JP2006245555A - 透光性電極 - Google Patents

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典孝 村木
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Abstract

【課題】本発明の目的は、紫外領域において良好な透光性を有し、かつ電子線照射や高温アニールまたは酸素雰囲気下での合金化熱処理等をしなくても、低接触抵抗を有する電流拡散性に優れた電極(正極)を提供することである。
【解決手段】発光波長が440nm以下である窒化ガリウム系化合物半導体発光素子用の透光性電極である。該透光性電極はp型半導体層に接して設けられた金属層、および該金属層上に設けられた電流拡散層を含み、透光性電極は全ての領域において実質的に金(Au)を含まず、金属層はPt、Ir、Ru、Rhからなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分として含み、電流拡散層はPt、Ir、Ru、Rhからなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分として含む(金属層と電流拡散層とが同一の成分となる場合を除く)、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子用の透光性電極である。
【選択図】図1

Description

本発明は透光性電極(正極)に関し、特に紫外領域の発光を放出する、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子用に適した良好な透光性とオーミック性を有する透光性電極に関する。
近年、短波長光発光素子用の半導体材料としてGaN系化合物半導体材料が注目を集めている。GaN系化合物半導体は、サファイア単結晶を始めとして、種々の酸化物基板やIII−V族化合物を基板として、その上に有機金属気相化学反応法(MOCVD法)や分子線エピタキシー法(MBE法)等によって形成される。
GaN系化合物半導体材料の特性として、横方向への電流拡散が小さいことがある。原因は、エピタキシャル結晶中に多く存在する基板から表面へ貫通する転位の存在であることが考えられるが、詳しいことは判っていない。さらに、p型のGaN系化合物半導体(以下p層と略すこともある)はn型のGaN系化合物半導体の抵抗率に比べて抵抗率が高くその表面に金属を積層しただけではp型半導体層内の横の電流の広がりはほとんど無く、pn接合を持ったLED構造とした場合正極の直下しか発光しない。
そのため、電子線照射や高温のアニールを行なってp層の抵抗率を下げることで電流の拡散性を強めることが行なわれている。しかし、電子線照射は装置が非常に高価で製造コストが見合わなくなる。またウェーハ面内を均一に処理することは難しい。高温のアニール処理においても効果が顕著に現れる為には900℃以上のプロセスが必要となるがその際GaNの結晶構造の分解が始まり、窒素の脱離による逆方向電圧特性の劣化が危惧される。
また、正極としてp層上にNiとAuを各々数10nm程度積層させ酸素雰囲気下で合金化処理を行い、p層の低抵抗化の促進および透光性とオーミック性を有した正極の形成を行なうことが提案されている(特許文献1参照)。
しかし、Auを用いた透光性電極の場合、紫外線を放出する素子に用いた場合に発光出力が大幅に減少するという問題点がある。Auは青色領域では良好な透過率を示す金属であるが、440nm以下の紫外領域での透過率は青色領域に比較すると90%程度であり、良好な透過率は期待できない。
また、酸素雰囲気下での合金化処理は、露出したn型GaN層の表面に酸化物層が形成され負極のオーミック性に影響を与える、電極に網目構造を生じ発光むらが起こりやすい、などの問題点を生じる。
また、正極としてp層上にPtを形成し酸素を含む雰囲気中で熱処理し、p層の低抵抗化と合金化処理を同時に行なうことが提案されている(特許文献2)。しかし、この方法も酸素雰囲気下で熱処理するため、上述の問題を有する。さらに、Pt単体で良好な透明電極とするためには相当薄く(5nm以下)しなければならないが結果としてPt層の電気抵抗が高くなり、熱処理によりPt層の低抵抗化が成されたとしても電流の広がりが悪く、不均一な発光となり順方向電圧(VF)の上昇および発光強度の低下を招く。
特許第2803742号公報 特開平11−186605号公報
本発明の目的は、上述の問題点を解決する為に、紫外領域において良好な透光性を有し、かつ電子線照射や高温アニールまたは酸素雰囲気下での合金化熱処理等をしなくても、低接触抵抗を有する電流拡散性に優れた電極(正極)を提供することである。
本発明は上記の目的達成のためなされたもので、以下の構成からなる。
(1)発光波長が440nm以下である窒化ガリウム系化合物半導体発光素子用の透光性電極であって、該透光性電極はp型半導体層に接して設けられた金属層、および該金属層上に設けられた電流拡散層を含み、透光性電極は全ての領域において実質的に金(Au)を含まず、金属層はPt、Ir、Ru、Rhからなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分として含み、電流拡散層はPt、Ir、Ru、Rhからなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分として含む(金属層と電流拡散層とが同一の成分となる場合を除く)、ことを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子用の透光性電極。
