる慢性ストレスによる2次症状が問題となる
ストレスに対しては、抗不安薬、睡眠薬等の薬物が、ストレスに晒されたときの心身の反応を一時的に緩和する有効な手段と考えられている。しかしながら、副作用が無く日常的に連用が可能な抗ストレス薬物は知られていない。例えば、代表的な抗不安薬であるベンゾジアゼピン系の薬物は、意識水準に影響を与えずに、不安・緊張・抑うつおよび筋緊張等を軽減するとされているが、大量投与または連続投与により、痙攣、せん妄等の禁断症状、および眠気、ふらつき、めまい、肝障害、白血球減少症等の副作用が現われることが知られている。また滋養強壮または肉体の疲労回復を目的として、各種の錠剤または飲料が市販されているが、ストレスに対する効果については明確ではないのが現状である。
一方、3−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコースを構成単位として含有する糖類を有効成分とする組成物は、免疫賦活剤(特許文献1)、NK細胞活性化剤(特許文献2)、QOL向上剤(特許文献3)、栄養障害による免疫機能低下を抑制する飲食品(特許文献4)等の作用が知られている。しかし、これら文献には、上記糖類が抗ストレス作用を有すること、特にストレスの慢性化による、糖質コルチコイドの影響下で起こる免疫担当細胞の機能低下や免疫担当細胞のアポトーシスに伴う症状を改善または抑制すること等については全く記載されていない。このように、上記糖類は免疫系を刺激することについては知られているが、ストレスに対して、特に慢性ストレスに伴う種々の症状に対してどのような作用をするかは全く知られていない。
特許第3396129号公報 特開2002−265366号公報 特開2002−265385号公報 特開2002−325555号公報 多田富雄、免疫学イラストレイテッド、 南江堂、2000年、p.178 広川勝▲いく▼、神経・内分泌・免疫のクロストーク、学会出版センター、1993年、p.177−185
本発明は、医薬として副作用がなく常用でき、また飲食品等としても手軽に摂取できる、抗ストレス剤を提供することを目的とする。より詳細には、慢性化したストレスに伴う種々の症状を抑制または予防する抗ストレス剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、ストレス時に分泌される糖質コルチコイドの種々の作用を指標として、上記課題を解決するため鋭意・検討を行った。糖質コルチコイドとして、デキサメタゾンを用いた。デキサメタゾンは合成糖質コルチコイドではあるが、ストレスに応答して生体内で分泌されるコルチゾール、コルチコステロンやコルチゾン等の生体由来の糖質コルチコイドと同様に、免疫担当細胞の増殖抑制や機能低下、免疫担当細胞によるサイトカイン産生の抑制やアポトーシス誘発などの生体にとっての不利益を招く。例えばT細胞やB細胞等の免疫担当細胞を含むヒト単核球を用いたインビトロ試験で、3−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコースを構成単位として含有する糖類が、デキサメタゾンによるヒト単核球の細胞増殖の低下およびサイトカイン産生の低下を抑制すること、並びにヒト単核球のアポトーシスを抑制することを知見した。またインビボ試験で、3−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコースを構成単位として含有する糖類が、デキサメタゾンによる免疫担当臓器の胸腺および脾臓の萎縮を抑制し、またサイトカイン産生能の低下を抑制することを知見した。本発明者らは、これら知見に基づきさらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 3−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコースを構成単位として含有する糖類を有効成分とすることを特徴とする抗ストレス剤、
(2) ストレスによる免疫機能低下の抑制剤であることを特徴とする上記(1)記載の抗ストレス剤、
(3) ストレスによる免疫担当細胞の細胞増殖低下の抑制剤であることを特徴とする上記(1)記載の抗ストレス剤、
(4) ストレスによるサイトカイン産生低下の抑制剤であることを特徴とする上記(1)記載の抗ストレス剤、
(5) ストレスによる免疫担当細胞のアポトーシスの抑制剤であることを特徴とする上記(1)記載の抗ストレス剤、
(6) 慢性ストレスによる2次症状の改善または/および予防剤であることを特徴とする上記(1)記載の抗ストレス剤、
(7) 慢性ストレスによる2次症状が糖質コルチコイドに起因するものであることを特徴とする上記(6)記載の抗ストレス剤、
