JP4785697B2 - 光学記録材料 - Google Patents

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Description

本発明は、主として情報をレーザ等による情報パターンとして付与することにより記録する光学記録媒体に使用される光学記録材料に関し、詳しくは、紫外及び可視領域の波長を有し、且つ低エネルギーのレーザ等による高密度の光学記録及び再生が可能な光学記録媒体に使用される光学記録材料に関する。
光学記録媒体は、一般に、記録容量が大きく、記録又は再生が非接触で行なわれること等の優れた特徴を有することから、広く普及している。WORM、CD−R、DVD±R等の追記型の光ディスクでは、記録層の微小面積にレーザを集光させ、光学記録層の性状を変えて記録し、記録部分と未記録部分との反射光量の違いによって再生を行なっている。
光ディスクに代表される光学記録媒体の光学記録層には、光学記録層を形成するのが容易なので有機系の色素が使用されており、特にシアニン系化合物が感度が高く、高速化に対応できることから検討されている。
短波長記録光用の光学記録媒体において、光学記録層の形成には、各種化合物が使用されている。例えば、特許文献1〜3には特定の構造を持つシアニン化合物を含有する光学記録材料が報告されている。しかし、これらの化合物は、光学記録層の形成に用いられる光学記録材料としては、その吸収波長特性及び耐久性が必ずしも適合するものではなかった。
また、特許文献4には、シクロプロペニリウム塩を用いた電子写真用組成物が開示されており、非特許文献1及び2には、シクロプロペニリウム塩の合成方法が開示されているが、該シクロプロペニリウム塩を光学記録材料として用い得ることは記載も示唆もされていない。
特開2001−301333号公報 特開2004−339460号公報 特開平11−58961号公報 米国特許3552958号公報 Tetrahedron Lett.1978、803−806 J.Am.Chem.Soc.1961、83、2375
従って、本発明の目的は、吸収波長特性に優れ、レーザ光による光学記録材料に用いられる光学要素に適した化合物を含有する光学記録材料を提供することにある。
本発明者等は、検討を重ねた結果、特定のシクロプロペニリウム塩が、吸収波長特性に優れることを知見し、これを使用することにより、上記課題を解決し得ることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、下記一般式(I)で表されるシクロプロペニリウム塩を少なくとも一種含有する光学記録材料を提供することで、上記目的を達成したものである。
Figure 0004785697
(式中、環A、環B及び環Dは、それぞれ独立に、五員又は六員の複素環、芳香環又はメタロセン構造を表す。上記複素環及び上記芳香環は、他の環と縮合されていたり、置換されていたりしていてもよい。Anq-はq価のアニオンを表し、qは1又は2であり、pは電荷を中性に保つ係数を表す。)
また、本発明は、基体上に、上記光学記録材料から形成された光学記録層を有することを特徴とする光学記録媒体を提供することで、上記目的を達成したものである。
本発明によれば、光学要素として適する吸収波長特性に優れたシクロプロペニリウム塩を含有する光学記録材料を提供することができる。また、該シクロプロペニリウム塩を含有する光学記録材料は、光学記録媒体の光学記録層の形成に好適に用いられる。
以下、本発明の光学記録材料について好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
先ず、上記一般式(I)で表されるシクロプロペニリウム塩について説明する。
上記一般式(I)における環A、環B及び環Dで表される五員の複素環としては、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピラゾリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、イミダゾリジン環、オキサゾール環、イソキサゾール環、イソオキサゾリジン環、チアゾール環、イソチアゾリジン環等が挙げられ、環A、環B及び環Dで表される六員の複素環としては、ピペリジン環、ピペラジン環、モルフォリン環、チオモルフォリン環、ユロリジン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環等が挙げられる。環A、環B及び環Dで表される芳香環としては、シクロペンタジエン環、ベンゼン環等が挙げられ、環A、環B及び環Dで表されるメタロセン構造としては、フェロセニル環、ニッケロセニル環、コバルトニル環、ルテノセニル環等が挙げられ、環A、環B及び環Dで表される五員又は六員の複素環、芳香環及びメタロセン構造は、他の環と縮合されていたり置換されていたりしていてもよく、例えば、キノリン環、イソキノリン環、インドール環、ユロリジン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、アントラキノン環、フェニルベンゼン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾトリアゾール環、アズレン環、フタルイミド環等が挙げられる。
上記一般式(I)における環A、環B及び環Dで表される五員又は六員の複素環、芳香環及びメタロセン構造、並びにこれらの環の縮合環は置換基を有していてもよく、該置換基としては、以下のものが挙げられる。
