JP2003017236A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

誘導加熱調理器

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JP2003017236A
JP2003017236A JP2001196449A JP2001196449A JP2003017236A JP 2003017236 A JP2003017236 A JP 2003017236A JP 2001196449 A JP2001196449 A JP 2001196449A JP 2001196449 A JP2001196449 A JP 2001196449A JP 2003017236 A JP2003017236 A JP 2003017236A
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Application number
JP2001196449A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Takimoto
等 滝本
Isayasu Kato
功康 加藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 調理器具の種類に関係なく大きな加熱出力を
得ることを可能にし、且つインバータ主回路のスイッチ
ング素子が回生電流の増大に伴い熱破壊する事態を同時
に防止可能にすること。 【解決手段】 図3はインバータ主回路の入力電流検出
電圧と回生電流検出電圧との関係を複数種類の調理器具
(サンプルa〜c)について示している。インバータ主
回路のための出力制御回路は、入力電流検出電圧が判断
値Aに到達する前に、回生電流検出電圧が標準値Bを越
えたか否かに基づいて、調理器具が標準材質(鉄及び鉄
系)であるか否かを判断する。標準材質であった場合に
は、回生電流検出電圧が標準リミッタ線Lを越えないよ
うに制御し、標準材質以外のもの(磁性ステンレスな
ど)であったときには、入力電流リミッタ線M及び回生
電流リミッタ線Nを設定し、入力電流検出電圧及び回生
電流検出電圧が各リミッタ線M及びNを越えないように
制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波磁界を発生
して調理器具を加熱する加熱コイルを備えた誘導加熱調
理器に関する。
【0002】
【従来の技術】誘導加熱調理器にあっては、加熱コイル
に対しインバータ装置から高周波電流(例えば21.5
kHz)を供給して高周波磁界を発生させることによ
り、鍋などの調理器具に誘導電流を流し、その誘導電流
によるジュール熱によって加熱動作を行う構成となって
いる。この場合、調理器具には多種多様な材質及び形状
のものが存在するため、入力電流に対する回生電流の比
率が種々異なってくるという事情がある。つまり、例え
ば調理器具の材質に着目した場合、ホーロー鍋や鉄鍋の
ように回生電流が比較的少ないものと、非磁性ステンレ
ス鍋のように回生電流が多くなるものとがある。この場
合、入力電流に比べて回生電流が相対的に多く流れる状
態は、調理器具において熱エネルギとして消費される電
流分が少ないということであり、入力電流に対する加熱
出力の割合が小さくなることを意味する。
【0003】このため、例えば、非磁性ステンレス鍋の
使用時において、ホーロー鍋の使用時と同等の入力電流
を得ようとすると、ホーロー鍋の場合に比べて回生電流
値が増える結果、相対的に大きな入力電流が必要とな
る。ところが、このように入力電流値が大きくなると、
インバータ装置を構成するスイッチング素子に流れる電
流が増大してその温度上昇が大きくなるため、そのスイ
ッチング素子が熱破壊する恐れが出てくる。そこで、従
来の誘導加熱調理器においては、インバータ装置の動作
状態における回生電流を検出すると共に、検出した回生
電流値が予め設定したリミッタ線に対応した制限値を越
えないように入力電流を制限するという入力電流制限機
能を設け、以てスイッチング素子の温度上昇が過大にな
る事態を未然に防止するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年では、誘導加熱調
理器に使用可能な調理器具の材質及び構造が多様化して
おり、従来の主流であったホーロー鍋や非磁性ステンレ
ス鍋に加えて、磁性ステンレス(クロム系ステンレ
ス)、炭素鋼、鉄、アルミニウム、銅などを張り合わせ
た多層構造の鍋が提供されている。具体的には、磁性ス
テンレス−アルミニウム−磁性ステンレスの3層構造、
磁性ステンレス−鉄−磁性ステンレスの3層構造、鉄−
アルミニウム−鉄の3層構造、アルミニウム−磁性ステ
ンレスの2層構造、非磁性ステンレス3層・磁性ステン
レス1層・アルミニウム2層・アルミニウム合金1層を
組み合わせた7層構造、非磁性ステンレス3層・磁性ス
テンレス3層・アルミニウム2層・アルミニウム合金1
層を組み合わせた9層構造など、多種多様な構造の鍋が
提供されている。これらの鍋の中には、入力電流に対す
る回生電流の割合が前記ホーロー鍋や非磁性ステンレス
鍋に比べて大きくなるもの(特には磁性ステンレスを使
用したものがこの傾向を示す)が存在するが、斯様な鍋
を、前述した入力電流制限機能が設けられたインバータ
装置を備えた誘導加熱調理器で使用した場合には、入力
電流が十分に高くなる前に回生電流のピーク値が制限値
以上となって、実際の入力電流が比較的低いレベル以下
に制限されてしまう。このため、回生電流が制限値以上
となった場合に入力電流を制限してスイッチング素子の
保護を図るようにした従来のインバータ装置では、誘導
加熱調理器の定格最大入力が十分に高く設定されている
場合でも、加熱対象の調理器具の種類の如何によっては
実際の調理に必要な加熱出力の不足を来たすことがあ
り、この点が未解決の課題となっていた。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、加熱対象の調理器具の種類に関係な
