本発明の第1実施形態の硬貨入出金機を図1〜図8を参照して以下に説明する。
図1〜図4は、第1実施形態の硬貨入出金機1を概略的に示すもので、硬貨入出金機1は、装置本体2と、この装置本体2に対し着脱可能な台車部3とを有している。以下の説明における前後左右は、硬貨入出金機1の前(操作者から見て手前側)、硬貨入出金機1の後(操作者から見て奥側)および硬貨入出金機1の左右(操作者から見て左右)である。
装置本体2には、一括投入された硬貨を分離して搬送する分離供給部(分離供給手段)5が上部に設けられている。この分離供給部5は、バラ硬貨が一括投入されるホッパ6と、このホッパ6の下側にその底部を形成するように設けられた水平旋回可能な回転円盤7と、硬貨が一枚のみ通過可能な開口を有し回転円盤7の回転時の遠心力で硬貨を一枚ずつ繰り出す硬貨分離部8と、硬貨分離部8で一枚ずつ繰り出された硬貨を水平に搬送する硬貨搬送部9とを有している。
また、装置本体2には、硬貨搬送部9で搬送中の硬貨の真偽及び金種を識別し計数する識別部(識別手段)11が硬貨搬送部9の上流側に設けられ、硬貨搬送部9におけるこの識別部11の下流側には、識別部11の識別結果に基づいて真以外の硬貨と識別されたリジェクト硬貨を排除するリジェクト部(排除手段)12が設けられて、さらに、硬貨搬送部9におけるリジェクト部12の下流側には、識別部11の識別結果に基づいて真の硬貨であって受け入れ可能と識別された硬貨を振り分ける複数箇所、具体的には取扱金種数(日本国内では1円硬貨、5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨および500円硬貨の六種類)と同数の六箇所の振分部(振分手段)13a,13b,13c,13d,13e,13fが硬貨搬送部9の搬送方向に沿ってこの順に設けられている。ここで、振分部13a〜13fは、すべて装置本体2の左右方向一側、具体的には右側に配置され、装置本体2の前後に並べられている。なお、振分部を取扱金種数分よりも多く設けることも可能である。
これら振分部13a〜13fは、すべて、取り扱う最大径の硬貨(日本国内では500円硬貨)を落下可能な選別孔14a,14b,14c,14d,14e,14fを有しており、これらのうち上流側の五つの振分部13a〜13eには、選別孔14a〜14eを個別に開閉可能なシャッタ15a,15b,15c,15d,15eが設けられている。さらに、各振分部13a〜13fのそれぞれの上流側には、硬貨の通過を検出する硬貨センサ16a,16b,16c,16d,16e,16fが設けられている。同様に、リジェクト部12も、リジェクト孔14gと、リジェクト孔14gを開閉可能なシャッタ15gと、上流側の硬貨センサ16gとを有している。なお、硬貨センサ16a〜16gは、シャッタ15a〜15e,15gのうちの対応するものの開閉タイミングを制御するために用いられ、また、硬貨の搬送ジャムの有無を検出するために用いられる。
また、装置本体2は、リジェクト部12で硬貨搬送部9から排除された硬貨を受け入れる着脱自在のリジェクトボックス20と、各振分部13a〜13fに一対一で対応して設けられ、各振分部13a〜13fで振り分けられた硬貨をそれぞれ個別に一時貯留させる複数箇所、具体的には振分部13a〜13fと同数である六箇所の一時貯留部(一時貯留手段)21a,21b,21c,21d,21e,21fとを有している。
なお、最も上流側つまり最も前側の一時貯留部21aは、最も上流側つまり最も前側のの振分部13aの下方に設けられており、この振分部13aのシャッタ15aが開かれることで選別孔14aから落下された硬貨のみを受け入れて一時貯留させる。次の一時貯留部21bは、振分部13bの下方に設けられ、シャッタ15bが開かれることで選別孔14bから落下された硬貨のみを一時貯留させる。次の一時貯留部21cは、振分部13cの下方に設けられ、シャッタ15cが開かれることで選別孔14cから落下された硬貨のみを一時貯留させる。次の一時貯留部21dは、振分部13dの下方に設けられ、シャッタ15dが開かれることで選別孔14dから落下された硬貨のみを一時貯留させる。次の一時貯留部21eは、振分部13eの下方に設けられ、シャッタ15eが開かれることで選別孔14eから落下された硬貨のみを一時貯留させる。最も下流側つまり最も後側の一時貯留部21fは、振分部13fの下方に設けられ、選別孔14fから落下された硬貨のみを一時貯留させる。
一時貯留部21a〜21fは、左右方向に水平移動可能な共通の側壁部形成体22にそれぞれの側壁部が個別に形成されており、この側壁部形成体22の下側に左右方向に水平移動可能に設けられた共通の底部形成体23でそれぞれの下部開口部が閉塞可能とされている。つまり、側壁部形成体22には、左右に一対の側壁部を有するとともにこれら側壁部の間に各一時貯留部21a〜21fをそれぞれ区分けするための区分側壁部が前後方向に複数具体的には7つ設けられている。そして、これら一時貯留部21a〜21fのすべての下部開口部を同時に閉塞しまた同時に開放するように前後方向に長い一つの底部形成体23が設けられている。
側壁部形成体22は、左右方向に配設されたガイドレール35で直線移動可能に支持されており、駆動機構部36で駆動されてガイドレール35に沿って往復移動する。ここで、側壁部形成体22は、装置本体2の右側に配置された振分部13a〜13fの下方の第1の位置と、この第1の位置に対し水平方向に側壁部形成体22の幅分位置をずらした第2の位置と、この第2の位置に対しさらに水平方向に側壁部形成体22の幅分位置をずらした第3の位置とに移動可能であり、これらの各位置に停止させるように、各位置にはそれぞれ図示略のセンサが設けられている。
底部形成体23は、左右方向に配設されたガイドレール38で直線移動可能に支持されており、駆動機構部39で駆動されてガイドレール38に沿って往復移動する。ここで、底部形成体23を、上記した第1の位置にある側壁部形成体22の一時貯留部21a〜21fのすべての下部開口部を同時に閉塞する第1の位置と、この第1の位置に対し水平方向に側壁部形成体22の幅分位置をずらし、上記した第2の位置にある側壁部形成体22の一時貯留部21a〜21fのすべての下部開口部を同時に閉塞する第2の位置とに移動可能であり、これらの各位置に停止させるように、各位置にはそれぞれ図示略のセンサが設けられている。
側壁部形成体22および底部形成体23には、側壁部形成体22の下部開口部を底部形成体23で閉塞した状態で一体的に水平移動可能となるように互いを連結し、また個別に水平移動可能となるように連結を解除する連結機構41が設けられている。この連結機構41は、側壁部形成体22の外側面に設けられて下部の係合ピン42を突出作動および引込作動させるソレノイド43と、底部形成体23に設けられて、側壁部形成体22の下部開口部を閉塞した状態にあるとき、ソレノイド43の突出する係合ピン42を係合させる係合穴44とで構成されている。
台車部3は、下部に設けられたキャスタ30を転動させることで、装置本体2に対し前面2A側に引き出され、さらに装置本体2から取り外されて運搬される一方、前面2A側から装填されることで装置本体2に装着されるようになっている。
台車部3には、前後方向に並設して複数、具体的には振分部13a〜13fと同数である六つの収納ボックス(収納手段)24a,24b,24c,24d,24e,24fが個別に着脱可能に設けられている。これら収納ボックス24a〜24fは、上記した装置本体2の第1の位置にある側壁部形成体22および底部形成体23の複数の一時貯留部21a〜21fのそれぞれに一対一で対応して鉛直下方に設けられて、各一時貯留部21a〜21fの硬貨をそれぞれ個別に受け入れて収納するようになっている。
