JP2008284876A - 光学記録材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速の光学記録用途に好適な熱分解特性を有する化合物を含有する光学記録材料を提供すること。
【解決手段】基板上に、塗布あるいはスパッタリング等の手段によって、特定の構造を有するシアニン化合物を少なくとも一種含有する記録層を設けた光学記録材料。
【選択図】なし
【解決手段】基板上に、塗布あるいはスパッタリング等の手段によって、特定の構造を有するシアニン化合物を少なくとも一種含有する記録層を設けた光学記録材料。
【選択図】なし
Description
本発明は、主として情報をレーザ等による情報パターンとして付与することにより記録する光学記録媒体に使用される光学記録材料に関し、詳しくは、紫外及び可視領域の波長を有し且つ低エネルギーのレーザ等による高密度の光学記録及び再生が可能な光学記録媒体に使用される光学記録材料に関する。
光学記録媒体は、一般に、記録容量が大きく、記録又は再生が非接触で行なわれること等の優れた特徴を有することから、広く普及している。WORM、CD−R、DVD±R、HD−DVD−R、BD−R等の追記型の光ディスクでは、記録層の微小面積にレーザを集光させ、光学記録層の性状を変えて記録し、記録部分と未記録部分との反射光量の違いによって再生を行なっている。
光ディスクに代表される光学記録媒体の光学記録層には、光学記録層を形成するのが容易なので有機系の色素が使用されており、特にシアニン系化合物が感度が高く、高速化に対応できることから検討されている。
短波長記録光用の光学記録媒体において、光学記録層の形成には、各種化合物が使用されている。例えば、特許文献1〜3には特定の構造を持つシアニン化合物を含有する光学記録材料が報告されている。しかし、これらの化合物は、光学記録層の形成に用いられる光学記録材料としては、熱分解特性に問題がある。高速記録には熱干渉が小さいことが必要であり、光学記録材料としては、分解温度が低いもの及び熱分解が緩やかであるものが適合するが、上記報告の各シアニン系化合物は、この点で充分な特性を有しているものではなかった。
従って、本発明の目的は、高速の光学記録用途に好適な熱分解特性を有する化合物を含有する光学記録材料を提供することにある。
本発明者等は、検討を重ねた結果、特定の構造を有する化合物が、熱分解特性に優れることを知見し、これを使用することにより、上記課題を解決し得ることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、下記一般式(I)で表される化合物を少なくとも一種含有することを特徴とする光学記録材料を提供することで、上記目的を達成したものである。
また、本発明は、下記一般式(V)で表される化合物を少なくとも一種含有することを特徴とする光学記録材料を提供することで、上記目的を達成したものである。
また、本発明は、下記一般式(VII)で表される化合物を少なくとも一種含有することを特徴とする光学記録材料を提供することで、上記目的を達成したものである。
また、本発明は、下記一般式(IX)で表される化合物を少なくとも一種含有することを特徴とする光学記録材料を提供することで、上記目的を達成したものである。
また、本発明は、基体上に、上記光学記録材料から形成された光学記録層を有することを特徴とする光学記録媒体を提供することで、上記目的を達成したものである。
本発明によれば、高速の光学記録用途に好適な熱分解特性を有する化合物を含有する光学記録材料を提供することができる。また、該光学記録材料は、光学記録媒体の光学記録層の形成に好適に用いられる。
以下、本発明の光学記録材料について好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明の光学記録材料は、必須成分として、シアニン化合物である上記一般式(I)、(V)、(VII)又は(IX)で表される化合物を少なくとも一種含有する。
先ず、これらの本発明に係る化合物について説明する。
本発明の光学記録材料は、必須成分として、シアニン化合物である上記一般式(I)、(V)、(VII)又は(IX)で表される化合物を少なくとも一種含有する。
先ず、これらの本発明に係る化合物について説明する。
上記一般式(I)におけるR1、R2、R6及びR7で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
上記一般式(I)におけるR1、R2、R3、R5、R6及びR7で表される炭素原子数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、モノフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、テトラフルオロエチル、トリフルオロエチル、ジフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ヘキサフルオロプロピル、ペンタフルオロプロピル、テトラフルオロプロピル、トリフルオロプロピル、パーフルオロブチル等が挙げられ、R1、R2、R3、R5、R6、R7、R8及びR9で表される炭素原子数6〜40のアリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセン−1−イル、フェナントレン−1−イル、テトラセニル、ペンタセニル、クリセニル、トリフェニレニル、ピレニル、ピセニル、ペリレニル等が挙げられ、R1、R2、R3、R5、R6、R7、R8及びR9で表される炭素原子数7〜40のアリールアルキル基としては、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等が挙げられる。
上記一般式(I)におけるR1、R2、R3、R5、R6及びR7で表される炭素原子数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、モノフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、テトラフルオロエチル、トリフルオロエチル、ジフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ヘキサフルオロプロピル、ペンタフルオロプロピル、テトラフルオロプロピル、トリフルオロプロピル、パーフルオロブチル等が挙げられ、R1、R2、R3、R5、R6、R7、R8及びR9で表される炭素原子数6〜40のアリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセン−1−イル、フェナントレン−1−イル、テトラセニル、ペンタセニル、クリセニル、トリフェニレニル、ピレニル、ピセニル、ペリレニル等が挙げられ、R1、R2、R3、R5、R6、R7、R8及びR9で表される炭素原子数7〜40のアリールアルキル基としては、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等が挙げられる。
