JP4772284B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents

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本発明は、潤滑油組成物に関し、詳しくは、高温下で使用されるタービン油、回転式ガス圧縮機油、油圧作動油などに有用な潤滑油組成物に関する。
タービン油、回転式ガス圧縮機油、油圧作動油などの潤滑油は、循環使用されるため、長期間の使用に耐え得ることが要求される。このような潤滑油としては、所定基油に酸化防止剤を配合したものが一般的に知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、基油としては、熱・酸化安定性の点から、高度精製鉱油、炭化水素系合成潤滑油(ポリ−α−オレフィンの水素添加物など)、エステル系合成油(ポリオールエステルなど)が使用されている。
特開平7−252489号公報
ところで、近年の発電設備においては、発電効率を高めてエネルギーを有効に活用することを目的として、高温の燃焼ガスを作動媒体として用いるガスタービンや、ガスタービンと蒸気タービンとを組み合わせた複合サイクル発電設備などが数多く稼動するようになってきている。これらの設備の場合、作動媒体の高温化に伴い使用される潤滑油への熱負荷が大幅に増加している。また、回転式ガス圧縮機の場合も、潤滑油と高温の圧縮ガスとの接触を避けることができない。そのため、これらの用途に使用される潤滑油には、熱・酸化安定性の更なる向上が強く求められている。
潤滑油の熱・酸化安定性を向上させる方法としては酸化防止剤の増量が考えられる。しかし、この方法では、酸化防止剤自体のスラッジ化が問題となり、熱・酸化安定性の向上とスラッジ生成の抑制とを両立することは非常に困難である。スラッジは、回転体の軸受に付着して発熱する原因となりやすく、更には軸受の損傷を招くこともある。また、循環ライン中に設けられたフィルターのスラッジによる目詰まりが装置の運転上問題となることがある。また更に、制御系統の場合は、小さな制御バルブにスラッジが堆積して作動不良を起こした場合には、装置の停止を余儀なくされる。このため、特許文献1に記載の添加剤等の配合により熱・酸化安定性の改善及びスラッジの低減が試みられているが、より高水準の特性を有するものが求められているのが現状である。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、熱・酸化安定性の向上とスラッジの低減との双方を高水準で達成可能であり、高温下で優れた特性を発揮する潤滑油組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定基油に酸化防止剤を配合した潤滑油組成物によって上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の潤滑油組成物は、全芳香族分の含有量が0〜15質量%、飽和分中のイソパラフィン類及び一環ナフテン類の合計の含有量が50質量%以上、塩基性窒素の含有量が20質量ppm以下、粘度指数が105以上、流動点が−10℃以下である高度精製鉱油と、炭素数8〜30のアルキル基を1個又は2個有するアルキルナフタレンと、の混合基油、及び酸化防止剤を含有し、該アルキルナフタレンの含有量が、該アルキルナフタレン及び前記高度精製鉱油の合計量を基準として、5〜40質量%であり、前記酸化防止剤がアルキル化フェニル−α−ナフチルアミン及びアルキル化ジフェニルアミンの双方を含有し、高温下で使用されることを特徴とする。
また、本発明の潤滑油組成物は、リン系極圧剤を更に含有することが好ましい。かかるリン系極圧剤は正リン酸エステル及び亜リン酸エステルから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明の潤滑油組成物は、リン含有カルボン酸化合物を更に含有することが好ましい。
本発明によれば、熱・酸化安定性の向上とスラッジの低減との双方を高水準で達成することができ、高温下で優れた特性を発揮する潤滑油組成物が実現される。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明の潤滑油組成物は、全芳香族分の含有量が0〜15質量%、飽和分中のイソパラフィン類及び一環ナフテン類の合計の含有量が50質量%以上、塩基性窒素の含有量が20質量ppm以下、粘度指数が105以上、流動点が−10℃以下である高度精製鉱油と、アルキル基を有する芳香族化合物と、の混合基油を含有する。
本発明に係る高度精製鉱油における全芳香族分の含有量は、熱・酸化安定性の点から、上述の通り15質量%以下であり、好ましくは10質量%以下である。また、全芳香族分の含有量は、スラッジの溶解性の点から、好ましくは2質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上である。なお、本発明でいう全芳香族分の含有量とは、ASTM D2549に準拠して測定される値を意味する。さらに、熱・酸化安定性の点からは、全芳香族分中の三環芳香族化合物及び四環芳香族化合物の合計の含有量が4質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。
また、本発明に係る高度精製鉱油における飽和分中のイソパラフィン類及び一環ナフテン類の合計の含有量は、熱・酸化安定性の点から、上述の通り50質量%以上であり、好ましくは60質量%以上、より好ましくは65質量%以上である。ここでいうイソパラフィン類及び一環ナフテン類の合計の含有量とは、ガスクロマトグラフィー及び質量分析計により定量される値を意味する。
また、本発明に係る高度精製鉱油における塩基性窒素の含有量は、酸化安定性の点から、上述の通り20質量ppm以下であり、好ましくは10質量ppm以下であり、より好ましくは5質量ppm以下である。
また、本発明に係る高度精製鉱油の粘度指数は、粘度−温度特性の点から、上述の通り105以上であり、好ましくは110以上である。
また、本発明に係る高度精製鉱油の流動点は、低温特性の点から、上述の通り−10℃以下であり、好ましくは−15℃以下である。
本発明に係る高度精製鉱油の製造方法は、得られる鉱油が上記の条件を満たすものであれば特に制限されないが、例えば以下の方法が好ましい。先ず、減圧蒸留留出油(WVGO)、WVGOのマイルドハイドロクラッキング処理油(HIX)、脱れき油(DAO)、DAOのマイルドハイドロクラッキング処理油、あるいはこれらの混合油のいずれかを原料油として、この原料油を水素化分解触媒の存在下、全圧力150kg/cm以下、温度360〜440℃、LHSV0.5hr−1以下の反応条件で、水素化分解する。次に、得られた生成物をそのまま、もしくは生成物から潤滑留分を回収した後、脱ろう処理及び脱芳香族処理を施すことにより、所望の高度精製鉱油が得られる。脱ろう処理及び脱芳香族処理は特に制限されない。
WVGOは、原油の常圧蒸留残渣を減圧蒸留した際に得られる留出油で、好ましくは360〜530℃の沸点を有するものである。HIXは、WVGOをマイルドハイドロクラッキング(MHC)処理することによって得られる重質減圧軽油であって、MHC処理とは全圧力が100kg/cm以下、好ましくは60〜90kg/cm、温度が370〜450℃、好ましくは400〜430℃、LHSVが0.5〜4.0hr−1、好ましくは1.0〜2.0hr−1の反応条件下で行われるところの、360℃留分の分解率が20〜30質量%の範囲にある比較的温和な水素化分解を意味する。
MHC処理の触媒としては、アルミナ、シリカアルミナ、アルミナボリア等の複合酸化物担体に、第VI族金属及び第VIII族金属を担持して硫化したものが使用できる。アルミナには例えばリン化合物等のプロモーターが添加されることがある。前記金属の担持量は、酸化物基準で、モリブデン、タングステン、クロム等の第VI族金属の場合は5〜30質量%、好ましくは10〜25質量%であり、コバルト、ニッケル等の第VIII族金属の場合は1〜10質量%、好ましくは2〜10質量%である。WVGOとHIXとを混合して原料油に使用する場合は、原料油の50質量%以上がHIXであることが好ましい。DOAは、原油の常圧蒸留残渣を減圧蒸留し、その差違に得られる残渣油をプロパン脱れき法等で処理した、アスファルテンを実質的に含有しない油である。
原料油の水素化分解は、水素化分解触媒の存在下、全圧力が150kg/cm以下、好ましくは100〜130kg/cmの中低圧であり、温度が360〜440℃、好ましくは370〜430℃の範囲であり、LHSVは0.5hr−1以下、好ましくは0.2〜0.3hr−1の低LHSVであり、水素対原料油比が1,000〜6,000s.c.f/bbl−原料油、好ましくは2,500〜5,000s.c.f/bbl−原料油である反応条件で行うことができる。原料油の水素化分解に際しては、原料油中の360℃留分の分解率が40質量%以上、好ましくは45質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上になるよう反応条件が調節される。なお、原料油としてHIXを用いた場合、MHC処理と水素化分解の合計の分解率は、60質量%以上、好ましくは70質量%以上である。また、未分解油の一部をリサイクルする場合、ここでいう分解率はリサイクル油込みの分解率ではなく、フレッシュフィード当たりの分解率を指す。
水素化分解に用いる触媒は、二元機能を有するものが好ましく、具体的には、第VIb族金属及び第VIII族鉄族金属から構成される水素化点(サイト)と、第III族、第IV族及び第V族元素の複合酸化物から構成される分解点(サイト)を有する触媒が使用される。第VIb族金属としてはタングステン、モリブデンが、第VIII族鉄族金属としてはニッケル、コバルト、鉄が一般的に使用され、これらは複合酸化物担体に担持後、最終的には硫化物に転化されるのが通例である。担体に用いる複合酸化物としては、シリカアルミナ、シリカジルコニア、シリカチタニア、シリカマグネシア、シリカアルミナジルコニア、シリカアルミナチタニア、シリカアルミナマグネシア等があり、結晶性シリカアルミナ(ゼオライト)、結晶性アルミナホスフェート(ALPO)、結晶性シリカアルミナホスフェート(SAPO)も担体として使用可能である。複合酸化物への前記金属の担持量は、酸化物基準で、第VIb族金属の場合は5〜30質量%、好ましくは10〜25質量%であり、第VIII族鉄族金属の場合は1〜20質量%、好ましくは5〜15質量%である。
