JP4771264B1 - キノコの栽培方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】短期間で確実に子実体が収穫できるキノコの栽培方法を提供する。
【解決手段】キノコの栽培方法は、空気を通すが雑菌を通さない袋に原木を収納した後、原木を殺菌する殺菌工程と、殺菌工程の後、キノコの種菌を原木に接種してホダ木とする第1接種工程と、第1接種工程の後、ホダ木に含まれるキノコの種菌を培養する1次培養工程と、1次培養工程の後、ホダ木の内部にキノコの菌糸が蔓延したことを確認する確認工程と、確認工程の後であって子実体の発生前に、第1接種工程で用いたキノコの種菌と同一種のキノコの種菌を、袋から取り出したホダ木に接種する第2接種工程と、第2接種工程の後、ホダ木に含まれるキノコの種菌を培養する2次培養工程とを有する。
【選択図】図2
【解決手段】キノコの栽培方法は、空気を通すが雑菌を通さない袋に原木を収納した後、原木を殺菌する殺菌工程と、殺菌工程の後、キノコの種菌を原木に接種してホダ木とする第1接種工程と、第1接種工程の後、ホダ木に含まれるキノコの種菌を培養する1次培養工程と、1次培養工程の後、ホダ木の内部にキノコの菌糸が蔓延したことを確認する確認工程と、確認工程の後であって子実体の発生前に、第1接種工程で用いたキノコの種菌と同一種のキノコの種菌を、袋から取り出したホダ木に接種する第2接種工程と、第2接種工程の後、ホダ木に含まれるキノコの種菌を培養する2次培養工程とを有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、短期間で確実に収穫できる原木を使用したキノコの栽培方法に関するものである。
原木を使用しての栽培ではキノコはその種類に応じて、様々な栽培方法が行われている。例えば、山伏茸、ヒラタケ、および霊芝(マンネン茸)等の栽培では、栽培に適した大きさに切断された原木(短木)をフィルター付きのキノコ栽培袋に入れて殺菌した後、短木をキノコ栽培袋から取り出し、種菌を短木に植え付けて培養し、活着した短木、すなわちホダ木の下方の半分から8割程度を土中に並べて埋め込んだり、木箱または発泡スチロール容器にホダ木を入れて、ホダ木の下方の半分から8割程度を土で覆ったりする半地下埋設法が行われている。
ヒラタケおよび霊芝(マンネン茸)等の栽培では袋に入れての殺菌工程は行わず、短木と短木の間に種菌を挟み込み、これらの短木をマコモ等で覆い乾燥を防ぎ温度を安定させる栽培方法も簡易方法として一般的に行われている。しかし、このような簡易方法では、キノコを安定して収穫できない。
また、シイタケの栽培では、短木をフィルター付きのキノコ栽培袋に入れて殺菌した後、原木を清浄な環境で冷やし、好ましくは15度以下になったところで、袋内のまま種菌の植え付けを行い袋の口を閉じ培養を行う。種菌を植え付けた後、活着が確認され、菌糸が全体に伸長したことを確認し、培養が進んだホダ木を袋から取り出して、屋外や簡易施設内で熟成培養を続けてキノコの発生を待つ方法が行われている。しかし、短期間に、例えば植菌年内に、短木栽培でのキノコが発生することはまれである。
本発明は、原木を使用しての栽培において短期間で安定的に子実体が収穫できないという課題に鑑みてなされたものであり、短期間で確実に子実体が収穫できるキノコの栽培方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、以下のキノコの栽培方法を発明した。
(1)原木キノコ栽培で同一品種の種菌を少なくとも2度植え付けることにより短期間で確実に子実体を得る事を可能とするキノコの栽培方法であって、空気を通すが雑菌を通さない袋に原木を収納した後、原木を殺菌する殺菌工程と、殺菌工程の後、種菌を原木に接種してホダ木とする第1接種工程と、第1接種工程の後、ホダ木に含まれる種菌を培養する1次培養工程と、1次培養工程の後、ホダ木の内部にキノコの菌糸が蔓延したことを確認する確認工程と、確認工程の後であって子実体の発生前に、袋から取り出したホダ木に種菌を接種する第2接種工程と、第2接種工程の後、ホダ木に含まれる種菌を培養する2次培養工程と、を有するキノコの栽培方法。
(1)原木キノコ栽培で同一品種の種菌を少なくとも2度植え付けることにより短期間で確実に子実体を得る事を可能とするキノコの栽培方法であって、空気を通すが雑菌を通さない袋に原木を収納した後、原木を殺菌する殺菌工程と、殺菌工程の後、種菌を原木に接種してホダ木とする第1接種工程と、第1接種工程の後、ホダ木に含まれる種菌を培養する1次培養工程と、1次培養工程の後、ホダ木の内部にキノコの菌糸が蔓延したことを確認する確認工程と、確認工程の後であって子実体の発生前に、袋から取り出したホダ木に種菌を接種する第2接種工程と、第2接種工程の後、ホダ木に含まれる種菌を培養する2次培養工程と、を有するキノコの栽培方法。
