JP3442299B2 - インクジェット式記録ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット式記録ヘッド及びその製造方法

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JP3442299B2
JP3442299B2 JP32558798A JP32558798A JP3442299B2 JP 3442299 B2 JP3442299 B2 JP 3442299B2 JP 32558798 A JP32558798 A JP 32558798A JP 32558798 A JP32558798 A JP 32558798A JP 3442299 B2 JP3442299 B2 JP 3442299B2
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, e.g. INK-JET PRINTERS, THERMAL PRINTERS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14201Structure of print heads with piezoelectric elements
    • B41J2/14233Structure of print heads with piezoelectric elements of film type, deformed by bending and disposed on a diaphragm

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインク吐出の駆動源
に圧電体膜を用いたインクジェット式記録ヘッド、及び
その製造方法に関する。具体的には、製造工程において
生じる各層間の残留応力を低減することができ、且つ、
製造工程が容易なインクジェット式記録ヘッド、及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インク吐出の駆動源である電気・機械変
換素子としてPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)からなる
圧電体素子がインクジェット式記録ヘッドに使用されて
いる。
【0003】この従来技術を図13を参照して説明す
る。同図はインクジェット式記録ヘッドの主要部断面図
である。この断面図は細長い形状の圧力室の幅方向に切
断した状態を図示している。
【0004】インクジェット式記録ヘッドの主要部は圧
力室基板PSとノズルプレートNPを貼り合わせた構造
となっている。圧力室基板PSはシリコン単結晶基板S
I上に振動板膜VP、下部電極BE、圧電体膜PZ及び
上部電極TEが順次形成されている。シリコン単結晶基
板SIには圧力室PCがシリコン単結晶基板SIの厚み
方向に貫通するようにエッチング加工されて形成されて
いる。ノズルプレートNPの圧力室PCに対応する位置
にはノズルNHが形成されている。
【0005】次に、このインクジェット式記録ヘッドの
動作原理を説明する。インクを吐出させたいときには上
部電極TE及び下部電極BE間に電圧が印加される。こ
の電圧は圧電体膜PZの分極方向と同じ方向である。こ
れにより圧電体膜PZは厚み方向に膨張するとともに、
幅方向に収縮する。この収縮で圧電体膜PZと振動板膜
VPの界面に圧縮応力が働き、振動板膜VP及び圧電体
膜PZは体積変化を起こす。この体積変化より圧力室P
Cの体積が変化し、ノズルNHからインク滴が吐出す
る。これにより印字が可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術ではインクジェット式記録ヘッドを製造する際に
各層間に残留応力が生じるおそれがあるため、構造上不
安定になるおそれがあった。
【0007】この点を図14を参照して説明する。同図
は二酸化珪素膜及び白金電極がシリコン単結晶基板から
受ける応力を模式的に図示したものである。同図(A)
に示すようにシリコン単結晶基板上に形成された二酸化
珪素膜はシリコン単結晶基板から圧縮応力を受けること
が経験的に知られている。この圧縮応力は二酸化珪素膜
を形成する際の製造過程において受ける力を表したもの
である。同様に、シリコン単結晶基板上に形成された白
金電極は引張応力を受ける(同図(B))。このよう
に、一般的に振動板VPは圧縮応力を受け、下部電極B
E、圧電体膜PZ及び上部電極TEは引張応力を受ける
傾向にある。
【0008】このため、図13に示す構造では、振動板
VPの領域D(圧電体膜PZとシリコン単結晶基板SI
の間に位置する領域:以下、「腕部」という場合があ
る。)においてはそれぞれの膜厚を調整することにより
残留応力を低減することができるものの、圧電体素子の
部分では残留応力が生じていた。特に、下部電極BE上
に圧電体膜PZを形成する過程において圧電体膜PZに
応力が働き、製造過程においてクラックが生じる等の不
都合が生じるおそれがあった。
【0009】また、図13に示す構造を改良した従来技
術として、下部電極のうち、圧電体素子の位置する領域
の厚みを異なるように形成することもあった。かかる構
成により振動板のコンプライアンスが一定値になるよう
に設計した場合に、同駆動電圧にて変位量を向上させる
ことができるのであるが、下部電極の製造工程が複雑と
なり、歩留まりが低下する欠点があった。
【0010】さらに、図13に示す構造では、下部電極
BE上に形成された圧電体膜PZの前駆体を焼成する際
に圧電体膜PZの鉛が下部電極BEに拡散し、下部電極
BEと振動板VP間の密着力を低下させるおそれがあっ
た。また、下部電極BEとして白金電極を用いた場合、
白金電極は酸素を透過しやすいため、圧電体膜PZから
酸素が抜け出し、圧電体膜PZの強誘電性を低下させる
おそれがあった。
【0011】また、本発明者が下部電極BE内のεY分
布を調べたところ、図11、図12に示す結果が得られ
た。ここで、εは膜の残留歪みであり、Yは膜のヤング
率である。残留応力をσ、ポアソン比をνとすると、ε
Y=σ(1−ν)の関係がある。図11に示すεY分布
は、図13に示すように下部電極BEと圧電体膜PZの
界面を原点とし、振動板方向を深さ方向として測定した
ものである。測定に用いた下部電極BEの材料は膜厚5
00nm、750nm、900nmの白金であり、それ
ぞれのεY分布は同図(A)、(B)、(C)に示され
る。また、測定は約100nmの膜厚を単位とし、この
膜厚内のεY分布の平均値を採った。例えば、同図
(A)に示すεY分布では、0〜94.5nmの平均
値、94.5nm〜191.3nmの平均値、191.