(8) 糖類がニゲロオリゴ糖であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の抗ストレス剤、
(9) ニゲロオリゴ糖がニゲロース、ニゲロシルグルコースおよびニゲロシルマルトースからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(8)記載の抗ストレス剤、および
(10) 飲食品であることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載の抗ストレス剤、に関する。
また、本発明は、
(11) 3−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコースを構成単位として含有する糖類の有効量を、哺乳動物に投与又は摂食、あるいは飲食させることを特徴とするストレスの予防又は治療方法、
(12) 3−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコースを構成単位として含有する糖類の有効量を、哺乳動物に投与又は摂食、あるいは飲食させることを特徴とするストレスによる免疫機能低下の予防又は治療方法、
(13) 3−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコースを構成単位として含有する糖類の有効量を、哺乳動物に投与又は摂食、あるいは飲食させることを特徴とするストレスの予防又は治療方法、
(14) 3−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコースを構成単位として含有する糖類の有効量を、哺乳動物に投与又は摂食、あるいは飲食させることを特徴とするストレスによるサイトカイン産生低下の予防又は治療方法、
(15) 3−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコースを構成単位として含有する糖類の有効量を、哺乳動物に投与又は摂食、あるいは飲食させることを特徴とするストレスによる免疫担当細胞のアポトーシスの予防又は治療方法、
(16) 3−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコースを構成単位として含有する糖類の有効量を、哺乳動物に投与又は摂食、あるいは飲食させることを特徴とする慢性ストレスによる2次症状の予防又は治療方法、
(17) 慢性ストレスによる2次症状が糖質コルチコイドに起因するものであることを特徴とする上記(16)記載の予防又は治療方法、
(18) 糖類がニゲロオリゴ糖であることを特徴とする上記(11)〜(17)のいずれかに記載の予防又は治療方法、および
(19) ニゲロオリゴ糖がニゲロース、ニゲロシルグルコースおよびニゲロシルマルトースからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(18)記載の予防又は治療方法、関する。
さらに、本発明は、
(20) ストレスを予防又は治療する医薬又は飲食品の製造のための3−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコースを構成単位として含有する糖類の使用、
(21) ストレスの予防又は治療が、ストレスによる免疫機能低下抑制であることを特徴とする上記(20)記載の使用、
(22) ストレスの予防又は治療が、ストレスによる免疫担当細胞の細胞増殖低下抑制であることを特徴とする上記(20)記載の使用、
(23) ストレスの予防又は治療が、ストレスによるサイトカイン産生低下抑制であることを特徴とする上記(20)記載の使用、
(24) ストレスの予防又は治療が、ストレスによる免疫担当細胞のアポトーシス抑制であることを特徴とする上記(20)記載の使用、
(25) ストレスの予防又は治療が、慢性ストレスによる2次症状の改善又は予防であることを特徴とする上記(20)記載の使用、
(26) 慢性ストレスによる2次症状が糖質コルチコイドに起因するものであることを特徴とする上記(25)記載の使用、
(27) 糖類がニゲロオリゴ糖であることを特徴とする上記(20)〜(26)のいずれかに記載の使用、
(28) ニゲロオリゴ糖がニゲロース、ニゲロシルグルコースおよびニゲロシルマルトースからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(27)記載の使用、および
