JP4783273B2 - 電子写真装置 - Google Patents

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Description

本発明は電子写真装置の技術分野に関する。
近年、カラー複写機やカラープリンター等のカラー画像形成装置において、複数の電子写真感光体(以後、単に感光体ともいう)にそれぞれ異なる色のトナー像を形成し、それらを転写体に順次転写してカラー画像を形成するタンデム方式のカラー画像形成装置が、従来の一つの感光体を用いてカラー画像を形成する転写ドラム方式、又は多重現像一括転写方式等のカラー画像形成装置に比して高速でカラー画像形成が可能であることから注目されている。
上記タンデム方式のカラー画像形成装置及び該装置を用いた画像形成方法は、複数の感光体にそれぞれ個別に現像装置を備え、各感光体上にそれぞれ単色トナー画像を形成し、それらの単色トナー画像を順次転写装置により転写して搬送ベルト上の用紙に合成カラー画像を記録する直接転写方式である。また、中間転写体に一次転写した後、中間転写体上の画像を二次転写装置によりシート上に一括転写する間接転写方式のものもある。
しかしながら、いずれのタンデム型転写方式では複数の感光体によってフルカラー画像を形成するという構成上、各感光体それぞれに濃淡ムラが発生してしまうと、それが色調ムラとなってしまい、安定したカラー画像が得られにくいといった課題を有している。
また、画像品質を向上させるため、装置本体の書き込み画像の階調再現方法として、多値方式を採用している場合、画素の濃度が多段階に設定されるため、従来の感光体を用いた画像形成装置では濃度差が目立ちやすく、特にパルス幅変調、パワー変調またはそれらを組み合わせた場合、濃度差の傾向がきわめて高かった。
これに対し、特に多値現像方式の中間露光領域での画像濃度変化を抑えるために画像形成装置本体に画像濃度センサーを取り付け、その情報を露光制御系へフィードバックし、感光体上の電位を安定化させる事で画像濃度変化を補正しているので、電子写真装置の制御システムが複雑化し高コスト化となり課題を有している。
電子写真感光体の場合、高速で繰り返し使用しても電子写真特性、特に初期電位と繰り返し使用後の電位の再現性など、環境変動による電位変化、画像濃度変化を抑えることが課題となっている。特にフルカラーの画像形成装置での感度ムラは即座に画像ムラとして現れ致命傷であり、高温高湿から低温低湿までさまざまな使用環境においても感光体表面電位と画像濃度の安定している電子写真感光体が求められている。
即ち、最近のデジタルカラー複写機、カラープリンタ−等の電子写真装置、特にタンデム方式を採用する画像形成装置では、低温低湿から高温高湿の環境変動にも耐えられる高品質の電位安定性、画像濃度再現性を備えた感光体が要求されるが、まだまだ不十分であった。
特開2003−21920号公報では電荷輸送層近傍の凹凸部の膜厚差をコントロールして画像濃度ムラを抑える感光体が提案されているが、膜厚を均一にするだけでは環境変動に対して濃度ムラを抑えることは難しいのが現状である。
特開2003−21920号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、カラー複写機、カラープリンタ−等の電子写真装置、特にタンデム方式を採用する画像形成装置において、特に多値現像方式の中間露光領域での画像濃度変化、画像ムラを抑制し、低温低湿から高温高湿の環境変動にも耐えられる高品質の電位安定性、画像濃度再現性を備え、装置の複雑化かつ高コスト化を抑えた画像形成装置を実現する為の感光体を提供するものである。
上記課題を解決するために本発明は、複数の電子写真感光体と、前記各電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、帯電した前記各電子写真感光体を露光して前記電子写真感光体表面に潜像を形成する露光装置と、前記各電子写真感光体上の潜像にそれぞれ異なる色のトナーを付着させる現像装置とを有し、前記各電子写真感光体に付着した前記トナーを印刷媒体にそれぞれ転写させ、カラー画像を形成する電子写真装置であって、多値露光方式を用いた画像書き込み方法を備え、前記各電子写真感光体は、支持体と、前記支持体上に形成された感光層とを有し、前記感光層中には、下記一般式(1)で表される電荷移動剤と、Cukαを線源とするX線回折スペクトルでブラッグ角(2θ±0.2)27.2度に最大ピーク強度を有するオキシチタニウムフタロシアニンから成る電荷発生剤とが含有された電子写真装置である。
Figure 0004783273
(式中、R1は、CH3基又はOCH3基のいずれか一方の置換基であり、R2、R3は水素又はCH3基のいずれか一方の置換基である。)
本発明は電子写真装置であって、上記一般式(1)で表わされる前記電荷移動剤は、下記式(1a)で表される化合物である電子写真装置である。
Figure 0004783273
本発明は電子写真装置であって、上記一般式(1)で表わされる前記電荷移動剤は、下記式(1b)で表される化合物である電子写真装置である。
Figure 0004783273
本発明は電子写真装置であって、上記一般式(1)で表わされる前記電荷移動剤は、下記式(1c)で表される化合物である電子写真装置である。
