JP4771341B2 - ドア用下枠フラットサッシ構造 - Google Patents
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Description
そこで、従来技術として、下枠の底部にヒレ状のタイト材を固定して取付けて、そのタイト材を下枠の上面に摺接させることにより、雨水の侵入を防ぎ、水密性を図っているものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、ドアはその吊元側で、ビス止めされたヒンジ(蝶番)によって、通常、サッシ縦枠の上下の二箇所に固定されているが、長年の使用により、ドア自体の重みで徐々にドア自体が戸先側に傾いてくる(若しくは戸先側が垂れ下がるように変形する)という現象が生ずる。この際、ドアの下框と下枠上面との隙間において、戸先側下框と下枠上面との隙間が狭くなるのに対し、吊元側下框と下枠上面との隙間が広がってくるので、隙間が広がる吊元側下框と下枠上面との間で、水密性が低下し易く、それにより、雨水が室内に侵入してくる虞がある。他方、隙間が狭くなる戸先側下框と下枠上面との間で、タイト材が下枠上面を押圧する力が強くなることにより、ドアの開閉がしづらくなるという問題も生じる。
さらに、上述したタイト材のへたりやドアの傾きによる水密性の低下を防止するために、タイト材の長さや下枠上面との当接角度を調整する調整機構が取付けられているが、この調整機構は、ビスを多数箇所にわたって、緩めたり閉めたりして調整する困難な作業を伴うものであり、とても容易にできるものではない。
そこで、本発明の主たる課題は、タイト材の調整や交換を必要とせずに、長期間にわたって、ドアの下框と下枠上面との隙間から侵入する雨水を確実に防止し、ドアの開閉に支障を生じさせないドア用下枠フラットサッシ構造を提供することにある。
<請求項1記載の発明>
請求項1記載の発明は、ドア枠の内周面に開閉可能なドアを備えたドア用下枠フラットサッシ構造であって、
前記ドア枠は、吊元側縦枠、戸先側縦枠、上枠及び下枠から構成され、
前記ドアの底部室外側には、水切りタイト材が備えられ、
前記ドアの底部室内側には、前記ドアの開閉によって、出没する可動タイト材が備えられ、
前記下枠は、下枠本体と、下枠の上面を構成する上面構成部材と、を備えており、前記下枠を室外側から室内側に見て、前記下枠の上面は、下枠本体の室外側上面部と、前記上面構成部材の上面部と、下枠本体の室内側上面部と、から構成され、
前記上面構成部材は、前記下枠に設けられた嵌合部と、前記上面構成部材に設けられた被嵌合部で嵌合され嵌脱自在とされ、
前記下枠には、前記室外側上面部と前記上面構成部材との間に排水溝が形成され、
ドアを閉じた状態で、前記水切りタイト材が前記排水溝に臨み、前記可動タイト材が前記上面構成部材の上面部と、前記上面構成部材の被嵌合部と、前記室内側上面部とに当接するように構成され、
前記下枠の上面の吊元側端部及び戸先側端部には、それぞれ前記吊元側縦枠の下部及び前記戸先側縦枠の下部に密接する下枠タイトブロックが配設され、
ドアを閉じた状態において、前記下枠タイトブロックは、それぞれ前記可動タイト材の吊元側端部及び戸先側端部の室内側側面に当接し、
前記下枠の上面の吊元側端部及び戸先側端部に、雨水を排出するための切欠部が形成されている、
ことを特徴とするドア用下枠フラットサッシ構造である。
ドアを閉じた状態で、水切りタイト材が排水溝に臨んでいる構成により、ドアの室外面に吹き付けられ、ドアの下方(底部)方向に流下していった雨水のうち、その底部をつたって室内に侵入しようとする雨水や、下枠に直接吹き付けられた雨水を、まず、この水切りタイト材によって侵入を防ぐことができ、さらに、これら雨水を排水溝に排出させることにより止水性を高めている。