3nm〜286.2nmの平均値を測定し、この値をそ
れぞれ、94.5nm、191.3nm、286.2n
mの値としている。これらの図から、圧電体膜PZとの
界面付近における下部電極BEには高い残留応力が生じ
ていることがわかる。
【0012】下部電極BE内のεY分布をより詳細に測
定した結果を図12に示す。測定に用いた下部電極BE
は膜厚500nmの白金である。圧電体膜PZと下部電
極BEとの界面から20nm付近までの距離において特
にεYの値が大きいことがわかる。下部電極BEにこの
ような残留応力が生じていると、インクジェット式記録
ヘッドの駆動特性上好ましくない。
【0013】本発明はこのような問題点に鑑み、製造工
程において各層間に生じる残留応力を低減するインクジ
ェット式記録ヘッド及びその製造方法を提案することを
第1の目的とする。
【0014】また、製造が容易で、振動板のコンプライ
アンスが一定値になるように設計した場合に、同駆動電
圧にて変位量を向上させることができるインクジェット
式記録ヘッド及びその製造方法を提案することを第2の
目的とする。
【0015】さらに、圧電体膜から下部電極への鉛の拡
散を防止し、下部電極と振動板間の密着力を向上させる
インクジェット式記録ヘッド及びその製造方法を提案す
ることを第3の目的とする。
【0016】さらに、下部電極に生じる残留応力を除去
し、駆動特性に優れたインクジェット式記録ヘッドを提
供することを第4の課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するべ
く、本発明のインクジェット式記録ヘッドは、ノズルか
らインクを吐出させるための圧力室が形成された圧力室
基板と、この圧力室基板上に形成され、上記圧力室を加
圧する振動板と、上記振動板の加圧源となり、上部電極
及び下部電極に挟まれた圧電体膜から構成され、上記振
動板の圧力室に対応する領域に設けられた圧電体素子
と、を備えるインクジェット式記録ヘッドにおいて、上
記下部電極と上記圧電体膜の間に、上記下部電極とは異
なる材質からなり、IrOを主成分とする膜を少なく
とも含む導電性の膜を備える。
【0018】この導電性の膜は連続した膜であることが
好ましい。連続した膜とは、膜を形成するべき面におい
て全面的に所定の膜厚を有する膜のことをいい、部分的
に厚みをもたない膜を除くことを意味する。部分的に厚
みをもたない膜とは、例えば、150Å(0.015μ
m)程度の膜厚を有する膜のように、膜が薄いために部
分的に膜が形成されていない領域をもつ膜のことをい
う。このため、導電性の膜は、膜厚0.02μm乃至
1.0μmの範囲で成膜することが好ましい。この範囲
で成膜することで、導電性の膜を連続した膜とすること
ができる。さらに、この導電性の膜は上記圧電体膜と同
じパターンで形成することが望ましい。または、この導
電性の膜は上記圧電体膜に接する部分の膜厚が接しない
部分より厚くなっていることが望ましい。
【0019】特に、この導電性の膜は上記下部電極上に
形成される第1の導電性の膜と、この第1の導電性の膜
上に形成された第2の導電性の膜とから構成され、上記
第1の導電性の膜はIrO を主成分とする膜であるこ
とが望ましい。また、上記第2の導電性の膜は白金、イ
リジウムのうち何れか1つを主成分とする膜であること
が望ましい。
【0020】本発明の好適な形態として、上記第1の導
電性の膜は圧縮性の応力を受ける膜であることが望まし
く、特に、酸化金属膜であることが望ましい。更には、
上記圧電体膜に含まれる鉛の拡散を防止する材質から構
成される膜であることが望ましい。具体的には、Ir
X、ReOX、RuOXのうち何れか1つを主成分とする
膜であることが望ましい。また、上記下部電極は引張性
の応力を受ける膜であることが望ましい。
【0021】特に、第1の導電性の膜をIrOX層とする
ことで、PZT(PbZrXTi1-X3)を焼成する際にP
ZTから第1の導電性の膜を介して鉛が下部電極へ拡散
するのを防止することができる。これにより、下部電極
(例えば、白金)と振動板(例えば、二酸化珪素膜)の
界面における両者の密着力の低下を防止することができ
る。また、PZTと下部電極の間にIrOX層を介在させ
ることで、PZTから下部電極への酸素の抜け出しを防
止することができ、PZTの強誘電性の低下を防止する
ことができる。
【0022】第1及び第2の導電性層を上記の組成とす
ることで、製造工程において各層間に生じる残留応力を
低減するインクジェット式記録ヘッドを提供することが
できる。また、上記導電性の膜を下部電極と圧電体膜の
間に挿入することにより振動板のコンプライアンスが一
定値になるように設計した場合に、同駆動電圧にて変位
量を向上させることができるインクジェット式記録ヘッ
ドを提供することができる。さらに、本発明によれば、
製造過程において生じる残留応力を低減することができ
るため、歩留まりが向上し、コストを下げることができ
る。
【0023】本発明に係わるインクジェット式記録ヘッ
ドの製造方法は、上部電極及び下部電極に挟まれる圧電
体膜から構成される圧電体薄膜素子により振動板を加圧
してインクを吐出するインジェット式記録ヘッドの製造
方法において、上記下部電極と上記圧電体膜の間に、上
記下部電極とは異なる材質からなり、IrOを主成分