(29) 3−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコースを構成単位として含有する糖類を含有する組成物を収納したパッケージであって、抗ストレス剤として使用し得るかまたは使用すべきであることを記載したラベルまたは書類を含む商業的パッケージ、
に関する。
本発明においてストレスとは、ストレッサー、例えば物理的(高温や騒音等)、化学的(薬害等)、生物的(病気、怪我等)、精神的(人間関係のトラブル等)などにより引き起こされる生物学的な緊張状態の現象をいう。また、上記アポトーシスとは、遺伝子により制御され、核を中心にしておこる一連の形態変化で特徴付けられる細胞死のことをいう。
本発明の抗ストレス剤は一時的または慢性のストレスの緩和に使用することができる。本発明の抗ストレス剤は医薬として副作用がなく常用でき、かつ飲食品等としても手軽に摂取できる。
本発明の抗ストレス剤は、例えばストレスにより免疫機能等が低下するのを抑制することができる。特に本発明の抗ストレス剤は、ストレスが持続する慢性ストレスの場合に好ましく用いることができる。本発明の抗ストレス剤が慢性ストレスの場合に用いられると、例えば慢性ストレスに応答して持続的に分泌される糖質コルチコイド(例、コルチゾール、コルチコステロン、コルチゾン等)などに起因する、例えばサイトカインの産生の低下や免疫担当細胞のアポトーシス、免疫担当臓器の萎縮などを抑制することができる。
本発明の抗ストレス剤は、慢性ストレス時に分泌される糖質コルチコイドの生体にとっての不利益な作用、例えば感染防御能の低下や創傷治癒の遅延または代謝障害等を改善または予防できる。
本発明において用いる3−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコースを構成単位として含有する糖類としては、例えば少なくとも1つ以上のα−1,3グルコシド結合を含むグルコース重合度2程度以上のオリゴ糖が挙げられ、好ましくはグルコース重合度2〜10程度のオリゴ糖、より好ましくは重合度2〜7程度のオリゴ糖であるニゲロオリゴ糖が挙げられ、本発明において好適に用いられる。かかるニゲロオリゴ糖には、α−1,3グルコシド結合のみからなるオリゴ糖の他に、α−1,3グルコシド結合とそれ以外の結合(例えばα−1,1、α−1,2、α−1,4、α−1,6グルコシド結合等)とからなるオリゴ糖等も包含される。中でも、本発明においては、ニゲロオリゴ糖として下記式:
Figure 0004787159
Figure 0004787159
Figure 0004787159
で表されるニゲロース、ニゲロシルグルコースまたはニゲロシルマルトース等を用いるのがより好ましい。
上記糖類は、単独で用いても、2種以上を併用または混合して用いてもよい。
本発明において用いる3−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコースを構成単位として含有する糖類は、公知の方法に従って容易に製造することができる。具体的には、例えば、本発明において用いる該糖類として好ましいニゲロオリゴ糖は、例えば、微生物の生産する多糖類であるニゲランまたはエルシナン等を基質として、酵素または酸類等を用いて加水分解してニゲロオリゴ糖を製造する方法[M.Stacey and J.M.Webber:Methods in Carbohydrate Chemistry,I,339−341,AcademicPress(1962)]、公知のα−グルコシダーゼの糖転移・縮合反応を用いてニゲロースを製造する方法[金谷憲一他,日本農芸化学会誌,53,385−390(1979)、H.Fujimoto et al.,Agric.Biol.Chem.,52,1345−1351(1988)等]、澱粉加水分解物にシクロデキストリン生成酵素を作用させてニゲロースを製造する方法(特開平3−22958号公報)、α−1,4グルコシド結合したポリサッカライドまたはオリゴサッカライドを含む基質に、α−1,3グルコシド結合をもたらす糖転移酵素のうち1種または2種以上、具体的にはAcremonium属に属しα−1,3結合をもたらす糖転移酵素を生産する真菌、例えばAcremonium sp.S4G13(FERM BP−4373)を常法に従い培養することによって調製される糖転移酵素を作用させてニゲロオリゴ糖を製造する方法(特開平7−59559号公報)等によって製造することができる。本発明において用いられるニゲロオリゴ糖はいずれの方法で調製されたものでも良く、上記の方法に限定されない。ただし、現在までに知られている方法の中で最も経済的な面で優れていると考えられるのは、上記特開平7−59559号公報に記載された方法であり、本発明においてもその方法に従って調製したニゲロオリゴ糖を使用するのが好ましい。