く大きな加熱出力を得ることが可能になると共に、イン
バータ主回路を構成するスイッチング素子が回生電流の
増大に伴い熱破壊する事態を同時に防止可能となる誘導
加熱調理器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のインバー
タ装置は、上記目的を達成するために、商用交流電源を
整流して直流電源を生成する整流回路と、この整流回路
が生成する直流電源が供給される一対の直流母線と、こ
の直流母線間に接続される平滑コンデンサと、駆動され
た状態で高周波磁界を発生して調理器具を加熱する加熱
コイルと、前記直流母線間に接続され、前記加熱コイル
を駆動するハーフブリッジ型のインバータ主回路と、こ
のインバータ主回路を構成する正側及び負側スイッチン
グ素子にオンオフ信号を出力して加熱コイルの駆動を制
御する制御手段と、前記平滑コンデンサに流れる高周波
電流を検出する高周波電流検出手段と、この高周波電流
検出手段が検出する高周波電流並びに前記正側及び負側
スイッチング素子のオンオフタイミングに基づいて前記
平滑コンデンサに流れ込む回生電流値を検出する回生電
流値検出手段と、前記インバータ主回路の入力電流値を
検出する入力電流値検出手段とを具備した電磁調理器に
おいて、前記制御手段を、前記回生電流値検出手段によ
る検出回生電流値が予め設定されたレベルの回生電流制
限値以下となるように制御する動作、前記入力電流値検
出手段による検出入力電流値及び前記回生電流値検出手
段による検出回生電流値の関係に基づいて加熱対象の調
理器具の材質を判断する動作、その判断結果に基づいて
前記回生電流制限値のレベルを切り替える制御を行う構
成としたものである。
【0007】この構成によれば、インバータ主回路によ
り加熱コイルが駆動された状態では、高周波電流検出手
段が、インバータ回路の動作に応じて平滑コンデンサに
流れる高周波電流を検出するようになり、また、回生電
流値検出手段が、このように検出された高周波電流並び
にインバータ主回路を構成する正側及び負側スイッチン
グ素子のオンオフタイミングに基づいて平滑コンデンサ
に流れ込む回生電流値を検出するようになり、さらに、
入力電流値検出手段がインバータ主回路の入力電流値を
検出するようになる。
【0008】このとき、制御手段は、加熱コイルの駆動
開始後において、回生電流値検出手段が検出する回生電
流値が予め設定されたレベルの回生電流制限値以下とな
るように制御する動作を行うようになる。従って、入力
電流値が増大される際に、回生電流値が回生電流制限値
を越えて異常に大きくなる事態を確実に防止できるよう
になり、以てインバータ主回路を構成するスイッチング
素子が回生電流の増大に伴い熱破壊する事態を未然に抑
止できる。また、制御手段は、入力電流値検出手段が検
出する入力電流値及び回生電流値検出手段が検出する回
生電流値の関係に基づいて加熱対象の調理器具の材質を
判断する動作を行い、その判断結果に基づいて前記回生
電流制限値のレベルを切り替える制御を行う。この制御
時において、加熱対象の調理器具の材質が、例えば入力
電流値に対する回生電流値の割合が相対的に大きいもの
であると判断したときに、回生電流制限値のレベルを引
き上げるように切り替える構成とすれば、入力電流値の
レベルを相対的に高めることができ、実際の調理に必要
な加熱出力が不足する事態を阻止できるようになる。
【0009】この場合、請求項2記載の誘導加熱調理器
のように、前記制御手段を、前記入力電流値検出手段に
よる検出入力電流値が予め設定された判断値に到達する
前に前記回生電流検出手段による検出回生電流値が予め
設定された標準値を越えたときに、前記調理器具が前記
回生電流制限値のレベル切り替え制御が必要な材質であ
ると判断する構成とすることができる。この構成によれ
ば、加熱対象の調理器具の材質の判断を、入力電流値検
出手段が検出した入力電流値と判断値との比較、並びに
回生電流検出手段が検出した回生電流値と標準値との比
較に基づいて簡単且つ確実に行い得るようになる。
【0010】請求項3記載の誘導加熱調理器のように、
前記制御手段を、前記調理器具が前記回生電流制限値の
レベル切り替え制御が必要な材質であると判断したとき
に、前記平滑コンデンサに流れ込む最大回生電流値を、
予め設定された上限回生電流値以下となるように制限す
る構成としても良い。この構成によれば、回生電流制限
値のレベル引き上げ制御によって許容される回生電流値
が上限回生電流値に抑制されるから、インバータ主回路
を構成するスイッチング素子の負担が無闇に大きくなる
事態を未然に防止できる。
【0011】請求項4記載の誘導加熱調理器のように、
前記制御手段を、前記調理器具が前記回生電流制限値の
レベル切り替え制御が必要な材質であると判断したとき
に、前記インバータ主回路の最大入力電流値を、その定
格入力未満に設定された上限入力電流値以下となるよう
に制限する構成とすることもできる。この構成によれ
ば、例えば回生電流制限値のレベルを引き上げる制御が
行われるのに応じて、インバータ主回路の入力電流値が
当該インバータ主回路を構成するスイッチング素子の許
容限度を越えて増大する事態を確実に防止できるから、
そのスイッチング素子の熱破壊を阻止する上で有益にな
る。
【0012】請求項5記載の誘導加熱調理器のように、
前記スイッチング素子の温度を検出する温度検出手段を
備えた上で、前記制御手段を、前記温度検出手段による
検出温度が予め設定された上限温度を越えたときに、前
記平滑コンデンサに流れ込む最大回生電流値を前記上限
回生電流値未満に設定された第2の上限回生電流値以下
となるように制限する構成としても良い。この構成によ
っても、インバータ主回路を構成するスイッチング素子
の温度が異常に上昇した状態を温度検出手段により確実
に検出可能となる。そして、その検出温度が上限温度を
越えたときには、平滑コンデンサに流れ込む最大回生電
流値が、それまで設定されていた上限回生電流値未満の
第2の上限回生電流値以下となるように制限される。従
って、加熱対象の調理器具として、入力電流値に対する
回生電流値の割合がきわめて大きい材質のものが選択さ
れた場合であっても、回生電流の増大に伴うスイッチン
