JP2004185829A - 電磁調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】調理器具の種類に関係なく沸騰検知を精度良く行う。
【解決手段】制御部14は入力設定部15、負荷検出部16、沸騰温度設定部17、比較部18、温度補正部19を備えている。負荷検出部16には、電流トランス20,22の二次側出力電圧が入力電流検出部21、インバータ電流検出部23を介して与えられるようになっており、入力電流検出値、インバータ電流検出値に基づき調理器具24の材質を検出する。温度補正部19は、調理器具24の材質に応じて温度検出部27を介して与えられるサーミスタ25の検出温度を補正する。比較部18は、補正後の検出温度と沸騰温度値とを比較する。制御部14は、補正後の検出温度が沸騰温度値に達したことに基づき沸騰検知を行い、加熱コイル12の駆動を停止する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波磁界を発生して調理器具を加熱する加熱コイルを備えた電磁調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電磁調理器は、火を使わず安全で且つ熱効率にも優れていることから、システムキッチンなどに組み込まれるクッキングヒータとして普及しつつある。このような電磁調理器では、鍋等の調理器具の検出温度に基づいて前記調理器具に収容された水が沸騰したことを検知する自動湯沸かし機能を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公平7−19653号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、電磁調理器では調理器具の温度はトッププレートを介して検出される。このように調理器具の温度が直接検出されないことに起因する精度的な問題を解決するために、上記電磁調理器では調理器具の温度変化率に基づいて設定温度を決定し、調理器具の検知温度が設定温度に達するまでの時間に基づき沸騰満了までの時間を決定するようにしている。
【0005】
即ち、上記電磁調理器では、温度変化率が大きいときは設定温度を高く、温度変化率が小さいときは設定温度を低く設定するように構成されている。これにより、調理器具の検出温度値が読取り誤差の範囲内で変動しても略同じタイミングで沸騰検知することができる。
【0006】
ところで、電磁調理器は、加熱コイルに対してインバータ装置から高周波電流を供給して高周波磁界を発生させることにより、鍋等の調理器具に誘導電流を流し、その誘導電流によるジュール熱によって加熱動作が行われる。
【0007】
この場合、調理器具の材質によって入力電流に対する回生電流の比率が異なる。つまり、鉄鍋やホーロー鍋のように回生電流が比較的少ないものと非磁性ステンレス(SUS)鍋のように回生電流が多いものとがある。入力電流に対して回生電流が相対的に多く流れる状態は、調理器具において熱エネルギーとして消費される電流分が少ないことを意味する。従って、入力電力が同じであっても調理器具の材質の違いにより温度変化率や沸騰状態に達するタイミングが異なるという事情があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、調理器具の種類に関係なく沸騰検知を精度良く行うことができる電磁調理器を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の電磁調理器は、交流電源を整流して直流電源を生成する整流回路と、前記直流電源が供給される一対の直流母線と、駆動された状態で高周波磁界を発生して調理器具を加熱する加熱コイルと、前記直流母線間に接続された2つのスイッチング素子を備えて構成され前記加熱コイルを駆動するインバータ回路と、前記スイッチング素子にオンオフ信号を出力して前記加熱コイルの駆動を制御する制御手段と、前記調理器具の種類を検出する負荷検出手段と、トッププレートを介して前記調理器具の温度を検出する負荷温度検出手段とを備え、前記制御手段は、前記負荷検出手段により検出された前記調理器具の種類に応じて前記負荷温度検出手段の検出温度を補正し、補正後の検出温度が所定の沸騰判定値に達したことに基づいて前記調理器具に収容されている被加熱物が沸騰状態にあることを検出することを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、検出された調理器具の種類に応じて前記調理器具の検出温度が補正されるので、調理器具の種類に関係なく被加熱物が沸騰状態にあることを精度良く検出することができる。
