JP4784735B2 - 圧電アクチュエータ及び液体噴射装置並びに圧電アクチュエータの作製方法 - Google Patents

圧電アクチュエータ及び液体噴射装置並びに圧電アクチュエータの作製方法 Download PDF

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本発明は圧電アクチュエータ及び液体噴射装置並びに圧電アクチュエータの作製方法に関し、特にインク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板の表面に圧電素子を配設して、圧電素子の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドを備えた液体噴射装置に適用して有用なものである。
インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、たわみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの2種類が実用化されている。
前者は圧電素子の端面を振動板に当接させることにより圧力発生室の容積を変化させることができて、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
これに対して後者は、圧電材料のグリーンシートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難であるという問題がある。
一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消すべく、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生室毎に独立するように圧電素子を形成したものがある。また、このような圧電素子は、例えば、湿気等の外部環境に起因して破壊され易いという問題がある。この問題を解決するために、圧力発生室が形成される流路形成基板に、圧電素子保持部を有する封止基板(リザーバ形成基板)を接合し、この圧電素子保持部内に圧電素子を密封するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このように圧電素子を密封しても、例えば、封止基板と流路形成基板との接着部分から圧電素子保持部内に水分が入り込むこと等により、圧電素子保持部内の湿気が徐々に上昇し、最終的にはこの湿気により圧電素子が破壊されてしまうという問題がある。なお、このような問題は、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドだけではなく、勿論、インク以外の液滴を吐出する他の液体噴射ヘッドにおいても、同様に存在する。
特開2003−136734号公報(第1図、第2図、第5頁)
本発明は、このような事情に鑑み、圧電素子の破壊を長期間に亘って確実に防止することができる圧電アクチュエータ及び液体噴射装置並びに圧電アクチュエータの作製方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、
圧電体層とこの圧電体層の両面にそれぞれ当接されて前記圧電体層に電圧を印加する電極とを有するとともに、前記電極のうちの一方の電極を介して振動板と一体となった圧電素子と、
一端部が前記他方の電極に直接接触し、前記圧電素子の外周面とともに全体が絶縁膜で覆われている第1のリード電極と、
前記絶縁膜に形成したコンタクトホールを介して一端部が前記第1のリード電極の他端部に接触している第2のリード電極とを有するとともに、
前記コンタクトホールに残存する前記絶縁膜を前記第2のリード電極と前記一方の電極との間に電圧を印加して破壊することにより前記第2のリード電極および前記第1のリード電極間の電気的な導通を確保したことを特徴とする圧電アクチュエータある。
かかる第1の態様によれば、水分透過率の低い絶縁膜によって圧電体層が覆われているため、水分が圧電体層と接触するのを防止することができる。この結果、水分に起因する圧電体層の劣化を長期に亘って確実に防止することができる。
また、コンタクトホールに残存する絶縁膜を電圧の印加により破壊しているので、絶縁膜で圧電素子に対する電気電導が阻害されることはない。この結果、リード電極を介しての良好な電気電導を確保し得る。
さらに、圧電素子がリード電極でも覆われることとなるので、より確実な圧電素子の防湿構造とすることができる。
本発明の第2の態様は、
圧電体層とこの圧電体層の両面にそれぞれ当接されて前記圧電体層に電圧を印加する電極とを有するとともに、前記電極のうちの一方の電極を介して振動板と一体となった圧電素子と、
記圧電素子の外周面に接して前記圧電素子の全体を覆う第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜に形成したコンタクトホールを介して一端部が前記電極のうちの他方の電極に接触している第1のリード電極と、
