JP4776581B2 - 入眠状態検知方法、入眠状態検知装置、入眠状態検知システム及びコンピュータプログラム - Google Patents

入眠状態検知方法、入眠状態検知装置、入眠状態検知システム及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、時系列的に得られる顔の画像データから眼の開度を算出して入眠状態を検知する入眠状態検知方法、該入眠状態検知方法を実施する入眠状態検知装置、該入眠状態検知装置を備えた入眠状態検知システム、及びコンピュータを前記入眠状態検知装置として機能させるためのコンピュータプログラムに関する。
自動車等の車両の運転状態を監視する運転状態監視システムが提案されている。運転状態監視システムは、運転者の顔を撮像できる適宜箇所に設置された撮像装置及び入眠状態検知装置等から構成されている。撮像装置は運転者の顔を撮像し、入眠状態検知装置は撮像して得られた画像データから運転者の眼の開き具合(以下、開度という)を算出して入眠状態を検知する(例えば、特許文献1)。運転状態監視システムを用いることにより、運転者の居眠り運転を検知することができ、居眠り運転を行っている運転者にアラームで注意勧告するシステムを構成することも可能である。なお、入眠状態とは、覚醒状態から睡眠状態への過渡するまでの状態である。
特開平10−275212号公報
しかしながら、特許文献1に係る入眠状態検知装置においては、開度によって入眠状態を検知する構成であるため、覚醒状態であるにも関わらず笑う等の表情変化によって眼が細くなった場合、入眠状態と誤検出される場合があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、眼の開度によって入眠状態及び第1覚醒状態を判別すると共に、眼の開度によって判別できない入眠状態及び第2覚醒状態を下瞼の湾曲度によって判別することにより、第2覚醒状態を入眠状態と誤検出することを防止し、入眠状態の検出精度を向上させることができ、更に入眠状態及び第2覚醒状態の判別基準となる下瞼の湾曲度として第1覚醒状態の湾曲度を特定し、第1覚醒状態の湾曲度と検出された湾曲度とを比較して第1覚醒状態及び入眠状態を判別するように構成することにより、個人差によって眼の形状が異なる場合であっても入眠状態を正確に検知することができる入眠状態検知方法、該入眠状態検知方法を実施する入眠状態検知装置、入眠状態検知装置を備えた入眠状態検知システム、コンピュータを前記入眠状態検知装置として機能させるコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、第2覚醒状態であると判定した場合、第2覚醒状態における眼の開度を第1覚醒状態における眼の開度に補正するように構成することにより、開度に基づく入眠状態の検知精度を向上させることができる入眠状態検知装置及び入眠状態検知システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、眼の開度によって判別できない第2覚醒状態及び入眠状態を上瞼及び下瞼の湾曲度によって判別することにより、下瞼の湾曲度のみで判別する場合に比べてより正確に眼の形状を認識して入眠状態を検知することができる入眠状態検知装置及び入眠状態検知システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、第2覚醒状態として笑った状態と入眠状態とを判別することにより、笑った状態を入眠状態と誤検知することを防止し、入眠状態の検出精度を向上させることができる入眠状態検知装置及び入眠状態検知システムを提供することにある。
第1発明に係る入眠状態検知方法は、時系列的に得られる顔の画像データから眼の開度を算出し、入眠状態及び該入眠状態と眼の開度が異なる第1覚醒状態を判別することにより入眠状態を検知する入眠状態検知方法において、時系列的に得られる画像データから下瞼を検出するステップと、検出された下瞼の湾曲度を算出するステップと、第1覚醒状態における下瞼の湾曲度を特定するステップと、特定した下瞼の湾曲度及び検出した湾曲度を比較するステップと、比較結果に基づいて、眼の開度が第1覚醒状態より小さく、第1覚醒状態及び入眠状態に比べて下瞼が上方に上がった第2覚醒状態及び入眠状態を判別するステップとを備えることを特徴とする。
第2発明に係る入眠状態検知装置は、時系列的に得られる顔の画像データから眼の開度を算出し、入眠状態及び該入眠状態と眼の開度が異なる第1覚醒状態を判別することにより入眠状態を検知する入眠状態検知装置において、時系列的に得られる画像データから下瞼を検出する下瞼検出手段と、該下瞼検出手段にて検出された下瞼の湾曲度を算出する湾曲度算出手段と、第1覚醒状態における下瞼の湾曲度を特定する特定手段と、該特定手段が特定した下瞼の湾曲度及び前記湾曲度算出手段が検出した湾曲度を比較する比較手段を有し、該比較手段の比較結果に基づいて、眼の開度が第1覚醒状態より小さく、第1覚醒状態及び入眠状態に比べて下瞼が上方に上がった第2覚醒状態及び入眠状態を判別する判別手段とを備えることを特徴とする。
発明に係る入眠状態検知装置は、前記判別手段が第2覚醒状態であると判別した場合、第2覚醒状態における眼の開度を、第1覚醒状態における眼の開度に補正する補正手段を備えることを特徴とする。
発明に係る入眠状態検知装置は、画像データから上瞼を検出する上瞼検出手段と、該上瞼検出手段にて検出された上瞼の湾曲度を算出する手段とを備え、前記判別手段は、算出された上瞼及び下瞼の湾曲度に基づいて、第1覚醒状態に比べて下瞼が上がり、且つ第1覚醒状態に比べて上瞼が下がった状態を第2覚醒状態と判別するように構成してあることを特徴とする。
発明に係る入眠状態検知装置は、第2覚醒状態は笑った状態であることを特徴とする。
発明に係る入眠状態検知システムは、第2発明乃至第発明のいずれか一つに記載の入眠状態検知装置と、車両の運転者を撮像する撮像装置とを備え、前記入眠状態検知装置は、前記撮像装置が撮像した運転者の顔の画像データに基づいて該運転者の入眠状態を検知するように構成してあることを特徴とする。
発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、時系列的に得られる顔の画像データから眼の開度を算出し、入眠状態及び該入眠状態と眼の開度が異なる第1覚醒状態を判別することにより入眠状態を検知する処理を実行させるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、時系列的に得られる画像データから下瞼を検出するステップと、検出された下瞼の湾曲度を算出するステップと、第1覚醒状態における下瞼の湾曲度を特定するステップと、特定した下瞼の湾曲度及び検出した湾曲度を比較するステップと、比較結果に基づいて、眼の開度が第1覚醒状態より小さく、第1覚醒状態及び入眠状態に比べて下瞼が上方に上がった第2覚醒状態及び入眠状態を判別するステップとを実行させることを特徴とする。
第1、第2、第6及び第7発明にあっては、眼の開度及び下瞼の湾曲度に基づいて入眠状態を検知する。入眠状態を検知するための眼の開度は、通常、覚醒状態で大きく、入眠状態で小さくなる。以下、入眠状態と眼の開度が異なる覚醒状態を特に第1覚醒状態という。ところが、覚醒状態であっても眼の開度が第1覚醒状態より入眠状態に近い第2覚醒状態、例えば、顔の表情が変化したような状態がある。本発明は、眼の開度によって判別することができない入眠状態及び第2覚醒状態を、下瞼の湾曲度によって判別し、入眠状態の検知精度を向上させるものである。
具体的には、下瞼検出手段が下瞼を検出し、湾曲度算出手段が下瞼の湾曲度を算出する。そして、判別手段は、算出された下瞼の湾曲度に基づいて入眠状態と第2覚醒状態とを判別する。従って、第2覚醒状態を入眠状態と誤検知することを防止することができる。なお、入眠状態とは、覚醒状態から睡眠状態へ移行する状態をいう。
また、特定手段が第1覚醒状態における下瞼の湾曲度を特定し、比較手段は特定手段にて特定された湾曲度と下瞼湾曲度算出手段が算出した湾曲度とを比較する。眼の開度によって特定可能な第1覚醒状態における下瞼の湾曲度は、入眠状態における下瞼の湾曲度と略同一であるため、該湾曲度を用いることで入眠状態及び第2覚醒状態を判別することができる。
比較基準となる湾曲度は画像データに基づいて算出されるため、個人差によって下瞼の形状が異なる場合であっても、個人差に応じた比較基準にて正確に入眠状態及び所定覚醒状態を判別することができる。
第3発明及び第6発明にあっては、判別手段が第2覚醒状態にあると判別した場合、第2覚醒状態における眼の開度を、第1覚醒状態における眼の開度に補正する。つまり、第1覚醒状態に相当する眼の開度を算出する。第1覚醒状態及び入眠状態は眼の開度によって判別できるため、補正後の開度を用いることにより覚醒状態を入眠状態と誤検知することを防止することができる。
第4発明及び第6発明にあっては、上瞼及び下瞼の湾曲度に基づいて、入眠状態及び第2覚醒状態を判別するため、下瞼の湾曲度のみを用いて判別する場合に比べて、より正確に入眠状態及び第2覚醒状態を判別し、入眠状態を検知することができる。
第5発明及び第6発明にあっては、第2覚醒状態として笑った状態と入眠状態とを判別することができる。従って、眼が細くなる笑った状態を入眠状態と誤検知することを防止し、入眠状態を正確に検知することができる。
第1、第2、第6、及び第7発明によれば、眼の開度によって判別できない入眠状態及び第2覚醒状態、例えば表情が変化した状態を下瞼の湾曲度によって判別することにより、第2覚醒状態を入眠状態と誤検出することを防止し、入眠状態の検出精度を向上させることができる。
なお、検出された下瞼の湾曲度を2次関数にて近似して湾曲度を算出するように構成した場合、比較的簡単な処理で入眠状態及び第2覚醒状態を判別する情報を得ることができる。
また、入眠状態及び第2覚醒状態の判別基準となる下瞼の湾曲度として第1覚醒状態の湾曲度を用いることにより、個人差によって眼の形状が異なる場合であっても入眠状態を正確に検知することができる。
第3発明及び第6発明によれば、第2覚醒状態における眼の開度を第1覚醒状態における眼の開度に補正するように構成することにより、開度に基づく入眠状態の検知精度を向上させることができる。
第4発明及び第6発明によれば、第2覚醒状態及び入眠状態を上瞼及び下瞼の湾曲度によって判別することにより、下瞼の湾曲度のみで判別する場合に比べてより正確に眼の形状を認識して入眠状態を検知することができる。
第5発明及び第6発明によれば、第2覚醒状態としての笑った状態と入眠状態とを判別することにより、笑った状態を入眠状態と誤検知することを防止し、入眠状態の検出精度を向上させることができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における入眠状態検知システムの構成例を示すブロック図である。図中1は、車両に搭載された撮像装置であり、撮像装置1は、画像処理を行う入眠状態検知装置2に通信網を介して接続されている。通信網は、例えば専用ケーブル等の通信線、又は有線若しくは無線の車内LAN(Local Area Network)によって構成されている。
撮像装置1は、車両内のハンドル、ダッシュボード等の運転者の前方に配設され、運転者の顔の横方向及び縦方向が画像の水平方向及び垂直方向になるように撮像することが可能な状態に調整されている。
撮像装置1は、装置全体を制御するMPU(Micro Processor Unit)11と、MPU11の制御に基づき実行される各種コンピュータプログラム及びデータを記録するROM(Read Only Memory)12と、ROM12に記録されたコンピュータプログラムの実行時に一時的に発生する各種データを記録するRAM(Random Access Memory)13と、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を用いて構成される撮像部14と、撮像部14の撮像により得られたアナログの画像データをデジタルデータに変換するA/D変換器15と、A/D変換器15によりデジタルに変換された画像データを一時的に記録するフレームメモリ16と、入眠状態検知装置2との通信に用いられる通信インタフェース17とを備えている。
撮像装置1では、撮像部14が連続的又は断続的に撮像処理を行い、撮像処理に基づいて例えば1秒当たり30枚の画像データ(画像フレーム)を生成してA/D変換器15へ出力する。A/D変換器15は、画像を構成する各画素を256階調(1Byte)等の階調にて示されるデジタル画像データに変換し、フレームメモリ16に記録させる。フレームメモリ16に記録された画像データは、所定のタイミングで通信インタフェース17から入眠状態検知装置2へ出力される。
画像を構成する各画素は、二次元に配列されており、画像データは、平面直角座標系、所謂XY座標系にて示される各画素の位置、及び階調値として示される各画素の輝度を示すデータ(輝度値)を含んでいる。画像の水平方向は、画像データのX軸方向に対応し、画像の垂直方向は、画像データのY軸方向に対応する。なお、各画素に対し夫々XY座標系による座標を示すのではなく、データ内に配列される順序により座標を示す様にしても良い。また、本実施の形態1ではグレイスケイルの画像データに基づく画像処理を説明する。カラーの画像データを用いる場合、該画像データを構成する各画素が有する輝度データについて同様の画像処理を実行すれば良い。
入眠状態検知装置2はコンピュータを実装しており、装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)21と、本発明の実施の形態1に係るコンピュータプログラム31及びデータ等の各種情報を記録した記録媒体41、例えばCD−ROM等から情報を読み取る補助記録部22と、補助記録部22により読み取った各種情報を記録するハードディスク(以下HDという)23と、HD23に記録されたコンピュータプログラム31の実行時に一時的に発生する各種データを記録するRAM24と、揮発性メモリにて構成されるフレームメモリ25と、撮像装置1との通信に用いられる通信インタフェース26とを備えている。
本発明のコンピュータプログラム31は、少なくともコンピュータに、時系列的に得られる画像データから下瞼を検出する処理と、検出された下瞼の湾曲度を算出する処理と、眼の開度及び下瞼の湾曲度に基づいて表情を認識し、入眠状態を検知する処理とを実行させるためのプログラムである。また、記録媒体41には、コンピュータプログラム31がコンピュータ読み取り可能に記録されている。
なお、コンピュータプログラム31は、言うまでもなく外部のコンピュータから有線又は無線の通信ネットワークを介して流通するものも含み、入眠状態検知装置22が該通信ネットワークを介してコンピュータプログラム31を取得し、HD23に記録するようにしても良い。
そしてCPU21が、HD23から本発明のコンピュータプログラム31及びデータ等の各種情報を読み取ってRAM24に記録し、コンピュータプログラム31に含まれる各種処理手順を実行することで、コンピュータは、本実施の形態1に係る入眠状態検知装置2として動作する。
入眠状態検知装置2では、撮像装置1から出力された画像データを通信インタフェース26にて受け付け、受け付けた画像データをフレームメモリ25に記録し、フレームメモリ25に記録した画像データを読み出して、様々な画像処理を行う。
次に本発明の実施の形態1における入眠状態検知システムにて用いられる各種装置の処理内容について説明する。
図2は、入眠状態の検知方法を概念的に示す説明図、図3は、表情認識及び開度補正に係るCPU21の処理手順を示すフローチャートである。図2に示したグラフの横軸は下瞼の湾曲度、縦軸は眼の開き具合に相当する開度を示している。グラフ中の黒丸は、運転者の各種状態における眼の開度及び下瞼の湾曲度を示している。湾曲度は後述するように上側が凸で大きく湾曲する程大きく、下側が凸で大きく湾曲する程小さくなるような数値である。また、各黒丸を矢印で指し示している矩形枠には、各状態における眼の形状が模式的に表されている。
本実施の形態1に係る入眠状態検知システムは、眼の開度及び下瞼の湾曲度によって入眠状態と覚醒状態とを判別して、入眠状態の検知精度を向上させるものである。
運転者が無表情の場合、図2中左側に示すように眼の開度によって第1覚醒状態、入眠状態、及び閉眼状態を判別することができる。第1覚醒状態は、運転者が覚醒しており且つ無表情な状態である。
ところが、運転者が覚醒しているにもかかわらず、眼の開度が入眠状態に近くなる第2覚醒状態、例えば笑ったような状態がある。この第2覚醒状態及び入眠状態は、眼の開度によって判別することができない。
そこで、本実施の形態1に係る入眠状態検知装置2は、下瞼の湾曲度によって入眠状態及び第2覚醒状態を判別し、第2覚醒状態における開度を、第1覚醒状態における開度に補正する処理を実行する。該処理によって、入眠状態と覚醒状態との検出精度を向上させることができる。以下、CPU21の具体的な処理内容を説明する。
図3に示すように、入眠状態検知装置2のCPUは、フレームメモリ25に記録された画像データを取得し(ステップS11)、顔の画像データから射影演算、閾値処理等によって顔領域を検出する(ステップS12)。そして、CPU21は、検出された顔領域からテンプレート等を用いて眼を検出する(ステップS13)。
次いで、CPU21は、眼の形状認識処理を実行し(ステップS14)、眼の開度を算出する(ステップS15)。具体的には、CPU21は、フィルタ処理、閾値処理等によって下瞼及び上瞼を検出し、下瞼及び上瞼の湾曲度を算出する。そして、CPU21は、上瞼の形状、垂直方向における上瞼の頂点と下瞼の頂点との長さ等に基づいて眼の開度を算出する。
次いで、CPU21は、下瞼の湾曲度に基づいて表情認識処理を実行し(ステップS16)、表情変化があるか否かを判定する(ステップS17)。表情変化ありと判定した場合(ステップS17:YES)、CPU21は、第2覚醒状態における眼の開度を第1覚醒状態における眼の開度に補正する(ステップS18)。つまり、表情が変化した状態の眼の開度を、無表情状態における眼の開度に換算する。ステップS18の処理を終えた場合、又は表情変化無しと判定した場合(ステップS17:NO)、CPU21は表情認識及び開度補正に係る処理を終える。
以下、図3のフローチャートを用いて説明した処理内容を更に具体的に説明する。
図4は、顔領域及び眼の検出方法を概念的に示す説明図である。図4(a)は、フレームメモリ25から取得した画像データ、顔領域等を示している。実線で示した矩形枠は、ステップS11で取得した画像データの画像全体である。Xは画像データにおける水平方向を、Yは画像データにおける垂直方向を夫々示している。前記画像には、運転者の顔画像及び背景画像が含まれており、運転者の顔面部分を囲む破線の矩形枠はステップS12で検出された顔領域R0を示しており、眼の部分を囲む破線の矩形枠はステップS13で検出された眼領域R1を示している。
CPU21は、ステップS12の処理によって、画像の各Y座標について、水平方向に並ぶ各画素の輝度値を積算し、積算して得た輝度積算値と、所定の閾値とを比較することで垂直方向における顔領域R0の範囲を検出する。顔領域は髪の領域及び背景領域と比較して明るく撮像されたため、輝度積算値と閾値とを比較することによって顔領域R0を検出することができる。
同様に、CPU21は、画像の各X座標について、垂直方向に並ぶ各画素の輝度値を積算し、積算して得た輝度積算値と、所定の閾値とを比較することで水平方向における顔領域R0の範囲を検出する。
図4(b)は、眼領域を検出するためのテンプレートである。該テンプレートは、眉毛部分を含む領域Rについて、X軸方向に略並行な棒状領域であるXテンプレートと、Y軸方向に略並行な2本の棒状領域であるYテンプレート1及びYテンプレート2を含んでおり、これらのテンプレートにより眼領域R1が特定される。なお、テンプレートは、図に示すような3つの棒状領域に限定されるものではないが、眉毛の領域及び瞳の領域を含むようにテンプレートを設定することにより、少ない数のテンプレートでより正確に眼を特定することができる。
図5は、眼の形状認識に係るCPU21の処理手順を示すフローチャートである。CPU21は、ステップS13で検出された眼領域R1においてフィルタ処理を実行することにより下瞼を検出し(ステップS31)、検出された下瞼の湾曲度を算出及び記憶する(ステップS32)。同様に、CPU21は、フィルタ処理を実行することにより上瞼を検出し(ステップS33)、検出された上瞼の湾曲度を算出及び記憶し(ステップS34)、眼の形状認識に係る処理を終える。
図6は、下瞼の形状認識方法を概念的に示す説明図、図7は上瞼の形状認識方法を概念的に示す説明図である。
図6(a)は、ステップS13で検出された眼領域R1を示している。CPU21は、破線で示すように眼領域R1の左上部から垂直方向下方に並ぶ各画素に対してフィルタ処理を順次実行して下瞼のエッジを抽出する。CPU21は、同様のエッジ抽出処理を水平方向に並ぶ他の垂直ラインにおいても順次実行する。
図6(b)は、下瞼を検出するフィルタの係数の一例を示す説明図である。下瞼を検出するフィルタは、垂直方向上方から下方へ輝度が高い画像領域から輝度が低い画像領域へ変化するエッジを抽出する3×3マトリクスの1次微分フィルタである。図6(b)に示した係数は、垂直方向及び水平方向に並ぶ3×3=9の画素の輝度値に対して乗ずる数値であり、中心の一の画素(注目画素)と、その外側に隣接する8近傍の画素の輝度値に対し、夫々対応する一の係数を乗じて、その結果を加算した値を注目画素のフィルタ値として算出する。
図6(c)は、上瞼の検出されたエッジ抽出点を概念的に示す説明図である。CPU21は、一のX座標位置において垂直方向に並ぶ各画素のフィルタ値を参照することにより、最大フィルタ値を有し且つ該フィルタ値が所定閾値以上の画素をエッジ抽出点として検出する。なお、所定閾値は、HD23が予め記憶している値である。同様にCPU21は他のX座標位置におけるエッジ抽出点を検出する。
次いで、CPU21は、このように抽出されたエッジ抽出点の数を計数し、計数された数が、予めHD23に記憶してある所定数以上であるか否かを判定する。
抽出したエッジ抽出点が所定数以上ある場合、該エッジ抽出点は下瞼を示している傾向が高いため、CPU21は、各エッジ抽出点の座標位置に基づいて、下瞼の形状を示す関数を算出し、下瞼の湾曲度を算出及び記憶する。
図6(d)は、下瞼の湾曲度の算出方法を概念的に示す説明図である。CPU21は、図6(d)に示すように下瞼を2次関数にて近似する。より具体的には、抽出点のX座標をx、Y座標をy、2次放物線を規定する係数をα、β、γとした場合、下瞼をy=αx2 +βx+γにて近似することができる。そして、最尤推定法等を用いて、各係数を推定する。特にαは、下瞼の湾曲具合を示すことができるため、αを下瞼の湾曲度として記憶する。なお、湾曲度は、必ずしも2次関数を規定する係数αである必要は無く、下瞼の形状を評価できる数値であれば、曲率、曲率半径、その他の係数であっても良い。また、他の近似曲線にて下瞼の形状を評価するように構成しても良い。
上瞼の形状も同様にして検出することができる。図7(a)は、ステップS13で検出された眼領域R1を示しており、図7(b)は、上瞼を検出するフィルタの係数の一例を示す説明図、図7(c)は、上瞼の検出されたエッジ抽出点を概念的に示す説明図、図7(d)は、上瞼の湾曲度の算出方法を概念的に示す説明図である。
図7(b)に示すフィルタは、垂直方向上方から下方へ輝度が低い画像領域から輝度が高い画像領域へ変化するエッジを抽出する3×3マトリクスの1次微分フィルタである。CPU21は、図7(b)に示すフィルタにて上述同様のフィルタ処理、閾値処理等を行うことにより、図7(c)に示すように上瞼のエッジ抽出点を検出する。そして、CPU21は、図7(d)に示すように、上瞼を2次関数にて近似し、上瞼の湾曲度を算出する。
図8は、表情認識に係るCPU21の処理手順を示すフローチャート、図9は表情変化と眼の形状との関係を示す模式図である。まずCPU21は、第1覚醒状態、即ち覚醒状態であって無表情な状態における下瞼の湾曲度を特定する(ステップS51)。
第1覚醒状態における下瞼の湾曲度は、図2に示すように入眠状態における下瞼の湾曲度に類似し、且つ第2覚醒状態における下瞼の湾曲度と異なる。従って、第1覚醒状態における下瞼の湾曲度を用いることによって、入眠状態及び第2覚醒状態を判別することが可能になる。
第1覚醒状態は、開度のみによって特定することができる。CPU21は、時系列的に得られる各画像データから眼の開度及び下瞼の湾曲度を算出してHD23に記憶させている。車両の運転者は通常覚醒しているため、第1覚醒状態の出現頻度が高いと考えられる。そこで、CPU21はHD23が記憶した開度の分布から最頻の開度を第1覚醒状態における開度として選択し、該開度を有する眼の下瞼の湾曲度を第1覚醒状態における下瞼の湾曲度として特定する。
次いで、CPU21は、ステップS14で算出した下瞼の湾曲度が第1覚醒状態における下瞼の湾曲度に閾値を加算して得た値より大きいか否かを判定する(ステップS52)。つまり、下瞼が、第1覚醒状態、即ち無表情・覚醒状態における下瞼の開度よりも上方に上がっている状態であるか否かを判定する。なお、ノイズ等の影響により湾曲度は微動するため、判定に閾値を使用する。
図9(a)に示すように、運転者が居眠りして眼の開度が小さくなるような場合、下瞼の形状が変化せずに上瞼が下側に下がってくる傾向がある。一方、図9(b)に示すように、運転者の表情変化によって眼の開度が小さくなるような場合、上瞼の形状が変化せずに下瞼が上側に上がり湾曲度が大きくなる傾向がある。つまり、運転者が笑う等して表情が変化した第2覚醒状態における下瞼の湾曲度は、第1覚醒状態と比べて大きいという傾向がある。従って、ステップS52の処理で下瞼の湾曲度と、第1覚醒状態における下瞼の湾曲度と比較することによって、無表情状態、特に入眠状態と、第2覚醒状態とを判別することができる。
第1覚醒状態における下瞼の湾曲度に閾値を加算して得た値より大きいと判定した場合(ステップS52:YES)、CPU21は、第2覚醒状態であることを示す表情認識結果を記憶し(ステップS53)、表情認識に係る処理を終える。第1覚醒状態における下瞼の湾曲度に閾値を加算して得た値以下であると判定した場合(ステップS52:NO)、CPU21は、無表情状態であることを示す表情認識結果を記憶し(ステップS54)、表情認識に係る処理を終える。
図10は、開度補正処理に係るCPU21の処理手順を示すフローチャート、図11は、開度補正の方法を説明するための説明図である。図11中、横軸は時間であり、縦軸は眼の開度を示している。図11における開度は第1覚醒状態で過去の平均値が0になるように正規化された数値である。例えば、正規化前の開度をt、該開度の平均をta、該輝度の標準偏差をsとした場合、正規化された標準測度としての開度は(t−ta)/sにて表される。図11のグラフ中、左側の時間帯は、開度が0付近を中心に変動しており、第1覚醒状態を示している。途中、開度が−150以下に落ち込んでいる部分は、覚醒した状態で瞬きをしたときの開度を示している。またグラフ中、右側の時間帯であって、開度が−50付近を中心に変動している状態がある。この開度が低下した状態としては、運転者の入眠状態と、表情が変化した第2覚醒状態とが考えられる。以下では、当該時間帯で表情変化ありと判定された場合を説明する。つまり、運転者が笑う等して開度が低下している場合の処理を説明する。
CPU21は、過去に取得した画像データから算出した眼の開度を記憶しており、該開度に基づいて、第1覚醒状態で開いた眼の開度平均aを算出する(ステップS71)。そして、CPU21は、閉じた眼の開度平均bを算出する(ステップS72)。同様に、CPU21は、第2覚醒状態における眼の開度平均cを算出する(ステップS73)。なお、第2覚醒状態における眼の開度は、一つ前の画像データに基づいて算出された開度であっても良い。第2覚醒状態における眼の開度として前回値又は過去の開度を用いた平均値を使用することにより、開度の補正処理を直ちに開始することができる。
次いで、CPU21は、現時点の開度が特定範囲内にあるか否かを判定する(ステップS74)。特定範囲は、第2覚醒状態における眼の開度として推定される範囲を示している。特定範囲内にあると判定された場合(ステップS74:YES)、CPU21は、開度平均a,b,cと、現時点の第2覚醒状態における開度とに基づいて、該開度を第1覚醒状態、即ち無表情・覚醒状態における開度に補正する(ステップS75)。
例えば、現時点の表情変化状態における開度をxとした場合、補正後の開度は下記式にて表される。
補正後の開度=m(x−b)/n+b…式1
但し、mは|a−b|、nは|b−c|である。
上記式1によって、第2覚醒状態における眼の開度は、図2及び図11に示すように第1覚醒状態における眼の開度に補正される。CPU21は、上述の処理にて補正された眼の開度を用いることによって、運転者が覚醒状態にあるか入眠状態にあるかを誤り無く判別し、入眠状態を高精度で検出することができる。
図12は、表情認識処理結果を利用した学習に係る処理手順を示すフローチャートである。
CPU21は、ステップS53又はステップS54で記憶した表情認識結果に基づいて、第2覚醒状態であるか否か、つまり表情変化があるか否かを判定する(ステップS91)。第2覚醒状態に無いと判定した場合(ステップS91:NO)、CPU21は、無表情状態における眼の形状、開度等を学習する(ステップS92)。第2覚醒状態にあると判定した場合(ステップS91:YES)、CPU21は、第2覚醒状態における眼の形状、開度等を学習する(ステップS93)。なお、上述の処理は、図3に示す処理を終えた後等、適宜実行すれば良い。
このように、表情変化があるような第2覚醒状態における眼の形状、開度等の情報と、無表情状態における眼の形状、開度等の情報とが混在することを防止することができ、各状態におけるより正確な眼の形状に関する情報を蓄積することができる。従って、表情変化がある第2覚醒状態における眼の開閉分布を作成し、該開度分布を用いて第2覚醒状態における正確な開度情報を算出することもできる。同様に、無表情状態における正確な眼の開度分布を作成することができ、無表情状態における眼の開度を正確に算出することができる。
また、このように眼の正確な開度分布を作成することにより、眼の開度を正確に補正することができる。
なお、第2覚醒状態における眼の情報を学習するように構成してあるが、第2覚醒状態の場合、学習処理を実行せず、無表情状態においてのみ学習処理を実行するように構成しても良い。
実施の形態1に係る入眠状態検知方法、入眠状態検知装置2、入眠状態検知システム及びコンピュータプログラムにあっては、入眠状態と、眼の開度が入眠状態に近い第2覚醒状態、例えば笑った状態とを判別することができ、第2覚醒状態における眼の開度を第1覚醒状態における眼の開度に補正することができる。
従って、第2覚醒状態を入眠状態と誤検出することを防止することができ、入眠状態の検出精度を向上させることができる。
また、画像データから算出された第1覚醒状態における下瞼の湾曲度を用いて、入眠状態及び第2覚醒状態を判別することにより、個人差によって眼の形状が異なる場合であっても入眠状態を正確に検知することができる。
なお、上述の実施の形態1では、HD23に各種の動作を行うためのコンピュータプログラムを記憶しており、これらのコンピュータプログラムをCPU21が実行することにより各動作を実現しているが、各動作をハードウェアにより構成することも可能である。
また、実施の形態1にあっては、第2覚醒状態と第1覚醒状態及び入眠状態とを判別して、第2覚醒状態における眼の開度を補正することにより、入眠状態の検出精度を向上させる構成であるが、眼の開度及び下瞼の湾曲度を用いて入眠状態及び覚醒状態を判別できるのであれば、その処理内容は問わない。
例えば、眼の開度を補正すること無く、眼の開度及び下瞼の湾曲度を用いて直接的に入眠状態と、覚醒状態とを判別して入眠状態を検出するように構成しても良い。また、第1覚醒状態と、入眠状態及び第2覚醒状態とを先に判別し、次いで入眠状態及び第2覚醒状態を判別するように構成しても良い。
更に、実施の形態1にあっては、第2覚醒状態の一例として笑った状態を説明したが、覚醒状態にあって眼の開度が入眠状態に近い状態であれば他の覚醒状態であっても良い。例えば、運転者がまぶしくて眼を細めたような状態と入眠状態とを判別するように構成しても良い。まぶしくて眼を細めた場合も、下瞼の形状が入眠状態と異なるため、下瞼の湾曲度によって入眠状態と、まぶしくて眼を細めた状態とを判別することができる。
図13は、変形例に係る入眠状態検出に係るCPU21の処理手順を示すフローチャートである。CPU21は、図3に示すステップS11〜16と同様のステップS111〜116の処理を実行する。そして、CPU21は、上述の処理で検出された眼の開度が閾値未満であるか否かを判定する(ステップS117)。該閾値は固定値であっても、眼の形状を学習して算出するようにしても良い。
開度が閾値未満であると判定した場合(ステップS117:YES)、図2に示すように入眠状態又は第2覚醒状態にあるため、CPU21は、表情変化があるか否かを判定する(ステップS118)。つまり、入眠状態であるか第2覚醒状態であるかを判別する。
表情変化が無いと判定した場合(ステップS118:NO)、CPU21は、入眠状態であることを記憶し(ステップS119)、入眠状態検出に係る処理を終える。開度が閾値未満でないと判定した場合(ステップS117:NO)、表情変化があると判定した場合(ステップS118:YES)、CPU21は、覚醒状態でることを記憶し(ステップS120)、入眠状態検出に係る処理を終える。
変形例にあっても、眼の開度及び下瞼の湾曲度を用いて入眠状態及び覚醒状態を誤りなく判別して入眠状態を検出することができる。
(実施の形態2)
図14は、実施の形態2における表情認識に係るCPU21の処理手順を示すフローチャート、図15は表情変化と眼の形状との関係を示す模式図である。実施の形態2に係る入眠状態検知システムは、実施の形態1に係る入眠状態検知システムと同様の構成であり、CPU21の処理手順のみが異なるため、以下では主に上記相違点を説明する。
まずCPU21は、第1覚醒状態における上瞼及び下瞼の湾曲度を特定する(ステップS211)。処理内容は、図8のステップS51の処理と同様である。
次いで、CPU21は、上瞼の湾曲度が第1覚醒状態における上瞼の湾曲度から閾値Aを減算して得た値未満であるか否かを判定する(ステップS212)。つまり図9に示すように、上瞼が下側に落ちてきているか否かを判定する。
上瞼の湾曲度が第1覚醒状態における上瞼の湾曲度から閾値Aを減算して得た値未満であると判定した場合(ステップS212:YES)、CPU21は、下瞼の湾曲度が第1覚醒状態における下瞼の湾曲度に閾値Bを加算して得た値よりも大きいか否かを判定する(ステップS213)。つまり図15に示すように、下瞼が上側に上がっているか否かを判定する。
下瞼の湾曲度が第1覚醒状態における下瞼の湾曲度に閾値Bを加算して得た値よりも大きいと判定した場合(ステップS213:YES)、CPU21は、第2覚醒状態であることを示す表情認識結果を記憶し(ステップS214)、表情認識に係る処理を終える。
一方、上瞼の湾曲度が第1覚醒状態における上瞼の湾曲度から閾値Aを減算して得た値以上であると判定した場合(ステップS212:NO)、又は下瞼の湾曲度が第1覚醒状態における下瞼の湾曲度に閾値Bを加算して得た値以下であると判定した場合(ステップS213:NO)、CPU21は、無表情状態であることを示す表情認識結果を記憶し(ステップS215)、表情認識に係る処理を終える。
実施の形態2に係る入眠状態検知システムにあっては、上瞼及び下瞼の湾曲度に基づいて表情の変化を検出する構成であるため、より正確に第2覚醒状態及び入眠状態を判別して入眠状態を検出することができる。
実施の形態2に係る入眠状態検知システムの他の構成、作用及び効果は実施の形態1に係る入眠状態検知システムの構成、作用及び効果と同様であるため、同様の箇所には対応する符号を付してその詳細な説明を省略する。
(付記1)
時系列的に得られる顔の画像データから眼の開度を算出し、入眠状態及び該入眠状態と眼の開度が異なる第1覚醒状態を判別することにより入眠状態を検知する入眠状態検知方法において、
時系列的に得られる画像データから下瞼を検出するステップと、
検出された下瞼の湾曲度を算出するステップと、
眼の開度が第1覚醒状態より入眠状態に近い第2覚醒状態及び入眠状態を、算出された下瞼の湾曲度に基づいて判別するステップと
を備えることを特徴とする入眠状態検知方法。
(付記2)
時系列的に得られる顔の画像データから眼の開度を算出し、入眠状態及び該入眠状態と眼の開度が異なる第1覚醒状態を判別することにより入眠状態を検知する入眠状態検知装置において、
時系列的に得られる画像データから下瞼を検出する下瞼検出手段と、
該下瞼検出手段にて検出された下瞼の湾曲度を算出する湾曲度算出手段と、
眼の開度が第1覚醒状態より入眠状態に近い第2覚醒状態及び入眠状態を、算出された下瞼の湾曲度に基づいて判別する判別手段と
を備えることを特徴とする入眠状態検知装置。
(付記3)
パターンマッチングにて眼領域を検出する手段を備え、
前記下瞼検出手段は、
前記眼領域から下瞼を検出するように構成してあることを特徴とする付記2に記載の入眠状態検知装置。
(付記4)
輝度が垂直方向上方から下方へ輝度が低い画像領域から輝度が低い画像領域へ変化するエッジを抽出する微分フィルタを備え、
前記下瞼検出手段は、
前記微分フィルタにて下瞼を検出するように構成してある
ことを特徴とする付記2又は付記3に記載の入眠状態検知装置。
(付記5)
前記湾曲度算出手段は、
前記下瞼検出手段にて検出された下瞼の形状を2次関数にて近似して、湾曲度を算出するように構成してある
ことを特徴とする付記2乃至付記4のいずれか一つに記載の入眠状態検知装置。
(付記6)
第1覚醒状態における下瞼の湾曲度を特定する特定手段を備え、
前記判別手段は、
前記特定手段が特定した下瞼の湾曲度及び前記湾曲度算出手段が検出した湾曲度を比較する比較手段を備え、該比較手段の比較結果に基づいて入眠状態及び第2覚醒状態を判別するように構成してある
ことを特徴とする付記2乃至付記5のいずれか一つに記載の入眠状態検知装置。
(付記7)
時系列的に得られる画像データから算出された眼の開度及び下瞼の湾曲度を記憶する記憶手段を備え、
前記特定手段は、
前記記憶手段が記憶した眼の開度の開度分布から最頻の眼の開度を選択する選択手段を備え、該選択手段が選択した開度を有する眼の湾曲度を第1覚醒状態における下瞼の湾曲度として特定するように構成してある
ことを特徴とする付記6に記載の入眠状態検知装置。
(付記8)
前記判別手段が第2覚醒状態であると判別した場合、第2覚醒状態における眼の開度を、第1覚醒状態における眼の開度に補正する補正手段を備える
ことを特徴とする付記2乃至付記7のいずれか一つに記載の入眠状態検知装置。
(付記9)
画像データから上瞼を検出する上瞼検出手段と、
該上瞼検出手段にて検出された上瞼の湾曲度を算出する手段と
を備え、
前記判別手段は、
入眠状態及び第2覚醒状態を、算出された上瞼及び下瞼の湾曲度に基づいて判別するように構成してある
ことを特徴とする付記2乃至付記8のいずれか一つに記載の入眠状態検知装置。
(付記10)
第2覚醒状態は笑った状態であることを特徴とする付記2乃至付記9のいずれか一つに記載の入眠状態検知装置。
(付記11)
付記2乃至付記10のいずれか一つに記載の入眠状態検知装置と、
車両の運転者を撮像する撮像装置と
を備え、
前記入眠状態検知装置は、
前記撮像装置が撮像した運転者の顔の画像データに基づいて該運転者の入眠状態を検知するように構成してあることを特徴とする入眠状態検知システム。
(付記12)
コンピュータに、時系列的に得られる顔の画像データから眼の開度を算出し、入眠状態及び該入眠状態と眼の開度が異なる第1覚醒状態を判別することにより入眠状態を検知する処理を実行させるコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、
時系列的に得られる画像データから下瞼を検出するステップと、
検出された下瞼の湾曲度を算出するステップと、
眼の開度が第1覚醒状態より入眠状態に近い第2覚醒状態及び入眠状態を、算出された下瞼の湾曲度に基づいて判別するステップと
を実行させるコンピュータプログラム。
(付記13)
コンピュータに、時系列的に得られる顔の画像データから眼の開度を算出し、入眠状態及び該入眠状態と眼の開度が異なる第1覚醒状態を判別することにより入眠状態を検知する処理を実行させるコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
コンピュータに、
時系列的に得られる画像データから下瞼を検出するステップと、
検出された下瞼の湾曲度を算出するステップと、
眼の開度が第1覚醒状態より入眠状態に近い第2覚醒状態及び入眠状態を、算出された下瞼の湾曲度に基づいて判別するステップと
を実行させるコンピュータプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
本発明の実施の形態1における入眠状態検知システムの構成例を示すブロック図である。 入眠状態の検知方法を概念的に示す説明図である。 表情認識及び開度補正に係るCPUの処理手順を示すフローチャートである。 顔領域及び眼の検出方法を概念的に示す説明図である。 眼の形状認識に係るCPUの処理手順を示すフローチャートである。 下瞼の形状認識方法を概念的に示す説明図である。 上瞼の形状認識方法を概念的に示す説明図である。 表情認識に係るCPUの処理手順を示すフローチャートである。 表情変化と眼の形状との関係を示す模式図である。 開度補正処理に係るCPUの処理手順を示すフローチャートである。 開度補正の方法を説明するための説明図である。 表情認識処理結果を利用した学習に係る処理手順を示すフローチャートである。 変形例に係る入眠状態検出に係るCPUの処理手順を示すフローチャートである。 実施の形態2における表情認識に係るCPUの処理手順を示すフローチャートである。 表情変化と眼の形状との関係を示す模式図である。
符号の説明
1 撮像装置
2 入眠状態検知装置
11 MPU
21 CPU
23 HD
31 コンピュータプログラム
41 記録媒体

Claims (7)

  1. 時系列的に得られる顔の画像データから眼の開度を算出し、入眠状態及び該入眠状態と眼の開度が異なる第1覚醒状態を判別することにより入眠状態を検知する入眠状態検知方法において、
    時系列的に得られる画像データから下瞼を検出するステップと、
    検出された下瞼の湾曲度を算出するステップと、
    第1覚醒状態における下瞼の湾曲度を特定するステップと、
    特定した下瞼の湾曲度及び検出した湾曲度を比較するステップと、
    比較結果に基づいて、眼の開度が第1覚醒状態より小さく、第1覚醒状態及び入眠状態に比べて下瞼が上方に上がった第2覚醒状態及び入眠状態を判別するステップと
    を備えることを特徴とする入眠状態検知方法。
  2. 時系列的に得られる顔の画像データから眼の開度を算出し、入眠状態及び該入眠状態と眼の開度が異なる第1覚醒状態を判別することにより入眠状態を検知する入眠状態検知装置において、
    時系列的に得られる画像データから下瞼を検出する下瞼検出手段と、
    該下瞼検出手段にて検出された下瞼の湾曲度を算出する湾曲度算出手段と、
    第1覚醒状態における下瞼の湾曲度を特定する特定手段と、
    該特定手段が特定した下瞼の湾曲度及び前記湾曲度算出手段が検出した湾曲度を比較する比較手段を有し、該比較手段の比較結果に基づいて、眼の開度が第1覚醒状態より小さく、第1覚醒状態及び入眠状態に比べて下瞼が上方に上がった第2覚醒状態及び入眠状態を判別する判別手段と
    を備えることを特徴とする入眠状態検知装置。
  3. 前記判別手段が第2覚醒状態であると判別した場合、第2覚醒状態における眼の開度を、第1覚醒状態における眼の開度に補正する補正手段を備える
    ことを特徴とする請求項2に記載の入眠状態検知装置。
  4. 画像データから上瞼を検出する上瞼検出手段と、
    該上瞼検出手段にて検出された上瞼の湾曲度を算出する手段と
    を備え、
    前記判別手段は、
    出された上瞼及び下瞼の湾曲度に基づいて、第1覚醒状態に比べて下瞼が上がり、且つ第1覚醒状態に比べて上瞼が下がった状態を第2覚醒状態と判別するように構成してある
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の入眠状態検知装置。
  5. 第2覚醒状態は笑った状態であることを特徴とする請求項2乃至請求項のいずれか一つに記載の入眠状態検知装置。
  6. 請求項2乃至請求項のいずれか一つに記載の入眠状態検知装置と、
    車両の運転者を撮像する撮像装置と
    を備え、
    前記入眠状態検知装置は、
    前記撮像装置が撮像した運転者の顔の画像データに基づいて該運転者の入眠状態を検知するように構成してあることを特徴とする入眠状態検知システム。
  7. コンピュータに、時系列的に得られる顔の画像データから眼の開度を算出し、入眠状態及び該入眠状態と眼の開度が異なる第1覚醒状態を判別することにより入眠状態を検知する処理を実行させるコンピュータプログラムにおいて、
    コンピュータに、
    時系列的に得られる画像データから下瞼を検出するステップと、
    検出された下瞼の湾曲度を算出するステップと、
    第1覚醒状態における下瞼の湾曲度を特定するステップと、
    特定した下瞼の湾曲度及び検出した湾曲度を比較するステップと、
    比較結果に基づいて、眼の開度が第1覚醒状態より小さく、第1覚醒状態及び入眠状態に比べて下瞼が上方に上がった第2覚醒状態及び入眠状態を判別するステップと
    を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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