【0011】
本発明の請求項2の電磁調理器は、前記インバータ回路の入力電流値を検出する入力電流検出手段を備え、前記制御手段は、前記入力電流検出手段の検出入力電流値に応じて沸騰判定値を変更することを特徴とする。
【0012】
入力電力、即ち加熱出力の大きさによって、被加熱物が沸騰状態に到達したときの調理器具の温度が異なる。特に、加熱出力が小さいときは、被加熱物が沸騰状態に到達しても調理器具の温度は沸騰温度(例えば100℃)に達しない場合がある。従って、加熱出力に関係なく沸騰判定値を一定にすると、被加熱物が沸騰状態に到達する前に沸騰検知してしまったり、沸騰状態に到達してから沸騰検知するまでの時間が長くなってしまったりする。上記構成によれば、検出入力電流値により入力電力を検出し、それに応じて沸騰判定値を変更するので、加熱出力に関係なく正確に沸騰状態を検出することができる。
【0013】
本発明の請求項3の電磁調理器は、前記制御手段を、前記負荷温度検出手段の検出温度の変化率が所定値以上になったときは、前記負荷温度検出手段の検出温度を補正するための補正値を増加させることを特徴とする。
【0014】
被加熱物が収容されていない状態、或いは被加熱物に含まれる水分がほとんど蒸発してしまった状態(即ち、空焚き状態)で調理器具の加熱を続けると、調理器具が損傷する虞がある。上記構成によれば、調理器具の温度上昇が過大になり負荷温度検出手段による検出温度の変化率が所定値以上になったことに基づいて、調理器具が空焚き状態或いは空焚きに近い状態であることを検出し、補正値を増大させる。これにより、調理器具の補正後の検出温度が早期に沸騰判定値に到達することになり、空焚き状態のまま加熱が長期に継続されることを防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施例について図1ないし図6を参照しながら説明する。図1は本実施例に係る電磁調理器の電気的構成を示す図である。この図1において、ダイオードブリッジで構成される整流回路1の交流入力端子は、商用交流電源2に接続されており、直流出力端子はリアクタ3を介して平滑コンデンサ4の両端に接続されている。
【0016】
平滑コンデンサ4の両端には、直流母線5,6を介して正側及び負側のスイッチング素子(パワートランジスタ)7,8からなるアームが接続されており、以ってハーフブリッジ形のインバータ回路9を構成している。
【0017】
スイッチング素子7,8の各コレクタ・エミッタ間には、それぞれフリーホイールダイオード10,11が接続されている。インバータ回路9の出力端子には加熱コイル12の一端が接続されており、加熱コイル12の他端と直流母線6との間には共振コンデンサ13が接続されている。
【0018】
制御部(制御手段に相当)14は、マイクロコンピュータ等を中心として構成され、入力設定部15、負荷検出部16、沸騰温度値設定部17、比較部18、温度補正部19を備えている。
【0019】
整流回路1の交流入力側には電流トランス20(入力電流検出手段に相当)が介挿されており、その電流トランス20の二次側出力電圧は入力電流検出部21(入力電流検出手段に相当)を介して負荷検出部16に与えられるようになっている。また、インバータ回路9の出力側には電流トランス22が介挿されており、その電流トランス22の二次側出力電圧はインバータ電流検出部23を介して負荷検出部16に与えられるようになっている。入力電流検出部21及びインバータ電流検出部23の検出信号は、制御部14(マイクロコンピュータ)の内部でA/D変換されて負荷検出部16に与えられるようになっている。