前記第1のリード電極の外周面に接して前記圧電素子の全体を覆う第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜に形成したコンタクトホールを介して一端部が前記第1のリード電極の他端部に接触している第2のリード電極とを有するとともに、
前記各コンタクトホールに残存する前記第2および第1の絶縁膜を前記第2のリード電極と前記一方の電極との間に電圧を印加して破壊することにより前記第2のリード電極と前記第1のリード電極との間および前記第1のリード電極と前記他方の電極との間の電気的な導通を確保したことを特徴とする圧電アクチュエータある。
かかる第の態様によれば、圧電素子が2層の絶縁膜と第1のリード電極で覆われることとなるので、さらに確実な圧電素子の防湿構造とすることができる。
本発明の第の態様は、
上記第1又は第2の態様に記載する圧電アクチュエータにおいて、
前記絶縁膜は、前記一方の電極と他方の電極との間に直流電圧を印加して破壊した後、さらに交流電圧を印加して破壊したものであることを特徴とする圧電アクチュエータある。
かかる第の態様によれば、直流電圧の印加の際に残渣として残った絶縁膜も完全に除去し得る。
本発明の第の態様は、
上記第1の態様〜第3の態様の何れか一つに記載する圧電アクチュエータにおいて、
前記絶縁膜がアモルファス材料からなることを特徴とする圧電アクチュエータある。
かかる第の態様によれば、水分透過率の極めて低い絶縁膜を形成できるため、水分に
起因する圧電素子に対する悪影響を確実に防止し得る。
本発明の第の態様は、
上記第の態様に記載する圧電アクチュエータにおいて、
前記アモルファス材料が、酸化アルミニウムであることを特徴とする圧電アクチュエータある。
かかる第5の態様によれば、水分透過率の極めて低い絶縁膜を形成できるため、水分に起因する圧電素子の破壊を確実に防止できる。
本発明の第の態様は、
上記第1の態様〜第5の態様の何れか一つに記載する圧電アクチュエータを圧力発生
室の液体をノズル開口から吐出させるための駆動源として用いる液体噴射ヘッドを備えた
ことを特徴とする液体噴射装置ある。
かかる第の態様によれば、安定した液体吐出を行うことができる液体噴射ヘッドを備
えているので、信頼性の高い液体噴射装置を提供することができる。
本発明の第の態様は、
圧電体層とこの圧電体層の両面にそれぞれ当接されて前記圧電体層に電圧を印加する電極とを有するとともに、前記電極のうちの一方の電極を介して振動板と一体となった圧電素子の外部を絶縁膜で覆う工程と、
前記圧電素子の他方の電極との電気的な導通を確保するためのコンタクトホールを、前記絶縁膜を薄く残してこの絶縁膜に形成する工程と、
前記他方の電極に接続されるリード電極を形成する工程と、
前記第2のリード電極と前記一方の電極との間に電圧を印加して前記コンタクトホールに残った絶縁膜を破壊して除去する工程とを有することを特徴とする圧電アクチュエータの作製方法ある。
かかる第の態様によれば、水分透過率の低い絶縁膜によって圧電体層が覆われているため、水分が圧電体層と接触するのを防止することができる。この結果、水分に起因する圧電体層の劣化を長期に亘って確実に防止することができる。
また、コンタクトホールは先ず絶縁膜を薄く残した状態で形成するので、下地である電極等の表面を傷めることもない。さらに、その後残存する絶縁膜を電圧の印加により破壊しているので、絶縁膜で圧電素子に対する電気電導が阻害されることはない。この結果、絶縁膜の除去に伴う下地の損傷を生起することなく電極を介しての良好な電気電導を確保し得る。
本発明の第8の態様は
圧電体層とこの圧電体層の両面にそれぞれ当接されて前記圧電体層に電圧を印加する電極とを有するとともに、前記電極のうちの一方の電極を介して振動板と一体となった圧電素子の外部を全て第1の絶縁膜で覆う工程と、
前記圧電素子の他方の電極との電気的な導通を確保するためのコンタクトホールを、前記絶縁膜を薄く残して前記第1の絶縁膜に形成する工程と、
前記他方の電極に接続される第1のリード電極を形成する工程と、
前記第1のリード電極および圧電体層の外部を全て第2の絶縁膜で覆う工程と、
前記第1のリード電極との電気的な導通を確保するためのコンタクトホールを、前記絶縁膜を薄く残して前記第2の絶縁膜に形成する工程と、
前記第1のリード電極に接続される第2のリード電極を形成する工程と、
前記第2のリード電極と前記一方の電極との間に電圧を印加して前記各コンタクトホールに残った絶縁膜を破壊して除去する工程とを有することを特徴とする圧電アクチュエータの作製方法にある。
かかる第8の態様によれば、絶縁膜上に、さらに他の絶縁膜が形成されて、圧電素子が、これら絶縁膜及び他の絶縁膜によって覆われる。この結果、第2のリード電極は絶縁膜に設けたコンタクトホールを介して第1のリード電極の電気的な導通を確保する。
かくして、圧電素子が、絶縁膜及び他の絶縁膜の2層によって覆われ、圧電体層の水分(湿気)との接触が防止されているため、圧電体層の水分(湿気)に起因する破壊をさらに確実に防止することができる。
本発明の第9の態様は、
上記第7又は第8の態様に記載する圧電アクチュエータの作製方法において、
