JP2006245555A - 透光性電極 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発光波長が440nm以下である窒化ガリウム系化合物半導体発光素子用の透光性電極である。該透光性電極はp型半導体層に接して設けられた金属層、および該金属層上に設けられた電流拡散層を含み、透光性電極は全ての領域において実質的に金(Au)を含まず、金属層はPt、Ir、Ru、Rhからなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分として含み、電流拡散層はPt、Ir、Ru、Rhからなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分として含む(金属層と電流拡散層とが同一の成分となる場合を除く)、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子用の透光性電極である。
【選択図】図1
Description
また、酸素雰囲気下での合金化処理は、露出したn型GaN層の表面に酸化物層が形成され負極のオーミック性に影響を与える、電極に網目構造を生じ発光むらが起こりやすい、などの問題点を生じる。
(1)発光波長が440nm以下である窒化ガリウム系化合物半導体発光素子用の透光性電極であって、該透光性電極はp型半導体層に接して設けられた金属層、および該金属層上に設けられた電流拡散層を含み、透光性電極は全ての領域において実質的に金(Au)を含まず、金属層はPt、Ir、Ru、Rhからなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分として含み、電流拡散層はPt、Ir、Ru、Rhからなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分として含む(金属層と電流拡散層とが同一の成分となる場合を除く)、ことを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子用の透光性電極。
(2)発光波長が300nm〜440nmである上記(1)に記載の透光性電極。
(3)透光性電極が、p型半導体に接触する領域にPtを主成分として含むことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の透光性電極。
(4)金属層がPtを主成分とするものであり、電流拡散層がPt、Ir、Ru、Rhからなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分として含むものであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の透光性電極。
(5)金属層の厚さが0.1〜20nmであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の透光性電極。
(6)電流拡散層の厚さが、1〜20nmであることを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の透光性電極。
(7)金属層及びその上に形成される電流拡散層が、熱処理されていないものである上記(1)〜(6)のいずれかに記載の透光性電極。
(8)透過する光は入射光に対して60%以上であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の透光性電極。
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の透光性電極を備えたことを特徴とする白色発光素子。
(10)上記(9)に記載の白色発光素子を用いたことを特徴とする白色発光ランプ。
(11)上記(10)に記載のランプを用いたことを特徴とする照明器具。
図1は、本発明の透光性正極を有する発光素子の断面を示した模式図である。11がコンタクトメタル層(金属層)、12が電流拡散層、13がボンディングパッド層であり、11〜12が本発明の透光性正極10を構成している。1は基板である。2は紫外領域の発光を呈するGaN系化合物半導体層であり、n型半導体層3、発光層4およびp型GaN系化合物半導体層5から構成される。6はバッファ層であり、20は負極である。
コンタクトメタル層に要求される性能としては、p型GaN系化合物半導体層との接触抵抗が小さいことは必須である。さらに、発光層からの紫外領域の光を電極面側より取り出すフェイスアップマウント型の発光素子にあっては優れた光透過性が要求される。
しかし、コンタクトメタル層の厚さを薄くすることでコンタクトメタル層の面方向の電気抵抗が高くなり、かつ比較的高抵抗なp型半導体層とあいまって電流注入部であるパッド層の周辺部しか電流が拡がらず、結果として不均一な発光パターンとなり、発光出力が低下する。
ボンディングパッド部を構成するボンディングパッド層については、各種の材料を用いた各種の構造のものが知られており、これら公知のものを特に制限されることなく用いることが出来る。例えばAu/Ti/Al/Ti/Au5層構造などである。 但し、電流拡散層との密着性の良い材料を用いることが望ましく、厚さはボンディング時の応力に対してコンタクトメタル層あるいは電流拡散層へダメージを与えないよう十分厚くする必要がある。また最表層はボンディングボールとの密着性の良い材料、例えばAuとすることが望ましい。
活性層は紫外領域の光を出射させるため、Inが10%以下程度の組成のものを用いるが、井戸層の膜厚、障壁層の組成、活性層のキャリア濃度などによっても制御することが可能である。
(実施例1)
図2は本実施例で作製した窒化ガリウム系化合物半導体紫外発光素子の断面を示した模式図であり、図3はその平面を示した模式図である。サファイアからなる基板(1)上に、AlNからなるバッファ層(6)を介して、厚さ8μmのアンドープGaNからなる下地層(3a)、厚さ2μmのSiドープn型AlGaNコンタクト層(3b)、厚さ0.03μmのn型In0.1Ga0.9Nクラッド層(3c)、厚さ16nmのSiドープAl0.1Ga0.9N障壁層および厚さ4nmのIn0.02Ga0.98N井戸層を5回積層し、最後に障壁層を設けた多重量子井戸構造の発光層(4)、厚さ0.01μmのMgドープp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層(5a)、厚さ0.15μmのMgドープp型AlGaNコンタクト層(5b)を順に積層した。窒化ガリウム系化合物半導体のp型AlGaNコンタクト層上に、厚さ1.5nmのPtコンタクトメタル層(11)、厚さ3nmのRh電流拡散層(12)を積層し、本発明の正極(10)を形成した。電流拡散層の上にAu/Ti/Al/Ti/Au5層構造(厚さはそれぞれ50/20/10/100/200nm)のボンディングパッド層(13)を形成した。次にn型AlGaNコンタクト層上にTi/Auの二層構造の負極(20)を形成し、光取り出し面を半導体側とした発光素子である。正極および負極の形状は図3に示したとおりである。