【0020】
負荷検出部16は、入力電流検出値及びインバータ電流検出値に基づき加熱コイル12の加熱対象であるなべ、やかん、フライパン等の調理器具24の種類(材質)を検出する。従って、電流トランス20,22、入力電流検出部21、インバータ電流検出部23、負荷検出部16は、負荷検出手段を構成する。
【0021】
サーミスタ25は、トッププレート26を介して調理器具24の温度を検出するものであり、その検出信号は温度検出部27を介して温度補正部19に与えられるようになっている。サーミスタ25の検出信号は、温度検出部27にてA/D変換されて温度補正部19に与えられる。従って、サーミスタ25、温度検出部27から負荷温度検出手段が構成される。
【0022】
温度補正部19には、負荷検出部16にて検出された調理器具24の種類に応じた信号が与えられるようになっており、前記温度補正部19は調理器具24の種類に応じて当該調理器具24の検出温度を補正する。
【0023】
操作部28は、各種の自動調理メニューを設定するためのキーや加熱量を1kW、2kW等の電力量にて設定するためのキー等(いずれも図示せず)を備えて構成されている。沸騰温度値設定部17は、操作部28にて後述する「湯沸かし」設定がなされたときに沸騰温度値(沸騰判定値に相当)を設定するものであり、比較部18は、沸騰温度値設定部17が設定した沸騰温度値と、温度補正部19から与えられる補正後の温度検出値とを比較し、その比較結果を入力設定部15に出力する。
【0024】
入力設定部15は、操作部28にて設定された自動調理メニューや電力量に基づき入力電流を設定する。特に、操作部28にて「湯沸かし」設定がなされたときは、入力設定部15は調理器具24の種類に応じた最大入力電流を設定する。
【0025】
波形生成部29は、スイッチング素子7,8を交互にオンオフさせるパルス信号を生成するもので、入力設定部15からの周波数規定信号に基づいてオンオフ周波数を可変させるようになっている。また、駆動部30は、波形生成部29から与えられるパルス信号に基づきスイッチング素子7,8を駆動するようになっている。
【0026】
次に、上記構成の電磁調理器の動作について図2ないし図5を参照しながら説明する。加熱コイル12の上にトッププレート26を介して調理器具24が載置された状態で、加熱コイル12に対してインバータ回路9から高周波電流が供給され、高周波磁界が発生されると、調理器具24に電流が誘導されジュール熱による加熱動作が実行される。
【0027】
また、操作部28にて「湯沸かし」設定がなされたときは、調理器具24の材質に応じた所定の加熱出力で加熱動作が実行され、サーミスタ25による調理器具24の検出温度が沸騰温度値に達すると沸騰状態に達したと判断して加熱動作を停止するようになっている。
【0028】
ここで、調理器具24の材質とインバータ回路の動作時に発生するインバータ電流検出値との関係について図6を参照しながら説明する。図6において、横軸は入力電流検出値(A/D変換値)、縦軸はインバータ電流検出値(A/D変換値)を示している。また、図6中、曲線A,B,Cは、それぞれ調理器具24として非磁性ステンレス(SUS)鍋、磁性SUS鍋、鉄鍋を使用したときの測定結果を示している。
【0029】
図6に示すように、いずれの鍋を使用した場合でも、入力電流値が大きくなるにつれてインバータ電流値は上昇し、所定の入力電流値におけるインバータ電流値は、鉄鍋、磁性SUS製鍋、非磁性SUS製鍋の順に大きくなる。これは、非磁性体の鍋であれば、加熱コイル12から見た入力インピーダンスが小さく、誘導によって発生する渦電流量が少なくなるためインバータ電流量が多くなるからである。
【0030】
そこで、負荷検出部16は、所定のインバータ電流検出値(図6に破線Dで示す)に対する入力電流検出値Xが第1の範囲(15≦X<24)にあるときは調理器具24の材質を非磁性SUSと判定し、第2の範囲(24≦X<40)にあるときは磁性SUSと判定し、第3の範囲(40≦X)にあるときは鉄と判定する。
【0031】