(2)(1)のキノコの栽培方法において、第1接種工程では、種菌を原木の少なくとも上面小口部に接種するキノコの栽培方法。
(3)(1)または(2)のキノコの栽培方法において、第2接種工程では、種菌をホダ木の少なくとも上面小口部または樹皮部に接種するキノコの栽培方法。
(4)(1)から(3)のキノコの栽培方法において、種菌はオガ粉菌であるキノコの栽培方法。
(3)(1)または(2)のキノコの栽培方法において、第2接種工程では、種菌をホダ木の少なくとも上面小口部または樹皮部に接種するキノコの栽培方法。
(4)(1)から(3)のキノコの栽培方法において、種菌はオガ粉菌であるキノコの栽培方法。
(5)原木キノコ栽培で同一品種の種菌を少なくとも2度植え付けることにより短期間で確実に子実体を得る事を可能とするキノコの栽培方法であって、空気を通すが雑菌を通さない袋に、少なくとも一部に又は全く樹皮がない製材を収納した後、製材を殺菌する殺菌工程と、殺菌工程の後、種菌を製材に接種しホダ木とする第1接種工程と、第1接種工程の後、ホダ木に含まれる種菌を培養する1次培養工程と、1次培養工程の後、ホダ木が褐変するのを確認する確認工程と、確認工程の後であって子実体の発生前に、袋から取り出したホダ木に種菌を接種する第2接種工程と、第2接種工程の後、ホダ木に含まれる種菌を培養する2次培養工程と、を有するキノコの栽培方法。
(6)空気を通すが雑菌を通さない袋に原木を収納した後、原木を殺菌する殺菌工程と、殺菌工程の後、キノコの種菌を原木に接種してホダ木とする第1接種工程と、第1接種工程の後、ホダ木に含まれるキノコの種菌を培養する1次培養工程と、1次培養工程の後、ホダ木の内部にキノコの菌糸が蔓延したことを確認する確認工程と、確認工程の後であって子実体の発生前に、第1接種工程で用いたキノコの種菌と同一種のキノコの種菌を、袋から取り出したホダ木に接種する第2接種工程と、第2接種工程の後、ホダ木に含まれるキノコの種菌を培養する2次培養工程と、を有するキノコの栽培方法。
(7)(6)のキノコの栽培方法において、第1接種工程では、キノコの種菌を原木の少なくとも上面小口部に接種するキノコの栽培方法。
(8)(6)または(7)のキノコの栽培方法において、第2接種工程では、キノコの種菌をホダ木の少なくとも上面小口部または樹皮部に接種するキノコの栽培方法。
(8)(6)または(7)のキノコの栽培方法において、第2接種工程では、キノコの種菌をホダ木の少なくとも上面小口部または樹皮部に接種するキノコの栽培方法。
(9)(6)または(8)のキノコの栽培方法において、第1接種工程では、オガ粉菌をホダ木に接種するキノコの栽培方法。
(10)(6)から(9)のキノコの栽培方法において、第2接種工程では、オガ粉菌をホダ木に接種するキノコの栽培方法。
(10)(6)から(9)のキノコの栽培方法において、第2接種工程では、オガ粉菌をホダ木に接種するキノコの栽培方法。
(11)空気を通すが雑菌を通さない袋に、少なくとも一部に又は全く樹皮がない製材を収納した後、製材を殺菌する殺菌工程と、殺菌工程の後、キノコの種菌を製材に接種しホダ木とする第1接種工程と、第1接種工程の後、ホダ木に含まれるキノコの種菌を培養する1次培養工程と、1次培養工程の後、ホダ木が褐変するのを確認する確認工程と、確認工程の後であって子実体の発生前に、第1接種工程で用いたキノコの種菌と同一種のキノコの種菌を、袋から取り出したホダ木に接種する第2接種工程と、第2接種工程の後、ホダ木に含まれるキノコの種菌を培養する2次培養工程と、を有するキノコの栽培方法。
本発明によれば、短期間で確実に子実体が収穫できる。
以下、本発明の実施の形態に係るキノコの栽培方法について説明する。なお、本実施の形態のキノコの栽培方法において、重複説明は適宜省略する。
本実施の形態のキノコの栽培方法は、原木キノコ栽培で同一品種の種菌を少なくとも2度植え付けることにより短期間で確実に子実体を得る事を可能とするキノコの栽培方法であって、空気を通すが雑菌を通さない袋に原木を収納した後、原木を殺菌する殺菌工程と、殺菌工程の後、種菌を原木に接種してホダ木とする第1接種工程と、第1接種工程の後、ホダ木に含まれる種菌を培養する1次培養工程と、1次培養工程の後、ホダ木の内部にキノコの菌糸が蔓延したことを確認する確認工程と、確認工程の後であって子実体の発生前に、袋から取り出したホダ木に種菌を接種する第2接種工程と、第2接種工程の後、ホダ木に含まれる種菌を培養する2次培養工程とを有する。
