JP4782022B2 - 電極の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、III族窒化物系化合物半導体から構成される半導体素子の、当該III族窒化物系化合物半導体に電極を形成する方法に関する。本発明は、特に、フリップチップ型のIII族窒化物系化合物半導体発光素子の光反射性正電極の形成方法として有効である。III族窒化物系化合物半導体とは、AlxGayIn1-x-yN(x、y、x+yはいずれも0以上1以下)で示される半導体、及び、n型化/p型化等のために任意の元素を添加したものを含む。更には、III族元素及びV族元素の組成の一部を、B、Tl;P、As、Sb、Biで置換したものをも含むものとする。
III族窒化物系化合物半導体発光素子は、基板として絶縁性のサファイアを用いるものが量産されている。サファイアは透明であるため、III族窒化物系化合物半導体発光素子の最上層の正電極を高反射性の電極としてサファイア基板側から光取り出しを行う構成とすると、フリップチップ型の発光素子が容易に製造できる。
当該高反射性の電極としては、緑色乃至青色、更には近紫外波長領域での反射性が良好なものが好ましい。単体の金属としては、アルミニウム、ロジウム、白金や銀を用いることが好ましい。中でも、銀電極は緑色乃至青色波長領域での反射率が他の金属よりも良好であり、様々な検討が行われている。
一方、銀は通電によりマイグレーションが極めて発生しやすい金属としても知られている。よって、銀を用いる際にはマイグレーションの抑制が課題である。銀電極を他の層で完全に覆ってしまい、銀原子が物理的に移動できるスペースを全く無くす手段も検討されている(特許文献1、2)。一方、パラジウム(Pd)やモリブデン(Mo)を0.1〜10%添加することで、当該合金層の銀原子のマイグレーションを抑制する手段もある。
特開2006−041403号公報 特開2006−245232号公報
このような、マイグレーション耐性を向上させた銀合金電極層を形成するためには、銀単体電極の形成で用いられるような蒸着法は採用できず、予め銀合金ターゲットを用意して高エネルギースパッタにより形成する他ない。この際、パラジウム(Pd)やモリブデン(Mo)その他の高融点金属を含む銀合金ターゲットからIII族窒化物系化合物半導体表面に効率よく金属原子を移動させるには、スパッタリングのエネルギーも高くせざるを得ない。
しかし、高エネルギースパッタは、当該銀合金電極層を形成する面であるIII族窒化物系化合物半導体表面を少なからず傷つける。これは銀合金電極層とのオーミック性を低下させることとなる。
また、III族窒化物系化合物半導体と、マイグレーション抑制のための高融点金属を含む銀合金電極層の間のオーミック性は、必ずしも良好なものが得られていない。これは、高融点金属を含む銀合金電極層とIII族窒化物系化合物半導体との間のショットキー障壁がそもそも大きいためである。
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、銀を用いた反射電極層をIII族窒化物系化合物半導体表面に形成するにあたり、銀のマイグレーションを抑制し、銀を用いた光反射電極層とIII族窒化物系化合物半導体とのオーミック性を向上させることである。
請求項1に係る発明は、III族窒化物系化合物半導体に電極を形成する方法において、銀を主成分とする合金から成る電極層を、予め用意した合金ターゲットから移動させるスパッタリングにより形成する電極形成工程と、酸素を構成元素として含まない化学種のガス中で加熱処理する第1の加熱工程と、少なくとも酸素を構成元素として含む化学種を含むガス中で加熱処理する第2の加熱工程とを有し、第1の加熱工程は400℃以上800℃以下で行い、第2の加熱工程は200℃以上であって第1の加熱工程における温度よりも低い温度で行うことを特徴とする電極の形成方法である。
ここで本発明におけるスパッタリングとは、いわゆる加熱真空蒸着を含まず、イオンその他の何らかの化学種を合金ターゲットに叩きつけることにより、合金ターゲットから構成金属元素を被膜対象に移動させるものを全て含むものとする。