尚、インバータ電流値が大きいということは、加熱コイル12に対して供給した電流分のうち調理器具24に誘導電流を発生させて熱エネルギーとして消費された分が少ないということであり、従って、消費されなかった多くの電流分がインバータ回路9に戻ってくる。つまり、入力電流値に対する加熱出力の割合が小さくなる。このような状態では、同一の加熱出力を得るために大きな入力電流が必要となるが、入力電流が大きくなるとスイッチング素子7,8に流れる電流が増大して温度上昇が大きくなり、熱破壊するおそれが生じる。
【0032】
そこで、本実施例に係る電磁調理器には、予め設定した制限値以上のインバータ電流が流れたときには、入力電流を所定レベル以下に制限する入力電流制限機能が設けられている。即ち、本実施例では、調理器具24の材質が非磁性SUSであると判定されたときは、定格入力が3kWに設定されている場合でも最大入力電力は約1.7kWに制限されている。
【0033】
図2ないし図4は、2リットルの水を収容した鉄鍋、磁性SUS鍋、非磁性SUS鍋を最大火力(最大入力電力)で連続加熱したときの水温度及び鍋温度(サーミスタ検出温度)の時間的変化を示している。この場合、鉄鍋、磁性SUS鍋は3kWで、非磁性SUS鍋は1.7kWで加熱される。図2ないし図4において、曲線Eは水温度を,曲線Fは鍋温度を示している。破線Gは、水が沸騰温度(100℃)に到達した時点を示している。
【0034】
図2ないし図4に示すように、加熱開始からの時間が経過するにつれて、水温度及び鍋温度は上昇する。ところが、いずれの材質の鍋を使用した場合でも、水の温度上昇率に比べて鍋温度検出値の上昇率の方が小さく、水が沸騰温度(100℃)に達しても鍋温度は100℃に達しない。また、水温度と鍋温度との差は鍋の種類によって異なる。しかも、加熱により鍋温度が100℃を超えるのは磁性SUS鍋だけで、その他の鍋温度は100℃に達しない。
【0035】
これは、鍋温度がトッププレート26を介して検出されるため、実際の鍋温度と検出鍋温度との間にはトッププレート26による熱伝導による差が生じること、鍋の材質による熱伝導率の違い、調理器具24の材質による加熱出力(入力電力)の違い等によると考えられる。
【0036】
従って、サーミスタ25の検出温度(鍋温度)のみに基づいて水の沸騰検知を行うと、水が沸騰温度に達してから実際に沸騰検知されるまでの時間が調理器具24の材質によって大きく異なることになる。しかも、沸騰温度値を一律に100℃に設定した場合は、水が沸騰温度に達した後、加熱を続けても鍋温度が100℃に達しない鉄鍋、非磁性SUS鍋の場合は沸騰検知ができない。このため、予め設定された最大加熱時間に達するまで加熱が継続されることになる。
【0037】
本実施例では、このような問題点を解決するために、制御部14には、調理器具24の種類に応じて鍋温度を補正する機能、補正後の鍋温度が所定の沸騰温度値に達したことに基づいて沸騰検知を行う機能、入力電流値に基づいて沸騰温度値を変更する機能が設定されている。
【0038】
図5は、上述した加熱出力で鉄鍋、磁性SUS鍋、非磁性SUS鍋を加熱することによりサーミスタ25の検出温度が飽和状態に達したときの真の鍋底温度、サーミスタ25の検出温度、鍋底温度と検出温度の差、補正値を示す表である。図5に示すように、鉄鍋ではサーミスタ検出温度が95℃であるのに対して鍋底温度は107℃であり、その差は12(deg)となる。磁性SUS鍋では、サーミスタ検出温度は124℃であるのに対して鍋底温度は111℃であり、その差は13(deg)となる。非磁性SUS鍋では、サーミスタ検出温度が95℃であるのに対して鍋底温度は88℃であり、その差は7(deg)となる。
【0039】
そこで、温度補正部19は、負荷検出部16により検出された調理器具24の材質が鉄、磁性SUS、非磁性SUSの場合は、サーミスタ検出温度値にそれぞれ12,13,7(deg)を加算する補正を行い、その補正後のサーミスタ検出温度値(補正値)を比較部18に出力するようになっている。
【0040】
