JP4783978B2 - 点呼システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電波を使って点呼対象の存在の有無を確認するシステムに関し、特に、グループ旅行などで目視や声によらずに迅速に点呼をすることができる点呼システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、修学旅行や団体旅行などにおいては、観光バスなどの車両に参加者が全員乗車したかを、引率者が一人一人名前を呼ぶことによって確認したり、目視により参加者を一人一人確認したり、合計人数を数えたりして判断していた。
【0003】
このような点呼方法では、点呼を取るのに時間がかかったり、参加者(点呼を取られる側の人)が動いたりすると間違えやすい。また、不在者がいた場合に、不在者数は分かるが、不在者が誰であるかは必ずしも分からないという問題があった。
【0004】
そこで、例えば、特開平9−245147には、参加者の名簿を記憶したハンディ端末と、該ハンディ端末と無線にて情報の授受を行うコンタクトレスICカードとを用いたシステムを用いる技術が開示されている。コンタクトレスICカードは、参加者により携帯される。まず、ハンディ端末から参加者に対応づけられた特定のコンタクトレスICカードと無線を用いて通信する。具体的には、呼び出し信号を送信し、この呼び出し信号に対する応答の有無によって参加者がその場所にいるかどうかを判定する。このようにして、ハンディ端末は、名簿に記載された参加者の持つコンタクトレスICカードすべてに対して呼び出しを行う。次に、名簿の対象者の存否を判定して点呼結果を作成し、点呼結果を上記ハンディ端末に表示する。表示内容には、点呼の対象者の合計人数と不在者の数、および不在者の名前が含まれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術(特開平9−245147)では、ハンディ端末を用いるため、通常、電源を電池などに頼る必要がある。したがって、電池の残量を気にしなければならず、また、電池残量がなくなれば使用することができなくなるという問題があった。また、点呼人数を演算するため、瞬時に点呼できないだけでなく、特定の参加者などの人員の所在を即座に把握することができないという問題があった。
【0006】
この発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、電池切れを心配することなく、特定の人員の存在、不存在を瞬時にかつ容易に確認することができる点呼システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によると、
【0011】
この発明では、固有の識別番号が記憶手段記憶された無線送信装置を携帯する参加者などの人員が点呼ボード装置近傍を通り過ぎる度に、点呼ボード装置により上記固有の識別番号を受信手段により受信し、該識別番号に基づいて、該識別番号に対応する人員の所在の有無を視認可能に表示手段に表示する。したがって、特定の人員の存在、不存在を瞬時にかつ容易に確認することが可能となる。また、前記複数の人員を収容する施設もしくは車両に備えられている電源端子を介して、前記車両から前記点呼ボード装置を動作させるための電力供給を受けるようにすることで、電池切れを心配する必要がなくなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
A.実施形態の構成
図1は、本発明の実施形態による点呼システムの概念を示す模式図である。図1において、参加者1は、各々、それぞれ非接触で読みとり可能なICカード2が設けられた名札3を携帯もしくは衣服に付けている。電子点呼表4は、バスなどの車両5の乗降口近辺もしくは参加者全員を収容する旅館などの施設(不図示)に設置されており、参加者1が乗降口を通過した際に、電波を用いて参加者の所有するICカード2と通信して、図1(a)に示すように参加者が乗車したのか、あるいは図1(b)に示すように降車したのかを判定し、参加者毎にその氏名と存在(乗車)、不存在(降車=不在)とを容易に確認可能に、かつ瞬時に表示する。
【0013】
次に、図2は、上記電子点呼表4の外観を示す模式図である。電子点呼表4は、A4サイズ程度の大きさを有し、厚さ10mm、電池込みで1Kg以下を想定している。電子点呼表4の表示パネル上には、参加者の氏名が記された氏名カードを着脱可能な氏名欄4aが設けられている。上記氏名カードは、使い捨て可能である。各氏名欄の横には、2色LED4bが配置されており、参加者が車内にいる場合には、緑色LEDが点灯し、参加者が車外にいる場合には、赤色LEDが点灯するようになっている。なお、人員数外の2色LEDは点灯しない(図示の例では、36番〜50番)。各参加者には一連の番号が付けられており、参加者の全人数を容易に確認することができるようになっている。また、電子点呼表4には、動作状態を示すパワーLED4c、リセットスイッチ4d、電源スイッチ4e、人員数設定スイッチ4fなどが設けられている。
【0014】
