JP4779927B2 - 内燃機関の排気再循環システム - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気再循環システムに関する。
内燃機関において燃料が燃焼する際に発生する窒素酸化物(以下、NOx)の量を低減する技術として、排気の一部を吸気系に再循環させる排気再循環(以下、EGR)装置が知られている。
また、より広い運転領域においてEGRを実施可能にする技術として、ターボチャージャのタービンより上流の排気通路とターボチャージャのコンプレッサより下流の吸気通路とを接続する高圧EGR通路を介して排気の一部を内燃機関に再循環させる高圧EGR装置と、タービンより下流の排気通路とコンプレッサより上流の吸気通路とを接続する低圧EGR通路を介して排気の一部を内燃機関に再循環させる低圧EGR装置とを、併用する排気再循環システムも提案されている。
このような排気再循環システムでは、高圧EGR通路に設けられて高圧EGR通路を通過する高圧EGRガス量を調節する高圧EGR弁と、低圧EGR通路に設けられて低圧EGR通路を通過する低圧EGRガス量を調節する低圧EGR弁とを、内燃機関の運転状態に応じて定められる規定値(基本開度)に基づいてそれぞれオープンループ制御又はフィードバック制御することによって、所望のNOx低減性能を実現するために要求されるEGR率(又は吸気酸素濃度)を達成することを図る(例えば特許文献1を参照)。
特開2004−150319号公報 特開2004−156572号公報
ところで、高圧EGR通路はその経路長が短く、また高圧EGRガスの流通経路上には容量の大きな吸排気系装置が存在しないため、高圧EGR弁開度の変更に対して内燃機関に吸入される高圧EGRガス量が応答性良く変化する。一方、低圧EGR通路の経路長は長く、さらに低圧EGRガスの流通経路上にはインタークーラ、EGRクーラ、ターボチャージャ等の大容量の吸排気系装置が配置されているため、内燃機関の気筒に吸入される低圧EGRガス量は低圧EGR弁開度の変更に対して応答性良く変化しにくい。そのため、内燃機関の運転状態が変化する過渡時におけるEGR率の制御応答性や、背圧変動や排気脈動等の外乱が加わった時のEGR率の制御安定性が得られない虞があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、高圧EGR装置及び低圧EGR装置を併用する内燃機関の排気再循環システムにおいて、より確実なEGR率の制御応答性を得ることを可能にする技術を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明の排気再循環システムは、内燃機関の吸気通路にコンプレッサを有し且つ前記内燃機関の排気通路にタービンを有するターボチャージャと、前記タービンより上流の排気通路と前記コンプレッサより下流の吸気通路とを接続する高圧EGR通路を介して排気の一部を内燃機関に再循環させる高圧EGR手段と、前記タービンより下流の排気通路と前記コンプレッサより上流の吸気通路とを接続する低圧EGR通路を介して排気の一部を内燃機関に再循環させる低圧EGR手段と、前記高圧EGR通路に設けられ高圧EGR通路を流れる排気の量を変更する高圧EGR弁と、前記低圧EGR
通路に設けられ低圧EGR通路を流れる排気の量を変更する低圧EGR弁と、前記高圧EGR弁及び前記低圧EGR弁をそれぞれ前記内燃機関の運転状態毎に予め定められる基本高圧EGR弁開度及び基本低圧EGR弁開度に制御することによって前記内燃機関の排気の一部を再循環させるEGR制御手段と、を備えている。
ここで、「基本高圧EGR弁開度」及び「基本低圧EGR弁開度」は、内燃機関の定常運転時に高圧EGR弁及び低圧EGR弁がそれぞれ基本高圧EGR弁開度及び基本低圧EGR弁開度に制御された場合のEGR率が所定の目標EGR率になるように求められる。ここで、EGR率とは、排気再循環システムによって内燃機関に再循環する全EGRガスの、吸気中に占める割合である。また、目標EGR率は、例えばNOx排出量が所定の規制を満たすことが可能なEGR率であって、予め求められる。
基本高圧EGR弁開度及び基本低圧EGR弁開度は、EGRの実施に伴う燃料消費率特性、燃焼特性、排気性状等の諸機関特性が所定の要求性能を満たすようにそれぞれ内燃機関の運転状態に応じて定められる。本発明の場合、内燃機関の運転状態が低負荷の領域では基本高圧EGR弁開度が0以外の値に定められるとともに基本低圧EGR弁開度が0に定められ、高圧EGR手段のみを用いてEGRが行われる。本発明では、この運転領域をHPL領域と呼ぶ。また、内燃機関の運転状態が中負荷の領域では基本高圧EGR弁開度及び基本低圧EGR弁開度の両方が0以外の値に定められ、高圧EGR手段及び低圧EGR手段の両方を用いてEGRが行われる。本発明では、この運転領域をMIX領域と呼ぶ。また、内燃機関の運転状態が高負荷の領域では基本高圧EGR弁開度が0に定められるとともに基本低圧EGR弁開度が0以外の値に定められ、低圧EGR手段のみを用いてEGRが行われる。本発明では、この運転領域をLPL領域と呼ぶ。
そして、本発明の排気再循環システムの特徴点は、前記EGR制御手段が、EGR率が所定の目標EGR率になるように、前記内燃機関の運転状態が前記MIX領域に属する時には前記高圧EGR弁の開度をフィードバック制御するとともに前記低圧EGR弁の開度を前記基本低圧EGR弁開度にオープンループ制御することである。
これにより、内燃機関の運転状態がMIX領域に属する時には、高圧EGR弁及び低圧EGR弁のうち、弁開度の変更に対するEGRガス量の変化の応答性に優れる高圧EGR弁の開度がフィードバック制御における操作量として調節される。これにより、内燃機関の運転状態が変化する過渡時においても、EGR率を短時間で応答性良く目標EGR率に制御することができる。また、背圧変動(例えばマフラーの圧損の変化や、何らかの排気吸引装置を使用した時等に生じる場合がある)や排気脈動等の外乱が加わった時にも、短時間でより確実に外乱を吸収し、EGR率の制御安定性を得ることができる。また、フィードバック制御における操作対象が高圧EGR弁のみであり、フィードバック制御のために検出すべき制御量が一つですむため、センサ取り付け個数増大による高コスト化を抑制することもできる。
なお、本発明において、内燃機関の運転状態がHPL領域に属している場合には、高圧EGR弁の開度をフィードバック制御することでEGR率を制御しても良い。また、内燃機関の運転状態がLPL領域に属している場合には、低圧EGR弁の開度をフィードバック制御することでEGR率を制御しても良い。
本発明において、前記EGR制御手段は、前記高圧EGR弁の開度の変更に対するEGR率の変化の感度と、前記低圧EGR弁の開度の変更に対するEGR率の変化の感度とを比較し、より感度の高い方のEGR弁の開度をフィードバック制御するとともに他方のEGR弁の開度をオープンループ制御してもよい。
例えば、(イ)前記高圧EGR弁の開度の変更に対するEGR率の変化の感度が前記低圧EGR弁の場合の感度より高い場合には前記高圧EGR弁の開度をフィードバック制御するとともに前記低圧EGR弁の開度を前記基本低圧EGR弁開度にオープンループ制御し、(ロ)前記高圧EGR弁の開度の変更に対するEGR率の変化の感度が前記低圧EGR弁の場合の感度以下である場合には前記低圧EGR弁の開度をフィードバック制御するとともに前記高圧EGR弁の開度を前記基本高圧EGR弁開度にオープンループ制御する。
これにより、弁開度の変更に対するEGRガス量の変化の応答性に優れるEGR弁の開度がフィードバック制御されるので、より応答性良くEGR率を目標EGR率に追従させることが可能になる。
ここで、高圧EGR弁及び低圧EGR弁の感度を判定する方法としては、例えば、試験的に高圧EGR弁の開度を所定量変化させ、それによるEGR率の変化量を測定するとともに、試験的に低圧EGR弁の開度を前記所定量変化させ、それによるEGR率の変化量を測定し、双方の測定結果を比較してEGR率の変化量が大きい方のEGR弁をより感度が高いEGR弁と判定する方法を例示できる。