前記絶縁膜のコンタクトホールは、イオンミリング法により絶縁膜を除去して形成することを特徴とする圧電アクチュエータの作製方法ある。
かかる第9の態様によれば、リード電極を介しての良好な電気電導を確保し得る。また、このときのミリングレートを制御することで残す絶縁膜の膜厚を容易に調整し得る。
本発明の第10の態様は、
上記第7又は第8の態様に記載する圧電アクチュエータの作製方法において、
前記絶縁膜は、前記第2のリード電極と前記一方の電極との間に直流電圧を印加して破壊した後、さらに交流電圧を印加して破壊するようにしたことを特徴とする圧電アクチュエータの作製方法ある。
かかる第10の態様によれば、直流電圧の印加の際に残渣として残った絶縁膜も完全に
除去し得る。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及び断面図である。
本形態は、特に図2(b)に明示するように、一端部が上電極膜80に直接接触して外部の全体が絶縁膜100で覆われている第1のリード電極90と、前記絶縁膜100に設けたコンタクトホール100aを介して一端部が前記第1のリード電極90の他端部に接触している第2のリード電極91とを有するものである。
さらに、詳言すると図1乃至図2に記載する通り、流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成されている。流路形成基板10には、複数の圧力発生室12がその幅方向に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向外側の領域には連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、各圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14を介して連通されている。なお、連通部13は、後述する保護基板30のリザーバ部32と連通して各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ110の一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。なお、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.01〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、シリコン単結晶基板又は不錆鋼などからなる。
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように、厚さが例えば約1.0μmの弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、厚さが例えば、約0.4μmの絶縁体膜55が形成されている。さらに、この絶縁体膜55上には、厚さが例えば、約0.2μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約1.0μmの圧電体層70と、厚さが例えば、約0.05μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部320という。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。
例えば、本実施形態では、図3に示すように、下電極膜60は、圧力発生室12の長手方向では圧力発生室12に対向する領域内に形成され、複数の圧力発生室12に対応する領域に連続的に設けられている。また、下電極膜60は、圧力発生室12の列の外側で流路形成基板10の端部近傍まで延設され、それらの先端部は、後述する駆動IC120から延設された接続配線130が接続される接続部60aとなっている。圧電体層70及び上電極膜80は、基本的には圧力発生室12に対向する領域内に設けられているが、圧力発生室12の長手方向では、下電極膜60の端部よりも外側まで延設されており、下電極膜60の端面は圧電体層70によって覆われている。そして、圧力発生室12の長手方向端部近傍には、圧電体層70を有するが実質的に駆動されない圧電体非能動部330が形成されている。また、各圧電素子300を構成する上電極膜80の一端部近傍には第1のリード電極90の一端部がそれぞれ接続されている。これらの第1のリード電極90は、本実施形態では、圧力発生室12の外側の圧電体非能動部330上から絶縁体膜55上に延設されている。
また、第1のリード電極90には、無機絶縁材料からなる絶縁膜100を介して第2のリード電極91がそれぞれ接続されている。ここで、第1のリード電極90と第2のリード電極91との電気的な導通は絶縁膜100に設けたコンタクトホール100aを介して第2のリード電極91の一端部が第1のリード電極90の他端部である端子部90aに接触することにより確保してある。ただ、絶縁膜100のコンタクトホール100aは、例えばイオンミリング法により好適に形成することができるが、加工が十分でなく絶縁膜100が薄く残ってしまう場合がある。また、一旦コンタクトホール100aが貫通しても、その後、第1のリード電極90の端子部90aの表面に酸化膜が形成されてしまう場合がある。これらの場合には、何れの場合も第2のリード電極91と第1のリード電極90との電気的な接触不良の原因となり、両者の接続部分で所定の電気電導度を確保することができない。