念のため付言すれば、原料油を水素化分解するにあたっては、水素化分解触媒充填床の上流側に、脱硫及び/又は脱窒能に富んだ前処理触媒を充填することができる。この種の前処理触媒としては、アルミナ、アルミナボリア等の担体に、第VI族金属及び第VIII族金属を担持して硫化したものが使用できる。アルミナ、アルミナボリアにはリン化合物等のプロモーターが添加されることがある。
原料油を水素化分解した後は、必要に応じて分解生成物から柱状の蒸留操作で潤滑油留分の回収が行われる。この場合に回収可能な潤滑油留分としては、沸点範囲が343〜390℃である70ペール留分、390〜445℃であるSAE−10留分、445〜500℃であるSAE−20留分、500〜565℃であるSAE−30留分などがある。潤滑油留分が分離回収された前記の水素化分解生成物には、必要に応じて、脱ろう処理及び脱芳香族処理が施される。脱ろう処理と脱芳香族処理との順序は特に制限されない。
脱ろう処理としては、溶剤脱ろう処理又は接触脱ろう処理が好ましく適用される。溶剤脱ろう処理は、例えばMEK法などの通常の方法で行うことができる。MEK法では、溶剤としてベンゼン、トルエン及びアセトンの混合溶剤あるいはベンゼン、トルエン及びメチルエチルケトン(MEK)の混合溶剤などが使用される。処理条件は、脱ろう油が所定の流動点になるように冷却温度を調節する。溶剤/油の容積比は0.5〜5.0、好ましくは1.0〜4.5、温度は−5〜−45℃、好ましくは−10〜−40℃である。接触脱ろう処理は常法通り行うことができ、例えばペンタシル型ゼオライトを触媒に使用して、水素流通下、脱ろう油が所定の流動点になるように調節するが、その反応条件は一般に、全圧力が10〜70kg/cm、好ましくは20〜50kg/cmの範囲にあり、温度が240〜400℃、好ましくは260〜380℃の範囲にあり、LHSVは0.1〜3.0hr−1、好ましくは0.5〜2.0hr−1の範囲にある。
脱芳香処理としては、溶剤脱芳香族処理あるいは高圧水素化脱芳香族処理のいずれもが採用可能であるが、好ましくは溶剤脱芳香族処理である。溶剤脱芳香族処理には通常フルフラール、フェノール等の溶剤が用いられるが、本発明ではフルフラールを用いることが好ましい。溶剤脱芳香族処理の条件としては、溶剤/油容積比4以下、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、温度90〜150℃で行われ、ラフィネート収率は60容積%以上、好ましくは70容積%以上、より好ましくは85容積%以上となるように操作される。高圧水素化反応による脱芳香族処理は、通常アルミナ担体に第VIb族金属及び第VIII族鉄族金属を担持して硫化した触媒の存在下、全圧力150〜200kg/cm、好ましくは70〜200kg/cm、温度280〜350℃、好ましくは300〜330℃、LHSV0.2〜2.0hr−1、好ましくは0.5〜1.0hr−1の条件で行われる。触媒の金属担持量は、酸化物基準で、モリブデン、タングステン、クロム等の第VIb族金属の場合は5〜30質量%、好ましくは10〜25質量%であり、コバルト、ニッケル等の第VIII族鉄族金属の場合は1〜10質量%、好ましくは2〜10質量%である。
脱芳香族処理として溶剤脱芳香族処理を用いた場合、必要に応じてこの処理の後に水素化処理を行うことができる。この水素化処理は溶剤脱芳香族処理油を、全反応圧力50kg/cm2以下、好ましくは25〜40kg/cm2の定圧の水素化反応条件で、アルミナ担体に第VIb族金属及び第VIII族鉄族金属を担持して硫化した水素化触媒と接触させることにより行う。前記金属の担持量は、酸化物基準で、モリブデン、タングステン、クロム等の第VIb族金属の場合は5〜30質量%、好ましくは10〜25質量%であり、コバルト、ニッケル等の第VIII族鉄族金属の場合は1〜10質量%、好ましくは2〜10質量%である。このような比較的低圧下での水素化処理は溶剤脱芳香族油の光安定性を飛躍的に向上させる。
以上は本発明に係る高度精製鉱油の製造方法の一例を示したものであるが、その製造過程で、原料油の水素化分解生成物から潤滑油留分を回収しなかった場合は、脱芳香族処理、脱ろう処理あるいは水素化処理の後に、通常の蒸留操作により、潤滑油留分を回収することができる。ここで回収される潤滑油留分は、先の場合と同様、沸点範囲が343〜390℃である70ペール留分、390〜445℃であるSAE−10留分、445〜500℃であるSAE−20留分、500〜565℃であるSAE−30留分などである。
また、高度精製鉱油としては、ワックス異性化鉱油、GTL WAX(ガストゥリキッド ワックス)を異性化する手法で製造される基油等を使用することも可能である。
混合基油の他方の成分は、アルキル基を有する芳香族化合物であり、具体的には、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、アルキルビフェニル、アルキルジフェニルアルカン等が挙げられる。
アルキルベンゼンが有するアルキル基としては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基(すべての異性体を含む)、ブチル基(すべての異性体を含む)、ペンチル基(すべての異性体を含む)、ヘキシル基(すべての異性体を含む)、ヘプチル基(すべての異性体を含む)、オクチル基(すべての異性体を含む)、ノニル基(すべての異性体を含む)、デシル基(すべての異性体を含む)、ウンデシル基(すべての異性体を含む)、ドデシル基(すべての異性体を含む)、トリデシル基(すべての異性体を含む)、テトラデシル基(すべての異性体を含む)、ペンタデシル基(すべての異性体を含む)、ヘキサデシル基(すべての異性体を含む)、ヘプタデシル基(すべての異性体を含む)、オクタデシル基(すべての異性体を含む)、ノナデシル基(すべての異性体を含む)、イコシル基(すべての異性体を含む)、ヘンイコシル基(すべての異性体を含む)、ドコシル基(すべての異性体を含む)、トリコシル基(すべての異性体を含む)、テトラコシル基(すべての異性体を含む)、ペンタコシル基(すべての異性体を含む)、ヘキサコシル基(すべての異性体を含む)、ヘプタコシル基(すべての異性体を含む)、オクタコシル基(すべての異性体を含む)、ノナコシル基(すべての異性体を含む)、トリアコンチル基(すべての異性体を含む)、ヘントリアコンチル基(すべての異性体を含む)、ドトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、トリトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、テトラトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、ペンタトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、ヘキサトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、ヘプタトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、オクタトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、ノナトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、テトラコンチル基(すべての異性体を含む)等の炭素数1〜40のアルキル基が挙げられる。これらの中でも、炭素数8〜30のアルキル基を1〜4個(より好ましくは1〜2個)有し、かつそのアルキル基の合計炭素数が10〜50(より好ましくは20〜40)であるアルキルベンゼンが好ましく用いられる。
アルキルベンゼンが有するアルキル基は直鎖状であっても、分枝状であっても良いが、安定性、粘度特性等の点から分枝状アルキル基が好ましく、特に入手可能性の点から、プロピレン、ブテン、イソブチレン等のオレフィンのオリゴマーから誘導される分枝状アルキル基がより好ましい。
アルキルベンゼン中のアルキル基の個数は、好ましくは1〜4個であるが、安定性、入手可能性の点から1個または2個のアルキル基を有するアルキルベンゼン、すなわちモノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン、またはこれらの混合物が最も好ましく用いられる。
上記のアルキルベンゼンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。2種以上のアルキルベンゼンの混合物を用いる場合、当該混合物の平均分子量は200〜500であることが好ましい。
アルキルベンゼンの製造方法は任意であり、何ら限定されるものでないが、一般に以下に示す合成法によって製造できる。原料となる芳香族化合物としては、具体的には例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、ジエチルベンゼン、およびこれらの混合物等が用いられる。またアルキル化剤としては、具体的には例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン等の低級モノオレフィン、好ましくはプロピレンの重合によって得られる炭素数6〜40の直鎖状または分枝状のオレフィン;ワックス、重質油、石油留分、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱分解によって得られる炭素数6〜40の直鎖状または分枝状のオレフィン;灯油、軽油等の石油留分からn−パラフィンを分離し、これを触媒によりオレフィン化することによって得られる炭素数6〜40の直鎖状オレフィン;およびこれらの混合物等が使用できる。