例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、シクロペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、ビシクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル等のアルキル基;メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、第二ブチルオキシ、第三ブチルオキシ、イソブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、第三アミルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、イソヘプチルオキシ、第三ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、第三オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ等のアルコキシ基;メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、第二ブチルチオ、第三ブチルチオ、イソブチルチオ、アミルチオ、イソアミルチオ、第三アミルチオ、ヘキシルチオ、シクロヘキシルチオ、ヘプチルチオ、イソヘプチルチオ、第三ヘプチルチオ、n−オクチルチオ、イソオクチルチオ、第三オクチルチオ、2−エチルヘキシルチオ等のアルキルチオ基;ビニル、1−メチルエテニル、2−メチルエテニル、2−プロペニル、1−メチル−3−プロペニル、3−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、イソブテニル、3−ペンテニル、4−ヘキセニル、シクロヘキセニル、ビシクロヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル、ぺンタデセニル、エイコセニル、トリコセニル等のアルケニル基;ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等のアリールアルキル基;フェニル、ナフチル等のアリール基;フェノキシ、ナフチルオキシ等のアリールオキシ基;フェニルチオ、ナフチルチオ等のアリールチオ基;ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピペリジル、ピラニル、ピラゾリル、トリアジル、ピロリル、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、トリアゾリル、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、チアジアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、2−ピロリジノン−1−イル、2−ピペリドン−1−イル、2,4−ジオキシイミダゾリジン−3−イル、2,4−ジオキシオキサゾリジン−3−イル等の複素環基;フェロセニル、ニッケロセニル、コバルトニル、フェロセンアルキル、フェロセンアルコキシ等のメタロセン基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;アセチル、2−クロロアセチル、プロピオニル、オクタノイル、アクリロイル、メタクリロイル、フェニルカルボニル(ベンゾイル)、フタロイル、4−トリフルオロメチルベンゾイル、ピバロイル、サリチロイル、オキザロイル、ステアロイル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル、カルバモイル等のアシル基;アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等のアシルオキシ基;アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、クロロフェニルアミノ、トルイジノ、アニシジノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ,ナフチルアミノ、2−ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、ホルミルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等の置換アミノ基;スルホンアミド基、スルホニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、メルカプト基、トリアルキルシリル基、イミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基等が挙げられ、これらの基は更に置換されていてもよい。また、カルボキシル基及びスルホ基は無機塩基又は有機塩基と塩、錯体又は複合体を形成していてもよい。