(2)発光波長が300nm〜440nmである上記(1)に記載の透光性電極。
(3)透光性電極が、p型半導体に接触する領域にPtを主成分として含むことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の透光性電極。
(4)金属層がPtを主成分とするものであり、電流拡散層がPt、Ir、Ru、Rhからなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分として含むものであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の透光性電極。
(5)金属層の厚さが0.1〜20nmであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の透光性電極。
(6)電流拡散層の厚さが、1〜20nmであることを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の透光性電極。
(7)金属層及びその上に形成される電流拡散層が、熱処理されていないものである上記(1)〜(6)のいずれかに記載の透光性電極。
(8)透過する光は入射光に対して60%以上であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の透光性電極。
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の透光性電極を備えたことを特徴とする白色発光素子。
(10)上記(9)に記載の白色発光素子を用いたことを特徴とする白色発光ランプ。
(11)上記(10)に記載のランプを用いたことを特徴とする照明器具。
Auを含まず、紫外領域においても良好な透光性を有し、かつp型GaN系化合物半導体層と接触抵抗の低い金属、例えば白金等の薄層をp型GaN系化合物半導体層に接して設けた金属層(コンタクトメタル層)とした透光性電極は、素子からの発光をさえぎることなく外部に取り出す性質に優れる。また、その上に好ましくは当該コンタクトメタル層よりも導電率の大きな(抵抗率の小さい)電流拡散層を設けた本発明の透光性正極は、正極の面方向での電流の拡がりが改良され、その結果、順方向電圧(VF値)が低く、かつ正極全面で均一に発光する高輝度発光素子の製造が可能となった。
本発明の透光性正極はその全ての領域に金を含まない金属から構成される。以下図面を参考にして説明する。
図1は、本発明の透光性正極を有する発光素子の断面を示した模式図である。11がコンタクトメタル層(金属層)、12が電流拡散層、13がボンディングパッド層であり、11〜12が本発明の透光性正極10を構成している。1は基板である。2は紫外領域の発光を呈するGaN系化合物半導体層であり、n型半導体層3、発光層4およびp型GaN系化合物半導体層5から構成される。6はバッファ層であり、20は負極である。
コンタクトメタル層、電流拡散層からなる透光性電極は全ての領域にAuを含まないことにより、紫外領域の光を良好に透過させることが可能である。
コンタクトメタル層に要求される性能としては、p型GaN系化合物半導体層との接触抵抗が小さいことは必須である。さらに、発光層からの紫外領域の光を電極面側より取り出すフェイスアップマウント型の発光素子にあっては優れた光透過性が要求される。
コンタクトメタル層の材料はp型GaN系化合物半導体層との接触抵抗と紫外光の透過率の観点から、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)の群から選ばれた少なくとも一種を主成分として含む。これらの中でもPtは、仕事関数が高く、高温熱処理を施していない比較的高抵抗なp型GaN系化合物半導体層に対して非加熱で良好なオーミック接触を得ることが可能なので、特に好ましい。
コンタクトメタル層を白金等で構成した場合、光透過性の観点から、その厚さを非常に薄くすることが必要である。コンタクトメタル層の厚さは、0.1〜20nmの範囲が好ましい。0.1nm未満では安定した薄層が得られ難い。20nmを超えると透光性が低下し、10nm以下がさらに好ましい。また、その後の電流拡散層の積層による透光性の低下と成膜の安定性を考慮すると、0.5〜6nmの範囲が特に好ましい。
しかし、コンタクトメタル層の厚さを薄くすることでコンタクトメタル層の面方向の電気抵抗が高くなり、かつ比較的高抵抗なp型半導体層とあいまって電流注入部であるパッド層の周辺部しか電流が拡がらず、結果として不均一な発光パターンとなり、発光出力が低下する。
そこで、コンタクトメタル層の電流拡散性を補う手段として高光透過率で高導電性の金属薄膜からなる電流拡散層をコンタクトメタル層上に配置することにより、金属薄膜の低接触抵抗性や光透過率を大きく損なうことなく電流を均一に広げることが可能となり、結果として発光出力の高い発光素子を得ることが出来る。
