JP4777215B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Description
また、放電灯の明るさを調光するために点灯電力を低下させたとき、放電灯の立ち消えを誘発しないように、調光時のDC/DCコンバータの動作における極性反転時のオンデューティ幅を広げるものがある(例えば、特許文献2参照)。
上記の各装置は、点灯直後あるいは低電力によって不安定な点灯状態になる放電灯の放電/発光を安定させるもので、当該放電灯点灯装置の出力極性が反転して放電灯に流れる電流がゼロ点を通過する際に、電流の流れない休止区間の発生や、マルチ突起間アークジャンプ現象等による放電特性の変化により、電流ゼロ点通過後の放電灯のインピーダンスが大きくなり、放電灯の両端電圧の上昇と電流低下が発生して放電が不安定になる現象、それに伴う発光量低下や立ち消え、あるいは、ちらつきが発生することを回避している。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による放電灯点灯装置の構成を示すブロック図である。この図は、放電灯点灯装置を構成する電気回路の概略接続を示すもので、自ら備える放電電極間に印加された電圧によって放電発光/点灯する放電灯1、図示を省略した電源からの電圧を昇圧する例えばフライバック式のDC/DCコンバータ2、DC/DCコンバータ2から出力される直流電圧を用いて矩形波状の交流電圧を生成するインバータ3、及び、インバータ3の出力電圧を用いて放電灯1の起動用高電圧を発生するイグナイタ4を備えている。
電圧検出部5は、例えば、DC/DCコンバータ2の出力端とインバータ3の入力端とを接続する高電位側接続線と低電位側接続線との間に並列接続され、これらの接続線間の電圧を入力して放電灯1の放電電極間に印加されている電圧値を表す信号を出力するように構成されている。電流検出部6は、例えば、DC/DCコンバータ2の出力端とインバータ3の入力端との接続線に直列接続され、この接続線に流れる電流を入力して放電灯1に流れている電流値を表す信号を出力するように構成されている。
また、電圧検出部5の出力信号、電流検出部6の出力信号、及び、異常判断部8の判断結果を示す信号を入力してDC/DCコンバータ2の動作を制御する制御部9、異常判断部8の制御により異常点灯発生に関するデータを異常点灯情報として記憶する不揮発性メモリの例えばEEPROMから成る記憶部10、異常判断部8の制御に応じて警告動作を行うアラーム11を備えている。
図2は、放電灯の動作を示す説明図である。この図は、放電灯1の放電電極間の電圧波形21を最上段に、放電灯1に流れる電流波形22を中段に、また、放電灯1の放電/発光状態を示す発光量変化23を最下段に示したものである。電圧波形21は放電灯1の放電電極間の電圧[V]の経時変化を表し、電流波形22は放電灯1に流れる電流[A]の経時変化を表し、発光量変化23は放電灯1の発光量[lx]の経時変化を表す。
制御部9の制御によってDC/DCコンバータ2が所定の電圧を生成し、放電灯1の起動が開始されると、イグナイタ4が起動用の高電圧パルスを発生して放電灯1へ印加する。制御部9は、起動用高電圧パルスの印加により放電灯1が放電/点灯を開始したことを電圧検出部5及び電流検出部6の出力信号、即ち放電灯1の電圧値及び電流値から認識すると、放電灯1の点灯を維持する定格電圧を供給するようにDC/DCコンバータ2の動作を制御する。また上記の起動用高電圧パルスの印加後にインバータ3が動作し、放電灯1へ印加する電圧の正負極性を反転させる。
放電灯1の定常点灯時には、電圧波形21の図中左側のように一定の振幅を保っている即ち一定の電圧が放電灯1の放電電極間に生じ、このとき流れる電流も電流波形22の図中左側のように一定の振幅を保っている交流電流となる。このときの発光量変化23は潤沢な一定の発光量を保っている。
上記の説明は、長時間の点灯によって寿命が末期に近付いた放電灯1に生じる現象であるが、まれに使用時間の短い新品同様の放電灯1でも、様々な要因によって上記の電圧変動量24及び電流変動量25が大きくなり、放電電極間の放電状態が不安定になるものがある。このように放電電極間の放電状態が不安定なとき、当該放電電極間即ち放電灯1に供給する電力を大きくすると放電状態が安定する。
前述のように制御部9の制御によりDC/DCコンバータ2が動作し、インバータ3がDC/DCコンバータ2の出力電圧を用いて交流電圧を発生させ、放電灯1を点灯させているとき、電圧検出部5及び電流検出部6から出力されたアナログ信号はA/D変換部7によってディジタル信号に変換され、異常判断部8へ入力される。
なお、放電灯1の定常点灯では供給される電圧の極性反転により放電発光を維持するので、図2及び図3等に示した電圧波形21及び電流波形22を成す一つの矩形波が点灯サイクルを表すものとなる。
電圧変動量24及び電流変動量25が生じた間隔が所定の期間よりも狭くなっていない場合には、例えば外部からの振動などにより、一過性の異常点灯が生じているだけなので、このときの異常点灯情報を用いることをキャンセルしてアラーム11の稼動や放電灯1へ供給する電力の増加を行わない。また、放電灯1が新品等の正常に点灯するものに交換された場合には、長い期間、電圧変動量24及び電流変動量25が生じなくなることから、一定期間より長く上記の変動量が生じないときには記憶部10に記憶されている異常点灯情報の使用をキャンセルし、記憶内容をリセットする。