とする膜を少なくとも含む導電性の膜を形成する工程を
備えるものである。
【0024】この導電性の膜を形成する工程は、上記下
部電極の上にIrO を主成分とする膜である第1の導
電性の膜を形成する工程と、上記第1の導電性の膜の上
に第2の導電性の膜を形成する工程を備える工程である
ことが望ましい。
【0025】また、上記第1の導電性の膜を形成する工
程は、上記下部電極上にIrを主成分とする金属膜を形
成する工程と、この金属膜を熱酸化してIrO を主成
分とする金属酸化膜とする工程と、を備える工程である
ことが望ましい。
【0026】また、本発明のインクジェット式記録ヘッ
ドの製造方法は、上記振動板上に上記下部電極、導電性
の膜、圧電体膜及び上部電極となる層を順次積層後、上
記下部電極が露出するまで上記導電性の膜、圧電体膜及
び上部電極とからなる層をエッチングする工程を備える
ことが望ましい。かかる工程により、複雑な工程を経な
くても容易にインクジェット式記録ヘッドを製造するこ
とができるため、歩留まりが向上する。
【0027】また、上記圧電体膜を形成する工程は、圧
電体膜前駆体を形成する工程と、この圧電体膜前駆体を
圧電特性の高い圧電体膜に焼成する工程と、を備える工
程であることが望ましい。この場合、ゾル・ゲル法で圧
電体膜前駆体を成膜し、この成膜した圧電体膜前駆体を
焼成して圧電体膜としてもよい。この工程は、圧電体膜
を金属成分の水酸化物の水和錯体、即ち、ゾルを脱水処
理してゲルとし、このゲルを加熱焼成して無機物酸化物
を調整する工程である。この他、スパッタ成膜法、CV
D法、MOD法、レーザアブレーション法等で圧電体膜
を形成してもよい。
【0028】本発明のインクジェット式記録ヘッドは、
圧力室が形成された圧力室基板の少なくとも一方の面
に、上部電極と下部電極に挟まれた圧電体膜から成る圧
電体薄膜素子をインク吐出駆動源として配置したインク
ジェット式記録ヘッドにおいて、表面に露出している下
部電極の表面近傍を、下部電極の圧力室側に存在する残
留応力の2倍の残留応力を有する範囲を深さ方向に所定
量エッチングしたものである。このような構成により、
下部電極内に生じる残留応力を低減することができるた
め、インクジェット式記録ヘッドの駆動特性が向上す
る。また、下部電極は白金で成膜することが好ましい。
また、上記所定量は深さ方向に約20nm程度が好まし
い。
【0029】本発明のインクジェット式記録ヘッドは、
圧力室が形成された圧力室基板の少なくとも一方の面
に、上部電極と下部電極に挟まれた圧電体膜から成る圧
電体薄膜素子をインク吐出駆動源として配置したインク
ジェット式記録ヘッドにおいて、下部電極は圧電体膜側
に成膜される第1の導電性膜と、圧力室側に成膜される
第2の導電性膜とから構成されており、表面に露出して
いる第1の導電性膜の表面近傍を所定の深さにエッチン
グしたものである。
【0030】本発明のインクジェット式記録ヘッドは、
圧力室が形成された圧力室基板の少なくとも一方の面
に、上部電極と下部電極に挟まれた圧電体膜から成る圧
電体薄膜素子をインク吐出駆動源として配置したインク
ジェット式記録ヘッドにおいて、下部電極は圧電体膜側
に成膜される第1の導電性膜と、圧力室側に成膜される
第2の導電性膜とから構成されており、表面に露出して
いる第2の導電性膜の表面近傍を所定の深さにエッチン
グしたものである。この第1の導電性膜はIrOX、Re
X、RuOX、イリジウム(Ir)、ロジウム(R
h)、オスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)、レニ
ウム(Re)のうち何れか1つを主成分とすることが好
ましい。また、上記第2の導電性膜は、白金又はイリジ
ウムのうち何れか1つを主成分とすることが好ましい。
また、上記所定の深さは膜内部の圧力室側の残留応力の
2倍の残留応力を有する範囲に相当する深さが好まし
い。
【0031】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態1.次に、本発
明の最良の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
本実施の形態は下部電極と圧電体膜の間に圧縮応力を受
ける膜を少なくとも1層設けることによって圧電体素子
全体に生じる残留応力の低減を図るものである。図1乃
至図3を参考にインクジェット式記録ヘッドの構成を説
明した後、図4乃至図6を参考にその製造工程を説明す
る。尚、以下の説明においては同一の参照番号は同一の
名称を表すものとする。
【0032】<インクジェット式記録ヘッドの構成>図
1に、本発明に係わるインクジェット式記録ヘッドの全
体構成の斜視図を示す。ここではインクの共通通路が圧
力室基板内に設けられるタイプを示す。同図に示すよう
に、インクジェット式記録ヘッドは圧力室基板200、
ノズルプレート100及び基体300からなる。圧力室
基板200は本発明に係わる製造方法によりシリコン単
結晶基板上に形成された後、各々に分離される。圧力室
基板200の製造方法の詳細については後述する。圧力
室基板200は複数の短冊状の圧力室201が設けら
れ、全ての圧力室201にインクを供給するための共通
通路203を備える。圧力室201の間は側壁202に
より隔てられている。圧力室基板200の基体300側