電流拡散層の材料は、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)の群から選ばれた少なくとも一種を主成分として含む。その他Au以外で導電率の高い金属、例えば銀、銅等およびこれらの合金を透光性を損なわない範囲で添加することができる。上記の元素はコンタクトメタル層と同じだが、コンタクトメタル層との組み合わせにおいて両者は別の成分が選ばれる。この組み合わせにおいて好ましくは電流拡散層をコンタクトメタル層よりも導電率の大きい金属とすることであり、例として最も好ましいのはコンタクトメタル層がPtを主成分、電流拡散層がPt、Ir、Ru、Rhからなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分として含む場合である。
電流拡散層の厚さは、1〜20nmが好ましい。1nm未満では電流拡散効果が十分発揮されない。20nmを超えると、電流拡散層の光透過性の低下が著しく発光出力の低下が危惧される。10nm以下がさらに好ましい。さらに厚さを3〜6nmの範囲とすることで電流拡散層の光透過性と電流拡散の効果のバランスが最も良くなり、上記のコンタクトメタル層と合わせることで正極上の全面で均一に発光し、かつ高出力な発光が得られる。なお、本発明において透光性とは、440nm以下、特に300〜440nmの波長領域における光に対して透光性であることを意味するが、完全な透明であることであることは必要ない。好ましくは60%以上光を透過するものである。
コンタクトメタル層および電流拡散層の成膜方法については、特に制限されることはなく公知の真空蒸着法やスパッタ法を用いることができる。
ボンディングパッド部を構成するボンディングパッド層については、各種の材料を用いた各種の構造のものが知られており、これら公知のものを特に制限されることなく用いることが出来る。例えばAu/Ti/Al/Ti/Au5層構造などである。 但し、電流拡散層との密着性の良い材料を用いることが望ましく、厚さはボンディング時の応力に対してコンタクトメタル層あるいは電流拡散層へダメージを与えないよう十分厚くする必要がある。また最表層はボンディングボールとの密着性の良い材料、例えばAuとすることが望ましい。
本発明の透光性正極は、図1に示したような、基板上にバッファ層を介して窒化ガリウム系化合物半導体を積層し、n型半導体層、発光層およびp型半導体層を形成した従来公知の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子に何ら制限無く用いることができる。
基板には、サファイア単結晶(Al23;A面、C面、M面、R面)、スピネル単結晶(MgAl24)、ZnO単結晶、LiAlO2単結晶、LiGaO2単結晶、MgO単結晶などの酸化物単結晶、Si単結晶、SiC単結晶、GaAs単結晶、AlN単結晶、GaN単結晶およびZrB2などのホウ化物単結晶などの公知の基板材料を何ら制限なく用いることができる。なお、基板の面方位は特に限定されない。また、ジャスト基板でも良いしオフ角を付与した基板であっても良い。
n型半導体層、発光層およびp型半導体層は各種構造のものが周知であり、これら周知のものを用いることができる。特にp型半導体層のキャリア濃度は一般的な濃度のものを用いるが、比較的キャリア濃度の低い、例えば1×1017cm-3程度のp型半導体層にも本発明の透光性正極は適用できる。
窒化ガリウム系化合物半導体は一般式AlxInyGa1-x-yN(0≦x<1,0≦y<1,0≦x+y<1)で表わされる各種組成の半導体が周知である。n型半導体層およびp型半導体層を構成する窒化ガリウム系化合物半導体は、これら周知の一般式AlxInyGa1-x-yN(0≦x<1,0≦y<1,0≦x+y<1)で表わされる各種組成の半導体を何ら制限なく用いることができる。
活性層は紫外領域の光を出射させるため、Inが10%以下程度の組成のものを用いるが、井戸層の膜厚、障壁層の組成、活性層のキャリア濃度などによっても制御することが可能である。
これらの窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法は特に限定されず、MOCVD(有機金属化学気相成長法)、HVPE(ハイドライド気相成長法)、MBE(分子線エピタキシー法)、などIII族窒化物半導体を成長させることが知られている全ての方法を適用できる。好ましい成長方法としては、膜厚制御性、量産性の観点からMOCVD法である。MOCVD法では、キャリアガスとして水素(H2)または窒素(N2)、III族原料であるGa源としてトリメチルガリウム(TMG)またはトリエチルガリウム(TEG)、Al源としてトリメチルアルミニウム(TMA)またはトリエチルアルミニウム(TEA)、In源としてトリメチルインジウム(TMI)またはトリエチルインジウム(TEI)、V族原料であるN源としてアンモニア(NH3)、ヒドラジン(N24)などが用いられる。また、ドーパントとしては、n型にはSi原料としてモノシラン(SiH4)またはジシラン(Si26)を、Ge原料としてゲルマン(GeH4)を用い、p型にはMg原料としては例えばビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)またはビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム((EtCp)2Mg)を用いる。