逆に、コンタクトホール100aの形成に伴う作業の際、絶縁膜100の除去が過剰になると、下地である端子部90aを損傷してしまうという問題も生起する。
そこで、本形態において、コンタクトホール100aの形成に際しては最初、絶縁膜100を薄く残しておく。このことにより、下地である端子部90aの損傷を未然に防止することができる。
一方、コンタクトホール100aに残った絶縁膜100は、当該圧電アクチュエータの完成後、下電極膜60の接続部60aと第2のリード電極91の接続部91aとの間に十分な電圧を印加することにより破壊して第1のリード電極90と第2のリード電極91との良好な電気電導度を確保する。ここで、前記下電極膜60の接続部60aと前記第2のリード電極91の接続部91aとの間に印加する電圧は直流、交流の何れでもよく、さらには直流電圧の印加後に交流電圧を印加しても良い。
第2のリード電極91は、流路形成基板10の端部近傍まで延設され、その端部近傍は、下電極膜60の接続部60aと同様に、接続配線130が接続される接続部91aとなっている。
ここで、絶縁膜100は、圧電素子300を構成する各層、第1のリード電極90及び第2のリード電極91のパターン領域に設けられている。そして、少なくとも圧電素子300及び第1のリード電極90は、第1のリード電極90の端子部90aを除いてこの絶縁膜100によって覆われている。例えば、本実施形態では、絶縁膜100が、圧電素子300の列の外側の下電極膜60上まで連続的に設けられており、圧電素子300及び第1のリード電極90と共に下電極膜60も、接続部60aを除いて絶縁膜100によって覆われている。
また上述したように、絶縁膜100は第2のリード電極91のパターン領域まで連続的に設けられている。すなわち、絶縁膜100は、流路形成基板10の端部近傍まで連続的に設けられており、第2のリード電極91の接続部91aもこの絶縁膜100上に位置している。
なお、絶縁膜100の材料は、無機絶縁材料であれば、特に限定されず、例えば、酸化シリコン(SiO)、酸化タンタル(TaO)、酸化アルミニウム(AlO)等が挙げられるが、特に、無機アモルファス材料である酸化アルミニウム(AlO)を用いるのが好ましい。絶縁膜100の材料として酸化アルミニウムを用いた場合、絶縁膜100が、100nm程度の薄膜で形成されていても、高湿度環境下での水分透過を十分に防ぐことができる。なお、絶縁膜の材料として、例えば、樹脂等の有機絶縁材料を用いるとなると、上記無機絶縁材料の絶縁膜と同程度の薄さでは、水分透過を十分に防ぐことができない。また、水分透過を防ぐために絶縁膜の膜厚を厚くすると、圧電素子の運動を妨げるという事態を招く虞がある。また、上記無機絶縁材料であれば、圧電素子へ電圧を印加した際に、コンタクトホール100aの絶縁膜100を確実に破壊できる。
以上説明したように、絶縁膜100によって圧電素子300及び第1のリード電極90の表面を覆うと共に、絶縁膜100上に設けられた第2のリード電極91に接続配線130との接続部91aを設けるようにすることで、圧電体層70の水分(湿気)に起因する破壊を確実に防止することができる。すなわち、圧電素子300及び第1のリード電極90は、端子部90aを除いて第2のリード電極91のパターン領域まで連続する絶縁膜100によって覆われている。また第1のリード電極90の端子部90aは、第2のリード電極91によって塞がれている。したがって、水分は、絶縁膜100の端部からしか侵入することはなく、仮に侵入した場合でも、圧電体層70まで水分が達するのを実質的に防止することができ、圧電体層70の水分に起因する破壊をより確実に防止することができる。
さらに、第2のリード電極91の接続配線130との接続部91aの下側にも絶縁膜100が設けられていることで、第2のリード電極91の密着性が高まるという効果もある。これにより、例えば、ワイヤボンディング等により接続配線130を第2のリード電極91に接続する際等に、第2のリード電極91の剥がれ等の不良が発生するのを防止することもできる。
また、コンタクトホール100aの加工に伴い、下地である端子部90aを損傷することもなく、同時にコンタクトホール100aを介しての第2のリード電極91と第1のリード電極90との電気的な接続も良好に行うことができる。
なお、本実施形態では、連通部13近傍まで延設された下電極膜60の先端部が接続配線130との接続部60aとなっているが、例えば、図4に示すように、下電極膜60に電気的に接続される第1のリード電極90Aを、列設された圧電素子300の外側で圧電素子300の長手方向外側の領域まで延設すると共に、第2のリード電極91Aを流路形成基板10の端部近傍まで延設し、その先端部を接続配線130が接続される接続部91bとしてもよい。そして、この場合には、第1のリード電極90,90Aの端子部90aを除いて、圧電素子300を構成する各層、第1のリード電極90,90A及び第2のリード電極91,91Aのパターン領域を絶縁膜100で覆うようにする。