或いは、(イ)EGR率が目標EGR率より小さい時には、現在の前記高圧EGR弁の開度と現在の前記低圧EGR弁の開度とを比較して、開度の小さい方のEGR弁の感度が他方のEGR弁の感度より高いと判定し、(ロ)EGR率が目標EGR率より大きい時には、現在の前記高圧EGR弁の開度と現在の前記低圧EGR弁の開度とを比較して、開度の大きい方のEGR弁の感度が他方のEGR弁の感度より高いと判定することもできる。
これは、EGRガス量を増加させる方向に変化させる場合には、一般に弁開度がより小さい方のEGR弁が弁開度の増加に対するEGRガス量の変化の感度が高く、逆に、EGRガス量を減少させる方向に変化させる場合には、一般に弁開度がより大きい方のEGR弁が弁開度の減少に対するEGRガス量の変化の感度が高い傾向があるからである。
このように、現在の高圧EGR弁開度及び低圧EGR弁開度の単純な大小比較によって、高圧EGR弁及び低圧EGR弁のうちより感度の高いEGR弁を判定できるので、より簡単且つ短時間でフィードバック制御の対象となるEGR弁を決定することができる。これにより、EGR率の制御応答性をより一層高めることができる。
本発明において、前記EGR制御手段は、前記高圧EGR弁及び前記低圧EGR弁のうちフィードバック制御の対象となっている方のEGR弁の開度が所定の操作限界開度に達し、且つEGR率が前記目標EGR率に一致しない場合には、該フィードバック制御の対象となっていない方のEGR弁の開度をフィードバック制御するようにしてもよい。
ここで、「所定の操作限界」とは、当該操作限界に達したEGR弁に対してそれ以上の開度操作を行うことができないか、又はそれ以上の開度操作を行ってもEGR率を目標EGR率に近付けることが困難なEGR弁開度であって、予め定められる。例えば、EGR率を目標EGR率に向かって増加させる場合は、全開や、全開より小さく且つ不感帯に属する開度(例えば90%等)を操作限界として例示できる。また、EGR率を目標EGR率に向かって減少させる場合は、全閉や、全閉より大きく且つ不感帯に属する開度(例えば5%等)を操作限界として例示できる。
上記構成によれば、過渡運転時や背圧変動等の外乱が加わった場合においても、より確実にEGR率を目標EGR率に追従させることができる。
これは内燃機関の運転状態がHPL領域、MIX領域、又はLPL領域のどの領域に属している場合にも適用可能である。
例えば、前記内燃機関の運転状態が前記HPL領域に属する時には、前記高圧EGR弁の開度が所定のHPL上限開度以上となってもなおEGR率が目標EGR率未満である場合に、一時的に前記低圧EGR弁の開度をフィードバック制御するとともに前記高圧EGR弁の開度を該HPL上限開度にオープンループ制御しても良い。
ここで、「HPL上限開度」とは、高圧EGR弁の開度をHPL上限開度より大きくすることができないか、又は高圧EGR弁の開度をHPL上限開度より大きくしてもそれ以上EGR率を有効に増加させることが困難な高圧EGR弁の開度であって、予め定められる。HPL上限開度としては、例えば全開や、全開より小さく且つ不感帯に属する開度を例示できる。
上記構成によれば、内燃機関の運転状態がHPL領域に属している時に、高圧EGR弁開度がHPL上限開度に達していない場合には、制御応答性に優れる高圧EGR弁開度をフィードバック制御することによってEGR率を応答性良く制御することができる。さらに、例えば一時的な過渡状態や背圧変動等の外乱のために目標EGR率が定常運転時より大きくなった状況等において、高圧EGR弁開度がHPL上限開度に達してもなおEGR率が目標EGR率に満たない時にも、一時的に低圧EGR弁開度のフィードバック制御が開始されることによって、より確実にEGR率を目標EGR率に近付けることができる。
また、前記内燃機関の運転状態が前記MIX領域に属する時には、(イ)前記高圧EGR弁の開度が所定のHPL下限開度以下となってもなおEGR率が目標EGR率より大きい場合に、一時的に前記低圧EGR弁の開度をフィードバック制御するとともに前記高圧EGR弁の開度を該HPL下限開度にオープンループ制御し、(ロ)前記高圧EGR弁の開度が所定のHPL上限開度以上となってもなおEGR率が目標EGR率未満である場合に、一時的に前記低圧EGR弁の開度をフィードバック制御するとともに前記高圧EGR弁の開度を該HPL上限開度にオープンループ制御しても良い。
ここで、「HPL下限開度」とは、高圧EGR弁の開度をHPL下限開度より小さくすることができないか、又は高圧EGR弁の開度をHPL下限開度より小さくしてもそれ以上EGR率を有効に低下させることが困難な高圧EGR弁の開度であって、予め定められる。HPL下限開度としては、例えば全閉や、全閉より大きく且つ不感帯に属する開度を例示できる。
上記構成によれば、内燃機関の運転状態がMIX領域に属している時に、高圧EGR弁開度がHPL下限開度(又はHPL上限開度)に達していない場合には、制御応答性に優れる高圧EGR弁開度をフィードバック制御することによってEGR率を応答性良く制御することができる。さらに、例えば一時的な過渡状態や背圧変動等の外乱のために目標EGR率が定常運転時より小さく(又は大きく)なった状況等において、高圧EGR弁開度がHPL下限開度(又はHPL上限開度)に達してもなおEGR率が目標EGR率に満たない時にも、一時的に低圧EGR弁開度の制御がオープンループ制御からフィードバック制御に切り替えられることによって、より確実にEGR率を目標EGR率に近付けることができる。
また、前記内燃機関の運転状態が前記LPL領域に属する時には、前記低圧EGR弁の開度が所定のLPL上限開度以上となってもなおEGR率が目標EGR率未満である場合に、一時的に前記高圧EGR弁の開度をフィードバック制御するとともに前記低圧EGR弁の開度を該LPL上限開度にオープンループ制御しても良い。
ここで、「LPL上限開度」とは、低圧EGR弁の開度をLPL上限開度より大きくすることができないか、又は低圧EGR弁の開度をLPL上限開度より大きくしてもそれ以上EGR率を有効に増加させることが困難な低圧EGR弁の開度であって、予め定められる。LPL上限開度としては、例えば全開や、全開より小さく且つ不感帯に属する開度を例示できる。
上記構成によれば、内燃機関の運転状態がLPL領域に属している時に、低圧EGR弁開度がLPL上限開度に達していない場合には、低圧EGR弁開度をフィードバック制御することによってEGR率を制御することができ、例えば一時的な過渡状態や背圧変動等の外乱のために目標EGR率が定常運転時より大きくなった状況等において、低圧EGR弁開度がLPL上限開度に達してもなおEGR率が目標EGR率に満たない時にも、一時的に高圧EGR弁開度のフィードバック制御が開始されることによって、より確実にEGR率を目標EGR率に近付けることができる。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
本発明により、高圧EGR装置及び低圧EGR装置を併用する内燃機関の排気再循環システムにおいて、より確実なEGR率の制御応答性を得ることが可能になる。これにより、排気エミッションをより一層向上させることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本実施例の内燃機関の排気再循環システムを適用する内燃機関の吸気系、排気系、及び制御系の概略構成を模式的に示す図である。図1に示す内燃機関1は4つの気筒2を有する水冷式4サイクルディーゼルエンジンである。
内燃機関1の気筒2には、図示しない吸気ポートを介して吸気マニホールド17が接続されている。吸気マニホールド17には吸気管3が接続されている。吸気マニホールド17の上流の吸気管3には、吸気管3の流路面積を変更することで吸気管3を流れる吸気の流量を調節可能な第2吸気絞り弁9が設けられている。第2吸気絞り弁9は、電動アクチュエータによって開閉される。第2吸気絞り弁9より上流の吸気管3には吸気を冷却するインタークーラ8が設けられている。インタークーラ8より上流の吸気管3には、排気のエネルギーを駆動源として作動するターボチャージャのコンプレッサ11が設けられている。コンプレッサ11より上流の吸気管3には、吸気管3の流路面積を変更することで吸気管3を流れる吸気の流量を調節可能な第1吸気絞り弁6が設けられている。第1吸気絞り弁6は、電動アクチュエータによって開閉される。
