JP4777463B2 - プラズマジェット点火プラグ - Google Patents

プラズマジェット点火プラグ Download PDF

Info

Publication number
JP4777463B2
JP4777463B2 JP2010059396A JP2010059396A JP4777463B2 JP 4777463 B2 JP4777463 B2 JP 4777463B2 JP 2010059396 A JP2010059396 A JP 2010059396A JP 2010059396 A JP2010059396 A JP 2010059396A JP 4777463 B2 JP4777463 B2 JP 4777463B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plasma jet
ignition plug
jet ignition
plasma
discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010059396A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010257949A (ja
Inventor
悌丞 中野
美邦 佐藤
裕之 亀田
直史 山村
大輔 笠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Spark Plug Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2010059396A priority Critical patent/JP4777463B2/ja
Priority to US12/749,656 priority patent/US8558441B2/en
Priority to EP10158481.1A priority patent/EP2239458B1/en
Publication of JP2010257949A publication Critical patent/JP2010257949A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4777463B2 publication Critical patent/JP4777463B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P9/00Electric spark ignition control, not otherwise provided for
    • F02P9/002Control of spark intensity, intensifying, lengthening, suppression
    • F02P9/007Control of spark intensity, intensifying, lengthening, suppression by supplementary electrical discharge in the pre-ionised electrode interspace of the sparking plug, e.g. plasma jet ignition
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01TSPARK GAPS; OVERVOLTAGE ARRESTERS USING SPARK GAPS; SPARKING PLUGS; CORONA DEVICES; GENERATING IONS TO BE INTRODUCED INTO NON-ENCLOSED GASES
    • H01T13/00Sparking plugs
    • H01T13/50Sparking plugs having means for ionisation of gap

