JP2006264044A - アクチュエータ装置の製造方法及びアクチュエータ装置並びに液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

アクチュエータ装置の製造方法及びアクチュエータ装置並びに液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 下電極と引き出し配線とを確実に絶縁して信頼性を向上すると共に製造コストを低減したアクチュエータ装置の製造方法及びアクチュエータ装置並びに液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】 基板10の一方面に、少なくとも最上層が絶縁体膜55で構成される振動板を形成する工程と、前記振動板の前記絶縁体膜55上に下電極60、圧電体層70及び上電極80を積層形成する工程と、前記下電極60、前記圧電体層70及び前記上電極80を連続的にドライエッチングすることにより圧電素子300を形成すると共に、同時に前記絶縁体膜55の少なくとも表面をドライエッチングすることにより、除去された絶縁材料を当該圧電素子300の一側面の少なくとも前記下電極60の端面に付着させて、当該端面を覆う再デポ膜130を形成する工程と、前記圧電素子300の前記上電極80から前記再デポ膜130上を介して前記振動板上まで引き出される引き出し配線90を形成する工程とによりアクチュエータ装置を製造する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板の表面に圧電素子を形成して、圧電素子の変位により振動板を変形させるアクチュエータ装置の製造方法及びその製造方法によって形成されたアクチュエータ装置並びにアクチュエータ装置を用いて液体を噴射させる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関する。
電圧を印加することにより変位する圧電素子を具備するアクチュエータ装置は、例えば、液滴を噴射する液体噴射装置に搭載される液体噴射ヘッドの液体吐出手段として用いられる。このような液体噴射装置としては、例えば、ノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録装置が知られている。
インクジェット式記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードのアクチュエータ装置を搭載したものと、たわみ振動モードのアクチュエータ装置を搭載したものの2種類が実用化されている。そして、たわみ振動モードのアクチュエータ装置を使用したものとしては、例えば、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電体膜を形成し、この圧電体層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けることによって各圧力発生室毎に独立するように圧電素子を形成したものがある。
このような圧電素子としては、下電極、圧電体層及び上電極で構成され、且つ圧電体層の一側面に下電極の端面が露出されたものがある(例えば、特許文献1参照)。このような構成では、上電極から引き出された引き出し配線と下電極とが短絡してしまうため、引き出し配線を圧電素子上に設けられた絶縁膜を介して形成している。
しかしながら、特許文献1では、絶縁膜を形成する工程が必要となり、製造コストが増大してしまうと共に、この絶縁膜は圧電素子の側面へのカバレッジが悪いことから、引き出し配線と下電極膜とが短絡してしまう虞があり信頼性が低いという問題がある。また、下電極膜と引き出し配線とを確実に絶縁するには、絶縁膜の膜厚を厚く形成しなくてはならず、製造コストが増大してしまうという問題がある。
なお、このような問題は、インクジェット式記録ヘッド等の液体噴射ヘッドに搭載されるアクチュエータ装置の製造方法だけでなく、他の装置に搭載されるアクチュエータ装置の製造方法においても同様に存在する。
特開平10−211701号公報(第11頁、第24〜25図)
本発明はこのような事情に鑑み、下電極と引き出し配線とを確実に絶縁して信頼性を向上すると共に製造コストを低減したアクチュエータ装置の製造方法及びアクチュエータ装置並びに液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、基板の一方面に、少なくとも最上層が絶縁体膜で構成される振動板を形成する工程と、前記振動板の前記絶縁体膜上に下電極、圧電体層及び上電極を積層形成する工程と、前記下電極、前記圧電体層及び前記上電極を連続的にドライエッチングすることにより圧電素子を形成すると共に、同時に前記絶縁体膜の少なくとも表面をドライエッチングすることにより、除去された絶縁材料を当該圧電素子の一側面の少なくとも前記下電極の端面に付着させて、当該端面を覆う再デポ膜を形成する工程と、前記圧電素子の前記上電極から前記再デポ膜上を介して前記振動板上まで引き出される引き出し配線を形成する工程とを具備することを特徴とするアクチュエータ装置の製造方法にある。
かかる第1の態様では、圧電素子の一側面の下電極の端面に再デポ膜を形成することにより、下電極と引き出し配線とを確実に絶縁することができ、下電極と引き出し配線との短絡を確実に防止して信頼性を向上することができる。また、圧電素子をドライエッチングにより形成した際に、同時に再デポ膜を形成することができるため、製造工程を増やすことなく再デポ膜を形成することができ、製造コストを低減することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記引き出し配線を形成する工程では、絶縁材料からなる絶縁膜を介して形成することを特徴とするアクチュエータ装置の製造方法にある。
かかる第2の態様では、絶縁膜によって下電極と引き出し配線とをさらに確実に絶縁することができる。
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記絶縁体膜が酸化ジルコニウムからなると共に、前記再デポ膜が酸化ジルコニウムをドライエッチングすることにより形成することを特徴とするアクチュエータ装置の製造方法にある。
かかる第3の態様では、酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜を容易に且つ高精度に形成することができると共に、酸化ジルコニウムからなる再デポ膜によって下電極と引き出し配線とを確実に絶縁することができる。
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様の製造方法によって形成されたアクチュエータ装置にある。