グ素子の負担が低減されるようになって、その熱破壊を
確実に防止できるようになる。
【0013】請求項6記載の誘導加熱調理器のように、
前記スイッチング素子の温度を検出する温度検出手段を
備えた上で、前記制御手段を、前記温度検出手段による
検出温度が予め設定された上限温度を越えたときに、前
記インバータ主回路の最大入力電流値を前記上限入力電
流値未満に設定された第2の上限入力電流値以下となる
ように制限する構成としても良い。この構成によれば、
回生電流制限値のレベル引き上げ制御に応じて実際に流
れる回生電流が増大し、これに伴いスイッチング素子の
温度が異常に上昇した状態を温度検出手段により確実に
検出可能となる。そして、その検出温度が上限温度を越
えたときには、インバータ主回路の最大入力電流値が、
それまで設定されていた上限入力電流値未満の第2の上
限入力電流値以下となるように制限される。従って、加
熱対象の調理器具として、入力電流値に対する回生電流
値の割合がきわめて大きい材質のものが選択された場合
であっても、スイッチング素子に実際に流れる電流が抑
制されるようになって、その熱破壊を確実に防止できる
ようになる。
【0014】請求項7記載の誘導加熱調理器のように、
前記スイッチング素子の温度を検出する温度検出手段
と、運転状態で前記スイッチング素子を冷却する冷却手
段とを備えた上で、前記制御手段を、前記温度検出手段
による検出温度が予め設定された上限温度以上となった
時点から前記冷却手段による冷却運転を開始する制御、
若しくは前記加熱コイルの駆動時に前記冷却手段を運転
すると共に前記温度検出手段による検出温度が予め設定
された上限温度以上となった時点から当該冷却手段によ
る冷却能力を高める制御を行う構成とすることもでき
る。この構成によれば、スイッチング素子の温度が上限
温度以上に上昇したときに、そのスイッチング素子を冷
却手段により効果的に冷却できるようになり、以てスイ
ッチング素子の温度が異常上昇する事態を未然に防止で
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施例につい
て図1ないし図3を参照しながら説明する。図1は、誘
導加熱調理器の電気的構成を示す図である。この図1に
おいて、ダイオードブリッジで構成される整流回路1の
交流入力端子は、商用交流電源2に接続されており、直
流出力端子は、リアクタ3を介して平滑コンデンサ4の
両端に接続されている。
【0016】平滑コンデンサ4の両端には、直流母線
5、6を介して、正側及び負側のIGBT(正側スイッ
チング素子)7及びIGBT(負側スイッチング素子)
8から成るアームが接続されており、以てハーフブリッ
ジ型のインバータ主回路9を構成している。IGBT7
及び8の各コレクタ・エミッタ間には、フリーホイール
ダイオード10及び11がそれぞれ接続されている。イ
ンバータ主回路9の出力端子9aには、高周波磁界発生
用の加熱コイル12の一端が接続されており、加熱コイ
ル12の他端と直流母線6との間には、共振コンデンサ
13と図示極性のダイオード14との並列回路が接続さ
れている。
【0017】また、出力端子9aには、スナバコンデン
サ15の一端が接続されており、スナバコンデンサ15
の他端は、IGBT16のコレクタ・エミッタ間を介し
て直流母線6に接続されている。さらに、IGBT16
のコレクタ・エミッタ間には、フリーホイールダイオー
ド17が接続されている。これらは、所謂スナバ回路を
構成しており、インバータ主回路9の動作時におけるス
イッチング損失を減少させるために設けられている。
【0018】マイクロコンピュータなどを中心として構
成される出力制御回路(制御手段)18には、発振回路
19が出力する所定周波数の発振信号が与えられると共
に、操作部20が出力する入力電流調整信号が与えられ
るようになっている。そして、平滑コンデンサ4の充放
電路には、その充放電路を一次側とした電流トランス
(高周波電流検出手段)21が設けられており、その電
流トランス21の二次側出力電圧は、電流検出回路(入
力電流値検出手段、回生電流値検出手段)22を介して
出力制御回路18に与えられる構成となっている。
【0019】出力制御回路18は、フォトカプラなどで
構成される駆動回路23を介してIGBT7、8、16
の各ゲートにゲート信号(オンオフ信号)を出力するよ
うになっている。また、そのゲート信号と同じタイミン
グ信号が、電流検出回路22にも与えられるようになっ
ている。
【0020】電流トランス21は、平滑コンデンサ4に
流入する高周波電流を検出するために設けられており、
電流検出回路22は、電流トランス21の二次側出力電
圧(平滑コンデンサ4に流れる高周波電流のレベルを示
す)を、出力制御回路18から与えられるタイミング信
号に基づいて後述のように検出することにより入力電流
値及び回生電流値を判定し、判定した電流値に応じた検
出電圧をA/D変換して出力制御回路18に与えるよう
になっている。そして、出力制御回路18は、上記入力
電流検出電圧及び回生電流検出電圧並びに操作部20か
らの入力電流調整信号に基づいて、各IGBT7、8、
16に対するゲート信号の出力タイミングを調整するよ
うになっている。以上がインバータ装置を構成してい
る。
【0021】加熱コイル12の上には、トッププレート
24を介して鍋、やかん、フライパンのような調理器具
25が載置されるもので、このような載置状態におい
て、加熱コイル12に対してインバータ主回路9から例
えば、21.5kHzの高周波電流を供給して高周波磁
界を発生させ、これにより調理器具25に電流(渦電
流)を誘導してジュール熱による加熱動作を行うように
なっている。
【0022】インバータ主回路9の負側のIGBT8
は、一周期中の後半で常に50%デューティでオンされ
るようになっており、出力制御回路18は、操作部20
における入力電流調整信号の設定に応じて、加熱コイル
12に対する電流の供給量を、正側のIGBT7の一周
期中前半のオン時間デューティを0〜50%未満の間で
変化させることで制御するようになっている。
【0023】図2は、インバータ装置を動作させて誘導
