以下、本発明が適用された遠隔操作装置及びこの遠隔操作装置を用いる再生装置について、図面を参照し、以下の順で説明する。
1.再生装置の説明
2.遠隔操作装置の説明
2−1.電気的構成
2−2.構造
2−3.組み立て
2−4.操作方法
2−5.遠隔操作装置の効果
3.変形例
(1.再生装置の説明)
この再生装置1は、図1に示すように、光ディスク2aをカートリッジ本体2bに回転可能に収納したディスクカートリッジ2を記録媒体に用いるものであり、ディスクカートリッジ2の大きさとほぼ同じ大きさにまで小型化された携帯型の装置である。
この再生装置1は、図1に示すように、ディスクカートリッジ2と略同じ大きさの装置本体3と、この装置本体3に接続コード4を介して接続される遠隔操作装置5と、この遠隔操作装置5に接続されるイヤホン6とから構成されている。装置本体3には、内部にディスクカートリッジ2が装着される装着部3aが設けられ、この装着部3aを開閉する蓋体7が設けられている。装着部3aには、スピンドルモータの駆動軸にディスクテーブルが取り付けられてなり、ディスクカートリッジ2の光ディスク2aをディスクテーブルに装着された状態で回転するディスク回転駆動機構や光ディスク2aの内外周に光ビームを照射し、光ディスク2aに記録された楽音信号等の情報信号の読み出しを行う光ピックアップ等が設けられている。
ディスクカートリッジ2は、蓋体7が装着部3aを開放した状態で、光ディスク2aの一部をカートリッジ本体2bより外方に臨ませる開口部を閉塞するシャッタ部材2cの移動方向と平行な方向から装置本体3内に挿入される。そして、蓋体7が閉塞されると、光ディスク2aが装着部3aのディスクテーブルに装着され、光ディスク2aが回転可能な状態になる。そして、光ディスク2aがディスク回転駆動機構により回転されるとともに光ピックアップが光ディスク2aの内外周に亘って移動操作されることにより、光ディスク2aに記録された情報信号が読み出される。
この再生装置1は、図2に示すように、楽音信号等の情報信号が記録された光ディスク2aに対し、光ビームを照射し反射された戻りの光ビームを検出することで、光ディスク2aに対して情報信号の読み出しを行う光ピックアップ11と、光ピックアップ11より出力された出力信号を増幅するRFアンプ12と、RFアンプ12からのRF信号をアナログ信号に変換し再生信号を生成する再生回路13と、この再生信号を増幅するアンプ14と、アンプ14で増幅された再生信号を出力するイヤホン、ヘッドホン、スピーカ等の出力器15とを備える。また、光ディスク再生装置1は、RFアンプ12の出力に基づきサーボ制御を行うサーボ回路16と、サーボ回路16からのサーボ信号に基づいて光ピックアップ11を駆動制御するドライブ回路17と、再生回路13やサーボ回路16を制御する制御回路18とを備える。
光ピックアップ11は、装置本体3の装着部3aに設けられており、光ビームを出射する半導体レーザと、この半導体レーザより出射された光ビームを集束する対物レンズと、光ディスク2aで反射された戻りの光ビームを検出する光検出器等を備える。半導体レーザより出射された光ビームは、対物レンズにより集束され、光ディスク2aの信号記録面に照射される。そして、光ディスク2aの信号記録面で反射された戻りの光ビームは、光検出器により電気信号に変換され、光検出器は、この電気信号をRFアンプ12に供給する。また、対物レンズは、2軸アクチュエータ等の対物レンズ駆動機構に保持され、対物レンズの光軸と平行なフォーカシング方向及び対物レンズの光軸に直交するトラッキング方向に駆動変位される。
RFアンプ12は、光ピックアップを構成する光検出器からの出力信号に基づいて、RF信号、フォーカシングエラー信号及びトラッキングエラー信号を生成する。例えばフォーカシングエラー信号は、非点収差法により生成され、トラッキングエラー信号は、3ビーム法やプッシュプル法により生成される。そして、RFアンプ12は、RF信号を再生回路13に供給し、フォーカシングエラー信号及びトラッキングエラー信号をサーボ回路16に供給する。
再生回路13は、RFアンプ12から出力されたRF信号を2値化する2値化回路13aと、2値化回路13aで2値化されたデータを復調する復調回路13bと、復調されたデータの符号誤りを検出訂正する誤り検出訂正回路13cと、誤り訂正されたデータを伸長する伸長回路13dと、伸長されたディジタル信号をアナログ信号に変換するディジタル/アナログ変換回路(A/D変換回路)13eとを有する。再生回路13は、RFアンプ12からのRF信号を2値化、復調した後、誤り訂正を行い、誤り訂正がなされたデータを伸長し、アナログ信号に変換することにより再生信号を生成する。そして、この再生信号は、アンプ14で増幅された後、出力器15より出力される。
RFアンプ12からフォーカシングエラー信号及びトラッキングエラー信号が供給されるサーボ回路16は、光ディスク2aを再生する際のサーボ信号を生成する。具体的に、サーボ回路16は、フォーカシングエラー信号に基づき、このフォーカシングエラー信号が0となるように、フォーカシングサーボ信号を生成し、また、トラッキングエラー信号に基づき、このトラッキングエラー信号が0となるように、トラッキングサーボ信号を生成する。そして、サーボ回路16は、フォーカシングサーボ信号及びトラッキングサーボ信号をドライブ回路17に供給する。
ドライブ回路17は、サーボ回路16で生成されたフォーカシングサーボ信号及びトラッキングサーボ信号に基づいて、光ピックアップ11を構成する対物レンズを駆動する2軸アクチュエータを駆動制御する。ドライブ回路17は、フォーカシングサーボ信号に基づき2軸アクチュエータを駆動し、対物レンズを対物レンズの光軸と平行なフォーカシング方向に駆動変位させる。また、ドライブ回路17は、トラッキングサーボ信号に基づき2軸アクチュエータを駆動し、対物レンズの光軸に直交するトラッキング方向に対物レンズを駆動変位させる。