かかる第4の態様では、信頼性を向上すると共にコストを低減したアクチュエータ装置を実現できる。
本発明の第5の態様は、第4の態様のアクチュエータ装置をノズル開口から液体を噴射させる液体噴射手段として具備することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第5の態様では、信頼性を向上すると共にコストを低減した液体噴射ヘッドを実現できる。
本発明の第6の態様は、第5の態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる第6の態様では、信頼性を向上すると共にコストを低減した液体噴射装置を実現できる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及びそのA−A′断面図並びにその要部拡大断面図である。
図示するように、流路形成基板10は、本実施形態ではシリコン単結晶基板からなり、その一方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる、厚さ0.5〜2μmの弾性膜50が形成されている。
この流路形成基板10には、その他方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁11によって区画された圧力発生室12が並設され、その長手方向外側には、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100の一部を構成する連通部13が形成され、各圧力発生室12の長手方向一端部とそれぞれインク供給路14を介して連通されている。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。なお、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.01〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、又は不錆鋼などからなる。ノズルプレート20は、一方の面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコン単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果たす。また、ノズルプレート20は、流路形成基板10と熱膨張係数が略同一の材料で形成するようにしてもよい。この場合には、流路形成基板10とノズルプレート20との熱による変形が略同一となるため、熱硬化性の接着剤等を用いて容易に接合することができる。
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように、二酸化シリコンからなり厚さが例えば、約1.0μmの弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、酸化ジルコニウム(ZrO)等からなり厚さが例えば、約0.4μmの絶縁体膜55が積層形成されている。また、この絶縁体膜55上には、厚さが約0.1〜0.5μmの積層された下電極膜60と、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなり厚さが例えば、約1.0μmの圧電体層70と、金、白金又はイリジウム等からなり厚さが例えば、約0.05μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。
ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室12毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。なお、上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55が振動板として作用するが、本実施形態では、図1に示すように下電極膜60が複数の圧電素子300の幅方向に亘って形成されているため、下電極膜60の一部も振動板として作用する。
このような本実施形態の圧電素子300は、図2(c)に示すように、長手方向の断面が台形状となるように形成されており、圧電素子300の長手方向の一側面で下電極膜60の端面が露出するように形成されている。すなわち、下電極膜60の側面は、圧電体層70の側面と面一となるように形成されている。
また、圧電素子300の長手方向の一側面の少なくとも下電極膜60が露出された端面には、この端面を覆う絶縁材料からなる再デポ膜130が形成されている。本実施形態では、再デポ膜130を圧電素子300の長手方向の一側面に亘って、すなわち、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80の端面を覆うように形成した。
このような再デポ膜130は、詳しくは後述するが、流路形成基板10上に圧電素子300をドライエッチングすることにより形成する際に、振動板の少なくとも最上層に形成された絶縁体膜55の一部(表面)をオーバーエッチングすることにより、除去された絶縁材料を圧電素子300の一側面に付着させることにより形成されている。すなわち、本実施形態の振動板の最上層は、酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜55で構成されているため、再デポ膜130は、酸化ジルコニウムで形成されている。なお、再デポ膜130としては、特にこれに限定されず、例えば、振動板の最上層を酸化シリコンからなる弾性膜50で構成した場合には、再デポ膜130は酸化シリコンで形成される。
また、圧電素子300の個別電極である上電極膜80には、インク供給路側14側の端部から再デポ膜130上を介して絶縁体膜55上まで引き出される引き出し配線としてリード電極90が形成されている。このリード電極90は、例えば、金(Au)、アルミニウム(Al)等からなるリード電極90が形成されている。
なお、本実施形態のリード電極90と再デポ膜130との間には、絶縁膜91が設けられている。絶縁膜91は、例えば、絶縁性を有する無機材料、例えば、酸化アルミニウム(AlO)、酸化タンタル(TaO)等が挙げられるが、無機アモルファス材料である、例えば、酸化アルミニウム(Al)等を用いるのが好ましい。
また、絶縁膜91には、上電極膜80上で厚さ方向に貫通したコンタクトホール91aが設けられており、リード電極90は、絶縁膜91のコンタクトホール91aを介して上電極膜80と電気的に接続されている。なお、リード電極90として、アルミニウムを用いた場合には、絶縁膜91に接触する領域に絶縁膜91との密着性を向上するチタンタングステン(TiW)等からなる密着層を設けるようにすればよく、この場合、詳しくは後述する接続配線がワイヤボンディングにより接続される領域を金等で形成するようにすればよい。
