JPH11157073A - インクジェット式記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット式記録ヘッドの製造方法

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JPH11157073A
JPH11157073A JP9329994A JP32999497A JPH11157073A JP H11157073 A JPH11157073 A JP H11157073A JP 9329994 A JP9329994 A JP 9329994A JP 32999497 A JP32999497 A JP 32999497A JP H11157073 A JPH11157073 A JP H11157073A
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JP
Japan
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substrate
etching
film
thin film
ink jet
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JP9329994A
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English (en)
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Tsutomu Hashizume
勉 橋爪
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Withdrawn legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2002/14411Groove in the nozzle plate

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数種類のマスク層を用いずに1回のエッチ
ング工程で所定のパターンを得ることのできるプリンタ
ヘッドの製造に好適なウェハのエッチング方法を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 本発明のインクジェット式記録ヘッドの
製造方法は、基板10の表面に薄膜102を形成する第
1の工程と、上記薄膜102をエッチングし、部分的に
厚さの異なる薄膜102を形成する第2の工程と、上記
部分的に厚さの異なる薄膜102が形成されている上記
基板10をエッチングする第3の工程と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はウェハのエッチング
方法に係わるものである。より具体的には、インクジェ
ット式記録ヘッドの製造に好適なウェハのエッチング方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明に係わる従来例として特許第26
0406号公報を挙げることができる。この文献にはサ
ーマル・インク・ジェット・プリンタヘッドの製造技術
が開示されている。
【0003】サーマル・インク・ジェット・プリンタは
一般に抵抗ヒータであるサーマル・エネルギー・ジェネ
レータに電気パルスを選択的に与えることによって、要
求に応じてインクの小滴を放出するものである。このジ
ェネレータはノズルから上流にある毛管を充填した並列
インク・チャネル内に位置する。ノズルと反対側のチャ
ンネルの端部は小型のインク貯蔵と連通し、この小型イ
ンク貯蔵には大型の外部インク供給装置が接続されてい
る。プリンタヘッドは通常その上にヒータの位置するヒ
ータ・プレートとチャンネル・プレートを有し、このチ
ャネル・プレート内にはチャンネルが形成される。この
チャンネルはインクをインク供給装置からレジスタに供
給してノズルから吐出させるインク経路として機能する
ものである。
【0004】このサーマル・インク・ジェットプリンタ
ヘッドの製造には半導体の微細加工技術が応用されてい
る。特に、チャンネル・プレートにチャンネルを形成す
る場合、シリコン単結晶基板にレジストを施し、そのレ
ジストをマスクとして異方性エッチングを複数回繰り返
すことによってチャンネルを形成している。一般的にこ
のような複雑なパターンをエッチングする工程は、複数
の段差等を形成することが必要であるため、製造工程が
増加する。
【0005】このため、従来、ウェハのエッチング工程
を簡略化し、製造コストを下げる試みが種々検討されて
きた。上記従来技術はこの課題を解決するべく提案され
たものである。その文献には、ウェハの表面に腐食性の
第1のマスク層及び第2のマスク層を所定のパターンに
順次形成し、表面を異方性エッチングする技術が開示さ
れている。この技術によれば、1回のエッチング工程で