また、水切りタイト材や排水溝を越えて室内側に侵入してきた雨水については、可動タイト材により、さらなる侵入を防ぎ、室内への雨水の侵入防止性能を高めている。
ドアの底部室内側に設けられたタイト材(可動タイト材)が出没する構成であることにより、ドアの開閉に伴うタイト材(可動タイト材)と下枠上面との擦れ合いが生じることがないので、このタイト材(可動タイト材)にへたりが生じることがないため、長期間安定した水密性を確保することができる。また、長年の使用によるドア自体の重みで徐々にドア自体が戸先側に傾いてくる(若しくは戸先側が垂れ下がるように変形する)という現象があった場合でも、タイト材(可動タイト材)がドアの開閉に伴って出没するので、ドアの開閉に支障が生じず、水切りタイト材や排水溝を越えて室内側に侵入してきた雨水については、可動タイト材により、さらなる侵入を防ぎ、室内への雨水の侵入防止性能を高めている。
上面構成部材が、下枠本体と嵌脱自在であることから、 下枠の上面を構成する上面構成部材が、下枠本体と嵌脱自在であることにより、上面構成部材を取外すことによって、下枠に形成された排水溝の清掃等を容易に行うことができる。また、嵌脱自在とすることで、上面構成部材の形態の選択ができ、それに伴う加工が容易に行える。例えば、上面構成部材の上面部21Aに排水孔や滑り止めを設けたり、目的に応じて様々な加工を施したものを取付けたり、様々な形態の上面構成部材を選択し取付けることができる。
可動タイト材が上面構成部材の上面部と、前記上面構成部材の嵌合部と、前記室内側上面部とに当接することから、上部室外側中空部内に入った雨水の上面構成部材の上面部への浸入を防止することができる。
下枠に設けられた排水溝並びに可動タイト材及び下枠タイトブロックにより形成される下枠タイトラインによって、この水切りタイト材を超えて室内側に侵入してきた雨水の侵入を防ぐことができるため、室内への雨水の侵入防止性能を高めることができる。
下枠の上面にそれぞれ吊元側切欠部、戸先側切欠部を設けることによって、下枠上面の長手方向の両端部部分に雨水が滞留しないようにしている。そのため、下枠タイトラインの負担を軽減させると共に、室内への雨水の侵入防止性能を高めることができる。
請求項2記載の発明は、前記水切りタイト材は、ドアを閉じた状態で、前記下枠の上面に摺接するように構成された、請求項1記載のドア用下枠フラットサッシ構造である。
下枠の上面に摺接するように構成すれば、より安定した水切り効果や水密性能を確保することができる。
請求項3記載の発明は、前記排水溝は、ドアを閉じた状態で、前記水切りタイト材よりも室外側に形成された、請求項1又は2記載のドア用下枠フラットサッシ構造である。
水切りタイト材よりも室外側に、下枠に排水溝が形成されていることにより、水切りタイト材の表面を流れる雨水をそのまま排水溝に排水させることができ、止水性を高めることができる。
請求項4記載の発明は、前記上面構成部材の上面部に、排水孔が形成された、請求項1乃至3のいずれか1項記載のドア用下枠フラットサッシ構造である。
上面構成部材の上面部に排水孔が形成されることにより、下枠の排水溝を超えて侵入してきた雨水をこの排水孔により排水できるので、止水性がさらに向上する。
請求項5記載の発明は、前記上面構成部材の上面部には、その室外側端部に、排水溝に向かって下方に傾斜する水勾配が形成された、請求項1乃至4のいずれか1項記載のドア用下枠フラットサッシ構造である。
上面構成部材の上面部の室外側端部に、排水溝に向けて下方に傾斜する水勾配を形成することにより、上面構成部材の上面部への雨水の滞留を防止することができる。
請求項6記載の発明は、前記可動タイト材は、該可動タイト材長手方向に沿って往復移動可能なロッドと、該ロッドに一端を固定された弾性体と、を備えた可動タイト材作動装置に収納可能とされ、ドアを閉じる際に、前記ロッドが押圧されることにより、前記可動タイト材が下降して前記下枠の上面を押圧し、ドアを開く際に、前記ロッドが開放されることにより、前記可動タイト材が上昇して、該可動タイト材は前記ドア底部内に収納される構成とされる、請求項1乃至5のいずれか1項記載のドア用下枠フラットサッシ構造である。