つまり、各部を制御する制御部(制御手段)28が、図4に示すように、一時貯留部21a〜21fを構成する側壁部形成体22および底部形成体23を第1の位置に位置させ側壁部形成体22の下部開口部を底部形成体23で閉塞させた状態で、複数の振分部13a〜13fからの硬貨を受け入れさせ、その後、連結機構41が側壁部形成体22と底部形成体23との連結を解除した状態で、図5に示すように、側壁部形成体22を第1の位置に位置させたまま、駆動機構部39で底部形成体23を第2の位置へ水平移動させると、一時貯留部21aに一時貯留されていた硬貨のみが下方の収納ボックス24aに、一時貯留部21bに一時貯留されていた硬貨のみが下方の収納ボックス24bに、一時貯留部21cに一時貯留されていた硬貨のみが下方の収納ボックス24cに、一時貯留部21dに一時貯留されていた硬貨のみが下方の収納ボックス24dに、一時貯留部21eに一時貯留されていた硬貨のみが下方の収納ボックス24eに、一時貯留部21fに一時貯留されていた硬貨のみが下方の収納ボックス24fに、それぞれ収納されることになる。なお、振分部13a〜13fと同数の六つの収納ボックス24a〜24fに代えて、一時貯留部21a〜21fの硬貨を受け入れ可能な、ただ一つの収納ボックスを設けても良い。
台車部3の側方であって第2の位置にある側壁部形成体22および底部形成体23の鉛直下方には、前後方向に並設して複数、具体的には振分部13a〜13fと同数である六箇所の個別に仕切られた返却収容部25a,25b,25c,25d,25e,25fを有する返却ボックス26が着脱自在に設けられており、返却ボックス26の返却収容部25a〜25fは、各一時貯留部21a〜21fに一時貯留された硬貨を操作者に返却する際のそれぞれの受け入れ先となっている。
つまり、制御部28が、上記と同様、図4に示すように、側壁部形成体22および底部形成体23を第1の位置に位置させ側壁部形成体22の下部開口部を底部形成体23で閉塞させた状態で、複数の振分部13a〜13fからの硬貨を受け入れさせ、その後、連結機構41が側壁部形成体22と底部形成体23との連結を解除した状態で、底部形成体23を第1の位置に位置させたまま、図6に示すように、駆動機構部36で側壁部形成体22を第2の位置へ水平移動させると、一時貯留部21aに一時貯留されていた硬貨のみが下方の返却収容部25aに、一時貯留部21bに一時貯留されていた硬貨のみが下方の返却収容部25bに、一時貯留部21cに一時貯留されていた硬貨のみが下方の返却収容部25cに、一時貯留部21dに一時貯留されていた硬貨のみが下方の返却収容部25dに、一時貯留部21eに一時貯留されていた硬貨のみが下方の返却収容部25eに、一時貯留部21fに一時貯留されていた硬貨のみが下方の返却収容部25fに、それぞれ投入されることになる。なお、この返却ボックス26にあっては、六つの個別に仕切られた返却収容部25a,25b,25c,25d,25e,25fにより構成される必要はなく、一時貯留部21a〜21fの硬貨を受け入れ可能な仕切のない、ただ一つの返却収容部によって構成しても良いものである。
さらに、返却ボックス26の側方であって第3の位置にある側壁部形成体22の鉛直下方には、前後方向に並設して複数、具体的には振分部13a〜13fと同数である六箇所の個別に仕切られた出金可能な収納出金部(収納出金手段)27a,27b,27c,27d,27e,27fが設けられており、これら収納出金部27a〜27fは、各一時貯留部21a〜21fに一時貯留された硬貨をそれぞれ個別に受け入れて金種別に収納させる。
つまり、制御部28が、上記と同様、図4に示すように、側壁部形成体22および底部形成体23を第1の位置に位置させ側壁部形成体22の下部開口部を底部形成体23で閉塞させた状態で、複数の振分部13a〜13fからの硬貨を受け入れさせ、その後、連結機構41で側壁部形成体22と底部形成体23とを連結させた状態のまま、図7に示すように、駆動機構部36,39で側壁部形成体22および底部形成体23を一体に第2の位置へ水平移動させた後、連結機構41による側壁部形成体22と底部形成体23との連結を解除し、底部形成体23を第2の位置に位置させたまま、図8に示すように、駆動機構部36で側壁部形成体22を第3の位置へ水平移動させることにより、一時貯留部21aに一時貯留されていた硬貨のみが下方の収納出金部27aに、一時貯留部21bに一時貯留されていた硬貨のみが下方の収納出金部27bに、一時貯留部21cに一時貯留されていた硬貨のみが下方の収納出金部27cに、一時貯留部21dに一時貯留されていた硬貨のみが下方の収納出金部27dに、一時貯留部21eに一時貯留されていた硬貨のみが下方の収納出金部27eに、一時貯留部21fに一時貯留されていた硬貨のみが下方の収納出金部27fに、それぞれ投入されることになる。
収納出金部27a〜27fは、それぞれ個別に硬貨を出金のために計数しつつ繰り出すことが可能であり、これらから繰り出された硬貨は側方にあって前後に延在するベルトコンベア31の正転で一側のエレベータ32に集められ、このエレベータ32で上部の出金口33まで搬送される。なお、ベルトコンベア31の逆側には、図示は略すが繰り出し不良があった場合にベルトコンベア31の逆転で硬貨を回収する出金回収部が設けられている。
さらに、装置本体2には、上記した制御部28が設けられており、制御部28は、硬貨入出金機1の全体を制御するもので、例えば、分離供給部5を制御するとともに、識別部11の識別結果および硬貨センサ16a〜16gの検出結果に基づいて振分部13a〜13eおよびリジェクト部12のシャッタ15a〜15e,15gを個別に制御する。また、図示略のセンサの検出に基づいて側壁部形成体22および底部形成体23の駆動機構部36,39を個別に制御するとともに、収納出金部27a〜27f、ベルトコンベア31およびエレベータ32を制御する。
加えて、装置本体2には、操作者への表示を行うとともに操作者による操作入力が行われる表示操作部(選択手段,操作手段)29が設けられている。この表示操作部29では、入金された硬貨を出金用の硬貨として収納出金部27a〜27fに金種別に収納する選別計数モードと、入金された硬貨を金種混合で収納ボックス24a〜24fに収納する混合計数モードとが選択設定可能となっている。
次に、第1実施形態の制御部28の制御内容を説明する。
ここで、硬貨入出金機1は、業務の開始時には、すべての収納ボックス24a〜24fが空の状態にされるとともに制御部28に記憶された各金種別の硬貨の入金データも0にリセットされることになり、その後に行われる入金処理における識別部11の計数結果から、制御部28は各金種別の入金量を記憶するようになっている。また、制御部28は、識別部11の計数結果と振分部13a〜13fの振分結果とから各収納ボックス24a〜24fのそれぞれの硬貨の収納量と収納出金部27a〜27fのそれぞれの硬貨の収納量とを記憶する。なお、制御部28は、一時貯留部21a〜21fを構成する側壁部形成体22および底部形成体23については、図4に示すように、振分部13a〜13fの下方の第1の位置を基本位置としており、側壁部形成体22および底部形成体23を移動させた後には、必ずこれらを基本位置に戻して移動を完了する。また、連結機構41は、側壁部形成体22および底部形成体23を連結させた状態が基本状態となり、側壁部形成体22および底部形成体23を基本位置に戻すと、側壁部形成体22および底部形成体23を連結した基本状態にする。
「選別計数モード」
まず、表示操作部29への適宜の入力で選別計数モードが選択設定された状態にある場合を説明する。このモードは、入金させる硬貨が比較的少量のときに選択される。