また本発明の抗ストレス剤は、医薬として、種々の剤形に製造し得る。本発明に係る抗ストレス剤は副作用がなく、常用しても問題ないことから、医薬としてのみならず、飲食品として用いることもできる。具体的には、飲食品として、例えば栄養補助食品、調味料、畜肉加工品、水産加工品、農産加工品、ステープル、調味食品、調理済食品、デザート類、乳油製品、菓子またはスナック菓子等の形態で、本発明に係る抗ストレス剤を提供することも可能である。
本発明に係る抗ストレス剤は、3−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコースを構成単位として含有する糖類が含有されていることが特長であり、それ以外の成分、例えば自体公知の飲食品あるいは飲食品成分、医薬担体または賦形剤あるいは食品添加物等がさらに含有されていてもよい。かかる他の成分は、特に限定されるものではなく、目的とする医薬又は飲食品の具体的用途に応じて当業者が適宜選択できるが、具体的には、医薬の場合は賦形剤(例.果糖、D−ソルビトール、ブドウ糖、カルメロース、デンプン、結晶セルロース、乳糖等)、崩壊剤(例.カルメロース、デンプン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等)、結合剤(例.アラビアゴム、カルメロース、ゼラチン、結晶セルロース、単シロップ、ハチミツ、ヒドロキシプロピルセルロース、ポピドン、メチルセルロース等)、界面活性剤(例.ステアリン酸ポリオキシル40、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等)、乳化剤(例.ステアリン酸ポリオキシル40、セスキオレイン酸ソルビタン、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴール、アラビアゴム、コレステロール、ステアリン酸、ポピドン、モノステアリン酸グリセリン等)、可塑剤(例.グリセリン、プロピレングリコール、マクロゴール等)、滑沢剤(例.ケイ酸マグネシウム、カルメロース、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク等)や糖類(例.白糖、ハチミツ、単シロップ、ブドウ糖等)、pH調整剤(例.塩酸、クエン酸、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等)、防腐剤(例.安息香酸、塩化ベンザルコニウム、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル等)、香料(例.ウイキョウ油、オレンジ油、ケイヒ油、チモール、トウヒチンキ、dl−メントール、l−メントール、ユーカリ油等)もしくは着色料(例.食用赤色2号・3号・40号・102号・104号・105号・106号、食用黄色4号・5号、食用緑色3号,食用青色1号・2号、、二酸化チタン,銅クロロフィリンナトリウム、ウコン、クチナシ、アナトー色素,コウリャン色素等)などが挙げられ、飲食品の場合は各種の栄養素〔例.糖質、脂質、ミネラル(鉄、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、クロム、セレン、マンガン、銅、ヨウ素等)、タンパク質、アミノ酸等〕、香料、着色料、酸化防止剤(例.アスコルビン酸、チオ硫酸ナトリウム、トコフェロール、亜硫酸水素ナトリウム)等またはチーズやチョコレート等の風味物質もしくは合成甘味料(例.サッカリンナトリウム、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム等)などが挙げられる。
また、本発明の抗ストレス剤は、本発明の目的に反しない限り他の抗ストレス剤、例えば抗不安薬(例.クロルジアゼポキシド、オキサゾラムまたはジアゼパム等)や催眠薬(例.ニトラゼパム、エスタゾラムまたはハロキサゾラム等)またはビタミン剤(例.ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ナイアシンアミド、パントテン酸、ビタミンB12、ビタミンE、ビオチンまたはビタミンC等)などと組み合わせてもよい。
本発明に係る抗ストレス剤の剤形については、摂取方法および摂取経路に応じてシロップ剤、散剤、顆粒剤、丸剤、錠剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤等経口用剤、坐剤または注射剤等の種々の形態とすることができるが、経口用剤として使用するのが好ましい。また、本発明の抗ストレス剤が飲食品として用いられる場合には、顆粒、錠剤、錠菓、ガム、キャンディ、ゼリーまたは飲料等の形態で提供されうるが、その形態は上記に限定されない。
