JP4777306B2 - 流動層装置 - Google Patents

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Description

本発明は、医薬品、農薬、食品等の細粒、顆粒等を製造する際に用いられる流動層装置、特に粉粒体粒子のコーティング処理に用いられる流動層装置に関する。
流動層装置は、一般に、流動層容器の底部から導入した熱風等の流動化気体によって、流動層容器内で粉粒体粒子を浮遊流動させて流動層を形成しつつ、スプレーノズルからスプレー液(膜剤液、結合剤液等)を噴霧して造粒又はコーティング処理を行うものである。この種の流動層装置の中で、粉粒体粒子の転動、噴流、及び攪拌等を伴うものは複合型流動層装置と呼ばれ、その代表的なものとして、流動層容器の底部に回転体を配設した転動流動層装置、流動層容器の内部にドラフトチューブ(内塔)を設置した、いわゆるワースター式流動層装置がある。その内、後者のワースター式流動層装置は、粉粒体粒子のコーティング処理、特に微粒子のコーティング処理に広く用いられている(例えば、下記の特許文献1)。
一般に、ワースター式流動層装置は、流動層容器の中央部に円筒状のドラフトチューブを設置し、ドラフトチューブ内を上昇する気流に乗せて粉粒体粒子に上向きの流れ(噴流)を起こさせ、流動層容器の底部中央に設置したスプレーノズルからドラフトチューブ内の粉粒体粒子に向けて上向きにスプレー液をスプレーするものである。流動層容器の底部は多孔を有する気体分散板で構成され、この気体分散板を介して流動層容器内に噴出する流動化気体、さらにスプレーノズルから噴出する噴霧空気(アトマイズエアー)によって、流動層容器内の粉粒体粒子に、ドラフトチューブの内部を上昇し、流動層容器の内壁とドラフトチューブとの間の空間部を下降する方向に循環する流動層が形成される。
上記のワースター式流動層装置によれば、ドラフトチューブの内部に形成されるスプレーゾーンに大量の粒子を高速で送り込むことができるので、いわゆるスプレードライ現象(スプレー液のミストが粉粒体粒子に付着せずに乾燥して粉塵化する現象)や粒子同士の二次凝集が起こりにくく、粒子径の小さな微粒子(例えば粒子径が50〜150μmの粒子)に対しても収率の良いコーティング処理が可能である。そのため、ワースター式流動層装置は、例えば医薬品製造において微粒子から顆粒粒子までの徐放性コーティングなどに広く用いられている。
また、複合型ではない通常の流動層装置において、性状が均一で且つ比容積が小さい造粒物を容易且つ効率よく製造するために、流動層容器の底部から導入する流動化気体として空気脈動波を用いた造粒方法が提案されている(下記の特許文献2、3)。この造粒方法は次のようなものである。すなわち、加熱した空気脈動波を用いて粉体原料を流動化させると同時に、流動化した粉体原料の一部が空気脈動波の周期に応じて落下し、堆積し、上昇を繰り返すようにする。そして、この粉粒体原料に結合剤液を噴霧して、粉粒体原料を凝集させ、更に乾燥させて粒子を成長させる際に、落下堆積中の成長中の造粒途中物に、加熱された空気脈動波の振動による圧密作用を与えることにより、比容積が小さい造粒物を製造する。しかしながら、ここでの空気脈動波は、落下堆積中の成長中の造粒途中物に圧密作用を与えて比容積を小さくするという機能を有するものであり、このような空気脈動波を粉粒体粒子のコーティング処理、特に微粒子のコーティング処理に用いると、粒子同士の二次凝集やチャンネリングが生じて、コーティング処理の品質及び効率の低下につながる。
特開2001―62277号公報 特開平10−329136号公報 特開平7−19728号公報