硬貨入出金機1で一の入金処理が表示操作部29へのスタート操作で開始されるにあたり、選別計数モードが選択設定された状態にあると、制御部28は、この一の入金処理で分離供給部5のホッパ6に金種混合で投入された硬貨のうち、識別部11の識別結果に基づいて受け入れ不可と識別されたリジェクト硬貨を、すべてリジェクト部12でリジェクトボックス20に返却する一方、受け入れ可能と識別された真の硬貨を、金種別に選別して振り分けるように振分部13a〜13fを制御する。つまり、識別部11で1円硬貨と識別された硬貨を、振分部13aのシャッタ15aを開いて選別孔14aから一時貯留部21aに一時貯留させる。また、識別部11で5円硬貨と識別された硬貨を、シャッタ15aを閉状態として振分部13aを通過させ、振分部13bのシャッタ15bを開いて選別孔14bから一時貯留部21bに一時貯留させる。さらに、識別部11で10円硬貨と識別された硬貨を、シャッタ15a,15bを閉状態として振分部13a,13bを通過させ、振分部13cのシャッタ15cを開いて選別孔14cから一時貯留部21cに一時貯留させる。加えて、識別部11で50円硬貨と識別された硬貨を、シャッタ15a〜15cを閉状態として振分部13a〜13cを通過させ、振分部13dのシャッタ15dを開いて選別孔14dから一時貯留部21dに一時貯留させる。また、識別部11で100円硬貨と識別された硬貨を、シャッタ15a〜15dを閉状態として振分部13a〜13dを通過させ、振分部13eのシャッタ15eを開いて選別孔14eから一時貯留部21eに一時貯留させる。さらに、識別部11で500円硬貨と識別された硬貨を、シャッタ15a〜15eを閉状態として振分部13a〜13eを通過させ、振分部13fの選別孔14fから一時貯留部21fに一時貯留させる。なお、一時貯留部21a〜21fへの各金種の振り分けのパターンは常に一定であれば上記に限らず他の設定としても良い。
そして、この一の入金処理でホッパ6に投入された硬貨のうち識別部11の識別結果に基づいて受け入れ可能と識別された真の硬貨がすべて、一時貯留部21a〜21fに金種別に一時貯留されると、その後、金種別の計数結果および合計金額を表示操作部29へ表示させ、操作者により表示操作部29へキャンセル操作が入力されると、制御部28は、連結機構41による側壁部形成体22および底部形成体23の連結を解除した後、底部形成体23は第1の位置に停止させたまま、図6に示すように、駆動機構部36によって側壁部形成体22を第2の位置に移動させることで、一時貯留部21a〜21fに金種別に一時貯留させていた硬貨を金種別のまま返却ボックス26の返却収容部25a〜25fの対応するものに受け渡す。すると、操作者は、返却ボックス26を取り出して返却硬貨を受け取る。そして、一時貯留部21a〜21fから返却ボックス26に硬貨を受け渡した後、制御部28は、駆動機構部36で側壁部形成体22を基本位置である第1の位置に戻し、第1の位置にあった底部形成体23と連結機構41によって連結させる。
他方、操作者により表示操作部29へ承認操作が入力されると、制御部28は、各一時貯留部21a〜21fに金種別で一時貯留させた硬貨を、収納出金部27a〜27fおよび収納ボックス24a〜24fのいずれか一方に選択的に、つまり、収納出金部27a〜27fか、収納ボックス24a〜24fかに金種別に受け渡すことになるが、いずれに受け渡すかを次のように判断する。
制御部28は、各一時貯留部21a〜21fに金種別で一時貯留された各金種別の硬貨枚数および各収納出金部27a〜27fにすでに収納されている各金種別の出金用収納硬貨枚数から各金種別の合計値を求め、当該各合計値がすべて、収納出金部27a〜27fのうちのそれぞれに対応するものの予め設定された収納判定値以下の場合には、各一時貯留部21a〜21fに金種別で一時貯留された硬貨を各収納出金部27a〜27fに金種別に受け渡す一方、前記各合計値のいずれかが、収納出金部27a〜27fのうちの対応するものの収納判定値を超えている場合には、各一時貯留部21a〜21fに金種別で一時貯留された硬貨を各収納ボックス24a〜24fに金種別に受け渡す。つまり、一時貯留部21aに一時貯留された1円硬貨の枚数と収納出金部27aにすでに収納されている1円硬貨の枚数とを加算して1円硬貨の合計値を求めて、この合計値が収納出金部27aに対し設定された収納判定値を超えているか否かの判断と、一時貯留部21bに一時貯留された5円硬貨の枚数と収納出金部27bにすでに収納されている5円硬貨の枚数とを加算して5円硬貨の合計値を求めて、この合計値が収納出金部27bに対し設定された収納判定値を超えているか否かの判断と、一時貯留部21cに一時貯留された10円硬貨の枚数と収納出金部27cにすでに収納されている10円硬貨の枚数とを加算して10円硬貨の合計値を求めて、この合計値が収納出金部27cに対し設定された収納判定値を超えているか否かの判断と、一時貯留部21dに一時貯留された50円硬貨の枚数と収納出金部27dにすでに収納されている50円硬貨の枚数とを加算して50円硬貨の合計値を求めて、この合計値が収納出金部27dに対し設定された収納判定値を超えているか否かの判断と、一時貯留部21eに一時貯留された100円硬貨の枚数と収納出金部27eにすでに収納されている100円硬貨の枚数とを加算して100円硬貨の合計値を求めて、この合計値が収納出金部27eに対し設定された収納判定値を超えているか否かの判断と、一時貯留部21fに一時貯留された500円硬貨の枚数と収納出金部27fにすでに収納されている500円硬貨の枚数とを加算して500円硬貨の合計値を求めて、この合計値が収納出金部27fに対し設定された収納判定値を超えているか否かの判断とを行う。ここで、上記した収納判定値は、各収納出金部27a〜27fが満杯になる所定値手前の収納量、いわゆるニアフルの収納量であって、一回程度の収納が行われても満杯にはならない収納量に設定されている。
そして、上記した判断がすべてNO、つまり各合計値がすべて、それぞれに対応する収納判定値以下の場合に、制御部28は、第1の位置にあった側壁部形成体22および底部形成体23を連結機構41による連結状態を維持して、図7に示すように、駆動機構部36,39で一体に第2の位置へ水平移動させた後、連結機構41による側壁部形成体22と底部形成体23との連結を解除し、底部形成体23を第2の位置で停止させたまま、図8に示すように、駆動機構部36で側壁部形成体22を第3の位置へ水平移動させることにより、一時貯留部21a〜21fに金種別に一時貯留させていた硬貨を金種別のまま収納出金部27a〜27fの対応するものに受け渡す。そして、一時貯留部21a〜21fから収納出金部27a〜27fに硬貨を受け渡した後、制御部28は、駆動機構部36,39で側壁部形成体22および底部形成体23を基本位置である第1の位置に戻し、これらを連結機構41によって連結させる。
他方、上記した判断のいずれかがYES、つまり各合計値のいずれかが、対応する収納判定値を超えている場合に、制御部28は、連結機構41による側壁部形成体22および底部形成体23の連結を解除した後、側壁部形成体22は第1の位置に停止させたまま、図5に示すように、駆動機構部39で底部形成体23を第2の位置に移動させることで、一時貯留部21a〜21fに金種別に一時貯留させていた硬貨を金種別のまま収納ボックス24a〜24fの対応するものに受け渡す。そして、一時貯留部21a〜21fから収納ボックス24a〜24fに硬貨を受け渡した後、制御部28は、駆動機構部39で底部形成体23を基本位置である第1の位置に戻し、第1の位置にあった側壁部形成体22と連結機構41によって連結させる。なお、上記した収納出金部27a〜27fに収納された硬貨は、入金処理とは別に行われる出金処理によって出金されることになるため、収納出金部27a〜27fの硬貨収納量は出金処理によって減ることになる。