本発明の抗ストレス剤の摂取量は、摂取する人の性別、年齢、健康状態等によって異なるので一概には言えないが、経口剤の場合、吸収率を考慮して、3−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコースを構成単位として含有する糖類、好ましくはニゲロース、ニゲロシルグルコースおよびニゲロシルマルトースから選ばれる1種類または2種類以上のニゲロオリゴ糖混合物として約4mg〜40g程度、好ましくは約10mg〜20g程度、さらに好ましくは約50mg〜10g程度を1日の摂取量となるよう設定するのが望ましい。注射剤または輸液剤等の非経口剤の場合は、有効成分、好ましくはニゲロース、ニゲロシルグルコースおよびニゲロシルマルトースから選ばれる1種類または2種類以上のニゲロオリゴ糖混合物として、約5mg〜5g程度、好ましくは約25mg〜2.5g程度、さらに好ましくは約100mg〜1g程度を1日量として投与されるよう設定するのが望ましい。また摂取回数は1日1回であっても、または複数回であってもよい。なお、本明細書において「摂取」という用語には「投与」も含められるものとする。
また、本発明は、3−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコースを構成単位として含有する糖類の有効量を、哺乳動物に投与又は摂食、あるいは飲食させることを特徴とする、ストレスの予防又は治療方法、並びにストレスによるサイトカイン産生低下の予防又は治療方法、ストレスによる免疫担当細胞のアポトーシスの予防又は治療方法、或いは慢性ストレスによる2次症状の予防又は治療方法を提供する。
前記糖類の有効量とは、上記抗ストレス剤の糖類の摂取量と同じ量を意味する。
本発明の予防又は治療方法が適用されるストレスとしては、生理学的に動物に有害なストレッサーにより引き起こされる生物学的な緊張状態の現象の一切が包含されるが、特にサイトカイン産生の低下を伴うストレス、免疫担当細胞のアポトーシスを伴うストレス等が挙げられる。
前記サイトカインとしては、例えばインターロイキン1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27、TNF(腫瘍壊死因子)−αおよびβ、インターフェロン−α,βおよびγ等が挙げられる。免疫担当細胞としては、Bリンパ球、Tリンパ球、単球、マクロファージおよび棒状細胞等が挙げられる。
また、慢性ストレスの2次症状としては、感染防御能の低下、創傷治癒の遅延、代謝障害の外、循環器系障害(例.胸苦しさ、動悸、不整脈等)、消化器系障害(例.食欲不振、胃痛、吐き気、胃潰瘍、便秘、下痢)、肩凝り、頭痛、めまい、浮遊感、眼精疲労、全身倦怠感、うつ病等が挙げられる。
本発明の予防又は治療方法は、前記ストレスを緩解し、ストレスに伴うサイトカイン産生の低下を抑制し、免疫応答細胞のアポトーシスを抑制するので、生体防御機構を活性化し、生体内の恒常性を維持できる。
本発明の抗ストレス剤は、3−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコースを構成単位として含有する糖類を含有する組成物、例えば上記した製剤または飲食品を自体公知の方法で瓶、プラスチック容器、紙器、ダンボールなどに、また、これらを組み合わせてパッケージされ得る。該パッケージには、ストレスまたは/およびストレスによる2次症状の予防または改善に使用し得るかまたは使用すべきであることを記載、または該記載のラベルを貼付し、あるいは該記載の書類を添付することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例において使用される略号は以下を示す。
PBS:リン酸緩衝生理食塩溶液
ConA:コンカナバリンA
PHA:フィトヘムアグルチニン
DEX:デキサメタゾン
WST−1:2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム・モノソディウム塩
1−methoxy PMS:1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチルスルフェート
IFN−γ:インターフェロン−γ
ELISA法:酵素免疫測定法
HRP:西洋ワサビペルオキシダーゼ
IL−4:インターロイキン−4
IL−10:インターロイキン−10
IL−12:インターロイキン−12
NK細胞:ナチュラルキラー細胞
DNA:デオキシリボ核酸
LPS:リポポリサッカライド
TNF−α:腫瘍壊死因子