には振動板膜及び圧電体薄膜素子が設けられている(詳
細については後述する)。また、各圧電体薄膜素子から
の配線はフレキシブルケーブルである配線基板400に
収束され、基体300の外部回路と接続される。ノズル
プレート100は圧力室基板200に貼り合わされる。
ノズルプレート100における圧力室基板200の対応
する位置にはインク滴を摘出するためのノズル101が
形成されている。基体300は金属等の鋼体であり、圧
力室基板200の取付台となる。
【0033】図2は、本実施の形態のインクジェット式
記録ヘッドにおける主要部の断面図である。この図は圧
力室の長手方向に直角な面で当該主要部を切断した断面
形状を示している。同図中、図1と同一構造については
同一記号で示し、その説明を省略する。シリコン単結晶
基板から構成される側壁202上には振動板11及び下
部電極12が形成されている。振動板11は二酸化珪素
膜からなり、シリコン単結晶基板を熱酸化処理すること
により形成する。また、下部電極12は白金電極からな
り、スパッタ装置を用いて成膜した。下部電極12上に
は圧電体薄膜素子が薄膜プロセスにより一体的に形成さ
れている。符号15,14及び13はそれぞれ上部電
極、圧電体膜及び導電性膜であり、具体的な成膜工程に
ついては後述する。
【0034】導電性膜13は本発明に係わり、下部電極
12とは異なる導電性の膜である。この膜は、図10で
示したように、圧縮応力を受ける膜であることが望まし
い。また、圧電体膜14と反応性に乏しい膜(好ましく
は、PZTの鉛が拡散しないような膜)であることが望
ましい。これらの事情を考慮すると、導電性膜13は酸
化金属膜であることが好ましく、具体的には、IrOX
ReOX、RuOXのうち何れか1つを主成分とする膜であ
ることが望ましい。
【0035】このような構成によるインクジェット式記
録ヘッドの各層間に生じる応力関係を図3に示す。上部
電極15、圧電体膜14、下部電極12には引張応力が
働くが、導電性膜13、振動板11には圧縮応力が働
く。かかる応力関係により、インクジェット式記録ヘッ
ド全体としては各応力が相殺されるため、残留応力によ
る全体的歪みを低減することができる。
【0036】このような理由により、本実施の形態によ
れば、インクジェット式記録ヘッドの振動板を駆動した
ときの耐久性が向上する。また、本実施の形態によれ
ば、下部電極と圧電体膜の間に導電性膜を介在した構造
であるため、インクジェット式記録ヘッドの製造工程に
おいて、下部電極が露出するまで導電性膜をエッチング
する場合には、導電性膜と下部電極のエッチング選択比
の大きいエッチングガスを適当に選択すれば、制御性よ
くエッチング停止をすることができる。例えば、プラズ
マモニターを用いてエッチングする場合には、エッチン
グ終点制御が容易になる。従って、インクジェット式記
録ヘッドの製造の歩留まりが向上し、大量生産に好適な
インクジェット式記録ヘッドを提供することができるた
め、コストを下げることができる。
【0037】<インクジェット式記録ヘッドの製造工程
>以下に本発明のインクジェット式記録ヘッドの製造方
法について図面を参考に説明する。図4乃至図6の
(a)〜(i)は圧電体薄膜素子を備えた加圧室基板の
製造工程における断面図を示している。
【0038】下部電極形成工程(図4(a)) 所定の大きさと厚さ(直径150mm、厚さ600μ
m)のシリコン単結晶基板10上にその全面に熱酸化法
により二酸化珪素からなる酸化膜11を形成する。後述
する圧電体膜14側に形成された酸化膜11は振動板と
して機能するものである。この酸化膜11の表面上にス
パッタ成膜法等の薄膜形成法により下部電極12となる
白金を、例えば、0.1μm乃至0.5μmの厚さで成
膜する。
【0039】導電性膜形成工程(図4(b)) 下部電極12の表面上にIrOXからなる導電性膜13を
スパッタ法等の成膜法を用いて0.02μm乃至1.0
μm形成する。この範囲の膜厚で導電性膜13を成膜す
ることで、導電性膜13を連続した膜とすることができ
る。IrOXに圧縮応力を残留させるめにIr金属膜をスパ
ッタ成膜後、酸素中でアニール処理をするとより好まし
い。
【0040】圧電体膜形成工程(図4(c)) 導電性膜13の表面上に圧電体膜前駆体を積層する。こ
の工程はチタン酸鉛とジルコン酸鉛のモル混合比が48
%:52%となるようなPZT系圧電体膜の前駆体をゾ
ル・ゲル法にて0.8μm乃至2.0μmの厚みとなる
まで10回の塗工/乾燥/脱脂を繰り返すことにより成
膜する。但し、この方法に限られず、高周波スパッタ成
膜法やCVD法、MOD法、レーザアブレーション法等
を用いてもよい。この圧電体膜前駆体を成膜後、圧電体
膜前駆体を結晶化させるために5回目と10回目の脱脂
後に基板全体を加熱する。この工程は赤外線輻射光源を
用いて基板の両面から酸素雰囲気中で650℃で5分保
持した後、900℃で1分加熱し、その後自然降温させ
ることにより圧電体膜前駆体の結晶化を行う。この工程
により圧電体膜前駆体は圧電体膜14となる。
【0041】上部電極形成工程(図5(d)) 圧電体膜14上に上部電極15を形成する。この工程で
は0.1μmの白金をスパッタ法成膜法により形成す
る。
【0042】ドライエッチング工程(図5(e)) 上部電極15、圧電体膜14及び導電性膜13に対し、
