JP4774644B2 - 加熱調理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭用または業務用で使用されるインバータを用いた加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、誘導加熱、誘電加熱を応用し、インバータを用いた加熱調理器はその加熱応答性・制御性の良さを生かして、負荷となる鍋や食材等の近傍に温度検出素子や重量センサ等を載置し、鍋や食材等の温度や食材等の重量を検出し、それに応じて火力の調節や調理時間の調節を行うことで、きめ細かな調理を実現すると共に、炎を用いず、かつ熱効率が高いので、室内の空気を汚すことも少なく、安全かつ清潔であるという特性が注目され、その需要が急速に伸びてきている。
【0003】
以下に従来の加熱調理器の動作について図面に基づいて説明する。図4は従来例の構成を示すブロック図、図5は本従来例のスイッチング手段の導通時間Ton対インバータ回路の入力電流Iinの特性図である。
【0004】
図4において、21は商用電源、22は整流回路、23は平滑回路、24はスイッチング手段24aと負荷コイル24bを含み、負荷コイル24bに高周波電流を印加することにより負荷鍋25を誘導加熱するインバータ回路、制御回路26は、スイッチング手段24aの導通時間を制御すべく駆動手段27にスイッチング手段24aを駆動させる信号を出力する入力電流制御手段28と、インバータ回路24への入力電流を検知する入力検知手段29と、インバータ回路24の動作状態を設定するスイッチ等で構成した操作部30とを有している。
【0005】
上記構成において動作を説明する。インバータ回路24は商用電源21を整流回路22で整流して平滑回路23で平滑した直流を高周波交流に変換し、負荷コイル24bに高周波電流を流すことで、負荷コイル24bと磁気結合した負荷鍋25に渦電流を発生させて、そのジュール熱で負荷鍋25を誘導加熱している。入力電流制御手段28は、入力検知手段29で検知した値が操作部28で設定された所望の火力に対応する入力電流値になる様に、インバータ回路24のスイッチング手段24aの導通時間を変化させて、入力電流を制御している。
【0006】
本従来例では入力電流制御手段28はマイクロコンピュータで構成しており、設定された入力電流値よりも入力検知手段29で検知した入力電流値が大きければ、スイッチング手段24aの導通時間を減少し、逆に設定された入力電流値よりも入力検知手段29で検知した入力電流値が小さければ、スイッチング手段24aの導通時間を増加する、フィードバック制御を行うことでインバータ回路の入力電流を略一定に保つようにしている。
【0007】
この時、図5に示すAの様な特性を持つ負荷鍋24であれば、スイッチング手段24aの導通時間Tonに対するインバータ回路24の入力電流Iin特性は単調増加であるので、操作部30で現在の入力電流設定を増減させた後に再び増減させる前の入力電流に設定しても略同一のスイッチング手段24aの導通時間Tonで動作させることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のような従来の加熱調理器では、図5に示すBの様な特性を持つ負荷鍋25を動作させている場合には、スイッチング手段24aの導通時間Tonに対するインバータ回路24の入力電流Iin特性は単調増加ではなく、極値を持っており1つの入力電流に対して複数のスイッチング手段24aの導通時間が存在しているので、操作部30で現在の入力電流設定を増減させた後に再び増減させる前の入力電流に設定すると、異なったスイッチング手段の導通時間で同一のインバータ回路24の入力電流として動作してしまう。そうなると、一般的には特性A、Bの差に依らず、スイッチング手段24aの導通時間に対してスイッチング手段24aの両端電圧は単調増加の特性であるので、特性Bの負荷鍋25では単一のインバータ回路24の入力電流に対してスイッチング手段24aやインバータ回路24を構成する他のパワー部品の電気的ストレスが大きくなる動作点が存在し、機器の冷却性能強化のためのコストアップ、冷却ファン風量増による騒音増加や、EMC対策でのコストアップ、機器の信頼性低下、またパワー部品の異常高温保護のため加熱が一時停止する等して使い勝手が低下してしまうという課題を有していた。