また、第1の加熱工程における、酸素を構成元素として含まない化学種のガスとは、酸素分子が当該ガス中に含まれないことは勿論、例えば窒素酸化物は当該ガス中に含まれないこととする。尚、酸素を構成元素として含む化学種の、処理系への意図的でない混入(コンタミネーションの全て)は排除されない。本発明における第1の加熱工程においては、酸素を構成元素として含む化学種を、意図的には用いない雰囲気中で電極層を加熱することを意味し、一切のコンタミネーションを完全に排除することを意味するものではない。
第2の加熱工程は、200℃以上600℃以下で行うことが好ましい(請求項2)。
銀を主成分とする合金は、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、タングステン(W)、チタン(Ti)、インジウム(In)、ロジウム(Rh)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)のうち1種以上選択された銀以外の元素を、モル比0.1%以上10%以下含むものが好ましい(請求項3)。
第1の加熱工程は窒素中で行われ、第2の加熱工程は酸素ガスを含むガス中で行われることが更に好ましい(請求項4)。
第2の加熱工程は、ガス中の酸素ガス濃度が5%以上100%以下であることが更に好ましい。ガス濃度は、加熱処理時に用いられるガスの全圧に対する酸素分子の分圧の比である(請求項5)。
第1の加熱工程は10秒以上20分以下行われ、第2の加熱工程は1秒以上60分以下行われることが更に好ましい(請求項6)。
本発明によれば、まず、酸素を構成元素として含まない化学種のガス中での電極層の加熱処理(第1の加熱工程)により、銀を主成分とする合金ターゲットを用いた高エネルギースパッタにより電極層を形成する際に生じたIII族窒化物系化合物半導体表面の結晶ダメージが回復される。これにより、III族窒化物系化合物半導体表面の結晶欠陥に基づくオーミック性の悪化が改善される。次に、少なくとも酸素を構成元素として含む化学種を含むガス中での電極層の加熱処理(第2の加熱工程)により、酸素が主としてIII族窒化物系化合物半導体と電極層の界面近傍に拡散・浸透することで、電極層とIII族窒化物系化合物半導体との間のショットキー障壁を低下させることができる。
また、電極層を構成する銀合金中の他の金属元素が、素子使用時に生じる銀のマイグレーションを抑制する効果を発揮する。
以上により、高反射且つマイグレーション耐性が良く、良好なオーミック性を有する電極層が形成可能となる。
本発明に用いる反射電極層を形成する銀合金については、原子のモル比で10%以下の、次の元素を添加すると良い。即ち、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、白金(Pt)、タングステン(W)、チタン(Ti)、インジウム(In)、ロジウム(Rh)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)である。これらの元素を1種類又は複数種類添加した銀合金は、純粋な銀よりも銀のマイグレーションの抑制を図れる。但し、銀の光反射性を活かす点からは、これらの元素の添加は1%以下とすることが好ましい。
電極層である銀合金層の厚さは、10nm以上2μm以下とすると良い。10nm未満では光反射層として十分に効果がなく、2μm以上の厚さにすることは、それによる反射率の向上の効果が無く、製造コストを上昇させるのみである。銀合金層の厚さは、50nm以上1μm以下がより好ましく、更には200nm以上500nm以下とすることが好適である。
銀合金層の形成は、任意のスパッタリング法を用いて良い。条件等は所望に設定できる。電極層の成形には、フォトレジストを用いたリフトオフを好適に用いることができる。即ち、電極層を形成すべき箇所に窓部を有するフォトレジストマスクを形成し、スパッタリング法により銀合金層をウエハ全面に形成した後、フォトレジストマスクをリフトオフすると、不要部であるフォトレジストマスク上の銀合金層がフォトレジストマスクと共に除去できる。フォトレジストを用いたリフトオフについては、例えば本願出願人らによる特許第3620926号、特許3344257号その他に記載が有り、これらに基づき任意の変更を施したリフトオフを用いても良い。