また、内燃機関1の気筒2には、図示しない排気ポートを介して排気マニホールド18が接続されている。排気マニホールド18には排気管4が接続されている。排気管4の途中には、ターボチャージャのタービン12が設けられている。このターボチャージャは、タービン12の排気流量特性を変更可能なノズルベーン5を有する可変容量型のターボチャージャである。タービン12より下流の排気管4には、排気浄化装置10が設けられている。排気浄化装置10は、パティキュレートフィルタ(以下、フィルタ)13を有して
構成されている。フィルタ13には吸蔵還元型NOx触媒(以下、NOx触媒)が担持されている。排気がフィルタ13を通過することで、排気中に含まれる粒子状物質が捕集される。また、排気が酸化雰囲気の時には排気中のNOxが吸蔵され、排気が還元雰囲気の時には吸蔵されたNOxが放出還元される。排気浄化装置10より下流の排気管4には、排気管4の流路面積を変更することで排気管4を流れる排気の流量を調節可能な排気絞り弁19が設けられている。排気絞り弁19は、電動アクチュエータによって開閉される。なお、本実施例では排気絞り弁19は排気浄化装置10の直下流の排気管4に設けられているが、後述する低圧EGR通路31の接続部より下流の排気管4に設けることもできる。排気絞り弁19を絞ることでフィルタ13の温度を昇温させ、フィルタ13に捕集された粒子状物質を酸化除去するフィルタ再生処理が行われる。また、NOx触媒に吸蔵された硫黄酸化物を除去する硫黄被毒回復処理を行うこともできる。
内燃機関1には、排気管4を流れる排気の一部を低圧で吸気管3へ導き気筒2に再循環させる低圧EGR装置30が備えられている。低圧EGR装置30は、低圧EGR通路31、低圧EGR弁32、及び低圧EGRクーラ33を有して構成されている。低圧EGR通路31は、排気絞り弁19より下流の排気管4と、コンプレッサ11より上流且つ第1吸気絞り弁6より下流の吸気管3とを接続している。低圧EGR通路31を通って排気が低圧で吸気管3へ導かれる。本実施例では、低圧EGR通路31を経由して気筒2に再循環する排気を低圧EGRガスと称している。
低圧EGR弁32は、低圧EGR通路31の流路面積を変更することにより低圧EGR通路31を流れる排気の量を変更可能な流量調節弁である。低圧EGRガスの調量は低圧EGR弁32の開度を調節することによって行われる。なお、低圧EGRガスの調量は低圧EGR弁32の開度調節以外の方法によって行うこともできる。例えば、第1吸気絞り弁6の開度を調節することによって低圧EGR通路31の上流と下流との差圧を変化させることによっても低圧EGRガス量を調節することができる。
低圧EGRクーラ33は、低圧EGRクーラ33を通過する低圧EGRガスと内燃機関1を冷却する冷却水との間で熱交換をすることで低圧EGRガスを冷却する。
また、内燃機関1には、排気管4を流れる排気の一部を高圧で吸気管3へ導き気筒2に再循環させる高圧EGR装置40が備えられている。高圧EGR装置40は、高圧EGR通路41及び高圧EGR弁42を有して構成されている。高圧EGR通路41は、タービン12より上流の排気管4と第2吸気絞り弁9より下流の吸気管3とを接続している。高圧EGR通路41を通って排気が高圧で吸気管3へ導かれる。本実施例では、高圧EGR通路41を経由して気筒2に再循環する排気を高圧EGRガスと称している。
高圧EGR弁42は、高圧EGR通路41の流路面積を変更することにより高圧EGR通路41を流れる排気の量を変更可能な流量調節弁である。高圧EGRガスの調量は高圧EGR弁42の開度を調節することによって行われる。なお、高圧EGRガスの調量は高圧EGR弁42の開度調節以外の方法によって行うこともできる。例えば、第2吸気絞り弁9の開度を調節することによって高圧EGR通路41の上流と下流との差圧を変化させることによっても高圧EGRガス量を調節することができる。また、ノズルベーン5の開度を調節することによっても高圧EGRガス量を調節することができる。
内燃機関1には、機関の制御を行う電子制御装置(ECU)20が併設されている。ECU20は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、中央演算装置(CPU)、入出力ポート、デジタルアナログコンバータ(DAコンバータ)、アナログデジタルコンバータ(ADコンバータ)等を双方向バスで接続した公知の構成を有するマイクロコンピュータとして構成されている。
ECU20は、内燃機関1の運転状態や運転者による要求に応じて燃料噴射制御等のディーゼルエンジンにおいて既知の諸基本制御を行う。そのために、本実施例における内燃機関1には、吸気管3に流入する新気の流量を検出するエアフローメータ7、吸気の過給圧を検出する過給圧センサ14、運転者によるアクセルペダル(図示省略)の踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ15、内燃機関1のクランクシャフト(図示省略)の回転位相(クランク角度)を検出するクランクポジションセンサ16、排気温度を検出する排気温度センサ21の他、ディーゼルエンジンが一般的に備えているセンサ類(図示省略)が設けられている。
これらのセンサは電気配線を介してECU20に接続され、各センサからの出力信号がECU20に入力されるようになっている。また、ECU20には、第1吸気絞り弁6、第2吸気絞り弁9、排気絞り弁19、低圧EGR弁32、高圧EGR弁42を駆動するための駆動装置等の機器が電気配線を介して接続され、ECU20から出力される制御信号に従ってこれらの機器が制御される。
ECU20は、各センサによる検出値に基づいて内燃機関1の運転状態や運転者の要求を把握する。例えば、ECU20はクランクポジションセンサ16から入力されるクランク角度から算出する機関回転数と、アクセル開度センサ15から入力されるアクセル開度から算出する機関負荷とに基づいて内燃機関1の運転状態を検出する。そして、検出した機関運転状態や運転者の要求に基づいて低圧EGR弁32や高圧EGR弁42等を制御し、EGRガス量や吸入空気量の制御を行う。
次に、ECU20によって行われるEGR制御について説明する。
本実施例の排気再循環システムでは、NOx排出量が所定の規制値を満たすことが可能なEGR率として、内燃機関1の運転状態毎に目標EGR率が求められている。そして、高圧EGR装置40及び低圧EGR装置30を併用してEGRを行うことで目標EGR率を達成し、且つ、EGRの実施に伴う燃料消費率特性、燃焼特性、排気性状等の諸機関特性が所定の要求性能を満たすことが可能な高圧EGRガス量及び低圧EGRガス量として、内燃機関1の運転状態毎に基本高圧EGRガス量及び基本低圧EGRガス量の組み合わせ(又は全EGRガスにおける高圧EGRガス及び低圧EGRガスの分配比率)が求められている。ここで、EGR率とは、排気再循環システムによって内燃機関1に再循環する全EGRガス(高圧EGRガスと低圧EGRガスとの合計)の、吸気中に占める割合であり、吸入空気量をGcyl、エアフローメータ7で測定される新気量をGnとすれば、EGR率=(Gcyl−Gn)/Gcyl…(式1)に従って求められる。
そして、内燃機関1の定常運転時において低圧EGRガス量を基本低圧EGRガス量とするような低圧EGR弁32の開度として基本低圧EGR弁開度が求められ、また、高圧EGRガス量を基本高圧EGRガス量とするような高圧EGR弁42の開度として基本高圧EGR弁開度が求められ、それぞれECU20のROMに記憶される。
ECU20は、内燃機関1の運転状態に応じてROMから基本低圧EGR弁開度及び基本高圧EGR弁開度を読み込み、低圧EGR弁32の開度が基本低圧EGR弁開度となるように低圧EGR弁32を制御するとともに、高圧EGR弁42の開度が基本高圧EGR弁開度となるように高圧EGR弁42を制御する。