深さの異なる開口部を形成することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この技
術ではエッチングにおける腐食速度の異なる2種類のマ
スクを使用することが必要となる。故に、エッチング工
程の際に第2のマスク層を別途形成する必要があるた
め、必然的に工程数が増加することとなる。
【0007】そこで、本発明はこの問題点に鑑み、複数
種類のマスク層を用いずに1回のエッチング工程で所定
のパターンを得ることのできる基板のエッチング方法を
提案することを目的とする。具体的には、インクジェッ
ト式記録ヘッドの製造に好適な基板のエッチング方法を
提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明のインクジェット式記録ヘッドの製造方法
は、基板の表面に薄膜を形成する第1の工程と、上記薄
膜をエッチングし、部分的に厚さの異なる薄膜を形成す
る第2の工程と、上記部分的に厚さの異なる薄膜が形成
されている上記基板をエッチングする第3の工程と、を
備える。
【0009】本発明の好適な形態として、上記第2の工
程は、上記薄膜の表面上に、所定のパターンにレジスト
膜を形成する工程と、当該レジスト膜をマスクとして上
記薄膜を所定の深さにエッチングする工程とを1回以上
繰り返し、上記薄膜に部分的に厚さの異なる段差を形成
することが望ましい。
【0010】かかる工程により、基板をエッチングする
際に、部分的に厚さの異なる薄膜を介してエッチングす
るので、基板のエッチングの深さを調整することができ
る。また、この基板のエッチングの深さは基板及び薄膜
のエッチングの速度差を考慮して薄膜の厚さを決定する
ことで調整することができる。
【0011】また、上記第3の工程は、アルカリ水溶液
を用いた1回のウエットエッチングにより上記基板をエ
ッチングする工程であることが望ましい。この第3の工
程によりインクキャビティーを形成することができる。
また、ウエットエッチングにより、1回の工程で複雑な
パターンを有する基板をエッチングすることができるの
で、製造工程を簡略化することができ、コストを下げる
ことができる。
【0012】さらに、上記アルカリ水溶液は水酸化カリ
ウム、水酸化ナトリウム、ヒドラジン、ジメチルアミン
又はアンモニアのうち少なくとも1つが主成分とするこ
とが望ましい。
【0013】上記第2の工程は反応ガスの一部にフッ素
ガスを含むドライエッチング工程としてもよく、上記薄
膜は二酸化シリコン膜又は窒化シリコン膜の何れかとす
ることが望ましい。
【0014】基板としてシリコン単結晶基板、ガラス基
板を用いることができる。但し、基板としガラス基板を
用いる場合には、基板としてシリコン単結晶基板を用い
る場合に対し、上記エッチング方法、エッチング溶液の
種類等が相違する。
【0015】本発明の好適な形態として、上記基板上に
上記薄膜を介して圧電体膜が上部電極及び下部電極で挟
まれた圧電体薄膜素子を形成する工程をさらに備えても
よい。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の最良の実施の形態
を図面を参照しながら説明する。本実施の形態は、基板
上に部分的に厚さの異なる薄膜を形成し、この薄膜によ
り基板のエッチングの深さの調整を図るものである。
【0017】図1を参考にインクジェット式記録ヘッド
の構成を説明した後、図2乃至図5を参考にその製造工
程を説明する。本実施の形態においては、インクジェッ
ト式記録ヘッドの製造を例に説明するが、これに限られ
るものではなく、部分的に深さの異なる基板を使用した
何れのプリンタヘッドにも適用することができる。
【0018】尚、以下の説明においては同一の参照番号
は同一の名称を表すものとする。
【0019】[インクジェット式記録ヘッドの構成]図
1はインクジェット式記録ヘッドの構造を説明する斜視
図である。このインクジェット式記録ヘッド101は、
ノズル穴15の設けられたノズルプレート110、及び
圧電体薄膜素子3(後述する下部電極103、圧電体膜
104及び上部電極105から構成される)の設けられ
た流路基板2を、筐体5に嵌め込んで構成される。流路
基板2は圧力室基板とも呼ばれ、インクキャビティー1
4、側壁22およびリザーバ23等が形成される。上記
圧電体膜104はインク吐出の駆動源である電気・機械
変換素子としてPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)が使用
される。
【0020】[インクジェット式記録ヘッドの製造工
程]以下に本発明のインクジェット式記録ヘッドの製造
方法について図面を参考に説明する。図2乃至図5の
(a)〜(l)は圧電体薄膜素子を備えた加圧室基板の
製造工程における断面図を示している。
【0021】図2(a):まず、所定の大きさと厚さ
(例えば、直径100mm、厚さ200μm)のシリコ
ン単結晶基板10に対し、その全面に熱酸化法により酸
化膜(二酸化珪素膜)102を厚さ1.0μm形成す