図2ないし図4において曲線Hは、いずれも補正後のサーミスタ検出温度値を示している。図2に破線G1で示すように、鉄鍋を用いた場合は加熱開始から438秒後に補正後のサーミスタ検出温度値は沸騰温度(100℃)に到達する。実際に水温度が沸騰温度に達するのは加熱開始後250秒であり、それより138秒遅れて沸騰検知がなされることになる。
【0041】
また、図3に破線G1で示すように、磁性SUS鍋を用いた場合は、加熱開始から312秒後に補正後のサーミスタ検出温度値は100℃に到達する。これは、実際に水温度が沸騰温度に達するタイミングと略同じである。
【0042】
一方、図4に示すように、非磁性SUS鍋の場合はサーミスタ検出温度を補正しても沸騰温度に達しない。これは、上述したように非磁性SUS鍋の場合は、加熱出力が他の種類の鍋よりも低い1.7kWに制限されているからである。
【0043】
そこで、制御部14は、入力電流検出部21から与えられる入力電流検出値から加熱出力が1.7kWであることを検出したときには、沸騰温度値を100℃から80℃に変更する。これにより、非磁性SUS鍋が用いられているときは、制御部14は補正後のサーミスタ検出温度が80℃に達したとき、つまり、水温度が実際に沸騰温度に達してから83秒遅れの583秒(図4に破線G1で示す時点)で沸騰検知がなされる。
【0044】
このような構成の本実施例によれば、調理器具24の材質に応じてサーミスタ検出温度が補正されるので、被加熱物が沸騰状態に到達したことを精度良く検出することができる。従って、被加熱物が実際に沸騰状態に到達してから加熱を停止するまでの時間を短くすることができる。
【0045】
特に、本実施例では、サーミスタ25の検出温度が飽和状態に達したときの鍋底温度とサーミスタ検出温度との差に基づいて補正値を決定した。これは、飽和状態に達するまではサーミスタ検出温度値の変動が大きいからである。このような構成により、調理器具24の種類に応じて設定される補正値におけるサーミスタ25の検出誤差の影響を極力排除できる。
【0046】
また、制御部14は、加熱出力に応じて沸騰温度値を変更するように構成した。このため、調理器具24の材質によって加熱出力を制限しなければならない事情があっても、正確且つ確実に沸騰状態にあることを検出することができる。
【0047】
図7及び図8は本発明の第2の実施例を示すものであり、第1の実施例と異なるところを説明する。図7において、制御部14には、変化率検出部31及び補正値変更部32が設けられている。温度検出部27はサーミスタ検出温度値をA/D変換して変化率検出部31に与えるようになっており、前記変化率検出部31は、与えられた電圧信号が示す検出温度の変化率を算出する。
【0048】
変化率検出部31は、算出した変化率を補正値変更部32に与えるようになっており、補正値変更部32は、変化率検出部31から与えられた変化率が所定の判定値を越えると温度補正部19におけるサーミスタ検出温度値を補正するための補正値を変更する。
【0049】
図8は、加熱出力を3kWに設定して鉄鍋を加熱したときのサーミスタ検出温度を示すものである。図8中、曲線H1は鉄鍋に2リットルの水を収容したとき、曲線H2はごく少量の水を収容したときを示す。水の量が少ないと、加熱が開始されてから早期に水が蒸発して、サーミスタ検出温度値が急激に上昇する。
【0050】
そこで、本実施例では、補正値変更部32は、サーミスタ検出温度値の変化率が所定の判定値を越えると、補正値を例えば2倍に増加させるように構成している。鉄鍋の場合は、サーミスタ検出温度値の変化率がj(図8に示す直線Jの傾きに相当)を越えた時点(図8に破線Kで示す)で、補正値が12(deg)から24(deg)に変更される。
【0051】
図8中、曲線K3は補正後のサーミスタ検出温度値を示す。このように、補正値が途中で変更されることにより、サーミスタ検出温度値が沸騰温度値(100℃)に達するまでの時間を早めることができ、早期に沸騰検知することができる(図8に、沸騰検知タイミングを破線K1で示す)。これにより、空焚き状態或いは空焚きに近い状態のままで長期間加熱が継続されることを防止でき、鍋の損傷を防止できる。
【0052】