また、流路形成基板10上の圧電素子300側の面には、圧電素子300に対向する領域にその運動を阻害しない程度の空間を確保可能な圧電素子保持部31を有する保護基板30が接着剤35を介して接合されている。圧電素子300は、この圧電素子保持部31内に形成されているため、外部環境の影響を殆ど受けない状態で保護されている。ここで、第1のリード電極90の端子部90aは、圧電素子保持部31の外に配置されていることが望ましい。すなわち、保護基板30を絶縁膜100上に接着することで、保護基板30と流路形成基板10との接着強度を向上することができる。
また、保護基板30には、流路形成基板10の連通部13に対応する領域にリザーバ部32が設けられている。このリザーバ部32は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の並設方向に沿って設けられており、上述したように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ110を構成している。
なお、保護基板30の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス材料、金属、樹脂等が挙げられるが、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料で形成されていることがより好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部32の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ110に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ110の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部インク供給手段からインクを取り込み、リザーバ110からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動IC120からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、絶縁体膜55、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
ここで、このようなインクジェット式記録ヘッドの製造方法について、図5〜図7を参照して説明する。なお、図5〜図7は、圧力発生室12の長手方向の断面図である。まず、図5(a)に示すように、シリコンウェハである流路形成基板用ウェハ140を約1100℃の拡散炉で熱酸化し、その表面に弾性膜50を構成する二酸化シリコン膜51を形成する。なお、本実施形態では、流路形成基板10として、板厚が約625μmと比較的厚く剛性の高いシリコンウェハを用いている。次いで、図5(b)に示すように、弾性膜50(二酸化シリコン膜51)上に、ジルコニウム(Zr)層を形成後、例えば、500〜1200℃の拡散炉で熱酸化して酸化ジルコニウム(ZrO)からなる絶縁体膜55を形成する。次いで、図5(c)に示すように、例えば、白金とイリジウムとを絶縁体膜55上に積層することにより下電極膜60を形成後、この下電極膜60を所定形状にパターニングする。
次に、図5(d)に示すように、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層70と、例えば、イリジウムからなる上電極膜80とを流路形成基板用ウェハ140の全面に形成する。次いで、図6(a)に示すように、圧電体層70及び上電極膜80を、各圧力発生室12に対向する領域にパターニングして圧電素子300を形成する。
次に、図6(b)に示すように、第1のリード電極90を形成する。具体的には、流路形成基板用ウェハ140上に、所定の金属材料、例えば、本実施形態では、アルミニウム(Al)からなる金属層95を全面に形成する。そして、例えば、レジスト等からなるマスクパターン(図示なし)を介して金属層95を各圧電素子300毎にパターニングすることにより第1のリード電極90が形成される。なお、本実施形態では、第1のリード電極90は、アルミニウムからなる金属層95のみからなるが、これに限定されず、例えば、チタンタングステン(TiW)からなる密着層を介して金属層95を設け、第1のリード電極90がこの密着層と金属層95とで構成されるようにしてもよい。
次に、図6(c)に示すように、例えば、酸化アルミニウム(Al)からなる絶縁膜100を形成すると共に所定形状にパターニングする。すなわち、絶縁膜100を流路形成基板用ウェハ140の全面に形成し、その後、下電極膜60の接続部60aに対向する領域の絶縁膜100を除去すると共に、第1のリード電極90の端子部90aに対向する領域の絶縁膜100を除去してコンタクトホール100aを形成する。この際、コンタクトホール100aの絶縁膜100は薄く残しておき、下地である端子部90aの損傷を未然に防止する。