圧力室201が形成されるべき位置に合わせて適当なエ
ッチングマスク(図示せず)を施す。その後、所定の分
離形状にドライエッチング法を用いて形成する。この工
程により、従来のように圧電体素子部分の下部電極の膜
厚を、他の部分と異ならせる必要がない。即ち、制御性
の悪いエッチング工程を経なくても、下部電極12と圧
電体膜14の間に導電性の膜を形成するだけで本発明の
インクジェット式記録ヘッドを形成することができるた
め、製造が容易となり、歩留まりが向上する。したがっ
て、従来のように、時間で管理しながらエッチングをス
トップさせる必要がなくなった。また、ドライエッチン
グ法を用いれば、選択性のあるガスを用いて容易にエッ
チング選択比を制御することができる。また、プラズマ
モニターでモニターし、終点を決定すればなお、制御性
に優れる。次いで、下部電極12に対して適当なエッチ
ングマスク(図示せず)を施し、イオンミリングを用い
て所定の形状に形成する。更に、この基板10の圧電体
膜14が形成されている側に後述の工程で浸される種々
の薬液に対する保護膜(図示せず)を形成後、基板10
の圧力室側の面の、少なくとも圧力室201或いは側壁
202を含む面に酸化膜11を弗化水素によりエッチン
グし、窓16を形成する。
【0043】ウエットエッチング工程(図5(f)) その後、異方性エッチング液、例えば80℃に保温され
た濃度10%の水酸化カリウム水溶液を用いて窓16の
領域のシリコン単結晶基板10を所定の深さまでエッチ
ングする。この工程は平行平板型イオンエッチング等の
活性気体を用いた異方性エッチング方法を用いてもよ
い。この工程により基板10に凹部17が形成される。
【0044】酸化膜形成工程(図6(g)) 次に、凹部17を形成した基板10の圧力室側にCVD
等の化学的気相成長法により酸化膜11aをエッチング
保護層として形成する。
【0045】圧力室形成工程(図6(h)) 次いで、異方性エッチング液、例えば80℃に保温され
た濃度 10%の水酸化カリウム水溶液を用いて基板1
0を圧力室側から能動素子側に向けて異方性エッチング
し、圧力室201及び側壁202を形成する。
【0046】ノズルプレート接合工程(図6(i)) 以上の工程により形成された圧力室基板にノズルプレー
ト100を接合する。尚、上記の説明では、図5(e)
に図示したように、下部電極が表面に露出するまでエッ
チングする例を説明したが、本発明は上記の構造に限ら
れるものではなく、酸化膜又は第1の導電性膜或いは第
2の導電性膜が表面に露出するまでエッチングしてもよ
い。以下、この点を説明する。
【0047】(1)下部電極が表面に露出するまでエッ
チングする場合 主に、図7を参照して説明する。図4(a)乃至図5
(d)に示したように、基板10の表面に酸化膜11を
形成した後、この酸化膜11上に下部電極12、導電性
膜13、圧電体膜14及び上部電極15を順次形成す
る。次いで、圧力室201が形成されるべき位置に合わ
せて適当なエッチングマスク(図示せず)を施す。その
後、ドライエッチング法を用いて所定の分離形状に形成
する(図7)。この工程では、酸化膜11が表面に露出
するまで上部電極15、圧電体膜14、導電性膜13及
び下部電極12をエッチングする。更に、この基板10
の圧電体膜14が形成されている側に後述の工程で浸さ
れる種々の薬液に対する保護膜(図示せず)を形成後、
基板10の圧力室側の面の、少なくとも圧力室201或
いは側壁202を含む面に酸化膜11を弗化水素により
エッチングし、窓16を形成する。以下、図5(f)乃
至図6(i)に示す如く、基板10に圧力室を形成し、
ノズルプレート100を接合してインクジェット式記録
ヘッドの主要部を製造する。インクジェット式記録ヘッ
ド主要部の構成を上記の構造とすることで、振動板のコ
ンプライアンスが一定値になるようにした場合に同駆動
電圧における変位量を向上させることができる。
【0048】(2)第1の導電性膜が表面に露出するま
でエッチングする場合 主に、図8(A)及び図8(B)を参照して説明する。
図8(A)に示したように、基板10の表面に酸化膜1
1を形成した後、この酸化膜11上に下部電極12、第
1の導電性膜13a、第2の導電性膜13b、圧電体膜
14及び上部電極15を順次形成する。この工程では、
シリコン単結晶基板10の前面に熱酸化法等により二酸
化珪素からなる酸化膜11を形成した後、スパッタ法等
の成膜法で下部電極12となる白金電極を、例えば、
0.2μmの厚さで形成する。次いで、下部電極12上
にIrOXからなる第1の導電性膜13aをスパッタ法
等の成膜法で、例えば、0.5μmの厚さで成膜する。
この工程は上述の工程の他、下部電極12上にイリジウ
ムをスパッタ法等の成膜法で形成した後、熱酸化法等で
処理してIrOXを形成してもよい。次いで、第1の導
電性膜13a上にスパッタ法等の成膜法で第2の導電性
膜13bとなる白金を例えば、0.2μmの厚さで形成
する。この第2の導電性膜13b上に圧電体膜14を上
述のゾル・ゲル法にて膜厚1.5μmで形成し、この上
に上部電極15となる白金を膜厚0.1μmで形成す
る。
【0049】次いで、圧力室201が形成されるべき位
置に合わせて適当なエッチングマスク(図示せず)を施
す。その後、ドライエッチング法を用いて所定の分離形