また、本実施の形態のキノコの栽培方法は、空気を通すが雑菌を通さない袋に原木を収納した後、原木を殺菌する殺菌工程と、殺菌工程の後、キノコの種菌を原木に接種してホダ木とする第1接種工程と、第1接種工程の後、ホダ木に含まれるキノコの種菌を培養する1次培養工程と、1次培養工程の後、ホダ木の内部にキノコの菌糸が蔓延したことを確認する確認工程と、確認工程の後であって子実体の発生前に、第1接種工程で用いたキノコの種菌と同一種のキノコの種菌を、袋から取り出したホダ木に接種する第2接種工程と、第2接種工程の後、ホダ木に含まれるキノコの種菌を培養する2次培養工程とを有する。
本実施の形態のキノコの栽培方法では、1回目の接種後に培養を行って充分な栄養分解が進んだホダ木に、1回目と同一品種の菌をさらに植え付けるので、原基形成が促進し、原基の発育が促されて、子実体の発育を短期間に進めることができる。
従来のキノコの栽培法では、活着が確認された後、加湿や蒸れ等を防ぎ、菌糸の伸長を促進するために、ホダ木間に適度な空間を作る必要がある。したがって、経営規模によっては、広大な土地を必要とする。また、集材、穴あけ、接種、仮伏せ培養、本伏せ培養、天地返し、集材、浸水、発生操作、および収穫後の休養場所への移動と、相当な重量のホダ木をその度に移動することは大変な重労働である。本実施の形態のキノコの栽培方法では、従来の栽培方法と比べてホダ木に触れる回数があまり増えない。このため、小型の原木を用いることによって、従来の栽培方法と比べて労働力が大幅に軽減できる。
本実施の形態のキノコの栽培方法は、シイタケ、ブナハリタケ、山伏茸、タモギタケ、クリタケ、ヒラタケ、およびマンネン茸等の人工栽培が可能な全てのキノコ類に適用できる。原木は、キノコの栽培に適した樹木が3割程度紅葉した時期に伐採されたものが好ましいが、秋口以降の水分を吸い上げなくなった頃から、春先の水分を吸い上げる頃までに伐採されたものでも良い。
本実施の形態のキノコの栽培方法では、キノコが発生する樹木であれば原木として使用することができる。このような原木として、例えば、クヌギ、ナラ、およびブナ等の広葉樹、ならびに松、唐松、および杉等の針葉樹が挙げられる。キノコ栽培用の原木を得るため、立ち木として切り倒された樹木が適度の含水率になるまで葉枯らしした後に、キノコの栽培に適した長さに切り揃える「玉切り」を行なう。
このようにして玉切りされた原木をキノコの栽培に用いる。一般に、玉切りされた原木のうち、比較的長いものを「長木」と、比較的短いものを「短木」と呼んでいる。本明細書等でも、「短木」と「長木」を適宜使用する。また、原木は、外側から中心部に向かって、樹皮、形成層、辺材、および心材に分かれている。
本実施の形態のキノコの栽培方法に使用できる原木の長さおよび太さ(直径)には制限がないが、キノコの菌が原木から得る栄養素を均一化させるため、原木の長さを調整しても良い。また、菌糸の伸長速度、子実体の収量、および栽培のための労力を考慮すれば、長さおよび直径が5cm〜50cmの原木を用いることが好ましい。取り扱い性、菌糸の伸長速度、およびホダ木が完熟するまでの時間の短さを考慮すれば、長さが10cm〜30cm程度の原木を用いることが好ましい。
また、作業性や収量面等を考慮すれば、長さ15cm前後、直径15cm〜20cm程度の短木を用いることが好ましい。なお、直径が大きくなると原木の表面積も大きくなる。このため、直径が大きな原木では、小口面や樹皮面にキノコの種菌を多く接種できる。したがって、直径が大きな原木は、直径が小さな原木と比べて、収量の面では優位性がある。
また、従来のキノコの原木栽培では、直径7cm〜15cmの原木を用いることが最適とされ、直径15cmを超える大径木は山に放置されるか、またはチップ等の格安品として販売されていた。本発明のキノコの栽培方法では、従来のキノコの栽培方法には適さない直径15cmを超える大径木が好適に利用できる。このため、本発明のキノコの栽培方法が普及すれば、原木の切り出しを行っている業者の売り上げの増加が期待できると共に、資源の有効利用が期待できる。
原木の殺菌は、種菌接種前に原木内のバクテリアやカビを殺菌するとともに、種菌が養分を吸収し繁殖しやすくする目的で行う。殺菌方法としては、例えば、蒸気過飽和の状態で殺菌釜の内部の圧力を高め、生じた高温の過熱蒸気によって原木を処理する高圧殺菌や、蒸気を常時外に吐き出している釜の内部で原木を処理する常圧殺菌が挙げられる。なお、早い時期に伐採された原木や心材部まで乾燥の進んだ原木は、1度浸水を行って、菌糸が好む原木となるように水分を充分補給しておくことが大切である。原木の含水量は65%前後が好ましいとされている。