上記一般式(I)におけるR1、R2、R6、R7、R8及びR9で表される炭素原子数2〜40の複素環基としては、例えば、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピペラジル、ピペリジル、ピラニル、ピラゾリル、トリアジル、ピロリジル、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、トリアゾリル、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、チアジアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、ユロリジル、モルフォリニル、チオモルフォリニル、2−ピロリジノン−1−イル、2−ピペリドン−1−イル、2,4−ジオキシイミダゾリジン−3−イル、2,4−ジオキシオキサゾリジン−3−イル等が挙げられ、上記一般式(I)におけるR1、R2、R6及びR7で表されるアミノ基としては、例えば、アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、クロロフェニルアミノ、トルイジノ、アニシジノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ,ナフチルアミノ、2−ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、ホルミルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、トリメチルアンモニオ、トリエチルアンモニオ等が挙げられ、前記の四級窒素を持つアミノ基はアニオンと塩を形成していてもよい。
上記一般式(I)におけるR1〜R9のうち隣接する置換基が連結して形成する環構造としては、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ベンゼン環、ナフタレン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、テトラヒドロピラン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピロリジン環、モルフォリン環、チオモルフォリン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、チアゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、イミダゾリジン環、ピラゾリジン環、イソオキサゾリジン環、イソチアゾリジン環等が挙げられ、これらの環は他の環と縮合されていたり、置換されていたりしてもよい。
上記一般式(I)におけるR1、R2、R3、R5、R6、R7、R8及びR9で表される炭素原子数1〜10のアルキル基、R1、R2、R3、R5、R6、R7、R8及びR9で表される炭素原子数6〜40のアリール基、R1、R2、R3、R5、R6、R7、R8及びR9で表される炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、及びR1、R2、R6、R7、R8及びR9で表される炭素原子数2〜40の複素環基は、置換基を有してもよい。該置換基としては、以下のものが挙げられる。
例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、シクロペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、ビシクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル等のアルキル基;メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、第二ブチルオキシ、第三ブチルオキシ、イソブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、第三アミルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、イソヘプチルオキシ、第三ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、第三オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ等のアルコキシ基;メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、第二ブチルチオ、第三ブチルチオ、イソブチルチオ、アミルチオ、イソアミルチオ、第三アミルチオ、ヘキシルチオ、シクロヘキシルチオ、ヘプチルチオ、イソヘプチルチオ、第三ヘプチルチオ、n−オクチルチオ、イソオクチルチオ、第三オクチルチオ、2−エチルヘキシルチオ等のアルキルチオ基;ビニル、1−メチルエテニル、2−メチルエテニル、2−プロペニル、1−メチル−3−プロペニル、3−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、イソブテニル、3−ペンテニル、4−ヘキセニル、シクロヘキセニル、ビシクロヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル、ぺンタデセニル、エイコセニル、トリコセニル等のアルケニル基;ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等のアリールアルキル基;フェニル、ナフチル等のアリール基;フェノキシ、ナフチルオキシ等のアリールオキシ基;フェニルチオ、ナフチルチオ等のアリールチオ基;ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピペリジル、ピラニル、ピラゾリル、トリアジル、ピロリル、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、トリアゾリル、