Description

本発明は、プラズマを形成して混合気への点火を行う内燃機関用のプラズマジェット点火プラグの点火装置に関するものである。
従来、例えば自動車用の内燃機関であるエンジンの着火用のプラグには、火花放電(単に「放電」ともいう。)により混合気への着火を行うスパークプラグが使用されている。近年、内燃機関の高出力化や低燃費化が求められており、燃焼の広がりが速く、着火限界空燃比のより高い希薄混合気に対しても確実に着火できる着火性の高い点火プラグとして、プラズマジェット点火プラグが知られている。
このようなプラズマジェット点火プラグは、電源に接続されて使用される際に中心電極と接地電極との間の火花放電間隙が形成される。プラズマジェット点火プラグは、この火花放電間隙の周囲をセラミックス等の絶縁碍子で包囲して、キャビティと称する小さな容積の放電空間を形成した構造を有している。重畳式の電源を使用する場合のプラズマジェット点火プラグを一例(例えば、特許文献1参照。)を以って説明すると、混合気への点火の際には、まず、中心電極と接地電極との間に高電圧が印加され、火花放電(「トリガー放電」ともいう)が行われる。このときに生じた絶縁破壊によって、両者間には比較的低電圧で電流を流すことができるようになる。そこで更にエネルギーを供給することで放電状態を遷移させ、キャビティ内でプラズマが形成される。そして、形成されたプラズマが連通孔(いわゆるオリフィス)を通じて噴出されることによって、混合気への着火が行われるのである。プラズマの噴出の観点からはこの行程が1回に相当する。
このようなプラズマジェット点火プラグでは、プラズマを形成する際に、一般的なスパークプラグにおいて火花放電のために流される電流よりも大きな電流を火花放電間隙に流す必要がある。流す電流を大きくするためには電流の流れる回路上の電気抵抗値を低くする必要があるため、これまで、プラズマジェット点火プラグの内部に抵抗器を設けるという考えはなかった(例えば、特許文献2参照。)。
特開2002−327672号公報 特開昭57−28869号公報
しかしながら、プラズマジェット点火プラグには短時間のうちに大きな電流が流されることとなるため、単位時間あたりの電流値の変動が激しい。このため、抵抗器が設けられていないプラズマジェット点火プラグは、容量放電による絶縁体や電極の消耗が激しく、また、容量放電時に大きな電雑ノイズ(本明細書では、機器の外部に輻射される電磁波等のノイズのことを「電雑ノイズ」と称することがある。電子機器内に高周波電流が流れるとそれによって電雑ノイズが輻射され、これが外部の機器や他の信号に干渉して影響を及ぼすこととなる。)を発生してしまう。一方で、容量放電による絶縁体や電極の消耗や容量放電時の大きな電雑ノイズを抑制するために、プラズマジェット点火プラグに流れる電流の電流値を抑えることも考えられるが、容量放電時に発生する放電電流が小さくなる結果、プラズマの形成に十分な大きさの容量放電によるエネルギーが得られなくなる虞がある。このように、容量放電による絶縁体や電極の消耗や容量放電時の大きな電雑ノイズを抑制することと、プラズマの形成に十分な大きさの容量放電の発生することと、はトレードオフの関係にあり、この関係の中で最適な構造のプラズマジェット点火プラグが求められている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、プラズマジェット点火プラグの点火時に、プラズマを形成するのに十分な大きさの電流を火花放電間隙に流しつつも、電雑ノイズの発生を抑制することができるプラズマジェット点火プラグを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係るプラズマジェット点火プラグは、下記(1)〜(3)を特徴としている。
(1) 軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、先端が前記絶縁体の先端よりも前記軸線方向後端側に位置するようにして前記軸孔内に配置される中心電極と、前記絶縁体の外周に配置される略筒状の主体金具と、前記中心電極との間で火花放電間隙を形成する接地電極とを備えるプラズマジェット点火プラグであって、
前記中心電極および前記接地電極の少なくとも一方には、インダクタンスが1μH以上100μH以下、且つ抵抗値が1Ω以下の抵抗器が電気接続されていることを特徴とするプラズマジェット点火プラグ。
(2) 上記(1)の構成のプラズマジェット点火プラグであって、
前記抵抗器は、前記中心電極の後端部に、連結して設けられていること。
(3) 上記(1)の構成のプラズマジェット点火プラグであって、
前記抵抗器は、一端が前記接地電極に、他端が前記主体金具に連結して設けられていること。
上記(1)の構成のプラズマジェット点火プラグによれば、プラズマジェット点火プラグの点火時に、プラズマを形成するのに十分な大きさの電流を火花放電間隙に流しつつも、電雑ノイズの発生を抑制することができる。
なお、プラズマジェット点火プラグのようにプラズマによる混合気への着火を考慮しないスパークプラグのなかには、数十kΩ〜数kΩの抵抗器が設けられているものがある。従来、プラズマジェット点火プラグの内部に抵抗器を設けるという考えがないため、上述のスパークプラグの抵抗器をプラズマジェット点火プラグに適用するという着想は有り得ない。しかし、仮に、上述のスパークプラグの抵抗器をプラズマジェット点火プラグに適用したとしても、プラズマによる混合気への着火を考慮せずに過剰な抵抗値が設定された抵抗器では、プラズマを形成するのに十分な大きさの電流を火花放電間隙に流すことができず、その結果、プラズマによる混合気への着火が実現し得ないことを述べておく。
上記(2)、または(3)の構成のプラズマジェット点火プラグによれば、簡易な構造によって、プラズマジェット点火プラグに抵抗器を設けることができる。
本発明のプラズマジェット点火プラグによれば、プラズマジェット点火プラグの点火時に、プラズマを形成するのに十分な大きさの電流を火花放電間隙に流しつつも、電雑ノイズの発生を抑制することができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
プラズマジェット点火プラグの基本的な構成を示す部分断面図である。 図1に示したプラズマジェット点火プラグの一部分を拡大して表す部分断面図である。 図2に示したプラズマジェット点火プラグを用いた点火装置の構成例を示す電気回路図である。 図2に示したプラズマジェット点火プラグ内部の等価回路を含む点火装置の回路構成を示す電気回路図である。 プラズマジェット点火プラグに印加される放電電圧及び放電電流の波形の具体例を示す波形図である。 変形例1におけるプラズマジェット点火プラグの一部分を拡大して表す図であり、(a)がその部分断面図であり、(b)がその上面図である。 変形例1におけるプラズマジェット点火プラグ内部の等価回路を含む点火装置の回路構成を示す電気回路図である。 変形例2におけるプラズマジェット点火プラグの一部分を拡大して表す図であり、(a)がその部分断面図であり、(b)がその上面図である。 変形例4におけるプラズマジェット点火プラグを先端側から見た状態を表す平面図である。 変形例4におけるプラズマジェット点火プラグの一部分を拡大して表す部分断面図である。 本発明のプラズマジェット点火プラグの試作品の特性に関する評価結果を表すグラフである。 図2に示したプラズマジェット点火プラグ内部の等価回路を含む点火装置の回路構成を示す電気回路図である。 プラズマジェット点火プラグに印加される放電電圧と放電電流の波形の具体例を示す波形図である。