本発明の第1の加熱工程における加熱処理の条件設定については、以下を考慮すると良い。400℃未満では、長時間、例えば数時間の加熱処理後もIII族窒化物系化合物半導体表面の結晶ダメージが回復されない。一方、800℃を越える加熱処理では、III族窒化物系化合物半導体が分解して半導体層から窒素が抜ける可能性が高く、好ましくない。
加熱時間は、温度との兼ね合いであるが、400℃〜500℃では5分以上20分以下、700℃〜800℃では10秒以上5分以下とすると良い。500℃〜700℃では、20秒以上10分以下とすることが好ましい。尚、500℃〜700℃の温度範囲では、30秒以上2分以下の短時間で良好な結果が得られる。
第1の加熱工程においては、特に窒素やアルゴン雰囲気下での加熱処理が好ましい。
本発明の第2の加熱工程における加熱処理の条件設定については、以下を考慮すると良い。200℃未満では電極層への酸素の取込みが十分に行われず、600℃を越えると、III族窒化物系化合物半導体その他の素子部分に悪影響が及びかねないので好ましくない。第2の加熱工程における温度は、第1の加熱工程における温度よりも低いことが必要である。
電極層である銀合金における酸素原子の濃度は、原子モル比で3%以下と考えられる。酸素原子が銀合金のオーミック性を向上させるためには0.05%以上が好ましい。より好ましい酸素濃度は0.1〜2%であり、更に好ましくは0.1〜1%である。
図1は本発明の具体的な一実施例に係るIII族窒化物系化合物半導体発光素子100の構成を示す断面図である。III族窒化物系化合物半導体発光素子100は、サファイア基板10に図示しない窒化アルミニウム(AlN)から成るバッファ層を形成した後、Siをドープしたn型GaN層11、Siをドープしたn型AlGaNクラッド層12、GaN/InGaN多重量子井戸構造の発光層13、Mgをドープしたp型AlGaNクラッド層14、Mgをドープしたp型GaN層15をMOCVD(MOVPE)で順に積層したものである。
p型GaN層15には、本発明の主たる特徴である、銀合金から成るpコンタクト電極21(特許請求の範囲の電極層に対応する)が、n型GaN層11には、バナジウムとアルミニウムを積層したnコンタクト電極31が形成されている。III族窒化物系化合物半導体発光素子100は、銀合金から成るpコンタクト電極21が反射電極層であり、サファイア基板10側から光取り出しを行うフリップチップ型LEDである。
次に、この発光素子100の製造方法について説明する。用いられたガスは、アンモニア(NH3)、キャリアガス(H2,N2)、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMI)、シラン(SiH4)とシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)である。
まず、有機洗浄及び熱処理により洗浄したa面を主面とした単結晶のサファイア基板10をMOCVD装置の反応室に載置されたサセプタに装着する。次に、常圧でH2を流速2L/分(Lはliter)で約30分間反応室に流しながら温度1100℃でサファイア基板10をベーキングした。
次に、温度を400℃まで低下させて、H2を20L/分、NH3を10L/分、TMAを1.8×10-5モル/分で約1分間供給してAlNバッファ層を約25nmの厚さに形成した。
次に、サファイア基板10の温度を1150℃に保持し、H2を20L/分、NH3を10L/分、TMGを1.7×10-4モル/分、H2ガスにより0.86ppmに希釈されたシランを20×10-8モル/分で40分間供給し、膜厚約4.0μm、電子濃度2×1018/cm3、シリコン濃度4×1018/cm3のn型GaN層11を形成した。
次に、サファイア基板10の温度を1150℃に保持し、N2又はH2を10L/分、NH3を10L/分、TMGを1.12×10-4モル/分、TMAを0.47×10-4モル/分、H2ガスにより0.86ppmに希釈されたシランを5×10-9モル/分で60分間供給して、膜厚約0.5μm、電子濃度1×1018/cm3、シリコン濃度2×1018/cm3のAl0.08Ga0.92Nから成るnクラッド層12を形成した。