なお、本実施形態では、接続部60a及び端子部90aに対向する領域と共に、圧電素子300を構成する各層及び第1のリード電極90、並びに後述する工程で形成される第2のリード電極91のパターン領域以外も除去するようにしている。勿論、絶縁膜100は、接続部60a及び端子部90aに対向する領域のみが除去されていてもよい。なお、絶縁膜100の除去方法は、特に限定されないが、例えば、イオンミリング等のドライエッチングを用いることが好ましい。これにより、絶縁膜100を選択的に良好に除去することができる。
次に、第2のリード電極91を形成する。例えば、本実施形態では、図6(d)に示すように、流路形成基板用ウェハ140の全面に亘って、例えば、チタンタングステン(TiW)からなる密着層96を形成し、この密着層96上の全面に、例えば、金(Au)等からなる金属層97を形成する。その後、マスクパターン(図示なし)を介して金属層97を各圧電素子300毎にパターニングし、さらに密着層96をエッチングによりパターニングすることによって第2のリード電極91が形成される。
次いで、図7(a)に示すように、流路形成基板用ウェハ140の圧電素子300側に、シリコンウェハであり複数の保護基板30となる保護基板用ウェハ150を接合する。なお、この保護基板用ウェハ150は、例えば、625μm程度の厚さを有するため、流路形成基板用ウェハ140の剛性は、保護基板用ウェハ150を接合することによって著しく向上することになる。
次いで、図7(b)に示すように、流路形成基板用ウェハ140をある程度の厚さとなるまで研磨した後、さらにフッ酸と硝酸の混合水溶液によってウェットエッチングすることにより流路形成基板用ウェハ140を所定の厚みにする。例えば、本実施形態では、約70μm厚になるように流路形成基板用ウェハ140をエッチング加工した。次いで、図7(c)に示すように、流路形成基板用ウェハ140上に、例えば、窒化シリコン(SiN)からなるマスク膜52を新たに形成し、所定形状にパターニングする。そして、このマスク膜52を介して流路形成基板用ウェハ140を異方性エッチングすることにより、流路形成基板用ウェハ140に圧力発生室12、連通部13及びインク供給路14等を形成する。
なお、その後は、流路形成基板用ウェハ140及び保護基板用ウェハ150の外周縁部の不要部分を、例えば、ダイシング等により切断することによって除去する。そして、流路形成基板用ウェハ140の保護基板用ウェハ150とは反対側の面にノズル開口21が穿設されたノズルプレート20を接合すると共に、保護基板用ウェハ150にコンプライアンス基板40を接合し、流路形成基板用ウェハ140等を図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10等に分割することによって、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドとなる。
最後に、下電極膜60の接続部60aと第2のリード電極91の接続部91aとの間に十分な電圧を印加することによりコンタクトホール100aに残存する絶縁膜100を破壊して第1のリード電極90と第2のリード電極91との良好な電気電導度を確保する。ここで、前記下電極膜60の接続部60aと前記第2のリード電極91の接続部91aとの間に印加する電圧は直流、交流の何れでもよく、さらには直流電圧の印加後に交流電圧を印加しても良いことは前にも述べた。ただ、直流電圧の印加後に交流電圧を印加した場合には、最も良好に接続部60a、91a間の電気電導度を確保し得る。すなわち、電圧を印加して絶縁膜100を破壊する場合、直流による一方向の電圧の印加では、まばらに膜残りを生起してしまうことがあり、この場合には十分な電導度を確保することができない。かかる場合でもその後に双方向の交流電圧を印加することにより膜残りを完全に除去して良好な電導度を確保し得る。これは、交流電圧のみを印加した場合にも同様の現象は発生していると考えられる。
図8は直流電圧を印加する前後でいくつかのノズルに関し導通率を測定したグラフである。同図を参照すれば、この場合には、電圧を印加しなかった場合には、4箇所の不良導通率が発生しているのに対し電圧を印加した場合には全ての箇所で良好な導通率が確保されている。
一方、図9は直流電圧を印加前、直流電圧の印加後、直流電圧の印加後にさらに交流電圧を印加した場合においていくつかのノズルに関し導通率を測定したグラフである。同図を参照すれば、この場合には、単に直流電圧を印加しただけでは多くの箇所で低い導通率となっている。これは、これらの各部分で膜残りが発生しているためであると考えられる。これに対し、さらに交流電圧を印加した場合には、全ての箇所で良好な導通率が確保されている。これは交流の印加により膜残りを完全に除去し得たためであると考えられる。
<実施形態2>