上記一般式(I)において、Anq-で表されるアニオンとしては、例えば、一価のものとして、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、フッ素アニオン等のハロゲンアニオン;過塩素酸アニオン、塩素酸アニオン、チオシアン酸アニオン、六フッ化リン酸アニオン、六フッ化アンチモンアニオン、四フッ化ホウ素アニオン等の無機系アニオン;ベンゼンスルホン酸アニオン、トルエンスルホン酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ジフェニルアミン−4−スルホン酸アニオン、2−アミノ−4−メチル−5−クロロベンゼンスルホン酸アニオン、2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホン酸アニオン、特開平8−253705号公報、特表2004−503379号公報、特開2005−336150号公報、国際公開2006/28006号公報等に記載されたスルホン酸アニオン等の有機スルホン酸アニオン;オクチルリン酸アニオン、ドデシルリン酸アニオン、オクタデシルリン酸アニオン、フェニルリン酸アニオン、ノニルフェニルリン酸アニオン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスホン酸アニオン等の有機リン酸系アニオン、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドアニオン、ビスパーフルオロブタンスルホニルイミドアニオン、パーフルオロ−4−エチルシクロヘキサンスルホネートアニオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸アニオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ガリウムアニオン、トリス(フルオロアルキルスルホニル)カルボアニオン、ジベンゾイル酒石酸アニオン等が挙げられ、二価のものとしては、例えば、ベンゼンジスルホン酸アニオン、ナフタレンジスルホン酸アニオン等が挙げられる。また、励起状態にある活性分子を脱励起させる(クエンチングさせる)機能を有するクエンチャーアニオンやシクロペンタジエニル環にカルボキシル基やホスホン酸基、スルホン酸基等のアニオン性基を有するフェロセン、ルテオセン等のメタロセン化合物アニオン等も、必要に応じて用いることができる。
上記のクエンチャーアニオンとしては、例えば、下記一般式(A)、(B)又は下記式(C)で表されるもの、特開昭60−234892号公報、特開平5−43814号公報、特開平5−305770号公報、特開平6−239028号公報、特開平9−309886号公報、特開平9−323478号公報、特開平10−45767号公報、特開平11−208118号公報、特開2000−168237号公報、特開2002−201373号公報、特開2002−206061号公報、特開2005−297407号公報、特公平7−96334号公報、国際公開98/29257号公報等に記載されたようなアニオンが挙げられる。
Figure 0004785697
(式中、Mは、Fe、Co、Ni、Ti、Cu、Zn、Zr、Cr、Mo、Os、Mn、Ru、Sn、Pd、Rh、Pt又はIrを表し、R31及びR32は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基又は−SO2−G基を表し、Gは、アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、ピペリジノ基又はモルフォリノ基を表し、a及びbは、それぞれ独立に、0〜4の数を表す。また、R33、R34、R35及びR36は、それぞれ独立に、アルキル基、アルキルフェニル基、アルコキシフェニル基又はハロゲン化フェニル基を表す。)
Figure 0004785697
本発明に係るシクロプロペニリウム塩としては、製造コストが低く、吸収波長特性に優れているので、下記一般式(II)〜(VII)で表される化合物が好ましい。
Figure 0004785697
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1〜30の有機基、アミノ基あるいは下記一般式(III)、下記一般式(III’)又は下記一般式(IV)で表される基を表し、R1〜R9のうち隣接する置換基は、互いに連結して環構造を形成していてもよい。X1、X2及びX3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、−NH−又は−NYj−を表わし、Yjは、炭素原子数1〜30の有機基、アミノ基又は下記一般式(IV)で表される基を表し、Anq-、q及びpは、上記一般式(I)と同じである。)
Figure 0004785697
(式中、LとTとの間の結合は二重結合、共役二重結合又は三重結合であり、Lは炭素原子を表し、Tは、炭素原子、酸素原子又は窒素原子を表し、x、y及びzは、0又は1を表し、aは0〜4の数を表し、R12は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、R13、R14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、R13とR15は、結合して環構造を形成してもよい。上記一般式(III’)において、L’とT’との間の結合は二重結合又は共役二重結合であり、L’は炭素原子を表し、T’は、炭素原子、酸素原子又は窒素原子を表し、a’は0〜4の数を表し、L’及びT’を含む環は、ヘテロ原子を含んでもよい五員環、ヘテロ原子を含んでもよい六員環、ナフタレン環、キノリン環、イソキノリン環、アントラセン環又はアントラキノン環を表し、これらL’及びT’を含む環は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。)