殺菌工程では、空気を通すが雑菌を通さない袋に原木を収納した後、高圧殺菌または常圧殺菌を行う。通常は、この袋に1個の原木を収納し、袋の開口部を軽く折り曲げて粘着テープ等で止めた後、殺菌釜に入れて殺菌する。空気を通すが雑菌を通さない袋としては、外気を遮断でき、かつキノコの菌糸の伸張を阻害しない程度の通気性があるフィルターが設けられた袋、市販のキノコ栽培袋、または耐熱性がある袋に孔を開けて、そこに通気性があるキャップを取り付けたものが挙げられる。
原木の殺菌後、原木を15℃前後に冷却し、清浄な部屋(環境)で第1接種工程を行う。接種は、原木を袋に収納したまま、袋の一部を開いて行う。第1接種工程では、キノコの種菌を原木に接種してホダ木とする。なお、本明細書等において、「ホダ木」とは、原木、製材、および加工材等の木材に種菌を接種したものをいう(本明細書等では、原木以外の木材についても「ホダ木」という)。接種するキノコの種菌としては、例えば、オガ粉種菌、液体菌、および種駒菌が挙げられる。
オガ粉種菌を用いた接種は、例えば、原木にドリル等で穴を開け、オガ粉種菌を穴に入れた後、溶かしたロウ等で穴を封止することによって行う。ロウ等で穴を封止することにより、外気(害菌)の影響がホダ木に及びにくくなる。また、オガ粉種菌を用いた他の接種は、例えば、原木にドリル等で穴を開け、あらかじめオガ粉種菌を成型容器に詰めて培養された成型駒菌を穴に入れ、外気(害菌)の影響を避けるために、成型駒菌の上部を発泡スチロールやプラスチック製品等で覆うことによって行う。
また、オガ粉種菌を用いた他の接種は、例えば、オガ粉種菌を原木の小口部に散らばるように振り掛けることによって行う。種駒菌を用いた接種は、例えば、原木にドリル等で千鳥状に穴を開け、円錐形等の形状を有する成型菌である種駒菌を穴に入れることによって行う。第1接種工程では、オガ粉種菌を原木に接種するのが好ましい。
原木内の含水量の影響もあるが、原木栽培では、キノコの菌糸は、原木の繊維方向である長さ方向に早く伸長するのに対して、径方向(年輪線の法線方向)への伸長が遅い。すなわち、原木に種菌を接種すると、まず種菌の輪郭に沿って原木の長さ方向に菌糸が伸び、その後、原木の径方向に菌糸が伸びて行く。原木の内部(心材部)への菌糸の伸張は困難である。キノコや原木の種類によって多少の差異があるが、例えば、気温25℃の好適環境において、菌糸が10日間で60mm伸長したとの研究機関の報告がある。
原木の内部(心材部)への菌糸の伸張は困難であるため、原木全体への菌糸の早期蔓延はキノコ栽培者の課題であった。そこで、ホダ木の内部にキノコの菌糸が早く蔓延するように、第1接種工程では、キノコの種菌を原木の上面小口部に散らばるように接種することが好ましい。また、第1接種工程では、オガ粉種菌、液体菌、および種駒菌等のキノコの種菌を原木の上面小口部に落として、原木の内部にキノコの種菌が浸透するようにしても良い。
また、本実施の形態のキノコの栽培方法のような短木栽培では、菌床栽培で行われている棚方式によって立体的に管理して栽培できるため、シイタケ等の、原木を使用して栽培できるキノコの培養期間が短縮でき、労働力が軽減でき、少ない面積の小規模な施設で集約的に栽培作業をすることができる。
シイタケを含む菌床栽培の培養棚として、例えば、以下のものが挙げられる。地面から20cm程度上方に離して1段目の棚を設け、1段目の棚から30cm程度上方に離して2段目の棚を設け、以下2段目の棚と同様にして5〜7段の棚を設ける。通気性や作業性を考慮して、棚間は30cm程度とするのが一般的である。
幅55cm、長さ135cmの棚を、棚間が32cmとなるように6段設け、それぞれの棚にホダ木が2列ずつ並べられるように構成された棚方式の台車を用いてキノコを栽培すると、台車を動かすことによってホダ木を移動できるため、栽培に要する労働力が軽減でき、ホダ木が管理しやすくなる。さらに、この棚方式の台車は、子実体の発生操作を行うときの発生棚としても応用できるため、利便性が期待される。
第1接種工程の後、ホダ木に含まれるキノコの種菌を培養する1次培養工程を行う。1次培養工程における培養は、露地または培養室等で行われる。温度、湿度、および炭酸ガス濃度がコントロールでき、安定した菌糸の伸張が期待できるので、培養室での培養が好ましい。また、培養工程における培養を培養室で行う場合、露地栽培のような仮伏せ作業が必要でなく、さらに菌類に好環境であるため菌糸が活発に働き、ホダ木内部への菌糸の伸張が早い。