制御回路18は、装置本体3に設けられた操作部からの操作信号や装置本体3に接続コード4を介して接続された遠隔操作装置5からの操作信号に基づいて上述したサーボ回路16や再生回路13等の制御を行う。
(2.遠隔操作装置の説明)
以上のような再生装置1の遠隔制御を行う遠隔操作装置5は、図3に示すように、利用者によって操作される操作部5aと装置本体3の動作状態等を表示する状態表示部5bとを有する。
(2−1.電気的構成)
ここで、操作部5aについて詳細に説明すると、図4に示すように、操作部5aは、プッシュ型のスイッチSW1〜スイッチSW10を有する。具体的に、スイッチSW1は、装置本体3に再生動作を開始させるとともに再生中に逆方向にトラックジャンプさせるためのものであり、スイッチSW2は、再生中のデータの音質を切り換えるためのものであり、スイッチSW3は、再生動作を開始させるとともに再生中に順方向にトラックジャンプさせるためのものであり、スイッチSW4は、再生動作を一時停止させるためのものであり、スイッチSW5は、再生動作を停止させるためのものであり、スイッチSW6は、再生中の音量を小さくするためのものであり、スイッチSW7は、再生中の音量を大きくするためのものであり、スイッチSW8は、入力決定をするためのものであり、スイッチSW9は、トラック番号順に再生する通常の再生モード、ランダムに再生する再生モード等を切り換えるものであり、スイッチSW10は、表示部5bの表示形態を切り換えるためのものである。
また、入力端子VinとスイッチSW1との間には、抵抗R0とコンデンサCが並列に接続され、スイッチSW1とスイッチSW2の間には、抵抗R1が接続され、スイッチSW2とスイッチSW3の間には、抵抗R2が接続され、スイッチSW3とスイッチSW4との間には、抵抗R3が接続され、スイッチSW4とスイッチSW5との間には、抵抗R4が接続され、スイッチSW5とスイッチSW6との間には、抵抗R5が接続され、スイッチSW6とスイッチSW7との間には、抵抗R6が接続され、スイッチSW7とスイッチSW8との間には、抵抗R7が接続され、スイッチSW8とスイッチSW9との間には、抵抗R8が接続され、スイッチSW9とスイッチSW10との間には、抵抗R9が接続されている。
更に、出力端子Voutには、操作部5aの操作を無効化するためのスイッチSW11が設けられている。このスイッチSW11は、スライド型のスイッチであり、中央の出力端子Voutに接続された第1の端子T1を共通端子とし、端子T1の両側に設けられた第2の端子T2と第3の端子T3に選択的に接続される。第2の端子T2は、上述したスイッチSW1〜スイッチSW10に接続された端子であり、第3の端子T3は、上述したスイッチSW1〜スイッチSW10に接続されていない。したがって、スイッチSW11は、第1及び第2の端子T1、T2に接続されているときのみ、操作信号を出力端子Voutより出力可能な状態にする。
制御回路18は、スイッチSW11が第1の端子T1と第2の端子T2を接続しているときに、スイッチSW1〜スイッチSW10の何れかが押され、導通したとき、抵抗が異なることによって出力電圧が異なり、この出力電圧を検出することで、遠隔操作装置5からの操作信号を識別し、操作信号に応じて再生回路13等を制御する。
また、表示部5bは、再生装置1の動作状態を表示する動作表示部であり、液晶表示パネルにより形成されている。この表示部5bは、接続コード4を介して制御回路18によって制御され、制御回路18は、操作部5aからの操作信号に基づいて表示部5bの表示制御を行う。この表示部5bは、例えば光ディスク2aのTOC<table of contents>領域に記録された文字情報や、再生装置1の電源となる電池の残量表示や、再生中のデータの記録トラック番号や、現在の時刻や、音量のレベルや、光ディスク2aの残り曲数や残り時間等を表示する。
(2−2.構造)
次に、この遠隔操作装置5の構成を説明すると、図5乃至図7に示すように、本体部を構成するケース本体21と、このケース本体21の一端側に設けられる第1の操作部を構成する回動操作体22とを有する。この遠隔操作装置5は、全体が略円柱状に形成されることによって、物に引っかかりにくくし、外周面に設けられた操作釦等が不意に押されてしまって再生装置1が誤動作してしまうことを防止している。
ケース本体21には、液晶表示パネルよりなる状態表示部23が設けられ、また、図6に示すように、長手方向に沿って一列に、再生動作を一時停止するための一時停止釦24と、再生中のデータの音質を切り換えるための音質切換釦25と、入力決定をするための入力決定釦26と、トラック番号順に再生する通常の再生モード、ランダムに再生する再生モード等を切り換える再生モード切換釦27と、状態表示部23の表示形態を切り換える表示切換釦28とが設けられている。
また、回動操作体22は、図5及び図7に示すように、ケース本体21の長手方向に沿った図5及び図7中矢印A方向及び反矢印A方向に直線移動可能に設けられている。そして、回動操作体22は、図5に示すように、ケース本体21側の第1の位置にあるとき、図5中矢印B方向及び反矢印B方向に回動可能に設けられている。具体的に、再生装置1が動作していないときに、何れか一方に回動されると、再生装置1は、再生動作を開始し、また、再生動作中にあっては、図5中矢印B方向に回動されることで、順方向にトラックジャンプし、図5中反矢印B方向に回動されることで、逆方向にトラックジャンプする。