図2は、内燃機関1の運転状態の領域毎に定められたEGRモードを示す図である。ここで、EGRモードとは、ECU20によってEGRが実施される際に使用される高圧EGR装置40及び低圧EGR装置30の組み合わせを表す。図2の横軸は内燃機関1の機
関回転数を表し、縦軸は内燃機関1の機関負荷を表している。
本実施例の排気再循環システムでは、内燃機関1の運転状態が低負荷の領域では基本高圧EGR弁開度が0以外の値に定められるとともに基本低圧EGR弁開度が0に定められ、高圧EGR装置40のみを用いるHPLモードでEGRが行われる。図2において「HPL領域」と表された領域がこの運転領域に相当する。また、内燃機関1の運転状態が中負荷の領域では基本高圧EGR弁開度及び基本低圧EGR弁開度の両方が0以外の値に定められ、高圧EGR装置40及び低圧EGR装置30の両方を用いるMIXモードでEGRが行われる。図2において「MIX領域」と表された領域がこの運転領域に相当する。また、内燃機関1の運転状態が高負荷の領域では基本高圧EGR弁開度が0に定められるとともに基本低圧EGR弁開度が0以外の値に定められ、低圧EGR装置30のみを用いるLPLモードでEGRが行われる。図2において「LPL領域」と表された領域がこの運転領域に相当する。
ところで、高圧EGR通路41はその経路長が短く、また高圧EGRガスの流通経路上には容量の大きな吸排気系装置が存在しないため、高圧EGR弁42の開度変更に対して内燃機関1に吸入される高圧EGRガス量は応答性良く変化する。一方、低圧EGR通路31の経路長は長く、さらに低圧EGRガスの流通経路上にはインタークーラ8、低圧EGRクーラ33、コンプレッサ11等の大容量の吸排気系装置が配置されているため、内燃機関1の気筒2に吸入される低圧EGRガス量は低圧EGR弁32の開度変更に対して応答性良く変化しにくい傾向がある。そのため、内燃機関1の運転状態が変化する過渡時におけるEGR率の制御応答性や、背圧変動や排気脈動等の外乱が加わった時のEGR率の制御安定性が好適に得られない虞があった。
そこで、本実施例では、内燃機関1の運転状態がHPL領域に属している時には、高圧EGR弁42の開度をフィードバック制御することによってEGR率を制御し、内燃機関1の運転状態がMIX領域に属している時には高圧EGR弁42の開度をフィードバック制御するとともに低圧EGR弁32の開度を基本低圧EGR弁開度にオープンループ制御することによってEGR率を制御し、内燃機関1の運転状態がLPL領域に属している時には低圧EGR弁32の開度をフィードバック制御することによってEGR率を制御するようにした。
MIX領域においては高圧EGR弁42及び低圧EGR弁32の両方の開度が制御されるが、本実施例によれば、このうち弁開度の変更に対するEGRガス量の変化の応答性に優れる高圧EGR弁42の開度がフィードバック制御における操作量として調節される。これにより、内燃機関1の運転状態がMIX領域に属する時に一時的な過渡状態となったり、背圧変動等の外乱が加わったりした場合においても、より確実に応答性良くEGR率を目標EGR率に制御することができる。また、フィードバック制御の対象が高圧EGR弁42の開度のみであり、フィードバック制御のために検出すべき制御量が一つで済むため、センサ取り付け個数を抑えることができ、高コスト化を抑制することも可能である。
上記実施例1のEGR制御の具体的な実行手順について図3に基づいて説明する。図3は、上記実施例1のEGR制御ルーチンを示すフローチャートである。このルーチンはECU20のROMに予め記憶されたコンピュータプログラムであり、内燃機関1の運転中所定間隔毎に繰り返し実行される。
このEGR制御ルーチンが実行されると、まずECU20は、内燃機関1の運転状態を検出する(ステップS301)。具体的には、クランクポジションセンサ16によって検出されるクランク角度から機関回転数を算出するとともに、アクセル開度センサ15によって検出されるアクセル開度から機関負荷を算出する。
次に、ステップS301で検出した運転状態に応じた基本低圧EGR弁開度及び基本低圧EGR弁開度をECU20のROMから読み込むとともに、該基本高圧EGR弁開度及び該基本低圧EGR弁開度に高圧EGR弁42及び低圧EGR弁32を制御する(ステップS302及びステップS303)。
そして、EGR率が目標EGR率と一致しているか否か判定する(ステップS304)。なお、EGR率と目標EGR率との偏差が予め定められた所定の許容偏差以内となった場合に、EGR率と目標EGR率とが一致したと判定する。本実施例では、エアフローメータ7によって測定される新気量に基づいてEGR率を推定する。具体的には、過給圧センサ14によって測定される吸気圧と、気筒2の設計によって定まるシリンダ内容積と、排気温度センサ21によって測定される排気温度に基づいて推定される吸気温度と、に基づいて気筒2に吸入される吸気量Gcylを推定し、該吸気量Gcylとエアフローメータ7によって測定される新気量Gnとから上記の(式1)に基づいてEGR率を算出する。
ステップS304において否定判定された場合には、ECU20はEGR率と目標EGR率との偏差に基づいて高圧EGR弁42の開度のフィードバック制御の操作量を算出し(ステップS305)、再度ステップS303を実行して新しい高圧EGR弁42の開度を算出し、該新しい高圧EGR弁開度となるように高圧EGR弁42を制御する。
このようにしてステップS304において肯定判定されるまでECU20は高圧EGR弁42の開度のフィードバック制御を行い、ステップS304において肯定判定された時に本ルーチンの実行を一旦終了する。
次に、本発明の異なる実施例として、上記実施例1におけるEGR制御の部分が異なる実施例について説明する。本実施例では、現時点の高圧EGR弁42及び低圧EGR弁32について、弁開度を変更させた場合のEGR率の変化の感度を比較し、より感度の高い方のEGR弁の開度をフィードック制御することによってEGR率を制御するようにした。
具体的には、まず、試験的に高圧EGR弁42の開度を所定量変化させ、それによるEGR率の変化量を測定するとともに、試験的に低圧EGR弁32の開度を前記所定量変化させ、それによるEGR率の変化量を測定する。ここで、高圧EGR弁42又は低圧EGR弁32の開度を変更した時のEGR率の変化量は、上記実施例1のEGR制御ルーチンで説明したEGR率の算出式に基づいて計算する。すなわち、エアフローメータ7によって測定される新気量の変化量に基づいてEGR弁の感度を判定する。
そして、高圧EGR弁42の開度を変化させた時のEGR率の変化量が低圧EGR弁32の開度を変化させた時のEGR率の変化量より大きかった場合には、高圧EGR弁42の感度の方が低圧EGR弁32の感度より大きいと判定し、高圧EGR弁42の開度をフィードバック制御するとともに低圧EGR弁32の開度を基本低圧EGR弁開度にオープンループ制御することによってEGR率を制御する。
また、高圧EGR弁42の開度を変化させた時のEGR率の変化量が低圧EGR弁32の開度を変化させた時のEGR率の変化量以下であった場合には、低圧EGR弁32の感度の方が高圧EGR弁42の感度より大きいと判定し、低圧EGR弁32の開度をフィードバック制御するとともに高圧EGR弁42の開度を基本高圧EGR弁開度にオープンループ制御することによってEGR率を制御する。
これにより、弁開度の変更に対するEGRガス量の変化の応答性により優れたEGR弁の開度がフィードバック制御されるので、より応答性良くEGR率を目標EGR率に追従させることができる。
上記実施例2のEGR制御の具体的な実行手順について図4に基づいて説明する。図4は、上記実施例2のEGR制御ルーチンを示すフローチャートである。このルーチンはECU20のROMに予め記憶されたコンピュータプログラムであり、内燃機関1の運転中所定間隔毎に繰り返し実行される。
このEGR制御ルーチンが実行されると、まずECU20は、内燃機関1の運転状態を検出する(ステップS401)。