ここで、一の入金処理で、一時貯留部21a〜21fのうちのいずれか一つで一時貯留が不可な量の真の硬貨が識別部11で検出された場合、制御部28は、それ以後検出されたこの硬貨と同金種の硬貨をすべてリジェクト部12のシャッタ15gを開いてリジェクト孔14gからリジェクトボックス20に案内し、リジェクトボックス20を介して操作者に返却する。他方、上記以外の金種の硬貨については、そのまま振り分けを続ける。このようにして、一の入金処理が終了すると、その時点で一時貯留部21a〜21fで金種別に一時貯留された硬貨についてのみ、金種別の計数結果および合計金額を表示操作部29へ表示させ、操作者により表示操作部29へ承認操作が入力されると、上記と同様にして、収納ボックス24a〜24fおよび収納出金部27a〜27fのうちのいずれか一方に金種別に受け渡すことになり、その後、操作者は、リジェクトボックス20に返却された硬貨を再びホッパ6に投入して別の入金処理として処理する。
「混合計数モード」
次に、表示操作部29への適宜の入力で混合計数モードが選択設定された状態にある場合を説明する。このモードは、入金させる硬貨が大量のときに選択される。
硬貨入出金機1で一の入金処理が表示操作部29へのスタート操作で開始されるにあたり、混合計数モードが選択設定された状態にあると、制御部28は、この一の入金処理で分離供給部5のホッパ6に金種混合で投入された硬貨のうち、識別部11の識別結果に基づいて受け入れ不可と識別されたリジェクト硬貨を、すべてリジェクト部12でリジェクトボックス20に返却する一方、受け入れ可能と識別された真の硬貨を、金種混合のまま、一時貯留部21a〜21fのうちの複数のものに必要に応じて分け、それぞれ順に金種混合で可能な限り一時貯留させた後に、それぞれ収納ボックス24a〜24fの対応するものに金種混合で収納するように振分部13a〜13fおよび一時貯留部21a〜21fを制御する。しかも、制御部28は、受け入れ可能と識別された真の硬貨を、複数の収納ボックス24a〜24fのそれぞれの収納可能な残容量に応じて、最も残容量が多いものから順に金種混合で収納させるように複数の一時貯留部21a〜21fのうちの複数のものに分けて金種混合で一時貯留させる。
例えば、前回までの入金処理の結果、一の入金処理の開始時点で、硬貨を収納可能な残容量の多い順番が、収納ボックス24a、収納ボックス24b、収納ボックス24c、収納ボックス24d、収納ボックス24e、収納ボックス24fの順であった場合に、制御部28は、この一の入金処理で分離供給部5のホッパ6に投入された硬貨のうち識別部11の識別結果に基づいて受け入れ可能と識別された真の硬貨を、まず最初に、金種混合のまま、振分部13aのシャッタ15aを開いて選別孔14aから収納ボックス24aに対応する一時貯留部21aに可能な限り一時貯留させる。そして、一時貯留部21aを満杯にすると判断される量の硬貨を一時貯留部21aに一時貯留させると、次に制御部28は、次に残容量が多い収納ボックス24bに対応する一時貯留部21bに可能な限りの硬貨を金種混合で一時貯留させる。さらに、一時貯留部21bを満杯にすると判断される量の硬貨を一時貯留部21bに一時貯留させると、次に制御部28は、次に残容量が少ない収納ボックス24cに対応する一時貯留部21cに可能な限りの硬貨を金種混合で一時貯留させる。さらに、一時貯留部21cを満杯にすると判断される量の硬貨を一時貯留部21cに一時貯留させると、次に制御部28は、次に残容量が少ない収納ボックス24dに対応する一時貯留部21dに可能な限りの硬貨を金種混合で一時貯留させる。さらに、一時貯留部21dを満杯にすると判断される量の硬貨を一時貯留部21dに一時貯留させると、次に制御部28は、次に残容量が少ない収納ボックス24eに対応する一時貯留部21eに可能な限りの硬貨を金種混合で一時貯留させる。さらに、一時貯留部21eを満杯にすると判断される量の硬貨を一時貯留部21eに一時貯留させると、次に制御部28は、最も残容量が少ない収納ボックス24fに対応する一時貯留部21fに可能な限りの硬貨を金種混合で一時貯留させる。
そして、この一の入金処理でホッパ6に投入された硬貨のうち識別部11の識別結果に基づいて受け入れ可能と識別された真の硬貨がすべて一時貯留部21a〜21fのいずれかに一時貯留されると、金種別の計数結果および合計金額を表示操作部29へ表示させ、操作者により表示操作部29へ承認操作が入力されると、制御部28は、連結機構41による側壁部形成体22および底部形成体23の連結を解除した後、側壁部形成体22は第1の位置に停止させたまま、図5に示すように、駆動機構部39で底部形成体23を第2の位置に移動させることで、一時貯留部21a〜21fのいずれかに一時貯留させていた硬貨を金種混合のまま収納ボックス24a〜24fのいずれか対応するものに収納させる。そして、一時貯留部21a〜21fから収納ボックス24a〜24fに硬貨を受け渡した後、制御部28は、駆動機構部39で底部形成体23を基本位置である第1の位置に戻し、第1の位置にあった側壁部形成体22と連結機構41によって連結させる。
他方、操作者により表示操作部29へキャンセル操作が入力されると、制御部28は、連結機構41による側壁部形成体22および底部形成体23の連結を解除した後、底部形成体23は第1の位置に停止させたまま、図6に示すように、駆動機構部36で側壁部形成体22を第2の位置に移動させることで、一時貯留部21a〜21fのいずれかに一時貯留させていた硬貨を金種混合のまま返却ボックス26の返却収容部25a〜25fのいずれか対応するものに返却させる。すると、操作者は、返却ボックス26を取り出して返却硬貨を受け取る。なお、一時貯留部21a〜21fから返却ボックス26に硬貨を受け渡した後、制御部28は、駆動機構部36で側壁部形成体22を基本位置である第1の位置に戻し、第1の位置にあった底部形成体23と連結機構41によって連結させる。
ここで、一の入金処理で分離供給部5のホッパ6に投入され、受け入れ可能と識別された真の硬貨がすべて一時貯留部21aのみに金種混合で一時貯留可能な量であった場合には、一時貯留部21aからその満杯量以下の硬貨が残容量の最も多い収納ボックス24aに収納されることになる。また、一の入金処理で分離供給部5のホッパ6に投入され、受け入れ可能と識別された真の硬貨がすべて一時貯留部21a,21bのみに金種混合で一時貯留可能な量であった場合には、一時貯留部21aからその満杯量の硬貨が残容量の最も多い収納ボックス24aに収納され、一時貯留部21bからその満杯量以下の量の硬貨が残容量の次に多い収納ボックス24bに収納されることになる。さらに、一の入金処理で分離供給部5のホッパ6に投入され、受け入れ可能と識別された真の硬貨が一時貯留部21a,21b,21cのみに金種混合で一時貯留可能な量であった場合には、一時貯留部21aからその満杯量の硬貨が残容量の最も多い収納ボックス24aに収納され、一時貯留部21bからその満杯量の硬貨が残容量の次に多い収納ボックス24bに収納され、一時貯留部21cからその満杯量以下の量の硬貨が残容量の次に多い収納ボックス24cに収納されることになる。同様の真の硬貨が一時貯留部21a〜21dのみに金種混合で一時貯留可能な量であった場合には、一時貯留部21a〜21cのそれぞれからそれぞれの満杯量の硬貨が収納ボックス24a〜24cに収納され、一時貯留部21dからその満杯量以下の量の硬貨が収納ボックス24dに収納されることになり、同様の真の硬貨が一時貯留部21a〜21eのみに金種混合で一時貯留可能な量であった場合には、一時貯留部21a〜21dのそれぞれからそれぞれの満杯量の硬貨が収納ボックス24a〜24dに収納され、一時貯留部21eからその満杯量以下の量の硬貨が収納ボックス24eに収納されることになり、同様の真の硬貨が一時貯留部21a〜21fに金種混合で一時貯留可能な量であった場合には、一時貯留部21a〜21eのそれぞれからそれぞれの満杯量の硬貨が収納ボックス24a〜24eに収納され、一時貯留部21fからその満杯量以下の量の硬貨が収納ボックス24fに収納されることになる。