流動層コーティングでは、流動層容器内での粉粒体粒子の良好な流動状態を確保することが重要である。しかしながら、特に50〜150μmの微粒核粒子を対象とするコーティング処理では、これら微粒子の流動性が悪く、流動層容器内での良好な流動状態を確保することが難しいために、所望の製品品質が得られなかったり、コーティング処理に長い時間を要したりする場合がある。
すなわち、ワースター式流動層装置において、粉粒体粒子の流動状態を制御できる操作因子は流動化気体の給気量、スプレーノズルの噴霧空気量、フィルター部での捕捉粒子の払い落とし条件であるが、そのうち、スプレーノズルの噴霧空気量とフィルター部での払い落とし条件は、通常、コーティングされる粉粒体粒子(原料粒子)の粒子物性に関係なく所定値に固定される。実際には、原料粒子の流動状態は、その粒子径、粒度分布、粒子形状などの粒子物性によって大きく左右されるが、これまでのワースター式流動層装置では、原料粒子の流動状態を監視して、流動化気体の給気量のみで流動状態をコントロールしているのが実状であり、そのために原料粒子の良好な流動状態を維持することが困難であった。
また、特に微粒子を対象としたコーティング操作では流動化気体の給気量は低めに設定されるが、スプレーノズルの噴霧空気量はスプレー液の微粒ミスト化に必要であり、低めに設定することはできない。そのため、スプレーノズルからの噴霧空気量によっては、ドラフトチューブの内部を通って上昇する粉粒体粒子が流動層容器の上方部まで吹き上げられて流動層に戻れなくなる現象(いわゆる「吹き上げ現象」)が起こる場合がある。このような吹き上げ現象により流動層容器の上方部に吹き上げられた粉粒体粒子の一部は、フィルター部や容器壁面に付着し、製品品質の均一性や、製品の収率に好ましくない影響を与える。
さらに、ドラフトチューブの上端開口を通り抜けた粉粒体粒子は、流動層容器の内壁とドラフトチューブとの間の空間部を重力によって下降して流動層容器の底部に達し、再びドラフトチューブの下端開口からその内部に流入するが、流動層容器の底部で粒子同士のチャンネリングによる粒子滞留が起こり易い。このような粒子滞留が発生すると、ドラフトチューブの内部に流入する粒子数が減少して、コーティング処理の効率が低下するばかりでなく、ドラフトチューブ内のスプレーゾーンで粒子が過剰湿潤されて、コーティング処理の品質低下につながる場合がある。また、流動層容器内の粒子滞留部に圧縮空気を噴出させて流動性を促進する場合もあるが、再現性の得られる操作とは言えない。
また、原料粒子の表面に凹凸がある場合には、コーティング処理時において、原料粒子の凸部から被膜が形成され、凹部に対する被膜の形成が不十分となるおそれがあり、さらなる被膜の展延性が望まれる。
また、コーティング処理の品質として被膜の緻密性が要求され、この被膜の緻密性はスプレー液噴霧後の乾燥温度や粒子に加えられる物理的な力によって決定されるが、ワースター式流動層装置では、スプレー液噴霧後に粒子に加えられる物理的な力はドラフトチューブの外側部位における粒子同士の擦れ程度であり、更なる物理力が期待される。
また、原薬に直接コーティングする操作では、微粒原薬粒子を所望の粒子径にするまで造粒した後、コーティング処理を行うが、先の造粒操作では微粒原薬粒子が対象となるため、流動化気体の給気量を低くし、また造粒のための結合剤液の給液速度も低く設定する操作が余儀なくされる。そのため、造粒操作に長い時間を要し、操作時間の短縮が望まれる。