下枠タイトラインの一部を形成する可動タイト材と下枠上面との当接は、弾性体の押圧力を伴っているので、高い水密性が確保される。
また、長年の使用によるドア自体の重みで徐々にドア自体が戸先側に傾いてくる(若しくは戸先側が垂れ下がるように変形する)という現象があった場合でも、タイト材(可動タイト材)が、この可動タイト材作動装置により、ドアの開閉に伴って上下移動するので、ドアの開閉に支障が生じない。他方、下枠タイトラインの一部を形成する可動タイト材と下枠上面との弾性体に起因する押圧力を伴う当接により、ドアの底部面と下枠上面との吊元側と戸先側での隙間の広狭に関係なく、下枠上面に対して均等に当接させることができ、長期間安定した水密性を確保することができる。そして、可動タイト材作動装置を備えていることにより、タイト材の高さや下枠上面との当接角度を調整する作業を必要としない。
請求項7記載の発明は、前記ドア枠の吊元側縦枠及び戸先側縦枠には、前記ドアの吊元側縦框の室内面の吊元側端部及び戸先側縦框の室内面の戸先側端部にそれぞれ当接する縦タイト材が配設され、かつ該縦タイト材の下端は前記下枠タイトブロックにそれぞれ密接されており、それぞれの縦タイト材によって形成される縦タイトラインと、前記下枠タイトラインと、が略同一平面上に形成されている、請求項1乃至6のいずれか1項記載のドア用下枠フラットサッシ構造。
縦タイト材によって形成される縦タイトラインと、下枠タイトラインと、が略同一平面上に形成されていることにより、高い水密性を確保できる。
本発明に係るドア用下枠フラットサッシ構造の全体概要について、図1乃至3、図5に基づき説明する。なお、図1は本発明の一実施例のドア用下枠フラットサッシの横断面図であり、図2はそのドア用下枠フラットサッシの縦断面図であり、図3は室内側から見たドア用下枠フラットサッシの正面図であり、図5は室外側にグレーチング装置を装着したドア用下枠フラットサッシの縦断面図である。
本発明に係るドア用下枠フラットサッシ構造は、サッシ枠(ドア枠)とドアとを備えている。サッシ枠は、下枠1、上枠2、吊元側縦枠3及び戸先側縦枠4で枠体が構成され、このサッシ枠の内周に、下框5、上框6、吊元側縦框7及び戸先側縦框8で構成されたドアが装着されることで、ドア用下枠フラットサッシ構造が形成される。図5に示すように、このドア用下枠フラットサッシ構造の下枠1に、グレーチング受材30を取付け、このグレーチング受材30上にグレーチング31を載置することにより、室内の床面(図示せず)から、下枠1の上面、グレーチング31上面、そしてバルコニー等内に配設されたウッドデッキ32等までを略フラットに形成することができる。
ドアについて、主に図1乃至5、図7(1),(2)及び図11(1),(2)に基づき説明する。なお、図4はドアの内周面に装着される中桟の縦断面図である。なお、図7(1)は下枠上面と水切りタイト材及び可動タイト材との配置関係を説明するための配置図であり、図7(2)は、その縦断面図であり、図11(1)はドアが閉じたとき、可動タイト材が下枠の上面に当接している状態を示す縦断面図であり、図11(2)はドアが開いたとき、可動タイト材が下枠底部に収納されている状態を示す縦断面図である。
ドアは、前述したように、下框5、上框6、吊元側縦框7及び戸先側縦框8で構成されており、これら框で四周を囲んだ内周にガラス77等が装着される。
吊元側縦框7の吊元側側面7A には、ヒンジ70が少なくとも2箇所以上配設され、ビス71の螺着により取付けられており、このヒンジ70が、サッシ枠の吊元側縦枠3の内周面3Aにもビス71の螺着により取付けられていることによって、ドアがこのヒンジ70を介して室内外に開閉可能となっている。