なお、以上においては、一の入金処理の開始時点で、硬貨を収納可能な残容量の多い順番が、収納ボックス24a、収納ボックス24b、収納ボックス24c、収納ボックス24d、収納ボックス24e、収納ボックス24fの順であった場合を一例として説明したが、残容量の多い順番は、勿論、時点時点で異なることになり、いずれの場合も、残容量の多い順番に応じて、一時貯留部21a〜21fへの一時貯留の順番を上記例に対し入れ替えるのみである。
以上のようにして、混合計数モードの入金処理の場合は、収納ボックス24a〜24fに、常に残容量が最も多いものから順に硬貨を収納させるように、一時貯留部21a〜21fにこの残容量の順と同じ順番で可能な限りの硬貨を一時貯留させることになるため、収納ボックス24a〜24fは、平均的に残容量が減ることになって、平均的に残容量を残すことができる。このため、大量の硬貨を一時貯留部21a〜21fの全部を使って収納ボックス24a〜24fに収納させる場合に、収納ボックス24a〜24fのうちの一つの残容量が足りないため収納できる硬貨量が減ってしまうという状況を極力回避できることになる。
つまり、収納ボックス24aが満杯に近い場合には、硬貨を一時貯留部21aに一時貯留可能であるにもかかわらず、一時貯留部21aに一時貯留させることができず、残りの一時貯留部21b〜21fのみに一時貯留させることになるため、残りの一時貯留部21b〜21fに対応する収納ボックス24b〜24fの残容量に余裕があっても、一の入金処理では一時貯留部21b〜21fの一時貯留分しか硬貨を収納できないことになる。このような状況を抑制するように、混合計数モードが選択された場合には全部の収納ボックス24a〜24fの残容量を常に平均的に残すように収納を振り分けるのである。
ここで、一の入金処理で、一時貯留部21a〜21fの全部での一時貯留が不可な量の真の硬貨が識別部11で検出された場合、制御部28は、それ以後の硬貨をすべてリジェクト部12のシャッタ15gを開いてリジェクト孔14gからリジェクトボックス20に案内し、リジェクトボックス20を介して操作者に返却する。そして、一時貯留部21a〜21fで一時貯留された硬貨についてのみ、金種別の計数結果および合計金額を表示操作部29へ表示させ、操作者により表示操作部29へ承認操作が入力されると、収納ボックス24a〜24fに収納させることになり、その後、操作者は、リジェクトボックス20に返却された硬貨を再びホッパ6に投入して別の入金処理として処理する。
また、一の入金処理で、収納ボックス24a〜24fのうちの最も収納可能な残容量が多いものから順に硬貨を収納させるように一時貯留部21a〜21fの対応するものに硬貨を一時貯留させている最中に、収納ボックス24a〜24fのうちの最も収納可能な残容量が多いものの残容量を超える量の硬貨が識別部11で検出された場合には、制御部28は、残容量に相当する収納可能な量の硬貨のみを一時貯留部21a〜21fの対応する最初の一つに一時貯留させ、残容量を超える硬貨を、収納ボックス24a〜24fのうちの次に収納可能な残容量が多いものに収納させるように一時貯留部21a〜21fの対応する次の一つに一時貯留させる。さらに、この最中に、収納ボックス24a〜24fのうちの前記次に収納可能な残容量が多いものの残容量を超える量の硬貨が識別部11で検出された場合には、制御部28は、収納ボックス24a〜24fのうちの前記次に収納可能な残容量が多いものの残容量に相当する収納可能な量の硬貨のみを一時貯留部21a〜21fの対応する前記次の一つに一時貯留させ、残容量を超える硬貨を、収納ボックス24a〜24fのうちのさらに次に収納可能な残容量が少ないものに収納させるように一時貯留部21a〜21fの対応するさらに次の一つに一時貯留させる。同様にして、順次、残容量の多い順に残容量に対応する量を収納させるように硬貨を振り分け、収納ボックス24a〜24fのうちの最も収納可能な残容量が少ないものの残容量を超える量の硬貨が識別部11で検出された場合には、制御部28は、その後の硬貨をすべてリジェクト部12からリジェクトボックス20に案内し、リジェクトボックス20を介して操作者に返却する。なお、この場合、一時貯留部21a〜21fから収納ボックス24a〜24fに硬貨を収納させると、収納ボックス24a〜24fのいずれかが満杯になるが、このとき、制御部28は満杯であることを表示操作部29に表示させて収納ボックス24a〜24fの回収を促すことになる。
「モード設定なし」
次に、表示操作部29への設定入力がなく、混合計数モードおよび選別計数モードのいずれも選択設定されてない状態にある場合を説明する。
硬貨入出金機1で一の入金処理が表示操作部29へのスタート操作で開始された時点で、混合計数モードおよび選別計数モードのいずれも選択設定されてない状態にあると、制御部26は、各収納出金部27a〜27fに収納されている各金種別の出金用収納硬貨枚数がすべて、それぞれに対応する上側モード判定値を超えていると判断した場合には、上記した混合計数モードを自動的に選択し、混合計数モードで入金処理を行う。つまり、収納出金部27aに収納されている1円硬貨の出金用収納硬貨枚数が収納出金部27a用の上側モード判定値を超えているか否かの判断と、収納出金部27bに収納されている5円硬貨の出金用収納硬貨枚数が収納出金部27b用の上側モード判定値を超えているか否かの判断と、収納出金部27cに収納されている10円硬貨の出金用収納硬貨枚数が収納出金部27c用の上側モード判定値を超えているか否かの判断と、収納出金部27dに収納されている50円硬貨の出金用収納硬貨枚数が収納出金部27d用の上側モード判定値を超えているか否かの判断と、収納出金部27eに収納されている100円硬貨の出金用収納硬貨枚数が収納出金部27e用の上側モード判定値を超えているか否かの判断と、収納出金部27fに収納されている500円硬貨の出金用収納硬貨枚数が収納出金部27f用の上側モード判定値を超えているか否かの判断とをそれぞれ行う。
そして、上記判断がすべてYES、つまり各金種別の出金用収納硬貨枚数がすべて対応する上側モード判定値を超えている場合に、制御部28は、上記した混合計数モードを自動的に選択し、混合計数モードで入金処理を行う。なお、上記した上側モード判定値は、予め設定されるもので、出金処理が行われた場合に十分に対応可能な硬貨量に設定される。つまり、出金処理に十分対応可能な硬貨量がすべての収納出金部27a〜27fに収納されている場合には、収納出金部27a〜27fへの硬貨の補充は不要であると判断して、一時貯留部21a〜21fに金種混合のまま一時貯留した硬貨を自動的に収納ボックス24a〜24fに受け渡すのである。
他方、制御部28は、上記判断のいずれかがNO、つまり各金種別の出金用収納硬貨枚数のいずれかが対応する上側モード判定値未満である場合には、上記した選別計数モードを自動的に選択し、選別計数モードで入金処理を行う。つまり、出金処理に十分対応可能な硬貨量が収納出金部27a〜27fのいずれかに収納されていない場合には、収納出金部27a〜27fへの硬貨の補充が必要であると判断して、一時貯留部21a〜21fに金種別に一時貯留した硬貨を自動的に収納出金部27a〜27fに金種別に受け渡すのである。
