JP4783960B2 - 基板の保護装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は基板の保護装置に関するものであり、特に、基板を保護ケースにより囲繞して保護するように構成した基板の保護装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7に従来の基板の保護装置を示し、図8に図7のA−A線断面を示す。図7及び図8において、1は電気、電子部品を実装した基板を示す。該基板1は積層基板より成り、上下に開口する箱形の保護ケース2に上方又は下方から嵌合して取り付けている。保護ケース2の一対の辺部に、ケース外側より内側に向かって折り曲げ自在に爪3…を設け、各爪3を内側に折り曲げて基板1の外側端面に当接させ、この状態で、基板1の対応するアースパターン4に各爪3を半田付して基板1と保護ケース2とを接続している。
【0003】
【発明が課題しようとする課題】
このように前述の基板の保護装置によれば、基板1のアースパターン4に各爪3…を半田付けすることによって、保護ケース2に基板1を一体化する構成としているが、保護ケース2は鋼板より形成され、基板1とは熱膨張係数が大きく相違している。このため、半田の耐久度の確認のためのサーマル試験を実施すると、爪3とアースパターン4とを接続する半田部5に熱膨張係数差に起因した熱応力(引っ張り応力)が発生し、この応力によって、半田部5にクラックが発生することがある。
【0004】
そこで、保護ケースの基板嵌合面に爪を設け、各爪を折り曲げて基板に半田付けするように構成された基板の保護装置において、保護ケースと基板の熱膨張係数差に起因した半田のクラックを防止するために解決すべき技術的課題が生じて来るのであり、本発明は該課題を解決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成すべく提案されたものであり、基板を囲繞して保護する保護ケースに、該基板を支持固定するための複数の爪を設け、前記基板の外側端部に前記各爪を外側より嵌装するための凹部を設け、該各凹部に各爪を嵌合すると共に各爪と基板の銅層を半田付けした基板の保護装置において、
前記凹部は、基板外側端部の一部を外側に突出させて形成された相互に対峙する突出部によって形成されて成り、更に、前記保護ケースの辺部には前記突出部の該保護ケース外方への突出を許容するスリットが設けられ、且つ、該スリットの幅は前記突出部の幅と略同一に設定されるとともに、前記凹部に嵌装される前記スリット間によって形成された爪の両側面と前記突出部内側面との間に半田付け用銅メッキ層が形成されており、
加えて、前記基板は、外側端面が保護ケースの内面を案内面として前記保護ケース内に嵌合されたとき、前記保護ケースの一方側開口を閉鎖するように前記保護ケース内に収容される基板の保護装置を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明に関連した基板の保護装置を図1乃至図4を参照して詳述する。
【0007】
図1に本発明に関連した基板の保護装置の一部切欠平面図を示す。図1において、10はケース装置を示し、11は基板を示す。該基板11は半導体チップ、抵抗、センデンサ等の能動素子、受動素子(何れも図示せず)等を実装した積層基板より成り、上下に開口する箱形の鋼板製保護ケース(以下、保護ケースという。)12に上方又は下方から巌合されて取り付られている。
【0008】
該基板11は、外側端面が保護ケース12の内面を案内面として保護ケース12内に嵌合されたとき、該保護ケース2の一方側開口14aを閉鎖するように形成されており、図1乃至図3に示すように、保護ケース12の一対の辺部13b,13dには、下向き又は上向きにコ字形のスリット15,15…を設けて、各スリット15,15の内側に折り曲げ可能な爪16…を区画形成している。
【0009】
そして、該爪16…を介して保護ケース12に基板11を固設するために、基板11の外側端部に、各爪16と対時させ且つ、外向きに開口させて、平面祝ほぼコ字形の凹部17を形成し、図2及び図4に示すように、各凹部17と対時する爪16を夫々外側より内側に折り曲げて対応する凹部17に俵合している。
【0010】
そして、前記基板11の外側端部側表面に、各凹部17を囲摸して、銅層より成るアースパターン18,18,…を区画形成し、各アースパターン18と各爪16とを半田により半田付けし、その結果として、保護ケース12に基板11を支持固定している。もちろん、各爪16の各凹部17の強度は、それぞれ前記サーマル試験に対応した許容曲げモーメント、許容顛断力内に設定される。
【0011】