このように、圧電素子300の一側面に、下電極膜60の端面を覆う再デポ膜130を形成することにより、圧電素子300の一側面に直接CVDなどで絶縁膜91を形成する場合に比べて、下電極膜60の端面とリード電極90とを確実に絶縁して、両者の短絡を防止することができ信頼性を向上することができる。また、再デポ膜130によって下電極膜60の端面とリード電極90とを絶縁することができるため、絶縁膜91を薄くすることができると共に、絶縁膜91が圧電素子300の側面に良好に成膜できない場合にも、再デポ膜130が絶縁性を補填するため、下電極膜60とリード電極90とを確実に絶縁することができる。
また、このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上、すなわち、下電極膜60、弾性膜50及びリード電極90上には、リザーバ100の少なくとも一部を構成するリザーバ部31を有する保護基板30が接着剤34を介して接合されている。このリザーバ部31は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100を構成している。
また、保護基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けられている。保護基板30は、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
このような保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極90の端部近傍は、貫通孔33内に露出するように設けられている。
また、保護基板30上には、並設された圧電素子300を駆動するための駆動回路110が固定されている。この駆動回路110としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路110とリード電極90とは、ボンディングワイヤ等の導電性ワイヤからなる接続配線120を介して電気的に接続されている。
また、このような保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
また、このリザーバ100の長手方向略中央部外側のコンプライアンス基板40上には、リザーバ100にインクを供給するためのインク導入口44が形成されている。さらに、保護基板30には、インク導入口44とリザーバ100の側壁とを連通するインク導入路35が設けられている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導入口44からインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
以下、このようなインクジェット式記録ヘッドの製造方法について、図3〜図5を参照して説明する。なお、図3〜図5は、圧力発生室12の長手方向の断面図である。まず、図3(a)に示すように、シリコン単結晶基板からなる流路形成基板10を約1100℃の拡散炉で熱酸化し、その表面に弾性膜50及び保護膜51となる二酸化シリコン膜52を形成する。次いで、図3(b)に示すように、弾性膜50(二酸化シリコン膜52)上に、ジルコニウム(Zr)層を形成後、例えば、500〜1200℃の拡散炉で熱酸化して酸化ジルコニウム(ZrO)からなる絶縁体膜55を形成する。
次いで、図3(c)に示すように流路形成基板10の全面に亘ってイリジウム又は白金等の下電極膜60と、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電体層70と、イリジウム(Ir)からなる上電極膜80とを順次積層形成する。
ここで、本実施形態では、金属有機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体層70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて圧電体層70を形成している。なお、圧電体層70の製造方法は、ゾル−ゲル法に限定されず、例えば、MOD(Metal-Organic Decomposition)法等を用いてもよい。
次いで、図4(a)に示すように、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を連続的にドライエッチングすることにより、各圧力発生室12に対向する領域に圧電素子300を形成する。なお、圧電素子300を形成する際のドライエッチングとしては、イオンミリングが挙げられる。
また、圧電素子300をイオンミリングによってドライエッチングする際に、振動板の最上層である絶縁材料からなる絶縁体膜55の一部(表面)をオーバーエッチングすることにより、エッチングにより除去された絶縁体膜55の残渣物を圧電素子300の長手方向の一側面に部分的に付着させることで再デポ膜130を形成する。すなわち、圧電素子300をドライエッチングにより形成する際に、下電極膜60を厚さ方向に貫通するまでエッチングしても、さらにエッチングを続けることで、絶縁材料からなる絶縁体膜55の表面をオーバーエッチングする。このとき、除去された絶縁材料が飛散するため、飛散した絶縁材料を圧電素子300の長手方向の一側面に部分的に付着させることができ、再デポ膜130を形成することができる。
なお、再デポ膜130は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80をドライエッチングする際のイオンビームの照射角度を、絶縁体膜55の表面をドライエッチングする際に変えることで、所望の領域に形成することができる。実際には、本実施形態では、圧電素子300を長手方向の断面が台形状となるように形成するため、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80をドライエッチングする際にイオンビームを寝かして照射し、絶縁体膜55の一部をドライエッチングする際にイオンビームを垂直に照射することで再デポ膜130を形成することができる。
このように形成される再デポ膜130は、絶縁体膜55と同じ材料、すなわち、酸化ジルコニウムで形成される。また、再デポ膜130の厚さは、本実施形態では、例えば、0.1μm程度である。さらに、再デポ膜130は、絶縁体膜55をオーバーエッチングすることにより形成されるため、絶縁体膜55を予め厚く形成してもよい。