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、チアジアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、2−ピロリジノン−1−イル、2−ピペリドン−1−イル、2,4−ジオキシイミダゾリジン−3−イル、2,4−ジオキシオキサゾリジン−3−イル等の複素環基;フェロセニル、ニッケロセニル、コバルトニル、フェロセンアルキル、フェロセンアルコキシ等のメタロセン基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;アセチル、2−クロロアセチル、プロピオニル、オクタノイル、アクリロイル、メタクリロイル、フェニルカルボニル(ベンゾイル)、フタロイル、4−トリフルオロメチルベンゾイル、ピバロイル、サリチロイル、オキザロイル、ステアロイル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル、カルバモイル等のアシル基;アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等のアシルオキシ基;アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、クロロフェニルアミノ、トルイジノ、アニシジノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ,ナフチルアミノ、2−ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、ホルミルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等の置換アミノ基;スルホンアミド基、スルホニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、メルカプト基、トリアルキルシリル基、イミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、リン酸基等が挙げられ、これらの基は更に置換されていてもよい。また、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基等の酸性基は、無機塩基又は有機塩基と塩、錯体又は複合体を形成していてもよい。
例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、シクロペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、ビシクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル等のアルキル基;メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、第二ブチルオキシ、第三ブチルオキシ、イソブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、第三アミルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、イソヘプチルオキシ、第三ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、第三オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ等のアルコキシ基;メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、第二ブチルチオ、第三ブチルチオ、イソブチルチオ、アミルチオ、イソアミルチオ、第三アミルチオ、ヘキシルチオ、シクロヘキシルチオ、ヘプチルチオ、イソヘプチルチオ、第三ヘプチルチオ、n−オクチルチオ、イソオクチルチオ、第三オクチルチオ、2−エチルヘキシルチオ等のアルキルチオ基;ビニル、1−メチルエテニル、2−メチルエテニル、2−プロペニル、1−メチル−3−プロペニル、3−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、イソブテニル、3−ペンテニル、4−ヘキセニル、シクロヘキセニル、ビシクロヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル、ぺンタデセニル、エイコセニル、トリコセニル等のアルケニル基;ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等のアリールアルキル基;フェニル、ナフチル等のアリール基;フェノキシ、ナフチルオキシ等のアリールオキシ基;フェニルチオ、ナフチルチオ等のアリールチオ基;ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピペリジル、ピラニル、ピラゾリル、トリアジル、ピロリル、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、トリアゾリル、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、チアジアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、2−ピロリジノン−1−イル、2−ピペリドン−1−イル、2,4−ジオキシイミダゾリジン−3−イル、2,4−ジオキシオキサゾリジン−3−イル等の複素環基;フェロセニル、ニッケロセニル、コバルトニル、フェロセンアルキル、フェロセンアルコキシ等のメタロセン基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;アセチル、2−クロロアセチル、プロピオニル、オクタノイル、アクリロイル、メタクリロイル、フェニルカルボニル(ベンゾイル)、フタロイル、4−トリフルオロメチルベンゾイル、ピバロイル、サリチロイル、オキザロイル、ステアロイル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル、カルバモイル等のアシル基;アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等のアシルオキシ基;アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、クロロフェニルアミノ、トルイジノ、アニシジノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ,ナフチルアミノ、2−ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、ホルミルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等の置換アミノ基;スルホンアミド基、スルホニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、メルカプト基、トリアルキルシリル基、イミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、リン酸基等が挙げられ、これらの基は更に置換されていてもよい。また、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基等の酸性基は、無機塩基又は有機塩基と塩、錯体又は複合体を形成していてもよい。
