JP4807983B2 - 化合物半導体発光素子用正極、該正極を用いた発光素子およびランプ - Google Patents

化合物半導体発光素子用正極、該正極を用いた発光素子およびランプ Download PDF

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Description

本発明は化合物半導体発光素子用正極、該正極を用いた発光素子およびランプに関し、特に優れた特性および安定性を有する正極、それを具備した化合物半導体発光素子および関連発明に関する。
近年、AlxInyGa1-x-yN(0≦x<1,0≦y<1,x+y<1)で表わされる窒化ガリウム系化合物半導体が紫外光領域から青色あるいは緑色発光ダイオード(LED)の材料として注目されている。このような材料の化合物半導体を使うことによって、これまで困難であった発光強度の高い紫外光、青色、緑色等の発光が可能となった。このような窒化ガリウム系化合物半導体は、一般に絶縁性基板であるサファイア基板上に成長されるため、GaAs系の発光素子のように基板の裏面に電極を設けることができない。このため結晶成長した半導体層側に負極と正極の両方を形成することが必要である。
特に、窒化ガリウム系化合物半導体を用いた半導体素子の場合は、サファイア基板が発光波長に対して透光性を有するため、電極面を下側にしてマウントし、サファイア基板側から光を取り出す構造のフリップチップ型が注目されている。
図1はこのような型の発光素子の一般的な構造例を示す概略図である。すなわち、発光素子は、基板1にバッファ層2、n型半導体層3、発光層4およびp型半導体層5が結晶成長されて、発光層4およびp型半導体層5の一部がエッチング除去されてn型半導体層3が露出されており、p型半導体層5上に正極10、n型半導体層3上に負極20が形成されている。このような発光素子は、例えばリードフレームに電極形成面を向けて装着され、次いでボンディングされる。そして、発光層4で発生した光は基板1側から取り出される。この型の発光素子においては、光を効率よく取り出すために、正極10には反射性の金属を用いてp型半導体層5の大部分を覆うように設け、発光層から正極側に向かった光も正極10で反射させて基板1側から取り出している。
従って、正極材料としてはp型半導体層との低接触抵抗および高反射率が求められる。反射率の最も高い金属としては、銀(Ag)が一般に知られている。しかし、Agがエレクトロマイグレーションを起こすこともよく知られている。
エレクトロマイグレーションとは水の存在下でイオン化して拡散する現象で、Agを用いた電極では周囲に水が存在する雰囲気において、通電することにより、Agを主成分とする析出物が生成される。析出物が正極より発生して負極に到達したり、また、析出物がp型半導体層とn型半導体層とをつないでしまうと、逆方向電圧が低下し、発光素子の特性が経時劣化する。よって、反射性正極としてAgを使用する場合、Agのエレクトロマイグレーションを抑制して、特性を安定化する必要がある。
Agを正極材料として使用する手段として、特開平11−186598号公報および特開平11−186599号公報には、p型窒化物半導体層上に銀層を設け、銀層上に安定化層をさらに設けることが提案されている。安定化層の役割は銀層の機械的および電気的特性を向上するためと記載されている。また、Agの蒸着速度および蒸着中のサファイア基板の温度を制御することによって、p型窒化物半導体層上にAg層を安定して成膜している。
また、特開平11−220171号公報でもp型半導体層に接続する第1の金属層(Ag)を覆う第2の金属層を用いることが提案されている。第2の金属層がAg層を覆うためエレクトロマイグレーションが起こらないと記載されている。
しかし、銀層上に安定化層を設けることは、コストアップを招き、製造工程も複雑となるという問題がある。
特開平11−186598号公報 特開平11−186599号公報 特開平11−220171号公報
本発明の目的は、銀を正極材料に用いた場合における上述の問題点を解決し、逆方向電圧が高く安定性に優れ、かつ、生産性にも優れた化合物半導体発光素子用正極を提供することである。
本発明は下記の発明を提供する。
(1)銀合金からなる反射層を有することを特徴とする化合物半導体発光素子用正極。
(2)銀合金がネオジウム、パラジウム、銅およびビスマスからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有する上記1項に記載の化合物半導体発光素子用正極。
(3)銀合金中の銀の含有量が90〜99.99原子%である上記1または2項に記載の化合物半導体発光素子用正極。
(4)反射層の膜厚が30〜500nmである上記1〜3項のいずれか一項に記載の化合物半導体発光素子用正極。
(5)反射層がp型半導体層と接するコンタクトメタル層を有する上記1〜4項のいずれか一項に記載の化合物半導体発光素子用正極。
