JPH06228739A - 大気圧プラズマによる粉体の表面処理方法とその装置 - Google Patents

大気圧プラズマによる粉体の表面処理方法とその装置

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JPH06228739A
JPH06228739A JP1573793A JP1573793A JPH06228739A JP H06228739 A JPH06228739 A JP H06228739A JP 1573793 A JP1573793 A JP 1573793A JP 1573793 A JP1573793 A JP 1573793A JP H06228739 A JPH06228739 A JP H06228739A
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JP
Japan
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powder
gas
plasma
rare gas
atmospheric pressure
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JP1573793A
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Sachiko Okazaki
幸子 岡崎
Masuhiro Kokoma
益弘 小駒
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 粉体の浮遊搬送過程において、粉体を希ガ
ス、もしくは希ガスおよび反応性ガスとの混合ガスによ
って浮遊搬送するとともに、大気圧以上の圧力下にグロ
ー放電させて粉体表面をプラズマ処理する。 【効果】 真空排気設備を必要とすることなく、簡便
に、高効率および高品質での粉体の表面処理を可能とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、大気圧プラズマによ
る粉体の表面処理方法とその装置に関するものである。
さらに詳しくは、この発明は、各種粉体の表面物性を効
果的に改質することのできる新しい大気圧プラズマ条件
下での表面処理方法とそのための装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、金属、合金、セラ
ミックス、ポリマー等の各種の粉体に対して、表面活性
化、表面修飾、疎水化、あるいは親水化等の目的のもと
に表面処理を施すことが広く行われている。そのための
手段にも各種のものが知られている。このような粉体の
表面処理方法の一つとして、低圧真空条件下で放電プラ
ズマ処理する方法も知られている。
【0003】しかしながら、この従来の低圧条件下での
プラズマ処理の場合には、低圧条件とするために制約が
大きく、真空排気系の設備が必要であるばかりでなく、
粉体表面を、多数の粉体の個々の粒子について均一に処
理するための条件を形成することが難しいという問題が
あった。また、その処理の効率化にもおのずと制約があ
った。
【0004】このため、従来の低圧プラズマ処理によっ
ては、高品質、高性能での効率の良い処理は実際的に困
難でもあった。この発明は、以上の通りの事情に鑑みて
なされたものであって、従来の低圧プラズマによる粉体
の表面処理の欠点を解消し、高品質、高性能、そして高
効率での処理を、真空排気系等の設備を必要とすること
なく実施することのできる、新しい大気圧プラズマによ
る粉体の表面処理方法とそのための装置を提供すること
を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の通り
の課題を解決するものとして、粉体の浮遊搬送過程にお
いて、粉体を希ガス、もしくは希ガスおよび反応性ガス
との混合ガスによって、浮遊搬送するとともに、大気圧
グロー放電させて粉体表面をプラズマ処理することを特
徴とする大気圧プラズマによる粉体の表面処理方法を提
供する。
【0006】また、この発明は、そのための装置とし
て、粉体を浮遊搬送する管路と、この管路に配置した電
極およびガスの導入部と排気部とを有する管路流通系の
放電プラズマによる粉体表面の処理装置であって、ガス
導入部からは希ガス、もしくは希ガスと反応性ガスとの
混合ガスが導入され、粉体は、この混合ガスによって管
路搬送され、電極への電圧印加により生成された大気圧
グロー放電プラズマによってその表面が処理されること
を特徴とする大気圧プラズマによる粉体の表面処理装置
を提供する。
【0007】
【作用】すなわち、この発明は、発明者がすでにプラズ
マ技術の新しい領域を拓くものとして提案している大気
圧もしくはそれ以上の圧力条件下でのグロー放電プラズ
マ技術を応用したものである。この大気圧プラズマ技術
は、旧来の技術常識からは全く予想もし得なかった大気
圧以上の条件でグロー放電プラズマが生成するとの知見
に基づいてなされたものである。低圧真空条件を採用し
なくともグロー放電プラズマが生成し、その産業技術と
しての応用が可能であるとの知見は、まさにプラズマ反
応技術の新次元を拓くものであった。
【0008】発明者による努力によって、この大気圧プ
ラズマ技術は、固体基体の表面処理、薄膜形成の各分野
において応用上の適用可能性が明らかにされてきてい
る。ただ、これまでの知見では、粉体、特に微粉体に対
してこの大気圧プラズマ技術を適用することは難しいと
考えられていた。その理由は、粉体の個々の粒子を均一
に処理するための手段が難しく、かつ、大気圧下でのグ
ロー放電プラズマの安定性が粉体の挙動によって損われ
るのではないかと懸念されたからである。
【0009】しかしながら、この発明によって、大気圧
プラズマが適用され、粉体の表面に対して、均一に、か
つ高品質、高効率での処理が可能とされた。このこと
は、希ガス、もしくは希ガスと反応性ガスとの混合ガス
によって粉体を浮遊させ、その浮遊搬送の過程において
グロー放電プラズマを大気圧下に生成させて、このプラ
ズマにより粉体表面を処理することで実現可能となる。
【0010】従って、従来の低圧プラズマ技術はもちろ
んのこと、これまで提案している大気圧グロー放電プラ
ズマ技術の知識からは予期することのできない粉体表面
処理が可能となった。この発明を実施するに当っては、