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するもので、スイッチング手段の導通時間対インバータ回路の入力電流特性が、単調増加ではなく、いくつかの極値を持つような場合でも、スイッチング手段や他のインバータ回路を構成するパワー部品の電気的ストレスが軽減される動作点、或いはスイッチング手段のスイッチングノイズの低い動作点等を選択してインバータ回路を動作させることで、安価で、使い勝手の良い加熱調理器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、負荷コイルとスイッチング手段を含み直流を高周波交流に変換し、前記負荷コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、前記インバータ回路の動作を制御する制御回路とを有し、前記制御回路は前記スイッチング手段を駆動する駆動手段と、前記インバータ回路の入力電流を検知する入力検知手段と、前記インバータ回路の入力電流を設定する操作部と、前記スイッチング手段の導通時間を増減させることにより、前記入力検知手段で検知した入力電流が前記操作部で設定した入力電流となるように前記インバータ回路の入力電流を制御する入力電流制御手段とを備え、前記導通時間対前記インバータ回路の入力電流の特性の極値を検知する極値検知手段をさらに有し、前記入力電流制御手段は、前記極値検知手段が前記極値の存在を検知し、かつ前記操作部で設定した入力電流に対応する前記導通時間が複数存在する場合に、前記極値検知手段で検知した前記極値から選択した極大値に対応する前記導通時間以下でかつ選択した前記極大値に最も近い前記導通時間となるように前記インバータ回路の入力電流を制御することにより、極値検知手段が入力検知手段の出力と入力電流制御手段が出力しているスイッチング手段の導通時間から、スイッチング手段の導通時間対インバータ回路の入力電流の特性における極値を検知することができるので、スイッチング手段の導通時間対インバータ回路の入力電流の特性が単調増加ではなく、極値を持つ、つまり1つの入力電流に対して複数のスイッチング手段の導通時間が存在する場合でも、極値検知手段が検知している極値の中で、スイッチング手段等、インバータ回路を構成するパワー部品の電気的ストレスが低い動作点、或いは、スイッチング手段の電圧負担が多少大きくとも、スイッチング手段から発するスイッチングノイズが低減される動作点というように、入力電流制御手段が適宜選択することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の目的は、各請求項に記載した構成を実施の形態とすることにより達成することができるので、以下には各請求項の特徴とする構成に作用を併記して実施の形態の意義を理解しやすく説明することとする。
【0012】
請求項1に記載の発明は、負荷コイルとスイッチング手段を含み直流を高周波交流に変換し、前記負荷コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、前記インバータ回路の動作を制御する制御回路とを有し、前記制御回路は前記スイッチング手段を駆動する駆動手段と、前記インバータ回路の入力電流を検知する入力検知手段と、前記インバータ回路の入力電流を設定する操作部と、前記スイッチング手段の導通時間を増減させることにより、前記入力検知手段で検知した入力電流が前記操作部で設定した入力電流となるように前記インバータ回路の入力電流を制御する入力電流制御手段とを備え、前記導通時間対前記インバータ回路の入力電流の特性の極値を検知する極値検知手段をさらに有し、前記入力電流制御手段は、前記極値検知手段が前記極値の存在を検知し、かつ前記操作部で設定した入力電流に対応する前記導通時間が複数存在する場合に、前記極値検知手段で検知した前記極値から選択した極大値に対応する前記導通時間以下でかつ選択した前記極大値に最も近い前記導通時間となるように前記インバータ回路の入力電流を制御するものであり、この構成により、入力電流制御手段の出力に基づき、インバータ回路のスイッチング手段を駆動手段にて駆動して、負荷コイルに高周波電流を供給することで、負荷コイルから発生する高周波磁束により鍋等の負荷を誘導加熱する、あるいは負荷コイルから発生する高周波電圧によりマグネトロンを駆動し、そのマグネトロンから発するマイクロ波を負荷となる調理物等に当てて誘電加熱することができる。負荷への加熱火力は入力検知手段で検知したインバータ回路の入力電流が操作部で設定した入力電流に等しくなる様にスイッチング手段の導通時間または駆動周期を可変させることで、負荷コイルに流れる高周波電流量を変化させて制御できる。
【0013】