(6)コンタクトメタル層がPt、Ir、Rh、Pd、RuおよびOsの群から選ばれる少なくとも一種の金属またはこれらの少なくとも一種を含む合金からなる上記5項に記載の化合物半導体発光素子用正極。
(7)コンタクトメタル層の厚さが1〜30nmである上記5または6項に記載の化合物半導体発光素子用正極。
(8)上記1〜7項のいずれか一項に記載の正極を有する化合物半導体発光素子。
(9)化合物半導体が窒化ガリウム系化合物半導体である上記8項に記載の化合物半導体発光素子。
(10)上記8または9項に記載の化合物半導体発光素子を用いてなるランプ。
本発明の化合物半導体発光素子用正極は、反射層に合金化した銀を用いることによって、銀金属を単独で用いた従来の反射性正極に比べて、銀のエレクトロマイグレーションを有効に抑制することができる。その結果、本発明の正極を用いた発光素子は逆方向電圧が高く、安定性に優れ、かつ生産性にも優れる。
また、銀合金は、その組成にもよるが、純粋な銀金属よりも反射率が向上する。従って、本発明の正極を用いた発光素子は素子出力も向上する。
本発明の正極を使用する化合物半導体発光素子としては、図1に示したような、基板1上にバッファ層2、n型半導体層3、発光層4およびp型半導体層5を順次結晶成長させ、負極および正極をn型半導体層3およびp型半導体層5上にそれぞれ設けた構造のものを何ら制限無く用いることができる。
本発明において、正極は銀(Ag)合金からなる反射層を有することを特徴とする。本発明者は、銀を合金化することによって、銀のエレクトロマイグレーションが抑制されることを見いだした。合金化することによる銀のエレクトロマイグレーション抑制のメカニズムはよくわかっていない。一つには、合金膜においてはAgの凝集が抑えられ、より平滑な表面になるためであると思われる。また、一つには、合金となる金属が膜表面で酸化膜(例えば、Bi23)を作るためであると思われる。かかる観点からは、合金相手としては酸化膜を形成し易い金属が好ましい。具体的には、Agとの合金相手としては、Nd、Pd、CuおよびBiなどが特に望ましい。
反射層中のAgの割合は少なくとも90原子%以上あることが好ましく、95原子%以上であるとさらに好ましく、97原子%以上であると特に好ましい。Agの割合が低すぎると反射率が大きく低下するので好ましくない。また、Agの割合が多すぎるとエレクトロマイグレーション抑制効果が低下するので好ましくない。99.99原子%以下が好ましく、99.9原子%以下がさらに好ましく、99.5原子%以下が特に好ましい。
また、純粋なAg金属よりもAgを合金化すると反射率が向上する。これもAgの凝集が抑えられ平滑性が維持されるためであると思われる。合金相手となる金属種によって異なるが、合金割合が1〜2%近辺までは純粋なAg金属よりも反射率が向上する。しかし、合金比率が大きくなると逆に反射率は下がってしまう。反射率の向上により、素子出力も向上する。
反射層の膜厚は30〜500nmが好ましい。膜厚が薄すぎると反射率が十分でなく、厚すぎるのは生産性の観点から好ましくない。50〜300nmがさらに好ましく、60〜250nmが特に好ましい。
本発明の正極はAg合金からなる反射層のみから構成してもよいが、p型半導体層と反射層の間に、p型半導体層との接触抵抗が低く、かつ透光性に優れたコンタクトメタル層を設けることができる。また、通常、回路基板またはリードフレーム等との電気接続のためにボンディングパッド層が最上層に設けられる。
Ag合金からなる反射層が直接p型半導体層と接していると、合金中のAgがp型半導体層に拡散する。Agがp型半導体層へ過度に拡散すると、逆方向電圧の低下の原因となる。これは、Agの拡散により、p型半導体層の結晶性が悪化するためと思われる。従って、p型半導体層と反射層の間にコンタクトメタル層を設けることにより、コンタクトメタル層が反射層からp型半導体層へのAgの拡散防止層としても作用し、逆方向電圧の低下をさらに防止することができる。
コンタクトメタル層の材料にはp型半導体層との低接触抵抗を達成するために、仕事関数の高い金属、具体的にはPt、Ir、Rh、Pd、RuおよびOsなど白金族金属または白金族金属を含む合金を用いることが好ましい。さらに好ましくはPt、Ir、RhおよびRuである。Ptが特に好ましい。
コンタクトメタル層は反射層からp型半導体層へのAgの拡散防止層としての役割も併せ持つため、緻密な構造をとる融点の高い金属が望ましい。具体的には、Agより融点の高い金属または合金であることが好ましい。この観点からも白金族金属はコンタクトメタル層の材料として好ましい。