また、アルキル化の際のアルキル化触媒としては、塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のフリーデルクラフツ型触媒;硫酸、リン酸、ケイタングステン酸、フッ化水素酸、活性白土等の酸性触媒;等の公知の触媒が用いられる。
アルキルナフタレンとしては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 0004772284
[式(1)中、R1、R2、R3およびR4は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子又は炭素数1〜40の炭化水素基を示し、R1、R2、R3又はR4の少なくとも1つはアルキル基である。]
式(1)中のR1、R2、R3およびR4は、それぞれ水素原子または炭化水素基を示し、当該炭化水素基にはアルキル基の他、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基等が含まれるが、R1、R2、R3およびR4は全てアルキル基であることが好ましい。
アルキル基としては、上記アルキルベンゼンの説明において、アルキルベンゼンが有するアルキル基として例示されたものが挙げられる。これらの中でも、炭素数8〜30のアルキル基が好ましく、炭素数10〜20のアルキル基がより好ましい。
また、式(1)で表されるアルキルナフタレンにおいて、R1、R2、R3およびR4は同一でも異なっていてもよい。すなわち、R1、R2、R3およびR4がすべてアルキル基を含む炭化水素基であるものでもよく、またはR1、R2、R3およびR4のうち少なくとも1つがアルキル基であり他は水素原子であるものでもよい。R1、R2、R3及びR4の合計炭素数は、好ましくは8〜50、より好ましくは10〜40である。
1、R2、R3およびR4のうち2つ以上が炭化水素基である場合、そのうち少なくとも1つがアルキル基であればその組み合わせは任意であるが、全てアルキル基であることが好ましい。また、R1とRが炭化水素基であるような、同一のベンゼン環に2つの炭化水素基が結合しているものでもよく、また、R1とR3が炭化水素基であるような、異なるベンゼン環にそれぞれ1つずつの炭化水素基が結合しているものでもよい。
式(1)で表されるアルキルナフタレンとしては、具体的には、デシルナフタレン(すべての異性体を含む)、ウンデシルナフタレン(すべての異性体を含む)、ドデシルナフタレン(すべての異性体を含む)、トリデシルナフタレン(すべての異性体を含む)、テトラデシルナフタレン(すべての異性体を含む)、ペンタデシルナフタレン(すべての異性体を含む)、ヘキサデシルナフタレン(すべての異性体を含む)、ヘプタデシルナフタレン(すべての異性体を含む)、オクタデシルナフタレン(すべての異性体を含む)、ノナデシルナフタレン(すべての異性体を含む)、イコシルナフタレン(すべての異性体を含む)、ジ(デシル)ナフタレン(すべての異性体を含む)、ジ(ウンデシル)ナフタレン(すべての異性体を含む)、ジ(ドデシル)ナフタレン(すべての異性体を含む)、ジ(トリデシル)ナフタレン(すべての異性体を含む)、ジ(テトラデシル)ナフタレン(すべての異性体を含む)、ジ(ペンタデシル)ナフタレン(すべての異性体を含む)、ジ(ヘキサデシル)ナフタレン(すべての異性体を含む)、ジ(ヘプタデシル)ナフタレン(すべての異性体を含む)、ジ(オクタデシル)ナフタレン(すべての異性体を含む)、ジ(ノナデシル)ナフタレン(すべての異性体を含む)、ジ(イコシル)ナフタレン(すべての異性体を含む)等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数8〜30(より好ましくは10〜20)のアルキル基を1〜4個(より好ましくは1〜2個)有するアルキルナフタレンが好ましく、さらに、アルキルナフタレンが有するアルキル基の合計炭素数は8〜50(より好ましくは10〜40)であることが好ましい。
上記のアルキルナフタレンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。2種以上のアルキルナフタレンの混合物を用いる場合、当該混合物の平均分子量は、200〜500であることが好ましい。
アルキルナフタレンの製造方法は任意であり、種々の公知の方法で製造できる。この例としては例えば、炭化水素のハロゲン化物、オレフィン類、スチレン類などを硫酸、リン酸、ケイタングステン酸、フッ化水素酸等の鉱酸、酸性白土、活性白土等の固体酸性物質および塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のハロゲン化金属であるフリーデルクラフツ触媒等の酸触媒の存在下、ナフタレンへ付加する方法等が挙げられる。
アルキルビフェニルとしては、下記一般式(2)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 0004772284
[式(2)中、R、R、R及びRは同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子又は炭素数1〜40の炭化水素基を示し、R、R、R又はRのうち少なくとも1つはアルキル基である。]
式(2)中のR1、R2、R3およびR4で示される炭化水素基としては、アルキル基の他、アルケニル基、アリール基、アルカリール基、アラルキル基等が挙げられるが、R、R、RおよびRは全てアルキル基であることが好ましい。
アルキル基としては、上記アルキルベンゼンの説明において、アルキルベンゼンが有するアルキル基として例示されたものが挙げられる。これらの中でも、炭素数8〜30のアルキル基が好ましく、炭素数10〜20のアルキル基がより好ましい。
また、式(2)で表されるアルキルビフェニルにおいて、R、R、R及びRは同一でも異なっていてもよい。すなわち、R、R、R及びRがすべてアルキル基であるものでもよく、またはR1、R2、R3およびR4のうち少なくとも1つがアルキル基であり他は水素原子又はアルキル基以外の炭化水素基であるものでもよい。R、R、R及びRの合計炭素数は、好ましくは8〜50、より好ましくは10〜40である。
、R、RおよびRのうち2つ以上が炭化水素基である場合、そのうち少なくとも1つがアルキル基であればその組み合わせは任意であり、RとRが炭化水素基であるような、同一のベンゼン環に2つの炭化水素基が結合しているものでもよく、また、RとRが炭化水素基であるような、異なるベンゼン環にそれぞれ1つずつの炭化水素基が結合しているものでもよい。
上記のアルキルビフェニルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。2種以上のアルキルビフェニルの混合物を用いる場合、当該混合物の平均分子量は、200〜500であることが好ましい。
アルキルビフェニルの製造方法は任意であり、種々の公知の方法で製造できる。この例としては例えば、炭化水素のハロゲン化物、オレフィン類、スチレン類などを硫酸、リン酸、ケイタングステン酸、フッ化水素酸等の鉱酸、酸性白土、活性白土等の固体酸性物質および塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のハロゲン化金属であるフリーデルクラフツ触媒等の酸触媒の存在下、ビフェニルへ付加する方法等が挙げられる。
アルキルジフェニルアルカンとしては、下記一般式(3)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 0004772284
[式(3)中、R、R10、R11及びR12は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子又は炭素数1〜40の炭化水素基を示し、R、R10、R11又はR12のうち少なくとも1つはアルキル基であり、Rは炭素数1〜8のアルキレン基またはアルケニレン基を示す。]
式(3)中のR、R10、R11およびR12で示される炭化水素基としては、アルキル基の他、アルケニル基、アリール基、アルカリール基、アラルキル基等が挙げられるが、R、R10、R11およびR12は全てアルキル基であることが好ましい。
アルキル基としては、上記アルキルベンゼンの説明において、アルキルベンゼンが有するアルキル基として例示されたものが挙げられる。これらの中でも、炭素数8〜30のアルキル基が好ましく、炭素数10〜20のアルキル基がより好ましい。
また、式(3)で表されるジフェニルアルカンにおいて、R、R10、R11及びR12は同一でも異なっていてもよい。すなわち、R、R10、R11及びR12がすべてアルキル基であるものでもよく、またはR、R10、R11およびR12のうち少なくとも1つがアルキル基であり他は水素原子又はアルキル基以外の炭化水素基であるものでもよい。R、R10、R11及びR12の合計炭素数は、好ましくは8〜50、より好ましくは10〜40である。
、R10、R11およびR12のうち2つ以上が炭化水素基である場合、そのうち少なくとも1つがアルキル基であればその組み合わせは任意であり、RとR10が炭化水素基であるような、同一のベンゼン環に2つの炭化水素基が結合しているものでもよく、また、RとR11が炭化水素基であるような、異なるベンゼン環にそれぞれ1つずつの炭化水素基が結合しているものでもよい。