基板上にn型半導体層、発光層およびp型半導体層が順次積層された窒化ガリウム系化合物半導体のn型半導体層に接して負極を形成するために、発光層およびp型半導体層の一部を除去して、n型半導体層を露出させる。その後残したp型半導体層上に本発明の透光性正極を形成し、露出させたn型半導体層上に負極を形成する。負極としては、各種組成および構造の負極が周知であり、これら周知の負極を何ら制限無く用いることができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図2は本実施例で作製した窒化ガリウム系化合物半導体紫外発光素子の断面を示した模式図であり、図3はその平面を示した模式図である。サファイアからなる基板(1)上に、AlNからなるバッファ層(6)を介して、厚さ8μmのアンドープGaNからなる下地層(3a)、厚さ2μmのSiドープn型AlGaNコンタクト層(3b)、厚さ0.03μmのn型In0.1Ga0.9Nクラッド層(3c)、厚さ16nmのSiドープAl0.1Ga0.9N障壁層および厚さ4nmのIn0.02Ga0.98N井戸層を5回積層し、最後に障壁層を設けた多重量子井戸構造の発光層(4)、厚さ0.01μmのMgドープp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層(5a)、厚さ0.15μmのMgドープp型AlGaNコンタクト層(5b)を順に積層した。窒化ガリウム系化合物半導体のp型AlGaNコンタクト層上に、厚さ1.5nmのPtコンタクトメタル層(11)、厚さ3nmのRh電流拡散層(12)を積層し、本発明の正極(10)を形成した。電流拡散層の上にAu/Ti/Al/Ti/Au5層構造(厚さはそれぞれ50/20/10/100/200nm)のボンディングパッド層(13)を形成した。次にn型AlGaNコンタクト層上にTi/Auの二層構造の負極(20)を形成し、光取り出し面を半導体側とした発光素子である。正極および負極の形状は図3に示したとおりである。
この構造において、n型AlGaNコンタクト層のキャリア濃度は1×1019cm-3であり、AlGaN障壁層のSiドープ量は1×1018cm-3であり、p型AlGaNコンタクト層のキャリア濃度は5×1018cm-3であり、p型AlGaNクラッド層のMgドープ量は5×1019cm-3であった。
窒化ガリウム系化合物半導体層の積層は、MOCVD法により、当該技術分野においてよく知られた通常の条件で行なった。また、正極および負極は次の手順で形成した。
初めに反応性イオンエッチング法によって負極を形成する部分のn型GaNコンタクト層を下記手順により露出させた。
まず、エッチングマスクをp型半導体層上に形成した。形成手順は以下の通りである。レジストを全面に一様に塗布した後、公知のリソグラフィー技術を用いて、正極領域より一回り大きい領域からレジストを除去した。真空蒸着装置内にセットして、圧力4×10-4Pa以下でNiおよびTiをエレクトロンビーム法により膜厚がそれぞれ約50nmおよび300nmとなるように積層した。その後リフトオフ技術により、正極領域以外の金属膜をレジストとともに除去した。
次いで、反応性イオンエッチング装置のエッチング室内の電極上に半導体積層基板を載置し、エッチング室を10-4Paに減圧した後、エッチングガスとしてCl2を供給してn型AlGaNコンタクト層が露出するまでエッチングした。エッチング後、反応性イオンエッチング装置より取り出し、上記エッチングマスクを硝酸およびフッ酸により除去した。
次に、公知のフォトリソグラフィー技術及びリフトオフ技術を用いて、p型AlGaNコンタクト層上の正極を形成する領域にのみ、Ptからなるコンタクトメタル層、Rhからなる電流拡散層を形成した。コンタクトメタル層、電流拡散層の形成では、まず、窒化ガリウム系化合物半導体層を積層した基板を真空蒸着装置内に入れ、p型AlGaNコンタクト層上に初めにPtを1.5nm、次にRhを3nm積層した。このようにしてp型AlGaNコンタクト層上に本発明の正極を形成した。引き続き真空室から取り出した後、通常リフトオフと呼ばれる周知の手順に則って処理し、さらに同様な手法で電流拡散層上の一部にAuからなる第1の層、Tiからなる第2の層、Alからなる第3の層、Tiからなる第4の層、Auからなる第5の層を順に積層し、ボンディングパッド層を形成した。
本発明は、透光性の電極部分にAuを含まないことであり、ボンディングパッドにAuを含むことには、なんら問題がない。Auはボンディング性の良い金属であり、例えばボンディングパッドの最上層としてAuを形成することは、むしろ常套である。
この方法で形成した正極は透光性を示し、405nmの波長領域で70%の光透過率を有していた。なお、光透過率は、上記と同じコンタクトメタル層および電流拡散層を光透過率測定用の大きさに形成したもので測定した。
次に、露出したn型GaNコンタクト層上に負極を以下の手順により形成した。レジストを全面に一様に塗布した後、公知リソグラフィー技術を用いて、露出したn型AlGaNコンタクト層上の負極形成部分からレジストを除去して、通常用いられる真空蒸着法で半導体側から順にTiが100nm、Auが200nmよりなる負極を形成した。その後レジストを公知の方法で除去した。
