JP7463528B2 - 流動層塗布装置 - Google Patents

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Description

本発明は、流動層を用いて粉体に物質を塗布する流動層塗布装置に関する。
粒子の表面に何らかの物質を塗布する技術として、流動層塗布(流動層乾燥)が知られている。
流動層塗布とは、処理容器に内に処理する粒子を導入して、下方から流動ガスを導入することで、処理容器内で粒子が循環する流動層を形成し、流動層に塗布液をスプレー噴霧することにより、粒子の表面を所望の材料で覆う技術である。
例えば、特許文献1には、処理容器内に粒子の流動層を形成しつつ、スプレーガンから塗布液を噴霧して造粒または塗布(コーティング処理)を行う流動層装置において、スプレーガンの噴霧化空気の噴出圧力を0.2MPa以上とし、空気流量を10~180Nl/minとすることが記載されている。
特許文献1では、このような構成を有することにより、スプレーガンからの噴霧化空気流による粒子の粉砕や吹き上げ現象を抑制して、製品品質の均質化、製品粒度分布のシャープ化、および、製品収率の向上等を図っている。
特開2003-001090号公報
このような流動層塗布は、一般的に、医薬材料および食品材料の製造に用いられる技術である。そのため、処理される粒体の粒子径は、概ね、数百μm~1mm程度である。
一方、近年は、高機能材料の分野においても、このような流動層塗布を用いて粒子に塗布液を塗布して粒子を所望の材料で被覆することが考えられている。これらは、例えば高機能セラミックおよび農薬といった材料であり、対称となる粒子の粒子径は数μm、または、その二次凝集粒子である。
これ以外にも、新しい材料の分野では、塗布液の塗布対象となる粒子の粒子径は、小さくなる傾向にある。
従来の流動層塗布を行う装置では、粒子径が数百μm~1mm程度の粒子であれば、好適な塗布液の塗布、および、塗布液による粒子の被覆が可能である。
しかしながら、塗布対象となる粒子の粒子径が十数μm以下となると、従来の流動層塗布を行う装置では、適正な塗布を行うことは、困難である。
加えて、このような小さい粒子では、塗布する材料の膜厚の制御も難しい。
すなわち、粒子径が数百μm~1mm程度の粒子であれば、膜厚は数μm~数十μm程度の精度で制御すれば、適正な塗布ができる。しかしながら、塗布対象となる粒子の粒子径が小さい場合には、塗布する被膜も薄くする必要があり、例えば、膜厚を数nm~数μm程度の精度で制御しなければ、適正な塗布ができない。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、塗布液を塗布する粒子の粒子径が小さい場合でも、塗布液を適正に塗布して、粒子の被覆等を好適に行うことができる流動層塗布装置を提供することにある。
この課題を解決するために、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 被処理粒子を収容する処理容器と、
処理容器内に、被処理粒子の流動層を形成するための流動ガスを、下方から上方に向けて導入するガス導入手段と、
処理容器内に、被処理粒子に塗布する塗布液を、下方から上方に向けて噴霧するスプレー装置と、
処理容器内に、プラズマを供給するプラズマ供給手段と、を有することを特徴とする流動層塗布装置。
[2] プラズマ供給手段は、処理容器内において、少なくとも、流動層を形成する被処理粒子が降下する位置にプラズマを供給する、[1]に記載の流動層塗布装置。
[3] プラズマ供給手段は、生成したプラズマを、気流によって流路から処理容器内に供給するものであり、流路が、処理容器の壁面に取り付けられる、[1]または[2]に記載の流動層塗布装置。
[4] 処理容器は、下方に向けて、断面積が、漸次、縮小する縮小領域を有し、
流路が、縮小領域における処理容器の壁面に取り付けられる、[3]に記載の流動層塗布装置。
[5] プラズマ供給手段は、処理容器内に設けられたプラズマを生成するための電極対を有し、流動ガスをプラズマガスとして、電極対の間にプラズマを生成するものであり、
電極対は、電極の面方向を上下方向に向けて配置される、[1]~[4]のいずれかに記載の流動層塗布装置。
[6] 処理容器は、下方に向けて、断面積が、漸次、縮小する縮小領域を有し、
電極対は、電極の面方向を、縮小領域における処理容器の壁面に沿う方向に傾斜して配置される、[5]に記載の流動層塗布装置。
[7] 電極対は、電極の面方向を、縮小領域における処理容器の壁面と平行にして配置される、[6]に記載の流動層塗布装置。
[8] スプレー装置が、超音波スプレー装置である、[1]~[7]のいずれかに記載の流動層塗布装置。
[9] スプレー装置のスプレーヘッドを囲む、塗布液の噴霧方向に延在する筒状体を有する、[1]~[8]のいずれかに記載の流動層塗布装置。
[10] ガス導入手段は、筒状体を囲んで設けられる導入部から、流動ガスを処理容器に導入する、[9]に記載の流動層塗布装置。
[11] プラズマ供給手段は、大気圧プラズマによってプラズマを生成する、[1]~[10]のいずれかに記載の流動層塗布装置。