また、式(3)中のR13は、アルキレン基又はアルケニレン基を示す。このようなR13としては、具体的には例えば、メチレン基;メチルメチレン基(エチリデン基)、エチレン基等の炭素数2のアルキレン基;エチルメチレン基(プロピリデン基)、ジメチルメチレン基(イソプロピリデン基)、メチルエチレン基(プロピレン基)、トリメチレン基等の炭素数3のアルキレン基;n−プロピルメチレン基(ブチリデン基)、イソプロピルメチレン基(イソブチリデン基)、エチルメチルメチレン基、エチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、テトラメチレン基等の炭素数4のアルキレン基;n−ブチルメチレン基(ペンチリデン基)、sec−ブチルメチレン基、イソブチルメチレン基(イソペンチリデン基)、tert−ブチルメチレン基、n−プロピルメチルメチレン基、イソプロピルメチルメチレン基、ジエチルメチレン基、n−プロピルエチレン基、イソプロピルエチレン基、1−エチル−1−メチルエチレン基、1−エチル−2−メチルエチレン基、トリメチルエチレン基、1−エチルトリメチレン基、2−エチルトリメチレン基、1,1−ジメチルトリメチレン基、1,2−ジメチルトリメチレン基、1,3−ジメチルトリメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、1−メチルテトラメチレン基、2−メチルテトラメチレン基、ペンタメチレン基等の炭素数5のアルキレン基;n−ペンチルメチレン基(ヘキシリデン基)、(1−メチルブチル)メチレン基、イソペンチルメチレン基(イソペンチリデン基)、(1,2−ジメチルプロピル)メチレン基、n−ブチルメチルメチレン基、イソブチルメチルメチレン基、エチル−n−プロピルメチレン基、エチルイソプロピルメチレン基、ブチルエチレン基、イソブチルメチレン基、1−(n−プロピル)−1−メチルエチレン基、1−(n−プロピル)−2−メチルエチレン基、1−イソプロピル−1−メチルエチレン基、1−イソプロピル−2−メチルエチレン基、1,2−ジエチルエチレン基、1−エチル−2,2−ジメチルエチレン基、テトラメチルエチレン基、1−n−プロピルトリメチレン基、2−n−プロピルトリメチレン基、1−イソプロピルトリメチレン基、2−イソプロピルトリメチレン基、1−エチル−3−メチルトリメチレン基、1−エチル−2−メチルトリメチレン基、1,1,2−トリメチルトリメチレン基、1,1,3−トリメチルトリメチレン基、1−エチルテトラメチレン基、1,1−ジメチルテトラメチレン基、1,3−ジメチルテトラメチレン基、1,4−ジメチルテトラメチレン基、2,2−ジメチルテトラメチレン基,1−メチルペンタメチレン基、2−メチルペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等の炭素数6のアルキレン基(すべての炭素数6のアルキレン基の異性体を含む);n−ヘキシルメチレン基(ヘプチリデン基)、n−ペンチルエチレン基(ヘプチレン基)等の炭素数7のアルキレン基(すべての炭素数7のアルキレン基の異性体を含む);n−ヘプチルメチレン基(オクチリデン基)、n−ヘキシルエチレン基(オクチレン基)等の炭素数8のアルキレン基(すべての炭素数8のアルキレン基の異性体を含む);ビニリデン基、エテニレン基(ビニレン基)等の炭素数2のアルケニレン基;プロペニレン基、メチレンエチレン基、メチルエテニレン基、1−プロペニリデン基、2−プロペニリデン基等の炭素数3のアルケニレン基;3−メチルプロペニレン基等の炭素数4のアルケニレン基(すべての炭素数4のアルケニレン基の異性体を含む);1−メチル−3−メチレントリメチレン基、3−エチルプロペニレン基、1,3−ジメチルプロペニレン基、2,3−ジメチルプロペニレン基、3,3−ジメチルプロペニレン基等の炭素数5のアルケニレン基(すべての炭素数5のアルケニレン基の異性体を含む);1,1−ジメチル−3−メチレントリメチレン基、1−エチル−3−メチレントリメチレン基、3−エチル−1−メチルプロペニレン基、3−エチル−2−メチルプロペニレン基、1,3,3−トリメチルプロペニレン基、2,3,3−トリメチルプロペニレン基等の炭素数6のアルケニレン基(すべての炭素数6のアルケニレン基の異性体を含む);ヘプテニレン基等の炭素数7のアルケニレン基(すべての炭素数7のアルケニレン基の異性体を含む);オクテニレン基等の炭素数8のアルケニレン基(すべての炭素数8のアルケニレン基の異性体を含む)等が挙げられる。
13としては、炭素数1〜8のアルキレン基またはアルケニレン基が好ましく、炭素数1〜6のアルキレン基およびアルケニレン基がより好ましい。特に好ましいものとしては、メチレン基、メチルメチレン基(エチリデン基)、エチレン基、エチルメチレン基(プロピリデン基)、ジメチルメチレン基(イソプロピリデン基)、メチルエチレン基(プロピレン基)、トリメチレン基等の炭素数1〜3のアルキレン基;ビニリデン基、エテニレン基(ビニレン基)、プロペニレン基、メチレンエチレン基、メチルエテニレン基、1−プロペニリデン基、2−プロペニリデン基等の炭素数2〜3のアルケニレン基;炭素数4〜6のアルキレン基のうち、1−メチルトリメチレン基、1−エチルトリメチレン基、1,1−ジメチルトリメチレン基、1,2−ジメチルトリメチレン基、1,3−ジメチルトリメチレン基、1−エチル−3−メチルトリメチレン基、1−エチル−2−メチルトリメチレン基、1,1,2−トリメチルトリメチレン基、1,1,3−トリメチルトリメチレン基;および炭素数4〜6のアルケニレン基のうち、3−メチルプロペニレン基、1−メチル−3−メチレントリメチレン基、3−エチルプロペニレン基、1,3−ジメチルプロペニレン基、2,3−ジメチルプロペニレン基、3,3−ジメチルプロペニレン基、1,1−ジメチル−3−メチレントリメチレン基、1−エチル−3−メチレントリメチレン基、3−エチル−1−メチルプロペニレン基、3−エチル−2−メチルプロペニレン基、1,3,3−トリメチルプロペニレン基、2,3,3−トリメチルプロペニレン基;等が挙げられる。
上記のジフェニルアルカンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。2種以上のジフェニルアルカンの混合物を用いる場合、当該混合物の平均分子量は、200〜500であることが好ましい。
ジフェニルアルカンの製造方法は任意であり、種々の公知の方法で製造できるが、そのいくつかの例を次に示す。
例えば、スチレン、α−,β−メチルスチレン、エチルスチレン等のスチレン類を、酸触媒の存在下でアルキルベンゼンへ付加することにより、ジフェニルアルカンを得ることができる。酸触媒としては、硫酸、リン酸等の鉱酸、酸性白土、活性白土等の固体酸性物質およびハロゲン化金属であるフリーデルクラフツ触媒等が使用できる。
また、アルキルジフェニルアルカンは、適当な酸触媒の存在下、上記スチレン類の重合反応によっても製造される。この際、単一のスチレン化合物を用いてもよく、2種以上のスチレン化合物を用いて共重合させても良い。酸触媒としては、硫酸、リン酸等の鉱酸、酸性白土、活性白土等の固体酸性物質およびハロゲン化金属であるフリーデルクラフツ触媒等が使用できる。普通、この方法で得られる炭化水素化合物は2個のベンゼン環がアルケニレン基によって結合された化合物であるが、本発明ではこのまま用いてもよく、また適当な触媒の存在下でアルケニレン基の水素化処理を行い、アルケニレン基をアルキレン基に変換させた化合物を用いても良い。
また、芳香族化合物のアルキル化に関しては、塩化物のフリーデルクラフツ反応がよく知られているが、ジフェニルアルカンはこの方法によっても製造される。例えば、側鎖アルキル基が塩素化されたアルキルベンゼンを、ハロゲン化金属などの適当なフリーデルクラフツ触媒の存在下で、ベンゼンまたはアルキルベンゼンと反応させることによって本発明に係る炭化水素化合物が得られる。また、ジハロゲン化アルカンとベンゼンまたはアルキルベンゼンとを、ハロゲン化金属などの適当なフリーデルクラフツ触媒の存在下で、カップリングする方法も挙げられる。
アルキルジフェニルアルカンは、R〜R12で表されるアルキル基を有するアルキルベンゼンを用いて上記の方法等で製造されてもよいし、上記の方法等で製造されたジフェニルアルカンにR〜R12で表されるアルキル基を種々の方法で付加させても製造される。
本発明においては、アルキル基を有する芳香族化合物として、上述したアルキルベンゼン、アルキルナフタレン、アルキルビフェニル及びアルキルジフェニルアルカンのうちの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。これらの中では、スラッジ析出低減効果により優れることから、アルキルベンゼン又はアルキルナフタレンが特に好ましく、アルキルナフタレンが最も好ましい。
本発明で使用されるアルキル基を有する芳香族化合物の粘度は特に限定されないが、その40℃における動粘度は、好ましくは10〜100mm2/s、より好ましくは20〜80mm2/s、更に好ましくは25〜60mm2 /sである。
本発明において、上記の高度精製鉱油とアルキル基を有する芳香族化合物との含有量の比は特に制限されないが、粘度−温度特性の点から、高度精製鉱油及びアルキル基を有する芳香族化合物の合計量を基準として、高度精製鉱油が60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。また、スラッジ析出低減効果の点から、高度精製鉱油及びアルキル基を有する芳香族化合物の合計量を基準として、高度精製鉱油が95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。
言い換えれば、アルキル基を有する芳香族化合物の含有量は、粘度−温度特性の点からは、高度精製鉱油及びアルキル基を有する芳香族化合物の合計量を基準として、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。また、スラッジ析出低減効果の点からは、高度精製鉱油及びアルキル基を有する芳香族化合物の合計量を基準として、アルキル基を有する芳香族化合物の含有量が5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。
また、本発明の潤滑油組成物は、酸化防止剤を含有する。かかる酸化防止剤としては、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、ジチオリン酸亜鉛等の有機金属系酸化防止剤などが挙げられる。これらの中でも、高温での酸化防止性能をより長期にわたって維持できることから、アミン系酸化防止剤及びフェノール系酸化防止剤が好ましく、アミン系酸化防止剤がより好ましい。
アミン系化合物としては、フェニル−α−ナフチルアミン系化合物、ジアルキルジフェニルアミン系化合物、ベンジルアミン系化合物、及びポリアミン系化合物が挙げられ、中でもフェニル−α−ナフチルアミン系化合物、アルキルジフェニルアミン系化合物が好ましい。