上記一般式(I)において、Anq-で表されるアニオンとしては、例えば、一価のものとして、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、フッ素アニオン等のハロゲンアニオン;過塩素酸アニオン、塩素酸アニオン、チオシアン酸アニオン、六フッ化リン酸アニオン、六フッ化アンチモンアニオン、四フッ化ホウ素アニオン等の無機系アニオン;ベンゼンスルホン酸アニオン、トルエンスルホン酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ジフェニルアミン−4−スルホン酸アニオン、2−アミノ−4−メチル−5−クロロベンゼンスルホン酸アニオン、2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホン酸アニオン、特開平8−253705号公報、特表2004−503379号公報、特開2005−336150号公報、国際公開2006/28006号公報等に記載されたスルホン酸アニオン等の有機スルホン酸アニオン;オクチルリン酸アニオン、ドデシルリン酸アニオン、オクタデシルリン酸アニオン、フェニルリン酸アニオン、ノニルフェニルリン酸アニオン、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスホン酸アニオン等の有機リン酸系アニオン、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドアニオン、ビスパーフルオロブタンスルホニルイミドアニオン、パーフルオロ−4−エチルシクロヘキサンスルホネートアニオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸アニオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ガリウムアニオン、トリス(フルオロアルキルスルホニル)カルボアニオン、ジベンゾイル酒石酸アニオン等が挙げられ、二価のものとしては、例えば、ベンゼンジスルホン酸アニオン、ナフタレンジスルホン酸アニオン等が挙げられる。また、励起状態にある活性分子を脱励起させる(クエンチングさせる)機能を有するクエンチャーアニオンやシクロペンタジエニル環にカルボキシル基やホスホン酸基、スルホン酸基等のアニオン性基を有するフェロセン、ルテオセン等のメタロセン化合物アニオン等も、必要に応じて用いることができる。
上記のクエンチャーアニオンとしては、例えば、下記一般式(A)、(B)又は下記式(C)〜(L)で表されるもの、特開昭60−234892号公報、特開平5−43814号公報、特開平5−305770号公報、特開平6−239028号公報、特開平9−309886号公報、特開平9−323478号公報、特開平10−45767号公報、特開平11−208118号公報、特開2000−168237号公報、特開2002−201373号公報、特開2002−206061号公報、特開2005−297407号公報、特公平7−96334号公報、国際公開98/29257号公報等に記載されたようなアニオンが挙げられる。
上記一般式(II)におけるR10、R11、R12及びR13で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、R10、R11、R12及びR13で表されるハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル等が挙げられ、該アルキル基中のメチレン基が−O−で置換された基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、メトキシメチル、エトキシメチル、2−メトキシエチル等が挙げられ、該アルキル基中のメチレン基が−CO−で置換された基としては、例えば、アセチル、1−カルボニルエチル、アセチルメチル、1−カルボニルプロピル、2−オキソブチル、2−アセチルエチル、1−カルボニルイソプロピル等が挙げられる。
R10で表されるハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、第二ブチルオキシ、第三ブチルオキシ、イソブチルオキシ等が挙げられ、R11とR13とが連結して形成する環構造としては、上記一般式(I)におけるR1〜R9のうち隣接する置換基が連結して形成する環構造として例示したものが挙げられる。
R10で表されるハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、第二ブチルオキシ、第三ブチルオキシ、イソブチルオキシ等が挙げられ、R11とR13とが連結して形成する環構造としては、上記一般式(I)におけるR1〜R9のうち隣接する置換基が連結して形成する環構造として例示したものが挙げられる。
上記一般式(II’)におけるヘテロ原子を含んでもよい5員環としては、例えば、シクロペンテン環、シクロペンタジエン環、イミダゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、イソキサゾール環、チオフェン環、フラン環、ピロール環等が挙げられ、ヘテロ原子を含んでもよい6員環としては、例えば、ベンゼン環、ピリジン環、ピペラジン環、ピペリジン環、モルフォリン環、ピラジン環、ピロン環、ピロリジン環等が挙げられる。
上記一般式(III)におけるRa〜Riで表される炭素原子数1〜4のアルキル基としては、上記一般式(II)の説明で例示した基が挙げられる。
