JP4774472B2 - フラックスゲートセンサおよびそれを用いた電子方位計 - Google Patents

フラックスゲートセンサおよびそれを用いた電子方位計 Download PDF

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Description

本発明は、薄膜プロセスにて作製された小型のフラックスゲートセンサおよびそれを用いた電子方位計に関する。特に、小型、高感度である上に、励磁効率が高く、設計自由度の高いフラックスゲートセンサおよびそれを用いた電子方位計に関する。
本願は、2009年5月21日に、日本に出願された特願2009−123110号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、磁気センサとしては、ホール効果を利用したものや、磁気抵抗効果(MR:Magneto Resistive effect)または巨大磁気抵抗効果(GMR:Giant Magneto Resistive effect)を利用したものがある。これらは薄膜プロセスにより作製されるため、小型化や集積化が可能であり、携帯機器などに広く利用されている。
しかしながら、これらのセンサは、小型化した場合に感度が低くなり、電子方位計のように0.3Oe程度の地磁気レベルを高精度に検出することが難しく、それらのセンサを用いた電子方位計ではその方位精度は10度程度が限界であった。
また、近年、アモルファスワイヤを用いた磁気インピーダンス(Magneto-Impedance)センサ(以下、MIセンサと称す)や直交フラックスゲートセンサによる電子方位計が提案されており、方位精度が2.5度程度というような高精度のものが実現されている。また、薄膜プロセスにて作製された小型のフラックスゲートセンサを用いた電子方位計が提案されている(例えば、特許文献1乃至4参照)。
ところで、特に方位精度を高めるためには、センサの感度により決まる検出分解能およびリニアリティ誤差が重要な要素となる。MIセンサおよび直交フラックスゲートセンサと、フラックスゲートセンサとでは、分解能が同程度であるとされている。また、機器の内部においては、スピーカーやバイブレーションモーター、磁石等の磁場発生源となる部品が多数搭載されており、センサはこれらから発生する磁界の影響を受ける。このような周囲に配置された部品から発生する磁界の存在下においても正確に動作するためには、広い測定磁界範囲を有していることが望ましい。
リニアリティ誤差に関しては、MIセンサおよび直交フラックスゲートセンサの場合、磁気コアのヒステリシスに起因して出力電圧にもヒステリシスが出力される。そのため、リニアリティ誤差は悪化する。リニアリティを改善するために、負帰還回路を用いる方法もあるが、消費電力が増加し、回路が複雑になる。
一方、フラックスゲートセンサの場合、非特許文献1に開示されているphase-delay methodを用いることにより、磁気コアのヒステリシスの影響を受けずに良好なリニアリティを有する磁気センサを実現できる。この方法によると、センサの出力はタイムドメインに基づき行われ、センサを構成する磁気コアの保磁力に起因するヒステリシスの影響を取り除くことができるうえに、カウンタを用いたデジタル検出が可能であるため、A/D変換時の誤差の影響を取り除くことができ、リニアリティの良好なセンサを構成することができる。
非特許文献2によれば、上記の方法を用いることにより、0.06%FSのリニアリティを実現している。アモルファスワイヤを用いたMIセンサでは、リニアリティ誤差は1〜2%であるため、このようにリニアリティの良好なフラックスゲートセンサを用いることで、より方位精度の高い電子方位計を実現することが可能となる。
特開2007−279029号公報 特開2006−234615号公報 特開2004−184098号公報 国際公開第2007/126164号パンフレット
Pavel Ripka,"Magnetic sensors and magnetometers", p.94, ARTECH HOUSE, INC (2001) IEEE TRANSACTIONS ON INSTRUMENTATION AND MEASUREMENT, VOL.42, NO.2, p.635, APRIL 1993
上述の通り、分解能が高く、リニアリティの良好な、phase-delay methodを用いたフラックスゲートセンサを使用することにより、方位精度の高い電子方位計を構成することができる。しかしながら、フラックスゲートセンサは、励磁コイルおよび検出コイルを磁気コアの周囲に巻き回す必要がある。従って、バイアスコイルまたはピックアップコイルのみを巻き回す構造のMIセンサおよび直交フラックスゲートセンサと比較して、フラックスゲートセンサは小型化が難しい。
小型集積化を実現するために、薄膜プロセスでフラックスゲートセンサを作製する試みもなされている。しかし、小型化することにより反磁界の影響が大きくなり、感度が低下してしまう。特に、3軸方向に感度を有する電子方位計を実現しようとした場合、電子方位計を構成する基板に対して垂直方向に感磁方向を設定する必要があり、そのためには電子方位計を構成する基板にセンサを垂直に立てた状態で実装する必要がある。そのため、電子方位計を薄型化するにあたり、基板に垂直に立てるセンサは、その感磁方向の長さを短くする必要がある。例えば電子方位計の厚さを1mm以下とする場合においては、基板やモールド樹脂の厚さを考慮すると、センサの感磁方向の長さを0.5〜0.7mm程度にする必要がある。しかしながら、磁気コアの長さが1mm以下になると、反磁界の影響が大きくなり、感度が著しく低下する。
上記の問題を解決するために、特許文献1および特許文献4は、磁気コアの端部分の幅を広くしたH型の磁気コアを開示している。この構成では、励磁コイルと検出コイルは磁気コア中心部の細い部分にのみ巻き回されている。従って、センサのサイズを小さくすると、励磁コイルおよび検出コイルともに巻き数が限られてしまい、十分な巻き数を確保するのが難しい。また、励磁コイルと検出コイルとが交互に巻き回された構造であるため、コイルの巻き数はセンサのサイズとコイルのピッチにより決まってしまう。従って、検出コイルとピックアップコイルそれぞれの巻き数を独立に設定することが難しく、設計の自由度が低い。
図15は、従来のフラックスゲートセンサの磁気コアの形状を示す概略図である。磁気コアは、端部分1と中央部分2を有する。特許文献1では、図15の端部分1の幅Bと磁気コアの長手方向の長さAの比B/A=0.8〜1.2であることがよいことを開示している。また、図15の中央部分2の幅Cと端部分1の幅Bの比C/B=0.033〜0.2であることがよいことを開示している。図15の端部分1の幅Bと端部分1の長手方向の長さDの比B/Dの値が1を超える場合、磁気コアは、センサの感磁方向に対して直交する方向が長くなる。従って、端部分1における形状磁気異方性は、センサの幅方向が容易軸となる。これにより、センサの感磁方向と直交する方向の磁界に対して端部分1の磁束密度が敏感に変化しやすくなる。その結果、上記のフラックスゲートセンサを複数個直交させて電子方位計を構成する場合、フラックスゲートセンサの磁気コアが検出磁界と直交する方向の磁界の影響を受けやすいため、電子方位計の他軸感度が大きくなる。また、検出磁界と直交する方向の磁界によりピックアップ波形に歪が生じるために出力異常を生じやすく、各軸の直交性が悪化する。ここで、他軸感度とは、例えばX軸方向の磁界を検出する際、Y軸方向もしくはZ軸方向に感磁方向を有するセンサにおけるX軸方向磁界による出力の変化のことを言う。他軸感度が大きくなることで軸の直交性が悪化し、電子方位計における方位精度も悪化する。また、他軸感度には、パルス状のピックアップ電圧の時間変化だけでなく、パルス波形自体の変化による出力の変化も含まれる。