上記のnクラッド層12を形成した後、続いて、N2又はH2を20L/分、NH3を10L/分、TMGを2.0×10-4モル/分で1分間供給して、膜厚約35ÅのGaNから成るバリア層を形成した。次に、N2又はH2、NH3の供給量を一定として、TMGを7.2×10-5モル/分、TMIを0.19×10-4モル/分で1分間供給して、膜厚約35ÅのIn0.20Ga0.80Nから成る井戸層を形成した。さらに、バリア層と井戸層を同一条件で5周期形成し、その上にGaNから成るバリア層を形成した。このようにして5周期のMQW構造の発光層13を形成した。
次に、サファイア基板10の温度を1100℃に保持し、N2又はH2を10L/分、NH3を10L/分、TMGを1.0×10-4モル/分、TMAを1.0×10-4モル/分、Cp2Mgを2×10-5モル/分で3分間供給して、膜厚約50nm、マグネシウム(Mg)濃度5×1019/cm3のマグネシウム(Mg)をドープしたp型Al0.15Ga0.85Nから成るpクラッド層14を形成した。
次に、サファイア基板10の温度を1100℃に保持し、N2又はH2を20L/分、NH3を10L/分、TMGを1.12×10-4モル/分、Cp2Mgを2×10-5モル/分で30秒間供給して、膜厚約100nm、マグネシウム(Mg)濃度5×1019/cm3のマグネシウム(Mg)をドープしたp型GaN層15を形成した。
次に、p型GaN層15の上にSiO2から成るエッチングマスクを形成し、所定領域のマスクを除去して、マスクで覆われていない部分のp型GaN層15、pクラッド層14、発光層13、nクラッド層12、n型GaN層11の一部を塩素を含むガスによる反応性イオンエッチングによりエッチングして、n型GaN層11の表面を露出させた。次にSiO2から成るエッチングマスクを除去した。次に、以下の手順で、n型GaN層11に対するnコンタクト電極31と、p型GaN層15に対する銀合金から成るpコンタクト電極21を形成した。
(1)ウエハ表面にフォトレジストを一様に塗布して、フォトリソグラフィにより、p型GaN層15の上の、銀合金電極を形成すべき部分のフォトレジストを除去して、窓部を形成した。
(2)スパッタリング装置にて、真空排気の後、アルゴン(Ar)を圧力0.7Paまで導入した状態で、パラジウム(Pd)及び銅(Cu)を各々モル比1%含む銀合金ターゲットをスパッタして、パラジウム(Pd)及び銅(Cu)を各々モル比1%含む膜厚400nmの銀合金層をウエハ表面全体に形成した。尚、装置構成によっては、銀、パラジウム、銅を別々のターゲットとして用意し、各々を同時にスパッタすることにより、パラジウム及び銅を所望のモル比で含む銀合金層を形成することも可能である。
(3)次に、ウエハをスパッタリング装置から取り出し、リフトオフ法によりフォトレジスト上に成膜した銀合金層を除去し、p型GaN層15に対する銀合金電極(pコンタクト電極)21を形成した。
(4)次に、フォトレジストの塗布、フォトリソグラフにより所定領域に窓を形成して、10-6Torrオーダ以下の高真空にて厚さ15nmのバナジウム(V)と厚さ500nmのアルミニウム(Al)と厚さ10nmのチタン(Ti)とをこの順に蒸着した(nコンタクト電極31)。次に、フォトレジストを除去した。このリフトオフにより、nコンタクト電極31は所望の形状に形成された。尚、膜厚10nmのチタン(Ti)層は、後の酸素処理の際にアルミニウム(Al)層の酸化を防ぐ目的で形成したものである。
次にウエハを赤外線ランプ加熱炉に移し、真空排気し、窒素ガスで常圧とした。この後加熱して600℃で1分間保ち、加熱処理を行った(第1の加熱工程)。
次に炉内の温度を300℃に低下させた後、100%酸素ガスで炉内を置換して温度を300℃に保ったまま、3分間保持し、加熱処理を行った(第2の加熱工程)。