上記一般式(III)におけるZ1で表される炭素原子数1〜8のアルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、メチルエチレン、ブチレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、1,2−ジメチルプロピレン、1,3−ジメチルプロピレン、1−メチルブチレン、2−メチルブチレン、3−メチルブチレン、4−メチルブチレン、2,4−ジメチルブチレン、1,3−ジメチルブチレン、ペンチレン、へキシレン、ヘプチレン、オクチレン、エタン−1,1−ジイル、プロパン−2,2−ジイル等が挙げられ、該アルキレン基中のメチレン基が−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO2−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換された基としては、メチレンオキシ、エチレンオキシ、オキシメチレン、チオメチレン、カルボニルメチレン、カルボニルオキシメチレン、メチレンカルボニルオキシ、スルホニルメチレン、アミノメチレン、アセチルアミノ、エチレンカルボキシアミド、エタンイミドイル、エテニレン、プロペニレン等が挙げられる。
上記一般式(III)におけるZ1で表される炭素原子数1〜8のアルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、メチルエチレン、ブチレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、1,2−ジメチルプロピレン、1,3−ジメチルプロピレン、1−メチルブチレン、2−メチルブチレン、3−メチルブチレン、4−メチルブチレン、2,4−ジメチルブチレン、1,3−ジメチルブチレン、ペンチレン、へキシレン、ヘプチレン、オクチレン、エタン−1,1−ジイル、プロパン−2,2−ジイル等が挙げられ、該アルキレン基中のメチレン基が−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO2−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換された基としては、メチレンオキシ、エチレンオキシ、オキシメチレン、チオメチレン、カルボニルメチレン、カルボニルオキシメチレン、メチレンカルボニルオキシ、スルホニルメチレン、アミノメチレン、アセチルアミノ、エチレンカルボキシアミド、エタンイミドイル、エテニレン、プロペニレン等が挙げられる。
本発明に係る上記一般式(I)で表される化合物としては、製造コストが低く、吸収波長特性及び分解特性に優れているので、上記一般式(I)において、R3が、上記一般式(III)で表される置換基である化合物;上記一般式(I)において、Anq-が、アゾ結合を含まないq価のアニオンである化合物;下記一般式(IV)で表される化合物が好ましく、特に下記一般式(X)で表される化合物;下記一般式(XII)で表される化合物が好ましい。
上記一般式(IV)における環Dで表される置換基を有していてもよい五員の複素環としては、例えば、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピラゾリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、イミダゾリジン環、オキサゾール環、イソキサゾール環、イソオキサゾリジン環、チアゾール環、イソチアゾリジン環等が挙げられ、環Dで表される置換基を有していてもよい六員の複素環としては、例えば、ピペラジン環、モルフォリン環、チオモルフォリン環、ユロリジン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環等が挙げられ、環Dで表される五員又は六員の複素環は、他の環と縮合されていたり置換されていたりしていてもよく、例えば、キノリン環、イソキノリン環、インドール環、ユロリジン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾトリアゾール環、アズレン環、フタルイミド環等が挙げられる。
上記一般式(X)におけるR15で表されるハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜40のアリール基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数2〜40の複素環基又はアミノ基としては、上記一般式(I)の説明で例示した基が挙げられる。
上記一般式(XII)におけるR31、R32及びR33で表されるハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基としては、上記一般式(II)の説明で例示した基が挙げられる。
上記一般式(VI)におけるR110、R111、R112及びR113で表されるハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基、R110で表されるハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜4のアルコキシ基としては、上記一般式(II)の説明で例示した基が挙げられる。
上記一般式(VI)におけるR111、R112及びR113で表される炭素原子数6〜12のアリール基としては、上記一般式(I)において、炭素原子数6〜40のアリール基として例示した基の中で、炭素原子数が所定の範囲を満足するものが挙げられる。
上記一般式(VI)におけるR111、R112及びR113で表される炭素原子数6〜12のアリール基としては、上記一般式(I)において、炭素原子数6〜40のアリール基として例示した基の中で、炭素原子数が所定の範囲を満足するものが挙げられる。
本発明に係る上記一般式(VII)で表される化合物としては、製造コストが低く、吸収波長特性及び分解特性に優れているので、上記一般式(VII)において、R3が、上記一般式(III)で表される置換基である化合物;下記一般式(VIII)で表される化合物が好ましく、特に下記一般式(XI)で表される化合物;下記一般式(XIII)で表される化合物が好ましい。
本発明に係る上記一般式(I)、(V)、(VII)又は(IX)で表される化合物の具体例としては、下記化合物No.1〜35が挙げられる。尚、以下の例示において、一般式(I)又は(V)で表される化合物については、アニオンを省いたカチオンで示している。本発明に係る化合物において、二重結合は共鳴構造をとっていてもよい。