本発明は、小型で感度が高いことに加えて、励磁効率が高く、かつ設計自由度の高いフラックスゲートセンサおよびそれを用いた電子方位計を提供する。
本発明のフラックスゲートセンサは、基板上に形成された第1配線層と、前記第1配線層を覆うように形成された第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に形成され、中央部分と、前記中央部分と連続してかつ前記中央部分の幅よりも広い幅を持ち、前記中央部分の両端に位置する第1および第2の端部分と、を有する磁気コアと、前記磁気コアを覆い、前記第1絶縁層上に形成された第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に形成された第2配線層と、を含むフラックスゲートセンサであって、前記第1配線層および前記第2配線層は、複数の互いに略平行な配線を有し、前記第1配線層の配線および前記第2配線層の配線の両端が、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の選択的に除去された部分を介して電気的に接続され、前記第1および第2の端部分に、螺旋状の第1のソレノイドコイルが巻き回されており、前記中央部分に、螺旋状の第2のソレノイドコイルが巻きまわされていてもよい。
前記第1のソレノイドコイルは、前記第1の端部分に巻き回された第3のソレノイドコイルおよび前記第2の端部分に巻き回された第4のソレノイドコイルを含み、前記第3のソレノイドコイルおよび前記第4のソレノイドコイルは、直列に接続され、かつ巻き数が同一であってもよい。前記第3のソレノイドコイルおよび前記第4のソレノイドコイルは、巻き数が同一であることが望ましいが、電極パッドへの配線の引き回しの都合から、巻き数は必ずしも厳密に同一でなくても良い。
前記第1のソレノイドコイルは、前記中央部分、前記第1および第2の端部分に巻き回されていてもよい。
前記第1および第2の端部分の幅Bと、前記第1および第2の端部分の長手方向の長さDの比B/Dの値が1よりも小さくてもよい。
前記第1の端部分と前記第2の端部分とが、前記磁気コアの終端をなしていることができる。
前記磁気コアが、フラックスゲートセンサの感磁方向と一致するその長手方向に沿って、前記第1の端部分、前記中央部分、前記第2の端部分のみからなることができる。
前記フラックスゲートセンサが、phase-delay methodを用いたフラックスゲートセンサとされてなることができる。
本発明の電子方位計は、基板と、前記基板上に配置され、3軸のそれぞれに沿うように配置された第1、第2および第3のフラックスゲートセンサと、を含み、前記第1、第2および第3のフラックスゲートセンサの各々は、基板上に形成された第1配線層と、前記第1配線層を覆うように形成された第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に形成され、中央部分と、前記中央部分と連続してかつ前記中央部分の幅よりも広い幅を持ち、前記中央部分の両端に位置する第1および第2の端部分と、を有する磁気コアと、前記磁気コアを覆い、前記第1絶縁層上に形成された第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に形成された第2配線層と、を含むフラックスゲートセンサであって、前記第1配線層および前記第2配線層は、複数の互いに略平行な配線を有し、前記第1配線層の配線および前記第2配線層の配線の両端が、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の選択的に除去された部分を介して電気的に接続され、前記第1および第2の端部分に、螺旋状の第1のソレノイドコイルが巻き回されており、前記中央部分に、螺旋状の第2のソレノイドコイルが巻き回されていてもよい。
前記第1のソレノイドコイルは、前記第1の端部分に巻き回された第3のソレノイドコイルおよび前記第2の端部分に巻き回された第4のソレノイドコイルを含み、前記第3のソレノイドコイルおよび前記第4のソレノイドコイルは、直列に接続され、かつ巻き数が同一であってもよい。
前記第1のソレノイドコイルは、前記中央部分、前記第1および第2の端部分に巻き回されていてもよい。
前記第1および第2の端部分の幅Bと、前記第1および第2の端部分の長手方向の長さDの比B/Dの値が1よりも小さくてもよい。
前記第1の端部分と前記第2の端部分とが、前記磁気コアの終端をなしていることができる。
前記磁気コアが、フラックスゲートセンサの感磁方向と一致するその長手方向に沿って、前記第1の端部分、前記中央部分、前記第2の端部分のみからなることができる。
前記フラックスゲートセンサが、phase-delay methodを用いたフラックスゲートセンサとされてなることができる。
本発明のフラックスゲートセンサは、第1配線層と、前記第1配線層を覆うように形成された第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に形成され、検出部と、前記検出部と連続してかつ前記検出部の幅よりも広い幅を持ち、前記検出部の両端に位置する第1および第2の励磁部と、を備える磁気コアと、前記磁気コアを覆い、前記第一絶縁層上に形成された第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に形成された第2配線層と、を少なくとも備えたフラックスゲートセンサにおいて、前記第1配線層および前記第2配線層は、複数の互いに略平行な配線を有し、前記第1配線層の配線および前記第2配線層の配線の両端が、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の選択的に除去された部分を介して電気的に接続され、前記第1および第2の励磁部に、螺旋状の励磁コイルが巻き回されていてもよい。
前記励磁コイルは、前記第1の励磁部に巻き回された第1の励磁コイルと、前記第2の励磁部に巻き回された第2の励磁コイルとを含み、前記第1の励磁コイルと前記第2の励磁コイルは、発生する磁界が同一方向となるように直列に接続されていてもよい。
前記励磁コイルは、前記励磁部と、前記磁気コアの中央部に形成された検出部とに巻き回されていてもよい。
前記第1の励磁部と前記第2の励磁部とが、前記磁気コアの終端をなしていることができる。
前記磁気コアが、フラックスゲートセンサの感磁方向と一致するその長手方向に沿って、前記第1の励磁部、前記検出部、前記第2の励磁部のみからなることができる。