以下、本発明を具体化したプラズマジェット点火プラグの一実施の形態について、図面を参照して説明する。本発明のプラズマジェット点火プラグ100に関する基本的な構成が図1に示されている。なお、図1において、プラズマジェット点火プラグ100の軸線方向Oを図面における上下方向とし、下側をプラズマジェット点火プラグ100の先端側、上側を後端側として説明する。
図1に示す、プラズマジェット点火プラグ100は、周知のようにアルミナ等を焼成してなる絶縁部材であり、軸線方向Oへ延びる軸孔12が形成された筒状の絶縁碍子10を有する(絶縁碍子10を絶縁体と称することがある。)。絶縁碍子10は、軸線方向Oの略中央に、外径の最も大きな中胴部19を有する。この中胴部19の後端側には、中胴部19よりも縮径された外径を持つ後端側胴部18が、軸線方向O後端側(図1における上側)へ向け延びるように形成されている。また、中胴部19より先端側(図1における下側)には後端側胴部18よりも外径の小さな先端側胴部17が形成されている。さらにその先端側胴部17よりも先端側に、先端側胴部17よりも外径の小さな脚長部13が形成されている。そして絶縁碍子10の軸孔12のうち脚長部13の内周にあたる部分は、軸孔12のうちの他の部分よりも縮径され、電極収容部15として形成されている。この電極収容部15の内周は絶縁碍子10の先端面16に連続し、後述するキャビティ60の開口部14を形成している。
軸孔12のうちの電極収容部15の内部には、銅または銅合金を芯材に用い、Ni合金を外皮とする棒状の中心電極20が挿設されている。中心電極20は、Wで構成されている。または、中心電極20の先端に、貴金属やWを主成分とする合金からなる円盤状の電極チップ25を中心電極20と一体となるように接合した構成でもよい(なお、本実施の形態では、中心電極20と電極チップ25が一体となった形態も含めて「中心電極」と称する。)。中心電極20は、この中心電極20の先端(または、中心電極20と一体に接合された電極チップ25の先端)が、絶縁碍子10の脚長部13の先端面16よりも軸線方向O後端側に位置するように、電極収容部15内に配置される。このため、この中心電極20の先端と、軸孔12の電極収容部15の内周面とに囲まれて、容積の小さな放電空間が形成される。本実施の形態では、この放電空間をキャビティ60と称する。また、中心電極20は軸孔12内を後端側へ向けて延びており、後述する巻線抵抗器21及び金属とガラスの混合物からなる導電性のシール体4を経由して、軸孔12の後端側に設けられた端子金具40と電気的に接続されている。この端子金具40にはプラグキャップ(図示外)を介して高圧ケーブル(図示外)が接続され、後述する点火装置200(図3参照)から高電圧が印加されるようになっている。
また、絶縁碍子10は、鉄系の材料を用いて略円筒状に形成された主体金具50に、後端側胴部18の一部から脚長部13にかけての部位の周囲を取り囲まれて、加締めにより保持されている。このように絶縁碍子10の外周に配置される主体金具50は、内燃機関のエンジンヘッドにプラズマジェット点火プラグ100を固定するための金具であり、エンジンヘッドの取付孔に螺合するねじ山が形成された取付ねじ部52を有する。そして取付ねじ部52の基端側には、プラズマジェット点火プラグ100をエンジンヘッドの取付孔に取り付けた際に、取付孔を介したエンジン内の気密漏れを防止するため、環状のガスケット5が嵌挿されている。
主体金具50の先端には、インコネル(商標名)600または601等の耐火花消耗性に優れたNi系合金を用い、円盤状に形成された接地電極30が設けられている。接地電極30は、厚み方向を軸線方向Oに揃え、絶縁碍子10の先端面16に当接した状態で、主体金具50と一体に接合されている。接地電極30の中央には連通孔31が穿設され、キャビティ60の開口部14に連なって同軸に配置されており、この連通孔31を介し、キャビティ60の内部と外気とが連通されている。接地電極30と中心電極20との間は火花放電間隙として形成されており、キャビティ60は、少なくともその一部の周囲を包囲する形態をなす。この火花放電間隙にて行われる火花放電の際にエネルギーが供給されて、キャビティ60内でプラズマが形成され、このプラズマが連通孔31を介し、開口部14から噴出される。
図1に示すプラズマジェット点火プラグ100の先端側の一部分(仮想線で囲んだ領域P)の詳細が図2に示されている。なお、図1と図2は図中の上下関係が互いに逆になっているので注意されたい。プラズマジェット点火プラグ100の先端方向は矢印Yで示す方向であり、図1における下方向は、図2における上方向である。
図2に示すように、中心電極20は周囲が絶縁碍子10によって囲まれた空間に配置されている。中心電極20の後端側(図2の下側)には絶縁材料により構成された円柱状のボビン22が連結されている。このボビン22の外周に沿って、抵抗率が一定の材料で構成された線材(金属等)が螺旋状(コイル状)に巻き付けられており、この線材が巻線抵抗器21を形成している。
巻線抵抗器21の一端21aは中心電極20の一端(20b)と電気的に接続してあり、巻線抵抗器21の他端21bは図1に示すシール体4を経由して端子金具40と電気的に接続してある。巻線抵抗器21は電気的には直流抵抗成分とインダクタンス成分とを含んでいる。本実施の形態では、巻線抵抗器21の直流抵抗が1Ω以下、且つインダクタンスが1μH以上100μH以下になるように線材の太さや巻数を決定してある(このような数値に決定した理由は追って詳述する。)。この直流抵抗の数値、およびインダクタンスの数値は、発明者が数値を変えて測定を繰り返した結果、本発明の目的である、プラグ内部の浮遊容量の影響で生じる電流を巻線抵抗器21で抑制しノイズを低減する点を達成する上で好ましいと認められた数値である。逆に、巻線抵抗器21の抵抗値が1Ωより大きいと、コンデンサCに溜めた電荷によって流れる電流(プラズマ化の為の電流。プラズマ電流と称することがある。)が制限されてしまい、プラズマを形成するのに十分な大きさのエネルギーを火花放電間隙に効率よく供給することができなくなってしまう(プラズマジェット点火プラグ100の着火性の低下)。また、1μHよりも小さいと、容量放電電流を十分低減することができず、容量放電時のノイズの低減や絶縁体の消耗に対して十分効果が得られない(ノイズの低減量の低下)。
中心電極20の外側を包囲する電極は、接地電極30及び主体金具50によって構成されている。接地電極30及び主体金具50は互いに電気的に接続され接地されている。接地電極30及び主体金具50と中心電極20との間は絶縁碍子10によって電気的に絶縁されている。
プラズマジェット点火プラグ100の先端側では、接地電極30の中央部に開口部14が形成されている。中心電極20の一端(20a)と開口部14との間に放電のための空隙としてキャビティ60が形成されている。中心電極20と接地電極30との間に高電圧を印加すると、キャビティ60の領域で絶縁破壊を起こしながら火花放電が発生する。また、火花放電の後で更に大きな電気エネルギーを供給することにより放電によってプラズマが生成される。このプラズマが、開口部14から矢印Y方向に柱状になって放出され混合気に点火する。
図1及び図2に示したプラズマジェット点火プラグ100を用いた点火装置200の電気回路の構成例が図3に示されている。図3に示すように、点火装置200は2つの高電圧発生回路210、220を備えている。一方の高電圧発生回路210は、プラズマジェット点火プラグ100の中心電極20と接地電極30との間で火花放電を行わせるための電源であり、数十kV程度の高電圧を一時的に出力する。もう一方の高電圧発生回路220は、火花放電が生じた後で、プラズマの発生に必要な電気エネルギーをプラズマジェット点火プラグ100に供給するための電源であり、500V程度の高電圧を出力する。高電圧発生回路210から供給される電力と高電圧発生回路220から供給される電力とによって、プラズマジェット点火プラグ100の開口部14からエンジンヘッドの内側空間に向けてプラズマが噴出し、このプラズマにより混合気への点火が行われる。