る。この工程は酸素或いは水蒸気を含む酸化性雰囲気中
で高温処理することで行う。この酸化膜102は振動板
として機能するものである。
【0022】次に、シリコン単結晶基板10の一方の面
(後述する圧電体膜104を形成する側の面)の酸化膜
102の表面にスパッタ生成膜法等の薄膜形成方法によ
り下部電極103となる白金を例えば、500nmの厚
さで形成する。この下部電極103は酸化膜102とと
もに振動板膜を兼ねるものである。下部電極103とし
ては、他にイリジウム、イリジウムと白金の合金等を適
用することができる。この上に圧電体膜前駆体を積層す
る。この工程はチタン酸とジルコン酸鉛のモル混合比が
44%:56%となるようなPZT系圧電体膜の前駆体
をゾルゲル法にて0.8μmの厚みとなるまで8回の塗
工/乾燥/脱脂を繰り返すことにより成膜する。但し、
この方法に限られず、高周波スパッタ成膜法やCVD法
を用いてもよい。
【0023】この圧電体膜前駆体を成膜後、圧電体膜前
駆体を結晶化させるために基板全体を加熱する。この工
程は赤外線輻射光源を用いて基板の両面から酸素雰囲気
中で650℃で5分保持した後、900℃で1分加熱
し、その後自然降温させることにより圧電体膜前駆体の
結晶化を行う。この工程により圧電体膜前駆体は圧電体
膜104となる。
【0024】その後、圧電体膜104上に上部電極10
5を形成する。この工程は100nmの白金をスパッタ
成膜法にて形成する。上部電極105としては他に、イ
リジウム、イリジウムと白金の合金、パラジウム、ロジ
ウム、金、インジウムとスズの酸化物を適用することが
できる。
【0025】図2(b): 上部電極の全表面にレジス
トAをスピンコートして塗布する。マスク(図示せず)
によりレジストAを露光/現像/ベークし、図に示すよ
うに硬化したレジストAを形成する。このレジストAは
後述するエッチング工程で圧力室に対応する位置に上部
電極を残すためのマスクとして機能するものである。そ
の上に有機膜からなる保護膜106をスピンコーティン
グ法により、1.0μm形成する。この保護膜106は
基板10の下面(圧電体膜104が形成されている面と
反対側の面)を後述するウエットエッチングをする際に
保護膜として機能するものである。また、基板10をエ
ッチングして加圧室を形成するための準備としてレジス
トBを施す。このレジストBは酸化膜102の厚さを部
分的に異なるように形成するためのものである。
【0026】図2(c): レジストBをマスクとして
酸化膜102を弗化水素によりエッチングし、基板10
のエッチング用の窓11を形成する。この工程では表面
に露出している酸化膜102を全て除去する。この工程
で表面に露出した基板10の表面は後述する基板10の
エッチング工程において一番深くエッチングされる面で
ある。
【0027】酸化膜102のエッチング終了後、レジス
トBを剥離し、新たなレジストCを施す。このレジスト
CはレジストBと同様に酸化膜102を部分的に厚さの
異なる膜にエッチングするために施すものである。この
例では、表面に露出した酸化膜102の一部の領域を覆
うようにレジストCを施した。
【0028】図3(d): レジストCをマスクとして
酸化膜102を弗化水素によりハーフエッチングし、ハ
ーフエッチング領域12を形成する。ハーフエッチング
とは、初期の膜厚に対して任意の厚さにエッチングする
ことをいい、エッチング量が膜厚の0%でも100%で
もない量をいう。ここでは、酸化膜102の厚さ1.0
μmの80%に相当する0.8μm分の膜厚をエッチン
グする。この工程により、ハーフエッチング領域12は
0.2μmの膜厚になる。
【0029】尚、この例では酸化膜102の厚さを2段
にしたが、さらに酸化膜102をエッチングすることに
よって厚さを3段、4段等の複数の段にしてもよい。
【0030】この点を本実施の形態の製造工程図以外の
他の図面を用いて説明すると以下のようになる。図6及
び図7の(I)〜(XI)はシリコン基板上の薄膜(二
酸化珪素膜)に部分的に厚さの異なる3つの段差を設
け、その薄膜を介して基板をエッチングする際の工程図
を示したものである。ここでは説明を簡略化するため、
基板上に形成される圧電体薄膜素子等は図示していな
い。
【0031】例えば、厚さ200μmのシリコン基板X
の表面に二酸化珪素膜Y(膜厚1.0μm)を熱酸化法
で形成し、この基板上部(圧電体薄膜素子を形成する
側)に二酸化珪素膜Yを介して保護膜Zを形成する(図
6(I))。この保護膜Zはシリコン基板Xの下面をウ
エットエッチングする際に保護膜として機能するもので
ある。シリコン基板Xの下面にレジストFを施し、フォ
トリソグラヒィー法で所望のパターンにパターニングす
る。次いで、図6(II)に示すように、レジストFをマ
スクとして表面に露出した二酸化珪素膜Yを完全にエッ
チングする。エッチング溶液として、フッ酸等が適用で
きる。この工程によりシリコン基板Xが露出した窓P1
が形成される。この後、レジストFを剥離する。