上記フラックスゲートセンサが、phase-delay methodを用いたフラックスゲートセンサとされてなることができる。
本発明の電子方位計は、1つの基板上において、3軸のそれぞれに沿うように、3つのフラックスゲートセンサを配置することにより構成されていてもよい。
本発明によれば、磁気コアの幅の広い端部分に励磁コイルを巻き回すことで、励磁コイルの巻き数が増え、端部分の励磁コイルから発生する磁束を中央部分に集中して印加することができる。
本発明によれば、2つの励磁コイルに同時に電流を通電できるため、電極パッドを減らすことができ、小型化が実現できる。
本発明によれば、中央部分にも励磁コイルを巻き回すことにより、より強い励磁を行うことができる。
本発明によれば、精度の高いフラックスゲートセンサを用いることにより、高い方位精度を実現できる。
本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサの磁気コアの、端部分の形状が角型の場合の例を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサの磁気コアの、端部分1と中央部分2との境界にテーパー形状を有する場合の例を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサの動作原理を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサの磁気コアの磁化状態の時間による変化を示すヒステリシス曲線である。 本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサを概略的に示す上面図である。 図4におけるラインa−a’に沿って切った断面図である。 図4におけるラインb−b’に沿って切った断面図で、フラックスゲートセンサの作製工程を示す図である。 図4におけるラインb−b’に沿って切った断面図で、フラックスゲートセンサの作製工程を示す図である。 図4におけるラインb−b’に沿って切った断面図で、フラックスゲートセンサの作製工程を示す図である。 図4におけるラインb−b’に沿って切った断面図で、フラックスゲートセンサの作製工程を示す図である。 図4におけるラインb−b’に沿って切った断面図で、フラックスゲートセンサの作製工程を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサの磁気コアの形状の例を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサの磁気コアの形状の例を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサの磁気コアの形状の例を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係る電子方位計の概略斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサのピックアップ電圧波形を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサの出力の外部磁界依存性を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサにおけるコア内部の磁束密度の計算結果を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係るフラックスゲートセンサにおける励磁コイルおよび検出コイルの巻き回し方を説明するための図である。 比較例のフラックスゲートセンサにおける、感磁方向と直交する磁界に対するピックアップ電圧波形を示したグラフである。 本発明の実施例のフラックスゲートセンサにおいて、感磁方向と直交する磁界に対するピックアップ電圧波形を示すグラフである。 従来のフラックスゲートセンサの磁気コアの形状を示す概略図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1A及び図1Bは、本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサの磁気コアの形状の一例を示す平面図である。図1A及び図1Bに示すように、本発明の第1の実施形態のフラックスゲートセンサの磁気コアは、端部分1と、中央部分2を有する。端部分1の幅Bは、中央部分2の幅Cよりも広い。磁気コアの長手方向の長さAは、1mm以下、望ましくは0.5mm以下である。端部分1の幅Bと端部分1の長手方向の長さDの比B/Dの値は1よりも小さい。フラックスゲートセンサの磁気コアの長手方向は、フラックスゲートセンサの感磁方向と一致している。図1A及び図1Bでは図示していないが、端部分1の周囲には、励磁コイルが巻き回され、中央部分2の周囲には、ピックアップコイルが巻き回される。図1Aは、磁気コアの端部分の形状が角型の場合の例を示す平面図である。図1Bは、磁気コアが端部分1と中央部分2との境界にテーパー形状を有する場合の例を示す平面図である。角部での磁束の局所的な飽和を抑えるためには、図1Bに示すように、端部分1と中央部分2の境界が略テーパー状になっていることが望ましい。この場合、端部分1の長手方向の長さDは略テーパー状の部分を含む長さを表わすこととすると、端部分1の幅Bと端部分1の長手方向の長さDの比B/Dの値が、1よりも小さいことが望ましい。
磁性薄膜においては、膜厚方向と面内方向の比率が、数100〜数1000程度と大きい。従って、反磁界係数は膜厚方向と面内方向で数100〜数1000倍の違いがあり、面内方向の反磁界係数は非常に小さい。磁性薄膜を、長手方向を有する形状にパターニングした場合、長手方向と幅方向の寸法比によって反磁界係数が決定される。この場合、長手方向の反磁界係数は小さく、幅方向の反磁界係数は大きくなるため、形状異方性は、長手方向が容易軸となる。
上述したように、本発明の第1の実施形態のフラックスゲートセンサは、磁気コアに中央部分2よりも幅の広い端部分1を有し、端部分1の幅Bは端部分1の長手方向の長さDよりも小さい。端部分1の形状異方性による容易軸は、フラックスゲートセンサの長手方向である。従って、感磁方向と直交する磁界によるコア内の磁束密度の変化が少なく、他軸感度特性が良好である。これにより、方位精度の優れた電子方位計を構成することが可能である。
本発明の第1の実施形態のフラックスゲートセンサの動作原理について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサの動作原理を示すグラフである。図2の(a)は、励磁コイルに通電する三角波電流の時間変化を示すグラフである。図2の(b)は、コアの磁化状態の時間変化を示すグラフである。図2の(c)は、ピックアップコイルに生じる出力電圧の時間変化を示すグラフである。図3は、本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサの磁気コアの磁化状態の時間による変化を示すヒステリシス曲線である。励磁コイルに図2の(a)に示すような三角波電流を通電すると、励磁コイルの作る磁界Hexcにより磁気コアが励磁され、磁気コア内部の磁束密度B、すなわち磁気コアの磁化状態は、飽和特性を有するため、図2の(b)に示すような時間変化をする。ピックアップコイルには、磁気コアの磁束密度Bの時間微分すなわち時間変化dB/dtが存在する領域において、磁気コアの断面積S、ピックアップコイルの巻き数Nに比例した出力電圧Vpu=NS×dB/dtが生じる。ピックアップコイルの出力電圧Vpuは、図2の(c)に示すような時間変化をする。磁気コアの磁束密度Bの時間変化dB/dtが大きいほど、ピックアップ電圧波の高値は高く、パルス幅は狭くなり、より急峻なパルス電圧が得られる。図2の(c)における時間間隔t1は、外部磁界Hext、磁気コアの磁束密度Bが増加する時と減少する時との磁場の強さHのずれHc、励磁コイルの作る磁界Hexc、三角波の周期T及びコイルのインダクタンスによる遅延時間Tdを用いて、式(1)のように表される。