加熱調理を行う場合における各部の信号波形を示すタイ
ミングチャートである。図2(a)、(b)は、IGB
T7、8のオンオフタイミングを示すものであり、出力
制御回路18が出力するゲート信号の出力タイミングと
略同じである。インバータ装置の動作は、次の4つのサ
イクルから成る。 IGBT7:オン/IGBT8:オフ 加熱コイル12に電流を供給すると共に、共振コンデン
サ13を充電する。 IGBT7:オフ/IGBT8:オフ 加熱コイル12の遅れ電流によって、更に共振コンデン
サ13を充電する。 IGBT7:オフ/IGBT8:オン 共振コンデンサ13を放電させて、加熱コイル12に逆
方向の電流を流す。 IGBT7:オフ/IGBT8:オフ 加熱コイル12の遅れ電流を、フリーホイールダイオー
ド10を介して電源側に回生させる。 以上のサイクルを繰返すことによって、加熱コイル12
に高周波電流を供給する。
【0024】また、出力制御回路18は、でIGBT
8がオンしてから、次の周期のでIGBT7がオンし
てオフするまでの期間に合わせたタイミング信号VG2を
内部で作成し(図2(c)参照)、そのタイミング信号
VG2を僅かな時間遅延させた信号をスナバ回路のIGB
T16のためのゲート信号として出力し、当該IGBT
16をオンオフさせる(図2(d)参照)。
【0025】この場合、平滑コンデンサ4には、図2
(e)に示すように高周波電流(周波数21.5kH
z)が流れる。尚、図2(e)では、平滑コンデンサ4
に電流が流入する(充電)方向を“+”と定義し、平滑
コンデンサ4から電流が流出する(放電)方向を“−”
と定義している。
【0026】即ち、期間でIGBT7がオンすると、
加熱コイル12に電流が供給されるので、その電流分の
電荷が平滑コンデンサ4から放電されて電流が流出す
る。次の期間及びでは、リアクタ3を介して平滑コ
ンデンサ4に略一定の充電電流が流れる。
【0027】この期間に流れる充電電流は、期間で加
熱コイル12に供給した電流に等しく、IGBT7のオ
ン時間が長くなると、それに応じて前記充電電流値も増
加する。従って、この期間における電流値Ia(図2
(e)参照)を得ると、予め求めておいた入力電流値と
の相関関係から入力電流値に応じた電圧レベルの入力電
流検出電圧を出力することができる。
【0028】具体的には、電流検出回路22は、電流値
Iaと入力電流値との相関関係をデータテーブルとして
保有している。そして、電流検出回路22は、出力制御
回路18から与えられるタイミング信号から、IGBT
8のオン期間中において(即ち、期間に相当)電流ト
ランス21が検出する電流値Iaを得ると、その電流値
Iaから前記データテーブルに基づいて入力電流値に応
じた電圧レベルの入力電流検出電圧を出力する。
【0029】また、回生電流は、期間において平滑コ
ンデンサ4に流れ込むので、この期間における電流の最
大値Ib(図2(e)参照)を求めれば、入力電流値と
同様に、予め求めておいた相関関係から回生電流値に応
じた電圧レベルの回生電流検出電圧を出力することがで
きる。
【0030】具体的には、電流検出回路22は、電流値
Ibと回生電流値との相関関係をデータテーブルとして
保有しており、出力制御回路18から与えられるタイミ
ング信号から、IGBT8のオフ時点から次のIGBT
7のオン時点までの期間において(即ち、期間に相
当)電流トランス21が検出する電流値Ibを得ると、
その電流値Ibから前記データテーブルに基づいて電流
値Ibに対応する電流値を得る。
【0031】ここで、電流値Ibに対応する電流値は入
力電流値を含んでいるので、電流値Ibに対応する電流
値から入力電流値を差し引いたもの(即ち、図2(e)
に示す電流値Icに対応する電流値)を回生電流値に応
じたレベルの回生電流検出電圧として出力する。
【0032】一方、出力制御回路18は、電流検出回路
22が検出した入力電流値を示す入力電流検出電圧及び
回生電流値を示す回生電流検出電圧に基づいて、調理器
具25の加熱制御を当該調理器具25の材質に合わせた
形態で行う。
【0033】このような加熱制御の内容を説明するのに
先立って、調理器具25の材質とインバータ主回路9の
動作時に発生する回生電流との関係を説明しておく。即
ち、図3は、調理器具25の材質が異なる場合に、横軸
に入力電流検出電圧をとり、縦軸に回生電流検出電圧を
とった場合の測定結果を示すものである(尚、横軸には
必要に応じてインバータ主回路9の入力電力を括弧書き
で示した)。この場合、図3中の曲線a〜cは、調理器
具25として以下に述べるサンプルa〜cを使用した各
場合の測定結果を示す曲線である。
【0034】サンプルa:直径24cmの一般的な鉄
鍋、 サンプルb:非磁性ステンレス製の一般的なやかん(2
リットル)、 サンプルc:T社(フランス)製のフライパン、磁性ス
テンレス−アルミニウム−磁性ステンレスの3層構造。 尚、本実施例では、以下の説明においてサンプルaの材
質である鉄及び鉄系の材料を標準材質と呼ぶことにす
る。
【0035】図3において、磁性ステンレスが使用され
ているサンプルcは、入力電流値が大きくなるのに連れ
て回生電流値が急激に上昇する特性を示すのに対して、
鉄製のサンプルaは比較的緩かに上昇する特性を示し、
また、非磁性ステンレスのみより成るサンプルbは中間
の特性を示す。
【0036】ここで、回生電流値が増えるということ
は、加熱コイル12に供給した電流分のうち、調理器具
25に誘導電流を発生させて熱エネルギとして消費され
た分が少なかったということであり、従って、消費され
なかった多くの電流分がインバータ主回路9側に戻って
来ることになる。つまり、回生電流値が増えた状態で
は、調理器具25において熱エネルギとして消費される
電流分が少なくなって、入力電流値に対する加熱出力の
割合が小さくなる。このように回生電流値が増えた状態
では、同一の加熱出力を得るために大きな入力電流が必
要となるが、入力電流値が大きくなると、IGBT7、
8に流れる電流が増大してその温度上昇が大きくなるた
め、それらIGBT7、8が熱破壊する恐れが出てく
る。このような恐れに対処するために、従来のように、