露地での培養では、直射日光が避けられ、冷涼で雨除けでき、風通しが良い培養場所に、袋のフィルター部を下向きにして、2つのホダ木の底部を合わせ、薪積み状に数段積み上げて設置し、培養しても良い。ホダ木が袋内にあるため、湿度の管理を行わずに済み、労力の軽減が図れる。また、短木を用いた栽培では、舞茸、山伏茸、タモギ茸、およびブナハリタケ等のキノコの種類によっては、菌糸の活着確認後にホダ木の半分程度を地中に埋める方式がとられている。なお、シイタケは積算温度が早期発生に影響を与えるので、ホダ木の周囲の温度に配慮する必要がある。
培養室での培養では、温度20℃〜23℃、湿度65%前後、炭酸ガス濃度1000ppm以下の環境下で培養することが好ましいが、これらの環境下に限定されない。菌糸の伸長には温度25℃〜28℃の環境下が良いとされているが、菌糸による自己発酵熱によって温度が5度程度上昇するため、培養室の温度を20℃〜23℃に設定する。
培養期間を50日とした場合、キノコの種類によっては年間7回強の高回転培養が可能となり、培養期間を75日とした場合、年間5回転が可能である。なお、品種間での特性の違いから、完熟ホダ木からでないと子実体を形成しないキノコと、多少未熟なホダ木からでも子実体を形成するキノコがある。
培養工程の後、ホダ木の内部にキノコの菌糸が蔓延したことを確認する確認工程を行う。この確認は、例えば、ホダ木の表面の特定個所(例えば小口部)または全体が白くなったことを目視して行うことができる。また、この確認は、ホダ木の1つを切断し、ホダ木内部が白くなったことを目視して行っても良い。
確認工程の後であって子実体の発生前に、第1接種工程で用いたキノコの種菌と同一種のキノコの種菌をホダ木に接種する第2接種工程を行う。第2接種工程では、オガ粉菌をホダ木に接種することが好ましい。労力を軽減できる点で、オガ粉菌を成型した成型駒菌が最適である。成型駒菌は、フタ付きのものであって良いし、フタがないものであって良い。成型菌駒のフタ材としては、発泡スチロールやプラスチックが好ましい。プラスチック製のフタを用いた場合、原基の形成が目視できるため、キノコ栽培に不慣れな消費者でも原基の形成が目視でき、発生操作を容易に行うことができる。フタがない成型駒菌を接種する場合、接種部をロウで封止すれば、害菌対策や活着促進が図れる。
成型駒菌を接種する位置の間隔は制限されない。第2接種工程では、キノコの種菌を少なくともオガ粉と混合して、すなわち、オガ粉菌の状態でホダ木の少なくとも小口部または樹皮部に接種することが好ましい。成型駒菌を用いる場合も、ホダ木の小口部や樹皮部に程よい間隔で接種するのが好ましい。容易に小口部や樹皮部から子実体を発生させることができるからである。
ナラ材等の原木を用いた通常のキノコの栽培方法では、心材部の菌糸の伸長が難しいが、本実施形態のキノコの栽培方法によれば、ホダ木の小口部に成型駒菌を接種することによって心材部から子実体が収穫できる。なお、第2接種工程を、一般的に広く使用されている駒菌をホダ木に接種した後、ロウで封止する方法で行うこともできるが、子実体の発生にばらつきが生じたり、短期間での子実体の発生量が少なかったりする場合がある。また、第2接種工程におけるキノコの種菌のホダ木への接種を、ホダ木の小口部に種菌を落とすことによって行うことができる。
このとき、種菌がホダ木の側部や下部に多少こぼれ落ちるようにすれば、早期活着、早期全面伸長に結びつく。例えば、第2接種工程における接種を、ホダ木の小口部にオガ粉菌を落とすことによって行えば、ホダ木の上面の小口部に植え付けられた種菌によって菌糸がホダ木の下部方向に伸長し、またこぼれ落ちた種菌がオガ粉を伝わることによっても菌糸がホダ木の上部方向に伸長する。
第2接種工程についてより具体的に説明する。短木ホダ木の全体に菌糸が充分蔓延したことを確認した後、ホダ木を袋から取り出して、ホダ木の上面および側面に、用意しておいた成型駒菌(第1接種工程で用いた種菌と同一の種菌)をバランスよく接種する。直径20cmのホダ木を用いる場合、成型駒菌を20〜30個程度ホダ木に接種したとき、子実体の大きさ、収量から好ましい結果となった。しかし、この結果は、成型駒菌の植え付け数量を限定するものではない。