フェニル−α−ナフチルアミン系化合物としては、下記一般式(4)で表されるフェニル−α−ナフチルアミンが好ましく用いられる。
Figure 0004772284
[式(4)中、R14は水素原子又は炭素数1〜16の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基を示す。]
一般式(4)中のR14がアルキル基である場合、当該アルキル基は前述の通り炭素数1〜16の直鎖上又は分岐状のものである。このようなアルキル基としては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシ基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、及びヘキサデシル基等(これらのアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い)が挙げられる。なお、R14の炭素数が16を超える場合には分子中に占める官能基の割合が小さくなり、酸化防止性能に悪影響を与える恐れがある。
一般式(4)中のR14がアルキル基である場合、溶解性に優れる点から、R14は、炭素数8〜16の分枝アルキル基が好ましく、さらに炭素数3又は4のオレフィンのオリゴマーから誘導される炭素数8〜16の分枝アルキル基がより好ましい。炭素数3又は4のオレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン及びイソブチレンが挙げられるが、溶解性に優れる点から、プロピレン又はイソブチレンが好ましい。更に優れた溶解性を得るためには、R14は、イソブチレンの2量体から誘導される分枝オクチル基、プロピレンの3量体から誘導される分枝ノニル基、イソブチレンの3量体から誘導される分枝ドデシル基、プロピレンの4量体から誘導される分枝ドデシル基又はプロピレンの5量体から誘導される分枝ペンタデシル基がさらにより好ましく、イソブチレンの2量体から誘導される分枝オクチル基、イソブチレンの3量体から誘導される分枝ドデシル基又はプロピレンの4量体から誘導される分枝ドデシル基が特に好ましい。
一般式(4)で表されるフェニル−α−ナフチルアミンとしては、市販のものを用いても良く、また合成物を用いても良い。合成物は、フリーデル・クラフツ触媒を用いて、フェニル−α−ナフチルアミンと炭素数1〜16のハロゲン化アルキル化合物との反応、あるいはフェニル−α−ナフチルアミンと炭素数2〜16のオレフィン又は炭素数2〜16のオレフィンオリゴマーとの反応を行うことにより容易に合成することができる。フリーデル・クラフツ触媒としては、具体的には例えば、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化鉄等の金属ハロゲン化物;硫酸、リン酸、五酸化リン、フッ化ホウ素、酸性白土、活性白土等の酸性触媒;等を用いることができる。
ジアルキルジフェニルアミン系化合物としては、下記一般式(5)で表されるp,p’−ジアルキルジフェニルアミンが好ましく用いられる。
Figure 0004772284
[式(5)中、R15及びR16は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜16のアルキル基を示す。]
15及びR16で表されるアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシ基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基等(これらのアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い)が挙げられる。これらの中でも、高温での酸化防止性をより長期にわたって維持できる点から、R15及びR16としては、炭素数3〜16の分枝アルキル基が好ましく、炭素数3又は4のオレフィン又はそのオリゴマーから誘導される炭素数3〜16の分枝アルキル基がより好ましい。炭素数3又は4のオレフィンとしては、具体的にはプロピレン、1−ブテン、2−ブテン及びイソブチレン等が挙げられるが、高温での酸化防止性をより長期にわたって維持できる点から、プロピレン又はイソブチレンが好ましい。また、R15又はR16としては、更に優れた酸化防止性が得られることから、それぞれプロピレンから誘導されるイソプロピル基、イソブチレンから誘導されるtert−ブチル基、プロピレンの2量体から誘導される分枝ヘキシル基、イソブチレンの2量体から誘導される分枝オクチル基、プロピレンの3量体から誘導される分枝ノニル基、イソブチレンの3量体から誘導される分枝ドデシル基、プロピレンの4量体から誘導される分枝ドデシル基又はプロピレンの5量体から誘導される分枝ペンタデシル基がさらにより好ましく、イソブチレンから誘導されるtert−ブチル基、プロピレンの2量体から誘導される分枝ヘキシル基、イソブチレンの2量体から誘導される分枝オクチル基、プロピレンの3量体から誘導される分枝ノニル基、イソブチレンの3量体から誘導される分枝ドデシル基又はプロピレンの4量体から誘導される分枝ドデシル基が最も好ましい。
なお、R15及びR16の一方又は双方が水素原子である化合物を用いると、当該化合物自体の酸化によりスラッジが発生する恐れがある。また、アルキル基の炭素数が16を超える場合には、分子中に占める官能基の割合が小さくなり、高温での酸化防止性が低下する恐れがある。
一般式(5)で表されるp,p’−ジアルキルジフェニルアミンは市販のものを用いても良く、また合成物を用いても良い。合成物は、フリーデル・クラフツ触媒を用い、ジフェニルアミンと炭素数1〜16のハロゲン化アルキル化合物とジフェニルアミンとの反応、あるいはジフェニルアミンと炭素数2〜16のオレフィン又は炭素数2〜16のオレフィン又はこれらのオリゴマーとの反応を行うことにより容易に合成することができる。フリーデル・クラフツ触媒としては、フェニル−α−ナフチルアミンの説明において例示された金属ハロゲン化物や酸性触媒等が用いられる。
上記一般式(4)、(5)で表される化合物はいずれも芳香族アミンである。これらの芳香族アミンは1種を単独で用いても良いし、構造の異なる2種以上の混合物を用いても良いが、高温での酸化防止性をより長期にわたって維持できることから、一般式(4)で表されるフェニル−α−ナフチルアミンと一般式(5)で表されるp,p’−ジアルキルジフェニルアミンとを併用することが好ましい。この場合の混合比は任意であるが、質量比で1/10〜10/1の範囲にあることが好ましい。
フェノール系化合物としては、潤滑油の酸化防止剤として用いられる任意のアルキルフェノール系化合物が使用可能であり、特に限定されるものではないが、例えば、下記の一般式(6)、一般式(7)及び一般式(8)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種のアルキルフェノール化合物が好ましいものとして挙げられる。
Figure 0004772284
[式(6)中、R17は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R18は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R19は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、下記一般式(i)又は(ii):
Figure 0004772284
(一般式(i)中、R20は炭素数1〜6のアルキレン基を示し、R21は炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基を示す。)
Figure 0004772284
(一般式(ii)中、R22は炭素数1〜6のアルキレン基を示し、R23は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R24は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、kは0又は1を示す。)
で表される基を示す。]
Figure 0004772284
[一般式(7)中、R25及びR27は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示し、R26及びR28は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R29及びR30は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Aは炭素数1〜18のアルキレン基又は下記の一般式(iii):
−R31−S−R32− (iii)
(一般式(iii)中、R31及びR32は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を示す)
で表される基を示す。]
Figure 0004772284
一般式(8)中、R33は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R34は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R35は炭素数1〜6のアルキレン基又は下記一般式(iv):
Figure 0004772284
(一般式(iv)中、R36及びR37は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を示す。)
で表される基を示す。]
上記一般式(6)で表される化合物において、R19が一般式(i)で表される基である化合物の場合、一般式(i)中のR20が炭素数1〜2のアルキレン基であり、R21が炭素数6〜12の直鎖状又は分枝状アルキル基であるものがより好ましく、一般式(i)のR20が炭素数1〜2のアルキレン基であり、R21が炭素数6〜12の分枝状アルキル基であるものが特に好ましい。
一般式(6)で表される化合物の中で好ましいものを以下に示す。
19が炭素数1〜4のアルキル基である場合の化合物の例としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール等を挙げることができる。