同様に、図2の(c)における時間間隔t2は、式(2)のように表される。
式(1)及び式(2)より、外部磁界に対する時間間隔の変化量t2−t1は、式(3)のように表される。
式(3)より、外部磁界に対する時間間隔の変化t2−t1は、外部磁界Hextと励磁コイルの作る磁界Hexcの比Hext/Hexcおよび三角波の周期Tに依存することが分かる。外部磁界に対する感度S=d(t2−t1)/dHextは、励磁コイルに通電する電流振幅Iexc、励磁コイルに流れる単位電流当たりの発生磁界すなわち励磁効率α、及び三角波の周期Tを用いて、S=T/(2・Iexc×α)で表される。よって、励磁電流が大きいほど、センサの感度Sは小さくなる。三角波の周期Tが大きいすなわち励磁周波数fexcが小さいほど、センサの感度Sは大きくなる。
励磁効率αは、フラックスゲートセンサを構成する磁気コアとコイルの巻き数によって決定される値である。励磁効率αが大きいほど、少ない電流でフラックスゲートセンサを駆動することができる。また、式(3)において、Hext=Hexcとなるとき式(3)は0となり、このときのHextが測定磁界範囲の上限となる。Hexc=α×Iexcで表されることから、励磁効率αが大きいほど、同一の電流で駆動した場合に広い測定磁界範囲を有することとなる。
図4は、本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサを概略的に示す上面図である。図5は、図4におけるラインa−a’に沿って切った断面図である。図6A−図6Eは、図4におけるラインb−b’に沿って切った断面図で、フラックスゲートセンサの作成工程を示す図である。
本発明の第1の実施形態のフラックスゲートセンサは、図4−図5に示すように、磁気コア3と、第1配線層4と、第1絶縁層5と、第2絶縁層6と、第2配線層7と、開口部8と、基板100とを含む。磁気コア3は、端部分1と、中央部分2とを含む。第1配線層4及び第2配線層7は、端部分1に巻き回された第1のソレノイドコイル9及び中央部分2に巻き回された第2のソレノイドコイル10を構成している。
本発明の第1の実施形態において、端部分1に巻き回された第1のソレノイドコイル9は励磁コイルである。中央部分2に巻き回された第2のソレノイドコイル10はピックアップコイルである。本発明の第1の実施形態において、端部分1は励磁部であり、中央部分2は検出部である。
図6A−図6Eを用いて、本発明の第1の実施形態のフラックスゲートセンサの作製工程について説明する。まず、図6Aのように、非磁性の基板100の上に、ソレノイドコイルの下側配線を形成するための第1配線層4が形成される。次に、図6Bのように、第1配線層4の上に、磁気コア3とソレノイドコイルを絶縁するための第1絶縁層5とが形成される。ここで、この第1絶縁層5においては、第1配線層4と、後に形成されるソレノイドコイルの上側配線となる第2配線層7とが接続される部分に、開口部8が設けられる。
次に、図6Cのように、第1絶縁層5の上には、軟磁性体膜からなる磁気コア3が形成される。この軟磁性体膜からなる磁気コア3の形状は、図4に示す通り、その中央部分2における幅が端部分1における幅よりも狭くなっている。
次に、図6Dのように、磁気コア3の上には、第1配線層4と第2配線層7の接続部に開口部8を設けた第2絶縁層6が形成される。さらに、図6Eのように、第2絶縁層6の上に、第2配線層7が、第1配線層4の隣接する配線どうしをその端部にて接続するように形成され、それによりソレノイドコイルを形成している。配線は、隣接する配線と接続されるため、断面におけるソレノイドコイルのループは閉じない。
第1配線層4および第2配線層7により形成された第1のソレノイドコイル9及び第2のソレノイドコイル10は、磁気コア3の両端の幅の広い端部分1と幅の狭い中央部分2において、それぞれ独立に巻き回されている。両端の幅の広い端部分1に巻き回されている第1のソレノイドコイル9は、一方の端の端部分1に巻き回されている第3のソレノイドコイルと、もう一方の端の端部分1に巻き回されている第4のソレノイドコイルとを含む。両端の端部における第3のソレノイドコイル及び第4のソレノイドコイルが直列に、かつ発生する磁界方向が同一となるように第1配線層4もしくは第2配線層7により接続されていて、それにより全体として第1のソレノイドコイル9を形成している。磁気コア3の中央部分2に巻き回された第2のソレノイドコイル10の両端には、外部と接続するための電極パッド11が形成されている。磁気コア3の両端の端部分1に巻き回された2つの直列に接続された第1のソレノイドコイル9の両端には、外部と接続するための電極パッド12が形成されている。
磁気コア3の両端の端部分1にそれぞれ巻き回された第3のソレノイドコイル及び第4のソレノイドコイルは、巻き数が同じで対称であることが好ましい。
なお、図4は、模式的に示されており、第1のソレノイドコイル9及び第2のソレノイドコイル10に関し、磁気コア3の下側配線の一部が省略されている。また、第1のソレノイドコイル9および第2のソレノイドコイル10の形状は、図4で示された形状に限定されない。
図5は、本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサを図4におけるラインa−a’に沿って切った断面図の一例であり、本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサにおける第1配線層4と第2配線層7の位置関係は、図5の形状に限定されない。
図6A−図6Eは、本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサを図4におけるラインb−b’に沿って切った断面図の一例であり、本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサの形状は、図6A−図6Eの形状に限定されない。
磁気コア3の両端の幅の広い端部分1は、その周囲に巻き回された第1のソレノイドコイル9に通電することにより励磁される。一方、磁気コア3の幅の狭い中央部分2には誘導電圧がかかり、その誘導電圧は中央部分2の周囲に巻き回された第2のソレノイドコイル10により検出される。