また、極値検知手段が入力検知手段の出力と、入力電流制御手段が出力しているスイッチング手段の導通時間から、スイッチング手段の導通時間対インバータ回路の入力電流の特性における極値を検知することができるので、スイッチング手段の導通時間対インバータ回路の入力電流の特性が単調増加ではなく、極値を持つ、つまり1つの入力電流に対して複数のスイッチング手段の導通時間が存在する場合でも、極値検知手段が検知している極値の中で、スイッチング手段等、インバータ回路を構成するパワー部品の電気的ストレスが低い動作点、或いは、スイッチング手段の電圧負担が多少大きくとも、スイッチング手段から発するスイッチングノイズが低減される動作点というように、入力電流制御手段が適宜選択してインバータ回路を動作させることができるという作用を有する。
【0016】
請求項2に記載の発明は、負荷コイルとスイッチング手段を含み直流を高周波交流に変換し、前記負荷コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、前記インバータ回路の動作を制御する制御回路とを有し、前記制御回路は前記スイッチング手段を駆動する駆動手段と、前記インバータ回路の入力電流を検知する入力検知手段と、前記インバータ回路の入力電流を設定する操作部と、前記スイッチング手段の導通時間を増減させることにより、前記入力検知手段で検知した入力電流が前記操作部で設定した入力電流となるように前記インバータ回路の入力電流を制御する入力電流制御手段と、を備え、前記操作部で設定された入力電流に対応する前記導通時間が複数存在する場合に、前記操作部において前記入力電流の設定を変更した時は、前記導通時間を、前記操作部で設定された入力電流に対応する前記複数の導通時間のうち最も短い前記導通時間より短い前記導通時間まで減少させた後に前記操作部で設定された入力電流となるまで増加させる再開始手段をさらに具備したものであり、この手段により、入力電流制御手段の出力に基づき、インバータ回路のスイッチング手段を駆動手段にて駆動して、負荷コイルに高周波電流を供給することで、負荷コイルから発生する高周波磁束により鍋等の負荷を誘導加熱する、あるいは負荷コイルから発生する高周波電圧によりマグネトロンを駆動し、そのマグネトロンから発するマイクロ波を負荷となる調理物等に当てて誘電加熱することができる。負荷への加熱火力は入力検知手段で検知したインバータ回路の入力電流が操作部で設定した入力電流に等しくなる様にスイッチング手段の導通時間または駆動周期を可変させることで、負荷コイルに流れる高周波電流量を変化させて制御できる。
【0017】
また、スイッチング手段の導通時間対インバータ回路の入力電流の特性に極値がある場合に、その極値の中で極大値が全て操作部で設定した入力電流以上という様に、操作部で設定した入力電流に対してインバータ回路の動作点が複数存在する時に、操作部にて入力電流設定を変更した際には、再開始手段が、所定の導通時間、例えば、設定した入力電流値以下で、最初の極大値以下となる導通時間より小の導通時間、まで減少させた後、設定した入力電流となるまで増加させることができるので、設定された入力電流値よりも入力検知手段で検知した入力電流値が大きければ、スイッチング手段の導通時間を減少し、逆に設定された入力電流値よりも入力検知手段で検知した入力電流値が小さければ、スイッチング手段の導通時間を増加すると言ったマイクロコンピュータが簡単に行うことのできるフィードバック制御を用いてインバータ回路の入力電流を略一定に保つことができるという作用を有する。
【0018】
これによって、この様な極値を持った負荷であってもスイッチング手段の導通時間に対するスイッチング手段の両端電圧は単調増加であるので、設定した入力電流以下で、常に導通時間が小となる動作点を選択することができ、スイッチング手段等のパワー部品の電気的ストレスを軽減してインバータ回路を動作させることが可能となる。
【0019】
【実施例】
(実施例1)
以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施例の構成を示すブロック図、図3は本発明の第1の実施例のスイッチング手段の導通時間Ton対インバータ回路の入力電流Iinの特性図及びスイッチング手段の導通時間Ton対スイッチング手段の両端電圧Vceの特性図である。
【0020】