予め設定した制限値以上の回生電流が流れたときに入力
電流を所定レベル以下に制限するという入力電流制限機
能を設けた場合には、以下に述べるような問題点が出て
くる。
【0037】即ち、図3において、例えば、回生電流検
出電圧=2.3Vの状態での回生電流値を回生電流制限
値とし、回生電流検出電圧が2.3Vを越えないように
抑制する電流制限を行った場合、サンプルcでは入力電
流検出電圧が最大でも約1.3V(入力電力が約1.2
kWの状態に相当)に制限されることになる。このた
め、誘導加熱調理器の定格最大入力が十分に高い状態
(例えば3kW)に設定されている場合でも、調理器具
25がサンプルcであったときには加熱出力の不足を来
たして調理性能の悪化を招くことになる。
【0038】本実施例では、このような問題点の解決を
図るために、出力制御回路18に対して、以下に述べる
ような制御機能を設定している。即ち、出力制御回路1
8には、回生電流検出電圧により示される回生電流が予
め設定されたレベルの回生電流制限値以下となるように
制御する回生電流抑制機能、調理器具25の材質を判断
するための材質判断機能、この機能により判断した結果
に基づいて上記回生電流制限値のレベルを切り替えるレ
ベル切り替え機能が設定されている。以下、各機能の内
容について個別に説明する。
【0039】(1)回生電流抑制機能 出力制御回路18は、回生電流検出電圧を常時監視し、
その回生電流検出電圧が予め設定されたレベルの回生電
流制限値を越えないように制御する。このような制御
は、駆動回路23を通じて出力するオンオフ信号の出力
タイミングを調整すること(具体的には、前述したよう
に、インバータ主回路9の負側のIGBT8を一周期中
の後半で常に50%デューティでオンさせ、正側のIG
BT7の一周期中前半のオン時間デューティを0〜50
%未満の間で変化させること)で行われる。この場合、
常時においては、標準材質(鉄及び鉄系)の調理器具2
5(サンプルaが一例)のための回生電流制限値が設定
されており、この回生電流制限値として、例えば図3中
にLで示すような標準リミッタ線が設定される。具体的
には、標準リミッタ線Lは、入力電流検出電圧が0V〜
2.4Vの期間は、一定値である約2.3Vに設定さ
れ、入力電流検出電圧が2.4Vを越えて増大するのに
応じて当該入力電流検出電圧に比例して直線的に増大す
る値に設定している。
【0040】(2)材質判断機能 出力制御回路18には、材質判断機能を実現するため
に、入力電流検出電圧に対応した判断値A、回生電流検
出電圧に対応した標準値Bが設定されている。この場
合、図3に示すように、判断値Aは例えば約2.4Vに
設定され、標準値Bは例えば約2.3Vに設定される。
尚、標準値Bは、前記標準リミッタ線Lと重複してい
る。そして、出力制御回路18は、入力電流検出電圧が
判断値Aに到達する前に、回生電流検出電圧が標準値B
を越えたときに、加熱対象の調理器具25が標準材質
(鉄及び鉄系)以外の材質(回生電流制限値のレベル切
り替え制御が必要な材質)であると判断するようになっ
ている。
【0041】(3)レベル切り替え機能 出力制御回路18は、加熱対象の調理器具25が標準材
質以外のもの(サンプルb、cが該当)と判断したとき
には、回生電流制限値のレベルを切り替えることによ
り、平滑コンデンサ4に流れ込む回生電流値の許容限度
を引き上げる制限を行うと共に、インバータ主回路9の
最大入力電流値を、その定格入力(3kW)相当値未満
に設定された上限入力電流値以下となるように制限する
制御を行う。このような制御も、駆動回路23を通じて
出力するオンオフ信号の出力タイミングを調整すること
で行われる。この場合、上限入力電流値として、例えば
図3中にMで示すような入力電流リミッタ線が設定され
る。また、上限回生電流値として、例えば図3中にNで
示すような回生電流リミッタ線が設定され、これにより
回生電流制限値のレベルが切り替えられる。具体的に
は、入力電流リミッタ線Mは、入力電力が2kWとなる
ときの入力電流検出電圧である約2.2V(一定値)に
設定され、回生電流リミッタ線Nは、例えば3.75V
(一定値)に設定される。尚、入力電流リミッタ線M及
び回生電流リミッタ線Nは必ずしも一定値とする必要は
なく、例えば、回生電流リミッタ線Nは、入力電流検出
電圧が増大するのに応じて比例的に増大する状態に設定
しても良い。また、このレベル切り替え機能によって設
定された入力電流リミッタ線M及び回生電流リミッタ線
Nは、誘導加熱調理器の運転が停止状態となったとき
(例えば加熱コイル12の駆動が停止されたとき或いは
停止操作が行われたときなど)に初期化されるものであ
り、この初期化に応じて標準リミッタ線Lが有効化され
ることになる。
【0042】この結果、出力制御回路18にあっては、
入力電流検出電圧に対応した判断値A、回生電流検出電
圧に対応した標準値Bに基づいて調理器具25の材質を
判断し、調理器具25が標準材質のもの(例えばサンプ
ルa)であると判断した場合には、回生電流検出電圧が
標準リミッタ線Lで示される回生電流制限値を越えない
ように制御する。従って、図3中に示すサンプルaのよ
うな特性を備えた調理器具25を加熱する場合には、回
生電流検出電圧が標準リミッタ線Lを越えることがない
から、最大で定格入力(3kW)に相当した入力電流を
流すことができる。
【0043】また、調理器具25が標準材質以外のもの
(例えばサンプルb、c)であると判断した場合には、
回生電流制限値をそれまでの標準リミッタ線Lから引き
上げた状態の回生電流リミッタ線Nに変更し、回生電流
検出電圧が当該回生電流リミッタ線Nで示される回生電
流制限値を越えないように制御する。また、これと同時
に、上限入力電流値を規定する入力電流リミッタ線Mを
設定し、入力電流検出電圧が当該入力電流リミッタ線M
を越えないように制御する。従って、図3中に示すサン
プルbのような特性を備えた調理器具25を加熱する場
合には、入力電流検出電圧が入力電流リミッタ線Nを越
えないように制御されて、その最大入力電力が当該入力
電流リミッタ線Nに対応した2kW以下となるように制
御される。また、図3中に示すサンプルcのような特性