状に形成する(図8(B))。この工程では、第1の導
電性膜13aが表面に露出するまで上部電極15、圧電
体膜14及び第1の導電性膜13bをエッチングする。
【0050】更に、この基板10の圧電体膜14が形成
されている側に後述の工程で浸される種々の薬液に対す
る保護膜(図示せず)を形成後、基板10の圧力室側の
面の、少なくとも圧力室201或いは側壁202を含む
面に酸化膜11を弗化水素によりエッチングし、窓16
を形成する。以下、図5(f)乃至図6(i)に示す如
く、基板10に圧力室を形成し、ノズルプレート100
を接合してインクジェット式記録ヘッドの主要部を製造
する。
【0051】(3)第2の導電性膜が表面に露出するま
でエッチングする場合 主に、図8(A)及び図8(C)を参照して説明する。
上述のように、基板10の表面に酸化膜11を形成した
後、この酸化膜11上に下部電極12、第1の導電性膜
13a、第2の導電性膜13b、圧電体膜14及び上部
電極15を順次形成する(図8(A))。次いで、圧力
室201が形成されるべき位置に合わせて適当なエッチ
ングマスク(図示せず)を施す。その後、ドライエッチ
ング法を用いて所定の分離形状に形成する(図8
(C))。この工程では、第2の導電性膜13bが表面
に露出するまで上部電極15及び圧電体膜14をエッチ
ングする。更に、この基板10の圧電体膜14が形成さ
れている側に後述の工程で浸される種々の薬液に対する
保護膜(図示せず)を形成後、基板10の圧力室側の面
の、少なくとも圧力室201或いは側壁202を含む面
に酸化膜11を弗化水素によりエッチングし、窓16を
形成する。以下、図5(f)乃至図6(i)に示す如
く、基板10に圧力室を形成し、ノズルプレート100
を接合してインクジェット式記録ヘッドの主要部を製造
する。
【0052】[実施例]図2に示す構造のインクジェッ
ト式記録ヘッドの実施例を従来のインクジェット式記録
ヘッドと比較した。本実施例におけるインクジェット式
記録ヘッドの各層におけるパラメータは以下のものであ
る。上部電極15の材質は白金で、厚みは100nmで
ある。圧電体膜14の圧電歪定数は150pC/Nで厚
みは1000nmである。上部電極15と圧電体膜14
の幅は40μmである。導電性膜13の材質はIrOX
であり、膜厚は0.7μmである。下部電極12の材質
は白金であり、膜厚は0.2μmである。酸化膜11の
厚さは1.0μmである。圧電体膜14に印加される電
圧は25Vである。この条件下で酸化膜11の最大変位
量は195nmであった。
【0053】上記と同じ条件での従来技術(導電性膜1
3を設けない場合)ではコンプライアンスを同じにした
とき、最大変位量は150nmであった。これにより、
本実施の形態の構成では従来技術と比べて30%も大き
な変位を得ることがわかる。
【0054】従って、下部電極12と圧電体膜14の間
に圧縮応力を受ける導電性膜13を入れることにより、
圧電体膜14自体の圧電特性が良くなり、振動板の変位
量が増加する。故に、コンプライアンス一定の下で圧力
室の体積変化が大きくなるので変位効率が上がり、従来
より多くのインクを吐出させることができ、より鮮明な
印字品質を可能とする。
【0055】また、振動板の変位量が増加するため、単
位体積あたりの圧力室の体積変化が大きくなるのでイン
ク吐出量が同じならば、従来より小さな体積の圧力室を
設ければよいのでコンパクトなインクジェット式記録ヘ
ッドを提供することができる。
【0056】発明の実施の形態2.本実施の形態は圧電
体膜との界面付近における下部電極の表面をエッチング
することで、圧電体薄膜素子の成膜時にいて下部電極内
に生じる残留応力の低減を図るものである。本実施の形
態のインク式記録ヘッドの製造工程について実施の形態
1と異なる点を中心に説明する。まず、基板10上に酸
化膜11、下部電極12、圧電体膜14及び上部電極1
5を成膜する。次いで、図9(A)に示すように、上部
電極15上に所定のパターンにレジスト(図示せず)を
塗布し、これをマスクとして上部電極15、圧電体膜1
4を深さ方向に全てエッチングする。下部電極12を表
面に露出させた後、下部電極12を所定の深さd1だけ
エッチングする。このとき、下部電極12のエッチング
の深さは、下部電極12の圧力室側のεYの値の2倍の
値を有する深さまでエッチング除去することが好まし
い。例えば、白金を材料として下部電極12を成膜する
場合、下部電極12のエッチングの深さd1は、20n
m程度が好ましい。図12に示すように、下部電極12
の表面から20nm付近で膜内部の残留応力が特に強い
からである。但し、エッチング量が多すぎると、強度が
もたなくなるので圧電体膜側の表面層のみエッチング除
去することが望ましい。
【0057】次いで、図9(B)に示すように、圧力室
201を形成し、これにノズルプレート100を貼り合
わせてインクジェット式記録ヘッドの主要部を得る。イ
ンクジェット式記録ヘッドをこのような構成にすること
で、腕部の残留応力を低減することができる。従がっ
て、腕部が見かけ上柔らかくなり、インクジェット式記
録ヘッドの変位量を向上させることができる。
【0058】また、本実施の形態のインクジェット式記
録ヘッドの主要部は下部電極12と圧電体膜14の間に
導電性膜13を介在させてもよい。この導電性膜13は