19が一般式(i)で表される基である場合の化合物の例としては、下記のものを挙げることができる。(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ヘキシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソヘキシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ヘプチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソヘプチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−オクチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソオクチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸2−エチルヘキシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ノニル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソノニル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−デシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ウンデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソウンデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ドデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソドデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ヘキシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソヘキシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ヘプチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソヘプチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−オクチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソオクチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸2−エチルヘキシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ノニル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソノニル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−デシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ウンデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソウンデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ドデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソドデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ヘキシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソヘキシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ヘプチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソヘプチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−オクチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソオクチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸2−エチルヘキシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ノニル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソノニル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−デシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ウンデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソウンデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ドデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソドデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ヘキシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソヘキシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ヘプチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソヘプチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−オクチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソオクチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸2−エチルヘキシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ノニル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソノニル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−デシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ウンデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソウンデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ドデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソドデシル等が挙げられる。
19が一般式(ii)で表される基である場合の化合物の例としては、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン等;及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
次に、一般式(7)で表されるアルキルフェノールについて説明する。
一般式(7)中のAが炭素数1〜18のアルキレン基である場合の特に好ましい化合物は、下記式(7−1)で表される化合物である。
Figure 0004772284
また、一般式(7)中のAが式(iii)で表される基である場合の特に好ましい化合物は、下記式(7−2)で表される化合物である。
Figure 0004772284
次に、一般式(8)で表されるアルキルフェノールについて説明する。
一般式(8)で表されるアルキルフェノールとして特に好ましいものは、具体的には、下記式(8−1)又は(8−2)で表される化合物である。
Figure 0004772284
Figure 0004772284
酸化防止剤の含有量は、組成物全量を基準として、好ましくは0.02〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%である。酸化防止剤の含有量が0.02質量%未満の場合には酸化安定性や熱安定性が不十分となる傾向にある。一方、5質量%を超える場合には、含有量に見合う酸化安定性の効果が得られず、経済的にも不利であるため好ましくない。
本発明の潤滑油組成物は、上記の高度精製鉱油及びアルキル基を有する芳香族化合物、並びに酸化防止剤のみからなるものであってもよいが、その耐摩耗性、耐荷重性を向上させるために、リン系極圧剤及び/又はホスフォロチオネートを更に含有してもよい。
リン系極圧剤としては、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、塩素化リン酸エステル、亜リン酸エステルが好ましく用いられる。
リン酸エステルとしては、具体的には例えば、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリヘプチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリノニルホスフェート、トリデシルホスフェート、トリウンデシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、トリトリデシルホスフェート、トリテトラデシルホスフェート、トリペンタデシルホスフェート、トリヘキサデシルホスフェート、トリヘプタデシルホスフェート、トリオクタデシルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、及びキシレニルジフェニルホスフェートなどが挙げられる。