Figure 0004783273
本発明は電子写真装置であって、上記一般式(1)で表わされる前記電荷移動剤は、下記式(1d)で表される化合物である電子写真装置である。
Figure 0004783273
本発明は電子写真装置であって、前記感光層に芳香族アミン系酸化防止剤を含有することを特徴とする電子写真装置である。
本発明は電子写真装置であって、前記導電性支持体と前記感光層との間に下引き層が設けられた電子写真装置である。
また、本発明の電子写真装置は、帯電装置が前記電子写真感光体を帯電させる際に、湿度が変化しても一定電圧を印加するように構成することもできる。
更に、本発明の電子写真装置は、帯電装置が少なくとも湿度20%以上80%以下の範囲で一定電圧を印加するように構成することもできる。
多値露光方式は、紙等の印刷媒体に印刷するトナー濃度を、無色(トナー量ゼロ)、ベタ(トナー量最大)の二値に加え、中間階調(トナー量がゼロと最大値の間の値)の濃度も用いる方式であり、電子写真感光体表面のトナー濃度を場所によって変えるために、電子写真感光体にレーザ光を照射して露光する際に、均一に帯電させておいた電子写真感光体を、紙等に転写すべきトナーの濃度に応じた露光量で露光する技術が用いられている。
二値の場合、露光量は無色に対応する最大露光量と、ベタに対応する最小露光量(露光量ゼロ)だけで済むが、多値の場合、それらに加え、中間階調に対応するために、最大露光量と最小露光量の間の大きさの露光量が必要となる。
最大露光量を1、最小露光量をゼロとすると、3値の場合、例えば、電子写真感光体の中間階調の位置では、最大露光量の半分の露光量で露光することができる。
露光量を変える場合、異なる光強度のレーザ光を照射してもよいし、同じ光強度のレーザ光を異なる時間照射してもよい。
従来技術では、電子写真感光体の周囲の湿度に応じ、中間階調の露光量を変えていた。
本発明の電子写真装置は、湿度や温度等の環境条件が変動した場合に、感光体上の電位を制御しなくても、画像濃度のバラツキが起こらない。従って、本発明の電子写真装置は、複雑な制御システム無しに、高品質の電位安定性、画像濃度再現性を備える。
図1の符号1は本発明の電子写真装置を示している。
この電子写真装置1は、複数の電子写真感光体11a〜11dを有しており、各電子写真感光体11a〜11dの近傍に、帯電装置14a〜14dと露光装置15a〜15dと現像装置12a〜12dがそれぞれ配置されている。
各現像装置12a〜12dには、異なる色のトナーが各一色ずつ配置されている。ここでは、四台の電子写真感光体11a〜11dが配置され、各電子写真感光体11a〜11dの近傍の現像装置12a〜12dには、赤、青、黄、黒の四色のトナーが、各一色ずつそれぞれ配置されている。
各電子写真感光体11a〜11dは、円筒形の支持体と、前記支持体の外周表面に形成された感光層とを有している。
各電子写真感光体11a〜11dの近傍にはリング状の転写ベルト5が二本の送りローラ3、4に掛け渡されて配置されている。
転写ベルト5のリングのリング内側には、複数の押圧ローラ13a〜13dが配置されており、各電子写真感光体11a〜11dは、転写ベルト5のリング外側に位置し、押圧ローラ13a〜13dによって、転写ベルト5の外周表面に密着されている。
転写ベルト5は、送りローラ3、4が同一方向に回転すると、送りローラ3、4と接触した部分が、送りローラ3、4とは摺動しない方向に回転移動され、転写ベルト5全体が回転するように構成されている。
各電子写真感光体11a〜11dは、送りローラ3、4とは逆方向、即ち、転写ベルト5が移動したときに、転写ベルト5と摺動しない方向に回転するように構成されており、送りローラ3、4と電子写真感光体11a〜11dとを回転させ、転写ベルト5を一定方向に回転すると、電子写真感光体11a〜11dは、帯電装置14a〜14d、露光装置15a〜15d、現像装置12a〜12dと対面する位置を通過した後、転写ベルト5と接触するように構成されている。
帯電装置14a〜14dと露光装置15a〜15dは電源装置と制御装置にそれぞれ接続されており、帯電装置14a〜14dは回転する電子写真感光体11a〜11dに電圧を印加して電子写真感光体11a〜11dの表面を帯電させ、露光装置15a〜15dは制御装置から入力されるデータに従ってそれぞれ各電子写真感光体11a〜11dにレーザ光16a〜16dを照射し、データの内容に応じた潜像を各電子写真感光体11a〜11d表面に形成するように構成されている。
各電子写真感光体11a〜11dが現像装置12a〜12dと対面する位置まで回転すると、各色のトナーが各電子写真感光体11a〜11dにそれぞれ付着され、更に電子写真感光体11a〜11dが回転し、転写ベルト5と接触すると、付着されたトナーは転写ベルト5上に転写される。
各色のトナーは、転写ベルト5上の異なる位置に転写されるように構成されており、転写ベルト5が移動する下流側で、転写ベルト5は紙等の印刷媒体と接触され、転写ベルト5上のトナーが印刷媒体に転写されるように構成されている。印刷媒体は、転写ベルト5上の異なる色が付着した部分と、色数と同じ回数接触し、接触するたびに、異なる色のトナーが印刷媒体に転写される。