外部より電極パッド12を介して、時間的に変化する交流電流を、磁気コア3の端部分1の第1のソレノイドコイル(励磁コイル)9に対して通電することにより、磁気コア3が交流励磁される。端部分1において発生した磁束は、磁気コア3の中央部分2に導かれる。これにより磁気コア3の中央部分2も交流励磁されて、中央部分2の第2のソレノイドコイル(検出コイル)10に略パルス状の誘導電圧が発生する。この誘導電圧は第2のソレノイドコイル10および電極パッド11を介して外部の検出回路で検出できる。ここで、第1のソレノイドコイル9に通電される交流電流は、一定周波数の三角波であることが望ましい。
このとき、外部磁界が印加されると、上述した略パルス状の誘導電圧の発生するタイミングは、時間的に変化する。三角波電流における正から負に切り替わるタイミングにおいて、正の誘導電圧が出力される。また、三角波電流における負から正に切り替わるタイミングにおいて、負の誘導電圧が出力される。従って、この正負のパルス状誘導電圧の発生するタイミングをカウンタで計測することにより、外部磁界に対する応答を得ることができる。
なお、上述の第1の実施形態においては、磁気コアとして図4に示したものを挙げたが、本発明の趣旨における磁気コアの形状はこれに限られることはなく、その端部分における幅が、中央部分における幅よりも広くなっていれば、いかなる形状であってもよい。図7A−図7Cは、本発明の第1の実施形態のフラックスゲートセンサに係る磁気コアの形状の例を説明するための図である。なお、模式的に表された図7A−図7Cにおいては、磁気コアと、第1のソレノイドコイル9および第2のソレノイドコイル10の上側配線とが示されており、実際は、紙面の上から見た場合、磁気コアは、コイルと重なる部分においてコイルに隠れている。
フラックスゲートセンサの構成としては、前述の構成に加えて、第2配線層7を覆う封止層が形成されていてもよい。
次に、本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサの作製方法について説明する。
まず、非磁性の基板100上にTi、Cr、TiWなどのバリアメタルをスパッタ成膜した後にCuをスパッタにより成膜する。次に、フォトリソグラフィにより第1配線層4となるレジストパターンを形成し、ウェットエッチングにより配線パターンを形成する。あるいは上記のスパッタ膜をシード膜として電解めっきにより第1配線層4を形成してもよい。このとき、後に形成される絶縁層上に磁気コア3を形成するため、第1配線層4の厚さは、その配線による絶縁層表面の凹凸が磁気コアの厚さに比べて十分小さくなるような厚さであって、かつコイルの抵抗が小さくなるような厚さであることが望ましい。具体的には、その厚さは、0.2μm〜2μm程度が好ましい。
次に、感光性樹脂を塗布し、露光、現像および熱硬化処理を行うことにより、第1絶縁層5を形成する。このとき、第1配線層4と後に形成される第2配線層7とが接続される部分が開口され、第1配線層4と後に形成される磁気コア3とが絶縁されるようにする。このとき、第1絶縁層5の厚さは、第1配線層4の凹凸を緩和するだけの十分な厚さを有することが望ましい。具体的には、第1配線層4の厚さの3〜10倍程度であることが望ましい。なお、図5においては、第1配線層4の図面上での表示の便宜上、そのような比率にはなっていない。
また、このとき、感光性ポリイミドは、後の工程での熱履歴による収縮や変形により磁気コア3に歪みが生じるのを防ぐ必要がある。そのため、感光性ポリイミドは、例えば実装時のはんだリフローや磁気コアに誘導磁気異方性を付与するための磁場中熱処理による熱収縮や変形が起こらないだけの十分な耐熱性を有する樹脂であることが望ましい。具体的には、感光性ポリイミドのガラス転移点(Tg:Glass Transition Temperature)は摂氏300度以上であることが望ましい。すなわち、ここで用いられる樹脂は、高い耐熱性を有するポリイミドやポリベンゾオキサゾール、熱硬化したノボラック系樹脂であることが望ましい。
次に、磁気コア3となる軟磁性体膜をスパッタにより成膜し、所望の形状になるように、フォトリソグラフィおよびエッチングを用いてパターニングを行う。軟磁性体膜としては、CoNbZrおよびCoTaZr等に代表される零磁歪のCo系アモルファス膜や、NiFe合金、CoFe合金などが望ましい。これらの軟磁性体膜は難エッチング材料であるため、レジストを形成した後にスパッタ成膜を行い、レジストを除去することで所望のパターンを得るリフトオフ法により形成してもよい。また、磁気コア3となる磁性膜を成膜した後に、応力や成膜時に付与された不均一な一軸異方性を除去し、均一な誘導磁気異方性を付与するために、回転磁場中熱処理または静磁場中熱処理を行うことが望ましい。
また、レジストフレームを用いた電解めっき法を利用して、NiFe合金やCoFe合金を所望の形状に成形することにより、磁気コア3を形成してもよい。
次に、第1配線層4と第2配線層7の接続部分が開口され、磁気コア3と第2配線層7とを電気的に絶縁するように、感光性樹脂に対して露光、現像および熱硬化処理を行うことにより、第2絶縁層6を形成する。
次に、第2絶縁層6と第2絶縁層6の開口部とを含む基板上にTi、Cr、TiWなどのバリアメタルをスパッタ成膜した後にCuをスパッタにより成膜することでシード膜を形成する。そして、レジストフレームを形成し、Cuの電解めっきにより所望の配線パターンを形成し、上記シード層をエッチングすることにより第2配線層7を形成する。
最後に、必要に応じて外部に接続するための電極パッドおよび端子、保護膜を形成することで本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサが構成される。ここで、外部に接続する端子としては、はんだバンプおよび金バンプ、ならびにワイヤボンディング等の一般的な半導体デバイスや薄膜デバイスに用いられる手法を適用することができる。
なお、上述の説明においては、第1配線層4および第2配線層7としてスパッタおよび電解めっきによるCuを用いたが、無電解Cuや電解Auめっきなどにより形成してもよく、またスパッタ膜のCu、Al、Auなどによる良導電膜を用いてもよい。また、第1絶縁層5および第2絶縁層6として樹脂材料を用いたが、SiO2やSiN、Al2O3などの絶縁膜をスパッタや化学気相成長法(CVD)を用いて成膜し、上述の開口部をドライエッチングにより形成してもよい。
次に、本発明の第1の実施形態の電子方位計を説明する。図8は、本発明の第1の実施形態に係る電子方位計の概略斜視図である。
図8に示した電子方位計は、第1フラックスゲート(X軸)センサ20、第2フラックスゲート(Y軸)センサ30、第3フラックスゲート(Z軸)センサ40、および信号処理用IC50を、1つの基板上に配置することにより構成される。具体的には、第1フラックスゲートセンサ20および第2フラックスゲートセンサ30は、電子方位計を構成する基板面に対して、その形成された面が略平行となるように、かつ感磁方向が互いに直交するように配置される。また、第3フラックスゲートセンサ40は、電子方位計を構成する基板面に対して略垂直となるように配置される。このとき、第1フラックスゲートセンサ20、第2フラックスゲートセンサ30および第3フラックスゲートセンサ40は、外部との接続端子を除いた領域、すなわち磁気コア3およびコイル61、71を形成する部分の形状が同一であることが望ましい。これは、第1フラックスゲートセンサ20、第2フラックスゲートセンサ30および第3フラックスゲートセンサ40のそれぞれの特性を揃えることにより、各センサの特性のばらつきを補正する必要がなく、電子回路を簡略化できるようにするためである。また、第3フラックスゲートセンサ40は、基板面に対して略垂直に実装されるので、電子方位計の厚さを薄くするためには、その感磁方向の長さが、1mm以下、さらに好ましくは0.5mm程度であることが望ましい。