ここで、上記にかえて、以下のようにモードを自動設定することも可能となっている。
硬貨入出金機1で一の入金処理が表示操作部29へのスタート操作で開始された時点で、混合計数モードおよび選別計数モードのいずれも選択設定されてない状態にあると、制御部26は、各収納出金部27a〜27fに収納されている各金種別の出金用収納硬貨枚数のいずれかが、対応する下側モード判定値未満と判断した場合には、上記した選別計数モードを自動的に選択し、選別計数モードで入金処理を行う。つまり、収納出金部27aに収納されている1円硬貨の出金用収納硬貨枚数が収納出金部27a用の下側モード判定値未満であるか否かの判断と、収納出金部27bに収納されている5円硬貨の出金用収納硬貨枚数が収納出金部27b用の下側モード判定値未満であるか否かの判断と、収納出金部27cに収納されている10円硬貨の出金用収納硬貨枚数が収納出金部27c用の下側モード判定値未満であるか否かの判断と、収納出金部27dに収納されている50円硬貨の出金用収納硬貨枚数が収納出金部27d用の下側モード判定値未満であるか否かの判断と、収納出金部27eに収納されている100円硬貨の出金用収納硬貨枚数が収納出金部27e用の下側モード判定値未満であるか否かの判断と、収納出金部27fに収納されている500円硬貨の出金用収納硬貨枚数が収納出金部27f用の下側モード判定値未満であるか否かの判断とをそれぞれ行う。
そして、上記判断のいずれかがYES、つまり各金種別の出金用収納硬貨枚数のうちのいずれかが対応する下側モード判定値未満である場合に、制御部28は、上記した選別計数モードを自動的に選択し、選別計数モードで入金処理を行う。なお、下側モード判定値は、予め設定されるもので、上記した上側モード判定値よりも低く、出金処理が行われた場合に十分にこの出金処理に対応できないと判断される硬貨量が設定される。つまり、収納出金部27a〜27fのいずれかの硬貨量が出金処理に対応できない硬貨量である場合には、収納出金部27a〜27fへの硬貨の補充が必要であると判断して、一時貯留部21a〜21fに金種別に一時貯留した硬貨を自動的に収納出金部27a〜27fに金種別に受け渡すのである。
他方、制御部28は、上記判断のすべてがNO、つまり各金種別の出金用収納硬貨枚数のすべてが、それぞれ対応する下側モード判定値以上である場合には、上記した混合計数モードを自動的に選択し、混合計数モードで入金処理を行う。つまり、出金処理に対応可能な最小限以上の硬貨量が収納出金部27a〜27fのすべてに収納されている場合には、収納出金部27a〜27fへの硬貨の補充が不要であると判断して、一時貯留部21a〜21fに金種混合のまま一時貯留した硬貨を自動的に収納ボックス24a〜24fに受け渡すのである。なお、上記した上側モード判定値での判断を使用するか下側モード判定値での判断を使用するかは、顧客が状況に応じて設定する。
なお、収納ボックス24a〜24f、返却ボックス26および収納出金部27a〜27fの並びは、上記に限らず、種々の変更が可能である。つまり、収納出金部27a〜27f、返却ボックス26および収納ボックス24a〜24fのうちの一つが第1の位置の下方に設けられ、他の一つが第2の位置の下方に設けられ、さらに他の一つが第3の位置の下方に設けられていれば良い。
以上に述べた第1実施形態の硬貨入出金機1によれば、複数の一時貯留部21a〜21fの側壁部形成体22が、複数の振分部13a〜13fの下方の第1の位置と、この第1の位置に対し水平方向に位置をずらした第2の位置と、この第2の位置に対しさらに水平方向に位置をずらした第3の位置とに水平移動可能に設けられ、また、その下部開口部を閉塞可能な底部形成体23も水平移動可能に設けられていて、さらに、収納ボックス24a〜24fが第1の位置の下方に設けられている。つまり、一時貯留部21a〜21fが振分部13a〜13fから硬貨を受け入れる第1の位置の下方に、収納出金部27a〜27f、返却ボックス26および収納ボックス24a〜24fのうちの一つである収納ボックス24a〜24fが設けられているため、他の収納出金部27a〜27fおよび返却ボックス26だけを、一時貯留部21a〜21fが振分部13a〜13fから硬貨を受け入れる第1の位置から水平方向に異ならせて配置すれば良い。したがって、側壁部形成体22および底部形成体23の水平移動量を最小限にでき、機体の大型化を防止できる。また、側壁部形成体22と底部形成体23とを連結および連結解除する連結機構41を有しているため、側壁部形成体22および底部形成体23を同時に水平移動させる際に確実に一体に移動させることができる。したがって、側壁部形成体22および底部形成体23のいずれか一方が何らかの理由でその水平移動に支障を生じたとしても、側壁部形成体22および底部形成体23が互いにずれて硬貨を受け渡し対象以外に落下させてしまうことがない。
また、制御部28が、側壁部形成体22および底部形成体23を第1の位置に位置させ側壁部形成体22の下部開口部を底部形成体23で閉塞させた状態で、複数の振分部13a〜13fからの硬貨を受け入れさせ、その後、連結機構41が側壁部形成体22と底部形成体23との連結を解除した状態で、側壁部形成体22を第1の位置に位置させたまま、底部形成体23を第2の位置へ水平移動させることにより、第1の位置の下方に設けられた収納ボックス24a〜24fに硬貨を受け渡すため、底部形成体23のみを水平移動させることで、一時貯留部21a〜21fに振り分けられた硬貨を、収納出金部27a〜27f、返却ボックス26および収納ボックス24a〜24fのうちの一つである収納ボックス24a〜24fへ受け渡すことができる。
さらに、制御部28が、側壁部形成体22および底部形成体23を第1の位置に位置させ側壁部形成体22の下部開口部を底部形成体23で閉塞させた状態で、複数の振分部13a〜13fからの硬貨を受け入れさせ、その後、連結機構41が側壁部形成体22と底部形成体23との連結を解除した状態で、底部形成体23を第1の位置に位置させたまま、側壁部形成体22を第2の位置へ水平移動させることにより、第2の位置の下方に設けられた返却ボックス26に硬貨を受け渡すため、側壁部形成体22のみを水平移動させることで、一時貯留部21a〜21fに振り分けられた硬貨を、収納出金部27a〜27f、返却ボックス26および収納ボックス24a〜24fのうちの他の一つである返却ボックス26へ受け渡すことができる。
加えて、制御部28が、側壁部形成体22および底部形成体23を第1の位置に位置させ側壁部形成体22の下部開口部を底部形成体23で閉塞させた状態で、複数の振分部13a〜13fからの硬貨を受け入れさせ、その後、連結機構41が側壁部形成体22と底部形成体23とを連結した状態のまま、側壁部形成体22および底部形成体23を一体に第2の位置へ水平移動させた後、連結機構41による側壁部形成体22と底部形成体23との連結を解除し、底部形成体23を第2の位置に位置させたまま、側壁部形成体22を第3の位置へ水平移動させることにより、第3の位置の下方に設けられた収納出金部27a〜27fに硬貨を受け渡すため、側壁部形成体22および底部形成体23を一体に第2の位置へ水平移動させた後は、側壁部形成体22のみを水平移動させることで、一時貯留部21a〜21fに振り分けられた硬貨を、収納出金部27a〜27f、返却ボックス26および収納ボックス24a〜24fのうちのさらに他の一つである収納出金部27a〜27fへ受け渡すことができる。