電子写真感光体11a〜11dが、帯電装置14a〜14d、露光装置15a〜15d、現像装置12a〜12dの順で対面するように移動するとき、一緒に移動する転写ベルト5の移動の上流側から、赤、青、黄、黒のトナーに対応する電子写真感光体11a〜11dが配置されており、印刷媒体には、黒、黄、青、赤の順で、トナーが印刷媒体上に重ねられる。
各色のトナーの転写が終了した印刷媒体は、転写ベルト5から離間され、定着装置9を通ってトナーが定着された後、装置の外部に排出される。
本発明の電子写真感光体11a〜11dの感光層は、下記一般式(1)、
Figure 0004783273
(式中、R1は、CH3基又はOCH3基のいずれか一方の置換基であり、R2、R3は水素又はCH3基のいずれか一方の置換基である。)
で表される電荷移動剤と、Cukαを線源とするX線回折スペクトルでブラッグ角(2θ±0.2)27.2度に最大ピーク強度を有するオキシチタニウムフタロシアニンから成る電荷発生剤とが含有されており、湿度が変化しても、ハーフトーン画像の濃度が変動せず、また、ベタ画像の濃度も変動しない。電子写真感光体が置かれた雰囲気の湿度が変動しても、各帯電装置14a〜14dがそれぞれ電子写真感光体11a〜11dに印加する電圧は一定である。
以下に本発明の電子写真装置に用いる電子写真感光体11a〜11dについてより詳細に説明する。
本発明に用いる電子写真感光体は、例えば導電性支持体(基体)上に少なくとも電荷発生剤を含有する電荷発生層が形成され、その上に電荷移動剤が含有される電荷移動層を積層してなる積層型感光体である。この場合、電荷発生層と電荷移動層とにより感光層が形成される。
また、本発明には、電荷発生剤と電荷移動剤が同一の層に含有される単層型電子写真感光体や、電荷移動層、電荷発生層の順に積層された逆積層型電子写真感光体を適用することができる。
次いで、本発明に用いる電子写真感光体の材料について説明する。基体としては導電性を有するもの、例えば、アルミニウム、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、金、白金等の金属及び合金材料を用いることができ、その他にアルミニウム、アルミニウム合金、酸化錫、金や酸化インジウム等を蒸着または塗布したポリエステルフィルム、紙及び金属フィルム、導電性粒子を含有したプラスチックや紙、ならびに導電性ポリマーを含有するプラスチック等を用いることができる。これらの材料は、円筒状、円柱状、または薄膜シート状に加工して用いられる。特に本発明に用いられる導電性基体は、円筒状であることが好ましい。
感光層の形成にあたり、導電性基体の傷及び凸凹の被覆、繰り返し使用時の帯電性の劣化防止、低温/低湿環境下での帯電特性の改善等の理由により、導電性基体と感光層(電荷発生層/電荷移動層)との間に下引き層を設ける場合がある。
導電性支持体と感光層との間に設けられる下引き層中には樹脂または樹脂と白色顔料を主成分としたものが好ましい。白色顔料としては酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられ、中でも導電性基体からの電荷の注入防止効果に優れている酸化チタンを含有させることが最も好ましい。
下引き層に含有されるバインダー樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等の樹脂を用いることができるが、好ましくはポリアミド樹脂が用いられる。
この理由は、バインダー樹脂の特性として、下引き層の上に感光体層を形成する際に用いられる溶媒に対して溶解や膨潤などが起こらないことや、導電性支持体との接着性に優れ、可撓性を有すること等の特性が必要とされるからである。ポリアミド樹脂のうちより好ましくは、アルコール可溶性ナイロン樹脂を用いることができる。例えば、6−ナイロン、66−ナイロン、610−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン等を共重合させた、いわゆる共重合ナイロンや、N−アルコキシメチル変性ナイロン、N−アルコキシエチル変性ナイロンのように、ナイロンを化学的に変性させたタイプなどが挙げられる。
本発明において下引き層用塗布液に使用される有機溶剤としては一般的な有機溶剤を使用することができるが、バインダー樹脂としてより好ましいアルコール可溶性ナイロン樹脂を用いる場合には、炭素数1以上4以下の低級アルコール群と、例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、メチルエチルケトンなどの他の有機溶媒よりなる群と、から選ばれた単独系及び混合系の有機溶媒からなることが好ましい。
ここで、上記の有機溶媒を混合することによりアルコール系溶媒単独よりも酸化チタンの分散性が改善され、塗布液の保存安定性の長期化や塗布液の再生が可能となる。又、下引き層用塗布液中に導電性支持体を浸漬塗布して下引き層を形成する際、下引き層の塗布欠陥やムラを防止し、その上に形成される感光層が均一に塗布できることより、膜欠陥の無い非常に優れた画像特性を有する電子写真感光体を形成することができる。