また、回動操作体22は、図7に示すように、ケース本体21より引き出された第2の位置にあるときも、図7中矢印B方向及び反矢印B方向に回動する。具体的に、再生装置1は、図7中矢印B方向に回動されたとき、音量を大きくし、図7中反矢印B方向に回動されたとき、音量を小さくする。
更に、回動操作体22には、図6及び図7に示すように、再生装置1の再生動作を停止する第2の操作部を構成する停止釦29が設けられている。遠隔操作装置5は、回動操作体22に停止釦29を設け、トラックジャンプ操作や音量調節操作を行う操作位置と再生停止操作を行う操作位置を近接させることで、使い勝手を良くしている。
略円柱状のケース本体21は、図8に示すように、断面略円弧状の上ケース33と下ケース34とから構成されており、これら上下ケース33,34は、様々な物に当たることが多いことから機械的な強度を有するABS樹脂等により形成されている。上ケース33には、図5、図7及び図8に示すように、ケース本体21内に配設される液晶表示パネルに表示された文字等を透視して見ることができるように、略矩形の透視窓35が設けられている。この透視窓35も、表面に傷が付き液晶表示パネルの文字が見にくくなることを防止するために、剛性を有するABS樹脂で形成されている。また、上ケース33の一端部には、図8に示すように、下ケース34の一端部に設けられた筒状部に係合される略円弧状の係合凹部36が形成されている。更に、下ケース34の他端部には、再生装置1と接続するための接続コード4を外部に導出するための第1のコード導出用切欠部37が形成されている。更に、上ケース33の開口端の長手方向には、下ケース34と結合する際、下ケース34との結合位置の位置決めを行うための位置決め突起38aと下ケース34を係止するための係止突起38bが複数形成されている。
下ケース34には、図8に示すように、内面側に、液晶表示パネル39を支持するための複数の支持部41と、液晶表示パネル39を支持するとともに位置決めを行う支持ピン42が設けられている。
ここで、液晶表示パネル39は、図8及び図9に示すように、略同じ大きさの剛性を有するプリント配線基板43に取り付けられている。プリント配線基板43には、液晶表示パネル39の取付面と対向する面に、図4に示すプッシュ型のスイッチが設けられており、具体的には、再生動作を一時停止させるためのスイッチSW4と再生中のデータの音質を切り換えるためのスイッチSW2と入力決定をするためのスイッチSW8と再生モードの切換を行うためのスイッチSW9と表示部5bの表示形態を切り換えるためのスイッチSW10が設けられている。また、プリント配線基板43には、スイッチSW1〜スイッチSW10を無効化するためのスライド型のスイッチSW11が設けられている。更に、プリント配線基板43には、短辺方向の側縁部に、再生動作を停止させるためのスイッチSW5が設けられている。
更に、プリント配線基板43には、下ケース34に設けられた支持ピン42が係合される位置決め孔46が形成されている。そして、このプリント配線基板43には、接続コード4が接続されている。
そして、液晶表示パネル39が取り付けられたプリント配線基板43は、図8に示すように、液晶表示パネル39を上ケース33側にし、側縁部を支持部41に支持させ、支持ピン42を位置決め孔46に係合させることによって、位置決めされた状態で下ケース34に取り付けられる。
また、図6及び図8に示すように、下ケース34には、イヤホンジャックを取り付けるためのジャック取付部47が一体的に形成されている。このジャック取付部47は、下ケース34の他端側から回動操作体22が取り付けられる一端側に向かって突出して設けられている。このジャック取付部47には、図8に示すように、ジャック支持部材48を介してジャック部材49がイヤホン6との接続孔49aをジャック取付部47の下ケース34の一端側の端面より外部に臨ませるようにして取り付けられる。
このジャック取付部47には、図6に示すように、遠隔操作装置5を利用者の服や鞄等に係止させるためのクリップ部材51が設けられている。クリップ部材51は、ジャック取付部47の基端側に回動可能に取り付けられ、図示しない付勢部材によって、下ケース34側に付勢されている。
更に、下ケース34には、図6、図8及び図10に示すように、プリント配線基板43に設けられたプッシュ型のスイッチSW4とスイッチSW2とスイッチSW8とスイッチSW9とスイッチSW10を押圧するための押圧操作部材54a〜54eを外部に臨ませるための開口部52a,52b,52c,52d,52eが設けられている。これら開口部52a〜52eの近傍には、押圧操作部材54a〜54eを回動支持する支持溝53が形成されている。
これら開口部52a〜52eには、一体的に形成された押圧操作部材54a,54b,54c,54eが配設される。各押圧支持部材54a〜54eは、利用者によって押圧操作される操作部55と、上記支持溝53に係合される支軸56を有する回動支持部56と、スイッチSW4とスイッチSW2とスイッチSW8とスイッチSW9とスイッチSW10を押圧する押圧片57とを有し、これら押圧操作部材54a〜54eは、連結片58によって連結されている。そして、押圧片57は、下ケース34に配設されたプリント配線基板43のスイッチSW4とスイッチSW2とスイッチSW8とスイッチSW9とスイッチSW10を押圧することができるように、操作部55に対して略直交して設けられている。