次に、ステップS401で検出した運転状態に応じた基本高圧EGR弁開度及び基本低圧EGR弁開度をECU20のROMから読み込むとともに、該基本高圧EGR弁開度及び該基本低圧EGR弁開度に高圧EGR弁42及び低圧EGR弁32を制御する(ステップS402及びステップS403)。
そして、EGR率が目標EGR率と一致しているか否か判定する(ステップS404)。ステップS401〜ステップS404の制御は図3に示した実施例1のEGR制御ルーチンにおけるステップS301〜ステップS304の制御と同じである。
ステップS404において否定判定された場合には、ECU20は現時点の開度における高圧EGR弁42及び低圧EGR弁32の感度を上述の方法によって測定する。すなわち、高圧EGR弁42の開度を所定量変化させた時のEGR率の変化と、低圧EGR弁32の開度を所定量変化させた時のEGR率の変化とを、エアフローメータ7によって測定される新気量の変化量に基づいて推定する(ステップS405)。
そして、現時点の開度において高圧EGR弁42と低圧EGR弁32のどちらが弁開度の変更に対するEGR率の変化の感度が高いかを判定する(ステップS406)。具体的には、ステップS405において、高圧EGR弁42の開度を変化させた時のEGR率の変化量の方が低圧EGR弁32の開度を変化させた時のEGR率の変化量より大きかった場合には、高圧EGR弁42の感度が低圧EGR弁32の感度より高いと判定する。一方、ステップS405において、高圧EGR弁42の開度を変化させた時のEGR率の変化量が低圧EGR弁32の開度を変化させた時のEGR率の変化量以下であった場合には、低圧EGR弁32の感度が高圧EGR弁42の感度より高いと判定する。
ステップS406において高圧EGR弁42の感度の方が低圧EGR弁32の感度より高いと判定された場合、ECU20はEGR率と目標EGR率との偏差に基づいて高圧EGR弁42の開度のフィードバック制御の操作量を算出し(ステップS407)、再度ステップ403を実行して新しい高圧EGR弁42の開度を算出し、該新しい高圧EGR弁開度となるように高圧EGR弁42を制御する。
一方、ステップS406において低圧EGR弁32の感度の方が高圧EGR弁42の感度より高いと判定された場合、ECU20はEGR率と目標EGR率との偏差に基づいて低圧EGR弁32の開度のフィードバック制御の操作量を算出し(ステップS408)、再度ステップ402を実行して新しい低圧EGR弁32の開度を算出し、該新しい低圧EGR弁開度となるように低圧EGR弁32を制御する。
このようにしてステップS404において肯定判定されるまでECU20は感度判定に
基づいて高圧EGR弁42又は低圧EGR弁32の開度のフィードバック制御を行い、ステップS404において肯定判定された時に本ルーチンの実行を一旦終了する。
次に、本発明の異なる実施例として、上記実施例2におけるEGR弁の感度判定部分が異なる実施例について説明する。本実施例では、現時点の高圧EGR弁42の開度と低圧EGR弁32の開度とを比較し、EGR率を減少させる場合(すなわちEGR率が目標EGR率より大きい場合)には弁開度の大きい方のEGR弁の開度をフィードバック制御し、EGR率を増加させる場合(すなわちEGR率が目標EGR率より小さい場合)には弁開度の小さい方のEGR弁の開度をフィードバック制御するようにした。
この場合、実施例2のようなEGR弁感度の判定のための試験的なEGR弁開度の変更及びそれに伴うEGR率の変化量の測定を実施せずにEGR弁感度を判定するので、実施例2の場合と比較してEGR弁感度の判定精度は若干落ちる可能性はあるが、現時点での各EGR弁開度の大小比較のみに基づいてEGR弁の感度を判定するので、より短時間で簡単にEGR弁の感度を判定することができ、応答性良くEGR率を目標EGR率に追従させることができる。
本実施例のEGR制御の具体的な実行手順について図5に基づいて説明する。図5は、本実施例のEGR制御ルーチンを示すフローチャートである。このルーチンはECU20のROMに予め記憶されたコンピュータプログラムであり、内燃機関1の運転中所定間隔毎に繰り返し実行される。
このEGR制御ルーチンが実行されると、まずECU20は、内燃機関1の運転状態を検出する(ステップS501)。
次に、ステップS501で検出した運転状態に応じた基本高圧EGR弁開度及び基本高圧EGR弁開度をECU20のROMから読み込むとともに、該基本高圧EGR弁開度及び該基本低圧EGR弁開度に高圧EGR弁42及び低圧EGR弁32を制御する(ステップS502及びステップS503)。
そして、EGR率が目標EGR率と一致しているか否かを判定する(ステップS504)。ステップS501〜ステップS504の制御は図4に示した実施例2のEGR制御ルーチンにおけるステップS401〜ステップS404の制御と同じである。
ステップS504において、EGR率が目標EGR率より大きいと判定された場合には、ECU20は現時点における高圧EGR弁開度と低圧EGR弁開度とを比較し(ステップS505)、低圧EGR弁開度の方が大きい場合には低圧EGR弁32の開度をフィードバック制御し(ステップS506)、高圧EGR弁開度が低圧EGR弁開度以上の場合には高圧EGR弁42の開度をフィードバック制御する(ステップS507)。
一方、ステップS504において、EGR率が目標EGR率より小さいと判定された場合には、ECU20は現時点における高圧EGR弁開度と低圧EGR弁開度とを比較し(ステップS508)、低圧EGR弁開度の方が高圧EGR弁開度より小さい場合には低圧EGR弁32の開度をフィードバック制御し(ステップS509)、高圧EGR弁開度が低圧EGR弁開度以下の場合には高圧EGR弁42の開度をフィードバック制御する(ステップS510)。
このようにしてステップS504において肯定判定されるまでECU20は開度比較に基づいて高圧EGR弁42又は低圧EGR弁32の開度のフィードバック制御を行い、ス
テップS504において肯定判定された時に本ルーチンの実行を一旦終了する。
次に、実施例4について説明する。本実施例は、実施例1のEGR制御を行っている時に、一時的な過渡状態や背圧変動や排気脈動等の外乱のためにEGR率を目標EGR率に一致させることが困難な状況になった場合に実行して好適なEGR制御である。
以下では、実施例1のEGR制御をベースモードEGR制御という。すなわち、ベースモードEGR制御では、内燃機関1の運転状態がHPL領域に属している時には高圧EGR装置40のみを用いてEGRが行われ、その際高圧EGR弁42の開度がフィードバック制御される。また、内燃機関1の運転状態がMIX領域に属している時には高圧EGR装置40及び低圧EGR装置30を併用してEGRが行われ、その際高圧EGR弁42の開度がフィードバック制御されるとともに低圧EGR弁32の開度が基本低圧EGR弁開度にオープンループ制御される。また、内燃機関1の運転状態がLPL領域に属している時には低圧EGR装置30のみを用いてEGRが行われ、その際低圧EGR弁32の開度がフィードバック制御される。
本実施例では、ベースモードEGR制御に従ってフィードバック制御対象のEGR弁が決定され、高圧EGR弁42又は低圧EGR弁32の開度がフィードバック制御されている時に、フィードバック制御の対象となっている方のEGR弁の開度が所定の操作限界開度に達し、それでもなおEGR率が目標EGR率に一致しない場合に、該フィードバック制御対象となっていない方のEGR弁の開度をフィードバック制御対象とするテンポラリモードに移行する。
図6は、内燃機関1の各運転領域におけるベースモードからテンポラリモードへ移る場合の移行条件と、テンポラリモードからベースモードへ戻る場合の復帰条件と、ベースモード及びテンポラリモードにおける高圧EGR弁42及び低圧EGR弁32の制御方法を示している。