コンタクトメタル層の厚さは、低接触抵抗を安定して得るためには1nm以上とすることが好ましい。さらに好ましくは2nm以上であり、3nm以上が特に好ましい。また、光透過率を十分に得るために、30nm以下とすることが好ましい。さらに好ましくは20nm以下であり、10nm以下が特に好ましい。コンタクトメタル層はAgの拡散防止層としての役割も併せ持つため、この観点からは0.5nm以上が好ましい。さらに好ましくは1nm以上である。また、コンタクトメタル層として連続した層を成している状態が好ましい。
ボンディングパッド層は、Au、Al、NiおよびCu等の材料を用いた各種構造が周知であり、これら周知のものを含めて、各種材料および構造のものを何ら制限無く用いることができる。また、厚さは100〜1000nmが好ましい。ボンディングパッドの特性上厚い方がボンダビリティーが高くなるため、300nm以上が好ましい。さらに、製造コストの観点から500nm以下が好ましい。
反射層、コンタクトメタル層およびボンディングパッド層はスパッタリングや真空蒸着などの当業界周知の如何なる方法で形成してもよい。なかでもスパッタリング法は反射性に優れた反射層および接触抵抗の低いコンタクトメタル層が得られるので好ましい。
コンタクトメタル層をp型半導体層上に形成するにあたり、RF放電によるスパッタリング成膜法で形成することが好ましい。RF放電によるスパッタリング成膜法を用いることで、蒸着法やDC放電のスパッタリング成膜法を用いるより接触抵抗の低い電極を形成できる。
一方、反射層はDC放電によるスパッタリング成膜法で形成することが好ましい。RF放電スパッタリングによる膜とDC放電スパッタリングによる膜の違いとしては、結晶性が異なることが挙げられる。DC膜は柱状構造が見られ、緻密な膜である。一方、RF膜は柱状構造が見られず、疎な膜である。
従って、RF放電による成膜では、初期において、接触抵抗を下げる効果を持つが、膜厚を大きくすると、その膜が疎であるために反射率の点ではDC放電による成膜に比べて劣る。そこで、接触抵抗を低く保った範囲で薄膜化して光透過率を上げたコンタクトメタル層をRF放電により形成し、その上に反射層をDC放電により形成することが好ましい。
スパッタリングは、従来公知のスパッタリング装置を用いて従来公知の条件を適宜選択して実施することができる。化合物半導体層を積層した基板をチャンバ内に収容し、基板温度を室温から500℃の範囲に設定する。基板加熱は特に必要としないが、適度に加熱しても良い。チャンバ内は真空度が10-4〜10-7Paとなるまで排気する。スパッタリング用ガスとしては、He、Ne、Ar、Kr、Xe等が使用できる。入手の容易さからArとするのが望ましい。これらの内の一つのガスをチャンバ内に導入し、0.1〜10Paにしたのち放電を行う。好ましくは0.2〜5Paの範囲に設定する。供給する電力は0.2〜2kWの範囲が好ましい。この際、放電時間と供給電力を調節することによって、形成する層の厚さを調節することができる。スパッタリングに使用する所要ターゲットの酸素含有量は10000ppm以下とすることが、形成された層中の酸素含有量が少なくなるので好ましい。6000ppm以下とすることがさらに好ましい。合金層を形成する場合、あらかじめ目的組成の合金を作製しておき、その合金をターゲットとして、同じ組成の合金層をスパッタリングすることが好ましい。
本発明の正極を使用した、図1に示したような化合物半導体発光素子において、基板にはサファイアおよびSiC等従来公知のものを含めて、透明な基板であれば何ら制限なく用いることができる。化合物半導体として、例えば一般式AlxInyGa1-x-yN(0≦x<1,0≦y<1,x+y<1)で表わされる窒化ガリウム系化合物半導体が多数知られており、本発明においても、それら周知の化合物半導体を含めて一般式AlxInyGa1-x-yN(0≦x<1,0≦y<1,x+y<1)で表わされる窒化ガリウム系化合物半導体が何ら制限なく用いることができる。
その一例を説明すると、図2に示したような、サファイア基板1上にAlN層からなるバッファ層2を積層し、その上にn型GaN層からなるコンタクト層3a、n型GaN層からなる下部クラッド層3b、InGaN層からなる発光層4、p型AlGaN層からなる上部クラッド層5b、およびp型GaN層からなるコンタクト層5aを順次積層したものを用いることができる。
このような窒化ガリウム系化合物半導体のコンタクト層5a、上部クラッド層5b、発光層4、および下部クラッド層3bの一部をエッチングにより除去してコンタクト層3a上に例えばTi/Auからなる負極20を当業者周知の手段により設け、コンタクト層5a上に本発明の正極10を設ける。