戸先側縦框8には、レバーハンドル72等の取手と、ラッチボルト73と、デットボルト74と、が備えられている。なお、上記のヒンジ70やレバーハンドル71、ラッチボルト73等については、公知のものであり、本発明がこれらによって限定されるものではない。また、図3には、ガラス77が一枚で構成されているが、図4に示すような中桟78をドアの内周に取付けて、2枚以上にガラス77を分割して装着してもよい。
この可動タイト材作動装置9は、可動タイト材52と、この可動タイト材52の長手方向に沿って往復移動可能なロッド92と、このロッド92に一方端を連結され、中央においてやや下方に折曲若しくは湾曲している板バネ93と、この板バネの他端をケース91に固定させる固定部94と、を備えている。具体的には、板バネ93が固定部94でケース91に固定されていることにより、ケース91の小口から突出しているロッド92の先端が押圧されることによって、板バネ93が下方にたわみ、この板バネ93の両端を除く中間(好ましくは中央)に連結されている可動タイト材52が下降し、ケース91の下部開口から突出するようになっている。そして、ロッド92の押圧を解除すると、板バネ93の反発力により、板バネの中間部は上昇し、それに伴って、可動タイト材52も上方に移動してケース91内に収納される。なお、ロッド92と板バネ93との間に、コイルバネ(図示せず)等を介在させることにより、ロッド92の押圧状態の解除による可動タイト材52の上方移動を、板バネ93の反発力と共に、コイルバネ等によって付勢させることができる。なお、本発明は、板バネ93に限定されるものではなく、板バネ93に代えて、上記作用を有する弾性体に置換してもよい。
前述した実施例と、当該他の実施例との相違点は、前述した実施例のガラス77を室内側から押さえているアタッチメント79,79がアタッチメント179,179に置換され、ペアガラス177を装着している点である。この点については、中桟178についても同様である。その他については、前述した実施例と略同様であるので、詳細な説明は省略する。
サッシ枠は、前述のように、下枠1、上枠2、吊元側縦枠3及び戸先側縦枠4で枠体が構成されている。
上枠2は、その内周面2Aの室外側に水切り2cが取付けられており、この水切り2cによって、上枠2の室外面2Bや上枠2とドアとの隙間に吹き付けた雨水の室内側への侵入を防いでいる。また、内周面2Aには、その室内側に横タイト材36を嵌合させるリップ溝片2aが、上枠2の長手方向に延在して配設されており、このリップ溝片2aに横タイト材36が嵌合され、この横タイト材36が、ドアの上端部に当接することにより、上枠タイトラインを形成し、水密性を確保している。
吊元側縦枠3には、前述のように、ヒンジ70が少なくとも2箇所以上配設され、ビス71の螺着により取付けられていることによって、ドアがこのヒンジ70を介して室内外に開閉可能となっている。
戸先側縦枠4には、戸先側縦框8に取付けられたラッチボルト73とデットボルト74とを受けるためのストライク75及びトロヨケ76が設けられている。
下枠1は、下枠本体11と、該下枠本体11に嵌脱自在で、かつ下枠の長手方向に延在し、下枠の上面を構成する上面構成部材21と、を備えている。
図11(1)に示すように、下枠本体11は、その下部に中空部12を有し、下枠1を室内側から室外側に見て、この中空部12の上方に形成された、第1の立ち上がり片13、第2の立ち上がり片14及び第3の立ち上がり片15と、中空部12の上方で第2の立ち上がり片14と第3の立ち上がり片15との間に形成された、上面構成部材21を支持し、かつ該上面構成部材21を嵌合させるための室外側支持立ち上がり片17と、を備えている。そして、下枠1の上面は、下枠1を室外側から室内側に見て、第3の立ち上がり片15の上端に形成された室外側上面部19と、室外側支持立ち上がり片17の上端に支持された上面構成部材21の上面部21Aと、第1の立ち上がり片13及び第2の立ち上がり片14の上端に跨って形成された室内側上面部18と、を備えている。また、第2の立ち上がり片14には、嵌合部14aが形成されており、上面構成部材の上面部21Aの室内側端部に形成された被嵌合部21aにより、上面構成部材21が嵌合部14aに嵌合されるようになっている。