図6に示すように、内燃機関1の運転状態がHPL領域に属している時には、高圧EGR弁42の開度が100%(全開)に達してもなおEGR率が目標EGR率未満の場合に、ベースモードからテンポラリモードに移行する。本実施例では、全開が本発明におけるHPL上限開度に相当する。テンポラリモードでは高圧EGR弁42の開度が全開に固定されるとともに、低圧EGR弁32の開度がフィードバック制御される。これにより、HPL領域においても一時的に低圧EGRが実施されることになるので、EGRガス量を増加させることができ、EGR率を目標EGR率に好適に追随させることができる。テンポラリモードにおいて低圧EGR弁32の開度が0%(全閉)に達した時に、テンポラリモードからベースモードに戻る。これは、もはや低圧EGRによる補助を必要としないと判断できるからである。
また、内燃機関1の運転状態がMIX領域に属している時には、高圧EGR弁42の開度が0%(全閉)に達してもなおEGR率が目標EGR率より大きい場合に、ベースモードからテンポラリモードに移行する。本実施例では、全閉が本発明におけるHPL下限開度に相当する。テンポラリモードでは高圧EGR弁42の開度が全閉に固定されるとともに、低圧EGR弁32の開度がフィードバック制御される。これにより、MIX領域においても一時的に低圧EGR弁32の開度のフィードバック制御が実行され、EGRガス量を減少させることができ、EGR率を目標EGR率に好適に追随させることができる。テンポラリモードにおいて低圧EGR弁32の開度が基本低圧EGR弁開度以上となった時に、テンポラリモードからベースモードに戻る。
また、内燃機関1の運転状態がMIX領域に属している時に、高圧EGR弁42の開度が100%(全開)に達してもなおEGR率が目標EGR率未満の場合にも、ベースモードからテンポラリモードに移行する。この場合、テンポラリモードでは高圧EGR弁42の開度が全開に固定されるとともに、低圧EGR弁32の開度がフィードバック制御される。これにより、MIX領域においても一時的に低圧EGR弁32の開度のフィードバック制御が実行され、EGRガス量を増加させることができ、EGR率を目標EGR率に好適に追随させることができる。テンポラリモードにおいて低圧EGR弁32の開度が基本低圧EGR弁開度以下となった時に、テンポラリモードからベースモードに戻る。
また、内燃機関1の運転状態がLPL領域に属している時には、低圧EGR弁32の開度が100%(全開)に達してもなおEGR率が目標EGR率未満の場合に、ベースモードからテンポラリモードに移行する。本実施例では、全開が本発明におけるLPL上限開度に相当する。テンポラリモードでは低圧EGR弁32の開度が全開に固定されるとともに、高圧EGR弁42の開度がフィードバック制御される。これにより、LPL領域においても一時的に高圧EGR弁42の開度のフィードバック制御が実行され、EGRガス量を増加させることができ、EGR率を目標EGR率に好適に追随させることができる。テンポラリモードかにおいて高圧EGR弁42の開度が0%(全閉)に達した時に、テンポラリモードからベースモードに戻る。
以上説明したEGR制御を行えば、例えば内燃機関1の定常運転中に一時的な過渡状態や背圧変動による外乱が加わった場合などにおいても、より確実にEGR率を目標EGR率に制御することが可能になる。
本実施例のEGR制御の具体的な実行手順について図7〜図10に基づいて説明する。図7〜図10は、本実施例のEGR制御ルーチンを示すフローチャートである。このルーチンはECU20のROMに予め記憶されたコンピュータプログラムであり、内燃機関1の運転中所定間隔毎に繰り返し実行される。
このEGR制御ルーチンが実行されると、図7に示すように、ECU20は内燃機関の運転状態を検出する(ステップS701)。具体的には、クランクポジションセンサ16によって検出されるクランク角度から機関回転数を算出するとともに、アクセル開度センサ15によって検出されるアクセル開度から機関負荷を算出する。
次に、ステップS701で検出した運転状態に応じた基本低圧EGR弁開度及び基本高圧EGR弁開度をECU20のROMから読み込むとともに、該基本高圧EGR弁開度及び該基本低圧EGR弁開度に高圧EGR弁42及び低圧EGR弁32を制御する(ステップS702)。
次に、ステップS701で検出した運転状態に応じたEGRモードを決定する(ステップS703)。具体的には、運転状態がHPL領域に属している場合には、図8に示すサブルーチンAを実行する。また、運転状態がMIX領域に属している場合には、図9に示すサブルーチンBを実行する。また、運転状態がLPL領域に属している場合には、図10に示すサブルーチンCを実行する。サブルーチンA、B、又はCを実行したECU20は図7のルーチンにおけるA’、B’、又はC’に戻り、本ルーチンの実行を一旦終了する。
ここで、内燃機関1の運転状態がHPL領域に属している場合のEGR制御サブルーチンAについて、図8に基づいて説明する。図8はEGR制御サブルーチンAを示すフローチャートである。
ステップS801において、ECU20はベースモードでEGR制御を行う。すなわち、高圧EGR装置40のみを用いてEGRを行い、この際高圧EGR弁42の開度をフィードバック制御する。
ステップS802において、ECU20はEGR率が目標EGR率と一致しているか否かを判定する。ステップS802において肯定判定された場合、図7のA’に戻って本ルーチンの実行を一旦終了する。ステップS802においてEGR率が目標EGR率より大きいと判定された場合、ECU20はステップS801に戻ってベースモードを継続する。一方、ステップS802においてEGR率が目標EGR率より小さいと判定された場合、ECU20はステップS803に進む。
ステップS803において、ECU20は高圧EGR弁42の開度が100%(全開)に達しているか否かを判定する。ステップS803において否定判定された場合、ECU20はステップS801に戻ってベースモードを継続する。一方、ステップS803において肯定判定された場合、ECU20はステップS804に進む。
ステップS804において、ECU20はテンポラリモードに移行する。すなわち、高圧EGR弁42の開度を全開に固定するとともに、低圧EGR弁32の開度をフィードバック制御する。
ステップS805において、ECU20はEGR率が目標EGR率と一致しているか否かを判定する。ステップS805において肯定判定された場合、図7のA’に戻って本ルーチンの実行を一旦終了する。ステップS805においてEGR率が目標EGR率より大きいと判定された場合、ECU20はステップS801に戻ってベースモードに戻る。一方、ステップS805においてEGR率が目標EGR率より小さいと判定された場合、ECU20はステップS806に進む。
ステップS806において、ECU20は低圧EGR弁32の開度が0%(全閉)に達しているか否かを判定する。ステップS806において肯定判定された場合、ECU20はステップS801に戻ってベースモードに戻る。一方、ステップS806において否定判定された場合、ECU20はステップS807に進む。
ステップS807において、ECU20は低圧EGR弁32の開度が100%(全開)に達しているか否かを判定する。ステップS807において否定判定された場合、ECU20はステップS804に戻りテンポラリモードを継続する。一方、ステップS807において肯定判定された場合、ECU20はステップS808に進む。
ステップS808において、ECU20は第1吸気絞り弁6を絞り、低圧EGR通路31の上下流に差圧を作ることで低圧EGRガス量を増大させ、EGR率を目標EGR率に近付けることを図る。これを本実施例では吸気絞りモードという。
ステップS809において、ECU20はEGR率が目標EGR率と一致しているか否かを判定する。ステップS809において肯定判定された場合、ECU20は図7のA’に戻って本ルーチンの実行を一旦終了する。ステップS809においてEGR率が目標EGR率より大きいと判定された場合、ECU20はステップS801に戻ってベースモードに戻る。一方、ステップS809においてEGR率が目標EGR率より小さいと判定された場合、ECU20はステップS808に戻って吸気絞りモードを継続する。