Figure 0004785697
(式中、Ra〜Riは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基中のメチレン基は、−O−又は−CO−で置換されていてもよく、Z1は、直接結合又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキレン基を表し、該アルキレン基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO2−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換されていてもよく、Mは、Fe、Co、Ni、Ti、Cu、Zn、Zr、Cr、Mo、Os、Mn、Ru、Sn、Pd、Rh、Pt又はIrを表す。)
Figure 0004785697
(式中、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29及びR30は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1〜30の有機基、アミノ基あるいは上記一般式(III)、上記一般式(III’)又は上記一般式(IV)で表される基を表し、R16〜R30のうち隣接する置換基は、互いに連結して環構造を形成していてもよく、Anq-、q及びpは、上記一般式(I)と同じである。)
Figure 0004785697
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、X1、X2、Anq-、q及びpは、上記一般式(II)と同じであり、R16、R17、R18、R19及びR20は、上記一般式(V)と同じである。)
Figure 0004785697
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、X1、X2、Anq-、q及びpは、上記一般式(II)と同じであり、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24及びR25は、上記一般式(V)と同じである。)
上記一般式(II)におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
上記一般式(II)におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、及びX1〜X3中の基であるYjで表される炭素原子数1〜30の有機基としては特に制限を受けず、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ペプタデシル、オクタデシル等のアルキル基;ビニル、1−メチルエテニル、2−メチルエテニル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル、ぺンタデセニル、1−フェニルプロペン−3−イル等のアルケニル基;フェニル、ナフチル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−ビニルフェニル、3−イソプロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、4−第三ブチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、4−オクチルフェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル、4−ステアリルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4−ジ第三ブチルフェニル、シクロヘキシルフェニル等のアルキルアリール基;ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン−2−イル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等のアリールアルキル基及びこれらの炭化水素基がエーテル結合、チオエーテル結合で中断されたもの、例えば、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、2−ブトキシエチル、メトキシエトキシエチル、メトキシエトキシエトキシエチル、3−メトキシブチル、2−フェノキシエチル、2−メチルチオエチル、2−フェニルチオエチルが挙げられ、更にこれらの基は、アルコキシ基、アルケニル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。
上記一般式(II)におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、及びX1〜X3中の基であるYjで表されるアミノ基としては、アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、クロロフェニルアミノ、トルイジノ、アニシジノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ,ナフチルアミノ、2−ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、ホルミルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、トリメチルアンモニオ、トリエチルアンモニオ等が挙げられ、前記の四級窒素を持つアミノ基はアニオンと塩を形成していてもよい。