本発明の課題は、微粒子を対象としたコーティング処理の品質及び効率が良く、高い製品収率が実現できる流動層装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は、流動層容器と、流動層容器の内部に配設されたドラフトチューブと、流動層容器の底部に配設されたスプレーノズルとを備え、流動層容器の底部の通気部を介して流動化気体を導入し、流動層容器内の粉粒体粒子に、ドラフトチューブの内部を上昇し、流動層容器の内壁とドラフトチューブとの間の空間部を下降する方向に循環する流動層を形成し、ドラフトチューブの内部を上昇する粉粒体粒子に向けてスプレーノズルから上向きにスプレー液を噴霧する流動層装置において、流動層容器の底部の通気部は、ドラフトチューブの下端開口と対向する位置に設けられた中央領域と、中央領域の周辺の周辺領域とを有し、かつ、中央領域と周辺領域に亘って開口率が一定に設定され、通気部の中央領域には第1の給気経路を介して流量化気体が供給されると共に、通気部の周辺領域には第2の給気経路を介して流動化気体が供給され、第1の給気経路及び第2の給気経路に、流動化気体を気体脈動波にする脈動波発生手段が設けられおり、第1の給気経路の気体脈動波の周波数を相対的に高くし、第2の給気経路の気体脈動波の周波数を相対的に低くし、通気部の中央領域から相対的に高速でかつ高い周波数をもった気体脈動波を噴出させ、通気部の周辺領域から相対的に低速でかつ低い周波数をもった気体脈動波を噴出させる構成を提供する。ここで、気体脈動波は、所定の波形{方形波(パルス波)、正弦波、三角波、鋸歯状波等}、周波数及び振幅もった気体の波である。
本発明によれば、微粒子を対象としたコーティング処理の品質及び効率が良く、高い製品収率が実現できる流動層装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
図1は、第1の実施形態に係る流動層装置(ワースター式流動層装置)の一構成例を模式的に示している。
流動層容器1の上部空間にフィルターシステム2が設置され、流動層容器1の底部に通気部、例えばパンチングメタル等の多孔板で構成された気体分散板3が配設されている。また、気体分散板3と所定の間隙を隔ててドラフトチューブ4が設置され、さらにドラフトチューブ4の内部の粉粒体粒子に向けてスプレー液を噴霧するスプレーノズル5が設置されている。
ドラフトチューブ4は、図示されていない高さ制御機構によって高さ方向(鉛直方向)に移動調整可能に支持され、その下端開口部が気体分散板3と所定の間隙を隔てて対向する。気体分散板3は、ドラフトチューブ4の下端開口と対向する位置に設けられた中心領域3aと、その周辺の周辺領域3bとを備え、これら両領域3a、3bに亘って開口率が一定に設定されている。
流動化気体、例えば流動化空気(熱風)は、気体分散板3を介して流動層容器1内に導入される。気体分散板3の中央領域3aには第1の給気経路A1を介して流動化空気が供給され、気体分散板3の周辺領域3aには第2の給気経路A2を介して流動化空気が供給される。この実施形態では、給気源6から供給される流動化空気をヒータ7によって所定温度に加熱し、風量計8の下流側で第1の給気経路A1と第2の給気経路A2とに分岐させている。第1の給気経路A1からの給気風量と、第2の給気経路A2からの給気風量は、風量調節ダンパ9、10によって個別的に調節できるようになっている。また、第2の給気経路A2に脈動波発生装置11が介装されており、給気源6から第2の給気経路A2に分岐された流動化空気は脈動波発生装置11によって空気脈動波(パルス状に振動を繰り返す波)に変換されて、気体分散板3の周辺領域3bから流動層容器1内に噴出する。この空気脈動波の周波数は、例えば、5Hz〜10Hzであることが好ましい。脈動波発生装置11は、このような空気脈動波を生成できるものであればどのようなものでも良い。例えば、特開平10−329136号公報や特開平7−19728号公報に記載の装置を使用しても良い。
スプレーノズル5は、例えば、スプレー液(膜剤液等)を噴霧空気(アトマイズエアー)によって微粒化し、ドラフトチューブ4内の粉粒体粒子に向けて上向きに噴霧するものである。