本発明によれば、塗布対象となる粒子の粒子径が小さい場合であっても、粒子に適正に塗布液を塗布して、粒子を好適に被覆できる。
図1は、本発明の流動層塗布装置の一例を概念的に示す図である。 図2は、プラズマ供給装置の別の例を概念的に示す図である。 図3は、本発明の流動層塗布装置の別の例を概念的に示す図である。
以下、本発明の流動層塗布装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
なお、本発明において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の流動層塗布装置は、処理容器の下方から上方に向けて導入した流動ガスによって処理容器内に粒子の流動層を形成し、かつ、スプレー装置によって下方から上方に向けて塗布液を噴霧することにより、粒子の表面に塗布液を塗布して、粒子の表面をコーティング(被覆、被膜形成)するものである。
本発明の流動層塗布装置が塗布液を塗布する粒子(被処理粒子)には制限はない。すなわち、粒子は、流動ガスによって流動層を形成可能なものであれば、各種の粒子(粉体、粉粒体)が利用可能である。
粒子としては、一例として、シリコン、金属、ポリマー、および、ゴム等の公知の材料で形成される一般的な粒子が例示される。
本発明の流動層塗布装置が塗布液を塗布する粒子の粒径(粒子径)にも、制限はない。すなわち、粒子の粒径は、粒子の比重等に応じて、流動ガスによって流動層を形成可能な粒径であればよい。
ここで、後述するが、本発明の流動層塗布装置は、粒径の小さい微細な粒子であっても、好適に塗布液を塗布して、粒子に塗布液をコーティングすることができる。この点を考慮すると、本発明の流動層塗布装置が塗布液を塗布する粒子の粒径は、2000μm以下が好ましく、1000μm以下がより好ましく、300μm以下がさらに好ましい。
なお、本発明の流動層塗布装置が塗布液を塗布する粒子の粒径の下限にも、制限はないが、粒子の粒径は、0.1μm以上が好ましい。
さらに、本発明の流動層塗布装置が粒子に塗布する塗布液にも、制限はない。すなわち、塗布液は、スプレー装置による噴霧が可能な液体であれば、各種の液体が利用可能である。
塗布液としては、一例として、ハードコート層、反射防止層およびバリア層のような機能性層を形成する機能性溶液材料、インクなどの着色材料、TEOS(テトラメトキシシラン)のような原材料が液化状の材料、ならびに、めっき液および錯体インクのような金属膜(金属層)の形成材料等が例示される。
図1に、本発明の流動層塗布装置の一例を概念的に示す。なお、図1は、流動層塗布装置10の鉛直方向の断面を概念的に示す図である。
本発明の流動層塗布装置10は、上述のように、下方から上方に向かう流動ガスによって粒子gの流動層を形成し、スプレー装置から塗布液を噴霧して、粒子gの表面に塗布液を塗布して、粒子gに塗布液をコーティングするものである。
図1に示す流動層塗布装置10は、チャンバ12と、蓋体14と、流動ガスを導入するガス導入部16と、スプレー装置18と、スプレー装置18を収容する管状体20と、プラズマ供給手段24とを有する。なお、本発明の流動層塗布装置10は、図示した部材以外にも、例えば、塗布液の硬化を促進するための紫外線照射装置、および、不活性ガスの導入装置など、必要に応じて、各種の部材(装置)を有してもよい。
チャンバ12は、塗布液を塗布される粒子gを収容し、内部で粒子gの流動層を形成すする処理容器である。
図示例において、チャンバ12は、下部に下方に向かって縮径する縮径部を有する、上下面が開放する円筒状の物である。言い換えれば、図示例のチャンバ12は、上部となる円筒部と、下部となる円錐台部とを有し、円錐台部が下方に向かって縮径する形状を有する、上下面が開放する円筒状の筒状体である。
なお、チャンバ12の形状は、図示例の下方に向かって縮径する縮径部を有する円筒状に制限はされない。すなわち、本発明において、チャンバは、粒子の流動層を形成して、粒子に、塗布液の塗布(コーティング)、熱処理、造粒、および、変性(変成)等の処理を行う装置で用いられているチャンバ(処理容器)の形状が、各種、利用可能である。
以下の説明では、粒子の流動層を形成して、粒子の処理を行う装置を、便宜的に、『流動層装置』ともいう。
チャンバ12の形状としては、一例として、直管の円筒状、下方に向かって縮径する円錐状、下方に向かって縮径する円錐台状、および、これらの2以上を組み合わせた形状、等が例示される。
また、チャンバ12は円筒状にも制限はされず、下方に向かって断面積が減縮する四角筒状等の角筒状であってもよいが、通常、円筒状である。
チャンバ12は、いずれの形状であっても、図示例のように、下方に向かって縮径する縮径部(縮小領域)を有するのが好ましい。また、チャンバ12は、縮径部の下端が、チャンバ12の下端すなわち底部になるのが好ましい。
チャンバ12が、下方に向かって縮径する縮径部を有することにより、粒子gの流動層を円滑に形成できる、後述するプラズマによる粒子gの処理を効率良く行うことができる等の点で好ましい。