上記一般式(II)におけるR1〜R9のうち隣接する置換基が連結して形成する環構造としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ベンゼン環、ナフタレン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、テトラヒドロピラン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピロリジン環、モルフォリン環、チオモルフォリン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、チアゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、イミダゾリジン環、ピラゾリジン環、イソオキサゾリジン環、イソチアゾリジン環等が挙げられ、これらの環は他の環と縮合されていたり、置換されていたりしてもよい。
上記一般式(III)におけるR12、R13、R14及びR15で表されるハロゲン原子としては、上記一般式(II)の説明で例示したものが挙げられる。
12、R13、R14及びR15で表されるハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル等が挙げられ、R12で表されるハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、メトキシメチル、エトキシメチル、2−メトキシメチル等が挙げられる。
上記一般式(III)におけるR13とR15のうち隣接する置換基が連結して形成する環構造としては、上記一般式(II)の説明で例示したものが挙げられる。
上記一般式(III’)におけるヘテロ原子を含んでもよい五員環としては、上記一般式(I)の説明で例示したものが挙げられ、ヘテロ原子を含んでもよい六員環としては、上記一般式(I)の説明で例示したものが挙げられる。
上記一般式(IV)において、Ra〜Riで表される炭素原子数1〜4のアルキル基としては、上記一般式(III)の説明で例示したものが挙げられる。該アルキル基中のメチレン基が−O−で置換された基としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、メトキシメチル、エトキシメチル、2−メトキシエチル等が挙げられ、該アルキル基中のメチレン基が−CO−で置換された基としては、アセチル、1−カルボニルエチル、アセチルメチル、1−カルボニルプロピル、2−オキソブチル、2−アセチルエチル、1−カルボニルイソプロピル等が挙げられる。
1で表される置換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、メチルエチレン、ブチレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、1,2−ジメチルプロピレン、1,3−ジメチルプロピレン、1−メチルブチレン、2−メチルブチレン、3−メチルブチレン、4−メチルブチレン、2,4−ジメチルブチレン、1,3−ジメチルブチレン、ペンチレン、へキシレン、ヘプチレン、オクチレン、エタン−1,1−ジイル、プロパン−2,2−ジイル等が挙げられ、該アルキレン基中のメチレン基が−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO2−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換された基としては、メチレンオキシ、エチレンオキシ、オキシメチレン、チオメチレン、カルボニルメチレン、カルボニルオキシメチレン、メチレンカルボニルオキシ、スルホニルメチレン、アミノメチレン、アセチルアミノ、エチレンカルボキシアミド、エタンイミドイル、エテニレン、プロペニレン等が挙げられる。
上記一般式(V)におけるR16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29及びR30で表されるハロゲン原子、炭素原子数1〜30の有機基、アミノ基、及び上記一般式(V)におけるR16〜R30のうち隣接する置換基が連結して形成する環構造としては、上記一般式(II)の説明で例示したものが挙げられる。
上記一般式(I)で表されるシクロプロペニリウム塩の好ましい具体例としては、下記化合物No.1〜23が挙げられる。尚、以下の例示では、アニオンを省いたシクロプロペニリウムカチオンで示している。本発明に係るシクロプロペニリウム塩において、シクロプロペン環は共鳴構造をとっていてもよい。
Figure 0004785697
Figure 0004785697
Figure 0004785697
上記一般式(I)で表わされるシクロプロペニリウム塩の製造方法は、特に限定されないが、例えば、上記一般式(II)で示される化合物においてR1=R4=R7、R2=R5=R8、R3=R6=R9である場合には、下記〔化13〕に示すように、原料となる複素環化合物とテトラクロロシクロプロペンとを塩化アルミニウムの存在下で反応させることによって得られる。
Figure 0004785697
また、上記一般式(V)で示される化合物については、下記〔化14〕に示すように、原料となるジアリールアセチレンとベンザルクロリドとをt−ブトキシカリウムの存在下で反応させることによって得られる。