本試験では、DEXによるヒト単核球細胞の増殖抑制に対するニゲロースの効果を検証した。
成人男子から得た血液をPBSで2倍に希釈した後、Ficoll−Paque Plus溶液(アマシャム社製)に静かに加えて重層(PBS2倍希釈血液:Ficoll−Paque Plus溶液=4:3)し、400×g、20℃、40分間の条件にて遠心分離を行った。中間層に存在する単核球画分を回収し、この単核球画分に単核球画分の10倍量のPBSで2度洗浄を行った。得られた単核球をRPMI1640培地(GIBCOBRL社製)に懸濁させ末梢血単核球浮遊液を得た。末梢血単核球浮遊液の細胞数を自動血球計測装置(シスメックス株式会社製、CDA−500型)で測定した後、細胞数が2.0×10個/mLの濃度になるようにRPMI1640培地に懸濁させた。この懸濁液を96穴組織培養プレートに1穴あたり50μL播種した。播種した懸濁液に、RPMI1640培地に溶解したConAあるいはPHAを各々最終濃度2.0μg/mLまたは5.0μg/mLとなるように1穴あたり50μL添加した。ConAまたはPHAの添加と同時に、RPMI1640培地に溶解したDEXおよびニゲロースを各々最終濃度10nMおよび0μg/mL〜100μg/mLとなるようにそれぞれ1穴あたり50μL添加した。培養プレートは、5%炭酸ガス培養器内で、37℃にて、24時間培養した。培養終了4時間前にWST−1(株式会社同仁化学研究所製)を10mMの濃度となるよう0.4mM 1−methoxy PMS(株式会社同仁化学研究所製)に溶解した液を1穴あたり10μL添加して、培養終了時に測定波長450nm、参照波長630nmの吸光度を測定した。結果を表1に示した。
Figure 0004787159
WST−1は生細胞に取り込まれると、細胞内ミトコンドリアの脱水素酵素により還元され、水溶性のホルマザンが生成される。この生成されたホルマザン量は、生細胞の数と比例することから、ホルマザンの吸光度を測定することにより、細胞増殖の指標とすることができる。表1に示したように細胞刺激因子ConAまたはPHAの添加により誘導された単核球細胞増殖が、DEX添加により低下したが、ニゲロースの添加によりDEXによる単核球細胞増殖の低下が濃度依存的に顕著に抑制された。
ConAおよびPHAの刺激により誘導される単核球細胞としては免疫に関与する例えばT細胞等が挙げられる。上記結果は、ストレス時、特に慢性ストレス時に持続的に分泌される糖質コルチコイドによる免疫に関与する例えばT細胞等の細胞増殖の低下をニゲロースが抑制することを示すものである。
本試験では、DEXによるサイトカイン産生低下に対するニゲロースの効果を検証した。
(a)実施例1と同様に成人男子の血液から単核球を調製し、単核球5.0×10個/mLの濃度で培養を開始した。実施例1と同様に培養液に、細胞刺激因子であるConAあるいはPHAをそれぞれ最終濃度が2.0μg/mLまたは5.0μg/mLとなるよう1穴あたり50μL添加し、サイトカイン産生を誘導した。ConAまたはPHAの添加と同時に、DEXおよびニゲロースを各々最終濃度が10nMおよび0μg/mL〜100μg/mLになるようにそれぞれ1穴あたり50μL添加して、5%炭酸ガス培養器内で、37℃にて、24時間培養した。培養終了後、培養上清中のIFN−γ量をELISA法により測定した。結果を表2に示した。
ELISA法による測定方法は下記のとおりである。
マウス抗ヒトIFN−γ抗体(Endogen社製)をホウ酸緩衝液で2μg/mLに調製した溶液を96穴ELISAプレートに1穴あたり50μL加え、4℃で1日間放置し各穴にマウス抗ヒトIFN−γ抗体を付着させた。上記培養上清をマウス抗ヒトIFN−γ抗体を付着させたELISAプレートに1穴あたり50μL加え室温で90分間放置し、培養上清中のIFN−γをプレートに付着したマウス抗ヒトIFN−γ抗体と結合させた。プレートを洗浄後、ビオチン化標識したマウス抗ヒトIFN−γ抗体(Endogen社製)をホウ酸緩衝液で0.5μg/mLに調製し、1穴あたり100μL添加し、プレートに付着したマウス抗ヒトIFN−γ抗体と結合したIFN−γと結合させた。結合しなかったビオチン化標識したマウス抗ヒトIFN−γ抗体を洗浄後、ホウ酸緩衝液で1000倍希釈したAvidin−HRP(BD PharMingen社製)を1穴あたり100μL加え、IFN−γと結合したビオチン化標識マウス抗ヒトIFN−γ抗体と結合させた。過剰のAvidin−HRPを洗浄後、過酸化水素0.006V/V%とオルトフェニレンジアミン0.1W/V%を含有するリン酸緩衝液を1穴あたり100μL加え、室温で15分間反応させた後1.5N硫酸で反応を停止させた。マイクロプレートリーダーで測定波長492nm、参照波長630nmの吸光度を測定し、リコンビナントIFN−γで作成した標準曲線から、培養上清中のIFN−γの濃度を求めた。