本発明の流動層塗布装置10において、チャンバ12の形成材料には、制限はなく、流動層装置のチャンバに用いられる材料が、各種、利用可能である。
チャンバの形成材料としては、一例として、ステンレス、鉄およびアルミニウム等の金属材料、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂およびポリテトラフルオロエチレン等の樹脂材料、ガラス、ならびに、石英などのガラス質材料等が例示される。
なお、チャンバ12の大きさには、制限はなく、流動層塗布装置10に要求される処理能力等に応じて、適宜、設定すれば良い。
上述のように、チャンバ12は、上下面が開放する、下部に、漸次、縮径する縮径部を有する円筒状である。チャンバ12の上面は、蓋体14によって閉塞される。
蓋体14は、チャンバ12の上面に応じた形状を有する円盤状のものであり、下面から下方に延在して、円筒状の排気筒14aが設けられる。なお、図示例の装置は、一例として、2本の排気管14aを有している。しかしながら、排気筒14aの数は、2本に制限はされず、十分な排気が可能であれば1本でもよく、あるいは、3本以上でもよい。
排気筒14aは、粒子gの流動層を形成するためにチャンバ12内に導入された流動ガスを、排気するためのものである。
排気筒14aは、フィルタ26によって覆われている。フィルタ26は、排気筒14aから、後述する排気経路30に抜けようとする粒子gを補足するフィルタである。フィルタ26には制限はなく、流動層装置において、流動ガスの排気に用いられるフィルタが、各種、利用可能である。
蓋体14の上面、特に排気筒14aを有する領域の上面は、排気経路30によって覆われている。排気経路30は、排気筒14aから排出された流動ガスを、所定の経路で流動層塗布装置10の外部に排気するためのものである。
排気経路30は、流動層装置に設けられる公知の物でよい。図示例の排気経路は、一例として、蓋体14の上面を覆う領域30aに接続する排気管30bと、排気管30bの途中に設けられる集塵機30cと、排気管30bの端部に設けられるブロワー等の排気手段(図示省略)とを有する。
蓋体14の排気筒14a(流動層塗布装置10)から排気された流動ガスは、蓋体14の上面を覆う領域30aから排気管30bに排気され、排気管30bの途中に設けられる集塵機30cによってダスト等の異物を除去される。異物を除去された流動ガスは、例えば、大気中に放出され、あるいは、清浄化のための処理装置に供給される。
上述のように、チャンバ12は、上下面が開放する、下方に、漸次、縮径する縮径部を有する円筒状である。
チャンバ12の下端すなわち底面の開放部(開口)は、ガス導入部16に連通する。また、ガス導入部16の中には、管状体20が設けられ、管状体20の中には、スプレー装置18が収容される。
ガス導入部16は、チャンバ12の底部から、下方から上方に向かうように流動ガスを導入するものである。流動層塗布装置10は、ガス導入部16が導入した流動ガスによって、粒子gを下方から上方に噴き上げて、粒子gの流動層を形成する。
ガス導入部16は、ガス導入管34と、送風管36と、送風手段38とを有して構成される。
ガス導入管34は、チャンバ12の底部の開口に連通する、円筒状のチャンバ12と中心線を一致する円筒管である。ガス導入管34は、チャンバ12の底部の開口に、隙間なく連通するように設けられる。
このようなガス導入管34は、チャンバ12の中心線と平行(略平行)に流動ガスを導入する。流動層塗布装置10において、円筒状のチャンバ12は、通常、中心線を鉛直方向に一致して設置される。従って、ガス導入管34は、鉛直方向の下方から上方に噴き上げるように、流動ガスを導入する。
なお、ガス導入部16すなわちガス導入管34による流動ガスの導入方向は、チャンバ12の中心線と平行な方向に制限はされない。すなわち、ガス導入管34は、チャンバ12の中心線に対して、角度を有して、流動ガスを導入するようにしてもよい。
しかしながら、粒子gによる流動層の形成を円滑にできる、チャンバ12内で均一な流動層を形成できる、後述するチャンバ12内における粒子gの落下に与える流動ガスの影響をより低減できる等の点で、ガス導入管34による流動ガスの導入方向は、チャンバ12の中心線と平行であるのが好ましい。
ガス導入管34の途中には、粒子gがガス導入管34内を落下するのを防止するための、メッシュ状の受け皿40が設けられる。
この受け皿40も、流動層装置において、流動ガスの導入管内で粒子が不要に落下することを防止するための受け皿(メッシュ)として用いられるものが、各種、利用可能である。
送風手段38も、ブロワーおよびコンプレッサーなどの送風機、ガスボンベ、ガスタンク、ならびに、コールドエバポレーター等、流動層装置において、流動ガスの供給に用いられる送風手段が、各種、利用可能である。後述するが、流動層塗布装置10では、流動ガスとして空気が好適に用いられるので、送風手段38は、ブロワーなどの送風機が好適に利用される。
送風手段38が送風した流動ガスは、送風管36を通って、ガス導入管34に供給され、下方から上方に吹き上げるように、チャンバ12の内部に導入される。