【0032】次いで、二酸化珪素膜Yの一部が露出する
ようにパターニングされたレジストGを形成する(図6
(III))。そして、レジストGをマスクにして表面に
露出している二酸化珪素膜Yをフッ酸でハーフエッチン
グし、二酸化珪素膜Yにハーフエッチング領域Qを形成
する(図6(IV)。ここでは、膜厚の79%をエッチン
グし、ハーフエッチング領域Qの膜厚を0.21μmと
する。
【0033】次いで、レジストGを剥離し(図6
(V))、ハーフエッチング領域Qの一部が露出するよ
うにレジストHを形成する(図6(VI))。そして、レ
ジストHをマスクとして表面に露出しているハーフエッ
チング領域Qを厚さが0.18μmになるよう、ハーフ
エッチングする(図6(VII))。以下、この領域をハ
ーフエッチング領域Rという。
【0034】次いで、レジストHを剥離する(図6(VI
II))。そして、基板Xの下面を重量濃度10%の水酸
化カリウム水溶液でウエットエッチングする(図6(I
X))。このとき、熱酸化法で形成した二酸化珪素膜Y
のエッチングレートは3nm/minであり、シリコン
基板のエッチングレートは2000nm/minであ
る。従って、ハーフエッチング領域Rの二酸化珪素膜
(膜厚0.18μm)の全てがエッチングされ、基板X
が表面に露出するとき、シリコン基板Xのエッチングの
深さL1は120μmとなる。図6(IX)ではハーフエ
ッチング領域Rの二酸化珪素膜が全てエッチングされ、
窓P2が形成された状態を表している。
【0035】尚、この図では説明の便宜上、実施の縮尺
とは異なる寸法で図示している。
【0036】図6(X)はさらにエッチングが進み、ハ
ーフエッチング領域Qの二酸化膜がすべて除去された状
態を図示している。このとき、窓P1を介してエッチン
グされた基板Xのエッチングの深さL2は140μmで
あり、窓P2を介してエッチングされた基板Xのエッチ
ングの深さL3は20μmである。
【0037】図6(XI)は窓P1を介して基板上側の二
酸化珪素膜Yが露出するまでシリコン基板Xがエッチン
グされた状態を図示している。このとき、窓P1を介し
てエッチングされたシリコン基板Xのエッチングの深さ
L4は200μmであり、窓P2を介してエッチングさ
れたシリコン基板Xのエッチングの深さL5は80μm
である。また、ハーフエッチング領域Qを介してエッチ
ングされたシリコン基板Xのエッチングの深さL6は6
0μmである。このエッチングの表面形状は図6(X)
に示したエッチングの表面形状とほぼ同一である。即
ち、図6(X)に示したエッチングの表面形状をほぼ維
持したままエッチングが進むことになる。
【0038】このように、二酸化珪素膜Yとシリコン基
板Xのエッチングにおける選択比を考慮して予め二酸化
珪素膜Yの厚さを部分的に変えることにより、シリコン
基板Xのエッチングの深さを調整することができる。
【0039】ここで、本実施の形態の製造工程の説明に
戻る。
【0040】図3(e):図3(d)で説明したハーフ
エッチングの終了後、レジストC及び保護膜106を剥
離する。そして表面に露出したレジストAをマスクとし
て上部電極105及び圧電体膜104をドライエッチン
グ方法でエッチングする。このエッチング工程は反応ガ
スの一部にフッ素ガスを含むドライエッチング工程で行
う。反応ガスとしては、CF、SF、NF等が適
用できる。但し、反応ガスは上記F系に限られず、Cl
−F系やCl系のガスを用いてもよい。
【0041】図3(f): 次いで、レジストAを剥離
した後、表面に露出した下部電極103の一部及び上部
電極105を覆うようにレジストDを施す。
【0042】図4(g): このレジストDをマスクと
して下部電極103をドライエッチングし、レジストD
を剥離する。この工程では反応ガスとしてCl、HC
l等の塩素ガスを用いたが、この他に、塩素系のガスと
炭酸ガスの混合ガスを用いてもよい。また、ドライエッ
チング法として反応性イオンエッチングの他、イオンミ
リング法を用いてもよい。また、ドライエッチングの
他、ウエットエッチングを使用することもできる。この
場合、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸等の酸を加熱してエッ
チャントとして使用することができる。
【0043】図4(h):表面に露出された上部電極1
05及び下部電極103を覆うように絶縁膜107をC
VD法で成膜する。この絶縁膜107として窒化シリコ
ン膜を用いた。絶縁膜107は他に、ポリイミド、フッ
素樹脂を使用することもできる。次いで、後述する配線
108が上部電極105と接続するためのコンタクトホ
ール13を形成するために絶縁膜107上にレジストE
(図示せず)を施す。このレジストEをマスクとしてフ
レオン、水素、窒素の混合ガス中において絶縁膜107
の一部をドライエッチングし、コンタクトホール13を
形成する。次いで、コンタクトホール13を介して上部
電極105と外部電極(図示せず)を接続するための配