初めに反応性イオンエッチング法によって負極を形成する部分のn型GaNコンタクト層を下記手順により露出させた。
まず、エッチングマスクをp型半導体層上に形成した。形成手順は以下の通りである。レジストを全面に一様に塗布した後、公知のリソグラフィー技術を用いて、正極領域より一回り大きい領域からレジストを除去した。真空蒸着装置内にセットして、圧力4×10-4Pa以下でNiおよびTiをエレクトロンビーム法により膜厚がそれぞれ約50nmおよび300nmとなるように積層した。その後リフトオフ技術により、正極領域以外の金属膜をレジストとともに除去した。
次に、公知のフォトリソグラフィー技術及びリフトオフ技術を用いて、p型AlGaNコンタクト層上の正極を形成する領域にのみ、Ptからなるコンタクトメタル層、Rhからなる電流拡散層を形成した。コンタクトメタル層、電流拡散層の形成では、まず、窒化ガリウム系化合物半導体層を積層した基板を真空蒸着装置内に入れ、p型AlGaNコンタクト層上に初めにPtを1.5nm、次にRhを3nm積層した。このようにしてp型AlGaNコンタクト層上に本発明の正極を形成した。引き続き真空室から取り出した後、通常リフトオフと呼ばれる周知の手順に則って処理し、さらに同様な手法で電流拡散層上の一部にAuからなる第1の層、Tiからなる第2の層、Alからなる第3の層、Tiからなる第4の層、Auからなる第5の層を順に積層し、ボンディングパッド層を形成した。
この方法で形成した正極は透光性を示し、405nmの波長領域で70%の光透過率を有していた。なお、光透過率は、上記と同じコンタクトメタル層および電流拡散層を光透過率測定用の大きさに形成したもので測定した。
次に、露出したn型GaNコンタクト層上に負極を以下の手順により形成した。レジストを全面に一様に塗布した後、公知リソグラフィー技術を用いて、露出したn型AlGaNコンタクト層上の負極形成部分からレジストを除去して、通常用いられる真空蒸着法で半導体側から順にTiが100nm、Auが200nmよりなる負極を形成した。その後レジストを公知の方法で除去した。
その後、TO−18缶パッケージに実装してテスターによって発光出力を計測したところ印加電流20mAにおける発光出力は7mWを示した。またその発光面の発光分布は正極上の全面で発光しているのが確認できた。
同じ窒化物半導体積層基板に、従来から用いられているAu/NiOからなる電極を形成したほかは、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子の順方向電圧及び発光出力はそれぞれ2.9V及び3.0mWであった。その発光面を観察すると実施例1と同様に全面で発光が確認されたが、コンタクトメタル層の光透過率は約40%であり、結果として発光出力が低下したものと思われる。
この電極を用いた窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を他の発光素子と組合せ、あるいは蛍光体を用いて波長変換し白色光としてランプ、照明器具に利用できる。
2 GaN系化合物半導体層
3 n型半導体層
4 発光層
5 p型半導体層
6 バッファ層
10 正極
11 コンタクトメタル層(金属層)
12 電流拡散層
13 ボンディングパッド層
20 負極
Claims (11)
- 発光波長が440nm以下である窒化ガリウム系化合物半導体発光素子用の透光性電極であって、該透光性電極はp型半導体層に接して設けられた金属層、および該金属層上に設けられた電流拡散層を含み、透光性電極は全ての領域において実質的に金(Au)を含まず、金属層はPt、Ir、Ru、Rhからなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分として含み、電流拡散層はPt、Ir、Ru、Rhからなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分として含む(金属層と電流拡散層とが同一の成分となる場合を除く)、ことを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子用の透光性電極。
- 発光波長が300nm〜440nmである請求項1に記載の透光性電極。
- 透光性電極が、p型半導体に接触する領域にPtを主成分として含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の透光性電極。
- 金属層がPtを主成分とするものであり、電流拡散層がPt、Ir、Ru、Rhからなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分として含むものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透光性電極。
- 金属層の厚さが0.1〜20nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透光性電極。
- 電流拡散層の厚さが、1〜20nmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の透光性電極。
- 金属層及びその上に形成される電流拡散層が、熱処理されていないものである請求項1〜6のいずれかに記載の透光性電極。
- 透過する光は入射光に対して60%以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の透光性電極。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の透光性電極を備えたことを特徴とする白色発光素子。
- 請求項9に記載の白色発光素子を用いたことを特徴とする白色発光ランプ。
- 請求項10に記載のランプを用いたことを特徴とする照明器具。
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