図1において、1は商用電源、2は整流回路、3は平滑回路、4はスイッチング手段4aと負荷コイル4bを含み、負荷コイル4bに高周波電流を印加することにより負荷鍋5を誘導加熱するインバータ回路、制御回路6は、スイッチング手段4aの導通時間を制御すべく駆動手段7にスイッチング手段4aを駆動させる信号を出力する入力電流制御手段8と、インバータ回路4への入力電流を検知する入力検知手段9と、インバータ回路4の動作状態を設定するスイッチ等で構成した操作部10と、入力電流制御手段8が出力しているスイッチング手段4aの導通時間出力と入力検知手段9の出力を基に、スイッチング手段4aの導通時間Ton対インバータ回路4の入力電流Iinの特性(以下Ton対Iin特性とする)からこの極値を検知する極値検知手段11と、操作部10で設定しているインバータ回路4の入力電流設定が変更された時に、スイッチング手段4aの導通時間を所定の値まで減少させた後再度、設定された入力電流値を目標として増加させる信号を入力電流制御手段8に出力する再開始手段12を有している。
【0021】
上記構成において動作を説明する。使用者が操作部10のスイッチ等を操作することにより操作部10は入力電流制御手段8にインバータ回路4を動作開始あるいは設定火力(インバータ回路4の入力電流の設定)の信号を出力する。これを受けた入力電流制御手段8は加熱動作を開始したり、あるいは加熱動作中であれば、加熱停止や火力の設定を変えるべく駆動手段7にスイッチング手段4aを駆動させる。
【0022】
インバータ回路4は駆動手段7の駆動信号に基づいたスイッチング手段4aのオンオフによって、商用電源1を整流回路2で整流して平滑回路3で平滑した直流を高周波交流に変換し、負荷コイル4bに高周波電流を流すことで、負荷コイル4bと磁気結合した負荷鍋5に渦電流を発生させて、そのジュール熱で負荷鍋5を誘導加熱している。
【0023】
次に、入力電流制御手段8は入力検知手段9で検知した入力電流が、操作部10で設定した火力に対応した所望の入力電流に達するまでスイッチング手段4aの導通時間(以下Tonとする)を増減させ、負荷コイル4bに供給する高周波電流を変化して負荷鍋5の加熱火力を制御している。
【0024】
この時、極値検知手段11は入力電流制御手段8が出力しているスイッチング手段4aの導通時間出力と入力検知手段9の出力を入力することで、Ton対Iin特性を観測している。具体的には、インバータ回路4を動作開始させた時に、一旦Tonの最小値から最大値若しくはインバータ回路4が安定して動作する最高値まで増加させることによって現在の加熱対象となっている負荷鍋5のTon対Iin特性を読み込む。そして、このTon対Iin特性に極値が存在すれば、どのTonで幾らのIinとなる極値であるかを入力電流制御手段8に出力する。
【0025】
これによって、操作部10で設定したIin値に対して、動作点が複数存在するかどうかを入力電流制御手段8が判別することができる。本実施例では、動作点が複数存在する場合、図3のTon対Iin特性において、操作部10で設定したIin値がIin1である時には、図3のスイッチング手段の導通時間Ton対スイッチング手段4aの両端電圧Vceの特性に示す様にTonの増加に対してスイッチング手段4aの両端電圧Vceは単調増加であるので、スイッチング手段4aの電圧負担が少なく、導通損失やスイッチング損失の低い動作点aを入力電流制御手段8が選択してインバータ回路4を動作させることで、必要以上の冷却性能強化による冷却ファンの風量アップのための風切り音の増加や、スイッチング手段4aに取り付けてある冷却フィンの大型化、或いは冷却能力不足に起因するスイッチング手段4a等のパワー部品の異常高温保護のためのインバータ回路4の停止や入力電流ダウン等による調理性能の低下を回避することができる。
【0026】
また、スイッチング手段4aの電圧負担が多少大きくとも、スイッチング手段4aから発するスイッチングノイズが、低減される動作点がaではなくcであり、EMCに有利であるならば、動作点cを選択して、EMC対策による部品追加等のコストアップを抑えるということもできる。
【0027】
更に、図3のTon対Iin特性において、操作部10で設定したIin値がIin2である時には、Tonを最大値まで増加させてもIin2に達しないので、入力電流制御手段8は極値検知手段11で検知した極値から極大値を選び、更にその中でも値の大きい極大値である動作点fを選択して、この特性を持つ負荷鍋5での最大火力でインバータ回路4を動作させることができ、調理性能を極力低下させないようにできる。
【0028】
尚、本実施例では、スイッチング手段の導通時間のみを増減させて入力電流の制御を行うことについて説明しているが、スイッチング手段の導通時間と駆動周期とを組み合わせて増減させた場合でも、Ton対Iin特性が極値を持つのであれば、同様の効果を得られることは言うまでもないことである。そして、以上の効果は誘導加熱調理器に限らず、電子レンジ等のインバータを有する加熱調理器に適用できる。
【0029】
(実施例2)