次に、下枠1の上面と水切りタイト材51及び可動タイト材52との配置関係について、図2、図7(1),(2)及び図11(1)に基づき説明する。
水切りタイト材51は、ドアを閉じた状態では、排水溝24に臨むように垂下されている。そのため、ドアの室外面に吹き付けられ、ドアの下方(底部)方向に流下していった雨水のうち、その底部をつたって室内に侵入しようとする雨水や、下枠1に直接吹き付けられた雨水の浸入を防止すると共に、これら雨水を上面構成部材21よりも室外側に形成された排水溝24に排出させている。水切りタイト材51の垂下位置よりも室外側に下枠に排水溝24が形成されていることにより、水切りタイト材51の表面を流れる雨水をそのまま排水溝24に排水させることができ、止水性を高めている。また、上面構成部材の上面部21Aの室外側端部に、排水溝24に向けて下方に傾斜する水勾配を形成することにより、上面構成部材の上面部21Aへの雨水の滞留を防止することができる。なお、上面構成部材21の上面部21Aの室外側端部に摺接させるように構成すれば、より安定した水切り効果や水密性能を確保することができる。
可動タイト材52は、ドアを閉じた状態では、上面構成部材21の上面部21Aの室内側端部及び室内側上面部18の室外側端部に当接している。また、室内側上面部18の吊元側端部及び戸先側端部には、可動タイト材52の吊元側端部の室内側側面及び戸先側端部の室内側側面に当接すると共に、吊元側縦枠3及び戸先側縦枠4に形成されたリップ溝片3a,4aの下部に密接する、下枠タイトブロック10,10が配設されている。そのため、これら可動タイト材52と下枠タイトブロック10,10で下枠タイトラインが形成されている。下枠タイトラインにより、排水溝24や水切りタイト材51を超えて室内側に侵入してきた雨水、特に、水切りタイト材51の吊元側端縁とサッシ吊元側縦枠の内周面3Aとの間及び水切りタイト材51の戸先側端縁とサッシ吊元側縦枠の内周面4Aとの間から侵入してきた雨水の浸入を防止している。なお、可動タイト材52の当接位置は、上面構成部材21の上面部21A又は室内側上面部18のどちらか一方のみに当接していてもよい。
また、縦タイト材35,35の下端が下枠タイトブロック10,10にそれぞれ密接されていることにより、縦タイトライン及び下枠タイトラインが略同一平面上に形成されていることと共に、前述のように、上枠タイトラインも略同一平面上に形成されていることにより、高い水密性が確保されている。
図12に基づき、サッシ下枠の第2の実施例である下枠101について説明する。下枠101は、その下部に中空部12を有し、下枠101を室内側から室外側に見て、この中空部12の上方に形成された、第1の立ち上がり片113、第2の立ち上がり片114、第3の立ち上がり片117及び第4の立ち上がり片115と、を備えている。そして、下枠101の上面は、下枠101を室外側から室内側に見て、第4の立ち上がり片115の上端に形成された室外側上面部19と、第1の立ち上がり片113、第2の立ち上がり片114及び第3の立ち上がり片117のそれぞれ上端に跨って形成された室内側上面部118と、を備えている。これら室外側上面部19及び室内側上面部118は略同一面上であり、略フラットに構成されている。