下引き層の膜厚としては、好ましくは、0.01μm以上20μm以下、より好ましくは0.05μm以上10μm以下の範囲である。下引き層の膜厚が0.01μmより小さければ実質的に下引き層として機能しなくなり、導電性支持体の欠陥を被覆して均一な表面性が得られず、導電性支持体からのキャリアの注入を防止することができなくなり、帯電性の低下が生じる。また、20μmよりも大きくすることは下引き層を浸漬塗布する場合、感光体を製造する上で難しくなり感光体の感度が低下するために好ましくない。
さらに、必要であれば感光層表面を保護するために保護層を設けてもよい。表面保護層には、熱可塑性樹脂や、光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を用いることができる。保護層中に、紫外線吸収剤や酸化防止剤、金属酸化物などの無機材料、有機金属化合物及び電子受容性物質などを含有させても構わない。また、感光層と同様に保護層には必要に応じて、二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、フタル酸エステルおよび塩素化パラフィンなどの可塑剤を混合させて、加工性および可塑性を付与し、機械的物性の改良を施しても良く、レベリング剤等の添加剤を混合しても構わない。
電荷発生層は、光照射により電荷を発生する電荷発生材料を主成分とし、必要に応じて公知の結合剤、可塑剤、増感剤を含有する。電荷発生材料としては、ペリレンイミド、ペリレン酸無水物とのペリレン系顔料、キナクリドン、アントラキノン等の多環キノン系顔料、金属及び無金属フタロシアニン、ハロゲン化無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、スクエアリウム色素、アズレニウム色素、チアピリリウム色素、及びカルバゾール骨格、スチリルスチルベン骨格、トリフェニルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、オキサジアゾール骨格、フルオレノン骨格、ビススチルベン骨格、ジスチリルオキサジアゾール骨格またはジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料等が挙げられる。特に高い電荷発生能を有する顔料としては、無金属フタロシアニン顔料、オキソチタニルフタロシアニン顔料、フローレン環及びフルオレノン環を含有するビスアゾ顔料、芳香族アミンからなるビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料が挙げられ、高い感度を有する感光体を提供することができる。
また、結着剤樹脂溶液用の結着剤樹脂としては、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ、これらの樹脂を溶解させる溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等を用いることができる。
電荷発生層の作成方法としては、真空蒸着で直接化合物を成膜する方法及び結着剤樹脂溶液中に分散し塗布して成膜する方法があるが、一般に後者の方法が好ましく、結着剤樹脂溶液中への電荷発生物質の混合分散の方法及び塗布方法は、下引き層と同様の方法が用いられる。電荷発生層中の電荷発生材料の割合は、30重量%以上90重量%以下の範囲が好ましい。電荷発生層の膜厚は、0.05μm以上5μm以下であり、好ましくは0.1μm以上2.5μm以下である。
電荷発生層の上に設けられる電荷移動層は、電荷発生材料が発生した電荷を受け入れ、これを輸送する能力を有する電荷移動材料と、結着剤とを必須成分とし、必要に応じて公知の可塑剤、増感剤、潤滑剤等を含有する。
電荷輸送材料としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒ縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、ピラゾリン誘導体、フェニルヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン系化合物、テトラフェニルジアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、スチルベン系化合物、3−メチル−2−ベンゾチアゾリン環を有するアジン化合物等の電子供与性物質、或いはフルオレノン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インデノチオフェン誘導体、フェナンスレンキノン誘導体、インデノピリジン誘導体、チオキサントン誘導体、ベンゾ[c]シンノリン誘導体、フェナジンオキサイド誘導体、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、プロマニル、クロラニル、ベンゾキノン等の電子受容性物質等が挙げられる。本発明においては特にトリフェニルアミン誘導体、アミンスチリル誘導体が好ましい。
電荷移動層を構成する結着剤樹脂としては、電荷移動材料と相溶性を有するものであれば良く、例えばポリカーボネート及び共重合ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、ポリケトン、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂等及びそれらの共重合樹脂が挙げられる。これらを単独または2種以上混合して用いても良い。