酸性リン酸エステルの具体例としては、モノブチルアシッドホスフェート、モノペンチルアシッドホスフェート、モノヘキシルアシッドホスフェート、モノヘプチルアシッドホスフェート、モノオクチルアシッドホスフェート、モノノニルアシッドホスフェート、モノデシルアシッドホスフェート、モノウンデシルアシッドホスフェート、モノドデシルアシッドホスフェート、モノトリデシルアシッドホスフェート、モノテトラデシルアシッドホスフェート、モノペンタデシルアシッドホスフェート、モノヘキサデシルアシッドホスフェート、モノヘプタデシルアシッドホスフェート、モノオクタデシルアシッドホスフェート、モノオレイルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジペンチルアシッドホスフェート、ジヘキシルアシッドホスフェート、ジヘプチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジノニルアシッドホスフェート、ジデシルアシッドホスフェート、ジウンデシルアシッドホスフェート、ジドデシルアシッドホスフェート、ジトリデシルアシッドホスフェート、ジテトラデシルアシッドホスフェート、ジペンタデシルアシッドホスフェート、ジヘキサデシルアシッドホスフェート、ジヘプタデシルアシッドホスフェート、ジオクタデシルアシッドホスフェート、及びジオレイルアシッドホスフェートなどが挙げられる。
酸性リン酸エステルのアミン塩としては、前記酸性リン酸エステルのメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、及びトリオクチルアミンなどのアミンとの塩が挙げられる。
塩素化リン酸エステルとしては、トリス・ジクロロプロピルホスフェート、トリス・クロロエチルホスフェート、トリス・クロロフェニルホスフェート、及びポリオキシアルキレン・ビス[ジ(クロロアルキル)]ホスフェートなどが挙げられる。
亜リン酸エステルとしては、ジブチルホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、ジヘプチルホスファイト、ジオクチルホスファイト、ジノニルホスファイト、ジデシルホスファイト、ジウンデシルホスファイト、ジドデシルホスファイト、ジオレイルホスファイト、ジフェニルホスファイト、ジクレジルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリペンチルホスファイト、トリヘキシルホスファイト、トリヘプチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリウンデシルホスファイト、トリドデシルホスファイト、トリオレイルホスファイト、トリフェニルホスファイト、及びトリクレジルホスファイトなどが挙げられる。
ホスフォロチオネートとしては、具体的には、トリブチルホスフォロチオネート、トリペンチルホスフォロチオネート、トリヘキシルホスフォロチオネート、トリヘプチルホスフォロチオネート、トリオクチルホスフォロチオネート、トリノニルホスフォロチオネート、トリデシルホスフォロチオネート、トリウンデシルホスフォロチオネート、トリドデシルホスフォロチオネート、トリトリデシルホスフォロチオネート、トリテトラデシルホスフォロチオネート、トリペンタデシルホスフォロチオネート、トリヘキサデシルホスフォロチオネート、トリヘプタデシルホスフォロチオネート、トリオクタデシルホスフォロチオネート、トリオレイルホスフォロチオネート、トリフェニルホスフォロチオネート、トリクレジルホスフォロチオネート、トリキシレニルホスフォロチオネート、クレジルジフェニルホスフォロチオネート、キシレニルジフェニルホスフォロチオネート、トリス(n−プロピルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(n−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(イソブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(s−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート等、が挙げられる。また、これらの混合物も使用できる。
これらの化合物の中でも、極圧性等の諸性状に優れる点から、リン酸エステル及び亜リン酸エステルが好ましい。
リン系極圧剤を用いる場合の含有量の合計は、酸化安定性及び極圧性能の点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上である。また、それ以上含有させても含有量に見合うだけの効果が期待できない場合があり、さらにスラッジ生成に関して悪影響を及ぼす可能性があることから、含有量の合計は、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは2質量%以下である。
また、本発明の潤滑油組成物は、リン含有カルボン酸化合物を更に含有することが好ましい。リン含有カルボン酸化合物としては、同一分子中にカルボキシル基とリン原子の双方を含んでいればよく、その構造は特に制限されない。しかしながら極圧性能及び熱・酸化安定性の点から、ホスホリル化カルボン酸が好ましい。
ホスホリル化カルボン酸としては、例えば下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004772284
[式(9)中、R38及びR39は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、R40は炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R41は水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、炭素数X、X、X及びXは同一でも異なっていてもよく、それぞれ酸素原子又は硫黄原子を示す。]
一般式(9)中、R38及びR39はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。炭素数1〜30の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アルキルビシクロアルキル基、アルキルトリシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、ビシクロアルキルアルキル基、トリシクロアルキルアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基等が挙げられる。また、R38とR39が結合して下記一般式(10)で表される2価の基を形成してもよい。なお、当該2価の基の2個の結合手はそれぞれX、Xと結合するものである。
Figure 0004772284
[式(10)中、R42及びR43は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R及びRの双方がメチル基であることが好ましい。]
及びRとしては、これらの中でもアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、トリシクロアルキルアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、RとRとが結合した上記一般式(10)で表されるような2価の基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
38、R39としてのアルキル基は直鎖状又は分枝状のいずれであってもよい。また、当該アルキル基の炭素数は1〜18であることが好ましい。このようなアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、3−ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、2−エチルブチル基、1−メチルフェニル基、1,3−ジメチルブチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘキシル基、イソヘプチル基、1−メチルヘプチル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基及び1−メチルウンデシル基などが挙げられる。これらの中でも炭素数3〜18のアルキル基が好ましく、炭素数3〜8のアルキル基がより好ましい。
38、R39としてのシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基又はシクロドデシル基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数5又は6のシクロアルキル基(シクロペンチル基及びシクロヘキシル基)が好ましく、とりわけシクロヘキシル基が好ましい。
38、R39としてのシクロアルキルアルキル基としては、シクロアルキルメチル基が好ましく、炭素数6又は7のシクロアルキルメチル基がより好ましく、シクロペンチルメチル基及びシクロヘキシルメチル基が特に好ましい。
38、R39としてのビシクロアルキルアルキル基としては、ビシクロアルキルメチル基が好ましく、炭素原子数9〜11のビシクロアルキルメチル基がより好ましく、デカリニルメチル基が特に好ましい。
38、R39としてのトリシクロアルキルアルキル基としては、トリシクロアルキルメチル基が好ましく、炭素原子数9〜15のトリシクロアルキルメチル基がより好ましく、下記式(11)又は(12)で表される基が特に好ましい。
Figure 0004772284
Figure 0004772284
38、R39としてのアリール基及びアルキルアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、ビニルフェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、第三ブチルフェニル基、ジ−第三ブチルフェニル基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数6〜15のアリール基及びアルキルアリール基が好ましい。