Figure 0004785697
次に、本発明の光学記録材料について、以下に説明する。
本発明の光学記録材料は、上記一般式(I)で表されるシクロプロペニリウム塩を少なくとも一種含有する。該光学記録材料は、必要に応じて後述する有機溶媒及び各種化合物を含有してもよく、光学記録層を形成するのに好適な材料である。
また、本発明の光学記録材料において、上記一般式(I)で表されるシクロプロペニリウム塩は、単独又は複数種を組み合わせて用いることができる。
本発明の光学記録媒体は、基体上に、上記光学記録材料からなる光学記録層を形成して得られるものである。
本発明の光学記録材料の調製、及び本発明の基体上に、該光学記録材料から形成された光学記録層を有することを特徴とする光学記録媒体を製造する方法については、特に制限を受けない。一般には、メタノール、エタノール等の低級アルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルジグリコール等のエーテルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシエチル等のエステル類;アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ化アルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;メチレンジクロライド、ジクロロエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素類等の有機溶媒に、本発明に係るシクロプロペニリウム塩及び必要に応じて後述の各種化合物を溶解して溶解して溶液状の光学記録材料を作製し、該光学記録材料を基体上にスピンコート、スプレー、ディッピング等で塗布する湿式塗布法が用いられ、蒸着法、スパッタリング法等も用いられる。
上記光学記録層は薄膜として形成され、その厚さは、通常、0.001〜10μmが適当であり、好ましくは0.01〜5μmの範囲である。
また、本発明の光学記録材料中において、本発明に係るシクロプロペニリウム塩の含有量は、本発明の光学記録材料中、0.1〜10質量%が好ましい。上記光学記録層は、光学記録層中に上記シクロプロペニリウム塩を50〜100質量%含有するように形成されることが好ましく、このようなシクロプロペニリウム塩含有量の光学記録層を形成するために、本発明の光学記録材料は、上記シクロプロペニリウム塩を、本発明の光学記録材料中0.5〜10質量%含有するのがさらに好ましい。
本発明の光学記録材料は、本発明に係るシクロプロペニリウム塩の他に、必要に応じて、シアニン化合物、アゾ系化合物、フタロシアニン系化合物、オキソノール系化合物、スクアリリウム系化合物、インドール化合物、スチリル系化合物、ポルフィン系化合物、アズレニウム系化合物、クロコニックメチン系化合物、ピリリウム系化合物、チオピリリウム系化合物、トリアリールメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、テトラヒドロコリン系化合物、インドフェノール系化合物、アントラキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、キサンテン系化合物、チアジン系化合物、アクリジン系化合物、オキサジン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物、ローダミン系化合物等の、通常光学記録層に用いられる化合物;ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート等の樹脂類;界面活性剤;帯電防止剤;滑剤;難燃剤;ヒンダードアミン等のラジカル捕捉剤;フェロセン誘導体等のピット形成促進剤;分散剤;酸化防止剤;架橋剤;耐光性付与剤等を含有してもよい。さらに、本発明の光学記録材料は、一重項酸素等のクエンチャーとして芳香族ニトロソ化合物、アミニウム化合物、イミニウム化合物、ビスイミニウム化合物、遷移金属キレート化合物等を含有してもよい。本発明の光学記録材料において、これらの各種化合物は、本発明の光学記録材料中、0〜0.5質量%の範囲となる量で使用される。
本発明の光学記録材料には、ジイモニウム化合物を含有させてもよい。該ジイモニウム化合物を含有させることにより、本発明の光学記録媒体の経時的な吸光度残存率の低下をより効果的に防ぐことができる。また該ジイモニウム化合物を含有させる場合の含有量は、本発明の光学記録材料中、0〜0.99質量%の範囲となる量が好ましく、より好ましくは、50〜95質量%である。
このような光学記録層を設層する上記基体の材質は、書き込み(記録)光および読み出し(再生)光に対して実質的に透明なものであれば特に制限はなく、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどの樹脂、ガラスなどが用いられる。また、その形状は、用途に応じ、テープ、ドラム、ベルト、ディスク等の任意の形状のものを使用できる。
また、上記光学記録層上には、金、銀、アルミニウム、銅等を用いて蒸着法あるいはスパッタリング法により反射膜を形成することもできるし、アクリル樹脂、紫外線硬化性樹脂等により保護層を形成することもできる。
本発明の光学記録材料は、記録、再生に半導体レーザを用いる光学記録媒体に好適であり、特に高速記録タイプのCD−R、DVD±R等の光ディスクに好適である。