このように、第1接種工程で用いた種菌と同一の種菌で作られた成型駒菌を第2接種工程で接種することにより、原木(短木ホダ木)から容易に植菌年(例えば、同じ年の秋)には子実体を得ることができる。例えば、1次培養を約50日間行った後、第2接種工程を経て2次培養を進めることにより、第2接種工程から30日後には商品価値が高い充分な大きさを持つ子実体を得ることが可能である。第2接種工程において、成型駒菌を接種せず、ホダ木にドリルで穴を開けてオガ粉菌を接種した後、ロウで封止することによっても、同様の効果を得ることが可能である。
第2接種工程の後、ホダ木に含まれるキノコの種菌を培養する2次培養工程を行う。2次培養工程の実施後、発生操作を行うことによって、子実体が発生して収穫可能となる。発生操作は、ホダ木を適当な時間だけ浸水すること等によって行う。発生操作は、雨除けできる屋外で行うことも可能であるが、高品質な子実体を作るには、雨風の影響を避ける意味でも、簡易的なビニールハウスを含めた施設内で行うことが好ましい。
2次培養工程は、1次培養工程と同様な手順で行うことができる。1次培養工程と2次培養工程を棚方式で行う場合、2次培養工程における棚間隔は、1次培養工程における棚間隔より5cm程度広げて、収穫作業等の作業性を確保することが好ましい。本実施の形態のキノコの栽培方法で高温期発生品種のシイタケを栽培する場合、1月または2月に第1接種工程を行えば、5月中旬から子実体を収穫することが可能である。
また、2次培養工程を半地中埋設方法で行う場合、近くに散水設備がない限りホダ木への散水が自然任せとなるので、子実体の収量に影響が出てくる。このため、浸水や散水等の刺激をホダ木に与えて、その効果による子実体の発生を促して発芽を待つ。シイタケ等を栽培する場合には、菌糸の蔓延や熟度を確認して散水や浸水を行い子実体の発生を促すことが好ましい。
まず、2009年4月15日、直径15cm〜22cm、長さ14cm〜16cmのナラ原木50個を購入した。つぎに、同年4月25日、周年生オガ粉種菌(F206号菌(富士種菌製))と、オガ粉成型駒菌のプレート(F206号菌(富士種菌製))を購入した。そして、同年4月26日、きのこ栽培専用フィルター付袋(サカト産業製)に上記ナラ原木(短木)を各1個ずつ詰めて、高圧釜にて118℃で2時間殺菌した。
つづいて、同年4月27日、短木が15℃以下になった事を確認した後、上記オガ粉種菌を短木に接種した(第1接種工程に相当する)。そして、同日、袋の開封口をシーラーで熱圧着して密閉し、短木入りの栽培袋50袋をビン栽培用コンテナに各3個に分けて入れ、温度23℃、湿度65%、炭酸ガス濃度1000ppm以下に管理された培養室へコンテナを移動し、袋内で1次培養を行った。
接種から8日後の同年5月5日、50袋全ての短木の活着を確認した。活着の確認は、ホダ木上面部の種菌を植え付けた部分が白い菌糸膜を作り始めているのを目視によって行った。そして、同年6月8日、菌糸膜が短木全体(樹皮表面含む)に蔓延していることを目視で確認した。なお、1袋の短木は、害菌(トリコデルマ菌)に汚染されていたので排除した。つづいて、同年7月15日、樹皮部分及び上下小口の菌糸膜の8割以上が褐変しているのを目視で確認した。
つぎに、同年7月20日、菌糸膜で覆われたホダ木1個を袋から取り出し、手斧で半分に割って、菌糸が心材部を含む短木内部全体に蔓延し、短木が腐朽しているのを目視で確認した(図1参照)。そして、同年7月27日、培養室からホダ木入りの袋を25袋持ち出し、ホダ木を袋から取り出して水を掛けて、ホダ木の表面の灰汁を流し落とした。つづいて、同日、ドリルに直径12mmのピットを取り付け、適度な間隔を確保しながら、ホダ木1本当り16個〜30個の穴を、ホダ木25本の樹皮面、上面小口を含む表面部に形成した。
つぎに、同日、ホダ木の穴に、オガ粉成型駒菌(F206号菌)を指で押し入れた(第2接種工程に相当する)。残りのホダ木24本には、2回目の接種を行わなかった。そして、同日、2回目の接種を行ったホダ木25本と2回目の接種を行わなかったホダ木24本の合計49本のホダ木を6段式の台車に乗せ、直射日光の当たらない場所へ移動して1分間散水した。
つづいて、同年7月28日から発生操作開始日まで、雨天日を除いて、毎日朝、昼、および夕方に約1分間散水を行った。つぎに、2回目の接種を行わなかった7本のホダ木(A群)と、2回目の接種を行った7本のホダ木(B群)を、試験発生のために浸水させた。ホダ木を浸水させた日が発生操作開始日であり、発生操作開始日がそれぞれ同年9月20日(2時間の浸水)、同年10月20日(6時間の浸水)、および同年12月12日(16時間の浸水)である3回の試験発生を行った。発生操作開始日がそれぞれ同年9月20日(1回目)と同年10月20日(2回目)である試験発生の結果を下記の表に示す。A群(比較例に相当する)とB群の子実体の発芽個数、収穫個数を比較することによって評価した。