Figure 0004787159
(b)実施例1と同様に成人男子の血液から単核球を調製し、単核球5.0×10個/mLの濃度で実施例1と同様に培養を開始した。培養液に細胞刺激因子であるLactobacillus plantarum L137の加熱死菌体を最終濃度1.0μg/mLとなるよう添加した。Lactobacillus plantarum L137の添加と同時に、DEXおよびニゲロースを最終濃度が各々10nMおよび0μg/mL〜100μg/mLになるようにそれぞれ1穴あたり50μL添加して、5%炭酸ガス培養器内で37℃、24時間培養した。培養終了後、培養上清中のIL−12およびIFN−γをELISA法により測定した。IFN−γについては、実施例2に記載のELISA法に基づいて測定した。IL−12については、実施例2に記載のELISA法のIFN−γの代わりにIL−12を用い、他は実施例2に記載のELISA法と同様に測定した。結果を表3に示した。
Figure 0004787159
表2および表3に示したように細胞刺激因子の添加により誘導されたIL−12およびIFN−γが、DEXの添加により低下したが、ニゲロースの添加によりDEX添加によるIL−12およびIFN−γの低下が濃度依存的に顕著に抑制された。
IL−12は、NK細胞の活性化等の免疫調節機能に関与するサイトカインであり、またIFN−γはウイルスに感染した際、生体を守るために体内で作られ、白血球やリンパ球などの免疫に関与してウイルスの増殖を抑える作用を有するサイトカインである。このことは、ストレス時、特に慢性ストレス時に持続的に分泌される糖質コルチコイドによる免疫に関与するサイトカインであるIL−12やIFN−γの産生の低下をニゲロースが抑制することを示すものである。
活性化アポトーシスに対するニゲロースの効果
実施例1と同様に成人男子の血液から単核球を調製し、5.0×10個/mLの濃度で実施例1と同様に培養を開始した。培養液に、細胞刺激因子であるConAあるいは溶連菌製剤OK−432(ピシバニール;中外製薬株式会社製)をそれぞれ最終濃度が2.0μg/mLまたは1.0μg/mLの濃度となるよう添加した。このとき、各培養群にニゲロースを1.0μg/mL、10μg/mLの濃度になるように添加し、いずれの培養群もニゲロース非添加の対照群を設けた。5%炭酸ガス培養器内で、37℃にて、24時間培養した。培養終了後アポトーシス細胞のみを特異的に検出できるssDNA Apoptosis ELISA Kit(Chemicon International,Inc.製)によりアポトーシス細胞を固定し、DNA変性剤処理後、染色し、吸光度(415nm)を測定し、アポトーシスの程度を数値化した。結果を表4に示した。
Figure 0004787159
表4に示したようにニゲロース添加群では、アポトーシスの抑制効果が認められた。
このことは、ストレス時、特に慢性ストレス時に持続的に分泌される糖質コルチコイドによって引き起こされるアポトーシスに対してニゲロースの有用性を示すものである。特にストレスによるアポトーシスの影響を受けやすい高齢者における、ニゲロースの有用性が示唆された。
DEXによる胸腺および脾臓萎縮に対するニゲロオリゴ糖の効果
雌性のBALB/cマウス(8週齡)を、市販飼料で飼育した群(対照群)、および市販飼料にニゲロオリゴ糖液糖(ニゲロS:ニゲロオリゴ糖含有量30.8重量%;武田食品工業株式会社製)を5重量%の濃度で添加した飼料で飼育した群(ニゲロオリゴ糖群)に分けた。飼育1週目に、対照群およびニゲロオリゴ糖群中の各半数のマウスに対して生理食塩水を、残りの各半数に対してDEX(200μg/マウス)を腹腔内投与した。その24時間後に各マウスの胸腺および脾臓を摘出して、摘出した胸腺および脾臓の重量を測定した。結果を表5に示した。
Figure 0004787159
表5に示したように、対照群の脾臓および胸腺重量はDEXの投与により顕著に減少したのに比べて、ニゲロオリゴ糖を摂食したニゲロオリゴ糖群のマウスではDEXによる脾臓および胸腺重量の減少が抑制された。このことは、ストレス時、特に慢性ストレス時に持続的に分泌される糖質コルチコイドによる免疫担当臓器の萎縮に対して、ニゲロオリゴ糖が有用であることを示すものである。
DEXによるサイトカイン産生能低下に対するニゲロオリゴ糖の効果