次に、図3は、上記電子点呼表4の構成を示すブロック図である。図3において、電子点呼表4は、送受信部10、制御部11、表示部12、メモリ13およびバッテリ14から構成されている。送受信部10は、ICカード2と無線にて情報を送受信するもので、アンテナ部(図示せず)を含む。制御部11は、MPU(Micro Processor Unit)を含み、所定のプログラムにより各種の制御を行う。表示部12は、例えば、上述した2色LED4bや、パワーLED4cなどからなる。メモリ13は、制御部11の作業のために用いられる揮発性の半導体メモリや、磁気ディスク、フロッピーディスク、カードメモリなどの不揮発性の記憶装置からなる。なお、上記メモリ13に制御部11を動作させるためのプログラムを格納するようにしてもよい。バッテリ14は、各部へ駆動電力を供給するもので、動作中でも充電可能な2次電池からなり、電力を電源端子、例えばバスなどの車両のシガレットソケットから得ている。したがって、本実施形態による電子点呼表4は、充電切れを心配することなく使用することができる。また、バッテリ14は、充電式であるので、携帯することも可能である。なお、該電子点呼表4は、リセットスイッチ4dによりリセットされない限り、電源断時後もメモリ13に記憶されているデータを保持するものである。
【0015】
次に、図4は、上記電子点呼表4のメモリ13に記憶されるデータ構成を示す概念図である。メモリ13には、ICカード2のID番号に対応付けて、そのIDカード2を携帯する参加者が中に居るか、居ないかを示す入出フラグを記憶する。入出フラグは、参加者が車中に居る場合には、「1」となり、参加者が中に居ない場合には、「0」となる。これは、参加者が乗降や出入りをする度に更新されるようになっている。
【0016】
次に、図5は、前述した名札の構成を示す模式図である。名札3には、参加者の氏名が記された氏名カードが着脱可能となっている。また、名札3の裏面には、前述したICカード2が貼り付けられている。該名札3は、氏名カードを差し替えることで、他のツアーにも再利用することができる。
【0017】
次に、図6は、上記ICカードの構成を示すブロック図である。図6において、ICカード2は、アンテナ20、送受信部21、メモリ22および制御部23を備えている。アンテナ20は、電子点呼表4との間で情報(呼び出し信号やID番号)を送受信する。該アンテナ20は、プラスチックなどのカードの基板に印刷技術を用いて形成されている。送受信部21は、アンテナを介して行われる無線の送受信を制御するものであり、電波から信号を復調するとともに、信号を電波に変換するものである。メモリ22は、上述したID番号を記憶している。制御部23は、MPUなどを含み、メモリ8のID番号を送受信部21を介して送信するための制御などを行う。ICカード2の電源は、カードに内蔵された図示しない電池から供給してもよいが、好ましくは、上記アンテナ20を介して外部から供給することが望ましい。
【0018】
B.実施形態の動作
次に、図7ないし図9に示すフローチャートを参照して本実施形態の動作について詳細に説明する。
【0019】
まず、ICカード2の動作について図7に示すフローチャートを用いて説明する。ICカード2は、電子点呼表4からの呼び出しがあったか否かを判断しており、呼び出しがなければ、該ステップを繰り返すことで、事実上、待機状態となる(ステップS10)。次に、上記ICカード4を携帯した参加者がバスなどの車両から乗降もしくは施設に出入りする状況において、参加者が乗降又は出入り口近辺に配置された電子点呼表4の近傍を通ると、ICカード4は、電子点呼表4からの呼び出し(信号)を受信することになる。ICカード4は、電子点呼表4からの呼び出しがあると、メモリ22からID番号を読み出し、送受信部21により、アンテナ20から送信する(ステップS12)。このように、参加者が乗降や出入りのために乗降口又は出入口近辺に配置された電子点呼表4の近傍を通る度に、ICカード4は、電子点呼表4からの呼び出し(信号)を受信し、ICカード4毎に予め記憶されたユニークなID番号を送信することになる。
【0020】
次に、電子点呼表4の動作について図8および図9に示すフローチャートを用いて説明する。電子点呼表4では、まず、ICカード4へ発呼(呼び出し)を行う(ステップS20)。次に、ICカード4から応答があったか否かを判断し(ステップS22)、近傍にいる参加者のICカード4から応答があると、該ICカード4からのID番号を受信する(ステップS24)。そして、受信したID番号に対応する入出フラグを反転する(ステップS26)。すなわち、入出フラグが「1(車中)」であれば、これを「0(車外)」とし、一方、入出フラグが「0(車外)」であれば、これを「1(車中)」とする。これにより、参加者が乗車したのか、降車したのかをリアルタイムで把握することができる。一方、応答がなかった場合には、図4に示す情報に基づいて、図2に示す2色LED4bの点灯を制御する(ステップS28)。
【0021】
上記表示処理においては、まず、ID番号をリセット(最若番号)した後、その入出フラグが「1(車中)」であるか否かを判断する(ステップS30)。ここで、入出フラグが「0(車外)」の場合には、該ID番号に対応する赤色LEDを点灯する(ステップS32)。一方、入出フラグが「1(車中)」の場合には、該ID番号に対応する緑色LEDを点灯する(ステップS34)。次に、人員数分のID番号に対する処理が終了したか否かを判断し(ステップS36)、処理していないID番号があれば、次のID番号へ進め(ステップS38)、上述した処理を繰り返し実行する。そして、人員数分のID番号に対する処理が終了すると、当該処理を終了し、図8の処理へ戻る。これにより、車中にいる参加者(の名札)に対しては、緑色LEDが点灯し、車外にいる参加者(の名札)に対しては、赤色LEDが点灯することになる。また、人員数外の2色LEDは点灯しない。ゆえに、電子点呼表4を見るだけで、特定の参加者の存在、不存在を瞬時にかつ容易に確認することができる。また、電子点呼表4を動作させるための電源を、車両のシガレットソケットから取り出しているで、電池切れを心配することもない。