図3に示す高電圧発生回路210は、点火コイル211及びトランジスタQ1を備えている。点火コイル211は一次側巻線L1と二次側巻線L2を有する高圧トランスである。点火コイル211の一次側巻線L1は、一端が直流電源(バッテリー等に相当する)230のプラス側端子と接続され、他端がトランジスタQ1のコレクタ端子と接続されている。直流電源230のマイナス側端子はアースに接続されている。
トランジスタQ1の制御端子であるベース電極には、図示しない制御回路から点火コイル通電信号が印加される。この点火コイル通電信号は、プラズマジェット点火プラグ100における放電の1サイクル毎に1つのパルス信号が現れる二値信号であり、トランジスタQ1のスイッチング制御に利用される。
すなわち、点火コイル通電信号が高レベルになると、トランジスタQ1が導通し、直流電源230から供給される電力により点火コイル211の一次側巻線L1に電流が流れる。また、点火コイル通電信号が低レベルになると、トランジスタQ1が非導通に切り替わり、点火コイル211の一次側巻線L1に流れる電流が急速に遮断される。点火コイル211の一次側巻線L1に電流が流れ始める時、並びに点火コイル211の一次側巻線L1の電流が遮断される時に、二次側巻線L2には高電圧が発生する。二次側巻線L2に発生する電圧は、一次側巻線L1と二次側巻線L2の巻数比によって決定される。
図3に示すように、高電圧発生回路210の出力端子210aは、ダイオードD1の一端であるカソード端子と接続され、ダイオードD1の他端であるアノード端子には抵抗器R1の一端が接続され、抵抗器R1の他端がプラズマジェット点火プラグ100の端子金具40と電気的に接続されている。ダイオードD1は電流の逆流を防止するために設けてある。すなわち、負極性の電圧により端子金具40から二次側巻線L2に向かう方向にのみ火花放電時の電流が流れるようにダイオードD1が極性を制御する。抵抗器R1の抵抗値については、100Ω以上が望ましい。
一方、高電圧発生回路220の出力端子とアースとの間にはコンデンサCが接続されている。また、高電圧発生回路220の出力端子にダイオードD2の一端であるカソード端子が接続され、ダイオードD2の他端であるアノード端子がプラズマジェット点火プラグ100の端子金具40と電気的に接続されている。ダイオードD2は電流の逆流を防止するために設けてある。すなわち、負極性の電圧により端子金具40から高電圧発生回路220の出力側に向かう方向にのみプラズマ放電時の電流が流れるようにダイオードD2が極性を制御する。
プラズマジェット点火プラグ100において放電を開始する時には、まず火花放電(トリガー放電とも言う)を発生させるために、高電圧発生回路210からプラズマジェット点火プラグ100に高電圧を供給する。すなわち、図3に示すトランジスタQ1が導通状態から非導通状態に切り替わる時、点火コイル211の二次側巻線L2に瞬間的に高電圧が発生し、この高電圧がアース電位に対し負極性の電圧として高電圧発生回路210の出力端子210aに現れ、この高電圧がダイオードD1及び抵抗器R1を介してプラズマジェット点火プラグ100の端子金具40に印加される。
一方、プラズマジェット点火プラグ100内部の電極間や、高電圧発生回路210とプラズマジェット点火プラグ100とを接続する高圧ケーブル(D1、R1を含む配線)とアースとの間や、点火コイル211の二次側巻線L2とアースとの間には浮遊容量が存在している。
高電圧発生回路210の出力端子210aに瞬間的に高電圧が現れると、この高電圧によって上記の各浮遊容量に電荷が蓄積される。プラズマジェット点火プラグ100における放電の初期(「容量放電」と言う:数ナノsec程度)には、高電圧によってキャビティ60内で絶縁破壊が生じ火花放電が生じるが、この時には前記各浮遊容量に蓄積された電荷の放出により、プラズマジェット点火プラグ100に電気エネルギーが供給される。また、前記各浮遊容量の電荷が放出された後は(「誘導放電」と言う:数μsec程度)、点火コイル211の二次側巻線L2のインダクタンスに蓄積されたエネルギーが放出され放電が継続する。
一方、放電によりプラズマを生じさせるためには大きな電気エネルギーをプラズマジェット点火プラグ100に供給する必要がある。高電圧発生回路210からプラズマジェット点火プラグ100に供給できる電流は比較的小さいので、プラズマを生じさせるためのエネルギーを別系統の高電圧発生回路220から供給する。実際には、高電圧発生回路220が出力する電力をコンデンサCに蓄積しておき、コンデンサCの電荷をダイオードD2を介してプラズマジェット点火プラグ100に供給する。なお、火花放電の後でプラズマ放電を行う場合には、火花放電の際に生じた絶縁破壊によって放電が生じやすくなっているので、比較的低い電圧でも放電を継続することができる。
実際には、高電圧発生回路210側からプラズマジェット点火プラグ100の端子金具40に印加される負極性の電圧が高電圧発生回路220に接続されているコンデンサCの端子間に現れる負極性の電圧よりも小さくなると、ダイオードD2が導通し、コンデンサCに蓄積された電荷がダイオードD2を介してプラズマジェット点火プラグ100に供給される。すなわち、プラズマジェット点火プラグ100のキャビティ60に生じるプラズマによって流れる電流(プラズマ電流という)は、端子金具40からダイオードD2を経由してコンデンサCに流れる。従って、「容量放電」のタイミングの途中からプラズマ電流が流れ始め、コンデンサCに蓄積された電荷の量に応じてプラズマ電流が継続的に流れる。
なお、コンデンサCの静電容量については、プラズマ形成時のエネルギー、すなわち火花放電間隙へのトリガー放電の際に浮遊容量によって供給されるエネルギー量と、コンデンサCから供給されるエネルギー量と和が、1回のプラズマ噴出を行うために供給される量(例えば150mJ)となるように、その静電容量が設定されている。これらのエネルギーによって火柱状(フレーム状)のプラズマを開口部14から噴出させることができ、プラズマにより混合気への点火を行うことができる。
ところで、前記「容量放電」のタイミングにおいては、高電圧の電荷によって放電電流の波形には非常に短い時間の間に振幅の大きい高周波電流が現れる(例えば図5のI12の波形)。この高周波電流によって電磁波等のノイズが輻射されると、輻射されたノイズが点火装置200の周囲の電子機器等に悪影響を及ぼすことになる。従って、点火装置200から輻射されるノイズを低減する必要がある。
図3に示すような構成の点火装置200においては、前記浮遊容量及び放電電圧が大きくなるに従って、「容量放電」の際の電流が大きくなり、輻射されるノイズも大きくなる。また、「容量放電」の際の電流が流れる経路に存在する直流抵抗が小さくなるほど、「容量放電」の際の電流が大きくなり輻射されるノイズも大きくなる。
一方、「容量放電」の際の電流が小さいと、プラズマ放電の際にプラズマジェット点火プラグ100にプラズマ電流を流し込みにくくなる。すなわち、「容量放電」の電流が小さいと、前記浮遊容量に蓄積された電荷が放出されるのに要する時間が長くなり、高電圧発生回路210側からプラズマジェット点火プラグ100に印加される負極性の高電圧が減衰するまでの時間が長くなる。この高電圧が十分に減衰しないとダイオードD2が導通しないので、プラズマ放電のためにコンデンサCの電荷をプラズマジェット点火プラグ100に供給することができない。