第1の給気経路A1を通り、気体分散板3の中央領域3aから流動層容器1内に噴出した流動化空気(一定圧一定風量)は、ドラフトチューブ4の下端開口からその内部に流入して、ドラフトチューブ4内に上昇空気流を生じさせる。さらに、この上昇空気流に、スプレーノズル5からの上向きの噴霧流が加わって、ドラフトチューブ4内に高速空気流が発生する。ドラフトチューブ4内の粉粒体粒子は、この高速空気流に乗ってドラフトチューブ4内を上昇する。そして、ドラフトチューブ4の上端開口を通り抜けると、空気の流動面積が急激に拡大されるため、空気流の流速が低下し、粉粒体粒子は重力によって流動層容器1の内壁とドラフトチューブ4の外側との間の空間部を下降する。
一方、気体分散板3の周辺領域3bから流動層容器1内に噴出した流動化空気(空気脈動波)は、風量調節ダンパ9、10による給気風量の調節等による影響で、その風量が、中央領域3aから噴出する流動化空気よりも小さくなる。ドラフトチューブ4の外側の空間部を下降して流動層容器1の底部に達した粉粒体粒子層は、気体分散板3の周辺領域3bから比較的低風量でかつ所定の周波数をもった脈動状態で噴出する空気脈動波により分散作用を受け、高速空気流の発生しているドラフトチューブ4内にエゼクター効果(吸引効果)によって吸引されて、再びドラフトチューブ4内を上昇する。
上記のようにして、流動層容器1内の粉粒体粒子に、ドラフトチューブ4の内部を上昇し、流動層容器1の内壁とドラフトチューブ4の外側との間の空間部を下降する方向に循環流動する流動層が形成される。そして、ドラフトチューブ4内の上昇空気流に乗って上昇する粉粒体粒子に向けてスプレーノズル5から上向きにスプレー液(膜剤液等)が噴霧される。スプレーノズル5から噴霧されるスプレー液のミストによって、ドラフトチューブ4内の粉粒体粒子が湿潤を受けると同時に、膜剤液中に含まれる固形成分が該粒子の表面に付着し、乾燥固化されて、該粒子の表面に被覆層が形成される(コーティング処理)。尚、流動層容器1内を上昇した流動化空気は、フィルターシステム2を通って、排気手段(排気ファン等)13により装置外部に排気される。
この実施形態の流動層装置によれば、ドラフトチューブ4の外側の空間部を下降して流動層容器1の底部に達した粉粒体粒子層が、気体分散板3の周辺領域3bから噴出する空気脈動波により良好な分散作用を受けて、粒子同士のチャンネリングによる粒子滞留が防止されるので、流動層容器1内での粉粒体粒子の循環流動が促進され、コーティング処理の品質及び効率が向上する。
図2は、第2の実施形態に係る流動層装置(ワースター式流動層装置)の一構成例を模式的に示している。第2の実施形態が上述した第1の実施形態と異なる点は、第2の給気経路A2の脈動波発生装置11に加え、第1の給気経路A1にも脈動波発生装置12を介装した点にある。給気源6から第1の給気経路A1に分岐された流動化空気は脈動波発生装置12によって空気脈動波に変換されて、気体分散板3の中央領域3aから流動層容器1内に噴出する。
第1の給気経路A1の空気脈動波の周波数と、第2の給気経路A2の空気脈動波の周波数とは相互に異なっているのが好ましく、この実施形態では、第1の給気経路A1の空気脈動波の周波数を相対的に高くし、第2の給気経路A2の空気脈動波の周波数を相対的に低くしている。この条件の下で、第2の供給経路A2の空気脈動波の周波数は、5Hz〜10Hzとし、第1の供給経路A1の空気脈動波の周波数は、第2の供給経路A2の空気脈動波の周波数よりも25Hz〜35Hz(特に30Hz)高く設定することが好ましい。
ドラフトチューブ4内の粉粒体粒子は、気体分散板3の中央領域3aから比較的高速でかつ比較的高い周波数をもった脈動状態で噴出する空気脈動波により高い分散作用を受ける。そのため、気体分散板3の中央領域3aから噴出する空気脈動波(流動化空気)の風量をやや低めに設定し、及び/又は、スプレーノズル5の噴霧空気量を低容量にしても、ドラフトチューブ4内のスプレーゾーンにおける粉粒体粒子の良好な分散状態が得られ、粉粒体粒子に対してスプレー液ミストを均一に噴霧することができる。しかも、ドラフトチューブ4内の上昇空気流の風量が低下することにより、粉粒体粒子の吹き上げ現象も防止される。そして、粉粒体粒子の吹き上げ現象が防止されることから、コーティング処理の品質及び効率が良く、高い製品収率を図ることができる。