線108をスパッタ法で成膜する。配線108としてア
ルミニウム、或いは、金とクロムの積層、金とチタンの
積層等が適用できる。
【0044】図4(i): 次に、基板上部の表面全体
を覆うように保護膜109をCVD法、スピンコーティ
ング法等により成膜する。この工程では保護膜109と
して窒化シリコン膜、フッ素樹脂等を適用できる。この
保護膜109は次の工程で基板10の下面を異方性ウエ
ットエッチングする際の保護膜として機能する。
【0045】図5(j): その後、異方性エッチング
液、例えば、80℃に保温された濃度10%の水酸化カ
リウム水溶液を用いて窓11の面から基板10をエッチ
ングする。この図では酸化膜102におけるハーフエッ
チング領域12を全てエッチングした段階を示してい
る。重量濃度10%で温度80℃の水酸化カリウム水溶
液においては、シリコンと二酸化シリコンのエッチング
速度の選択比は700:1であるので、酸化膜102に
おけるハーフエッチング領域12がエッチングされてい
る間に基板10の窓11のシリコンは速やかにエッチン
グされる。酸化膜102のハーフエッチング領域12の
厚さは200nmであるから、ハーフエッチング領域1
2の酸化膜がエッチングされてシリコン基板の表面が露
出したとき、窓11を介してエッチングされた基板10
の深さdは140μmである。
【0046】通常、二酸化珪素膜はシリコン単結晶基板
をエッチングする際のマスクとして機能するものである
が、二酸化珪素膜の水酸化カリウム水溶液に対する選択
比を考慮し、その厚さを適当な値とすることによってシ
リコン単結晶基板10のエッチングの深さを調整するこ
とができる。
【0047】尚、この図では説明の便宜上、実際の縮尺
とは異なっている図を表している。
【0048】図5(k):引き続き基板10のエッチン
グを行い、インクキャビティー14を形成する。窓11
を介してエッチングされた基板10の領域は圧電体膜1
04側の酸化膜102が露出される深さまでエッチング
される。この深さdは200μmである。一方、酸化
膜102のハーフエッチング領域12を介してエッチン
グされた基板10の領域は基板10の途中の深さまでエ
ッチングされる。この深さdは60μmである。従っ
て、d+d=dの関係にある。故に、酸化膜10
2のハーフエッチング領域12を介して基板10をエッ
チングすると、直接基板10をエッチングする場合に比
べ、基板10のエッチングの深さをdだけ浅くするこ
とができる。
【0049】インクキャビティー14を形成した後、保
護膜109を剥離する。
【0050】このように酸化膜102に複数の段差を設
け、厚さを部分的に変えることによって基板10のエッ
チングの深さを調整することができる。また、厚さを部
分的に変える他、基板と薄膜のエッチングの選択比を考
慮して薄膜の材料を選ぶことで同様の効果を得ることが
できる。また、基板がエッチング液に必要以上に浸漬す
る時間を減らすことができるため、過度エッチングを防
止することができる。
【0051】また、1回のエッチング工程で所望のパタ
ーンを得ることができるため、大量生産に好適な基板の
エッチング方法を提供することができる。
【0052】図5(l):最後に基板10の底面にノズ
ルプレート110を貼り付ける。この工程で図に示すよ
うにインクキャビティー14の他、インク流路17及び
インク供給路16が形成される。また、ノズルプレート
110には圧電体膜104の振動を介してインクキャビ
ティー14の体積変化で生じるインクの吐出のたのノズ
ル穴15が形成されている。
【0053】尚、本実施の形態において基板の材質とし
てシリコン単結晶基板を用いた場合を例に説明したが、
この他、ガラス基板を用いてもよい。この場合、スパッ
タ法、CVD法等の成膜法により二酸化珪素膜或いは酸
化チタンをガラス基板上に部分的に厚さの異なる膜とし
て形成し、ガラス基板のエッチングの深さを調整する。
【0054】この点を具体的に説明すると、ガラス基板
上に形成された二酸化珪素膜を部分的にハーフエッチン
グし、厚さの異なる膜とする。ハーフエッチングは、二
酸化珪素膜上に所定のパターンでレジストを形成し、こ
のレジストをマスクとしてフッ酸により所定の深さだけ
エッチングすることにより行う。そして、エッチング溶
液として水酸化ナトリウム水溶液、フッ酸、フッ酸と弗
化アンモニウム混合液等を用いてガラス基板をエッチン
グする。ガラス基板と二酸化珪素膜のこのエッチング溶
液における選択比は約10:1となるので、二酸化珪素
膜の膜厚を調整することでガラス基板のエッチングの深
さを調整することができる。
【0055】また、ガラス基板上に酸化チタンを形成す
る場合には、上記二酸化珪素膜の場合と同様に、ハーフ
エッチングにより部分的に厚さの異なる膜とする。そし
て、この酸化チタンを介してガラス基板をエッチングす
る場合には、フッ酸、フッ酸と弗化アンモニウム混合液
を用いたウエットエッチングの他、CF、CHF