以下本発明の第2の実施例を図面に基づいて説明する。図2は本発明の実施例の構成を示すブロック図、図3は本発明の実施例のスイッチング手段の導通時間Ton対インバータ回路の入力電流Iinの特性図及びスイッチング手段の導通時間Ton対スイッチング手段の両端電圧Vceの特性図である。
【0030】
図2において、1は商用電源、2は整流回路、3は平滑回路、4はスイッチング手段4aと負荷コイル4bを含み、負荷コイル4bに高周波電流を印加することにより負荷鍋5を誘導加熱するインバータ回路、制御回路6は、スイッチング手段4aの導通時間を制御すべく駆動手段7にスイッチング手段4aを駆動させる信号を出力する入力電流制御手段8と、インバータ回路4への入力電流を検知する入力検知手段9と、インバータ回路4の動作状態を設定するスイッチ等で構成した操作部10と、操作部10で設定しているインバータ回路4の入力電流設定が変更された時に、スイッチング手段4aの導通時間を所定の値まで減少させた後再度、設定された入力電流値を目標として増加させる信号を入力電流制御手段8に出力する再開始手段12を有している。
【0031】
上記構成において動作を説明する。使用者が操作部10のスイッチ等を操作することにより操作部10は入力電流制御手段8にインバータ回路4を動作開始あるいは設定火力(インバータ回路4の入力電流の設定)の信号を出力する。これを受けた入力電流制御手段8は加熱動作を開始したり、あるいは加熱動作中であれば、加熱停止や火力の設定を変えるべく駆動手段7にスイッチング手段4aを駆動させる。
【0032】
インバータ回路4は駆動手段7の駆動信号に基づいたスイッチング手段4aのオンオフによって、商用電源1を整流回路2で整流して平滑回路3で平滑した直流を高周波交流に変換し、負荷コイル4bに高周波電流を流すことで、負荷コイル4bと磁気結合した負荷鍋5に渦電流を発生させて、そのジュール熱で負荷鍋5を誘導加熱している。
【0033】
次に、入力電流制御手段8は入力検知手段9で検知した入力電流が、操作部10で設定した火力に対応した所望の入力電流に達するまでスイッチング手段4aの導通時間(以下Tonとする)を増減させ、負荷コイル4bに供給する高周波電流を変化して負荷鍋5の加熱火力を制御している。
【0034】
再開始手段12は、操作部10で設定した入力電流が図3のIin3で動作点fにてインバータ回路4が動作している時に、入力電流設定をIin1に変更すると、再開始手段12は入力電流制御手段8に一旦Tonを動作点aより小さい導通時間まで減少させる信号を出力する。その後、入力電流制御手段8は再び導通時間をIin1となる最初の動作点aまで増加させていく。
【0035】
再開始手段12が無ければ、操作部10で設定した入力電流が図3のIin3で動作点fにてインバータ回路4が動作している時に、入力電流設定をIin1に変更すると、動作点aになる前に動作点cでIin1となるので、動作点aで動作させることができない。
【0036】
再開始手段12が動作することによって、動作点が複数存在する場合、図3のスイッチング手段4aの導通時間Ton対インバータ回路4の入力電流Iinの特性(以下Ton対Iin特性とする)において、操作部10で設定したIin値がIin1である時には、図3のスイッチング手段の導通時間Ton対スイッチング手段4aの両端電圧Vceの特性に示す様にTonの増加に対してスイッチング手段4aの両端電圧Vceは単調増加であるので、スイッチング手段4aの電圧負担が少なく、導通損失やスイッチング損失の低い動作点aを入力電流制御手段8が選択してインバータ回路4を動作させることで、必要以上の冷却性能強化による冷却ファンの風量アップのための風切り音の増加や、スイッチング手段4aに取り付けてある冷却フィンの大型化、或いは冷却能力不足に起因するスイッチング手段4a等のパワー部品の異常高温保護のためのインバータ回路4の停止や入力電流ダウンや一時停止等による調理性能・使い勝手の低下を回避することができる。
【0037】
また、再開始手段12の動作により、設定された入力電流値よりも入力検知手段9で検知した入力電流値が大きければ、スイッチング手段4aの導通時間を減少し、逆に設定された入力電流値よりも入力検知手段9で検知した入力電流値が小さければ、スイッチング手段4aの導通時間を増加すると言ったマイクロコンピュータが簡単に行うことのできるフィードバック制御を用いてインバータ回路の入力電流を略一定に保つことができる。
【0038】