ニゲロオリゴ糖の効果を検証する前に、予備試験として、DEXによるサイトカイン産生能低下を確認する目的で、14週齡、雌性のBALB/cマウスにDEX(60μg/マウス)を腹腔内投与した。DEX投与前および投与24時間後にBALB/cマウスの脾臓を摘出し、脾臓細胞を常法により調製した。調整した脾臓細胞をRPMI1640培地に5.0×10個/mLの濃度になるように懸濁し、この懸濁液を96穴組織培養プレートに1穴あたり100μL播種し、さらに、細胞刺激因子である(1)PHAを最終濃度12.5μg/mLあるいは(2)LPSを最終濃度20μg/mLになるようにRPMI1640培地に溶解した溶液を1穴あたり100μL加えた。5%炭酸ガス培養器内で37℃にて、24時間培養し、培養上清中のサイトカインの濃度、前記(1)に関してはIL−4およびIFN−γを、前記(2)に関してはIL−10およびTNF−αをELISA法により測定した。IFN−γについては、実施例2に記載のELISA法に基づいて測定した。IL−4、IL−10およびTNF−αについては、実施例2に記載のELISA法のIFN−γの代わりにIL−4、IL−10またはTNF−αを用い、他は実施例2に記載のELISA法と同様に測定した。結果を表6に示した。
ここで、DEX投与マウスのサイトカイン産生率(%)を下記式により算出した。
サイトカイン産生率(%)=(A/B)×100
A:DEXの腹腔内投与24時間後に摘出した脾臓細胞の培養上清中のサイトカイン濃度
B:DEXの腹腔内投与前に摘出した脾臓細胞の培養上清中のサイトカイン濃度
DEX投与マウスのサイトカイン産生率を表6に示した。
次いで、本試験では、14週齡、雌性のBALB/cマウス(1群6匹)に、飲み水としてイオン交換水あるいはイオン交換水に高純度ニゲロオリゴ糖(ニゲロース19.8重量%、ニゲロシルグルコースを主体とする3糖画分36.5重量%、ニゲロシルマルトースを主体とする4糖以上画分40.2重量%、グルコース3.5重量%)を1W/V%の濃度で溶解した水溶液を与え、市販飼料で飼育した。飼育1週目にDEX(60μg/マウス)を腹腔内投与した。その24時間後に脾臓を摘出し、予備試験と同条件で脾臓細胞を培養し、培養液の上清中のサイトカイン濃度を測定した。測定値を表6に示した。
Figure 0004787159
表6に示したように、予備試験においてDEXの投与によりサイトカインの産生率は顕著に低下することを確認した。このような条件下において、本試験でニゲロオリゴ糖を摂取したマウスのサイトカイン産生量は対照群に比べて明らかに高値を示した。このことは、ストレス時、特に慢性ストレス時に持続的に分泌される糖質コルチコイドによる免疫機能低下に対して、ニゲロオリゴ糖が有用であることを示すものである。
本発明によれば、ストレスによる免疫機能の低下を抑制できるので、本発明の抗ストレス剤は医薬として、また飲食品等として有用である。

Claims (8)

  1. 3−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコースを構成単位として含有する糖類を有効成分とすることを特徴とする糖質コルチコイドに起因する免疫機能低下の予防または治療剤。
  2. 免疫機能低下が、免疫担当細胞の細胞増殖低下、サイトカイン産生低下および免疫担当細胞のアポトーシスからなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載の予防または治療剤。
  3. 糖類がニゲロオリゴ糖であることを特徴とする請求項1または2に記載の予防または治療剤。
  4. ニゲロオリゴ糖がニゲロース、ニゲロシルグルコースおよびニゲロシルマルトースからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3記載の予防または治療剤。
  5. 糖質コルチコイドに起因する免疫機能低下の予防または治療剤の製造のための3−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコースを構成単位として含有する糖類の使用。
  6. 免疫機能低下が、免疫担当細胞の細胞増殖低下、サイトカイン産生低下および免疫担当細胞のアポトーシスからなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項5記載の使用。
  7. 糖類がニゲロオリゴ糖であることを特徴とする請求項5または6に記載の使用。
  8. ニゲロオリゴ糖がニゲロース、ニゲロシルグルコースおよびニゲロシルマルトースからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項7記載の使用。
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