また、プラズマ電流が通るライン(ダイオードD2等が存在する電流経路)については、直流抵抗を小さくするのが望ましい。これにより、プラズマ電流のピーク値が大きくなり、プラズマの生成効率が改善される。
図3に示すように、高電圧発生回路210の出力とプラズマジェット点火プラグ100の端子金具40との間に抵抗器R1を挿入することにより、ノイズを低減することができる。すなわち、「容量放電」の際に、高電圧発生回路210とプラズマジェット点火プラグ100とを接続する高圧ケーブル(D1、R1を含む配線)とアースとの間や、点火コイル211の二次側巻線L2とアースとの間に存在する浮遊容量に蓄積された電荷によって流れる電流を抑制し放電の所要時間を長くすることにより、高周波電流の振幅が小さくなって輻射されるノイズが低減される。
高電圧発生回路210の出力とプラズマジェット点火プラグ100の端子金具40との間には大きい電流を流す必要はないので、この電流経路に直流抵抗値が比較的大きい(100Ω以上)抵抗器R1を挿入することができる。
しかし、「容量放電」の際の電流に影響を及ぼす浮遊容量については、高電圧発生回路210とプラズマジェット点火プラグ100とを接続する高圧ケーブル(D1、R1を含む配線)とアースとの間や、点火コイル211の二次側巻線L2とアースとの間に存在する浮遊容量の他にも存在するので、抵抗器R1を挿入するだけでは十分にノイズを低減できない。
図3に示した点火装置200の一部分に関する等価回路が図4に示されている。図4に示すように、プラズマジェット点火プラグ100の電極間、すなわち端子金具40や中心電極20と、アース側の接地電極30や主体金具50との間にも浮遊容量C100が存在している。この浮遊容量C100に蓄積された電荷によって生じる電流は抵抗器R1の存在する経路を通らないので、抵抗器R1を挿入するだけでは浮遊容量C100の電流が抑制できず、大きなノイズが発生する可能性がある。
浮遊容量C100によって流れる電流を制御するために、プラズマジェット点火プラグ100に内蔵した巻線抵抗器21が役立つ。すなわち、巻線抵抗器21には直流抵抗成分R21及びインダクタンス成分L21が含まれているので、この影響により「容量放電」の際に浮遊容量C100により流れる電流が抑制され、電流が流れる時間の長さも調整される。
ここで、巻線抵抗器21の直流抵抗を1Ω以下、且つインダクタンスを1μH以上100μH以下になるようにした点について、図4、図12、および図13を参照して説明する。
巻線抵抗器21には、容量放電時には図4に示すように浮遊容量C100を含む閉回路を流れる容量放電電流が流れるとともに、誘導放電時には図12に示すように接地電極30からコンデンサCに向って流れるプラズマ電流が流れる。図13に示すプラズマ電流のピーク値は、巻線抵抗器21の直流抵抗成分R21及びインダクタンス成分L21の値によって変わり、直流抵抗成分R21及びインダクタンス成分L21の値が小さいほどそのピーク値は大きくなり、直流抵抗成分R21及びインダクタンス成分L21の値が大きいほどそのピーク値は小さくなる。一方、プラズマジェット点火プラグ100によって良好な着火性を得るためには、キャビティ内で形成されたプラズマを連通孔(オリフィス)を通じて強く噴出させる必要があるが、このプラズマの噴出の強さは、上述のプラズマ電流のピーク値の大小に依存し、プラズマ電流のピーク値が大きいほど大きくなる。したがって、巻線抵抗器21の直流抵抗成分R21及びインダクタンス成分L21を設定するにあたっては、プラズマジェット点火プラグ100による着火性についても考慮する必要がある。
そこで、発明者は、直流抵抗成分R21の数値およびインダクタンス成分L21の数値と、浮遊容量C100に流れる電流に起因するノイズの低減量の度合いおよびプラズマジェット点火プラグ100による着火性と、の関係について検証を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0004777463
表1に示すように、直流抵抗成分R21の数値が1Ωより大きく、且つインダクタンス成分L21の数値が100μHより大きい場合には、ノイズの低減度合いは優れているものの、プラズマジェット点火プラグ100による高い着火性は得られなかった。また、直流抵抗成分R21の数値が1Ω以下、且つインダクタンス成分L21の数値が100μHより大きい場合には、ノイズの低減度合いは優れているものの、プラズマジェット点火プラグ100による高い着火性は得られなかった。また、直流抵抗成分R21の数値が1Ω以下、且つインダクタンス成分L21の数値が1μH以上100μH以下の場合には、ノイズの低減度合いは優れ、プラズマジェット点火プラグ100による高い着火性が得られた。また、直流抵抗成分R21の数値が1Ω以下、且つインダクタンス成分L21の数値が1μH未満の場合には、プラズマジェット点火プラグ100による高い着火性が得られるものの、ノイズの低減度合いは優れなかった。この検証の結果から、直流抵抗成分R21の数値が1Ω以下、且つインダクタンス成分L21の数値が1μH以上100μH以下の場合には、ノイズの低減度合いは優れ、且つ、プラズマジェット点火プラグ100による高い着火性が得られることがわかる。他方、直流抵抗成分R21の数値およびインダクタンス成分L21の数値の一方または両方がこの範囲に含まれない場合には、ノイズの低減度合いが優れない、あるいはプラズマジェット点火プラグ100による着火性が優れないことがわかる。この検証の結果を踏まえ、本発明では、巻線抵抗器21の直流抵抗が1Ω以下、且つインダクタンスが1μH以上100μH以下になるように線材の太さや巻数を設定した。
プラズマジェット点火プラグ100に印加される放電電圧及び放電電流の波形の具体例が図5に示されている。図5の右側に示されている放電電圧V11及び放電電流I11は、図2に示すような巻線抵抗器21を内蔵したプラズマジェット点火プラグ100の特性例であり、図5の左側に示されている放電電圧V12及び放電電流I12は巻線抵抗器21を内蔵しない一般的なプラズマジェット点火プラグの特性例である。
図5に示すように、巻線抵抗器21を内蔵したプラズマジェット点火プラグ100の放電電流I11については、巻線抵抗器21がない場合の放電電流I12に比べて振幅が小さくなっている。つまり、プラズマジェット点火プラグ100の内部に巻線抵抗器21を設けることにより、「容量放電」の際に浮遊容量C100により流れる高周波電流が抑制され、ノイズが低減されることを意味している。
また、巻線抵抗器21についてはノイズを抑制する以外の効果も得られる。すなわち、放電時にキャビティ60の近傍に存在する絶縁体の消耗が、巻線抵抗器21を設けることによって抑制される。プラズマジェット点火プラグ100の試作品に関する評価結果が図11、表1に示されている。図11には絶縁体の消耗具合に関する評価結果と、ノイズの強度に関する評価結果とが示されている。また、表1には直流抵抗成分R21の数値およびインダクタンス成分L21の数値と、絶縁体の消耗具合と、の関係についての検証の結果が示されている。図11に示すそれぞれの評価結果では、巻線抵抗器21が内蔵されている場合と、巻線抵抗器がプラズマジェット点火プラグ100の外側に接続されている場合と、巻線抵抗器が存在しない場合との特性を対比している。いずれの評価結果も、巻線抵抗器21が内蔵されている場合、および巻線抵抗器がプラズマジェット点火プラグ100の外側に接続されている場合において、巻線抵抗器が存在しない場合よりも向上していることが分かる。また、巻線抵抗器が存在する場合について詳細に検証した表1の結果から、直流抵抗成分R21の数値が1Ω以下、且つインダクタンス成分L21の数値が1μH以上100μH以下の場合には、ノイズの低減度合いは優れ、プラズマジェット点火プラグ100による高い着火性が得られるとともに、キャビティ60の近傍に存在する絶縁体の消耗が抑えられ高い耐久性を持っていることがわかる。