尚、本発明は上記し且つ図面に示した実施例に限定されるものではなく例えば次のような変形が可能である。
【0053】
上記実施例では、被加熱物としての水を収容した調理器具を加熱した場合について説明したが、本発明はシチューやおでん等の煮物を温めるために前記煮物を収容した調理器具を加熱する場合にも適用できる。この場合は、煮物が沸騰状態に達したことを精度良く検知したり(第1の実施例の構成)、煮物の水分が蒸発して煮詰まってしまった状態を精度良く検知したり(第2の実施例の構成)することができる。
【0054】
また、第2の実施例の構成では、被加熱物が空焚きに近い状態になったことを検出するだけでなく、「湯沸かし」設定のときに誤ってフライパンを使用してしまった場合など、調理器具の誤使用を検出することもできる。
【0055】
スイッチング素子はパワートランジスタに限定されるものではなく、IGBTやパワーMOSFETなどでも良い。
【0056】
【発明の効果】
本発明は以上の説明から明らかなように、負荷検出手段により検出された調理器具の種類に応じて負荷温度検出手段の検出温度を補正し、その補正後の検出温度と沸騰判定値とを比較するように構成したので、調理器具の種類に関係なく精度良く被加熱物が沸騰状態にあることを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す電気的構成図
【図2】調理器具としての鉄鍋に水を収容して加熱動作を実行したときの水温度及びサーミスタ検出温度の時間的変化を示す図
【図3】調理器具が磁性ステンレス鍋であるときの図2相当図
【図4】調理器具が非磁性ステンレス鍋であるときの図2相当図
【図5】入力電流検出値とインバータ電流検出値との関係を示す特性図
【図6】各調理器具の検出温度の補正値を説明するための図
【図7】本発明の第2の実施例を示す図1相当図
【図8】調理器具に2リットルの水を収容したとき及び微量の水を収容したときのサーミスタ検出温度の時間的変化を示す図
【符号の説明】
図中、1は整流回路、2は商用交流電源、5,6は直流母線、7,8はスイッチング素子、9はインバータ回路、12は加熱コイル、14は制御部(制御手段)、16は負荷検出部(負荷検出手段)、20は電流トランス(入力電流検出手段、負荷検出手段)、21は入力電流検出部(入力電流検出手段、負荷検出手段)、22は電流トランス(負荷検出手段)、23はインバータ電流検出部(負荷検出手段)、24は調理器具、25はサーミスタ(負荷温度検出手段)、26はトッププレート、27は温度検出部(負荷温度検出手段)を示す。

Claims (3)

  1. 交流電源を整流して直流電源を生成する整流回路と、
    前記直流電源が供給される一対の直流母線と、
    駆動された状態で高周波磁界を発生して調理器具を加熱する加熱コイルと、
    前記直流母線間に接続された2つのスイッチング素子を備えて構成され、前記加熱コイルを駆動するインバータ回路と、
    前記スイッチング素子にオンオフ信号を出力して前記加熱コイルの駆動を制御する制御手段と、
    前記調理器具の種類を検出する負荷検出手段と、
    トッププレートを介して前記調理器具の温度を検出する負荷温度検出手段とを備え、
    前記制御手段は、前記負荷検出手段により検出された前記調理器具の種類に応じて前記負荷温度検出手段の検出温度を補正し、補正後の検出温度が所定の沸騰判定値に達したことに基づいて前記調理器具に収容されている被加熱物が沸騰状態にあることを検出することを特徴とする電磁調理器。
  2. インバータ回路の入力電流値を検出する入力電流検出手段を備え、
    制御手段は、前記入力電流検出手段の検出入力電流値に応じて沸騰判定値を変更することを特徴とする請求項1記載の電磁調理器。
  3. 制御手段は、負荷温度検出手段の検出温度の変化率が所定値以上になったときは、前記負荷温度検出手段の検出温度を補正するための補正値を増加させることを特徴とする請求項1または2記載の電磁調理器。
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