なお、上記のオンデューティ幅の拡大量、即ち電力増加量28は、異常判断部8もしくは制御部9のいずれかが、電圧検出部5及び電流検出部6から入力している電圧値及び電流値によって認識している電圧変動量24及び電流変動量25に応じて適切な値を求め、この値の電力増加量28が上乗せされるようにDC/DCコンバータ2の出力電力を制御する。
また、異常判断部8が異常点灯の程度を判断することにより、一過性の異常点灯が発生した場合、また放電灯1を新品等に交換された場合には、異常点灯情報をキャンセルして放電灯1の寿命の誤判断を防ぐことができる。
また、異常判断部8が異常点灯が発生していると判断したときアラーム信号を出力するようにしたので、例えば車両に搭載されたアラーム11に警告点灯を行わせることができ、放電灯1の交換をユーザに催促することができる。
また、異常判断部8が異常点灯と判断して制御部9がDC/DCコンバータ2のオンデューティ幅を拡大するとき、インバータ3の動作による極性反転時のみに上記のオンデューティ幅を拡大するようにしたので、電力を増加することによる放電灯1もしくは装置各部の寿命低下を抑制することができる。
また、異常判断部8が、異常点灯が発生したと判断した点灯サイクルの次のサイクルで放電灯1へ供給する電力を増加するようにDC/DCコンバータ2のオンデューティ幅を制御しているので、異常点灯により発光量が低下した点灯サイクルの次の点灯サイクルで発光量を増加させて異常点灯を肉眼では視認され難いようにすることができる。なお、放電灯1を定常点灯させるときに用いる交流電圧は、例えば400Hzの周波数を有するもので、肉眼がフリッカとして視認することができる周波数よりも十分高い。このような周波数で正負極性が反転するとき、一つの点灯サイクルで発光量が減少し、次の点灯サイクルで発光量を増加させると、肉眼では平均的な光量を概ね均一に保っているように視認される。
実施の形態2による放電灯点灯装置は、実施の形態1で図1を用いて説明したものと同様に構成されている。ここでは、同様な構成の重複説明を省略する。また、図1に示したものと同一あるいは相当する部分に同じ符号を用いて説明する。
実施の形態2による放電灯点灯装置は、イグナイタ4を用いて放電灯1を起動させ、その後、DC/DCコンバータ2の出力電圧を用いてインバータ3が交流電圧を発生させ、この交流電圧を用いて定常点灯を行う動作は、実施の形態1で説明したものと同様である。ここでは同様な動作の重複説明を省略し、実施の形態2による放電灯点灯装置の特徴となる動作の説明を行う。
図4は、この発明の実施の形態2による放電灯点灯装置の動作を示す説明図である。図2及び図3に示したものと同一あるいは相当する部分に同じ符号を使用し、その説明を省略する。図中、最上段には放電灯1に供給される、即ちDC/DCコンバータ2から出力される電力[W]の電力波形27、その下段には放電灯1の放電電極間の電圧[V]の電圧波形21、その下段には放電灯1に流れる電流[A]の電流波形22、最下段には放電灯1の発光量[lx]を示す発光量変化23を示している。
上記のように電力増加量31を上乗せして放電灯1を点灯させると、点灯サイクルの後半の期間で発光量を増大させるため、肉眼では発光量の減少ならびに増大を視認することができ難く、一定の光量を保つ定常点灯のように視認される。
なお、ここで説明した放電灯点灯装置は、異常判断部8と制御部9とを備えた構成により動作するものであるが、異常判断部8を制御部9に含めて構成し、異常判断部8の各動作処理を制御部9で行うようにしたときにも同様な作用効果が得られる。
Claims (6)
- 放電灯の点灯電力を出力するDC/DCコンバータ、前記DC/DCコンバータの出力電圧を用いて交流電圧を発生させ前記放電灯に印加するインバータ、前記放電灯に印加している電圧を検出する電圧検出手段、前記放電灯に流れている電流を検出する電流検出手段、及び、前記電圧検出手段及び電流検出手段の検出値に応じて前記DC/DCコンバータの動作を制御する制御手段を備える放電灯点灯装置において、
前記インバータからの交流電圧によって前記放電灯が点灯しているとき、該交流電圧の極性反転時に前記電圧検出手段及び電流検出手段からの検出値が所定値以上変化すると前記放電灯に異常点灯が生じていると判断する異常判断手段を備え、
異常判断手段は、異常点灯が発生したと判断したときDC/DCコンバータの出力電力を増加させ、異常点灯の発生を判断した点灯サイクルの次の点灯サイクルで該異常点灯により低下した発光量を補う電力をDC/DCコンバータに増加出力させることを特徴とする放電灯点灯装置。 - 異常判断手段が異常点灯と判断したとき異常点灯の発生を表す異常点灯情報を記憶する記憶手段を備えることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 異常判断手段は、異常点灯の程度に応じて記憶手段に記憶されている異常点灯情報をキャンセルするか否かを判断することを特徴とする請求項2記載の放電灯点灯装置。
- 異常判断手段は、異常点灯が発生したと判断したときアラーム手段を稼動させるアラーム信号を出力することを特徴とする請求項2記載の放電灯点灯装置。
- 異常判断手段は、インバータから出力される交流電圧の極性反転のタイミングに同期してDC/DCコンバータの出力電力を増加させることを特徴とする請求項2記載の放電灯点灯装置。
- 異常判断手段は、異常点灯の発生を判断した点灯サイクルの中で低下した発光量を補う電力をDC/DCコンバータに増加出力させることを特徴とする請求項2記載の放電灯点灯装置。
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