を備えた調理器具25を加熱する場合には、回生電流検
出電圧が回生電流リミッタ線Mを越えないように制御さ
れて、その最大入力電力が2kW弱以下となるように制
御される。
【0044】要するに、本実施例の構成によれば、出力
制御回路18は、加熱コイル24により調理器具25を
加熱する場合には、その調理器具25の材質を判断し、
その判断結果に基づいて回生電流の上限値を規定する回
生電流制限値を変更するようになる。この場合、調理器
具25が標準材質(鉄、鉄系)であった場合には、回生
電流制限値として標準リミッタ線Lを設定し、調理器具
25が、入力電流に対する回生電流の割合が大きくなる
傾向を示す材質(磁性ステンレス、非磁性ステンレスな
ど)であった場合には、回生電流制限値として標準リミ
ッタ線Lよりレベルを引き上げた状態の回生電流リミッ
タ線Nを設定するようになっている。そして、標準材質
の調理器具25の加熱開始後においては、回生電流値検
出電圧が標準リミッタ線Lを越えないように制御し、ま
た、標準材質以外の調理器具25の加熱開始後において
は、回生電流値検出電圧が回生電流リミッタ線Nを越え
ないように制御する。
【0045】従って、例えば、調理器具25のトッププ
レート24上の載置位置が変更されたり、調理器具25
とトッププレート24との間に異物が挟み込まれたりし
て、回生電流が異常に増大した状態となった場合には、
回生電流検出電圧が、調理器具25の材質に応じて設定
された標準リミッタ線L或いは回生電流リミッタ線Nを
越えることがないように制御されるから、インバータ回
路9の入力電流値が増大される際に、回生電流値が設定
された回生電流制限値を越えて異常に大きくなる事態を
確実に防止できるようになり、以てインバータ主回路9
を構成するIGBT7、8が回生電流の増大に伴い熱破
壊する事態を未然に抑止できる。
【0046】しかも、加熱対象の調理器具25の材質
が、回生電流値の割合が相対的に大きくなる材質であっ
た場合には、回生電流制限値のレベルが引き上げられる
から、入力電流値のレベルを相対的に高めることがで
き、実際の調理に必要な加熱出力が不足する事態を阻止
できるようになる。因みに、例えば、調理器具25がサ
ンプルb、cのような非磁性ステンレスや磁性ステンレ
スより成るものであった場合でも、最大入力電力を2k
W近くまで確保できるようになるから、十分な加熱出力
を得ることができる。また、回生電流制限値のレベルが
引き上げられた場合でも、許容される回生電流値が上限
回生電流値(回生電流リミッタ線N)以下に抑制される
から、IGBT7、8の負担が無闇に大きくなる事態を
未然に防止できる。
【0047】さらに、出力制御回路18は、加熱対象の
調理器具25の材質が、回生電流値の割合が相対的に大
きくなる材質であると判断したときに、インバータ主回
路9の最大入力電流値を、その定格入力未満に設定され
た入力電流リミッタ線Mにより示される上限入力電流値
以下となるように制限するから、回生電流制限値のレベ
ルを引き上げる制御が行われるのに応じて、インバータ
主回路9の入力電流値がIGBT7、8の許容限度を越
えて増大する事態を確実に防止できることになり、その
IGBT7、8の熱破壊を阻止する上で有益になる。
【0048】また、出力制御回路18においては、加熱
対象の調理器具25の材質の判断を、電流検出回路22
が検出した入力電流値と予め設定された判断値Aとの比
較、並びに当該電流検出回路22が検出した回生電流値
と予め設定された標準値Bとの比較に基づいて行うよう
になっているから、その材質判断を簡単且つ確実に行い
得るようになり、実用上においてきわめて有益になる。
【0049】(第2の実施の形態)図4及び図5には本
発明の第2実施例が示されており、以下これについて前
記第1実施例と異なる部分のみ説明する。図4におい
て、インバータ主回路9内の例えばIGBT8には、そ
の温度を検出するためのサーミスタ26(温度検出手段
に相当)が設けられている。尚、このサーミスタ26
は、実際にはIGBT8用のヒートシンクにねじ止めに
より固定される。IGBT温度検出部27は、サーミス
タ26による検出温度を電圧信号に変換して出力制御回
路18に与える構成となっている。
【0050】出力制御回路18は、IGBT温度検出部
27からの電圧信号により示される検出温度が予め設定
された上限温度(例えば80℃程度)を越えたときに、
インバータ主回路9の最大入力電流値を、第1実施例で
述べた入力電流リミッタ線M(上限入力電流値)未満に
設定された第2の上限入力電流値に設定する同時に、平
滑コンデンサ4に流れ込む最大回生電流値を、第1実施
例で述べた回生電流リミッタ線N(上限回生電流値)未
満に設定された第2の上限回生電流値に設定する。この
場合、第2の上限入力電流値として、例えば図3と同様
の特性図を示す図5中にM′で示すような第2の入力電
流リミッタ線が設定され、上限回生電流値として、例え
ば図5中にN′で示すような第2の回生電流リミッタ線
が設定される。具体的には、第2の入力電流リミッタ線
M′は、入力電力が1.6kWとなるときの入力電流検
出電圧である約1.75V(一定値)に設定され、回生
電流リミッタ線Nは、例えば2.9V(一定値)に設定
される。尚、第2の入力電流リミッタ線M′及び第2の
回生電流リミッタ線N′は必ずしも一定値とする必要は
なく、例えば、第2の回生電流リミッタ線N′は、入力
電流検出電圧が増大するのに応じて比例的に増大する状
態に設定しても良い。
【0051】このような構成によれば、例えば、回生電
流制限値が標準リミッタ線Lから回生電流リミッタ線N
に引き上げる制御が行われるのに応じて、実際に流れる
回生電流が増大し、これに伴いIGBT8の温度が異常
に上昇した状態をサーミスタ26により確実に検出可能
となる。そして、その検出温度が予め設定された上限温
度を越えたときには、インバータ主回路9の最大入力電
流値が、それまで設定されていた入力電流リミッタ線M
(上限入力電流値)未満の第2の入力電流リミッタ線
M′以下となるように制限されると共に、平滑コンデン
サ4に流れ込む最大回生電流値が、それまで設定されて