本発明に係る上記一般式(I)及び(VII)で表される化合物には、R4及びR5で表される基が結合する不斉原子をキラル中心とするエナンチオマー、ジアステレオマー又はラセミ体等の光学異性体が存在する場合がある(上記一般式(V)及び(IX)で表される化合物の場合、R114及びR5で表される基が結合する不斉原子がキラル中心となる)が、これらのうち、いかなる光学異性体を単離して用いても、あるいはそれらの混合物として用いてもよい。
上記一般式(I)、(V)、(VII)及び(IX)で表わされる化合物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、上記一般式(I)で表される化合物は、s=1であるとき、下記〔化19〕に示すように、原料となる四級塩とアミジン化合物とを反応させることによって得られる。また、上記一般式(VII)で表される化合物は、下記〔化20〕に示すように、上記一般式(I)で表される化合物に塩基を作用させることによって得られる。尚、上記一般式(I)又は(VII)で表される化合物において、s=2又は3である場合や、上記一般式(V)及び(IX)で表される化合物を製造する場合も、下記製造方法に準じて製造することができる。
次に、基体上に光学記録層が形成された光学記録媒体の該光学記録層に用いられる、上記化合物を含有してなる本発明の光学記録材料について、以下に説明する。
本発明の光学記録材料は、上記一般式(I)、(V)、(VII)又は(IX)で表される化合物を少なくとも一種含有し、該化合物と後述する有機溶媒や各種化合物との混合物として用いられる。
また、本発明の光学記録材料において、上記一般式(I)、(V)、(VII)又は(IX)で表される化合物は、単独又は複数種を組み合わせて用いることができる。
また、本発明の光学記録媒体は、基体上に、該光学記録材料からなる光学記録層を形成して得られる。
本発明の光学記録材料は、上記一般式(I)、(V)、(VII)又は(IX)で表される化合物を少なくとも一種含有し、該化合物と後述する有機溶媒や各種化合物との混合物として用いられる。
また、本発明の光学記録材料において、上記一般式(I)、(V)、(VII)又は(IX)で表される化合物は、単独又は複数種を組み合わせて用いることができる。
また、本発明の光学記録媒体は、基体上に、該光学記録材料からなる光学記録層を形成して得られる。
本発明の光学記録材料の調製、及び本発明の基体上に、該光学記録材料から形成された光学記録層を有することを特徴とする光学記録媒体を製造する方法については、特に制限を受けない。一般には、メタノール、エタノール等の低級アルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルジグリコール等のエーテルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシエチル等のエステル類;アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ化アルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;メチレンジクロライド、ジクロロエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素類等の有機溶媒に、本発明に係る化合物及び必要に応じて後述の各種化合物を溶解して溶液状の光学記録材料を調製し、該光学記録材料を基体上にスピンコート、スプレー、ディッピング等で塗布する湿式塗布法を用いて本発明の光学記録媒体を製造する。上記有機溶媒を使用する場合、その使用量は、本発明の光学記録材料中における上記化合物の含有量が0.1〜10質量%となる量にするのが好ましい。
また、本発明の光学記録材料として、本発明に係る化合物又は該化合物と後述の各種化合物との混合物を単体として用いて、本発明の光学記録媒体を製造する場合には、蒸着法、スパッタリング法等が用いられる。
上記光学記録層は薄膜として形成され、その厚さは、通常、0.001〜10μmが適当であり、好ましくは0.01〜5μmの範囲である。
本発明の光学記録材料において、本発明に係る上記一般式(I)、(V)、(VII)又は(IX)で表される化合物を、それぞれ本発明の光学記録材料に含まれる固形分中、10〜100質量%含有するが好ましい。上記光学記録層は、光学記録層中に上記一般式(I)、(V)、(VII)又は(IX)で表される化合物を50〜100質量%含有するように形成されることが好ましく、このような化合物含有量の光学記録層を形成するために、本発明の光学記録材料は、上記一般式(I)、(V)、(VII)又は(IX)で表される化合物を、本発明の光学記録材料に含まれる固形分中、50〜100質量%含有するのがさらに好ましい。
本発明の光学記録材料は、本発明に係る化合物の他に、必要に応じて、シアニン化合物、アゾ系化合物、フタロシアニン系化合物、オキソノール系化合物、スクアリリウム系化合物、インドール化合物、スチリル系化合物、ポルフィン系化合物、アズレニウム系化合物、クロコニックメチン系化合物、ピリリウム系化合物、チオピリリウム系化合物、トリアリールメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、テトラヒドロコリン系化合物、インドフェノール系化合物、アントラキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、キサンテン系化合物、チアジン系化合物、アクリジン系化合物、オキサジン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物、ローダミン系化合物等の、通常光学記録層に用いられる化合物;ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート等の樹脂類;界面活性剤;帯電防止剤;滑剤;難燃剤;ヒンダードアミン等のラジカル捕捉剤;フェロセン誘導体等のピット形成促進剤;分散剤;酸化防止剤;架橋剤;耐光性付与剤等を含有してもよい。さらに、本発明の光学記録材料は、一重項酸素等のクエンチャーとして芳香族ニトロソ化合物、アミニウム化合物、イミニウム化合物、ビスイミニウム化合物、遷移金属キレート化合物等を含有してもよい。本発明の光学記録材料において、これらの各種化合物は、本発明の光学記録材料に含まれる固形分中、0〜50質量%の範囲となる量で使用されることが好ましい。