次に、真空蒸着とリフトオフにより、pコンタクト電極21とnコンタクト電極31の上に、下層の膜厚10nmのチタン(Ti)と上層の膜厚300nmの金とから成るパッド電極22及び32を形成した。ここで、金層と銀合金から成るpコンタクト電極21の間の膜厚10nmのチタン(Ti)層が銀のマイグレーションを防止するバリア層としても機能する。尚、この際、膜厚10nmのチタン(Ti)と膜厚300nmの金から成るパッド電極22と32とが、pコンタクト電極21とnコンタクト電極31を各々完全に覆うようにした(図1)。これにより、pコンタクト電極21中の銀原子が物理的に移動可能なスペースを無くすようにした。バリア層に用いうる層は、単体金属としては、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、白金(Pt)、タングステン(W)、チタン(Ti)、ロジウム(Rh)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)等を挙げることができる。この場合、複数種類の金属層を多重層として形成しても良い。尚、拡散防止層としては窒化チタン(TiNx)でも良く、或いは、透光性電極に用いうるITOその他を用いても良い。
このようにして得られた図1のIII族窒化物系化合物半導体発光素子100の駆動電圧は3.1Vと良好であった。即ち、オーミック性の良いコンタクト電極21が形成されたことが示された。
また、第2の加熱工程における温度を200℃及び500℃とした場合、III族窒化物系化合物半導体発光素子100の、銀合金から成るpコンタクト電極21の光反射性は低下せず、駆動電圧も3〜3.5Vとオーミック性も良好であった。一方、第2の加熱工程における温度が600℃を超えた場合、III族窒化物系化合物半導体発光素子100の、銀合金から成るpコンタクト電極21の光反射性が低下し、不適当であることが分かった。
また、第1の加熱工程における温度を400、500、700、800℃とし、第2の加熱工程における温度を300℃とした場合も同様に、III族窒化物系化合物半導体発光素子100の、銀合金から成るpコンタクト電極21の光反射性は低下せず、駆動電圧も3〜3.5Vとオーミック性も良好であった。
〔比較例1〕
比較のため、上記実施例1において、300℃での酸素ガス中での加熱処理(第2の加熱工程)を行わず、第1の加熱工程の後、窒素雰囲気下のままで室温まで戻した他は実施例1と同様にして発光素子を製造した。当該比較例1に係る発光素子の駆動電圧は4〜5Vと高かった。
〔SIMSによる、実施例1と比較例1の分析〕
上記実施例1のIII族窒化物系化合物半導体発光素子100と比較例1の発光素子の駆動電圧の差をの原因を分析するため、二次イオン質量分析(SIMS)により、正電極層(金とチタンの積層から成るパッド電極22と、銀合金層から成るpコンタクト電極21)からp型GaN層15までの構成元素の分析を行った。図2は実施例1のSIMSプロファイル、図3は比較例1のSIMSプロファイルである。
図2のSIMSプロファイルからも明らかなように、実施例1の発光素子100は、酸素が高濃度で銀合金層(pコンタクト電極21)のp−GaN層15との界面や、Ti/Auパッド電極層22との界面に浸透していることが分かる。このような、銀合金層(pコンタクト電極21)における、パッド電極22との界面、p型GaN層15との界面で酸素濃度が高くなる双峰状(M字状)のSIMSプロファイルは、本願発明の、意図的な酸素下での加熱処理により生じたものである。
一方、図3のSIMSプロファイルからも明らかなように、比較例1の発光素子は、正電極の銀合金層に酸素が一部混入しているが、図2の実施例1のSIMSプロファイルに見られたような、銀合金層における酸素の双峰状のSIMSプロファイルは無い。このように、意図的でなく酸素が浸透した場合は、銀合金層(pコンタクト電極21)に酸素のM字状のSIMSプロファイルは生じない。
尚、オージェ電子分光分析(AES)により、実施例1の発光素子100と、比較例1の発光素子の銀合金層(pコンタクト電極21)中の酸素の定量を試みたが、いずれも定量限界である1%に満たなかった。
〔比較例2〕