いた回生電流リミッタ線N(上限回生電流値)未満の第
2の回生電流リミッタ線N′以下となるように制限され
る。従って、加熱対象の調理器具25として、入力電流
値に対する回生電流値の割合がきわめて大きい材質のも
のが選択された場合であっても、IGBT7、8に実際
に流れる電流が抑制されるようになってその負担が低減
されるようになるから、IGBT7、8の熱破壊を確実
に防止できるようになる。
【0052】(第3の実施の形態)図6には本発明の第
3実施例が示されており、以下これについて前記第1及
び第2実施例と異なる部分のみ説明する。図6におい
て、本実施例においても、第2実施例と同様に、IGB
T8の温度を検出するサーミスタ26及びその検出温度
を電圧信号に変換して出力制御回路18に与えるIGB
T温度検出部27が設けられている。また、IGBT
7、8を冷却するための送風ファン28(冷却手段に相
当)、この送風ファン28の回転数(つまり冷却能力)
を位相制御により調整する冷却ファン回転数制御部29
が設けられており、この冷却ファン回転数制御部29は
出力制御回路18により制御される構成となっている。
この場合、出力制御回路18は、例えば、加熱コイル1
2の駆動状態で送風ファン28を運転すると共に、サー
ミスタ26による検出温度が予め設定された上限温度以
上となった時点から当該送風ファン28の回転数を冷却
ファン回転数制御部29を通じて高める制御(冷却能力
を高める制御)を行うようになっている。
【0053】この実施例によれば、IGBT7、8の温
度が上昇してサーミスタ26による検出温度が予め設定
された上限温度以上に上昇したときに、そのIGBT
7、8を送風ファン28により効果的に冷却できるよう
になり、以てIGBT7、8の温度が異常上昇する事態
を未然に防止できる。尚、常時において送風ファン28
を運転停止しておき、サーミスタ26による検出温度が
予め設定された上限温度以上となった時点から当該送風
ファン28の運転を開始する制御を行っても良く、この
場合には、冷却ファン回転数制御部29は必要に応じて
設ければ良いことになる。
【0054】(その他の実施の形態)尚、本発明は上記
し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものでは
なく、次のような変形または拡張が可能である。入力電
流値検出手段及び回生電流値検出手段を兼用する電流検
出回路22は、出力制御回路18と一体に構成しても良
く、また、入力電流値の検出を行うための専用の入力電
流値検出手段を設ける構成としても良い。電流検出回路
22がデータテーブルを保有する代わりに、高周波電流
値と入力電流値、回生電流値との相関関係を適当な範囲
で直線近似して、その相関関係に応じた比例定数を持た
せて、高周波電流値に比例定数を乗じて演算により入力
電流値、回生電流値を求めるようにしても良い。スイッ
チング素子はIGBTに限ることなく、パワートランジ
スタやパワーMOSFETなどでも良い。冷却手段とし
て、送風ファン以外の手段(例えばペルチェ素子)を利
用することも可能である。
【0055】
【発明の効果】本発明は以上説明した通りであるので、
以下の効果を奏する。請求項1記載の誘導加熱調理器に
よれば、インバータ主回路を構成する正側及び負側スイ
ッチング素子にオンオフ信号を出力して加熱コイルの駆
動を制御する制御手段は、回生電流値検出手段による検
出回生電流値が予め設定されたレベルの回生電流制限値
以下となるように制御する動作、入力電流値検出手段に
よる検出入力電流値及び前記回生電流値検出手段による
検出回生電流値の関係に基づいて加熱対象の調理器具の
材質を判断する動作、その判断結果に基づいて前記回生
電流制限値のレベルを切り替える制御を行う構成とされ
ている。この結果、加熱対象の調理器具の種類に関係な
く大きな加熱出力を得ることが可能になると共に、イン
バータ主回路を構成するスイッチング素子が回生電流の
増大に伴い熱破壊する事態を同時に防止可能になる。
【0056】請求項2記載の誘導加熱調理器によれば、
加熱対象の調理器具の材質の判断を、入力電流値検出手
段が検出した入力電流値と判断値との比較、並びに回生
電流検出手段が検出した回生電流値と標準値との比較に
基づいて簡単且つ確実に行い得るようになる。
【0057】請求項4記載の誘導加熱調理器によれば、
回生電流制限値のレベルを引き上げる制御が行われたと
きには、インバータ主回路の最大入力電流値が、その定
格入力未満に設定された上限入力電流値以下となるよう
に制限されるから、インバータ主回路の入力電流値が当
該インバータ主回路を構成するスイッチング素子の許容
限度を越えて増大する事態を確実に防止できるようにな
り、そのスイッチング素子の熱破壊を阻止する上で有益
になる。
【0058】請求項6記載の誘導加熱調理器によれば、
前記スイッチング素子の温度を検出する温度検出手段を
備えた上で、その検出温度が予め設定された上限温度を
越えたときに、インバータ主回路の最大入力電流値を前
記上限入力電流値未満に設定された第2の上限入力電流
値以下となるように制限する構成となっているから、回
生電流制限値のレベル引き上げ制御に応じて実際に流れ
る回生電流が増大し、これに伴い温度検出手段による検
出温度が上限温度を越えたときには、インバータ主回路
の最大入力電流値が、それまで設定されていた上限入力
電流値未満の第2の上限入力電流値以下となるように制
限される。従って、加熱対象の調理器具として、入力電
流値に対する回生電流値の割合がきわめて大きい材質の
ものが選択された場合であっても、スイッチング素子に
実際に流れる電流が抑制されるようになって、その熱破
壊を確実に防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す電気的構成図
【図2】各部の信号波形を示すタイミングチャート
【図3】入力電流検出電圧及び回生電流検出電圧の関係
を示す作用説明用の特性図
【図4】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図5】図3相当図