これら押圧操作部材54a〜54eは、支軸56aを支持溝53に係合させて、操作部55を開口部52a〜52eより外部に臨ませるようにして取り付けられる。そして、押圧操作部材54a〜54eは、支持溝53に係合された支軸56aを回動支点として、図10中矢印C方向に回動操作される。これによって、押圧片57は、下ケース34に配設されたプリント配線基板43のスイッチSW4とスイッチSW2とスイッチSW8とスイッチSW9とスイッチSW10を押圧する。
なお、開口部52a〜52eの外面側には、各スイッチSW4とスイッチSW2とスイッチSW8とスイッチSW9とスイッチSW10の機能を示す機能表示部59a,59b,59c,59eが設けられている。具体的に、図6に示すように、機能表示部59aには、一時停止の表示がなされ、機能表示部59bには、サウンドの表示がなされ、機能表示部59cには、入力の表示がなされ、機能表示部59dには、再生モードの表示がなされ、機能表示部59eには、ディスプレイの表示がなされている。
また、下ケース34には、図8及び図11に示すように、スイッチSW1〜スイッチSW10の操作を無効化するスイッチSW11をスライド操作するためのスライド操作部材61が設けられている。このスライド操作部材61は、利用者によってスライド操作される操作部62と、スライドをガイドするスライドガイド部63と、プリント配線基板43に設けられた操作子64aに係合される係合凹部64とを有する。そして、このスライド操作部材61は、下ケース34に設けられたスライドガイド孔65より操作部62を外部に臨ませ、スライドガイド部63をスライドガイド孔65に係合させ、係合凹部64をスイッチSW11の操作子64aに係合させて取り付けられる。このようなスライド操作部材61は、一方にスライド操作されたとき、図4に示すように、第1及び第2の端子T1,T2に接続され、スイッチSW1〜スイッチSW10の機能を有効化し、他方にスライドされ操作されたとき、第1及び第3の端子T1,T3に接続され、スイッチSW1〜スイッチSW10の機能を無効化する。
また、更に、下ケース34の他端部には、図8に示すように、第1のコード導出用切欠部37とともに接続コード4を外部に導出するための第2のコード導出用切欠部66が形成されている。第1の第1のコード導出用切欠部37と第2のコード導出用切欠部66とは、上ケース33と下ケース34とが結合されたとき、接続コード4を導出しながら保持するコード保持部を構成する。また、下ケース34の開口端の長手方向には、上ケース33と結合する際、上ケース33側の位置決め突起38aと係合し、位置決めを行う位置決め突部67aと、上ケース33側の係止突起38bが係合する係止孔67bが複数形成されている。上ケース33と下ケース34とは、上ケース38aの位置決め突起38aと下ケース34側の位置決め突部67aとを係合させ、上ケース33側の係止突起38bを下ケース34側の係止孔67bに係止させることで結合される。
ところで、下ケース34の一端部には、図8に示すように、第1の操作部を構成する回動操作体22を取り付けるための筒状部71が設けられている。この筒状部71は、図12及び図13に示すように、回動操作体22が取り付けられたときに、利用者の使用感を良くするため、ケース本体21の外周面と回動操作体22の外周面とが略面一となるようにするため、境界部に段差部72を設け、ケース本体21より縮径して形成されている。この筒状部71は、回動操作体22の回動をガイドする略半円弧状の第1の回動ガイド片73と第2の回動ガイド片74とから構成され、相対向する位置に、回動規制凹部75,76が形成されている。
第1の回動ガイド片73と第2の回動ガイド片74には、略中央部に第2の操作部を構成する押し釦を支持する支持部材を係止するための係止孔77,78が形成されている。更に、筒状部71の基端側であって、第1の回動ガイド片73と第2の回動ガイド片74とを連結する連結部79,80の内面側には、回動操作体22を基準位置に回動付勢する付勢部材が係止される係止溝81,82が形成されている。
また、第1の回動ガイド片73の基端部、すなわち、回動操作体22がケース本体21より引き出されたとき外部に臨む位置には、回動操作体22をケース本体21より引き出された第2の位置で回動操作する際の機能を示す機能表示部83が形成されている。具体的に、機能表示部83には、回動操作体22の第2の位置での回動操作は音量調節であることから、音量を大きくする方に+表示がなされ、音量を小さくする方に−表示がなされている。
以上のような筒状部71の外側に取り付けられる回動操作体22は、図12に示すように、外径がケース本体21の外径と略同じとなし、内径が筒状部71の外径と略同じとなす略リング状に形成されている。すなわち、回動操作体22は、外周面が筒状部71に取り付けられた際にケース本体21の外周面と略面一をなし、利用者の手触りが良くなるように形成されている。
回動操作体22の表面には、回動操作体22がケース本体21側の第1の位置で回動操作する際の機能を示す機能表示部84が形成されている。機能表示部84は、回動操作体22の第2の位置での回動操作がトラックジャンプであることから、ジャンプ方向を示す矢印で構成されている。また、この機能表示部84の近傍には、回動操作体22を第2の位置に引き出したとき、音量調節を行うことができることを利用者に示唆するための表示部85も設けられている。