1回目の試験発生で収穫されたB群の57個の子実体の平均質量は38gであった。また、2回目の試験発生で収穫されたB群の46個の子実体の平均質量は52gであった。
発生操作開始日が同年12月12日(3回目)である試験発生では、浸水後、A群とB群のホダ木を室温17℃、湿度94%の部屋に移動した。同年12月15日〜同年12月19日に、B群のホダ木から計32個の子実体の発生が確認された。なお、B群では、第2接種工程におけるホダ木への接種個所から1度子実体を収穫した後、さらに同じ個所からも計5個の子実体の発生が確認された。また、B群のホダ木の上面部小口および側面樹皮部から計3個の子実体の発生が確認された。一方、同年12月15日〜同年12月19日に、A群のホダ木の上面部と側面樹皮部から、計3個の子実体の発生が確認された。
本実施例では、植菌年試験発生を3回行い、A群からは3個の子実体しか収穫できなかったのに対して、B群からは131個の子実体を収穫することができた。2010年1月6日、A群のホダ木の断面を観察したところ、菌糸の腐朽は進んでいることが分かった(図3参照)。しかし、A群のホダ木からは、子実体がほとんど発生しなかった。
以上、本実施の形態のキノコの栽培方法について説明したが、本発明のキノコの栽培方法は上記実施の形態に限定されない。本発明の他の実施の形態のキノコの栽培方法として、空気を通すが雑菌を通さない袋に、少なくとも一部に樹皮がない又は全く無い製材を収納した後、製材を殺菌する殺菌工程と、殺菌工程の後、キノコの種菌を製材に接種しホダ木とする第1接種工程と、第1接種工程の後、空気を通すが雑菌を通さない袋に、キノコの種菌が接種されたホダ木を収納した後、ホダ木に含まれるキノコの種菌を培養する1次培養工程と、1次培養工程の後、ホダ木が褐変するのを確認する確認工程と、確認工程の後であって子実体の発生前に、第1接種工程で用いたキノコの種菌と同一種のキノコの種菌を、袋から取り出したホダ木に接種する第2接種工程と、第2接種工程の後、ホダ木に含まれるキノコの種菌を培養する2次培養工程とを有するキノコの栽培方法が挙げられる。
本実施形態のキノコの栽培方法によれば、長方形等の四角形や半円形に製材され、樹皮部が一部または全部ない、柱状や板状で同一の長さに切りそろえられた木片を用いたキノコの栽培で、菌床栽培のように、樹皮部が一部または全部ない基材からでも子実体が収穫できる。
また、本発明のキノコの栽培方法では、第2接種工程でホダ木に接種した個所からキノコを収穫した後、第1接種工程および第2接種工程で用いたキノコの種菌と同一種のキノコの種菌を、さらにホダ木に接種し、培養して子実体を発生させても良い。ホダ木の樹皮部分が極端な鬼肌である場合、第2接種工程で接種した個所からキノコを収穫した後でホダ木が休養に入る前に、新たにキノコの種菌を接種することで、ホダ木の休養後にも新たなキノコの発生を見ることが可能である。このため、短期間でホダ木内の栄養分を使いきることができ、高回転でのキノコ栽培が可能となる。この3回以上接種する方法は、樹皮部分が鬼肌ではないホダ木にも適用できる。
従来の長木ホダ木を用いたキノコの栽培方法では、屋外でのホダ木の管理が求められる場面が出てくるが、本発明のキノコの栽培方法によれば、一般消費者が、家庭菜園的にキノコの収穫を楽しむことを目的としてキノコ栽培を行うとき、短木ホダ木を用いたキノコ栽培が可能である。また、短木が使用できることで、ホダ木の設置に安定感があり、ホダ木の設置面積が小さくて済むので、キノコの成長過程を盆栽や生け花のように視覚的に楽しむこともできる。ホダ木の置き場所は、キッチン、居間、または玄間等や居酒屋のカウンターで充分である。
発生操作における浸水行為のための容器も、長木ホダ木とは違い、短木ホダ木であれば、バケツ、鍋、または発泡スチロール容器等の簡単な日用品が利用できる。キノコ消費者向けにホームセンター等で販売する場合、現状の菌床培地の販売と同様に、ホダ木を段ボール等の箱に入れて積み上げることができるため、小さなスペースで陳列が可能である。
現状では、原木栽培に用いるキノコ類のホダ木は、春先から梅雨期頃までホームセンター等で販売されているが、本発明のキノコの栽培方法によれば、第2接種工程後のホダ木は完熟ホダ木であり、第2接種工程における接種個所から数回に分けて確実にキノコが発生することから、ホームセンター等は、季節に合った品種を通年で販売することができる。