次に、内燃機関1の運転状態がMIX領域に属している場合のEGR制御サブルーチンBについて、図9に基づいて説明する。図9はEGR制御サブルーチンBを示すフローチ
ャートである。
ステップS901において、ECU20はベースモードでEGR制御を行う。すなわち、高圧EGR装置40及び低圧EGR装置30を併用してEGRを行い、この際高圧EGR弁42の開度をフィードバック制御するとともに、低圧EGR弁32の開度を基本低圧EGR弁開度に制御する。
ステップS902において、ECU20はEGR率が目標EGR率と一致しているか否かを判定する。ステップS902において肯定判定された場合、図7のB’に戻って本ルーチンの実行を一旦終了する。ステップS902においてEGR率が目標EGR率より小さいと判定された場合、ECU20はステップS903に進む。一方、ステップS902においてEGR率が目標EGR率より大きいと判定された場合、ECU20はステップS910に進む。
ステップS903において、ECU20は高圧EGR弁42の開度が100%(全開)に達しているか否かを判定する。ステップS903において否定判定された場合、ECU20はステップS901に戻ってベースモードを継続する。一方、ステップS903において肯定判定された場合、ECU20はステップS904に進む。
ステップS904において、ECU20はテンポラリモードに移行する。すなわち、高圧EGR弁42の開度を全開に固定するとともに、低圧EGR弁32の開度をフィードバック制御する。
ステップS905において、ECU20はEGR率が目標EGR率と一致しているか否かを判定する。ステップS905において肯定判定された場合、図7のB’に戻って本ルーチンの実行を一旦終了する。ステップS905においてEGR率が目標EGR率より小さいと判定された場合、ECU20はステップS906に進む。一方、ステップS905においてEGR率が目標EGR率より大きいと判定された場合、ECU20はステップS910に進む。
ステップS906において、ECU20は低圧EGR弁32の開度が基本低圧EGR弁開度以下になっているか否かを判定する。ステップS906において肯定判定された場合、ECU20はステップS901に戻ってベースモードに戻る。一方、ステップS906において否定判定された場合、ECU20はステップS907に進む。
ステップS907において、ECU20は低圧EGR弁32の開度が100%(全開)に達しているか否かを判定する。ステップS907において否定判定された場合、ECU20はステップS904に戻ってテンポラリモードを継続する。一方、ステップS907において肯定判定された場合、ECU20はステップS908に進む。
ステップS908において、ECU20は高圧EGR弁42及び低圧EGR弁32をともに全開に固定し、且つ第1吸気絞り弁6の開度を絞ることによってEGRガス量を増加させる吸気絞りモードに移行する。
ステップS909において、ECU20はEGR率が目標EGR率と一致しているか否かを判定する。ステップS909において肯定判定された場合、図7のB’に戻って本ルーチンの実行を一旦終了する。ステップS909においてEGR率が目標EGR率より小さいと判定された場合、ECU20はステップS908に戻り、吸気絞りモードを継続する。一方、ステップS909においてEGR率が目標EGR率より大きいと判定された場合、ECU20はステップS910に進む。
ステップS910において、ECU20は高圧EGR弁42の開度が0%(全閉)に達しているか否かを判定する。ステップS910において否定判定された場合、ECU20はステップS901に戻ってベースモードを継続する。一方、ステップS910において肯定判定された場合、ECU20はステップS911に進む。
ステップS911において、ECU20はテンポラリモードに移行する。すなわち、高圧EGR弁42の開度を全閉に固定するとともに、低圧EGR弁32の開度をフィードバック制御する。
ステップS912において、ECU20はEGR率が目標EGR率と一致しているか否かを判定する。ステップS912において肯定判定された場合、図7のB’に戻って本ルーチンの実行を一旦終了する。ステップS912においてEGR率が目標EGR率より小さいと判定された場合、ECU20はステップS903に進む。一方、ステップS912においてEGR率が目標EGR率より大きいと判定された場合、ECU20はステップS913に進む。
ステップS913において、ECU20は低圧EGR弁32の開度が基本低圧EGR弁開度以上になっているか否かを判定する。ステップS913において肯定判定された場合、ECU20はステップS901に戻ってベースモードに戻る。一方、ステップS913において否定判定された場合、ECU20はステップS911に戻りテンポラリモードを継続する。
次に、内燃機関1の運転状態がLPL領域に属している場合のEGR制御サブルーチンCについて、図10に基づいて説明する。図10はEGR制御サブルーチンCを示すフローチャートである。
ステップS101において、ECU20はベースモードでEGR制御を行う。すなわち、低圧EGR装置30のみを用いてEGRを行い、この際低圧EGR弁32の開度をフィードバック制御する。
ステップS102において、ECU20はEGR率が目標EGR率と一致しているか否かを判定する。ステップS102において肯定判定された場合、図7のC’に戻って本ルーチンの実行を一旦終了する。ステップS102においてEGR率が目標EGR率より大きいと判定された場合、ECU20はステップS101に戻ってベースモードを継続する。一方、ステップS102においてEGR率が目標EGR率より小さいと判定された場合、ECU20はステップS103に進む。
ステップS103において、ECU20は低圧EGR弁32の開度が100%(全開)に達しているか否かを判定する。ステップS103において否定判定された場合、ECU20はステップS101に戻ってベースモードを継続する。一方、ステップS103において肯定判定された場合、ECU20はステップS104に進む。
ステップS104において、ECU20はテンポラリモードに移行する。すなわち、低圧EGR弁32の開度を全開に固定するとともに、高圧EGR弁42の開度をフィードバック制御する。
ステップS105において、ECU20はEGR率が目標EGR率と一致しているか否かを判定する。ステップS105において肯定判定された場合、図7のA’に戻って本ルーチンの実行を一旦終了する。ステップS105においてEGR率が目標EGR率より大
きいと判定された場合、ECU20はステップS101に戻ってベースモードに戻る。一方、ステップS105においてEGR率が目標EGR率より小さいと判定された場合、ECU20はステップS106に進む。
ステップS106において、ECU20は高圧EGR弁42の開度が0%(全閉)に達しているか否かを判定する。ステップS106において肯定判定された場合、ECU20はステップS101に戻ってベースモードに戻る。一方、ステップS106において否定判定された場合、ECU20はステップS107に進む。
ステップS107において、ECU20は高圧EGR弁42の開度が100%(全開)に達しているか否かを判定する。ステップS107において否定判定された場合、ECU20はステップS104に戻りテンポラリモードを継続する。一方、ステップS107において肯定判定された場合、ECU20はステップS108に進む。
ステップS108において、ECU20は高圧EGR弁42及び低圧EGR弁32をともに全開に固定し、且つ第1吸気絞り弁6の開度を絞ることによってEGRガス量を増加させる吸気絞りモードに移行する。
ステップS109において、ECU20はEGR率が目標EGR率と一致しているか否かを判定する。ステップS109において肯定判定された場合、ECU20は図7のA’に戻って本ルーチンの実行を一旦終了する。ステップS109においてEGR率が目標EGR率より大きいと判定された場合、ECU20はステップS101に戻ってベースモードに戻る。一方、ステップS109においてEGR率が目標EGR率より小さいと判定された場合、ECU20はステップS108に戻って吸気絞りモードを継続する。