次に、上述のプラズマジェット点火プラグ100に関する変形例について説明する。
(変形例1)
変形例1におけるプラズマジェット点火プラグ100Bの先端側の一部分(図2の領域Pと同様の箇所)に関する部分断面が図6(a)に、その上面図が図6(b)に、それぞれ示されている。なお、図6において図1、図2と対応する要素は同一の符号を付けて示してある。図6に示した要素以外の構成については、図1のプラズマジェット点火プラグ100と同一である。
図6に示すプラズマジェット点火プラグ100Bにおいては、図2に示したプラズマジェット点火プラグ100とは異なる箇所に巻線抵抗器21Bが設けてある。図6に示すように、主体金具50Bの先端部50Baは絶縁碍子10の先端面10aよりも後端側に位置しており、絶縁碍子10の先端面10aは主体金具50Bよりも先端側(矢印Y方向)に突出している。
巻線抵抗器21Bを構成する導電性の線材は、絶縁碍子10の突出した部分の外周に沿って、螺旋状に巻き付けてある。巻線抵抗器21Bの特性については、巻線抵抗器21と同様に直流抵抗が1Ω以下、且つインダクタンスが1μH以上100μH以下になっている。巻線抵抗器21Bの一端21Baは、略直棒状の接地電極30Bに電気的に接続される。巻線抵抗器21Bの一端21Baは、たとえば、溶接によって接地電極30Bに電気的に接続される。一方、巻線抵抗器21Bの他端21Bbは、主体金具50Bの先端部50Baと電気的に接続してある。接地電極30Bは、図6(b)に示すように、その一端が巻線抵抗器21Bの一端21Baに接続され、その他端が中心電極20との間の放電に利用する電極としてキャビティ60Bの近傍に配置してある。
図6に示したプラズマジェット点火プラグ100B内部の等価回路を含む点火装置の回路構成が図7に示されている。図7に示すように、巻線抵抗器21Bは、放電に利用する接地電極30Bと主体金具50との間に挿入されている。
このように巻線抵抗器21Bが内蔵されたプラズマジェット点火プラグ100Bを用いることにより、図2に示したプラズマジェット点火プラグ100の場合と同様に、巻線抵抗器21Bによって容量放電の際のプラグ内部の浮遊容量による電流が抑制されノイズが低減される。また、図6に示すように巻線抵抗器21Bを主体金具50側に設ける場合には、巻線抵抗器21Bの影響を受けない浮遊容量が図2に示す構成の場合と比べてより小さくなるので、ノイズの低減効果が更に高まる。
(変形例2)
変形例2におけるプラズマジェット点火プラグ100Cの先端側の一部分(図2の領域Pと同様の箇所)に関する部分断面が図8(a)に、その上面図が図8(b)に、それぞれ示されている。なお、図8において図1、図2と対応する要素は同一の符号を付けて示してある。図8に示した要素以外の構成については、図1のプラズマジェット点火プラグ100と同一である。
図8に示すプラズマジェット点火プラグ100Cにおいては、図2に示したプラズマジェット点火プラグ100とは異なる箇所に巻線抵抗器21Cが設けてある。図8に示すように、絶縁碍子10の先端面10aと主体金具50Cの先端面50Caとはほぼ同一の位置に配置されている。そして、絶縁碍子10の先端面10aと接する位置に、横向き(軸がY方向と直交する向き)で巻線抵抗器21Cが配置してある。
巻線抵抗器21Cは、絶縁性の材料で構成したボビン23の外周に沿って螺旋状に巻き付けた導電性の線材によって構成されている。巻線抵抗器21Cの特性については、巻線抵抗器21と同様に直流抵抗が1Ω以下、且つインダクタンスが1μH以上100μH以下になっている。巻線抵抗器21Cの一端21Caはボビン23の一方の端部に位置する接地電極30Cに電気的に接続され、巻線抵抗器21Cの他端21Cbはボビン23の他方の端部に位置する導体に電気的に接続され、その導体を介して主体金具50Cの先端面50Caと電気的に接続してある。巻線抵抗器21Cの両端21Ca、21Cbは、たとえば、溶接によってボビン23のそれぞれの端部に位置する接地電極30C、導体に電気的に接続される。ボビン23の一方の端部に位置する接地電極30Cは、中心電極20との間の放電に利用する電極としてキャビティ60Cの近傍に配置してある。プラズマジェット点火プラグ100Cに関する等価回路については図7に示した内容と同様である。すなわち、図7に示すように、巻線抵抗器21Cは、放電に利用する接地電極30Cと主体金具50との間に挿入されている。
(変形例3)
変形例3におけるプラズマジェット点火プラグ100Dの先端側の一部分(図2の領域Pと同様の箇所)に関する構成が図9、図10に示されている。図9はプラズマジェット点火プラグ100Dを先端側から見た平面図であり、図10は軸方向に沿って切断した面を表す部分断面図である。なお、図9、図10において図1、図2と対応する要素は同一の符号を付けて示してある。図9、図10に示した要素以外の構成については、図1のプラズマジェット点火プラグ100と同一である。
図9、図10に示すプラズマジェット点火プラグ100Dにおいては、図2に示したプラズマジェット点火プラグ100とは異なる箇所に巻線抵抗器21Dが設けてある。図10に示すように、主体金具50Dの先端面50Daは絶縁碍子10の先端面10aよりもわずかに先端側に突出している。従って、絶縁碍子10の先端面10aは主体金具50Dの先端面50Daに対して少し窪んている。この窪んだ箇所に巻線抵抗器21Dが配置してある。また、絶縁碍子10の先端面10aの中央部と対向する位置に、導電性の金属材料で構成した電極チップ32(接地電極に相当する。)が配置されている。電極チップ32の中心部、すなわちキャビティ60Dと対向する位置に開口部14が形成されている。
巻線抵抗器21Dは、図9、図10に示すように、電極チップ32の周囲に渦巻き状に巻き付けた導電性の線材によって構成されている。なお、巻線抵抗器21Dを構成する線材の外周は絶縁性の被覆で覆われている。巻線抵抗器21Dの特性については、巻線抵抗器21と同様に直流抵抗が1Ω以下、且つインダクタンスが1μH以上100μH以下になっている。巻線抵抗器21Dの外側の一端21Daは主体金具50Dと電気的に接続してあり、巻線抵抗器21Dの内側の一端21Dbは電極チップ32と電気的に接続してある。プラズマジェット点火プラグ100Dにおいては、中心電極20と電極チップ32との間に印加される高電圧によってこの間に放電が生じる。プラズマジェット点火プラグ100Dに関する等価回路については図7に示したもののうち、巻線抵抗器21Bの一端21Baを電極チップ32に置き換えたものと同様である。
なお、前述の巻線抵抗器21、21B、21C、21Dについては、中心電極20側と主体金具50側のいずれか一方又は両方に配置することが想定される。少なくとも一方に巻線抵抗器21を配置することにより、プラグ内部の浮遊容量の影響による電流の振幅や電流が流れる時間を制御することができ、輻射ノイズの低減や、絶縁体の消耗の抑制や、電極の消耗の抑制が可能になる。
4 シール体
5 ガスケット
10 絶縁碍子
12 軸孔
13 脚長部
14 開口部
15 電極収容部
16 先端面
17 先端側胴部
18 後端側胴部
19 中胴部
20 中心電極
21,21B,21C,21D 巻線抵抗器
22,23 ボビン
25 電極チップ
30,30B,30C 接地電極
31 連通孔
32 電極チップ
40 端子金具
50,50B,50C,50D 主体金具
52 取付ねじ部
60,60B,60C,60D キャビティ
100 プラズマジェット点火プラグ
200 点火装置
210,220 高電圧発生回路
211 点火コイル
230 直流電源
300 エンジンヘッド