また、本発明のキノコの栽培方法によれば、消費者は、購入後直ぐに発生操作を行うことができるので、数日後にはキノコの収穫を楽しむことができる。キノコの品種によっては、年度が代わり、ホダ木が朽ち果てた状態になるまでの間、数回〜数年に渡って繰り返しキノコの収穫を楽しむことが考えられる。
Claims (11)
- 原木キノコ栽培で同一品種の種菌を少なくとも2度植え付けることにより短期間で確実に子実体を得る事を可能とするキノコの栽培方法であって、
空気を通すが雑菌を通さない袋に原木を収納した後、前記原木を殺菌する殺菌工程と、
前記殺菌工程の後、前記種菌を原木に接種してホダ木とする第1接種工程と、
前記第1接種工程の後、前記ホダ木に含まれる前記種菌を培養する1次培養工程と、
前記1次培養工程の後、前記ホダ木の内部に前記キノコの菌糸が蔓延したことを確認する確認工程と、
前記確認工程の後であって子実体の発生前に、前記袋から取り出した前記ホダ木に前記種菌を接種する第2接種工程と、
前記第2接種工程の後、前記ホダ木に含まれる前記種菌を培養する2次培養工程と、
を有するキノコの栽培方法。 - 請求項1のキノコの栽培方法において、
前記第1接種工程では、前記種菌を前記原木の少なくとも上面小口部に接種するキノコの栽培方法。 - 請求項1または2のキノコの栽培方法において、
前記第2接種工程では、前記種菌を前記ホダ木の少なくとも上面小口部または樹皮部に接種するキノコの栽培方法。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のキノコの栽培方法において、前記種菌はオガ粉菌であるキノコの栽培方法。
- 原木キノコ栽培で同一品種の種菌を少なくとも2度植え付けることにより短期間で確実に子実体を得る事を可能とするキノコの栽培方法であって、
空気を通すが雑菌を通さない袋に、少なくとも一部に又は全く樹皮がない製材を収納した後、前記製材を殺菌する殺菌工程と、
前記殺菌工程の後、前記種菌を前記製材に接種しホダ木とする第1接種工程と、
前記第1接種工程の後、前記ホダ木に含まれる前記種菌を培養する1次培養工程と、
前記1次培養工程の後、前記ホダ木が褐変するのを確認する確認工程と、
前記確認工程の後であって子実体の発生前に、前記袋から取り出した前記ホダ木に前記種菌を接種する第2接種工程と、
前記第2接種工程の後、前記ホダ木に含まれる前記種菌を培養する2次培養工程と、
を有するキノコの栽培方法。 - 空気を通すが雑菌を通さない袋に原木を収納した後、前記原木を殺菌する殺菌工程と、
前記殺菌工程の後、キノコの種菌を原木に接種してホダ木とする第1接種工程と、
前記第1接種工程の後、前記ホダ木に含まれる前記キノコの種菌を培養する1次培養工程と、
前記1次培養工程の後、前記ホダ木の内部に前記キノコの菌糸が蔓延したことを確認する確認工程と、
前記確認工程の後であって子実体の発生前に、前記第1接種工程で用いたキノコの種菌と同一種のキノコの種菌を、前記袋から取り出した前記ホダ木に接種する第2接種工程と、
前記第2接種工程の後、前記ホダ木に含まれる前記キノコの種菌を培養する2次培養工程と、
を有するキノコの栽培方法。 - 請求項6のキノコの栽培方法において、
前記第1接種工程では、前記キノコの種菌を前記原木の少なくとも上面小口部に接種するキノコの栽培方法。 - 請求項6または7のキノコの栽培方法において、
前記第2接種工程では、前記キノコの種菌を前記ホダ木の少なくとも上面小口部または樹皮部に接種するキノコの栽培方法。 - 請求項6から請求項8のいずれかに記載のキノコの栽培方法において、前記第1接種工程では、オガ粉菌を前記ホダ木に接種するキノコの栽培方法。
- 請求項6から請求項9のいずれかに記載のキノコの栽培方法において、前記第2接種工程では、オガ粉菌を前記ホダ木に接種するキノコの栽培方法。
- 空気を通すが雑菌を通さない袋に、少なくとも一部に又は全く樹皮がない製材を収納した後、前記製材を殺菌する殺菌工程と、
前記殺菌工程の後、キノコの種菌を前記製材に接種しホダ木とする第1接種工程と、
前記第1接種工程の後、前記ホダ木に含まれる前記キノコの種菌を培養する1次培養工程と、
前記1次培養工程の後、前記ホダ木が褐変するのを確認する確認工程と、
前記確認工程の後であって子実体の発生前に、前記第1接種工程で用いたキノコの種菌と同一種のキノコの種菌を、前記袋から取り出した前記ホダ木に接種する第2接種工程と、
前記第2接種工程の後、前記ホダ木に含まれる前記キノコの種菌を培養する2次培養工程と、
を有するキノコの栽培方法。
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