本発明の光学記録材料には、ジイモニウム化合物を含有させてもよい。該ジイモニウム化合物を含有させることにより、本発明の光学記録媒体の経時的な吸光度残存率の低下をより効果的に防ぐことができる。また該ジイモニウム化合物を含有させる場合の含有量は、本発明の光学記録材料に含まれる固形分中、0〜99質量%の範囲となる量が好ましく、より好ましくは、5〜50質量%である。
このような光学記録層を設層する上記基体の材質は、書き込み(記録)光および読み出し(再生)光に対して実質的に透明なものであれば特に制限はなく、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどの樹脂、ガラスなどが用いられる。また、その形状は、用途に応じ、テープ、ドラム、ベルト、ディスク等の任意の形状のものを使用できる。
また、上記光学記録層上には、金、銀、アルミニウム、銅等を用いて蒸着法あるいはスパッタリング法により反射膜を形成することもできるし、アクリル樹脂、紫外線硬化性樹脂等により保護層を形成することもできる。
本発明の光学記録材料は、記録、再生に半導体レーザを用いる光学記録媒体に好適であり、特に高速記録タイプのCD−R、DVD±R、HD−DVD―R、BD−R等の公知の単層式、二層式、多層式光ディスクに好適である。
以下、実施例、比較例及び評価例をもって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例等によって何ら制限を受けるものではない。
下記製造例1及び2は、それぞれ本発明に係る上記一般式(I)で表される化合物No.1、及び上記一般式(VII)で表される化合物No.2の製造例を示し、下記実施例1〜6は、上記一般式(I)で表される化合物No.1、上記一般式(VII)で表される化合物No.2、上記一般式(I)で表される化合物No.19〜No.22をそれぞれ含有する光学記録材料No.1〜No.6の調製例及び該光学記録材料を用いた光学記録媒体No.1〜No.6の製造例を示す。
下記製造例1及び2は、それぞれ本発明に係る上記一般式(I)で表される化合物No.1、及び上記一般式(VII)で表される化合物No.2の製造例を示し、下記実施例1〜6は、上記一般式(I)で表される化合物No.1、上記一般式(VII)で表される化合物No.2、上記一般式(I)で表される化合物No.19〜No.22をそれぞれ含有する光学記録材料No.1〜No.6の調製例及び該光学記録材料を用いた光学記録媒体No.1〜No.6の製造例を示す。
下記評価例1−1〜1−6並びに比較評価例1−1及び1−2では、上記一般式(I)で表される化合物No.1、上記一般式(VII)で表される化合物No.2、上記一般式(I)で表される化合物No.19〜No.22並びに比較化合物No.1及びNo.2についての熱分解挙動を、窒素気流中、10℃/分の昇温速度における示差熱分析測定により評価を行った。それらの結果を〔表4〕に示す。
下記評価例2−1〜2−6では、実施例1〜6で得られた光学記録媒体No.1〜No.6について、短波長レーザによる記録及び再生の適否の評価を行った。
〔製造例1〕化合物No.1の六フッ化リン酸塩の製造
<ステップ1>四級塩の製造
窒素置換した反応フラスコに2−ナフチルヒドラジン79.1g及びエタノール274.1gを仕込み、窒素気流下、55℃で4−フェニルブタン−2−オン88.9gを滴下した。30分撹拌した後、発熱に注意しながら硫酸49gを滴下して、1時間還流した。冷却後にトルエン1000g及び水1000gを加え、続いて50%水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pHを8以上にして油水分離を行った。油層を温水500gで3回洗浄し、脱水、脱溶媒を行った。得られた残渣をトルエン137gから晶析を行い、得られた結晶を濾取し、80℃で真空乾燥を行い、白色結晶を72.4g(収率53.4%)を得た。得られた白色結晶13.6g、ヨウ化メチル28.4g及びメタノール21.4gを反応フラスコに仕込み、オートクレーブ中100℃で15時間反応させた。脱溶媒後、酢酸エチル100gとメタノール6.0gの混合溶媒で晶析した。結晶を濾取し、140℃で真空乾燥を行い、目的物の粗結晶(HPLC純度60%)を6.9g(収率:32.3%)得た。
<ステップ1>四級塩の製造
窒素置換した反応フラスコに2−ナフチルヒドラジン79.1g及びエタノール274.1gを仕込み、窒素気流下、55℃で4−フェニルブタン−2−オン88.9gを滴下した。30分撹拌した後、発熱に注意しながら硫酸49gを滴下して、1時間還流した。冷却後にトルエン1000g及び水1000gを加え、続いて50%水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pHを8以上にして油水分離を行った。油層を温水500gで3回洗浄し、脱水、脱溶媒を行った。得られた残渣をトルエン137gから晶析を行い、得られた結晶を濾取し、80℃で真空乾燥を行い、白色結晶を72.4g(収率53.4%)を得た。得られた白色結晶13.6g、ヨウ化メチル28.4g及びメタノール21.4gを反応フラスコに仕込み、オートクレーブ中100℃で15時間反応させた。脱溶媒後、酢酸エチル100gとメタノール6.0gの混合溶媒で晶析した。結晶を濾取し、140℃で真空乾燥を行い、目的物の粗結晶(HPLC純度60%)を6.9g(収率:32.3%)得た。
<ステップ2>化合物No.1の六フッ化リン酸塩の製造
窒素置換した反応フラスコに、ステップ1で得られた四級塩44.4g、ジフェニルホルムアミジン塩酸塩31.0g、ピリジン7.9g及びジメチルアセトアミド115gを仕込み、60℃で11時間撹拌した。室温に冷却後、クロロホルム120g及び六フッ化リン酸カリウム22.1gを水350gに溶解させたものを加えて塩交換を行なった。油層を洗浄後、油層を分離し、溶媒を留去した。得られた残さをメタノール150gから再結晶を行った。ろ過、洗浄、乾燥を経て、目的物である化合物No.1の六フッ化リン酸塩を得た(収率48%)。得られた化合物の同定は、λmax、ε、分解点、IR分析及び1H−NMR分析により行った。それらの結果を〔表1〕〜〔表3〕に示す。
窒素置換した反応フラスコに、ステップ1で得られた四級塩44.4g、ジフェニルホルムアミジン塩酸塩31.0g、ピリジン7.9g及びジメチルアセトアミド115gを仕込み、60℃で11時間撹拌した。室温に冷却後、クロロホルム120g及び六フッ化リン酸カリウム22.1gを水350gに溶解させたものを加えて塩交換を行なった。油層を洗浄後、油層を分離し、溶媒を留去した。得られた残さをメタノール150gから再結晶を行った。ろ過、洗浄、乾燥を経て、目的物である化合物No.1の六フッ化リン酸塩を得た(収率48%)。得られた化合物の同定は、λmax、ε、分解点、IR分析及び1H−NMR分析により行った。それらの結果を〔表1〕〜〔表3〕に示す。