尚、本実施例では、スイッチング手段の導通時間のみを増減させて入力電流の制御を行うことについて説明しているが、スイッチング手段の導通時間と駆動周期とを組み合わせて増減させた場合でも、Ton対Iin特性が極値を持つのであれば、同様の効果を得られることは言うまでもないことである。そして、以上の効果は誘導加熱調理器に限らず、電子レンジ等のインバータを有する加熱調理器に適用できる。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1記載の発明によれば、スイッチング手段の導通時間対インバータ回路の入力電流特性が単調増加でなく、極値が存在し、操作部で設定した入力電流に対してスイッチング手段の導通時間が1点に定まらず複数の動作点がある場合にも、スイッチング手段等のインバータ回路の構成パワー部品の電気的ストレスが小となる動作点やスイッチング手段のスイッチングノイズが小となる動作点といったように適宜有用な動作点を選択することができ、冷却性能強化、EMC対策によるコストアップや、機器の信頼性低下、使い勝手の低下を抑制することができる。
【0042】
請求項2記載の発明によれば、マイクロコンピュータが簡単に行うことのできるフィードバック制御を用いてインバータ回路の入力電流を略一定に保つことができると共に、操作部で設定された入力電流に対応する導通時間が複数存在する場合に、常に設定された入力電流値におけるスイッチング手段の導通時間を最小として、スイッチング手段をはじめとするインバータ回路を構成するパワー部品の電気的ストレスが軽減される動作点でインバータ回路を動作させることができ、冷却性能強化によるコストアップや、機器の信頼性低下、使い勝手の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の加熱調理器の構成を示すブロック図
【図2】本発明の第2の実施例の加熱調理器の構成を示すブロック図
【図3】本発明の第1及び第2の実施例の加熱調理器のスイッチング手段の導通時間Ton対インバータ回路の入力電流Iinの特性図及びスイッチング手段の導通時間Ton対スイッチング手段の両端電圧Vceの特性図
【図4】従来例の加熱調理器の構成を示すブロック図
【図5】従来例の加熱調理器のスイッチング手段の導通時間Ton対インバータ回路の入力電流Iinの特性図
【符号の説明】
4 インバータ回路
4a スイッチング手段
4b 負荷コイル
6 制御回路
7 駆動手段
8 入力電流制御手段
9 入力検知手段
10 操作部
11 極値検知手段
12 再開始手段
Claims (2)
- 負荷コイルとスイッチング手段を含み直流を高周波交流に変換し、前記負荷コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、前記インバータ回路の動作を制御する制御回路とを有し、前記制御回路は前記スイッチング手段を駆動する駆動手段と、前記インバータ回路の入力電流を検知する入力検知手段と、前記インバータ回路の入力電流を設定する操作部と、前記スイッチング手段の導通時間を増減させることにより、前記入力検知手段で検知した入力電流が前記操作部で設定した入力電流となるように前記インバータ回路の入力電流を制御する入力電流制御手段とを備え、前記導通時間対前記インバータ回路の入力電流の特性の極値を検知する極値検知手段をさらに有し、前記入力電流制御手段は、前記極値検知手段が前記極値の存在を検知し、かつ前記操作部で設定した入力電流に対応する前記導通時間が複数存在する場合に、前記極値検知手段で検知した前記極値から選択した極大値に対応する前記導通時間以下でかつ選択した前記極大値に最も近い前記導通時間となるように前記インバータ回路の入力電流を制御する加熱調理器。
- 負荷コイルとスイッチング手段を含み直流を高周波交流に変換し、前記負荷コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、前記インバータ回路の動作を制御する制御回路とを有し、前記制御回路は前記スイッチング手段を駆動する駆動手段と、前記インバータ回路の入力電流を検知する入力検知手段と、前記インバータ回路の入力電流を設定する操作部と、前記スイッチング手段の導通時間を増減させることにより、前記入力検知手段で検知した入力電流が前記操作部で設定した入力電流となるように前記インバータ回路の入力電流を制御する入力電流制御手段と、を備え、前記操作部で設定された入力電流に対応する前記導通時間が複数存在する場合に、前記操作部において前記入力電流の設定を変更した時は、前記導通時間を、前記操作部で設定された入力電流に対応する前記複数の導通時間のうち最も短い前記導通時間より短い前記導通時間まで減少させた後に前記操作部で設定された入力電流となるまで増加させる再開始手段をさらに備えてなる加熱調理器。
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