なお、本発明の流動層塗布装置10において、流動ガスには制限はなく、粒子gおよび塗布液に悪影響を与えない気体であれば、各種の気体が利用可能である。
流動ガスとしては、一例として、空気、ならびに、ヘリウムおよびアルゴン等の不活性ガス等が例示される。ただ、コスト、流動層の形成に十分な流量を容易に確保できる、安全性等の点で、流動ガスとしては、空気が好適に用いられる。
なお、流動ガスは、送風手段38に供給される前、および/または、送風管36内において、フィルタによる異物の除去等を行われた、清浄なものを用いるのが好ましい。
流動ガスの流量も、塗布液を塗布する粒子g等に応じて、所望の流動層を形成できる流量を、適宜、設定すればよい。
ガス導入部16の中には、送風管36からガス導入管34、さらには、チャンバ12の内部に至るように、円管状の管状体20が設けられる。管状体20は、ガス導入管34内およびチャンバ12内の領域では、中心線をガス導入管34すなわちチャンバ12と一致する。
塗布液(塗布物)を噴霧するスプレー装置18は、この管状体20内のガス導入管34と中心線を一致する領域に配置される。
なお、管状体20は、送風管36内で送風手段38と逆側に屈曲して、ガス導入部16の外部に至る。管状体20のガス導入部16の外部に至る位置には、スプレー装置18に塗布液を供給する供給管18aが挿通される。
スプレー装置18は、下方から上方に向けて粒子gに塗布する塗布液を噴霧する。
スプレー装置18は、ガス導入管34に収容される管状体20の内部に配置される。従って、粒子gの流動層を形成する流動ガスは、スプレー装置18が上方に向けて噴霧した塗布液を囲むように、ガス導入管34によって下方から上方に向けてチャンバ12内に供給される。
ここで、円筒状のガス導入管34は、円筒状のチャンバ12と中心線を一致して配置され、円筒状の管状体20は、ガス導入管34と中心線を一致して配置される。スプレー装置18は、この管状体20の中に配置される。
スプレー装置18による塗布液の噴霧方向には、制限はなく、下方から上方に向かう方向であればよい。しかしながら、上述したガス導入管34と、チャンバ12と、管状体20との位置関係を考慮すると、スプレー装置18は、管状体20の中心線すなわちガス導入管34およびチャンバ12の中心線と同じ方向に向けて、下方から上方に塗布液を噴霧するのが好ましい。すなわち、スプレー装置18は、噴霧の中心線がチャンバ12等の中心線と一致するように、下方から上方に塗布液を噴霧するのが好ましい。
これにより、後述するように、粒子gと塗布液とを、より好適に混合して、塗布液を効率良く粒子gに塗布することができる。
なお、本発明の流動層塗布装置10において、管状体20は、好ましい態様として設けられるものである。
従って、本発明の流動層塗布装置においては、スプレー装置18は、管状体20を有さないで、下方から上方に塗布液を噴霧するように、ガス導入管34の内部に設けられてもよい。あるいは、本発明の流動層塗布装置においては、スプレー装置18は、ガス導入管34すなわち流動ガスの導入管とは別の位置に配置されて、下方から上方に塗布液を噴霧してもよい。
しかしながら、スプレー装置18(スプレーヘッド)の目詰まりを好適に防止できる、噴霧した塗布液と流動ガスすなわち粒子gとを好適に混合できる、流動ガスがスプレー装置18による塗布液の噴霧に与える影響を低減できる等の点で、スプレー装置18は、図示例のように、流動ガスを導入するガス導入管34の内部に設けられた管状体20の中に配置されるのが好ましい。また、この管状体20を用いる構成によれば、流動ガスがスプレー装置18による塗布液の噴霧に与える影響が少ないので、超音波スプレーのように、液滴の噴霧に流体を用いないスプレー装置18の利用も容易である。
スプレー装置18は、噴霧する塗布液の加熱する加熱手段を有するのが好ましい。
スプレー装置18が塗布液の加熱手段を有することにより、スプレーヘッドの目詰まりを防止できる、高粘度の塗布液でも噴霧することが可能になる、等の点で好ましい。
スプレー装置18による、塗布液の加熱手段(加熱方法)には、制限はなく、スプレー装置18の種類および構成に応じて、公知の方法が、各種、利用可能である。
また、供給管18aに加熱手段を設ける、加熱した塗布液を供給管18aに供給する等の方法で、塗布液を加熱してもよい。さらに、これらの塗布液の加熱方法と、スプレー装置18の加熱手段による塗布液の加熱とを併用してもよい。
本発明の流動層塗布装置10において、スプレー装置18におけるスプレー方式(スプレー方法)には、制限はなく、公知のスプレー方式(スプレー塗布手段、スプレーノズル)が、各種、利用可能である。
スプレー方式としては、一例として、1流体スプレー方式、2流体スプレー方式、超音波スプレー方式、静電容量スプレー方式、および、遠心スプレー方式等、公知のスプレー方式が、各種、利用可能である。
ここで、上述のように、本発明の流動層塗布装置は、微細な粒子gに、好適に塗布液を塗布して、コーティングを行うことができる。このような微細な粒子gに塗布液を塗布して、コーティングする際には、一度に全量の塗布液を塗布するのではなく、少しずつ粒子gに塗布液を塗布して、少しずつコーティングを行うのが好ましい。そのため、スプレー装置18が噴霧する液滴は、小さい方が好ましい。