信号処理用IC50は、各フラックスゲートセンサにおける励磁コイル61に一定周波数の三角波電流を通電する回路と、検出コイル71に現れる誘導電圧を検出するための検出回路と、誘導電圧が発生するタイミングを計数するためのカウンタと、第1フラックスゲートセンサ20、第2フラックスゲートセンサ30および第3フラックスゲートセンサ40のそれぞれに対して上記2つの回路との接続を切り替えるためのセレクタとを備えている。かかる構成により、第1フラックスゲートセンサ20、第2フラックスゲートセンサ30および第3フラックスゲートセンサ40で3軸方向それぞれの磁界を順次計測し、演算を行うことで方位誤差の小さい電子方位計を実現することができる。
(実施例)
実施例として、上記のようにしてフラックスゲートセンサを作製した。フラックスゲートセンサの磁気コアの形状は、磁気コアの長手方向の長さA=480μm、端部分1の幅B=80μm、中央部分2の幅C=20μm、端部分1の長手方向の長さD=140μm、励磁コイルの巻き数は16.5、ピックアップコイルの巻き数は6.5とした。
図9は、上記実施例のフラックスゲートセンサに、振幅100mA、周波数30kHzの三角波電流を通電したときの、正負のパルス状ピックアップ電圧の出力波形を示すグラフである。図10は、図9の正負のパルス状ピックアップ電圧がそれぞれの基準電圧Vthを超える時間間隔tの外部磁界依存性、すなわち外部磁界に対するフラックスゲートセンサの出力を示すグラフである。
フラックスゲートセンサの磁気コアの幅広の端部分1にソレノイドコイルを巻き回すことにより、励磁コイルの巻き数を稼ぐことができる。これにより、センササイズを0.5mm以下に小型化しても、SN比の良好なピックアップ波形が得られる。上記実施例のフラックスゲートセンサの出力は外部磁界に対しても良好な直線性を有しており、理想直線からのずれは±14Oeの範囲において0.5%であった。上記フラックスゲートセンサの励磁効率αは、0.29Oe/mAであった。
比較例として、上記実施例のフラックスゲートセンサと同一のセンサ長を持ち、図15に示すような、磁気コアの長手方向の長さA=480μm、端部分1の幅B=600μm、中央部分2の幅C=30μm、端部分1の長手方向の長さD=60μmのコアを有し、上記実施例のフラックスゲートセンサと同じ配線ピッチでコイルを巻き回したフラックスゲートセンサを作製した。比較例のフラックスゲートセンサにおいては、励磁効率は0.20Oe/mAであった。よって、本発明の実施例に係るフラックスゲートセンサは、高い励磁効率を有していることが分かる。
本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサは、端部分1の端までソレノイドコイルを巻き回した構造を持ち、ソレノイドコイルの巻き数が多いこと、及び端部分1の幅が中央部分2の幅よりも広いことから、端部分1で発生した磁束が中央部分2において集中する。従って、中央部分2の磁束密度が端部分1の磁束密度よりも高くなり、中央部分2における見かけ上の励磁コイルの作る磁界Hexcの値が大きくなる。これにより、本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサは、高い励磁効率を有する。
図11は、図4に示す本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサにおける励磁電流通電時のコア内部の断面a−a’における磁束密度を3次元有限要素法により計算した結果を示すグラフである。フラックスゲートセンサの磁気コアにおいて、端部分1の幅Bが広く、中央部分2の幅Cが狭い構造になっているため、中央部分2における磁束密度が端部分1における磁束密度よりも高くなっており、より少ない電流値で中央部分2の磁束密度が飽和してくることが図11より分かる。このことは、本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサにおいて、見かけ上の励磁コイルの作る磁界Hexcが増大し、励磁効率が大きくなっていることを示している。
以上説明した通り、本発明の第1の実施形態では、薄膜により形成したフラックスゲートセンサにおいて、フラックスゲートセンサを小型にしたときの反磁界による感度の低下を補うため、H型の磁気コアを使用することで、検出部分の反磁界を小さくすることができる。これにより、小型でも励磁効率が高まり、感度の高いフラックスゲートセンサを構成することができる。また、より少ない電流で高感度かつ測定磁界範囲の広いフラックスゲートセンサを構成することができる。
以上説明した通り、本発明の第1の実施形態では、H型の磁気コアにおいて、両端部の幅の広い端部分1に励磁コイルを巻き回している。励磁コイルにより磁気コアに発生する磁束は、磁気コアの両端の幅の広い端部分1の断面積×磁束密度で表わされる。励磁コイルに交流電流を通電した際に、励磁コイルにより磁気コアに発生する磁束は、磁気コアの端部分と連続している、幅の狭い磁気コアの中央部分2に導かれる。このとき、磁気コアの端部分1の幅B、中央部分2の幅Cを用いて、磁気コアの中央部分1の断面積は、両端の幅の広い端部分1の断面積のC/B倍となる。磁気コアの両端の端部分1から中央部分2に磁束が導かれる過程において、磁束の損失がなければ、端部分1と中央部分2とで磁束は同一であるため、中央部分2の磁束密度は、端部分1の磁束密度のB/C倍となる。よって、磁気コアの端部分1と中央部分2の幅の比を大きくすればするほど、磁束密度は飛躍的に向上する。
以上説明した通り、本発明の第1の実施形態では、励磁コイルと検出コイルは独立して巻き回している。これにより、励磁コイルおよび検出コイルの巻き数や配線幅、配線間スペースを任意に設定できる。ゆえに、センサに求められる仕様に応じて、励磁コイルおよび検出コイルを自由に設計できる。
以上説明した通り、本発明の第1の実施形態では、磁気コアの全域に渡ってソレノイドコイルを巻き回している。よって、特許文献1および特許文献4で開示されている構造と比較して、ソレノイドコイルの巻き数が増え、磁気コアに発生する磁束を増やすことができる。ゆえに、中央部分2における磁束密度が高まり、磁気センサの検出感度が向上する。
磁気コアの両端の端部分1から中央部分2につながる部分において、図1Aのように直角に近い角度を有して急峻に幅が狭くなっている場合、角の部分で局所的に磁束が飽和しやすくなるため、磁束の損失が生じる可能性がある。一方、図1Bのように、磁気コアの端部分1と中央部分2との境界にテーパー形状を設けた場合、局所的な磁束の飽和を抑えることができ、磁気コアの中央部分2の磁束密度を向上させることができる。