【0022】
なお、上述した実施形態では、参加者に携帯され、固有のID番号を送信する手段を、MPUなどの制御部を備えるICカードとしたが、これに限らず、単にID番号を送信するタグであってもよい。また、上述した実施形態では、参加者が車中又は施設内に居るか、あるいは車外又は施設外に居るかを異なる発色のLEDにより区別したが、これに限らず、発光方法(例えば、車中に居ない参加者に対応するLEDを点滅させるとか、居ない場合にのみ赤色LEDを点灯させるなど)を変えるようにしてもよい。
【0023】
また、上述した実施形態では、入出フラグの状態により、乗車/降車(もしくは入場/出場)を判断するようにしたが、これに限らず、例えば、図2に示す点呼スイッチ4gがどちら側に投入されているかで、乗車(もしくは入場)したのか降車(もしくは出場)したのかを判断するようにしてもよい。すなわち、点呼スイッチ4gが「乗車」(入場)側に投入されている場合にICカード2から応答があると、参加者が「乗車」(入場)したと判断し、点呼スイッチ4gが「降車」(出場)側に投入されている場合にICカード2から応答があると、参加者が「降車」(出場)したと判断するようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、固有の識別番号が記憶手段記憶された無線送信装置を携帯する参加者などの人員が点呼ボード装置近傍を通り過ぎる度に、点呼ボード装置により上記固有の識別番号を受信手段により受信し、該識別番号に基づいて、該識別番号に対応する人員の所在の有無を視認可能に表示手段に表示するようにしたので、特定の人員の存在、不存在を瞬時にかつ容易に確認することができるという利点が得られる。また、前記複数の人員が移動するための車両に備えられている電源端子を介して、前記車両から前記点呼ボード装置を動作させるための電力供給を受けるようにすることで、電池切れを心配する必要がなくなるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態による点呼システムの概念を示す模式図である。
【図2】 電子点呼表4の外観を示す模式図である。
【図3】 電子点呼表4の構成を示すブロック図である。
【図4】 電子点呼表4のメモリ13に記憶されるデータ構成を示す概念図である。
【図5】 名札の構成を示す模式図である。
【図6】 ICカードの構成を示すブロック図である。
【図7】 ICカード2の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】 電子点呼表4の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】 電子点呼表4の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
2 ICカード(無線送信装置)
3 名札
4 電子点呼表(点呼ボード装置)
4a 氏名欄
4b 2色LED(表示手段、発光手段)
4c パワーLED
4d リセットスイッチ
4e 電源スイッチ
4f 人員数設定スイッチ
4g 点呼スイッチ
5 車両
10 送受信部(送信手段、受信手段)
11 制御部
12 表示部
13 メモリ
14 バッテリ(2次電池)
20 アンテナ(送信手段)
21 送受信部(送信手段)
22 メモリ(記憶手段)
23 制御部
Claims (1)
- バスに用いられる点呼システムであって、
各バス利用者に一つずつ携帯される複数の電池レス型のICカードと、
バスの中の乗降口近辺に設置される点呼ボード装置と
を備え、
前記ICカードは、
当該ICカードを識別するための固有の識別番号を記憶する記憶手段と、
前記点呼ボード装置からの呼び出し要求に応じて前記記憶手段に記憶されている識別番号を送信する送信手段と
を有し、
前記点呼ボード装置は、
前記ICカードに対して呼び出し要求を送信する送信手段と、
前記ICカードから送信される識別番号を受信する受信手段と、
それぞれ異なる色で発光する2つの発光体から成る発光手段を複数備え、前記各発光手段のうちバス利用者の人数分の発光手段は、各バス利用者がそれぞれ携帯する前記各ICカードの識別番号と対応するようにそれぞれ割り当てられ、前記識別番号に対応するバス利用者がバスに搭乗しているか否かを視認可能に表示する表示手段と、
前記受信手段により受信された識別番号に基づいて、前記複数の発光手段のうち、バスに搭乗しているバス利用者が携帯している前記ICカードの識別番号に対応する発光手段については、その一方の色の発光体を発光させる一方、バスに搭乗していないバス利用者が携帯している前記ICカードの識別番号に対応する発光手段については、その他方の色の発光体を発光させると共に、バス利用者が携帯している前記ICカードの識別番号に対応していない発光手段については、いずれの発光体も発光させないように制御する制御手段と
を有する点呼システム。
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