図10は、実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの平面図及び断面図である。本実施形態は、圧電素子300が絶縁膜100と共にもう一層の絶縁膜101によっても覆われるようにしたものである。すなわち、本実施形態では、図8に示すように、第1のリード電極90の下側に、例えば酸化アルミニウム等からなる他の絶縁膜101が形成され、第1のリード電極90は、この他の絶縁膜101上に設けられてコンタクトホール101aを介して上電極膜80に接続されている。すなわち、第1のリード電極90は、コンタクトホール101aを介して上電極膜80との間の電気的な導通を確保するようになっている。
絶縁膜101上には、さらに絶縁膜100が形成されて、圧電素子300が、これら絶縁膜100及び他の絶縁膜101によって覆われている以外は、実施形態1と同様である。すなわち、第2のリード電極91は絶縁膜100に設けたコンタクトホール100aを介して第1のリード電極90との電気的な導通を確保するようになっている。
このような構成では、圧電素子300が、絶縁膜100及び他の絶縁膜101の2層によって覆われ、圧電体層70の水分(湿気)との接触が防止されているため、圧電体層70の水分(湿気)に起因する破壊をさらに確実に防止することができる。
なお、コンタクトホール101aもコンタクトホール100aと同様の手順で形成する。すなわち、先ず、薄く絶縁膜101を残しておき、その後電圧を印加して残した薄膜を除去している。ここで、薄膜除去のために印加する電圧は、前記第1の実施の形態の場合と全く同様であり、直流、交流の何れでもよく、さらには直流電圧の印加後に交流電圧を印加しても良い。また、それぞれの電圧印加の態様に対する作用・効果も前記第1の実施の形態の場合と全く同様に考えることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では、圧電素子300が保護基板30の圧電素子保持部31内に形成されているが、これに限定されず、勿論、圧電素子300は露出されていてもよい。この場合でも、圧電素子300、第1のリード電極90及び第2のリード電極91のパターン領域が、無機絶縁材料からなる絶縁膜100によって覆われているため、水分(湿気)に起因する圧電体層70の破壊は確実に防止される。また、例えば、上述した実施形態では、下電極膜60の接続部60a及び第1のリード電極90の端子部90aが、圧電素子300の列の外側に設けられているが、これに限定されず、例えば、圧電素子300の間から下電極膜60又はリード電極90Aを引き出して、例えば、複数の接続部60a又は端子部90aを設けるようにしてもよい。
なお、上述した実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図11は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。図11に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
また、上述した実施形態においては、本発明の液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを説明したが、液体噴射ヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。本発明は、広く液体噴射ヘッドの全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射するものにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 実施形態1に係る配線構造を示す平面図である。 実施形態1に係る配線構造の変形例を示す平面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 直流電圧を印加する前後の導通率を示すグラフである。 図8の場合にさらに交流電圧を印加した場合を追加したグラフである。 実施形態2に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 一実施形態に係る記録装置の概略図である。
符号の説明
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 31 圧電素子保持部、 32 リザーバ部、 40 コンプライアンス基板、 50 弾性膜、 55 絶縁体膜、 60 下電極膜、 70 圧電体膜、 80 上電極膜、 100 絶縁膜、110 リザーバ、 120 駆動IC、 130 接続配線、 140 流路形成基板用ウェハ、 150 保護基板用ウェハ、 300 圧電素子



Claims (10)

  1. 圧電体層とこの圧電体層の両面にそれぞれ当接されて前記圧電体層に電圧を印加する電極とを有するとともに、前記電極のうちの一方の電極を介して振動板と一体となった圧電素子と、
    一端部が前記他方の電極に直接接触し、前記圧電素子の外周面とともに全体が絶縁膜で覆われている第1のリード電極と、