この点を考慮すると、微細な液滴が噴霧可能である超音波スプレー方式は、本発明の流動層塗布装置10に、好適に用いられる、また、超音波スプレー方式は、液滴サイズの調節の自由度が高い、塗布液の温度調節が容易である等の点でも好適である。
チャンバ12の縮径部には、プラズマ供給手段24が、設けられる。
図示例のプラズマ供給手段24は、プラズマ生成部24aとプラズマ供給管24bとを有する。プラズマ生成部24aは、電極対、電極対にプラズマ励起電圧を印加する電源、および、電極対の間にプラズマガス(プラズマ生成ガス)を供給する供給手段を有する、公知のプラズマ生成手段である。プラズマ供給管24bは、プラズマ生成部24aが生成したプラズマを、例えばプラズマガスによる気流(ガス流)によってチャンバ12内に供給する、流路(管路)である。
すなわち、図示例において、プラズマ供給手段24は、プラズマの生成部と、プラズマによる処理を行う位置が異なる、いわゆる、リモートプラズマによって、チャンバ12の内部にプラズマを供給するものである。
また、流動ガスを導入して粒子gの流動層を形成するチャンバ12内の圧力は、通常、大気圧である。従って、プラズマ供給手段24は、大気圧プラズマであることが必要であり、プラズマの生成部から離間した遠隔部にプラズマ照射ができる、大気圧リモートプラズマであるのが好ましい。
ここで、チャンバ12は、好ましい態様として、下部に、下方に向かって縮径する縮径部を有する。また、プラズマ供給手段24における流路であるプラズマ供給管24bは、チャンバ12の下方の径が縮径する縮径部に取り付けられる。
すなわち、プラズマ供給手段24は、縮径部におけるチャンバ12の内壁面の近傍にプラズマを供給する。
なお、図示例の流動層塗布装置10では、プラズマ供給手段24を2つしか示していないが、本発明は、これに制限はされない。
例えば、本発明の流動層塗布装置は、プラズマ供給手段24(プラズマ供給管24b)を、円筒状のチャンバ12の周方向に、120°の角度間隔で3つを有してもよく、あるいは、90°角度間隔で4つを有してもよく、あるいは、60°の角度間隔で6つを有してもよく、あるいは、45°間隔で8つを有してもよく、あるいは、それ以上のプラズマ供給手段24を有してもよい。
本発明の流動層塗布装置10において、プラズマ供給手段24は、チャンバ12の周方向に等角度間隔で配置されるのに制限はされない。しかしながら、全体の粒子gに均一な塗布液の塗布を行える点では、プラズマ供給手段24は、チャンバ12の周方向に等角度間隔で設けられるのが好ましい。さらに、プラズマ供給手段24は、数が多い方が有利である。具体的には、プラズマ供給手段24は、チャンバ12の周方向に等角度間隔で、2~16個、設けるのが好ましい。
また、プラズマ供給手段24の配置位置は、チャンバ12の中心線方向に異なる位置であってもよい。例えば、中心線方向の2つの位置に、周方向にジグザグに位置するように、プラズマ供給手段24を設けてもよい。
以上の点は、後述するプラズマ供給手段50(図2参照)、および、ダイレクトプラズマ(図3参照)でも、同様である。
以下、図1に示す流動層塗布装置10の作用を説明することにより、本発明の流動層塗布装置について、より詳細に説明する。
上述のように、流動層塗布装置10において、チャンバ12は円筒状で、下部に下方に向けて縮径する縮径部を有する。
チャンバ12の下端には、粒子gによる流動層を形成するための流動ガスを導入するガス導入管34が設けられる。ガス導入管34の中には、管状体20が設けられ、管状体20の中にスプレー装置18が配置される。ガス導入管34は、粒子gの落下を防止する受け皿40が設けられる。
チャンバ12、ガス導入管34および管状体20は、中心を一致して設けられる。円筒状のチャンバ12は、通常、中心線を鉛直方向と一致して配置される。
このようなガス導入管34から供給される流動ガスは、チャンバ12の中央部において、中心線と平行(略平行)に下方から上方に供給される。
そのため、チャンバ12内に収容された粒子gは、図1に破線の矢印によって概念的に示すように、チャンバ12内の中央の下部から流動ガスによって吹き上げられて、チャンバ12内の中央部で上方に向かい、流動ガスの勢いが低減する領域で外方向に広がって降下して、再度、チャンバ12内の中央の下部に戻って、吹き上げられることを繰り返して、流動層を形成する。
ここで、流動層塗布装置10は、ガス導入管34の中に、ガス導入管34と中心線を一致して管状体20が設けられる。また、管状体20内に、噴霧の中心線を管状体20の中心線と一致して、下方から上方に向けて塗布液を噴霧するように、スプレー装置18が配置される。
このように、スプレー装置18が下方から上方に向けて塗布液を噴霧する本発明の流動層塗布装置10においては、塗布液と粒子gとが、最も流速が早い領域で流動ガスのガス流に乗って上方に噴き上げられる。そのため、塗布液と粒子gとは、共に流動ガスの中で迅速に拡散され、かつ、好適に混合される。その結果、微細な粒子gであっても、流動ガス中における位置的な偏差を生じることなく、各粒子gに均一に塗布液を塗布できる。