このリング状の回動操作体22には、厚さ方向の中程に、略矩形状の仕切壁86が設けられ、この仕切壁86は、回動操作体22の内周面に回動規制片87,88を介して設けられている。回動操作体22は、筒状部71に挿入されたとき、回動規制片87,88が筒状部71側の回動規制凹部75,76に係合される。これによって、筒状部71に挿入された回動操作体22は、回動規制片87,88が回動規制凹部75,76の側縁に突き当たるまで回動可能となり、回動範囲が規制される。また、この回動操作体22は、第1及び第2の回動ガイド片73,74にガイドされて、第1及び第2の回動ガイド片73,74の基端側の第1の位置と先端側の第2の位置とに亘って直線移動される。
このように回動操作体22が挿入された筒状部71には、図12に示すように、先端側に第2の操作部である停止釦29を構成する押し釦91と、この押し釦91を支持する支持部材92が配設される。押し釦91は、略円形の押圧操作部93と、押圧操作部93の基端側に設けられたフランジ部94とから構成されている。この押し釦91は、停止釦29として機能するものであるから、停止動作を機能表示する機能表示部95が設けられている。また、押し釦91の裏面側略中央には、図9に示すプリント配線基板43の短辺方向の側縁に設けられたプッシュ型のスイッチSW5を押圧するための押圧シャフト101を取り付けるための取付孔96が形成されている。
また、支持部材92は、押し釦91を外部に臨ませる開口部97と、この開口部97の周縁部であって、押し釦91のフランジ部94が係止される係止部98と、筒状部71に取り付けるための係止片99,100とを有する。押し釦91は、押圧操作部93を開口部97より外部に臨ませ、フランジ部94を係止部98に係止させるようにして、支持部材92に配設される。また、取付孔96には、押圧シャフト101が取り付けられる。そして、押し釦91が配設された支持部材92は、回動操作体22が配設された筒状部71に配設された状態で、係止片99,100を係止孔77,78に係止させることにより取り付けられる。
このように取り付けられた押し釦91は、図17に示すように、回動操作体22が第1及び第2の回動ガイド片73,74の基端側の第1の位置にあるとき突出し、先端側の第2の位置にあるとき、回動操作体22の端部と略面一をなす。そして、押し釦91の取付孔96に取り付けられた押圧シャフト101は、押し釦91が押圧操作されたとき、プリント配線基板43の短辺方向の側縁部に設けられたスイッチSW5を押圧する。また、押し釦91は、回動操作体22が第2の位置にあるとき、回動操作体22の開口端と略面一をなし、操作しづらくなることから、利用者が音量を調節しているときに、誤って停止釦29である押し釦91を押してしまい、再生装置1の再生動作が停止してしまうことを防止している。更に、押し釦91により構成される停止釦29は、操作位置が回動操作体22に設けられることで、回動操作体22の回動操作位置と近いことから、使い勝手を良くすることができる。
また、下ケース34の筒状部71に挿入された回動操作体22は、図13及び図14に示すように、取付部材103によって筒状部71に取り付けられる。この取付部材103は、筒状部71の基端側から挿入されるものであり、略円筒状の基体部104を有する。この基体部104は、内部に、回動操作体22を基準位置に回動付勢する付勢部材である捻りコイルバネ110が配設され、両端部110a,110bがそれぞれ開口部110c,110dより外部に臨まされている。これら捻りコイルバネ110の端部110a,110bは、下ケース34の筒状部71の内面に設けられた係止溝81,82にそれぞれ係止される。これによって、回動操作体22は、基準位置に保持される。
基体部104の筒状部71への挿入側の一端には、回動操作体22を筒状部71に取り付けるための一対の取付片105,106が形成されている。取付片105,106は、先端部に係止部105a,106aが設けられ、これら係止片105a,106aは、筒状部71に取り付けられた回動操作体22の仕切壁86に係止される。これによって、取付部材103は、回動操作体22と一体的に直線移動される。また、回動操作体22の略中央部には、押圧シャフト101が挿通される挿通孔107が形成されている。
基体部104の他端側には、端子部材109を取り付けるための端子取付部108が形成されている。端子取付部108に取り付けられる端子部材109は、図13及び図14に示すように、導電性の金属板を打ち抜き折曲することによって、第1乃至第4の弾性接点アーム111,112,113,114が設けられている。第1及び第2の弾性接点アーム111,112は、端子取付部108の一方の側に設けられ、装置本体3に再生動作を開始させるとともに再生中に順方向にトラックジャンプさせるためのスイッチSW3と再生中の音量を大きくするためのスイッチSW7を構成し、第3及び第4の弾性接点アーム113,114は、端子取付部108の他方の側に設けられ、装置本体3に再生動作を開始させるとともに再生中に逆方向にトラックジャンプさせるためのスイッチSW1と再生中の音量を小さくするためのスイッチSW6を構成する。
図15(A)及び図15(B)に示すように、第1乃至第4の弾性接点アーム111〜114は、プリント配線基板43に設けられた第1乃至第6の接点部115,116,117,118,119,120に選択的に弾接される。第1乃至第3の接点部115〜117は、一方の側に一列に並んで設けられ、回動操作体22が一方向に回動されたときに第1及び第2の弾性接点アーム111,112が弾接される。そして、第2の接点部116は、コモン端子であり、第1及び第2の弾性接点アーム111,112は、第1及び第2の接点部115,116と第2及び第3の接点部116,117とに選択的に弾接される。