このため、半田付け後に前述のサーマル試験を実施すると、基板11の長手方向に作用する熱応力は、爪16と各凹部17との互いの当接面に作用し、爪16及び各凹部17は熱応力を支持することなる。このため、爪16と各凹部17とを接続する半田部19の基板長手方向の応力負担は可及的に軽減され、熱膨張係数差に起因した半田部19のクラックは防止される。
【0012】
なお、各凹部17は、各爪16の両側端面を案内して嵌合するために、僅少な間隙に設定されるが、各凹部17の入口角部に面取りを施して、爪部16の嵌合性を向上することも可能である。
【0014】
図5に本発明を示す。同図に示す如く、前記基板11の外周部の一部を外側に突出させ、そして、対峙する突出部20によって凹部17が形成されている。この場合、保護ケース12の一対の辺部13b,13dに形成される各スリット15のスリット幅は、各突出部20の幅と略同一に設定される。そして、各爪6の両側面に対する凹部17の支持面に半田付けのための銅メッキ層21を形成して基板11との半田付け面積を拡大している。従って、前記本発明に関連した基板の保護装置と比較して保護ケース12と基板11との相互の支持面積が拡大されると共に、爪16と凹部17との半田付け面積がさらに増加し、半田部19のクラックの防止効果が更に向上する。
【0015】
図6に示す変形例は、前記基板11のアースパターン18の外側にスリット23を形成し、該スリット23によって熱膨張係数の相違に起因する熱応力を吸収するようにしたものである。このため、熱応力が爪16及び突出部20との弾性により緩和され、その結果として半田部19のクラックが防止されることなる。
【0016】
このように、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【0017】
【発明の効果】
本発明は、前記突出部の保護ケース外方への突出を許容するスリットによって形成される爪を上記構成により、ケース外方より内側に折り曲げ、更に、基板に前記爪を夫々嵌合する凹部を設けて、各爪を夫々対応する凹部に嵌合した状態で各爪を基板の銅層に半田付けするように構成している。このため、爪と各凹部との半田部との応力負担が可及的に軽減され、熱膨張係数の相違に起因した半田部のクラックを防止することができる。
特に本発明は、上記凹部は、基板外側端部の一部を外側に突出させて形成された相互に対峙する突出部によって形成され、上記保護ケースの辺部にはスリットが形成され、該スリットの幅は前記突出部の幅と略同一であると共に、上記凹部の支持面に半田付け用銅メッキ層が形成されているところ、各爪の両側面に対する凹部17の支持面に半田付けのための銅メッキ層21を形成して基板11との半田付け面積を拡大している。それ故、保護ケースと基板との相互の支持面積が拡大されると共に、爪と凹部との半田付け面積が増加し、半田部19のクラックの防止効果が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関連する基板の保護装置を示し、基板と保護ケースとの固定装置の丁部切欠平面図である。
【図2】図1のB−B線断面図である。
【図3】図1のC−C線断面図である。
【図4】図1の要部を示す一部切欠平面拡大図である。
【図5】本発明の一実施の形態を示す一部切欠平面図である0
【図6】本発明の一実施の形態に係る他の変形例を示す一部切欠平面図である。
【図7】従来例を示し、基板と保護ケースとの国定装置の一部切欠平面図である。
【図8】図7のA−A線断面図である。
【符号の説明】
11 基板
12 保護ケース
16 爪
17 凹部
18 アースパターン
19 半田部

Claims (1)

  1. 基板を囲繞して保護する保護ケースに、該基板を支持固定するための複数の爪を設け、前記基板の外側端部に前記各爪を外側より嵌装するための凹部を設け、該各凹部に各爪を嵌合すると共に各爪と基板の銅層を半田付けした基板の保護装置において、
    前記凹部は、基板外側端部の一部を外側に突出させて形成された相互に対峙する突出部によって形成されて成り、更に、前記保護ケースの辺部には前記突出部の該保護ケース外方への突出を許容するスリットが設けられ、且つ、該スリットの幅は前記突出部の幅と略同一に設定されるとともに、前記凹部に嵌装される前記スリット間によって形成された爪の両側面と前記突出部内側面との間に半田付け用銅メッキ層が形成されており、
    加えて、前記基板は、外側端面が保護ケースの内面を案内面として前記保護ケース内に嵌合されたとき、前記保護ケースの一方側開口を閉鎖するように前記保護ケース内に収容されることを特徴とする基板の保護装置。
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