さらに、表示操作部29で選別計数モードが選択されているとき、制御部28は、分離供給部5に投入された硬貨の中から真の硬貨を、振分部13a〜13fで金種別に振り分けて複数の一時貯留部21a〜21fに金種別で一時貯留させた後に複数の収納出金部27a〜27fに金種別で収納させることになるため、硬貨を金種別に分けて収納出金部27a〜27fに収納でき、入金硬貨を出金用として使用することができる。また、収納出金部27a〜27fへの硬貨の補充が不要である場合には、複数の一時貯留部21a〜21fに金種別で一時貯留させた硬貨を複数の収納ボックス24a〜24fに収納させることになって、オーバーフローに起因した動作停止を抑制できる。一方、表示操作部29で混合計数モードが選択されているとき、制御部28は、分離供給部5に投入された硬貨の中から真の硬貨を、振分部13a〜13fで一時貯留部21a〜21fのうちの複数のものに分けてそれぞれ金種混合で一時貯留させた後に、収納ボックス24a〜24fのうちの対応するものにそれぞれ金種混合で収納させることになるため、それまでの収納ボックス24a〜24fの収納状況等に応じて、硬貨を複数の一時貯留部21a〜21fに分けて一時貯留させて複数の収納ボックス24a〜24fに分けて収納させることができる。したがって、硬貨を複数の収納ボックス24a〜24fの残容量を平均的に減らすように収納すること等が可能となり、効率的に収納することが可能となる。また、混合計数モードが選択されていて、硬貨を大量に受け入れる場合に、複数の一時貯留部21a〜21fにこれらが満杯になるまで硬貨を一時貯留させることが可能となり、一時貯留部21a〜21fから収納ボックス24a〜24fへの受け渡しの回数を最小限にできて入金処理を短時間で行うことができる。しかも、混合計数モードが選択されているとき、上記したように硬貨を複数の収納ボックス24a〜24fの残容量を平均的に減らすように収納することが可能となることから、収納ボックス24a〜24fのうちの一つの残容量が原因で、複数の一時貯留部21a〜21fに最大限に硬貨を一時貯留させることができないという状況の発生を防止できる。
また、表示操作部29で、混合計数モードが選択されていて、硬貨を大量に受け入れる場合に、制御部28は、分離供給部5に投入された硬貨の中から真の硬貨を、複数の収納ボックス24a〜24fのそれぞれの収納可能な残容量に応じて、最も残容量が多いものから順に金種混合で収納させるように複数の一時貯留部21a〜21fのいずれかにそれぞれ満杯となるまで金種混合で一時貯留させて収納ボックス24a〜24fの対応するものに金種混合で収納させることができる。したがって、複数の収納ボックス24a〜24fの残容量を平均的に減らすように硬貨を収納できることになる。加えて、収納ボックス24a〜24fの収納容量が同じ場合には、回収の際に、収納ボックス24a〜24fに平均的に硬貨が収納されていることになるため、収納ボックス24a〜24fの個々の持ち運びが容易となる。
加えて、表示操作部29で、選別計数モードが選択されているとき、制御部28は、各一時貯留部21a〜21fに金種別で一時貯留された各金種別の硬貨枚数および各収納出金部27a〜27fに収納されている各金種別の出金用収納硬貨枚数から各金種別の合計値を求め、当該各合計値がすべて、収納出金部27a〜27fのうちのそれぞれに対応するものの収納判定値以下の場合には、各一時貯留部21a〜21fに金種別で一時貯留された硬貨を各収納出金部27a〜27fに金種別に受け渡す一方、各合計値のいずれかが、収納出金部27a〜27fのうちの対応するものの収納判定値を超えている場合には、各一時貯留部21a〜21fに金種別で一時貯留された硬貨を各収納ボックス24a〜24fに金種別に受け渡すことになる。よって、収納出金部27a〜27fに良好に硬貨を補充できるとともに、収納出金部27a〜27fのオーバーフローを避けるために処理を停止させる必要がなくなる。しかも、複数の一時貯留部21a〜21fを上記のように一体に移動させる構造に適した処理であるため、装置構成を簡素化可能となる。
さらに、制御部28は、表示操作部29で、混合計数モードおよび選別計数モードのいずれも選択されていないとき、表示操作部29により入金処理のスタート操作がなされた時点で、各収納出金部27a〜27fに収納されている各金種別の出金用収納硬貨枚数がすべて、それぞれに対応する上側モード判定値を超えていると判断した場合、つまり、すべての収納出金部27a〜27fに十分に出金用収納硬貨が収納されている場合には、自動的に混合計数モードを選択する。あるいは、表示操作部29で、入金処理のスタート操作がなされた時点で、各収納出金部27a〜27fに収納されている各金種別の出金用収納硬貨枚数のうちのいずれかが、対応する下側モード判定値未満であると判断した場合、つまり、収納出金部27a〜27fのいずれかで十分な量の出金用収納硬貨が収納されていない場合には、自動的に選別計数モードを選択する。いずれにおいても、モード選択を行わなくても自動的に最適なモードに設定されるため、操作者の負担を減らすことができる。
なお、上記した混合計数モードにおいて、例えば、収納ボックス24a〜24fのそれぞれの全収納容量が同じ場合に、硬貨を一枚ずつ複数の一時貯留部21a〜21fに順次一時貯留させることを繰り返すようにしても良い。つまり、例えば、一時貯留部21a、一時貯留部21b、一時貯留部21c、一時貯留部21d、一時貯留部21e、一時貯留部21f、一時貯留部21a、…のように、入金処理の度に、すべての一時貯留部21a〜21fに平均的に硬貨を一時貯留させ、すべての収納ボックス24a〜24fに平均的に硬貨を収納させるのである。他方、収納ボックス24a〜24fのそれぞれの全収納容量が異なる場合に、収納容量に応じた割合で振り分けるようにしても良い。例えば、全収納容量の割合が、収納ボックス24a:他の収納ボックス24b〜24f=2:1である場合、一時貯留部21a、一時貯留部21a、一時貯留部21b、一時貯留部21c、一時貯留部21d、一時貯留部21e、一時貯留部21f、一時貯留部21a、一時貯留部21a、一時貯留部21b、…のように振り分けるのである。この場合、処理する硬貨が多いと、一時貯留部21aが最初に満杯になってしまうことになるが、一時貯留部21aが満杯になった後は、当然ながら一時貯留部21aには入れずに、残りの一時貯留部21b〜一時貯留部21fに均等に振り分けて可能な限り一時貯留させることになる。
ここで、収納ボックス24a〜24fの硬貨の収納量および収納可能な残容量を算出するときに、単に硬貨の枚数だけで算出するのではなく、大きさの違いによる補正を行っても良い(例えば、500円硬貨一枚に対し1円硬貨二枚を相当させる等)。さらには、一時貯留部21a〜21fに振り分ける際にも、このような補正を行いつつ収納させるようにしても良い。加えて、一時貯留部21a〜21fの満杯検知および収納ボックス24a〜24fの満杯検知のうちの少なくともいずれか一方を識別部11の計数ではなく、硬貨の満杯状態を光学的に検出する満杯検知センサを設けて行っても良く、さらには、計数値および満杯検知センサの両方に基づいて検出するようにしても良い。