図13及び図14に基づき、サッシ下枠の第3の実施例である下枠201について説明する。概略として、下枠1や下枠101との相違点は、上面構成部材221の断面形状を、室外側上面部と上面構成部材との間、及びこの上面構成部材と室内側上面部との間に、室外側及び室内側排水溝がそれぞれ形成されるように構成したため、排水溝を室外側及び室内側に2重に設けることができ、止水性をさらに向上させた点である。
図14に示すように、下枠本体211は、その下部に中空部12を有し、下枠201を室内側から室外側に見て、この中空部12の上方に形成された、第1の立ち上がり片213、第2の立ち上がり片214及び第3の立ち上がり片215と、中空部12の上方で第2の立ち上がり片214と第3の立ち上がり片215との間に形成された、上面構成部材221を支持し、かつ該上面構成部材221を嵌合させるための室内側支持立ち上がり片216及び室外側支持立ち上がり片217と、を備えている。そして、下枠201の上面は、下枠201を室外側から室内側に見て、第3の立ち上がり片215の上端に形成された室外側上面部19と、室内側支持立ち上がり片216及び室外側支持立ち上がり片217の上端に支持された上面構成部材221の上面部221Aと、第1の立ち上がり片213及び第2の立ち上がり片214の上端に跨って形成された室内側上面部218と、を備えている。
水切りタイト材51は、ドアを閉じた状態では、室外側排水溝24に臨むように垂下されている。そのため、ドアの室外面に吹き付けられ、ドアの下方(底部)方向に流下していった雨水のうち、その底部をつたって室内に侵入しようとする雨水や、下枠に直接吹き付けられた雨水の浸入を防止すると共に、これら雨水を上面構成部材221よりも室外側に形成された室外側排水溝24に排出させている。水切りタイト材51の垂下位置よりも室外側に下枠に室外側排水溝24が形成されていることにより、水切りタイト材51の表面を流れる雨水をそのまま室外側排水溝24に排水させることができ、止水性を高めている。なお、上面構成部材221の上面部221Aの室外側端部に摺接させるように構成すれば、より安定した水切り効果や水密性能を確保することができる。
可動タイト材52は、ドアを閉じた状態では、室内側上面部218の室外側端部に当接している。また、室内側上面部218の吊元側端部及び戸先側端部には、可動タイト材52の吊元側端部の室内側側面及び戸先側端部の室内側側面に当接すると共に、吊元側縦枠3及び戸先側縦枠4に形成されたリップ溝片3a,4aの下部に密接する、下枠タイトブロック10,10が配設されている。そのため、これら可動タイト材52と下枠タイトブロック10,10で下枠タイトラインが形成されている。下枠タイトラインにより、水切りタイト材51や室外側及び室内側排水溝22,24を超えて室内側に侵入してきた雨水、特に、水切りタイト材51の吊元側端縁とサッシ吊元側縦枠の内周面3Aとの間及び水切りタイト材51の戸先側端縁とサッシ吊元側縦枠の内周面4Aとの間から侵入してきた雨水の浸入を防止すると共に、これら雨水を室内側上面部218よりも室外側に形成された室内側排水溝22に排出させている。
下枠タイトブロック10,10は発泡材やゴムなどの弾性体等からなっているので、下枠タイトラインの一部を形成する、可動タイト材52の吊元側端部の室内側側面及び戸先側端部の室内側側面と下枠タイトブロック10,10との当接面は密接されており、水密状態になっているが、ここから室内への雨水の侵入を確実に防止するためには、図13(1)に示すように、室内側上面部218に吊元側切欠部225及び戸先側切欠部226を形成し、下枠タイトブロック10,10との当接面の近傍に雨水が溜まることを排除することが好ましい。吊元側切欠部225の配置としては、サッシ下枠201の長手方向では、ドアを閉じた状態で室内側上面部218に当接される可動タイト材52の吊元側端縁(小口面)からサッシ吊元側縦枠の内周面3Aにかけて、そして、サッシ下枠1の幅方向では、図13(2)に示すように、室内側排水溝22の吊元側端部に延在するように、第2の立ち上がり片214に至るまで切欠けばよい。