すなわち、図15(A)に示すように、回動操作体22がケース本体21側の第1の位置で一方向に回動されるとき、第1及び第2の弾性接点アーム111,112は、第1及び第2の接点部115,116に弾接し、図4に示す再生動作を開始させるとともに再生中に順方向にトラックジャンプさせるためのスイッチSW3として機能する。また、図15(B)に示すように、回動操作体22がケース本体21から引き出された第2の位置で一方向に回動されるとき、第1及び第2の弾性接点アーム111,112は、第2及び第3の接点部116,117に弾接し、再生中の音量を大きくするためのスイッチSW7として機能する。
また、第4乃至第6の接点部118〜120は、他方の側に一列に並んで設けられており、回動操作体22が他方向に回動されたときに第3及び第4の弾性接点アーム113,114が弾接される。そして、第5の接点部119は、コモン端子であり、第3及び第4の弾性接点アーム113,114は、第4及び第5の接点部117,118と第5及び第6の接点部119,120とに選択的に弾接される。
すなわち、図15(A)に示すように、回動操作体22がケース本体21側の第1の位置で他方向に回動されるとき、第2及び第3の弾性接点アーム113,114は、第4及び第5の接点部118,119に弾接し、図4に示す装置本体3に再生動作を開始させるとともに再生中に逆方向にトラックジャンプさせるためのスイッチSW1として機能する。また、図15(B)に示すように、回動操作体22がケース本体21から引き出された第2の位置で他方向に回動されるとき、第2及び第3の弾性接点アーム113,114は、第5及び第6の接点部119,120に弾接し、再生中の音量を小さくするためのスイッチSW6として機能する。
更に、図16に示すように、取付部材103の基体部104には、他端側に、回動操作体22を第1の位置と第2の位置に亘って直線移動操作する際に、利用者にクリック感を与えるためのクリック感付与板123が設けられている。このクリック感付与板123は、回動操作体22の直線移動方向と略直交する図16中矢印D方向に変位可能に設けられている。このクリック感付与板123は、略円弧状の第1の係合凹部124と第2の係合凹部125とが連続して設けられ、これら係合凹部124,125の境界部に突出部126が形成されている。
一方、プリント配線基板43の短辺方向の一端部には、フレーム127が設けられ、このフレーム127の略中央部には、クリック感付与板123の第1及び第2の係合凹部124,125に係脱する係合部材となる球状体128が取り付けられている。クリック感付与板123は、取付部材103が回動操作体22が直線移動するとき、プリント配線基板43側の球状体128が突出部126を乗り上げることで弾性変位し、第1の係合凹部124と第2の係合凹部125の何れかに球状体128が係合し弾性復帰することで、クリック感を発生する。また、回動操作体22は、球状体128が第1の係合凹部124と第2の係合凹部125の何れかに係合されることによって、第1の位置と第2の位置の何れかに保持される。具体的に、球状体128は、筒状部71側の第1の係合凹部124に係合することによって、回動操作体22を第1の位置に保持し、第2の係合凹部125に係合することによって、回動操作体22を第2の位置に保持する。
なお、図14に示すように、クリック感付与板123の変位量の小さい基端部には、取付部材103に取り付けられた回動操作体22が下ケース34の筒状部71より抜け落ちることを防止するストッパ129が設けられている。このストッパ129は、下ケース43の筒状部71の基端部に係止されることで、回動操作体22の第2の位置への移動を規制するとともに、取付部材103に取り付けられた回動操作体22が筒状部71より抜け落ちることを防止する。
(2−3.組み立て)
以上のように構成された遠隔操作装置5では、先ず、下ケース34に、図8及び図10に示すように、押圧支持部材54a〜54eを、支軸56aを支持溝53に係合させ、操作部55を開口部52a〜52eより外部に臨ませるようにして取り付け、次いで、液晶表示パネル39が取り付けられたプリント配線基板43を液晶表示パネル39を上ケース33側にして配設する。次いで、下ケース34の筒状部71には、図8及び図12に示すように、回動規制片87,88が筒状部71側の回動規制凹部75,76に係合するように回動操作体22が挿入される。そして、フランジ部94を係止部98に係止させるようにして押し釦91が配設された支持部材92は、係止片99,100を筒状部71の係止孔77,78に係止させることにより筒状部71に取り付けられる。押し釦91の取付孔96に取り付けられた押圧シャフト101は、図17に示すように、プリント配線基板43のスイッチSW5に臨まされる。
一方、下ケース34側からは、取付部材103が挿通孔107に押圧シャフト101を挿通させて筒状部71に取り付けられる。これにより、取付部材103の取付片105,106は、筒状部71に取り付けられた回動操作体22の仕切壁86に係止され、回動操作体22と一体的に直線移動可能な状態になる。また、図16に示すように、下ケース34に配設された球状体128は、基体部104のクリック感付与板123の第1の係合凹部124又は第2の係合凹部125の何れかに係合される。
また、図13に示すように、基体部104に配設された捻りコイルバネ110の両端部110a,110bは、筒状部71の内面に設けられた係止溝81,82にそれぞれ係止され、取付部材103に一体的に取り付けられた回動操作体22は、基準位置に保持される。すなわち、図14に示すように、第1及び第2の弾性接点アーム111,112が、第1、第2及び第3の接点部115,116,117上に位置し、第3及び第4の弾性接点アーム113,114が、第4、第5及び第6の弾性接点アーム113,114上に位置し、これらの弾性接点アーム111〜114が何れの接点部115〜120にも接触していない状態となる。