なお、以上述べた実施の形態は本発明を説明するための一例であって、本発明の本旨を逸脱しない範囲内において上記の実施形態には種々の変更を加え得る。例えば、上記実施例ではEGR率の算出方法として吸入空気量と新気量とに基づく算出方法を例示したが、EGR率の算出方法としては、例えば、吸気マニホールド17における二酸化炭素濃度CCO2INを測定するセンサと排気マニホールド18における二酸化炭素濃度CCO2EXを測定するセンサとを設け、EGR率=CCO2IN/CCO2EXに基づいて算出する方法も採用し得る。
また、上記実施例2では、EGR弁の感度判定において、エアフローメータ7によって検出される新気量の変化量に基づいてEGR率の変化量を推定しているが、これも同様に吸気マニホールド17における二酸化炭素濃度と排気マニホールド18における二酸化炭素濃度の測定値に基づいて推定するようにしても良い。
各実施例の内燃機関の排気再循環システムを適用する内燃機関の吸排気系及び制御系の概略構成を示す図である。 各実施例において内燃機関の運転状態の領域毎に定められたEGRモードを示す図である。 実施例1におけるEGR制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施例2におけるEGR制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施例3におけるEGR制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施例4における内燃機関の各運転領域においてEGR制御がベースモードからテンポラリモードへ移る場合の移行条件と、EGR制御がテンポラリモードからベースモードへ戻る場合の復帰条件と、ベースモード及びテンポラリモードにおける高圧EGR弁及び低圧EGR弁の制御方法を示す表である。 実施例4におけるEGR制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施例4において内燃機関がHPL領域に属している場合に実行されるEGR制御サブルーチンを示すフローチャートである。 実施例4において内燃機関がMIX領域に属している場合に実行されるEGR制御サブルーチンを示すフローチャートである。 実施例4において内燃機関がLPL領域に属している場合に実行されるEGR制御サブルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
2 気筒
3 吸気管
4 排気管
5 ノズルベーン
6 第1吸気絞り弁
7 エアフローメータ
8 インタークーラ
9 第2吸気絞り弁
10 排気浄化装置
11 コンプレッサ
12 タービン
13 フィルタ
14 過給圧センサ
15 アクセル開度センサ
16 クランクポジションセンサ
17 吸気マニホールド
18 排気マニホールド
19 排気絞り弁
20 ECU
21 排気温度センサ
30 低圧EGR装置
31 低圧EGR通路
32 低圧EGR弁
33 低圧EGRクーラ
40 高圧EGR装置
41 高圧EGR通路
42 高圧EGR弁

Claims (7)

  1. 内燃機関の吸気通路にコンプレッサを有し且つ前記内燃機関の排気通路にタービンを有するターボチャージャと、
    前記タービンより上流の排気通路と前記コンプレッサより下流の吸気通路とを接続する高圧EGR通路を介して排気の一部を内燃機関に再循環させる高圧EGR手段と、
    前記タービンより下流の排気通路と前記コンプレッサより上流の吸気通路とを接続する低圧EGR通路を介して排気の一部を内燃機関に再循環させる低圧EGR手段と、
    前記高圧EGR通路に設けられ高圧EGR通路を流れる排気の量を変更する高圧EGR弁と、
    前記低圧EGR通路に設けられ低圧EGR通路を流れる排気の量を変更する低圧EGR弁と、
    前記高圧EGR弁及び前記低圧EGR弁をそれぞれ前記内燃機関の運転状態毎に予め定められる基本高圧EGR弁開度及び基本低圧EGR弁開度に制御することで、前記内燃機関の運転状態が低負荷の領域である所定のHPL領域に属する場合には前記高圧EGR手段のみを用いて前記内燃機関に排気の一部を再循環させ、前記内燃機関の運転状態が中負荷の領域である所定のMIX領域に属する場合には前記低圧EGR手段及び前記高圧EGR手段の両方を用いて前記内燃機関に排気の一部を再循環させ、前記内燃機関の運転状態が高負荷の領域である所定のLPL領域に属する場合には前記低圧EGR手段のみを用いて前記内燃機関に排気の一部を再循環させるEGR制御手段と、
    を備え、
    前記EGR制御手段は、EGR率が所定の目標EGR率になるように、前記内燃機関の運転状態が前記MIX領域に属する時には前記高圧EGR弁の開度をフィードバック制御するとともに前記低圧EGR弁の開度を前記基本低圧EGR弁開度にオープンループ制御することを特徴とする内燃機関の排気再循環システム。
  2. 請求項1において、
    前記EGR制御手段は、前記高圧EGR弁の開度の変更に対するEGR率の変化の感度と、前記低圧EGR弁の開度の変更に対するEGR率の変化の感度とを比較し、より感度の高い方のEGR弁の開度をフィードバック制御するとともに他方のEGR弁の開度をオープンループ制御する内燃機関の排気再循環システム。
  3. 請求項2において、
    前記EGR制御手段は、
    EGR率が目標EGR率より小さい時には、現在の前記高圧EGR弁の開度と現在の前記低圧EGR弁の開度とを比較して、開度の小さい方のEGR弁の感度が他方のEGR弁の感度より高いと判定し、
    EGR率が目標EGR率より大きい時には、現在の前記高圧EGR弁の開度と現在の前記低圧EGR弁の開度とを比較して、開度の大きい方のEGR弁の感度が他方のEGR弁の感度より高いと判定する内燃機関の排気再循環システム。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記EGR制御手段は、前記高圧EGR弁及び前記低圧EGR弁のうちフィードバック制御の対象となっている方のEGR弁の開度が所定の操作限界開度に達し、且つEGR率が前記目標EGR率に一致しない場合には、該フィードバック制御の対象となっていない方のEGR弁の開度をフィードバック制御する内燃機関の排気再循環システム。
  5. 請求項4において、
    前記EGR制御手段は、前記内燃機関の運転状態が前記HPL領域に属する時に、
    前記高圧EGR弁の開度が所定のHPL上限開度以上となってもなおEGR率が目標
    EGR率未満である場合には、一時的に前記低圧EGR弁の開度をフィードバック制御するとともに前記高圧EGR弁の開度を該HPL上限開度にオープンループ制御する内燃機関の排気再循環システム。
  6. 請求項4又は5において、
    前記EGR制御手段は、前記内燃機関の運転状態が前記MIX領域に属する時に、
    前記高圧EGR弁の開度が所定のHPL下限開度以下となってもなおEGR率が目標EGR率より大きい場合には、一時的に前記低圧EGR弁の開度をフィードバック制御するとともに前記高圧EGR弁の開度を該HPL下限開度にオープンループ制御し、
    前記高圧EGR弁の開度が所定のHPL上限開度以上となってもなおEGR率が目標EGR率未満である場合には、一時的に前記低圧EGR弁の開度をフィードバック制御するとともに前記高圧EGR弁の開度を該HPL上限開度にオープンループ制御する内燃機関の排気再循環システム。
  7. 請求項4〜6のいずれかにおいて、
    前記EGR制御手段は、前記内燃機関の運転状態が前記LPL領域に属する時に、
    前記低圧EGR弁の開度が所定のLPL上限開度以上となってもなおEGR率が目標EGR率未満である場合には、一時的に前記高圧EGR弁の開度をフィードバック制御するとともに前記低圧EGR弁の開度を該LPL上限開度にオープンループ制御する内燃機関の排気再循環システム。
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