実施の形態1で既述したものであり、IrOX、ReOX
RuOX、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウ
ム、レニウムのうち何れか1つを主成分とするものであ
る。この導電性膜13と下部電極12の金属薄膜が圧電
体薄膜素子の下部電極として機能する。10(A)に示
すように、基板10上に酸化膜11、下部電極12、導
電性膜13、圧電体膜14及び上部電極15を成膜し、
上部電極15上に所定のパターンにレジスト(図示せ
ず)を形成する。このレジストをマスクとして上部電極
15、圧電体膜14を深さ方向に全てエッチングし、導
電性膜13を表面に露出させた後に、導電性膜13の表
面を所定の深さd2だけエッチングする。深さd2は導電
性膜13の表面における残留応力が強い範囲(例えば、
導電性膜13の圧力室側のεYの2倍の値をもつ範囲)
をエッチングするために必要な深さとする。また、同図
(B)に示すように、基板10上に酸化膜11、下部電
極12、導電性膜13、圧電体膜14及び上部電極15
を成膜した後、上部電極15、圧電体膜14及び導電性
膜13を深さ方向に全てエッチングし、下部電極12を
表面に露出させた後、下部電極12の表面を所定の深さ
2だけエッチングする。この深さd2は導電性膜13の
表面から測定した値である。深さd2は導電性膜13と
下部電極12内に生じる残留応力の強さを考慮し、例え
ば、下部電極12の圧力室側のεYの2倍の値をもつ範
囲をエッチングするために必要な深さとする。
【0059】以上、説明したように本実施の形態によれ
ば、表面に露出した下部電極12又は導電性膜13の表
面近傍をエッチングすることで、下部電極12又は導電
性膜13内に生じる残留応力を低減することができる。
この結果、腕部が柔らかくなり、インクジェット式記録
ヘッドの駆動特性が向上する。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、製造工程において各層
間に生じる残留応力を低減するインクジェット式記録ヘ
ッド及びその製造方法を提供することができる。従っ
て、製造工程において各層に生じるクラック等の発生を
防止することができるため、歩留まりが向上し、コスト
を下げることができる。
【0061】また、残留応力を低減することにより圧電
歪定数を向上させることができるため、振動板のコンプ
ライアンスが一定値になるように設計した場合に、同駆
動電圧にて変位量を向上させることができる。特に、制
御性の悪いエッチング工程を経なくても、下部電極と圧
電体膜の間に導電性の膜を形成するだけで本発明のイン
クジェット式記録ヘッドを形成することができるため、
製造が容易となり、歩留まりが向上する。
【0062】さらに、圧電体膜と下部電極の間にIrOX
層を介在させることで、圧電体膜から下部電極への鉛の
拡散を防止し、下部電極と振動板間の密着力を向上させ
ることができる。また、圧電体膜から酸素の抜け出しを
防止することができるため、圧電体膜の経年変化を防止
することができる。
【0063】また、下部電極や導電性膜を構成する金属
層の表面近傍をエッチングすることで、これら金属層内
に生じる応力を低減することができ、インクジェット式
記録ヘッドの駆動特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1におけるインクジェット式記録ヘ
ッドの分解斜視図である。
【図2】図1におけるインクジェット式記録ヘッドの主
要部の断面図である。
【図3】実施の形態1におけるインクジェット式記録ヘ
ッドの各層間における応力の状態を図示したものであ
る。
【図4】実施の形態1におけるインクジェット式記録ヘ
ッドの製造工程図である。
【図5】実施の形態1におけるインクジェット式記録ヘ
ッドの製造工程図である。
【図6】実施の形態1におけるインクジェット式記録ヘ
ッドの製造工程図である。
【図7】酸化膜が表面に露出するまでエッチングする工
程を示した製造工程図である。
【図8】図8(A)は下部電極上に第1及び第2の導電
性膜等を順次積層する製造工程断面図である。図8
(B)は、第1の導電性膜が表面に露出するまでエッチ
ングする工程を示した製造工程図である。図8(C)
は、第2の導電性膜が表面に露出するまでエッチングす
る工程を示した製造工程図である。
【図9】実施の形態2におけるインクジェット式記録ヘ
ッドの主要部の断面図である。
【図10】実施の形態2におけるインクジェット式記録
ヘッドの主要部の断面図である。
【図11】下部電極内に生じるεY分布のグラフであ
る。
【図12】下部電極内に生じるεY分布のグラフであ
る。
【図13】従来技術におけるインクジェット式記録ヘッ
ドの主要部の断面図である。
【図14】基板から受ける応力を図示したものである。
【符号の説明】
10 基板 11 酸化膜 12 下部電極 13 導電性膜 14 圧電体膜 15 上部電極 100 ノズルプレート 101 ノズル 200 圧力室基板 201 圧力室 202 側壁 203 共通流路 300 基台 400 配線基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 亀井 宏行 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−138807(JP,A) 特開 平8−58088(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/16