しかも、粒子gへの塗布液の塗布は、チャンバ12の中央下方から上昇し、外方向に広がり、降下してチャンバ12の中央下方に戻る、図1に破線で示す粒子の流れにおける、最初に行われる。すなわち、塗布位置における流動ガスの流速と、塗布後の再塗布までの流動長の長さとの相乗効果によって、粒子gは、塗布液を塗布される時点では、先に塗布された塗布液が乾燥している。
加えて、図示例の流動層塗布装置10は、好ましい態様として、ガス導入管34の中に管状体20を有し、管状体20の中にスプレー装置18が配置される。そのため、スプレー装置18による塗布液の噴霧が流動ガスに影響を受けない。
さらに、スプレー装置18による塗布液の噴霧が流動ガスに影響を受けないので、噴霧の勢いを強くする必要が無く、液滴を微細にできる。その結果、粒子gへの塗布液の塗布量を微量にして、流動層を形成して循環される粒子gに、徐々に、塗布液を塗布することができる。
その結果、微細な粒子gでも、好適に塗布液を塗布して、均一かつ適正に塗布液で被覆することが可能になる。
上述のように、流動ガスによってチャンバ12の底部の中央部分から吹き上げられた粒子gは、流動ガスの流速が遅くなる領域で、チャンバ12内の外側に広がり、その後、降下する。
流動ガスは、チャンバ12の中央の下部から上方に向けて導入され、チャンバ12の上面を閉塞する蓋体14の排気筒14aから、チャンバ12の外部に排気される。従って、チャンバ12内における流動ガスの流路は、基本的に、チャンバ12の下方から上方に抜ける一方向である。すなわち、チャンバ12における粒子gの流動層において、粒子gの降下は、流動ガスすなわち気流の影響を殆ど受けない、自重による落下である。
上述のように、チャンバ12の下部の縮径部の壁面には、好ましい態様として、プラズマ供給手段24のプラズマ供給管24bが取り付けられ、チャンバ12内に、大気圧リモートプラズマによるプラズマPが供給されている。
すなわち、流動層を形成する粒子gは、好ましい態様として、降下する際にプラズマ供給手段24から供給されるプラズマPで処理される。
本発明の流動層塗布装置10は、このような構成を有することにより、微細な粒子gであっても、好適に塗布液を塗布し、かつ、コーティングすることを可能にしている。
周知のように、塗布液の塗布に先立ち、被処理物をプラズマで処理することにより、被処理物への塗布液等の付着性および被覆性を向上できる。特に、微細な粒子に塗布液を塗布してコーティングを行う際には、粒子のプラズマ処理による表面改質は有効である。
プラズマ処理の方法としては、例えば、高周波熱プラズマ処理が知られている。このプラズマ処理は、3000~15000℃での処理が可能であるが、プラズマガスとして不活性ガスを用いる必要がある。流動層と高周波熱プラズマ処理手段とを一体化し、処理容器内を全て不活性ガスで満たすことも可能である。しかしながら、大がかりなガス供給装置が必要であり、非常にランニングコストが高くなり、現実的ではない。
また、粒子gは、必ずしも熱に強いものではない。
以上の点を考慮すると、流動層における粒子gのプラズマ処理では、低温での処理が可能な大気圧プラズマを用いるのが好ましい。
また、流動層を形成する粒子gのプラズマ処理と、粒子gへの塗布液の塗布とは、同じ系内で行うことが重要である。
すなわち、大気圧プラズマによって粒子gを均一に処理できても、逐次で処理系の移動が生じると、表面の失活といった不安定性が生じる。粒子g、特に微細な粒子gは、表面積が大きく、表面の失活を加速する。従って、粒子gの処理は、塗布液の塗布とプラズマ処理とが同じ系にあることが、粒子gへの塗布液の塗布およびコーティングの安定に大きくつながる。
これに対し、チャンバ12内に大気圧リモートプラズマによってプラズマPを供給するプラズマ供給手段24を有する流動層塗布装置10によれば、大気圧プラズマを用い、チャンバ12内において、粒子gへの塗布液の塗布と、粒子gのプラズマ処理とを、行うことができる。
加えて、図示例の流動層塗布装置10においては、好ましい態様として、流動層を形成する粒子gが降下する位置にプラズマPを供給して、プラズマ処理を行う。流動層塗布装置10は、これにより、より好適な粒子gのプラズマ処理、および、より好適な粒子gへの塗布液の塗布(コーティング)を可能にしている。
流動層における粒子gのプラズマ処理では、粒子gが充分に流動し、かつ、分散している状態で、プラズマ処理を施すことが重要である。
また、粒子g、特に微細な粒子gをプラズマ処理する際には、プラズマが気流等による影響を受けにくい状態で処理を行うのが好ましい。プラズマが気流による影響を受けると、プラズマの濃度が低下して、十分な処理ができない。
プラズマの強度を高くして、高密度なプラズマを生成することで、気流の影響を少なくすることも可能である。しかしながら、粒子gの損傷等を考慮すると、特に微細な粒子gでは、プラズマが強すぎるのは、好ましくない。
これに対し、本発明の流動層塗布装置10では、好ましい態様として、流動層を形成する粒子gが降下する位置にプラズマPを供給してプラズマ処理を行う。