中でも、ビスフェノ−ルZ型ポリカーボネート、ビスフェノ−ルZ型ポリカーボネートと他のポリカーボネートの混合、ビスフェノ−ルZ型ポリカーボネートとポリエステルの混合、ポリカーボネートビスフェノ−ルZと他のポリカーボネートとポリエステルの混合が成膜性及び耐摩耗性、電機特性等の点で好ましい。
特に本発明では、ビスフェノールA型ポリカーボネートとビフェノール型ポリカーボネートの共重合樹脂とビスフェノ−ルZ型ポリカーボネートとの混合、ビスフェノールA型ポリカーボネートとビフェノール型ポリカーボネートとポリシロキサンとの共重合樹脂とビスフェノ−ルZ型ポリカーボネートとの混合が好ましい。また、これらの材料を溶解させる溶剤としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン等の脂肪族、ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン等の芳香族類等が挙げられる。
本発明に用いられる電荷移動層用塗布液には、酸化防止剤としてビタミンE、ハイドロキノン、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール、パラフェニレンジアミン、アリールアルカンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などを配合して用いてもよい。その中でも該感光層に芳香族アミン系酸化防止剤が好ましく、例えば、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−エチル−2−メチル−p−フェニレンジアミン、N−エチル−N−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、アルキル化ジフェニルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジアリル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン、4,4′−ジオクチル−ジフェニルアミン、4,4′−ジオクチル−ジフェニルアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等を挙げることができる。
その他フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−4−メトキシフェノール、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、プロピオン酸ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)、α−トコフェロール、β−トコフェロール、n−オクタデシル−3−(3’−5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等のポリフェノール系等が好ましく、これらを1種若しくは2種以上を同時に感光層中に含有することができる。
紫外線吸収剤は、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3.5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル、サリチル酸−p−tert−ブチルフェニル、サリチル酸−p−オクチルフェニル等のサリチル酸系が好ましい。以上の酸化防止剤を1種若しくは2種以上を同時に感光層に含有することができる。
本発明の電子写真装置の電子写真感光体に添加される酸化防止剤の添加量は、結着樹脂に対して3重量%以上20重量%以下の範囲であることが好ましい。一方、紫外線吸収剤の添加量は、結着樹脂に対して3重量%以上30重量%以下とすることが好ましい。
塗布液に使用する溶剤には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等の塩素系炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、メトキシエタノール等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、あるいはアニソール等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等がある。特にその中でも、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、あるいはハロゲン化炭化水素系溶媒が好ましく、これらは単独、あるいは2種以上の混合溶媒として用いることができる。
本発明に用いる一般式(1)に示す化合物において、特に式(1a)〜(1d)で表される化合物が好ましい。以下、具体的化合物を示すがこれらに限定されるものではない。
Figure 0004783273
Figure 0004783273
Figure 0004783273
Figure 0004783273
この場合、電荷移動層中の一般式(1)で表される化合物の含有量は、結着樹脂1重量部に対し、0.3重量部以上2.0重量部以下とすることが好ましい。この化合物の含有量が0.3重量部より少ないと、残留電位が上昇するなど電気特性が悪化する。他方、2.0重量部より多いと、耐摩耗性等の機械特性が低下する。