Claims (3)

  1. 軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、先端が前記絶縁体の先端よりも前記軸線方向後端側に位置するようにして前記軸孔内に配置される中心電極と、前記絶縁体の外周に配置される略筒状の主体金具と、前記中心電極との間で火花放電間隙を形成する接地電極とを備えるプラズマジェット点火プラグであって、
    前記中心電極および前記接地電極の少なくとも一方には、インダクタンスが1μH以上100μH以下、且つ抵抗値が1Ω以下の抵抗器が電気接続されていることを特徴とするプラズマジェット点火プラグ。
  2. 前記抵抗器は、前記中心電極の後端部に、連結して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマジェット点火プラグ。
  3. 前記抵抗器は、一端が前記接地電極に、他端が前記主体金具に連結して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマジェット点火プラグ。
JP2010059396A 2009-03-31 2010-03-16 プラズマジェット点火プラグ Expired - Fee Related JP4777463B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010059396A JP4777463B2 (ja) 2009-03-31 2010-03-16 プラズマジェット点火プラグ
US12/749,656 US8558441B2 (en) 2009-03-31 2010-03-30 Plasma jet ignition plug
EP10158481.1A EP2239458B1 (en) 2009-03-31 2010-03-30 Plasma-jet spark plug

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009086425 2009-03-31
JP2009086425 2009-03-31
JP2010059396A JP4777463B2 (ja) 2009-03-31 2010-03-16 プラズマジェット点火プラグ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010257949A JP2010257949A (ja) 2010-11-11
JP4777463B2 true JP4777463B2 (ja) 2011-09-21