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出させるための圧力室が形成
    された圧力室基板と、この圧力室基板上に形成され、上
    記圧力室を加圧する振動板と、上記振動板の加圧源とな
    り、上部電極及び下部電極に挟まれた圧電体膜から構成
    され、上記振動板の圧力室に対応する領域に設けられた
    圧電体素子と、を備えるインクジェット式記録ヘッドに
    おいて、上記下部電極と上記圧電体膜の間に、上記下部
    電極とは異なる材質からなり、IrOを主成分とする
    膜を少なくとも含む導電性の膜を備えるインクジェット
    式記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記導電性の膜は、膜を形成するべき面
    において全面的に所定の膜厚を有する膜である、請求項
    1に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 上記導電性の膜は上記圧電体膜と同一の
    パターンに形成されている、請求項1又は請求項2に記
    載のインクジェット式記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 上記導電性の膜は上記下部電極上に形成
    される第1の導電性の膜と、この第1の導電性の膜上に
    形成された第2の導電性の膜とから構成され、上記第1
    の導電性の膜はIrO を主成分とする膜である、請求
    項1乃至請求項3のうち何れか1項に記載のインクジェ
    ット式記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 上記第2の導電性の膜が白金、イリジウ
    ムのうち何れか1つを主成分とする膜である、請求項4
    に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 上記第1の導電性の膜が圧縮性の応力を
    受ける膜である、請求項4又は請求項5に記載のインク
    ジェット式記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 上記下部電極が引張性の応力を受ける膜
    である、請求項1乃至請求項のうち何れか1項に記載
    のインクジェット式記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 上部電極及び下部電極に挟まれる圧電体
    膜から構成される圧電体薄膜素子により振動板を加圧し
    てインクを吐出するインジェット式記録ヘッドの製造方
    法において、上記下部電極と上記圧電体膜の間に、上記
    下部電極とは異なる材質からなり、IrOを主成分と
    する膜を少なくとも含む導電性の膜を形成する工程を備
    える、インクジェット式記録ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 上記導電性の膜を形成する工程は、上記
    下部電極の上にIrO を主成分とする膜である第1の
    導電性の膜を形成する工程と、上記第1の導電性の膜の
    上に第2の導電性の膜を形成する工程を備える請求項
    に記載のインクジェット式記録ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 上記第1の導電性の膜を形成する工程
    は、上記下部電極上にIrを主成分とする金属膜を形成
    する工程と、この金属膜を熱酸化してIrO を主成分
    とする金属酸化膜とする工程と、を備える請求項に記
    載のインクジェット式記録ヘッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 上記振動板上に上記下部電極、導電性
    の膜、圧電体膜及び上部電極となる層を順次積層後、上
    記下部電極が露出するまで上記導電性の膜、圧電体膜及
    び上部電極とからなる層をエッチングする工程を備え
    る、請求項乃至請求項10のうち何れか1項に記載の
    インクジェット式記録ヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 上記圧電体膜を形成する工程は、上記
    導電性膜上に圧電体膜前駆体を形成する工程と、この圧
    電体膜前駆体を圧電特性の高い圧電体膜に焼成する工程
    と、を備える請求項乃至請求項11のうち何れか1項
    に記載のインクジェット式記録ヘッドの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記導電性の膜は、圧電体膜に接する
    部分の膜厚が接しない部分より厚くなっている、請求項
    1に記載のインクジェット式記録ヘッド。
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