上記実施例1において、銀合金層を形成する際、銀とモリブデンの合金から成るターゲットを用い、スパッタリングを酸素雰囲気中で行った。酸素の分圧は0.7Paとした。また、300℃での酸素ガス中での加熱処理(第2の加熱工程)を実施せず、窒素下で温度を室温まで降下させた他は実施例1と同様にして発光素子を製造した。この比較例2に係る発光素子の駆動電圧は4.50Vと高かった。
尚、オージェ電子分光分析(AES)により、比較例2の銀合金層中の各原子のモル比は、銀:モリブデン:酸素が90:6:4と定量できた。このように、酸素が銀合金層中でモル比4%も含まれていると、駆動電圧は高くなった。これは、銀合金から成るpコンタクト電極中の酸素の含有量が多すぎて、III族窒化物系化合物半導体層(p型GaN層)との間のオーミック性が不良となったためと考えられる。
上記実施例において、発光素子100の発光層13はMQW構造としたが、SQWやIn0.2Ga0.8N等から成る単層、その他、任意の混晶の4元、3元系のAlInGaNとしても良い。又、p型不純物としてMgを用いたがベリリウム(Be)、亜鉛(Zn)等の2族元素を用いても良い。
本発明の具体的な一実施例に係るIII族窒化物系化合物半導体発光素子100の構成を示す断面図。 実施例1に係る発光素子100の、正電極からp型GaN層15までのSIMSプロファイル。 比較例1に係る発光素子の、正電極からp型GaN層までのSIMSプロファイル。
符号の説明
100:III族窒化物系化合物半導体発光素子
10:サファイア基板
11:n型GaN層
12:n型Al0.08Ga0.92Nから成るnクラッド層
13:MQWから成る発光層
14:p型Al0.15Ga0.85Nから成るpクラッド層
15:p型GaN層
21:銀合金から成るpコンタクト電極
22:32:金とチタンの積層から成るパッド電極
31:nコンタクト電極

Claims (6)

  1. III族窒化物系化合物半導体に電極を形成する方法において、
    銀を主成分とする合金から成る電極層を、予め用意した銀を主成分とする合金ターゲットから移動させるスパッタリングにより形成する電極形成工程と、
    酸素を構成元素として含まない化学種のガス中で前記電極層を加熱処理する第1の加熱工程と、
    少なくとも酸素を構成元素として含む化学種を含むガス中で前記電極層を加熱処理する第2の加熱工程とを有し、
    前記第1の加熱工程は400℃以上800℃以下で行い、
    前記第2の加熱工程は200℃以上であって第1の加熱工程における温度よりも低い温度で行うことを特徴とする電極の形成方法。
  2. 前記第2の加熱工程は200℃以上600℃以下で行うことを特徴とする請求項1に記載の電極の形成方法。
  3. 前記銀を主成分とする合金は、
    パラジウム(Pd)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、タングステン(W)、チタン(Ti)、インジウム(In)、ロジウム(Rh)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)のうち1種以上選択された銀以外の元素を、モル比0.1%以上10%以下含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電極の形成方法。
  4. 前記第1の加熱工程は窒素中で行われ、
    前記第2の加熱工程は酸素ガスを含むガス中で行われることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電極の形成方法。
  5. 前記第2の加熱工程は、ガス中の酸素ガス濃度が5%以上100%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電極の形成方法。
  6. 前記第1の加熱工程は10秒以上20分以下行われ、
    前記第2の加熱工程は1秒以上60分以下行われることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電極の形成方法。
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