の反応ガスを用いたドライエッチングが適用できる。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、基板をエッチングする
際に、部分的に厚さの異なる薄膜を介してエッチングす
るので、基板のエッチングの深さを調整することができ
る。この基板のエッチングの深さは基板及び薄膜のエッ
チングの速度差を考慮して薄膜の厚さを決定することで
調整することができる。
【0057】特に、上記基板をウエットエッチングする
際には1回の工程で深さの異なるエッチングをすること
ができるので、工程数を減らすとともに製造工程を簡略
化すことができるため、インクジェット式記録ヘッドの
製造コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット式記録ヘッドの分解斜
視図である。
【図2】本発明のインクジェット式記録ヘッドの製造工
程断面図である。
【図3】本発明のインクジェット式記録ヘッドの製造工
程断面図である。
【図4】本発明のインクジェット式記録ヘッドの製造工
程断面図である。
【図5】本発明のインクジェット式記録ヘッドの製造工
程断面図である。
【図6】本発明のインクジェット式記録ヘッドの製造工
程断面図である。
【図7】本発明のインクジェット式記録ヘッドの製造工
程断面図である。
【符号の説明】
10 シリコン単結晶基板 102 酸化膜 103 下部電極 104 圧電体膜 105 上部電極 106 保護膜 107 絶縁膜 108 配線 109 保護膜 110 ノズルプレート 11 窓 12 ハーフエッチング領域 13 コンタクトホール 14 インクキャビティー 15 ノズル穴 16 インク流路 17 インク供給口

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に薄膜を形成する第1の工程
    と、 上記薄膜をエッチングし、部分的に厚さの異なる薄膜を
    形成する第2の工程と、上記部分的に厚さの異なる薄膜
    が形成されている上記基板をエッチングする第3の工程
    と、 を備えるインクジェット式記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記第2の工程は、上記薄膜の表面上
    に、所定のパターンにレジスト膜を形成する工程と、当
    該レジスト膜をマスクとして上記薄膜を所定の深さにエ
    ッチングする工程とを1回以上繰り返し、上記薄膜に部
    分的に厚さの異なる段差を形成する請求項1記載のイン
    クジェット式記録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記第3の工程は、アルカリ水溶液を用
    いた1回のウエットエッチングにより上記基板をエッチ
    ングする工程である請求項1又は請求項2の何れか1項
    に記載のインクジェット式記録ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記アルカリ水溶液は水酸化カリウム、
    水酸化ナトリウム、ヒドラジン、ジメチルアミン又はア
    ンモニアのうち少なくとも1つが主成分である請求項3
    に記載のインクジェット式記録ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記第2の工程は反応ガスの一部にフッ
    素を含むドライエッチング工程である請求項1乃至請求
    項4のうち何れか1項に記載のインクジェット式記録ヘ
    ッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記薄膜は二酸化シリコン膜又は窒化シ
    リコン膜の何れかである請求項1乃至請求項5のうち何
    れか1項に記載のインクジェット式記録ヘッドの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 上記基板はシリコン単結晶基板である請
    求項1乃至請求項6のうち何れか1項に記載のインクジ
    ェット式記録ヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 上記基板はガラス基板である請求項1又
    は請求項2に記載のインクジェット式記録ヘッドの製造
    方法。
  9. 【請求項9】 上記第3の工程によりインクキャビティ
    ーを形成する請求項1乃至請求項8のうち何れか1項に
    記載のインクジェット式記録ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 上記基板上に上記薄膜を介して圧電体
    膜が上部電極及び下部電極で挟まれた圧電体薄膜素子を
    形成する工程をさらに備える請求項1乃至請求項9のう
    ち何れか1項に記載のインクジェット式記録ヘッドの製
    造方法。
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