さらに、一般式(1)で表される化合物と他の電荷移動剤とを混合して用いることもできる。この場合、一般式(1)の化合物と他の化合物の含有比率は、(1):他の化合物=50:50以上5:95以下、好ましくは30:70以上5:95以下の範囲がよい。
上記一般式(1)と混合して用いられる他の電荷移動剤としては、ポリビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルインドロキノキサリン、ポリビニルベンゾチオフェン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリビニルピラゾリン、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリン、ポリジアセチレン、ポリヘプタジイエン、ポリピリジンジイル、ポリキノリン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェロセニレン、ポリペリナフチレン、ポリフタロシアニン等の導電性高分子化合物を用いることができる。又、低分子化合物として、トリニトロフルオレノン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、キノン、ジフェノキノン、ナフトキノン、アントラキノン及びこれらの誘導体、アントラセン、ピレン、フェナントレン等の多環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、イミダゾール等の含窒素複素環化合物、フルオレノン、フルオレン、オキサジアゾール、オキサゾール、ピラゾリン、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、トリフェニルアミン、エナミン、スチルベン等を使用することができる。
また、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸等の高分子化合物にLiイオン等の金属イオンをドープした高分子固体電解質等も用いることができる。さらに、テトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタンで代表される電子供与性化合物と電子受容性化合物で形成された有機電荷移動錯体等も用いることができ、これらを1種だけ添加して又は2種以上の化合物を混合して添加して、所望の感光体特性を得ることができる。
電荷移動層用塗布液の作成は、結着剤樹脂溶液中へ電荷移動材料を溶解して作成され、塗布方法としては、下引き層及び電荷発生層と同様の方法が用いられる。膜厚は、10μm以上50μm以下であり、好ましくは15μm以上40μm以下である。
これらの感光層は前述の方法にて順次塗布形成された後に、各感光層が熱風または遠赤外線等の乾燥機を用いて乾燥され、感光体形成が完了される。乾燥は40℃〜130℃で10分〜2時間が好ましい。
本発明の電子写真装置としては、通常、帯電方式はブラシ、ロ−ラ−などの接触式、スコロトロン、コロトロン等の非接触式の、いずれの方式でもよく、正負いずれの帯電電荷でもよい。露光方式は、LED、LD等いずれでもよい。現像方式は、2成分、1成分、磁性/非磁性いずれでもよい。転写方式もロ−ラ−、ベルト等いずれでもよい。
以下に実施例で本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
直径24mmの無切削アルミニウムからなる円筒ドラム上に、アルキド樹脂(商品名「ベッコライトM-6401-50」、大日本インキ化学工業社製)とアミノ樹脂(商品名「スーパーベッカミンG-821-60」、大日本インキ化学工業社製)を65:35の割合で混合し、さらに前記混合樹脂と酸化チタン(商品名「CR-EL」、石原産業社製)を1:3の割合とし、メチルエチルケトンに溶解して塗布液として、1.5μmの膜厚で形成した。
次に、図2に示すX線回折角Cukα(2θ±0.2度)27.2度に最大ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン粉末10gをガラスビ−ズと1,3ジオキソラン500mlにポリビニルブチラール樹脂(商品名「BX-1」、積水化学工業社製)10gを溶解した液を加え、サンドミル分散機で20時間分散し、得られた分散液をろ過してガラスビ−ズを取り去り、電荷発生層用塗布液を作成した。これを前記下引き層上に浸漬塗工し乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
実施例1で用いたオキシチタニウムフタロシアニンのブラッグ角と強度比との関係のグラフを図2に示す。実施例1で用いたオキシチタニウムフタロシアニンは、ブラッグ角9.7°、14.2°、18.0°、24.2°、27.2°にピークが出現し、27.2°、9.7°、14.2°、24.2°18.0°の記載順にピーク強度が高い。