他軸感度について、記述する。図13は、上記比較例のフラックスゲートセンサにおける、膜面内で直交する方向の磁界を0Oe〜10Oeまで印加したときの感磁方向と直交する磁界に対するピックアップ電圧波形を示したグラフである。図13より、感磁方向と直交する磁界の印加により、ピックアップ電圧の発生するタイミングおよびピックアップ電圧のピーク高さが変化しており、他軸感度を有していることが判る。特に4Oe〜6Oe程度の外部磁界による変化が顕著であることがわかる。センサの感磁方向と直交する磁界に対してこのような特性を有している場合においても、0.3Oe程度の地磁気のみを検出する場合においては、方位精度に対する影響は小さい。しかし、実際に電子機器に搭載して用いる場合においては、機器内に搭載されている部品から発生する磁界が加わる。この機器内に搭載されている部品から発生する磁界が検出対象とする地磁気に対してオフセットとなり、正確な測定ができなくなる場合がある。従って、周囲に搭載された部品から発生するオフセット磁界を測定、計算して校正を行い、地磁気を計測する必要がある。しかしながら、前述のとおり、センサの感磁方向と直交する方向の磁界に対して出力が変動する特性を有していると、オフセット磁界がセンサに対して直交する方向に重畳された場合、オフセット磁界の計算値自体の誤差が大きくなる上に、オフセット磁界が重畳されることにより出力が変化するため地磁気の検出精度が低下することになる。
一方、図14は、本発明の上記実施例のフラックスゲートセンサにおいて同様に膜面内で直交する方向の磁界を0Oe〜10Oeまで印加したときの感磁方向と直交する磁界に対するピックアップ電圧波形を示すグラフである。感磁方向と直交する磁界の印加により、ピックアップ電圧の発生するタイミングおよびピックアップ電圧のピーク高さの変化はほとんど無く、他軸感度は非常に小さいことが判る。これは、コア両端の幅の広い端部分が、反磁界による形状異方性がコアの長手方向、すなわちセンサの感磁方向と一致するように設計されていることに加え、前記端部分が常に感磁方向に励磁された状態であるため、直交方向からの磁界の影響を受けにくいためである。
フラックスゲートセンサの場合、励磁電流によりセンサの有する測定磁界範囲を広げることが可能であり、図10に示すとおり、良好な直線性を保ったまま±10Oe以上の広い測定磁界範囲を確保することが可能である。このように広い測定磁界範囲を有することで、オフセット磁界の校正範囲を広く取ることができる。
このとき、センサの感磁方向と直交する磁界に対する影響を小さくすることで、広範囲の磁界においてオフセット磁界の校正精度を高めることが可能となり、機器内部での配置の自由度を高めることができる。
(第2の実施形態)
図12は、本発明の第2の実施形態に係るフラックスゲートセンサにおける励磁コイルおよび検出コイルの巻き回し方を説明するための図である。
第1の実施形態においては、磁気コアの両端の幅の広い端部分1のみに励磁コイルを巻き回した。これに対して、第2の実施形態においては、両端部の幅の広い端部分1のみならず、幅の狭い中央部分2にも、励磁コイルである第1のソレノイドコイル9を巻き回した。すなわち、励磁コイルは磁気コアの全体の周囲に巻き回し、検出コイルである第2のソレノイドコイル10は磁気コアの中央部分2のみに巻き回した。かかる巻き回し方でも、前述の第1の実施形態と同様の作用効果が得られる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について、説明する。
本発明の第3の実施形態に係るフラックスゲートセンサの磁気コアは、本発明の第1の実施形態に係るフラックスゲートセンサと同じ構成であるが、ソレノイドコイルの動作が異なる。すなわち、本発明の第3の実施形態に係るフラックスゲートセンサの磁気コアは、本発明の第1の実施形態と同様に、図1A−図1BのようなH型の形状をしている。本発明の第3の実施形態のフラックスゲートセンサの磁気コアは、端部分1と、中央部分2を有する。端部分1の幅Bは、中央部分2の幅Cよりも広い。本発明の第1の実施形態とは異なり、本発明の第3の実施形態では、端部分1の周囲に巻き回されている第1のソレノイドコイルは、ピックアップコイルである。中央部分2の周囲に巻き回されている第2のソレノイドコイルは、励磁コイルである。
本発明の第1の実施形態と同様に、本発明の第3の実施形態に係るフラックスゲートセンサの上面図は、図4のようになる。本発明の第1の実施形態とは異なり、本発明の第3の実施形態では、第1のソレノイドコイル9はピックアップコイルであり、第2のソレノイドコイル10は励磁コイルである。磁気コア3の幅の狭い中央部分2は、その周囲に巻き回された第2のソレノイドコイル10に通電することにより励磁される。一方、磁気コア3の幅の広い端部分1には誘導電圧がかかり、その誘導電圧は端部分1の周囲に巻き回された第1のソレノイドコイル9により検出される。
本発明の第3の実施形態に係るフラックスゲートセンサの作製方法は、本発明の第1の実施形態と同様である。本発明の第3の実施形態に係るフラックスゲートセンサにおいても、前述の第1の実施形態と同様の作用効果が得られる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明し例証したが、これらはあくまで発明の例示であって限定的に考慮されるべきものではなく、追加、削除、置換及び他の変更は本発明の範囲を逸脱しない範囲で可能である。即ち、本発明は前述した実施形態により限定されるものではなく、請求項の範囲により限定されるものである。
本発明のフラックスゲートセンサは小型の磁気センサとして利用でき、またその磁気センサは電子方位計等として携帯電話、ポータブルナビゲーションデバイス、ゲームコントローラなどに広く利用される。
1 磁気コアの端部分
2 磁気コアの中央部分
3 磁気コア
4 第1配線層
5 第1絶縁層
6 第2絶縁層
7 第2配線層
8 開口部
9 第1のソレノイドコイル
10 第2のソレノイドコイル
11 電極パッド
12 電極パッド
20 第1フラックスゲート(X軸)センサ
30 第2フラックスゲート(Y軸)センサ
40 第3フラックスゲート(Z軸)センサ
50 信号処理用IC
100 基板
A 磁気コアの長手方向の長さ
B 端部分1の幅
C 中央部分2の幅
D 端部分1の長手方向の長さ

Claims (21)

  1. 基板上に形成された第1配線層と、
    前記第1配線層を覆うように形成された第1絶縁層と、
    前記第1絶縁層上に形成され、中央部分と、前記中央部分と連続してかつ前記中央部分の幅よりも広い幅を持ち、前記中央部分の両端に位置する第1および第2の端部分と、を有する磁気コアと、
    前記磁気コアを覆い、前記第1絶縁層上に形成された第2絶縁層と、
    前記第2絶縁層上に形成された第2配線層と、
    を含むフラックスゲートセンサであって、
    前記第1配線層および前記第2配線層は、複数の互いに略平行な配線を有し、
    前記第1配線層の配線および前記第2配線層の配線の両端が、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の選択的に除去された部分を介して電気的に接続され、
    前記第1および第2の端部分に、螺旋状の第1のソレノイドコイルが巻き回されており、