これらの窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法は特に限定されず、MOCVD(有機金属化学気相成長法)、HVPE(ハイドライド気相成長法)、MBE(分子線エピタキシー法)、などIII族窒化物半導体を成長させることが知られている全ての方法を適用できる。好ましい成長方法としては、膜厚制御性、量産性の観点からMOCVD法である。MOCVD法では、キャリアガスとして水素(H2)または窒素(N2)、III族原料であるGa源としてトリメチルガリウム(TMG)またはトリエチルガリウム(TEG)、Al源としてトリメチルアルミニウム(TMA)またはトリエチルアルミニウム(TEA)、In源としてトリメチルインジウム(TMI)またはトリエチルインジウム(TEI)、V族原料であるN源としてアンモニア(NH3)、ヒドラジン(N24)などが用いられる。また、ドーパントとしては、n型にはSi原料としてモノシラン(SiH4)またはジシラン(Si26)を、Ge原料としてゲルマン(GeH4)または有機ゲルマニウム化合物を用い、p型にはMg原料としては例えばビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)またはビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム((EtCp)2Mg)を用いる。
本発明の化合物半導体発光素子用正極を用いると、優れた特性および安定性を有する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子が得られる。つまり、この技術によって高輝度のLEDランプを作製することができるため、この技術によって作製したチップを組み込んだ携帯電話、ディスプレイおよびパネル類などの電子機器ならびにその電子機器を組み込んだ自動車、コンピュータおよびゲーム機などの機械装置類は、低電力での駆動が可能となり、高い特性を実現することが可能である。特に、携帯電話、ゲーム機、玩具および自動車部品などの、バッテリー駆動させる機器類において、省電力の効果を発揮する。
以下に、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
表1に本実施例および比較例で用いた反射層およびコンタクトメタル層の組成ならびに得られた初期素子特性およびエージングテスト結果を示した。なお、エージングとは25℃、40〜60%RH環境下で30mAで通電し続けるテストであり、100時間通電後に逆方向電圧が低下した個数、即ちエレクトロマイグレーションが発生した個数の割合を示した(各実施例について10個テスト)。駆動電圧および出力は電流20mAで測定した初期値である。
(実施例1)
図2は本実施例で製造した窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の概略図である。
用いた窒化ガリウム系化合物半導体は、サファイア基板1上にAlN層からなるバッファ層2を積層し、その上にn型GaN層からなるコンタクト層3a、n型GaN層からなる下部クラッド層3b、InGaN層からなる発光層4、p型AlGaN層からなる上部クラッド層5b、およびp型GaN層からなるコンタクト層5aを順次積層したものである。コンタクト層3aはSiを7×1018/cm3ドープしたn型GaN層であり、下部クラッド層3bはSiを5×1018/cm3ドープしたn型GaN層であり、発光層4の構造は単一量子井戸構造で、InGaNの組成はIn0.95Ga0.05Nである。上部クラッド層5bはMgを1×1018/cm3ドープしたp型のAlGaNでその組成はAl0.25Ga0.75Nである。コンタクト層5aはMgを5×1019/cm3ドープしたp型のGaN層である。これらの層の積層は、MOCVD法により、当該技術分野においてよく知られた通常の条件で行なった。
この窒化ガリウム系化合物半導体積層物に以下の手順で正極および負極を設けてフリップチップ型窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を作製した。
(1)まず、上記の窒化ガリウム系化合物半導体積層物の負極形成領域のnコンタクト層3aを露出させた。手順は以下のとおりである。公知のリソグラフィー技術およびリフトオフ技術を用いて、エッチングマスクをpコンタクト層5a上の負極形成領域以外の領域に形成した。
次いで、反応性イオンドライエッチングにて、nコンタクト層3aが露出するまでエッチングを施した後、ドライエッチング装置より取り出し、エッチングマスクをアセトン洗浄により除去した。
(2)次に、以下の手順により正極を形成した。pコンタクト層5a表面の酸化膜を除去する目的で沸騰した濃HCl中で素子を10分間処理した後、正極をpコンタクト層5a上に形成する。始めに反射層を成膜する。形成手順は以下の通りである。
レジストを一様に塗布して、公知のリソグラフィー技術により正極形成領域のレジストを除去する。バッファードフッ酸(BHF)に室温で1分間浸漬した後、真空スパッタ装置で、反射層を成膜した。スパッタ法により形成する際の操作条件は、次の通りである。