次にバインダ−樹脂としてポリカーボネート樹脂(商品名「TS-2050」、帝人化成社製)と、電荷移動剤として、式(1a)で表される化合物と、芳香族アミン系酸化防止剤としてN−phenyl−1−naphthlamineとを、重量比1.0:1.0:0.05で用意し、クロロホルムに溶解し、電荷移動層用塗工液を調製した。電荷発生層を形成した基体を該電荷移動層用塗工液に浸漬塗工し、120℃で60分乾燥し膜厚25.0μmの電荷移動層を形成し、電子写真感光体を作製した。
(実施例2)
実施例1で用いた電荷移動剤に代えて、式(1b)で表される電荷移動剤に代えた以外は、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
(実施例3)
実施例1で用いた電荷移動剤に代えて、式(1c)で表される電荷移動剤に代えた以外は、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
(実施例4)
実施例1で用いた電荷移動剤に代えて、式(1d)で表される電荷移動剤に代えた以外は、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
(実施例5)
実施例1で用いた芳香族アミン系酸化防止剤をフェノール系酸化防止剤2.6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールに代えた以外は、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
(実施例6)
実施例1で用いた下引き層を除いて形成した以外は、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
(比較例1)
実施例1で用いたオキシチタニウムフタロシアニンに代えて、図3のα型オキシチタニウムフタロシアニンを用いた以外は、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
比較例1で用いたオキシチタニウムフタロシアニンのブラッグ角と強度比との関係のグラフを図3に示す。比較例1で用いたα型オキシチタニウムフタロシアニンは、ブラッグ角7.6°、10.3°、22.6°、25.4°、28.6°にピークが出現し、28.6°と、7.6°と、25.4°、22.6°と、10.3°の記載順にピーク強度が高い。
(比較例2)
実施例1で用いられた電荷移動剤に代えて、下記式(A)で表される電荷移動剤を用い、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
Figure 0004783273
(比較例3)
実施例1で用いられた電荷移動剤に代えて、下記式(B)で表される電荷移動剤を用い、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
Figure 0004783273
(比較例4)
実施例1で用いられた電荷移動剤に代えて、下記式(C)で表される電荷移動剤を用い、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
Figure 0004783273
上記実施例1〜6、比較例1〜4の電子写真感光体を用いて、下記「簡易測定器評価」試験と、「実機評価」試験を行い、感光体の評価を行った。
<簡易測定器評価>
電子写真感光体評価装置(山梨電子工業社製)を用い、実施例及び比較例によって作製された電子写真感光体を恒温槽にて、温度10℃、湿度20%(L/L)、温度23℃、湿度50%(N/N)、温度35℃、湿度80%(H/H)の3種類の各環境で、スコロトロン方式でワイヤーに一定電圧を一定時間印加して電子写真感光体に帯電させ、帯電させた電子写真感光体に照射時間を変えてレーザー光を照射し、各条件において一定時間経過後に電位を測定した。
感光体を暗所にてコロナ放電により負帯電させて帯電電位を測定した。この時の表面電位を帯電電位(V0)、帯電した感光体に0.14μj/cm2の露光量でレーザー光を照射した時の表面電位を感度電位(Vh)、帯電した感光体に0.40μj/cm2の露光量でレーザー光を照射した時の表面電位を感度電位(VL)とし、下記表1、2に記載する。
更に、各電位について、変化量(各環境の最大と最小の差=Δ)を求めることた。その結果を表1、2に示す。良否目安として、Δ値20以下は良品、Δ値20を越えるものは不良である。
Figure 0004783273
Figure 0004783273
各環境において、ワイヤへの印加電圧と印加時間は同じであり、ワイヤに流れた総電流は−600μAであった。また、レーザー光の波長は780nmであった。除電は波長660nmのLED(20μW)を用いた。電子写真感光体のドラム回転数は150rpmとし、レーザー光照射してから電位を測定するまでの時間(露光位置から測定位置までの移動時間)は0.06秒であった。
<実機評価>
以上のようにして作製した電子写真感光体を、タンデム方式を用いたフルカラー複写機(東芝テック社製:FANTASIA310)に搭載し、恒温槽にて温度10℃、湿度20%(L/L)、温度23℃、湿度50%(N/N)、温度35℃、湿度80%(H/H)の環境で、スコロトロン方式でワイヤーに一定電圧を一定時間印加して電子写真感光体を帯電させ、照射時間を変えてレーザー光を照射し、印刷媒体にトナーを付着させて画像を形成した(濃度制御無し)。