以下、実施例、比較例及び評価例をもって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例等によって何ら制限を受けるものではない。
下記製造例1〜4は、化合物No.1〜No.4の製造例を示し、下記実施例1〜4は、製造例1〜4で製造した化合物No.1〜No.4をそれぞれ含有する光学記録材料No.1〜No.4の調製例及び該光学記録材料を用いた光学記録媒体No.1〜No.4の製造例を示し、下記比較例1及び2は、比較化合物No.1及びNo.2を含有する比較光学記録材料No.1及びNo.2の調製例を示す。
下記評価例1−1及び比較評価例1−1並びに1−2では、実施例4で得られた光学記録媒体No.4及び比較例1及び2で得られた比較光学記録媒体No.1及びNo.2について、短波長レーザによる記録及び再生の適否の評価を行った。
〔製造例1〕化合物No.1の六フッ化リン酸塩の製造
塩化アルミニウム4.12g(30.9mmol)を塩化メチレン35mlに懸濁し、氷冷下でテトラクロロシクロプロペン5.0g(28.1mmol)を加え、氷冷下で1時間撹拌した。氷冷下でチオフェン11.7g(139mmol)を滴下し、3時間加熱還流した。室温まで冷却後、反応液を六フッ化リン酸カリウム20.6g(112mmol)の50g水溶液に注ぎ、析出した固体をクロロホルムを用いて抽出し、溶媒を留去した。残さをアセトニトリル30mlに溶解し、不溶物をろ過した後、溶媒を留去した。残渣をアセトンで洗浄し、乾燥を経て、黄色固体80mgを得た。得られた化合物の収率及び分析結果(λmax、ε、融点、分解点、IR吸収スペクトル、1H−NMR)から、該化合物は、目的物である化合物No.1と同定された。結果を〔表1〕〜〔表3〕に示す。〔表1〕において、分解点は10℃/分の昇温速度における示差熱分析の質量減少開始温度である。
〔製造例2〕化合物No.2の四フッ化ホウ酸塩の製造
ジフェニルアセチレン2.23g(12.5mmol)及びt−ブトキシカリウム3.37g(30.0mmol)をベンゼン50mlに懸濁し、氷冷下でベンザルクロリド2.42g(15.0mmol)を加え、氷冷下で20分間、室温で2時間撹拌した。反応液に水50mlを加えて油水分離を行い、油層から溶媒を留去した。残渣に48%フルオロホウ酸水溶液9.10gを加え、析出物を酢酸エチルで分散してろ別し、乾燥を経て、淡黄色固体1.56gを得た。得られた化合物の収率及び分析結果(λmax、ε、融点、分解点、IR吸収スペクトル、1H−NMR)から、該化合物は、目的物である化合物No.2と同定された。結果を〔表1〕〜〔表3〕に示す。
〔製造例3〕化合物No.3の四フッ化ホウ酸塩の製造
3,4−ジフルオロフェニル−4−プロピルフェニルアセチレン2.00g(7.80mmol)及びt−ブトキシカリウム2.10g(18.7mmol)をベンゼン31mlに懸濁し、氷冷下でベンザルクロリド1.51g(9.36mmol)を加え、氷冷下で20分間、室温で3.6時間撹拌した。反応液に水30mlを加えて油水分離を行い、油層から溶媒を留去した。残さに48%フルオロホウ酸水溶液5.70gを加え、析出物を酢酸エチル/ジエチルエーテル混合溶媒で洗浄し、アセトン/ジエチルエーテル混合溶媒から再結晶し、乾燥を経て、淡黄色固体0.420gを得た。得られた化合物の収率及び分析結果(λmax、ε、融点、分解点、IR吸収スペクトル、1H−NMR)から、該化合物は、目的物である化合物No.3と同定された。結果を〔表1〕〜〔表3〕に示す。
〔製造例4〕化合物No.4の四フッ化ホウ酸塩の製造
ジチエニルアセチレン4.40g(23.1mmol)をベンゼン60mlに溶解し、t−ブトキシカリウム6.23g(55.5mmol)を加えた後、氷冷下でベンザルクロリド4.48g(27.7mmol)を加え、氷冷下で20分間、室温で3時間撹拌した。反応液に水50mlを加えて油水分離を行い、油層から溶媒を留去した。残さに48%フルオロホウ酸水溶液21.3gを加え、室温で1時間撹拌した。析出物をメタノール及び酢酸エチルで洗浄してろ別し、乾燥を経て、褐色固体0.160gを得た。得られた化合物の収率及び分析結果(λmax、ε、融点、分解点、IR吸収スペクトル、1H−NMR)から、該化合物は、目的物である化合物No.4と同定された。結果を〔表1〕〜〔表3〕に示す。
Figure 0004785697
Figure 0004785697
Figure 0004785697
〔実施例1〜4〕
製造例1〜4で得られた化合物No.1〜No.4を、それぞれシクロプロペニリウム塩濃度が濃度1.0質量%となるように2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解して、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液として光学記録材料を得た。チタンキレート化合物(T−50:日本曹達社製)を塗布、加水分解して下地層(0.01μm)を設けた直径12cmのポリカーボネートディスク基板上に、上記の光学記録材料をスピンコーティング法にて塗布して、厚さ100nmの光学記録層を形成し光学記録媒体No.1〜No.4をそれぞれ得た。
〔比較例1及び2〕
化合物No.1〜No.4に替えて、比較化合物No.1及びNo.2を用いた以外は、上記実施例1〜4と同様にして比較光学記録材料を作製し、該光学記録材料を用いて比較光学記録媒体の製造を試みたが、薄膜の一部に結晶が見られ、均一に成膜することはできなかった。
Figure 0004785697