一方、ドラフトチューブ4の外側の空間部を下降して流動層容器1の底部に達した粉粒体粒子層は、気体分散板3の周辺領域3bから比較的低速でかつ比較的低い周波数をもった脈動状態で噴出する空気脈動波により良好な分散作用を受けて、粒子同士のチャンネリングによる粒子滞留が防止される。したがって、空気脈動波の周波数を調整することで、難流動性微粒子のコーティング処理にも有効となる。
例えば、第2の実施形態において、スプレーノズル5として、噴霧化空気の噴出圧力が0.2MPa以上、好ましくは0.2〜0.6MPaで、噴霧化空気の空気流量が10〜180Nl/min、好ましくは10〜120Nl/minである、中圧又は高圧で低風量のスプレーノズルを使用することができる。
尚、脈動波発生装置は、第1の給気経路A1にのみ設けるようにしても良い。
また、上記の第1の実施形態及び第2の実施形態において、風量調節ダンパ9、10を配置する代わりに、気体分散板3を、その中央領域3aの開口率が周辺領域3bの開口率に比べて相対的に大きくなるように設定することで、気体分散板3の周辺領域3bから流動層容器1内に噴出した流動化空気の風量が、中央領域3aから噴出する流動化空気よりも小さくなるようにしてもよい。また、このように中央領域3aと周辺領域3bとで開口率が異なる気体分散板3と、風量調整ダンパ9、10とを併用して、流動層容器1内に噴出する流動化空気の空気量を上記のように調整するようにしてもよい。
本発明に係るワースター式流動層装置の有用性を実証するために、実施例1として、下記の表1に示す試験条件で粉粒体粒子のコーティング処理を行い、当該コーティング処理中のワースター式流量層装置からの排気温度の測定を行うと共に、各コーティング処理によって得られたコーティング粒子の電気顕微鏡(SEM)による観察、粒子径の測定、及びかさ密度の測定をそれぞれ行った。なお、実施例1との対比として、空気脈動波を入力しない以外は実施例1と同様の条件である比較例1についても同様の試験を行った。
コーティング処理中のワースター式流量層装置からの排気温度の測定結果を図3に示す。同図に示すように、空気脈動波(パルス波)を入力した実施例1は、空気脈動波を入力しなかった比較例1に比して、コーティング処理中の排気温度が低い値を示す結果を得た。そして、実施例1では、そのコーティング処理時間の約半分を30℃以下で推移しており、造粒操作時の低温度条件を満たしている。これは、空気脈動波を入力した場合の方が、同じ給気温度に対して、供給熱量が減少したためである。
電子顕微鏡による観察結果を図4(a)〜(d)に示す。同図(a)並びにその拡大図である(b)に示すように、実施例1においては、空気脈動波の入力により、粒子に物理的な外力が加わったことから、比較例1の観察結果を示す図4(c)、(d)よりも、粒子表面が平滑となり、被膜が展延されていることが確認できる。さらに、粒子表面も緻密になっていることが確認できる。
さらに、コーティング粒子径の測定結果を下記の表2に示す。
上記の表2に示すように、コーティング粒子径については、実施例1と比較例1とで、ほぼ同等に値を示す結果を得た。これは、空気脈動波を入力することにより、粒子に物理的な外力が加わったことにより、粒子凝集による造粒の進行が抑制されたものと考えられる。
かさ密度の測定結果を下記の表3に示す。
上記の表3に示すように、実施例1が、比較例1に比して、かさ密度が低くなる結果を得た。これは、空気脈動波の入力により、粒子の球形化が促進されたことによるものと考えられる。