上述のように、流動層を形成する流動ガスは、基本的に、チャンバ12内を下方から上方に向かって抜ける。そのため、チャンバ12内で降下する粒子gは、流動ガスの影響を受けずに自重で落下している。従って、粒子gが降下する位置にプラズマPを供給してプラズマ処理を行うことにより、気流の影響を受けることなく、緩やかなプラズマPでも十分な粒子gのプラズマ処理を行うことができる。
また、上述のように、本発明の流動層塗布装置10では、塗布液の噴霧は、チャンバ12の中央下方から上昇し、外方向に広がり、降下してチャンバ12の中央下方に戻る、図1に破線で示す粒子の流れにおける、最初に行われる。加えて、本発明によれば、上述したように、スプレー装置18が噴霧する塗布液の液滴を、十分に小さくでき、粒子gへの塗布液の塗布を、徐々に行うことができる。そのため、降下している粒子gでは、塗布された塗布液は、十分に乾燥している。
その結果、粒子が降下する位置にプラズマPを供給して処理することにより、粒子gのみならず、乾燥した塗布液もプラズマ処理される。
従って、流動層塗布装置10では、流動層を形成して循環する粒子gに、塗布液の塗布、乾燥、ならびに、粒子gおよび乾燥済の塗布液へのプラズマ処理を、繰り返し行うことができる。
チャンバ12内へのプラズマPの供給位置、すなわち、プラズマ供給管24bの取り付け位置は、縮径部のチャンバ12の壁面に制限はされない。すなわち、プラズマ供給管24bの取り付け位置は、粒子gが降下する位置に対応する壁面であればよい。例えば、図示例の流動層塗布装置10であれば、粒子gが降下する位置に対応していれば、チャンバ12が縮径しない直管の領域の壁面に、プラズマ供給管24bを取り付けてもよい。
しかしながら、チャンバ12が下部に縮径部を有する場合には、塗布液の塗布からプラズマ処理までの乾燥長を長くできる等の点で、縮径部にプラズマ供給管24bを取り付けるのが好ましい。
なお、本発明において、プラズマ供給管24bの取り付け位置は、粒子gの流動が極めて少なくなる、もしくは、気流の巻き上げが始まる、底部および底部の近傍は、好ましくない。
以上の点は、後述するダイレクトプラズマを利用する態様も、同様である。
プラズマPによって処理された粒子gは、チャンバ12の壁面に沿って降下して、再度、チャンバ12内の中央の下部に戻って、吹き上げられることを繰り返す。これにより、粒子gには、徐々に塗布液が塗布され、すなわち、徐々に塗布液で被覆され、コーティングが施される。
その結果、本発明の流動層塗布装置10によれば、例えば、粒径が10μm以下の粒子に、100nmレベルの非常に薄い被膜を形成することが可能である。
図1に示す流動層塗布装置10は、プラズマ供給手段24は、プラズマ生成部24aとプラズマ供給管24bとを有する、いわゆる、大気圧リモートプラズマによってチャンバ12にプラズマを供給するものであったが、本発明は、これに制限はされない。
すなわち、本発明の流動層塗布装置は、各種のプラズマ供給手段が利用可能である。
図2に、プラズマ供給手段の別の例を示す。
図2に示す例も、プラズマをチャンバ12内に供給するための流路が、チャンバ12の壁面に取り付けられる、大気圧リモートプラズマの一種である。
図2に示すプラズマ供給手段50は、二重管構造を有するものであり、内管52と、外管54と、第1電極56と、第2電極58と、電源60とを有する。
内管52および外管54は、石英などのガラス質材料、および、アルミナなどのセラミック材料等の高融点の絶縁材料(誘電体材料)で形成されている。
内管52および外管54は、共に円管で、中心線を一致して内管52が外管54に挿通される。プラズマ供給手段50において、内管52と外管54との間隙62は、プラズマガスPGの供給路、および、生成したプラズマPの流路となっている。
プラズマ供給手段50は、プラズマPの流路を形成する外管54が、上述したプラズマ供給管24bと同様に、チャンバ12の縮径部等に取り付けられる。
第1電極56および第2電極58は、共に、内径が外管54の外径と略同一な円筒状の電極で、外管54を挿通して配置される。
第1電極56と第2電極58とは、第2電極58をチャンバ12側にして、外管54の中心線方向に離間して配置される。
また、第1電極56は接地(アース)される。他方、第2電極58は電源60に接続される。電源60は、例えば高周波パルス電源で、所定周波数のパルス状電圧を第2電極58に印加する。
プラズマ供給手段50において、図示しない供給源から、内管52と外管54との間隙62にプラズマガスPGが、供給される。
この際に、電源60から第2電極58にパルス状電圧が印加されると、第1電極56と第2電極58との間が放電領域DAとなって、この放電が放電領域DAを流れるプラズマガスPGに作用して、プラズマPが生成される。生成されたプラズマPは、プラズマガスPGの流れによって、さらに間隙62を流れて、内管52と外管54とからなる二重管の端部から、チャンバ12の内部に供給される。
ここで、プラズマ供給手段50は、内管52と外管54とからなる二重管構造を有し、内管52の内部に、各種の処理ガスMGを流すことができる。すなわち、プラズマ供給手段50によれば、必要に応じて、内管52を用いて、プラズマで処理された各種の処理ガスMGを、チャンバ12内に供給できる。