チャンバ内の真空度が10-4Pa以下となるまで排気し、上記窒化ガリウム系化合物半導体積層物をチャンバ内に収容し、スパッタ用ガスとしてArガスをチャンバ内に導入し、0.5PaとしたのちDC放電によるスパッタリングを行ない、反射層を成膜した。供給する電力は0.5kWとし、反射層として、Ag/Cu合金(Cu:1原子%)を200nmの膜厚で成膜した。反射層の合金組成の制御は、あらかじめ当該組成の合金を作製しておき、それをターゲットに用いることによって行なった。
次いで、上記の圧力および供給電力でのDC放電によるスパッタリングで、ボンディングパッド層として膜厚300nmのAuを成膜した。スパッタ装置内より取り出した後、リフトオフ技術を用いて正極領域以外の金属膜をレジストとともに除去した。
(3)負極をコンタクト層3a上に形成した。形成手順は以下の通りである。レジストを全面に一様に塗布した後、コンタクト層3aまで露出した領域上に公知リソグラフィー技術を用いて負極領域の窓を開け、蒸着法によりTiおよびAuをこの順序でそれぞれ100nmおよび300nmの厚さで形成した。その後、負極部以外の金属膜をレジストとともに除去した。
(4)保護膜を形成した。形成手順は以下の通りである。レジストを全面に一様に塗布した後、正極と負極の間の一部に公知リソグラフィー技術を用いて窓を開け、上述したスパッタ法によりSiO2を200nmの厚さで形成した。保護膜部以外のSiO2膜をレジストとともに除去した。
(5)ウェーハを分割し、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子とした。
得られた窒化ガリウム系化合物半導体発光素子をTO‐18にマウントし、初期素子特性を測定した。その結果を表1に示した。また、10個のサンプルをTO‐18にマウントし、エージングテストを行ない、その前後における逆方向電圧の変化を測定した。10個中3個について、逆方向電圧が低下し、エレクトロマイグレーションが発生していた。
(実施例2〜6)
反射層の材料のみを変えて、実施例1と同様に窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を作製し、得られた発光素子を実施例1と同様に評価した。その結果を表1に併せて示した。
(実施例7)
反射層の形成前に、厚さ4nmのPtからなるコンタクトメタル層を形成したこと以外は、実施例1と同様に窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を作製し、得られた発光素子を実施例1と同様に評価した。その結果を表1に併せて示した。表1から、コンタクトメタル層を設けることにより、出力は若干低下するが、駆動電圧が大幅に下がり、かつ、エージングテストによる逆方向電圧の低下も大幅に減少することが判る。
なお、コンタクトメタル層の形成は、スパッタ用ガスとしてArガスを用い、圧力は3Paとし、供給電力は0.5kWとし、RF放電によるスパッタリングで行なった。
(比較例)
反射層をAg金属層とした以外は、実施例1と同様に窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を作製し、得られた発光素子を実施例1と同様に評価した。その結果を表1に併せて示した。表1から、エージングテストの結果、全てのサンプルで逆方向電圧が低下し、本発明に比較してエレクトロマイグレーションの発生が顕著であることが判る。
Figure 0004807983
本発明の正極を用いた窒化ガリウム系化合物半導体発光素子は、優れた特性と安定性を有し、発光ダイオードおよびランプ等の材料として有用である。
従来のフリップチップ型化合物半導体発光素子の一般的な構造を示す概略図である。 本発明のフリップチップ型窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 基板
2 バッファ層
3 n型半導体層
4 発光層
5 p型半導体層
10 正極
20 負極

Claims (3)

  1. サファイア基板上にn型半導体層およびp型半導体層を含む半導体層を成長し、n型半導体層上の負極およびp型半導体層上の正極をそれぞれ半導体層の同じ側に形成するフリップチップ型窒化ガリウム系化合物半導体発光素子において、正極がビスマスを含有する銀合金からなる反射層を有することを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  2. 銀合金中の銀の含有量が90〜99.99原子%である請求項1に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  3. 反射層の膜厚が30〜500nmである請求項1または2に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
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