また、本発明に係るワースター式流動層装置の有用性を実証するために、実施例2として、100μm程度の微粒薬物に対して徐放性コーティング処理を行った。試験条件は、上記の実施例1に示す条件(表1)と同様とし、微量薬物重量に対して30%重量のコーティング液を噴霧した。そして、得られたコーティング粒子の溶出試験、および実コーティング量の測定を行った。なお、比較例2は、空気脈動波を入力しない点以外は、実施例2と同様の条件とした。また、実コーティング量の測定は、コーティング粒子に付着したコーティング率(核となる粒子に対する被膜重量比)をHPLCによって測定することによって行った。
コーティング粒子の溶出試験の結果を図5に示す。同図に示すように、実施例2が、比較例2に比して、溶出が遅延するという結果を得た。この結果から、空気脈動波を入力することにより、溶出を効率的に制御し得ることが確認できる。
また、実コーティング量は、比較例2ではコーティング率が27%であったのに対し、実施例2ではコーティング率が28.5%という結果を得た。なお、すべてのコーティング液中の被膜成分が粒子表面に付着した場合のコーティング率の理論値は30%である。したがって、空気脈動波を入力することにより、理論値に近い良好なコーティングを実現可能であることが確認できる。これは、空気脈動波を入力することによって、流動層容器内での粒子の循環流動が促進されたことにより、ドラフトチューブ内への粒子の吸引効果が向上し、粒子表面とスプレーとの接触確率が高くなったことによるものと考えられる。
第1の実施形態に係る流動層装置(ワースター式流動層装置)の一構成例を模式的に示す断面図である。 第2の実施形態に係る流動層装置(ワースター式流動層装置)の一構成例を模式的に示す断面図である。 本発明に係る実施例1及び比較例1の排気温度の測定結果を示す図である。 本発明に係る実施例1及び比較例1の電子顕微鏡の観察結果を示す図である。 本発明に係る実施例2及び比較例2の溶出試験の結果を示す図である。
符号の説明
1 流動層容器
3 気体分散板
3a 中央領域
3b 周辺領域
4 ドラフトチューブ
5 スプレーノズル
A1 第1の給気経路
A2 第2の給気経路
11 脈動波発生装置
12 脈動波発生装置

Claims (1)

  1. 流動層容器と、該流動層容器の内部に配設されたドラフトチューブと、前記流動層容器の底部に配設されたスプレーノズルとを備え、前記流動層容器の底部の通気部を介して流動化気体を導入し、該流動層容器内の粉粒体粒子に、前記ドラフトチューブの内部を上昇し、前記流動層容器の内壁と前記ドラフトチューブとの間の空間部を下降する方向に循環する流動層を形成し、前記ドラフトチューブの内部を上昇する粉粒体粒子に向けて前記スプレーノズルから上向きにスプレー液を噴霧する流動層装置において、
    前記流動層容器の底部の通気部は、前記ドラフトチューブの下端開口と対向する位置に設けられた中央領域と、該中央領域の周辺の周辺領域とを有し、かつ、前記中央領域と前記周辺領域に亘って開口率が一定に設定され、
    前記通気部の中央領域には第1の給気経路を介して流量化気体が供給されると共に、前記通気部の周辺領域には第2の給気経路を介して流動化気体が供給され、
    前記第1の給気経路及び前記第2の給気経路に、前記流動化気体を気体脈動波にする脈動波発生手段が設けられており、前記第1の給気経路の気体脈動波の周波数が相対的に高く、前記第2の給気経路の気体脈動波の周波数が相対的に低く、
    前記通気部の中央領域から相対的に高速でかつ高い周波数をもった気体脈動波を噴出させ、前記通気部の周辺領域から相対的に低速でかつ低い周波数をもった気体脈動波を噴出させることを特徴とする流動層装置。
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