また、図示は略すが、各一時貯留部21a〜21fを、それぞれ個別に移動可能として、収納出金部27a〜27fの対応するものおよび収納ボックス24a〜24fの対応するのうちのいずれか一方に選択的な硬貨の受け渡しを可能としても良い。つまり、一時貯留部21aを、個別に移動可能として、収納出金部27aおよび収納ボックス24aのうちのいずれか一方への選択的な硬貨の受け渡しを可能とし、一時貯留部21bを、個別に移動可能として、収納出金部27bおよび収納ボックス24bのうちのいずれか一方への選択的な硬貨の受け渡しを可能とし、一時貯留部21cを、個別に移動可能として、収納出金部27cおよび収納ボックス24cのうちのいずれか一方への選択的な硬貨の受け渡しを可能とし、一時貯留部21dを、個別に移動可能として、収納出金部27dおよび収納ボックス24dのうちのいずれか一方への選択的な硬貨の受け渡しを可能とし、一時貯留部21eを、個別に移動可能として、収納出金部27eおよび収納ボックス24eのうちのいずれか一方への選択的な硬貨の受け渡しを可能とし、一時貯留部21fを、個別に移動可能として、収納出金部27fおよび収納ボックス24fのうちのいずれか一方への選択的な硬貨の受け渡しを可能としても良い。
このように構成した場合、制御部28は、表示操作部29で選別計数モードが選択されているとき、各一時貯留部21a〜21fに金種別で一時貯留された各金種別の硬貨枚数および各収納出金部27a〜27fに収納されている各金種別の出金用収納硬貨枚数から各金種別の合計値を求め、当該合計値が、収納出金部27a〜27fの対応するものの収納判定値以下の金種については、一時貯留部21a〜21fのうちの該当するものに一時貯留された硬貨を、収納出金部27a〜27fの対応するものに受け渡す一方、前記合計値が、収納出金部27a〜27fの対応するものの収納判定値を超える金種については、一時貯留部21a〜21fのうちの該当するものに一時貯留された硬貨を、収納ボックス24a〜24fの対応するものに受け渡すように制御する。つまり、一時貯留部21aに一時貯留された1円硬貨の枚数と、収納出金部27aに収納されている1円硬貨の枚数とを加算して1円硬貨の合計値を求めて、この合計値が収納出金部27aに対し予め設定された収納判定値を超えていなければ、一時貯留部21aに一時貯留された1円硬貨を収納出金部27aに受け渡す一方、超えていれば、収納ボックス24aに受け渡す。一時貯留部21bに一時貯留された5円硬貨の枚数と、収納出金部27bに収納されている5円硬貨の枚数とを加算して5円硬貨の合計値を求めて、この合計値が収納出金部27bに対し予め設定された収納判定値を超えていなければ、一時貯留部21bに一時貯留された5円硬貨を収納出金部27bに受け渡す一方、超えていれば、収納ボックス24bに受け渡す。一時貯留部21cに一時貯留された10円硬貨の枚数と、収納出金部27cに収納されている10円硬貨の枚数とを加算して10円硬貨の合計値を求めて、この合計値が収納出金部27cに対し予め設定された収納判定値を超えていなければ、一時貯留部21cに一時貯留された10円硬貨を収納出金部27cに受け渡す一方、超えていれば、収納ボックス24cに受け渡す。一時貯留部21dに一時貯留された50円硬貨の枚数と、収納出金部27dに収納されている50円硬貨の枚数とを加算して50円硬貨の合計値を求めて、この合計値が収納出金部27dに対し予め設定された収納判定値を超えていなければ、一時貯留部21dに一時貯留された50円硬貨を収納出金部27dに受け渡す一方、超えていれば、収納ボックス24dに受け渡す。一時貯留部21eに一時貯留された100円硬貨の枚数と、収納出金部27eに収納されている100円硬貨の枚数とを加算して100円硬貨の合計値を求めて、この合計値が収納出金部27eに対し予め設定された収納判定値を超えていなければ、一時貯留部21eに一時貯留された100円硬貨を収納出金部27eに受け渡す一方、超えていれば、収納ボックス24eに受け渡す。一時貯留部21fに一時貯留された500円硬貨の枚数と、収納出金部27fに収納されている500円硬貨の枚数とを加算して500円硬貨の合計値を求めて、この合計値が収納出金部27fに対し予め設定された収納判定値を超えていなければ、一時貯留部21fに一時貯留された500円硬貨を収納出金部27fに受け渡す一方、超えていれば、収納ボックス24fに受け渡す。これにより、収納出金部27a〜27fにさらに良好に硬貨を補充できることになる。
次に、本発明の第2実施形態の硬貨入出金機を図9〜図11を参照して第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。なお、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付し、その説明は略す。
第2実施形態では、図9に示すように、底部形成体23を、上記した第1の位置にある側壁部形成体22の一時貯留部21a〜21fのすべての下部開口部を同時に閉塞する第1の位置と、この第1の位置に対し水平方向に側壁部形成体22の幅分位置をずらし、上記した第2の位置にある側壁部形成体22の一時貯留部21a〜21fのすべての下部開口部を同時に閉塞する第2の位置と、この第2の位置に対し水平方向に側壁部形成体22の幅分位置をさらにずらし、上記した第3の位置にある側壁部形成体22の一時貯留部21a〜21fのすべての下部開口部を同時に閉塞する第3の位置とに移動可能となるように、ガイドレール38および駆動機構部39が構成されている。
そして、これに関連して、一時貯留部21a〜21fから最も遠い収納出金部27a〜27fへの硬貨の受け渡しの制御が異なっている。つまり、各一時貯留部21a〜21fに金種別に一時貯留された硬貨を、収納出金部27a〜27fにそれぞれ個別に受け渡して金種別に収納させる場合に、制御部28が、一時貯留部21a〜21fを構成する側壁部形成体22および底部形成体23を第1の位置に位置させ側壁部形成体22の下部開口部を底部形成体23で閉塞させた状態で、複数の振分部13a〜13fからの硬貨を受け入れさせ、その後、連結機構41で側壁部形成体22と底部形成体23とを連結させた状態のまま、図10に示すように、駆動機構部36,39で側壁部形成体22および底部形成体23を一体に第3の位置へ水平移動させた後、連結機構41による側壁部形成体22と底部形成体23との連結を解除し、側壁部形成体22を第3の位置に位置させたまま、図11に示すように、駆動機構部39で底部形成体22を第2の位置へ水平移動させることにより、一時貯留部21aに一時貯留されていた硬貨のみが下方の収納出金部27aに、一時貯留部21bに一時貯留されていた硬貨のみが下方の収納出金部27bに、一時貯留部21cに一時貯留されていた硬貨のみが下方の収納出金部27cに、一時貯留部21dに一時貯留されていた硬貨のみが下方の収納出金部27dに、一時貯留部21eに一時貯留されていた硬貨のみが下方の収納出金部27eに、一時貯留部21fに一時貯留されていた硬貨のみが下方の収納出金部27fに、それぞれ投入されることになる。これ以外の制御は、上記した第1実施形態と同様である。
このような第2実施形態によれば、制御部28が、側壁部形成体22および底部形成体23を第1の位置に位置させ側壁部形成体22の下部開口部を底部形成体23で閉塞させた状態で、複数の振分部13a〜13fからの硬貨を受け入れさせ、その後、連結機構41で側壁部形成体22と底部形成体23とを連結させた状態のまま、側壁部形成体22および底部形成体23を一体に第3の位置へ水平移動させた後、連結機構41による側壁部形成体22と底部形成体23との連結を解除し、側壁部形成体22を第3の位置に位置させたまま、底部形成体23を第2の位置へ水平移動させることにより、第3の位置の下方に設けられた収納出金部27a〜27fに硬貨を受け渡すため、側壁部形成体22および底部形成体23を一体に第3の位置へ水平移動させた後は、底部形成体23のみを水平移動させることで、一時貯留部21a〜21fに振り分けられた硬貨を、収納出金部27a〜27f、返却ボックス26および収納ボックス24a〜24fのうちのさらに他の一つである収納出金部27a〜27fへ受け渡すことができる。