この後、下ケース34は、位置決め突部67aが上ケース33側の位置決め突起38aと係合し、係止孔67bに上ケース33側の係止突起38bが係合し、更に止めねじ等により結合される。このように回動操作体22がケース本体21に取り付けられると、図17に示すように、回動操作体22は、筒状部71を構成する第1及び第2の回動ガイド片73,74に沿って、ケース本体21側の第1の位置とケース本体21から離間した第2の位置に直線移動する。回動操作体22は、第2の位置にあるとき、押し釦91と略面一をなすことから、押し釦91の操作がし辛くなり、利用者が音量を調節しているときに、誤って停止釦29である押し釦91を押してしまい、再生装置1の再生動作が停止してしまうことを防止している。
また、回動操作体22が第1の位置や第2の位置にあるとき、回動操作体22は、筒状部71の周回り方向に、捻りコイルバネ110の付勢力に抗して回動される。これによって、回動操作体22と一体的に回動する取付部材103に設けられた第1及び第2の弾性接点アーム111,112は、プリント配線基板43の第1及び第2の接点部115,116と第2及び第3の接点部116,117に択一的に弾接され、また、第3及び第4の弾性接点アーム113,114は、第4及び第5の接点部118,119と第5及び第6の接点部119,120に択一的に弾接される。このように、遠隔操作装置5では、第1の位置と第2の位置に移動可能な回動操作体22を用いることで、従来のように、不意にスイッチが押されてしまい、機器が利用者の意に反して動作することを防止することができる。
(2−4.操作方法)
次に、再生装置1に接続されている遠隔操作装置5の操作方法について説明する。先ず、図1及び図2に示すように、再生装置1の装着部3aに装着されたディスクカートリッジ2の光ディスク2aの再生を行うときの遠隔操作装置5の操作を説明する。光ディスク2aの再生を行うときには、図5に示すように、ケース本体21側の第1の位置にある回動操作体22を、取付部材103の捻りコイルバネ110の付勢力に抗して図5中矢印B又は反矢印B方向に回動操作する。すると、回動操作体22と一体的に回動する取付部材103に設けられた第1及び第2の弾性接点アーム111,112は、プリント配線基板43の第1及び第2の接点部115,116若しくは第4若しくは第5の接点部118,119に弾接される。これによって、図4に示すスイッチSW1若しくはスイッチSW3はオンとなり、再生動作の開始を示す信号は、接続コード4を介して制御回路18に出力される。制御回路18は、この信号に基づいて、ディスク回転駆動機構のスピンドルモータと光ピックアップ11を駆動する。
すると、光ピックアップ11は、図2に示すように、半導体レーザより光ビームを出射し、光ディスク2aの信号記録面に光ビームを照射し、光ディスク2aの信号記録面で反射した戻りの光ビームを光検出器で検出することで、情報信号の読み出しを行う。そして、光ピックアップ11の光検出器は、照射された光ビームを電気信号に変換し、この電気信号をRFアンプ12に供給する。すると、RFアンプ12は、光検出器からの出力信号に基づいて、RF信号、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を生成し、RF信号を再生回路13に供給し、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号をサーボ回路16に供給する。再生回路13は、RFアンプ12からのRF信号を2値化、復調した後、誤り訂正を行い、誤り訂正がなされたデータを伸長し、アナログ信号に変換することにより再生信号を生成する。そして、アンプ14で増幅された再生信号は、アンプ14で増幅され、イヤホン、ヘッドホン、スピーカ等の出力器15より出力される。
このように再生装置1が再生動作を行っているときに、遠隔操作装置5は、回動操作体22を用いることにより、順方向と逆方向のトラックジャンプと、音量調節を行うことができる。
先ず、順方向のトラックジャンプ操作するときには、図16に示す球状体128が第1の係合凹部124に係合することで第1の位置に保持された回動操作体22を取付部材103の捻りコイルバネ110の付勢力に抗して図5中矢印B方向に回動操作する。すると、回動操作体22と一体的に回動する取付部材103に設けられた第1及び第2の弾性接点アーム111,112は、プリント配線基板43の第1及び第2の接点部115,116に弾接される。これによって、図4に示すスイッチSW3は、オンの状態となり、順方向のトラックジャンプ、すなわち再生中のデータの次の記録トラックの先頭から再生するための信号を制御回路18に出力する。これに基づいて、制御回路18は、光ピックアップ11を光ディスク2aの内外周に亘って移動させ、次のトラックの先頭の読み出し処理を開始する。
また、逆方向のトラックジャンプ操作するときには、第1の位置にある回動操作体22を取付部材103の捻りコイルバネ110の付勢力に抗して図5中反矢印B方向に回動操作する。すると、回動操作体22と一体的に回動する取付部材103に設けられた第3及び第4の弾性接点アーム113,114は、プリント配線基板43の第4及び第5の接点部118,119に弾接される。これによって、図4に示すスイッチSW1は、オンの状態となり、逆方向のトラックジャンプ、すなわち再生中のデータの頭出しをするための信号を制御回路18に出力する。これに基づいて、制御回路18は、光ピックアップ11を光ディスク2aの内外周に亘って移動させ、再生中の記録トラックの先頭からデータの読出処理を開始する。