〔評価例1−1及び比較評価例1−1並びに1−2〕
実施例4で得られた光学記録媒体No.4及び比較例1並びに2で得られた比較光学記録媒体No.1並びにNo.2について、薄膜(光学記録層)の405nmにおける反射光のUVスペクトルを測定した。結果を〔表4〕に示す。
Figure 0004785697
〔表4〕から明らかなように、本発明の光学記録材料により形成された光学記録層を有する光学記録材媒体は、比較光学記録媒体に比べて405nmにおける反射率が高く、380〜420nmのレーザ光により記録を行なう光学記録媒体として好適に用いられることが確認できた。

Claims (5)

  1. 下記一般式(I)で表されるシクロプロペニリウム塩を少なくとも一種含有することを特徴とする光学記録材料。
    Figure 0004785697
    (式中、環A、環B及び環Dは、それぞれ独立に、五員又は六員の複素環、芳香環又はメタロセン構造を表す。上記複素環及び上記芳香環は、他の環と縮合されていたり、置換されていたりしていてもよい。Anq-はq価のアニオンを表し、qは1又は2であり、pは電荷を中性に保つ係数を表す。)
  2. 上記シクロプロペニリウム塩が、下記一般式(II)で表されることを特徴とする請求項1記載の光学記録材料。
    Figure 0004785697
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1〜30の有機基、アミノ基あるいは下記一般式(III)、下記一般式(III’)又は下記一般式(IV)で表される基を表し、R1〜R9のうち隣接する置換基は、互いに連結して環構造を形成していてもよい。X1、X2及びX3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、−NH−又は−NYj−を表わし、Yjは、炭素原子数1〜30の有機基、アミノ基又は下記一般式(IV)で表される基を表し、Anq-、q及びpは、上記一般式(I)と同じである。)
    Figure 0004785697
    (式中、LとTとの間の結合は二重結合、共役二重結合又は三重結合であり、Lは炭素原子を表し、Tは、炭素原子、酸素原子又は窒素原子を表し、x、y及びzは、0又は1を表し、aは0〜4の数を表し、R12は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、R13、R14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、R13とR15は、結合して環構造を形成してもよい。上記一般式(III’)において、L’とT’との間の結合は二重結合又は共役二重結合であり、L’は炭素原子を表し、T’は、炭素原子、酸素原子又は窒素原子を表し、a’は0〜4の数を表し、L’及びT’を含む環は、ヘテロ原子を含んでもよい五員環、ヘテロ原子を含んでもよい六員環、ナフタレン環、キノリン環、イソキノリン環、アントラセン環又はアントラキノン環を表し、これらL’及びT’を含む環は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。)
    Figure 0004785697
    (式中、Ra〜Riは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基中のメチレン基は、−O−又は−CO−で置換されていてもよく、Z1は、直接結合又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキレン基を表し、該アルキレン基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO2−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換されていてもよく、Mは、Fe、Co、Ni、Ti、Cu、Zn、Zr、Cr、Mo、Os、Mn、Ru、Sn、Pd、Rh、Pt又はIrを表す。)
  3. 上記シクロプロペニリウム塩が、下記一般式(V)で表されることを特徴とする請求項1記載の光学記録材料。
    Figure 0004785697
    (式中、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29及びR30は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1〜30の有機基、アミノ基あるいは上記一般式(III)、上記一般式(III’)又は上記一般式(IV)で表される基を表し、R16〜R30のうち隣接する置換基は、互いに連結して環構造を形成していてもよく、Anq-、q及びpは、上記一般式(I)と同じである。)
  4. 上記シクロプロペニリウム塩が、下記一般式(VI)で表されることを特徴とする請求項1記載の光学記録材料。
    Figure 0004785697
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、X1、X2、Anq-、q及びpは、上記一般式(II)と同じであり、R16、R17、R18、R19及びR20は、上記一般式(V)と同じである。)
  5. 基体上に、請求項1〜4のいずれかに記載の光学記録材料から形成された光学記録層を有することを特徴とする光学記録媒体。
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