このようにして正極および負極を形成したウエーハを、基板裏面を研削・研磨することにより80μmまで基板の板厚を薄くして、レーザスクライバを用いて半導体積層側から罫書き線を入れたあと、押し割って、350μm角のチップに切断した。続いてこれらのチップをプローブ針による通電で電流印加値20mAにおける順方向電圧の測定をしたところ2.9Vであった。
その後、TO−18缶パッケージに実装してテスターによって発光出力を計測したところ印加電流20mAにおける発光出力は7mWを示した。またその発光面の発光分布は正極上の全面で発光しているのが確認できた。
(比較例1)
同じ窒化物半導体積層基板に、従来から用いられているAu/NiOからなる電極を形成したほかは、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子の順方向電圧及び発光出力はそれぞれ2.9V及び3.0mWであった。その発光面を観察すると実施例1と同様に全面で発光が確認されたが、コンタクトメタル層の光透過率は約40%であり、結果として発光出力が低下したものと思われる。
本発明によって提供される窒化ガリウム系化合物半導体発光素子用電極は、紫外光を放出する透光型窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の正極として有用である。
この電極を用いた窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を他の発光素子と組合せ、あるいは蛍光体を用いて波長変換し白色光としてランプ、照明器具に利用できる。
本発明の透光性正極を有する発光素子の断面を示した模式図である。 実施例1で作製した本発明の透光性正極を有する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の断面を示した模式図である。 実施例1で作製した本発明の透光性正極を有する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の平面を示した模式図である。
符号の説明
1 基板
2 GaN系化合物半導体層
3 n型半導体層
4 発光層
5 p型半導体層
6 バッファ層
10 正極
11 コンタクトメタル層(金属層)
12 電流拡散層
13 ボンディングパッド層
20 負極

Claims (11)

  1. 発光波長が440nm以下である窒化ガリウム系化合物半導体発光素子用の透光性電極であって、該透光性電極はp型半導体層に接して設けられた金属層、および該金属層上に設けられた電流拡散層を含み、透光性電極は全ての領域において実質的に金(Au)を含まず、金属層はPt、Ir、Ru、Rhからなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分として含み、電流拡散層はPt、Ir、Ru、Rhからなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分として含む(金属層と電流拡散層とが同一の成分となる場合を除く)、ことを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子用の透光性電極。
  2. 発光波長が300nm〜440nmである請求項1に記載の透光性電極。
  3. 透光性電極が、p型半導体に接触する領域にPtを主成分として含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の透光性電極。
  4. 金属層がPtを主成分とするものであり、電流拡散層がPt、Ir、Ru、Rhからなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分として含むものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透光性電極。
  5. 金属層の厚さが0.1〜20nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透光性電極。
  6. 電流拡散層の厚さが、1〜20nmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の透光性電極。
  7. 金属層及びその上に形成される電流拡散層が、熱処理されていないものである請求項1〜6のいずれかに記載の透光性電極。
  8. 透過する光は入射光に対して60%以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の透光性電極。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の透光性電極を備えたことを特徴とする白色発光素子。
  10. 請求項9に記載の白色発光素子を用いたことを特徴とする白色発光ランプ。
  11. 請求項10に記載のランプを用いたことを特徴とする照明器具。
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