40は炭素数1〜20のアルキレン基を示す。かかるアルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜10、より好ましくは2〜6、さらに好ましくは3〜4である。また、このようなアルキレン基としては、下記一般式(13)で表されるものが好ましい。
Figure 0004772284
一般式(13)中、R44、R45、R46及びR47は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を示し、R44、R45、R46及びR47の炭素数の合計は6以下である。また、好ましくは、R44、R45、R46及びR47は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基を示し、R44、R45、R46及びR47の炭素数の合計は5以下である。さらに好ましくは、R44、R45、R46及びR47は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1又は2の炭化水素基を示し、R44、R45、R46及びR47の炭素数の合計は4以下である。特に好ましくは、R44、R45、R46及びR47は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜2の炭化水素基を示し、R44、R45、R46及びR47の炭素数の合計は3以下である。最も好ましくは、R46又はR47のいずれかがメチル基であり残りの3基が水素原子である。
また、一般式(9)中のR41は、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示す。かかる炭化水素基としては、R38及びR39の説明において例示された炭化水素基が挙げられる。
また、一般式(9)中のX、X、X及びXは同一でも異なっていてもよく、それぞれ酸素原子又は硫黄原子を示す。極圧性の点からは、X、X、X又はXのうち1つ以上が硫黄原子であることが好ましく、2つ以上が硫黄原子であることがより好ましく、2つが硫黄原子であり且つ残りの2つが酸素原子であることがさらに好ましい。この場合、X、X、X又はXのうちいずれが硫黄原子であるかは任意であるが、
及びXが酸素原子であり且つX及びXが硫黄原子であることが好ましい。
以上、一般式(9)中の各基について説明したが、より極圧性に優れることから、下記一般式(14)で表されるβ−ジチオホスホリル化プロピオン酸が好ましく使用される。
Figure 0004772284
[式(14)中、R38、R39はそれぞれ式(9)中のR38、R39と同一の定義内容を示し、R44、R45、R46、R47はそれぞれ(13)中のR44、R45、R46、R47と同一の定義内容を示す。]
本発明の潤滑油組成物におけるリン含有カルボン酸化合物の含有量は特に制限されないが、組成物全量基準で、好ましくは0.001〜1質量%、より好ましくは0.002〜0.5質量%である。リン含有カルボン酸化合物の含有量が前記下限値未満では十分な潤滑性が得られない傾向にある。一方、前記上限値を超えても含有量に見合う潤滑性向上効果が得られない傾向にあり、更には熱・酸化安定性や加水分解安定性が低下するおそれがあるので好ましくない。なお、一般式(9)で表されるホスホリル化カルボン酸のうち、Rが水素原子である化合物(一般式(14)で表されるβ−ジチオホスホリル化プロピオン酸を含む)の含有量については、好ましくは0.001〜0.1質量%、より好ましくは0.002〜0.08質量%、更に好ましくは0.003〜0.07質量%、一層好ましくは0.004〜0.06質量%、特に好ましくは0.005〜0.05質量%である。当該含有量が0.001未満の場合は極圧性向上効果が不十分となるおそれがあり、一方、0.1質量%を超えると熱・酸化安定性が低下するおそれがある。
さらに、本発明の潤滑油組成物は、その耐摩耗性及び摩擦特性をさらに向上させるために、油性剤をさらに含有させてもよい。油性剤としては、エステル油性剤、1価アルコール油性剤、カルボン酸油性剤、エーテル油性剤などが挙げられる。
本発明の潤滑油組成物には、更にその各種性能を高める目的で、公知の潤滑油添加剤の1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。かかる添加剤としては、例えば、ジチオリン酸亜鉛系、フェノチアジン系等の酸化防止剤;エステル系等のさび止め剤;ポリアクリレート等のアクリレート系又はアルキルポリシロキサン等のシロキサン系などの消泡剤;ベンゾトリアゾール又はその誘導体等の金属不活性化剤;ポリメタクリレート、ポリイソブチレン、オレフィンコポリマー、ポリスチレン等の流動点降下剤などが挙げられる。これらの添加剤を用いる場合の含有量は任意であるが、組成物全量基準で、さび止め剤の場合は0.01〜0.1質量%、消泡剤の場合は0.0005〜1質量%、金属不活性化剤の場合は0.005〜1質量%、その多の添加剤の場合はそれぞれ0.1〜15質量%が好ましい。
上記構成を有する本発明の潤滑油組成物は、熱・酸化安定性の向上とスラッジの低減との双方を高水準で達成することができるものであり、高温用途の潤滑油組成物として非常に有用である。ここでいう高温用途に関して、使用温度は特に制限されないが、循環使用される潤滑油組成物のタンクの油温が継続的に60℃以上となる場合に本発明による上述の効果が発揮され、更には当該油温が80℃以上となる場合により優れた効果が発揮されるため好ましく、当該油温が100℃以上となる場合には一層優れた効果が発揮されるためより好ましい。このような高温用途としては、摺動条件の厳しいガスタービンや圧縮機(特に回転型圧縮機)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1〜3、比較例1〜2]
実施例1〜3及び比較例1〜2においては、それぞれ以下に示す基油及び添加剤を用いて、表1に示す組成を有する潤滑油組成物を調製した。
(基油)
A1:高度精製鉱油(飽和分の含有量:90.2質量%、全芳香族分の含有量:9.5質量%、レジン分:0.3質量%、飽和分中のイソパラフィン類及び一環ナフテン類の合計の含有量:66.1質量%、飽和分中の二環以上のナフテン類の含有量:33.9質量%、塩基性窒素の含有量:3質量ppm未満、粘度指数:122、流動点:−15℃)
A2:溶剤精製鉱油(全芳香族分の含有量:20.3質量%、飽和分中のイソパラフィン類及び一環ナフテン類の合計の含有量:68.3質量%、塩基性窒素の含有量:31質量ppm、粘度指数:98、流動点:−10℃)
(アルキル基を有する芳香族化合物)
B1:炭素数16又は18のアルキル基(等モル比)を1〜2個有するアルキルナフタレン
(酸化防止剤)
C1:ドデシルフェニル−α−ナフチルアミン
C2:(オクチルフェニル)(ブチルフェニル)アミン
(リン系極圧剤)
D1:トリクレジルホスフェート
(リン含有カルボン酸化合物)
E1:β−ジチオホスホリル化プロピオン酸。
次に、実施例1〜3及び比較例1〜2の各潤滑油組成物について以下の試験を実施した。
[酸化安定度試験]
JIS−K−2514に規定される回転ボンベ式酸化安定性試験方法(RBOT)に準拠して酸化安定度試験を行った。すなわち試験は銅触媒を入れた試料容器に試料50gと蒸留水5mlを採り、圧力容器内にセットした後に酸素を620kPaまで圧入し、150℃で酸化試験を行い、最高圧力から172kPaの圧力降下が起こるまでの時間を試料油の酸化寿命とした。得られた結果を表1に示す。
[スラッジ生成抑制性試験]
図1に示す高温ポンプ循環試験設備により、各潤滑油組成物をピストンポンプを用いて7MPa、120℃で循環し、循環系内にセットしたラインフィルター(3μm)の前後の差圧上昇をモニターした。スラッジがない場合の差圧は約35kPaであるが、スラッジが捕集されると徐々に差圧は上昇する。こうして差圧が100kPaになるまでの運転時間を測定し、スラッジ生成防止性の尺度とした。得られた結果を表1に示す。なおこの運転時間の数値は大きいほどスラッジ生成抑制性に優れることを示す。
[耐摩耗性試験]
シェル式四球摩耗試験法により耐摩耗性評価試験を実施した。具体的には、1/2インチ鋼球、1200rpm、30kgf、30分の条件で摩耗試験を行い、鋼球3個の摩耗量を重量の変化量として測定した。得られた結果を表1に示す。
[極圧性能試験]
ASTM D5182に準拠した方法により、各潤滑油組成物の極圧性能を評価した。得られた結果を表1に示す。
Figure 0004772284
実施例で用いた高温ポンプ循環試験設備を示す説明図である。

Claims (4)

  1. 全芳香族分の含有量が0〜15質量%、飽和分中のイソパラフィン類及び一環ナフテン類の合計の含有量が50質量%以上、塩基性窒素の含有量が20質量ppm以下、粘度指数が105以上、流動点が−10℃以下である高度精製鉱油と、炭素数8〜30のアルキル基を1個又は2個有するアルキルナフタレンと、の混合基油、及び酸化防止剤を含有し、該アルキルナフタレンの含有量が、該アルキルナフタレン及び前記高度精製鉱油の合計量を基準として、5〜40質量%であり、前記酸化防止剤がアルキル化フェニル−α−ナフチルアミン及びアルキル化ジフェニルアミンの双方を含有し、高温下で使用されることを特徴とする潤滑油組成物。
  2. リン系極圧剤を更に含有することを特徴とする、請求項1に記載の潤滑油組成物。
  3. 前記リン系極圧剤が正リン酸エステル及び亜リン酸エステルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。
  4. リン含有カルボン酸化合物を更に含有することを特徴とする、請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
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