【図6】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【符号の説明】
1は整流回路、2は商用交流電源、4は平滑コンデン
サ、5、6は直流母線、7、8はIGBT(正側、負側
スイッチング素子)、9はインバータ主回路、12は加
熱コイル、18は出力制御回路(制御手段)、21は電
流トランス(高周波電流検出手段)、22は電流検出回
路(入力電流値検出手段、回生電流値検出手段)、25
は調理器具、26はサーミスタ(温度検出手段)、28
は送風ファン(冷却手段)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K051 AA02 AB04 AB09 AC07 AC33 AD12 AD13 AD25 AD26 BD21 CD14 CD17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 商用交流電源を整流して直流電源を生成
    する整流回路と、 この整流回路が生成する直流電源が供給される一対の直
    流母線と、 この直流母線間に接続される平滑コンデンサと、 駆動された状態で高周波磁界を発生して調理器具を加熱
    する加熱コイルと、 前記直流母線間に接続され、前記加熱コイルを駆動する
    ハーフブリッジ型のインバータ主回路と、 このインバータ主回路を構成する正側及び負側スイッチ
    ング素子にオンオフ信号を出力して加熱コイルの駆動を
    制御する制御手段と、 前記平滑コンデンサに流れる高周波電流を検出する高周
    波電流検出手段と、 この高周波電流検出手段が検出する高周波電流並びに前
    記正側及び負側スイッチング素子のオンオフタイミング
    に基づいて前記平滑コンデンサに流れ込む回生電流値を
    検出する回生電流値検出手段と、 前記インバータ主回路の入力電流値を検出する入力電流
    値検出手段とを具備した誘導加熱調理器において、 前記制御手段は、前記回生電流値検出手段による検出回
    生電流値が予め設定されたレベルの回生電流制限値以下
    となるように制御する動作、前記入力電流値検出手段に
    よる検出入力電流値及び前記回生電流値検出手段による
    検出回生電流値の関係に基づいて加熱対象の調理器具の
    材質を判断する動作、その判断結果に基づいて前記回生
    電流制限値のレベルを切り替える制御を行うことを特徴
    とする誘導加熱調理器。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記入力電流値検出手
    段による検出入力電流値が予め設定された判断値に到達
    する前に前記回生電流検出手段による検出回生電流値が
    予め設定された標準値を越えたときに、前記調理器具が
    前記回生電流制限値のレベル切り替え制御が必要な材質
    であると判断することを特徴とする請求項1記載の誘導
    加熱調理器。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記調理器具が前記回
    生電流制限値のレベル切り替え制御が必要な材質である
    と判断したときに、前記平滑コンデンサに流れ込む最大
    回生電流値を、予め設定された上限回生電流値以下とな
    るように制限することを特徴とする請求項2記載の誘導
    加熱調理器。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記調理器具が前記回
    生電流制限値のレベル切り替え制御が必要な材質である
    と判断したときに、前記インバータ主回路の最大入力電
    流値を、その定格入力未満に設定された上限入力電流値
    以下となるように制限することを特徴とする請求項2ま
    たは3記載の誘導加熱調理器。
  5. 【請求項5】 前記スイッチング素子の温度を検出する
    温度検出手段を備え、 前記制御手段は、前記温度検出手段による検出温度が予
    め設定された上限温度を越えたときに、前記平滑コンデ
    ンサに流れ込む最大回生電流値を前記上限回生電流値未
    満に設定された第2の上限回生電流値以下となるように
    制限することを特徴とする請求項3または4記載の誘導
    加熱調理器。
  6. 【請求項6】 前記スイッチング素子の温度を検出する
    温度検出手段を備え、 前記制御手段は、前記温度検出手段による検出温度が予
    め設定された上限温度を越えたときに、前記インバータ
    主回路の最大入力電流値を前記上限入力電流値未満に設
    定された第2の上限入力電流値以下となるように制限す
    ることを特徴とする請求項4または5記載の誘導加熱調
    理器。
  7. 【請求項7】 前記スイッチング素子の温度を検出する
    温度検出手段と、運転状態で前記スイッチング素子を冷
    却する冷却手段とを備え、 前記制御手段は、前記温度検出手段による検出温度が予
    め設定された上限温度以上となった時点から前記冷却手
    段による冷却運転を開始する制御、若しくは前記加熱コ
    イルの駆動時に前記冷却手段を運転すると共に前記温度
    検出手段による検出温度が予め設定された上限温度以上
    となった時点から当該冷却手段による冷却能力を高める
    制御を行うことを特徴とする請求項1ないし6の何れか
    に記載の誘導加熱調理器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2008218311A (ja) * 2007-03-07 2008-09-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電磁調理器
US20120061381A1 (en) * 2009-06-01 2012-03-15 Panasonic Corporation Induction cooking device

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