そのため、プラズマ供給手段50によれば、供給したプラズマPによる粒子gの処理に加え、必要に応じて、プラズマ処理された処理ガスMGによる粒子gの処理等を行うこともできる。
一例として、処理ガスMGとして、TEOS(テトラメトキシシラン)等を導入する方法が例示される。この方法によれば、プラズマ処理したTEOSによって、粒子gの表面にSi-OHおよびSiO2等の修飾基を形成して、塗布液によるコーティング(被膜)と粒子gとの密着性を向上することができる。
本発明の流動層塗布装置において、プラズマ供給手段は、上述したような大気圧リモートプラズマに限定はされない。
例えば、図3に概念的に示す流動層塗布装置10Aのように、チャンバ12の内部に、プラズマを生成するための電極対64を設け、例えば流動ガスをプラズマガスとして用いる大気圧プラズマによって、チャンバ12の内部にプラズマを生成してもよい。
なお、図3に示す例において、電極対64には、図示しないプラズマ励起電源等が接続される。プラズマ励起電源は、公知のものが利用可能である。また、前述のように、流動ガスは空気が好適に用いられるので、この際には、プラズマガスは空気である。
この際には、プラズマが生成された、電極対64を構成する電極間を通過する粒子gに、プラズマ処理が施される。すなわち、本例は、プラズマの生成位置と、プラズマによる粒子gの処理位置とが等しい、いわゆるダイレクトプラズマによる処理である。
電極対64の配置位置は、図示例のチャンバ12の傾斜部には制限はされず、チャンバ12の内部であればよい。
しかしながら、上述したプラズマ供給手段と同様、プラズマを生成する電極対64は、流動層を形成する粒子gが降下(自重落下)する位置に設けられるのが好ましい。
さらに、降下する粒子gが、電極対を形成する電極間を好適に通過できるように、電極は、面方向を上下方向に向けて設けられるのが好ましく、面方向をチャンバ12の壁面に平行に設けられるのがより好ましい。また、上述のプラズマ供給手段24と同様の理由で、図示例のように、チャンバ12の縮径部において、電極の面方向をチャンバ12の壁面に平行にして設けられるのが、さらに好ましい。
なお、プラズマ生成のための電極対64は、縮径部の全周に対応する円錐台状であってもよく、あるいは、上述したプラズマ供給手段24と同様に、分割して等角度間隔に配置してもよい。
さらに、本発明の流動層塗布装置は、プラズマ供給手段として、上述したリモートプラズマと、このようなダイレクトプラズマとを、併用してもよい。
以上、本発明の流動層塗布装置について詳細に説明したが、本発明は上記の態様に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々、改良や変更を行ってもよい。
微粒子のコーティング等による機能性粒子等の製造に、好適に利用可能である。
10,10A 流動層塗布装置
12 チャンバ
14 蓋体
14a 排気筒
16 ガス導入部
18 スプレー装置
18a 供給管
20 管状体
24 プラズマ供給手段
26 フィルタ
30 排気経路
30a 領域
30b 排気管
30c 集塵機
34 ガス導入管
36 送風管
38 送風手段
40 受け皿
50 プラズマ供給手段
52 内管
54 外管
56 第1電極
58 第2電極
60 電源
64 電極対
g 粒子
P プラズマ
PG プラズマガス
MG 処理ガス
DA 放電領域

Claims (7)

  1. 被処理粒子を収容する処理容器と、
    前記処理容器内に、前記被処理粒子の流動層を形成するための流動ガスを、下方から上方に向けて導入するガス導入手段と、
    前記処理容器内に、前記被処理粒子に塗布する塗布液を、下方から上方に向けて噴霧するスプレー装置と、
    前記処理容器内に、プラズマを供給するプラズマ供給手段と、を有し、かつ、
    前記プラズマ供給手段は、生成したプラズマを、気流によって流路から前記処理容器内に供給するものであり、前記流路が、前記処理容器の壁面に取り付けられることを特徴とする流動層塗布装置。
  2. 前記プラズマ供給手段は、前記処理容器内において、少なくとも、前記流動層を形成する前記被処理粒子が降下する位置にプラズマを供給する、請求項1に記載の流動層塗布装置。
  3. 前記処理容器は、下方に向けて、断面積が、漸次、縮小する縮小領域を有し、
    前記流路が、前記縮小領域における前記処理容器の壁面に取り付けられる、請求項1または2に記載の流動層塗布装置。
  4. 前記スプレー装置が、超音波スプレー装置である、請求項1~のいずれか1項に記載の流動層塗布装置。
  5. 前記スプレー装置のスプレーヘッドを囲む、前記塗布液の噴霧方向に延在する筒状体を有する、請求項1~のいずれか1項に記載の流動層塗布装置。
  6. 前記ガス導入手段は、前記筒状体を囲んで設けられる導入部から、前記流動ガスを前記処理容器に導入する、請求項に記載の流動層塗布装置。
  7. 前記プラズマ供給手段は、大気圧プラズマによってプラズマを生成する、請求項1~のいずれか1項に記載の流動層塗布装置。
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