    前記中央部分に、螺旋状の第2のソレノイドコイルが巻き回されていることを特徴とする、フラックスゲートセンサ。
  2. 前記第1および第2の端部分の幅Bと、前記第1および第2の端部分の長手方向の長さDの比B/Dの値が1よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載のフラックスゲートセンサ。
  3. 前記第1のソレノイドコイルは、前記第1の端部分に巻き回された第3のソレノイドコイルおよび前記第2の端部分に巻き回された第4のソレノイドコイルを含み、前記第3のソレノイドコイルおよび前記第4のソレノイドコイルは、直列に接続され、かつ巻き数が略同一であることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載のフラックスゲートセンサ。
  4. 前記第1のソレノイドコイルは、前記中央部分、前記第1および第2の端部分に巻き回されていることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載のフラックスゲートセンサ。
  5. 前記第1の端部分と前記第2の端部分とが、前記磁気コアの終端をなしていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のフラックスゲートセンサ。
  6. 前記磁気コアが、フラックスゲートセンサの感磁方向と一致するその長手方向に沿って、前記第1の端部分、前記中央部分、前記第2の端部分のみからなることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のフラックスゲートセンサ。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のフラックスゲートセンサが、phase-delay methodを用いたフラックスゲートセンサとされてなることを特徴とするフラックスゲートセンサ。
  8. 基板と、
    前記基板上に配置され、3軸のそれぞれに沿うように配置された第1、第2および第3のフラックスゲートセンサと、
    を含み、
    前記第1、第2および第3のフラックスゲートセンサの各々は、
    基板上に形成された第1配線層と、
    前記第1配線層を覆うように形成された第1絶縁層と、
    前記第1絶縁層上に形成され、中央部分と、前記中央部分と連続してかつ前記中央部分の幅よりも広い幅を持ち、前記中央部分の両端に位置する第1および第2の端部分と、を有する磁気コアと、
    前記磁気コアを覆い、前記第1絶縁層上に形成された第2絶縁層と、
    前記第2絶縁層上に形成された第2配線層と、
    を含み、
    前記第1配線層および前記第2配線層は、複数の互いに略平行な配線を有し、
    前記第1配線層の配線および前記第2配線層の配線の両端が、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の選択的に除去された部分を介して電気的に接続され、
    前記第1および第2の端部分に、螺旋状の第1のソレノイドコイルが巻き回されており、
    前記中央部分に、螺旋状の第2のソレノイドコイルが巻き回されていることを特徴とする、電子方位計。
  9. 前記第1および第2の端部分の幅Bと、前記第1および第2の端部分の長手方向の長さDの比B/Dの値が1よりも小さいことを特徴とする、請求項に記載の電子方位計。
  10. 前記第1のソレノイドコイルは、前記第1の端部分に巻き回された第3のソレノイドコイルおよび前記第2の端部分に巻き回された第4のソレノイドコイルを含み、前記第3のソレノイドコイルおよび前記第4のソレノイドコイルは、直列に接続され、かつ巻き数が同一であることを特徴とする、請求項またはのいずれかに記載の電子方位計。
  11. 前記第1のソレノイドコイルは、前記中央部分、前記第1および第2の端部分に巻き回されていることを特徴とする、請求項またはのいずれかに記載の電子方位計。
  12. 前記第1の端部分と前記第2の端部分とが、前記磁気コアの終端をなしていることを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載の電子方位計。
  13. 前記磁気コアが、フラックスゲートセンサの感磁方向と一致するその長手方向に沿って、前記第1の端部分、前記中央部分、前記第2の端部分のみからなることを特徴とする請求項8から12のいずれかに記載の電子方位計。
  14. 請求項8から13のいずれかに記載のフラックスゲートセンサが、phase-delay methodを用いたフラックスゲートセンサとされてなることを特徴とする電子方位計。
  15. 第1配線層と、
    前記第1配線層を覆うように形成された第1絶縁層と、
    前記第1絶縁層上に形成され、検出部と、前記検出部と連続してかつ前記検出部の幅よりも広い幅を持ち、前記検出部の両端に位置する第1および第2の励磁部と、を備える磁気コアと、
    前記磁気コアを覆い、前記第一絶縁層上に形成された第2絶縁層と、
    前記第2絶縁層上に形成された第2配線層と、
    を少なくとも備えたフラックスゲートセンサにおいて、
    前記第1配線層および前記第2配線層は、複数の互いに略平行な配線を有し、
    前記第1配線層の配線および前記第2配線層の配線の両端が、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の選択的に除去された部分を介して電気的に接続され、
    前記第1および第2の励磁部に、螺旋状の励磁コイルが巻き回されていることを特徴とするフラックスゲートセンサ。
  16. 前記励磁コイルは、前記第1の励磁部に巻き回された第1の励磁コイルと、前記第2の励磁部に巻き回された第2の励磁コイルとを含み、前記第1の励磁コイルと前記第2の励磁コイルは、発生する磁界が同一方向となるように直列に接続されていることを特徴とする請求項15に記載のフラックスゲートセンサ。
  17. 前記励磁コイルは、前記励磁部と、前記磁気コアの中央部に形成された検出部とに巻き回されていることを特徴とする請求項15に記載のフラックスゲートセンサ。
  18. 前記第1の励磁部と前記第2の励磁部とが、前記磁気コアの終端をなしていることを特徴とする請求項15から17のいずれかに記載のフラックスゲートセンサ。
  19. 前記磁気コアが、フラックスゲートセンサの感磁方向と一致するその長手方向に沿って、前記第1の励磁部、前記検出部、前記第2の励磁部のみからなることを特徴とする請求項15から18のいずれかに記載のフラックスゲートセンサ。
  20. 請求項15から19のいずれかに記載のフラックスゲートセンサが、phase-delay methodを用いたフラックスゲートセンサとされてなることを特徴とするフラックスゲートセンサ。
  21. 1つの基板上において、3軸のそれぞれに沿うように、3つの請求項15乃至20のいずれかに記載のフラックスゲートセンサを配置することにより構成されたことを特徴とする電子方位計。
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