〔製造例2〕化合物No.2の製造
製造例1のステップ1で得られた四級塩110g、水酸化ナトリウム24.7g及びトルエン161gを仕込み、室温で撹拌し、水161gを加えた。室温で1.5時間撹拌後、クロロホルム200g及び水200gを加えて油水分離を行い、油層から溶媒を留去した。メタノール/水混合溶媒から再結晶を行い、ろ過、洗浄、乾燥を経て、目的物を得た(収率68%)。得られた化合物の同定は、λmax、ε、分解点、IR分析及び1H−NMR分析により行った。それらの結果を〔表1〕〜〔表3〕に示す。
製造例1のステップ1で得られた四級塩110g、水酸化ナトリウム24.7g及びトルエン161gを仕込み、室温で撹拌し、水161gを加えた。室温で1.5時間撹拌後、クロロホルム200g及び水200gを加えて油水分離を行い、油層から溶媒を留去した。メタノール/水混合溶媒から再結晶を行い、ろ過、洗浄、乾燥を経て、目的物を得た(収率68%)。得られた化合物の同定は、λmax、ε、分解点、IR分析及び1H−NMR分析により行った。それらの結果を〔表1〕〜〔表3〕に示す。
〔実施例1〜6〕
上記一般式(I)で表される化合物No.1、上記一般式(VII)で表される化合物No.2及び上記一般式(I)で表される化合物No.19〜No.22を、それぞれ化合物濃度が濃度1.0質量%となるように2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解して、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液として光学記録材料No.1〜No.6を得た。チタンキレート化合物(T−50:日本曹達社製)を塗布、加水分解して下地層(0.01μm)を設けた直径12cmのポリカーボネートディスク基板上に、上記の光学記録材料No.1〜No.6をスピンコーティング法にて塗布して、厚さ100nmの光学記録層を形成し光学記録媒体No.1〜No.6をそれぞれ得た。
上記一般式(I)で表される化合物No.1、上記一般式(VII)で表される化合物No.2及び上記一般式(I)で表される化合物No.19〜No.22を、それぞれ化合物濃度が濃度1.0質量%となるように2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解して、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液として光学記録材料No.1〜No.6を得た。チタンキレート化合物(T−50:日本曹達社製)を塗布、加水分解して下地層(0.01μm)を設けた直径12cmのポリカーボネートディスク基板上に、上記の光学記録材料No.1〜No.6をスピンコーティング法にて塗布して、厚さ100nmの光学記録層を形成し光学記録媒体No.1〜No.6をそれぞれ得た。
〔評価例1−1〜1−6並びに比較評価例1−1及び1−2〕
上記一般式(I)で表される化合物No.1、上記一般式(VII)で表される化合物No.2及び上記一般式(I)で表される化合物No.19〜No.22並びに比較化合物No.1及びNo.2について、熱分解挙動の評価を行なった。評価は、窒素気流中及び空気中、10℃/分の昇温速度における示差熱分析測定により行い、熱分解温度を、DTAの発熱のピークトップ温度で比較評価し、急峻性を、DTAの発熱のピークトップ温度と40%質量減少時点の温度の幅で評価した。評価結果を以下の〔表4〕に示す。
上記一般式(I)で表される化合物No.1、上記一般式(VII)で表される化合物No.2及び上記一般式(I)で表される化合物No.19〜No.22並びに比較化合物No.1及びNo.2について、熱分解挙動の評価を行なった。評価は、窒素気流中及び空気中、10℃/分の昇温速度における示差熱分析測定により行い、熱分解温度を、DTAの発熱のピークトップ温度で比較評価し、急峻性を、DTAの発熱のピークトップ温度と40%質量減少時点の温度の幅で評価した。評価結果を以下の〔表4〕に示す。
〔表4〕から明らかなように、本発明に係る化合物は、低温で分解し、熱分解が緩やかにおこる、すなわち蓄熱性が低く熱干渉がおさえられるため、高速記録に適することが確認できた。一方、比較化合物は、分解点が高く、蓄熱性が高く、良好な熱分解挙動を示さなかった。
〔評価例2−1〜2−6〕
実施例1〜6で得られた光学記録媒体No.1〜No.6について、UVスペクトル吸収を測定した。測定結果を〔表5〕に示す。
実施例1〜6で得られた光学記録媒体No.1〜No.6について、UVスペクトル吸収を測定した。測定結果を〔表5〕に示す。
〔表5〕から明らかなように、本発明の光学記録材料により形成された光学記録層を有する光学記録材媒体は、UVスペクトル吸収において380〜620nm近くにλmaxを示し、いずれの光学記録媒体も、380〜620nmのレーザ光により記録が可能であることが確認できた。
Claims (14)
- 下記一般式(I)で表される化合物を少なくとも一種含有することを特徴とする光学記録材料。
- 下記一般式(V)で表される化合物を少なくとも一種含有することを特徴とする光学記録材料。
- 上記一般式(I)中、R3が、上記一般式(III)で表される置換基である請求項1記載の光学記録材料。
- 上記一般式(I)中、Anq-が、アゾ結合を含まないq価のアニオンである請求項1記載の光学記録材料。
- 上記一般式(VII)中、R3が、上記一般式(III)で表される置換基である請求項6記載の光学記録材料。
- 基体上に、請求項1〜13のいずれかに記載の光学記録材料から形成された光学記録層を有することを特徴とする光学記録媒体。
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JP2008103438A Pending JP2008284876A (ja) | 2007-04-20 | 2008-04-11 | 光学記録材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008284876A (ja) |
-
2008
- 2008-04-11 JP JP2008103438A patent/JP2008284876A/ja active Pending
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