戸先側切欠部226の配置としては、上記同様に、サッシ下枠201の長手方向では、ドアを閉じた状態で室内側上面部218に当接される可動タイト材52の戸先側端縁(小口面)からサッシ戸先側縦枠の内周面4Aにかけて、そして、サッシ下枠1の幅方向では、室内側排水溝22の戸先側端部に延在するように、第2の立ち上がり片214に至るまで切欠けばよい。なお、室内側上面部218において、ドアよりも室内側の所望の位置に、図14に示すように、結露を排水するための結露受け38が形成されている。
Claims (7)
- ドア枠の内周面に開閉可能なドアを備えたドア用下枠フラットサッシ構造であって、
前記ドア枠は、吊元側縦枠、戸先側縦枠、上枠及び下枠から構成され、
前記ドアの底部室外側には、水切りタイト材が備えられ、
前記ドアの底部室内側には、前記ドアの開閉によって、出没する可動タイト材が備えられ、
前記下枠は、下枠本体と、下枠の上面を構成する上面構成部材と、を備えており、前記下枠を室外側から室内側に見て、前記下枠の上面は、下枠本体の室外側上面部と、前記上面構成部材の上面部と、下枠本体の室内側上面部と、から構成され、
前記上面構成部材は、前記下枠に設けられた嵌合部と、前記上面構成部材に設けられた被嵌合部で嵌合され嵌脱自在とされ、
前記下枠には、前記室外側上面部と前記上面構成部材との間に排水溝が形成され、
ドアを閉じた状態で、前記水切りタイト材が前記排水溝に臨み、前記可動タイト材が前記上面構成部材の上面部と、前記上面構成部材の被嵌合部と、前記室内側上面部とに当接するように構成され、
前記下枠の上面の吊元側端部及び戸先側端部には、それぞれ前記吊元側縦枠の下部及び前記戸先側縦枠の下部に密接する下枠タイトブロックが配設され、
ドアを閉じた状態において、前記下枠タイトブロックは、それぞれ前記可動タイト材の吊元側端部及び戸先側端部の室内側側面に当接し、
前記下枠の上面の吊元側端部及び戸先側端部に、雨水を排出するための切欠部が形成されている、
ことを特徴とするドア用下枠フラットサッシ構造。 - 前記水切りタイト材は、ドアを閉じた状態で、前記下枠の上面に摺接するように構成された、請求項1記載のドア用下枠フラットサッシ構造。
- 前記排水溝は、ドアを閉じた状態で、前記水切りタイト材よりも室外側に形成された、請求項1又は2記載のドア用下枠フラットサッシ構造。
- 前記上面構成部材の上面部に、排水孔が形成された、請求項1乃至3記載のいずれか1項記載のドア用下枠フラットサッシ構造。
- 前記上面構成部材の上面部には、その室外側端部に、排水溝に向かって下方に傾斜する水勾配が形成された、請求項1乃至4のいずれか1項記載のドア用下枠フラットサッシ構造。
- 前記可動タイト材は、該可動タイト材長手方向に沿って往復移動可能なロッドと、該ロッドに一端を固定された弾性体と、を備えた可動タイト材作動装置に収納可能とされ、
ドアを閉じる際に、前記ロッドが押圧されることにより、前記可動タイト材が下降して前記下枠の上面を押圧し、
ドアを開く際に、前記ロッドが開放されることにより、前記可動タイト材が上昇して、該可動タイト材は前記ドア底部内に収納される構成とされる、請求項1乃至5のいずれか1項記載のドア用下枠フラットサッシ構造。 - 前記ドア枠の吊元側縦枠及び戸先側縦枠には、前記ドアの吊元側縦框の室内面の吊元側端部及び戸先側縦框の室内面の戸先側端部にそれぞれ当接する縦タイト材が配設され、かつ該縦タイト材の下端は前記下枠タイトブロックにそれぞれ密接されており、
それぞれの縦タイト材によって形成される縦タイトラインと、前記下枠タイトラインと、が略同一平面上に形成されている、請求項1乃至6のいずれか1項記載のドア用下枠フラットサッシ構造。
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