Family

ID=42358699

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010059396A Expired - Fee Related JP4777463B2 (ja) 2009-03-31 2010-03-16 プラズマジェット点火プラグ

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8558441B2 (ja)
EP (1) EP2239458B1 (ja)
JP (1) JP4777463B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5860753B2 (ja) * 2011-05-12 2016-02-16 日本特殊陶業株式会社 点火装置及び点火プラグ
JP5438840B2 (ja) * 2011-06-07 2014-03-12 日本特殊陶業株式会社 接続装置及び点火装置並びに点火システム
JP5820288B2 (ja) * 2012-02-02 2015-11-24 日本特殊陶業株式会社 点火装置
JP2013160216A (ja) * 2012-02-09 2013-08-19 Mitsubishi Electric Corp 点火装置
JP6171794B2 (ja) * 2013-09-26 2017-08-02 株式会社デンソー 内燃機関用のスパークプラグ
JP6677865B2 (ja) * 2014-08-12 2020-04-08 イマジニアリング株式会社 点火装置

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB444439A (en) * 1934-08-11 1936-03-20 Martin O Marra Improved sparking-plug with renewable electrodes for internal combustion engines
US3871349A (en) * 1973-01-12 1975-03-18 Brunswick Corp RFI suppression spark plug
GB1567888A (en) * 1977-05-02 1980-05-21 Motorola Inc Sectored antenna receiving system
JPS5577981U (ja) 1978-11-22 1980-05-29
US4317068A (en) 1979-10-01 1982-02-23 Combustion Electromagnetics, Inc. Plasma jet ignition system
JPS56165391A (en) * 1980-05-23 1981-12-18 Sumitomo Electric Industries Method of producing printed circuit board
JPS572586A (en) * 1980-06-06 1982-01-07 Fujitsu Ltd Modulator using laser diode
JPS5828428B2 (ja) 1980-07-29 1983-06-15 日産自動車株式会社 プラズマ点火装置
US4774914A (en) * 1985-09-24 1988-10-04 Combustion Electromagnetics, Inc. Electromagnetic ignition--an ignition system producing a large size and intense capacitive and inductive spark with an intense electromagnetic field feeding the spark
US4841925A (en) 1986-12-22 1989-06-27 Combustion Electromagnetics, Inc. Enhanced flame ignition for hydrocarbon fuels
JPH08156035A (ja) * 1994-12-02 1996-06-18 Meiki Co Ltd ディスク基板成形用金型
US6321733B1 (en) 1996-05-29 2001-11-27 Knite, Inc. Traveling spark ignition system and ignitor therefor
JP2002327672A (ja) 2001-04-27 2002-11-15 Denso Corp 内燃機関の点火装置
US6679235B1 (en) * 2003-02-21 2004-01-20 Delphi Technologies, Inc. High power ignition system having high impedance to protect the transformer
JP4674219B2 (ja) * 2006-03-22 2011-04-20 日本特殊陶業株式会社 プラズマジェット点火プラグの点火システム
FR2907269B1 (fr) * 2006-10-17 2009-01-30 Renault Sas Dispositif de generation de plasma radiofrequence.
US20080121200A1 (en) * 2006-11-24 2008-05-29 Denso Corporation Plasma type ignition plug

Also Published As

Publication number Publication date
US8558441B2 (en) 2013-10-15
US20100259172A1 (en) 2010-10-14
EP2239458A1 (en) 2010-10-13
JP2010257949A (ja) 2010-11-11
EP2239458B1 (en) 2018-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5335064B2 (ja) プラズマジェット点火プラグの点火装置
JP4777463B2 (ja) プラズマジェット点火プラグ
US7895994B2 (en) Ignition device for plasma jet ignition plug
US10971902B2 (en) Spark plug for a high frequency ignition system
JP2014500437A (ja) マルチイベントコロナ放電点火アセンブリ、ならびに制御および操作の方法
JP5658729B2 (ja) 点火システム
JP4424384B2 (ja) プラズマ式点火装置
TW201734303A (zh) 燃燒室中點燃空氣-燃料混合物的點燃裝置
JP2012154312A (ja) プラズマジェット点火プラグの点火装置
US8767371B2 (en) Ignition apparatus
JP5820288B2 (ja) 点火装置
US9640952B2 (en) High power semi-surface gap plug
JP6397687B2 (ja) 交流点火装置
JP5139505B2 (ja) プラズマジェット点火プラグの点火装置
JP5438840B2 (ja) 接続装置及び点火装置並びに点火システム
JP2009283380A (ja) 点火装置
JP7202002B2 (ja) 点火プラグ
JP2009041427A (ja) プラズマ式点火装置
JP2011058505A5 (ja)
JP5392490B2 (ja) 点火プラグ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100810

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110601

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110629

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4777463

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140708

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140708

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees