JP4775581B2 - カーテンエアバッグ装置 - Google Patents
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Description
例えばヘッドライニングのスリットはカット工程により成形可能であり、この手法では、スリット形状やスリット数等の仕様変更に対して柔軟に対応可能である反面、金型によるヘッドライニングの成形工程とは別にカット工程を実施する必要がある上に、そのカット工程自体も多数のスリットを個別にカットする非常に煩雑な内容となるため、結果としてヘッドライニングの生産性が大幅に低下するという問題を抱えている。
また、ヘッドライニングの端末部を斜状にカットするだけの簡単な加工により、内装材に対する表面側剛性層及び裏面側剛性層の重なりを相違させることが可能であり、さらにカットの角度を変更するだけで、双方の剛性層の重なりを容易に変更してヘッドライニングの端末部の剛性を調整可能となる。
好ましい態様として、内装材に対する表面側剛性層の重なりに比較して裏面側剛性層の重なりを短くすることが望ましい。
別の好ましい態様として、裏面側剛性層を内装材に対して重ならないようにすることが望ましい。
このように構成した場合、ヘッドライニングの端末部の係合が解除される際の剛性がさらに低下するため、エアバッグの展開性能の向上、及び展開時の内装材の破損防止を一層確実に実現できる。
従って、エアバッグの展開力を受けてヘッドライニングが撓んで開口部が形成され、その開口部からエアバッグが車室内に展開し、このときのヘッドライニングの撓みに伴ってガーニッシュとヘッドライニングの端末部との係合が解除される。そして、ガーニッシュに対する表面側及び裏面側剛性層の重なりの設定により端末部の剛性が低下しているため、端末部の変形が促進されてガーニッシュとの係合が円滑且つ無理なく解除される。
図1は本実施形態のカーテンエアバッグ装置が適用された車両を車室内側より見た断面図、図2はヘッドライニングの左側縁とトリムとの係合箇所を示す図1のA部詳細図である。図1に破線で示すように、カーテンエアバッグ装置のエアバッグユニット1a,1bは車両左右両側でルーフサイドレール2に沿って前後方向に延設され、それぞれフロント用エアバッグユニット1aとリヤ用エアバッグユニット1bとに分割されている。フロント用エアバッグユニット1aは車両のAピラー3aからCピラー3cまでの領域に対応し、リヤ用エアバッグユニット1bはCピラー3cからDピラー3dまでの領域に対応し、図示はしないが、各エアバッグユニット1a,1bの一端にはインフレータが接続されている。
図3は図2のIII−III線断面図、図4は図2のIV−IV線断面図、図5はヘッドライニングの左側縁とトリムとの係合箇所を示す図2のB部詳細図である。
図5に示すようにヘッドライニング8は、ウレタン基材11の表面側(車室内側)に高剛性の表面側ガラスマット層12(表面側剛性層)を介して起毛処理を施した不織布からなる表皮13を積層すると共に、ウレタン基材11の裏面側(天井裏側)にも高剛性の裏面側ガラスマット層14(裏面側剛性層)を介して不織布からなる裏材15を積層して構成されている。例えば、この種のヘッドライニング8は、ウレタン基材11、ガラスマット層12,14、表皮13及び裏材15の各素材を所定の配置で積層した上で、プレスにより加圧・過熱して各層を接着することで製造され、2枚のガラスマット層12,14によりヘッドライニング8には高い剛性が付与されている。
図4に示すように、天井裏においてアシストグリップ18の前後の取付部18aと対応してアシストグリップブラケットにより取付座7aが形成され、これらの取付座7aに対してアシストグリップ18の取付部18aはヘッドライニング8を挟んでボルト20により固定されている。なお、通常時のアシストグリップ18は内蔵したばねの付勢力によりヘッドライニング8に沿った姿勢に保持されており、使用時にはばねに抗してアシストグリップ18を起立させて把持可能となる。
車両の側突やロールオーバーに伴ってインフレータからの高圧ガスによりフロント用エアバッグ4aと共にリヤ用エアバッグ4bが展開し始めると、その展開力を受けてヘッドライニング8が車室内側に押し退けられ、トリム9に対するヘッドライニング8の左側縁8aの係合が解除されてヘッドライニング8は車室内側に撓み始め、このヘッドライニング8の撓みに伴って、取付孔21の内周縁28の係合解除領域E1が変形しながらガーニッシュ22のフランジ部22aを乗り越えて係合を解除される。これにより、図3に二点鎖線で示すように、ヘッドラインニング8は車室内側に大きく撓みながら左側縁8aとトリム9との間に開口部16を形成し、その開口部16を介してリヤ用エアバッグ4bが車室内側に向けて展開する。
また、上記実施形態では、リヤ用エアバッグ4bが車室内に展開する開口部16の近接位置に設けられたガーニッシュ22を内装材とし、このガーニッシュ22のフランジ部22aと係合するヘッドライニング8の取付孔21に斜状カット領域E2を形成したが、内装材はこれに限ることはない。例えばトリム9を内装材とし、このトリム9と係合する図5に示すヘッドライニング8の左側縁8aに斜状カット領域E2を形成してもよい。この場合には、左側縁8aとトリム9との係合解除が円滑且つ無理なく行われるため、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
4b リヤ用エアバッグ
8 ヘッドライニング
11 ウレタン基材
12 表面側ガラスマット(表面側剛性層)
14 裏面側ガラスマット(裏面側剛性層)
16 開口部
23 ガーニッシュ(内装材)
28 内周縁(端末部)
Claims (2)
- ルーフサイドレールに沿って配置されるエアバッグ本体と、車室内に設けられる内装材と、上記内装材に端末部を重ね合わせて係合保持され、上記エアバッグ本体を車室内側から隠蔽するヘッドライニングとを備え、上記エアバッグ本体が上記内装材と上記ヘッドライニングの端末部との係合を解除して車室内に展開するカーテンエアバッグ装置において、
上記ヘッドライニングは、少なくとも発泡材からなる基材と、該基材の車室内側に積層されヘッドライニングに剛性を付与する表面側剛性層と、上記基材の車室外側に積層されヘッドライニングに剛性を付与する裏面側剛性層とを備え、
上記表面側剛性層と裏面側剛性層との何れか一方の剛性層と上記内装材との重なりが、他方の剛性層と上記内装材との重なりより短くなるように、上記ヘッドライニングの端末部を斜状にカットしたことを特徴とするカーテンエアバッグ装置。 - 上記内装材は、上記ヘッドライニングを撓ませて上記エアバッグ本体が車室内に展開する開口部の近接位置に設けられたガーニッシュであり、
上記ガーニッシュに上記ヘッドライニングの端末部が重なって係合保持されると共に、上記ヘッドライニングの撓みに伴って上記ガーニッシュと上記端末部との係合が解除されることを特徴とする請求項1記載のカーテンエアバッグ装置。
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