レーザー光の照射時間がゼロでトナーが多量に付着した場合の画像をベタ画像とし、トナーが印刷媒体に付着しなくなる照射時間と、ベタ画像が形成される照射時間の中間の照射時間で形成された画像をハーフトーン画像とし、ベタ画像とハーフトーン画像について、画像濃度をマクベス濃度計で測定した。
比較のため、各環境で、マクベス濃度計の測定結果が一定になるようにワイヤーへの印加電圧を制御して電子写真感光体を帯電させ、ベタ画像とハーフトーン画像を形成した(濃度制御有り)。
形成された各画像について、マクベス濃度計で画像濃度を測定した。画像濃度の測定結果と、画像濃度のバラツキ(各環境の最大と最小の差=Δ)を下記表3、4に記載する。
良否目安として、各環境でのΔ値が0.09未満のものは、薄い傾向で濃度が出ていない。Δ値0.09を超えるものは濃度が出ており良品である。また、Δ値0.08以上は、濃度変化が顕著であり目視でも一見してわかる程度の濃度差が見られるもので不良である。Δ値0.08未満のものは、目視では確認できない程度の濃度差であって、濃度変化がなく良品である。しかし、Δ値が0.08未満であっても、Δ値が0.06以上である場合、注意して見れば目視で濃度変化が認められる。
Figure 0004783273
Figure 0004783273
尚、レーザー光の波長は680nmであり、除電にはLEDを使用した。
表1〜4から明らかなように、実施例1〜4は、本願発明の電荷移動剤との組み合わせにより、帯電電位、感度電位、残留電位、画像濃度変化において良好なものであった。また、芳香族アミン系酸化防止剤と組み合わせた実施例1〜4は光疲労に強く、表面電位(V0)は低下が10v以内で良好であった。
さらにフェノール系酸化防止剤と組み合わせた実施例5は、表面電位(V0)は多少落ち込むが残留電位(VL)は大きな変化はないので実用上問題ない範囲で使用できる。
下引き層を除いた実施例6もV0降下が若干起こるが、実用上問題ない範囲で使用できる。
図2のY型オキシチタニウムフタロシアニンを用いたものに比べ、図3のα型オキシチタニウムフタロシアニンを用いた比較例1は感光体静電特性ではVh値がいずれの環境でも感度不足となり、それに伴い画像濃度特性では濃度不足となった。これは電荷発生剤の影響と考えられる。
また、比較例1、2、3は他の電荷移動剤との組み合わせにより、環境での感光体特性のVh、VL、画像濃度が大きく変化し、感光体特性、画像濃度特性とも満足できるものでなかった。
本発明の電子写真装置の一例を説明する図 実施例1に用いたオキシチタニウムフタロシアニンのブラッグ角と強度比との関係を示すグラフ 実施例2に用いたα型オキシチタニウムフタロシアニンのブラッグ角と強度比との関係を示すグラフ
符号の説明
1……電子写真装置 11a〜11d……電子写真感光体 12a〜12d……現像装置 14a〜14d……帯電装置 15a〜15d……露光装置

Claims (7)

  1. 複数の電子写真感光体と、
    前記各電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、
    帯電した前記各電子写真感光体を露光して前記電子写真感光体表面に潜像を形成する露光装置と、
    前記各電子写真感光体上の潜像にそれぞれ異なる色のトナーを付着させる現像装置とを有し、
    前記各電子写真感光体に付着した前記トナーを印刷媒体にそれぞれ転写させ、カラー画像を形成する電子写真装置であって、
    多値露光方式を用いた画像書き込み方法を備え、
    前記各電子写真感光体は、支持体と、前記支持体上に形成された感光層とを有し、前記感光層中には、下記一般式(1)で表される電荷移動剤と、
    Cukαを線源とするX線回折スペクトルでブラッグ角(2θ±0.2)27.2度に最大ピーク強度を有するオキシチタニウムフタロシアニンから成る電荷発生剤とが含有された電子写真装置。
    Figure 0004783273
    (式中、R1は、CH3基又はOCH3基のいずれか一方の置換基であり、R2、R3は水素又はCH3基のいずれか一方の置換基である。)
  2. 上記一般式(1)で表わされる前記電荷移動剤は、下記式(1a)で表される化合物である請求項1の電子写真装置。
    Figure 0004783273
  3. 上記一般式(1)で表わされる前記電荷移動剤は、下記式(1b)で表される化合物である請求項1の電子写真装置。
    Figure 0004783273
  4. 上記一般式(1)で表わされる前記電荷移動剤は、下記式(1c)で表される化合物である請求項1の電子写真装置。
    Figure 0004783273
  5. 上記一般式(1)で表わされる前記電荷移動剤は、下記式(1d)で表される化合物である請求項1の電子写真装置。
    Figure 0004783273
  6. 前記感光層に芳香族アミン系酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の電子写真装置。
  7. 前記導電性支持体と前記感光層との間に下引き層が設けられた請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の電子写真装置。
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