以上のように、遠隔操作装置5では、順方向や逆方向にトラックジャンプ操作を行うとき、回動操作体22に、トラックジャンプ方向を示す機能表示部84が設けられていることから、簡単に回動方向を認識することができる。
更に、再生中のデータの音量を大きくするときには、回動操作体22が図5中矢印A方向に引き出し操作され第2の位置に直線移動され、図7に示す状態となる。このとき、回動操作体22には、表示部85が設けられていることから、利用者は、回動操作体22の引き出し方向を容易に認識することができる。また、このとき、図16に示す球状体128は、突出部126を乗り上げが第2の係合凹部125に係合し、このとき、クリック感付与板123が弾性変位する。これによって、利用者は、クリック感が付与され、回動操作体22が第2の位置に直線移動したことを認識することができる。
そして、回動操作体22がケース本体21から離間した第2の位置にあるとき、回動操作体22は、取付部材103の捻りコイルバネ110の付勢力に抗して図7中矢印B方向に回動される。すると、回動操作体22と一体的に回動する取付部材103に設けられた第1及び第2の弾性接点アーム111,112は、プリント配線基板43の第2及び第3の接点部116,117に弾接される。これによって、図4に示すスイッチSW7は、オンの状態となり、音量を大きくする信号を制御回路18に出力する。これに基づいて、制御回路18は、音量を1段階レベルを上げて出力器15より出力される音量を大きくする。
また、再生中のデータの音量を小さくするときには、第2の位置にある回動操作体22を取付部材103の捻りコイルバネ110の付勢力に抗して図7中反矢印B方向に回動操作する。すると、回動操作体22と一体的に回動する取付部材103に設けられた第3及び第4の弾性接点アーム113,114は、プリント配線基板43の第5及び第6の接点部119,120に弾接される。これによって、図4に示すスイッチSW6は、オンの状態となり、音量を小さくする信号を制御回路18に出力する。これに基づいて、制御回路18は、音量を1段階レベルを下げて出力器15より出力される音量を小さくする。
以上のように、遠隔操作装置5では、音量調整を行うとき、回動操作体22が第2の位置に移動されたときに外部に臨む筒状部71に機能表示部83が設けられていることから、簡単に回動方向を認識することができる。
更に、再生装置1の再生動作を停止するときには、回動操作体22が第1の位置と第2の位置にあるかを問わず、停止釦29が押される。すると、図17に示すように、プリント配線基板43の短辺方向の側縁部に設けられたスイッチSW5が押圧シャフト101により押圧され、オンの状態となり、このスイッチSW5は、再生動作の停止を示す信号を制御回路18に出力する。これに基づいて、制御回路18は、ディスク回転駆動機構や光ピックアップ11等の動作を停止する。
ところで、音量調節は、通常利用者が音を聞きながら行うものである。この遠隔操作装置5では、図17に示すように、回動操作体22が音量調節を行う第2の位置にあるとき、停止釦29が回動操作体22の開口端と略面一となし、操作しずらい状態とすることで、利用者が音量を調節しているときに、誤って停止釦29である押し釦91を押してしまい、再生装置1の再生動作が停止してしまうことを防止している。
ケース本体21を構成する下ケース34に設けられた一時停止釦24と音質切換釦25と入力決定釦26と再生モード切換釦27と表示切換釦28を操作するときには、図10に示すように、所定の操作釦の開口部52a〜52eより外部に臨まされた操作部55が押圧されると、支持溝53に係合された支軸56aを回動支点として、図10中矢印C方向に回動操作される。これによって、押圧片57は、下ケース34に配設されたプリント配線基板43のスイッチSW4,2,8,9,10を押圧する。すると、スイッチSW4,2,8,9,10は、各スイッチに対応した信号を制御回路18の出力し、これに基づいて、制御回路18は、各回路の動作を制御する。
(2−5.遠隔操作装置の効果)
以上のような遠隔操作装置5は、回動操作体22を用いることによって、再生装置1の複数の機能を実行することができることから、遠隔操作装置5の小型化を図ることができるとともに、操作性の向上を図ることができる。また、遠隔操作装置5は、回動操作体22に停止釦29を設け、トラックジャンプ操作や音量調節操作を行う位置と再生停止操作を行う位置を近接させることで、使い勝手を良くしている。
更に、遠隔操作装置5は、全体の形状を略円柱状とし、物等が引っかかりにくい形状とされているので、物等に当たって利用者の意に反してスイッチがオンとなってしまうことを防止することができる。また、再生装置1の機能の中で特に基本的な機能である記録媒体の再生機能、トラックジャンプ機能、音量調節機能の操作は、物等が当たってもスイッチがオンとならない回動操作体22によって行うことから、再生装置1の誤動作を防止することができる。更に、遠隔操作装置5では、図17に示すように、回動操作体22が音量調節を行う第2の位置にあるとき、停止釦29が回動操作体22の開口端と略面一となし、操作しずらい状態とすることで、利用者が音を聞きながら音量を調節しているときに、誤って停止釦29を押してしまい、再生装置1の再生動作が停止してしまうことを防止することができる。
(3.変形例)
以上、ディスクカートリッジ2の再生装置1を例により説明したが、本発明は、光ディスク単体を記録媒体に用いる再生装置やテープカセットを記録媒体に用いる再生装置の遠隔操作装置に適用することもできる。