次いで、図4(b)に示すように、流路形成基板10の全面に亘って、例えば、酸化アルミニウム(Al)等からなる絶縁膜91を形成後、所定形状にパターニングする。また、このとき、同時に絶縁膜91にコンタクトホール91aを形成する。
次いで、図4(c)に示すように、流路形成基板10の全面に亘って、例えば、金(Au)等からなるリード電極90を形成後、各圧電素子300毎にパターニングする。
次に、図5(a)に示すように、パターニングされた複数の圧電素子300を保持する保護基板30を、流路形成基板10上に例えば接着剤34によって接合する。なお、保護基板30には、リザーバ部31、圧電素子保持部32等が予め形成されている。また、保護基板30は、例えば、400μm程度の厚さを有するシリコン単結晶基板からなり、保護基板30を接合することで流路形成基板10の剛性は著しく向上することになる。
次に、図5(b)に示すように、流路形成基板10の圧電素子300が形成された面とは反対側の二酸化シリコン膜52を所定形状にパターニングすることで保護膜51を形成し、保護膜51をマスクとして流路形成基板10をKOH等のアルカリ溶液を用いた異方性エッチング(ウェットエッチング)することにより、流路形成基板10に圧力発生室12、連通部13及びインク供給路14等を形成する。
その後は、流路形成基板10の保護基板30とは反対側の面にノズル開口21が穿設されたノズルプレート20を接合すると共に、保護基板30にコンプライアンス基板40を接合することで、図1に示すようなインクジェット式記録ヘッドが形成される。
なお、実際には、上述した一連の膜形成及び異方性エッチングによって一枚のウェハ上に多数のチップを同時に形成し、プロセス終了後、図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10毎に分割することでインクジェット式記録ヘッドが形成される。
このように、圧電素子300をドライエッチングすることにより形成する際に、同時に振動板の最上層である絶縁材料からなる絶縁体膜55の一部をドライエッチングすることで、再デポ膜130を形成することができるため、製造工程が増えることがなく、コストを低減することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態1を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1では、リード電極90を流路形成基板10上に絶縁膜91を介して設けるようにしたが、特にこれに限定されず、絶縁膜91を設けないようにしてもよい。このような構成としても、リード電極90と下電極膜60とは再デポ膜130によって確実に絶縁することができると共に、絶縁膜91を形成する工程が不要となり、さらにコストを低減することができる。
また、上述した実施形態1では、絶縁膜91をリード電極90の設けられる領域に形成するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、絶縁膜91によって圧電素子300を覆うようにしてもよい。これにより、圧電素子300の耐湿を向上して外部環境(水分)に起因する破壊を防止することができると共に、圧電素子300の腐食を防止することができる。
また、これら各実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図6は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図6に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
なお、上述した実施形態1では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る記録装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 13 連通部、 14 インク供給路、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 31 リザーバ部、 32 圧電素子保持部、 40 コンプライアンス基板、 50 弾性膜、 55 絶縁体膜、 60 下電極膜、 70 圧電体層、 80 上電極膜、 90 リード電極、 91 絶縁膜、 100 リザーバ、 110 駆動回路、 120 接続配線、 130 再デポ膜、 300 圧電素子

Claims (6)

  1. 基板の一方面に、少なくとも最上層が絶縁体膜で構成される振動板を形成する工程と、前記振動板の前記絶縁体膜上に下電極、圧電体層及び上電極を積層形成する工程と、前記下電極、前記圧電体層及び前記上電極を連続的にドライエッチングすることにより圧電素子を形成すると共に、同時に前記絶縁体膜の少なくとも表面をドライエッチングすることにより、除去された絶縁材料を当該圧電素子の一側面の少なくとも前記下電極の端面に付着させて、当該端面を覆う再デポ膜を形成する工程と、前記圧電素子の前記上電極から前記再デポ膜上を介して前記振動板上まで引き出される引き出し配線を形成する工程とを具備することを特徴とするアクチュエータ装置の製造方法。
  2. 請求項1において、前記引き出し配線を形成する工程では、絶縁材料からなる絶縁膜を介して形成することを特徴とするアクチュエータ装置の製造方法。
  3. 請求項1又は2において、前記絶縁体膜が酸化ジルコニウムからなると共に、前記再デポ膜が酸化ジルコニウムをドライエッチングすることにより形成することを特徴とするアクチュエータ装置の製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れかの製造方法によって形成されたアクチュエータ装置。
  5. 請求項4のアクチュエータ装置をノズル開口から液体を噴射させる液体噴射手段として具備することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  6. 請求項5の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008254202A (ja) * 2007-03-30 2008-10-23 Fujifilm Corp 圧電アクチュエータの製造方法、圧電アクチュエータ、液体吐出ヘッド、及び画像形成装置
JP2009051104A (ja) * 2007-08-27 2009-03-12 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置

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