対象とする粉末の種類には特別の限定はない。各種のポ
リマー粉体がこの発明の方法の対象として適用可能とさ
れる。これら粉体の粒径、形状にも特に限定はない。
【0011】また、希ガスとしては、He、Ne等が使
用されるが最も好適にはHeが使用される。もちろん、
混合された希ガスであってもよい。たとえばHe+N
e、He+Ar等である。反応性ガスとしては、表面処
理の目的に応じて選択される。たとえば、酸素、水素、
窒素、炭化水素、アンモニア、アミン、弗化炭化水素、
ハロゲン等々が例示される。一般的には、これら反応性
ガスを使用する場合には、希ガスの割合が90容量%以
上を占めるようにするのが好ましい。このため、反応性
ガスの割合は10%以下とする。表面処理時のガスによ
る圧力は、大気圧もしくはそれ以上とすることができ
る。この圧力、そしてガスの流量は、粉体を浮遊搬送す
るに充分であって、かつ、プラズマ処理が行われるよう
に適宜に選択すればよい。
【0012】また、表面処理のための装置の構成につい
ても、以上の条件に沿うようにする。以下、実施例を示
し、さらに詳しくこの発明の表面処理について説明す
る。
【0013】
【実施例】スチレンとジビニルベンゼンの共重合体の多
孔質粉体(SDB)の平均粒径約400μmの粉体に対
して疎水化表面処理を行った。装置としてはたとえば図
1に示したものを用いることとした。この図1の装置の
場合には、粉体を浮遊搬送する管路(1)と、この管路
(1)に配置した電極(2)およびガス導入部(3)と
ガス排気部(4)とを有する管路流通系の放電プラズマ
による粉体表面の処理装置を構成している。
【0014】ガス導入部(3)からは、希ガス、もしく
は希ガスと反応性ガスとの混合ガスが導入される。底部
の閉止部内に装入した粉体は、この導入ガスによって吹
き上げられて浮遊し、ガス排気部(4)方向へ搬送され
る。搬送の過程で、電極(2)に印加された電圧(H.
V.)によって、大気圧もしくはそれ以上の圧力下にお
いてグロー放電が生成される。
【0015】このグロー放電によるプラズマが粉体の表
面を処理することになる。また、この図1の例において
は、補助電極(5)を設けてもいる。この補助電極
(5)は、非導電性の粉体を用いる場合に有効なもの
で、静電気を除去するためのものである。静電気は粉体
の相互付着をもたらすことから、この静電気の除去が望
ましい。そして、この補助電極(5)によって、導電
性、非導電性を問わず、処理することが可能となる。
【0016】もちろん、この発明においては、図1の例
に限定されることはない。底部の閉止部も開放し、完全
な流通系としてもよいことは言うまでもない。以上の図
1の装置を用いてスチレン−ジビニルベンゼン共重合体
(SDB)粉体を処理するに際しては、Heで希釈した
CF4 またはC3 6 の混合ガスによる大気圧グロー放
電プラズマを利用した。その条件は、次の表1に示し
た。
【0017】
【表1】
【0018】処理後の粉体の疎水性は臨界エタノール濃
度法により測定した。これは水とエタノールの表面張力
の差を利用し、粉体試料を水上に浮かべ、エタノールを
滴下し、試料が完全に沈んだ時の溶液中のエタノールの
濃度を求める方法である。図2は、この臨界エタノール
濃度の結果を示したものである。この図2は、CF4
3 6 による弗素化によって、疎水性が大きく向上し
ていることがわかる。ESCA測定によって、CF4
3 6 共に5分間の処理で生成物表面に約50at%
の弗素原子の存在が確認された。
【0019】
【発明の効果】この発明によって、以上詳しく説明した
通り、真空排気系の設備を必要とすることなく、大気圧
条件において、高効率で、高品質な粉体の表面処理が可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】処理装置の一例を示した断面構成図である。
【図2】実施例としての臨界エタノール濃度を示した図
である。
【符号の説明】
1 管路 2 電極 3 ガス導入部 4 ガス排気部 5 補助電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉体の浮遊搬送過程において、粉体を希
    ガス、もしくは希ガスおよび反応性ガスとの混合ガスに
    よって浮遊搬送するとともに、大気圧グロー放電させて
    粉体表面をプラズマ処理することを特徴とする大気圧プ
    ラズマによる粉体の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 希ガス濃度が混合ガスの90%以上であ
    る請求項1の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 粉体を浮遊搬送する管路と、この管路に
    配置した電極およびガスの導入部と排気部とを有する管
    路流通系の放電プラズマによる粉体表面の処理装置であ
    って、ガス導入部からは希ガス、もしくは希ガスと反応
    性ガスとの混合ガスが導入され、粉体は、この混合ガス
    によって管路搬送され、電極への電圧印加により生成さ
    れた大気圧グロー放電プラズマによってその表面が処理
    されることを特徴とする大気圧プラズマによる粉体の表
    面処理装置。
JP1573793A 1993-02-02 1993-02-02 大気圧プラズマによる粉体の表面処理方法とその装置 Pending JPH06228739A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7678429B2 (en) 2002-04-10 2010-03-16 Dow Corning Corporation Protective coating composition
US7758928B2 (en) 2003-10-15 2010-07-20 Dow Corning Corporation Functionalisation of particles
US7893182B2 (en) 2003-10-15 2011-02-22 Dow Corning Corporation Manufacture of resins
WO2022044763A1 (ja) * 2020-08-31 2022-03-03 富士フイルム株式会社 流動層塗布装置

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