    前記絶縁膜に形成したコンタクトホールを介して一端部が前記第1のリード電極の他端部に接触している第2のリード電極とを有するとともに、
    前記コンタクトホールに残存する前記絶縁膜を前記第2のリード電極と前記一方の電極との間に電圧を印加して破壊することにより前記第2のリード電極および前記第1のリード電極間の電気的な導通を確保したことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 圧電体層とこの圧電体層の両面にそれぞれ当接されて前記圧電体層に電圧を印加する電極とを有するとともに、前記電極のうちの一方の電極を介して振動板と一体となった圧電素子と、
    記圧電素子の外周面に接して前記圧電素子の全体を覆う第1の絶縁膜と、
    前記第1の絶縁膜に形成したコンタクトホールを介して一端部が前記電極のうちの他方の電極に接触している第1のリード電極と、
    前記第1のリード電極の外周面に接して前記圧電素子の全体を覆う第2の絶縁膜と、
    前記第2の絶縁膜に形成したコンタクトホールを介して一端部が前記第1のリード電極の他端部に接触している第2のリード電極とを有するとともに、
    前記各コンタクトホールに残存する前記第2および第1の絶縁膜を前記第2のリード電極と前記一方の電極との間に電圧を印加して破壊することにより前記第2のリード電極と前記第1のリード電極との間および前記第1のリード電極と前記他方の電極との間の電気的な導通を確保したことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  3. 請求項1又は請求項に記載する圧電アクチュエータにおいて、
    前記絶縁膜は、前記一方の電極と他方の電極との間に直流電圧を印加して破壊した後、さらに交流電圧を印加して破壊したものであることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  4. 請求項1請求項の何れか一に記載する圧電アクチュエータにおいて、
    前記絶縁膜がアモルファス材料からなることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  5. 請求項に記載する圧電アクチュエータにおいて、
    前記アモルファス材料が、酸化アルミニウムであることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  6. 請求項1請求項の何れか一に記載する圧電アクチュエータを圧力発生室の液体をノズル開口から吐出させるための駆動源として用いる液体噴射ヘッドを備えたことを特徴とする液体噴射装置。
  7. 圧電体層とこの圧電体層の両面にそれぞれ当接されて前記圧電体層に電圧を印加する電極とを有するとともに、前記電極のうちの一方の電極を介して振動板と一体となった圧電素子の外部を絶縁膜で覆う工程と、
    前記圧電素子の他方の電極との電気的な導通を確保するためのコンタクトホールを、前記絶縁膜を薄く残してこの絶縁膜に形成する工程と、
    前記他方の電極に接続されるリード電極を形成する工程と、
    前記第2のリード電極と前記一方の電極との間に電圧を印加して前記コンタクトホールに残った絶縁膜を破壊して除去する工程とを有することを特徴とする圧電アクチュエータの作製方法。
  8. 圧電体層とこの圧電体層の両面にそれぞれ当接されて前記圧電体層に電圧を印加する電極とを有するとともに、前記電極のうちの一方の電極を介して振動板と一体となった圧電素子の外部を全て第1の絶縁膜で覆う工程と、
    前記圧電素子の他方の電極との電気的な導通を確保するためのコンタクトホールを、前記絶縁膜を薄く残して前記第1の絶縁膜に形成する工程と、
    前記他方の電極に接続される第1のリード電極を形成する工程と、
    前記第1のリード電極および圧電体層の外部を全て第2の絶縁膜で覆う工程と、
    前記第1のリード電極との電気的な導通を確保するためのコンタクトホールを、前記絶縁膜を薄く残して前記第2の絶縁膜に形成する工程と、
    前記第1のリード電極に接続される第2のリード電極を形成する工程と、
    前記第2のリード電極と前記一方の電極との間に電圧を印加して前記各コンタクトホールに残った絶縁膜を破壊して除去する工程とを有することを特徴とする圧電アクチュエータの作製方法。
  9. 請求項7又は請求項8に記載する圧電アクチュエータの作製方法において、
    前記絶縁膜のコンタクトホールは、イオンミリング法により絶縁膜を除去して形成する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの作製方法。
  10. 請求項7又は請求項8に記載する圧電アクチュエータの作製方法において、
    前記絶縁膜は、前記第2のリード電極と前記一方の電極との間に直流電圧を印加して破壊した後、さらに交流電圧を印加して破壊するようにしたことを特徴とする圧電アクチュエータの作製方法。
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