JP4770596B2 - 開閉器 - Google Patents

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Description

この発明は、消弧性ガスが封入された開閉器に関し、特に開極アークが磁石により磁気駆動させることにより、消弧される開閉器に関するものである。
従来の開閉器は、消弧性ガス中で開極アークを回転させて遮断するために、アークコンタクト内の永久磁石とシールドに取り付けた磁性体を備えていた。このような開閉器は例えば、特許文献1に示されている。
図11は、従来の開閉器の開離途中を示す消弧室の断面図である。消弧室は消弧性ガスを封入したタンク(図示せず)内に配置される。21は電極22を設置する土台、23は電極22に接触し円筒状に配置され、分割された部材で構成された固定コンタクト、24は固定コンタクト23の内側に設けられ、縦断面フィンガー形状を有した円筒状のアークコンタクトで、このアークコンタクト24と固定コンタクト23とで固定接点が形成される。25は操作機構(図示せず)によって可動する固定接点と接離可能な円筒形の可動コンタクト、26はアークコンタクト24の内側に配置され、可動コンタクト25の駆動方向と略並行方向(以後、軸方向という)に着磁され、上方がS極、下方がN極である永久磁石、27は固定コンタクト23の周囲に配置され、シールド28に取り付けた磁性体、29は開極時に発生するアークである。永久磁石26と磁性体27はほぼ平行配置され磁路が形成され、永久磁石26と磁性体27間に形成される磁束は、永久磁石26単体だけで形成される磁束に比べて可動コンタクト25の駆動方向に直交する方向(以後、径方向という)に傾けられる。これによりアーク29を交差する磁束は、永久磁石26単体だけの場合に比べて、径方向成分が多くなる。
次に従来の開閉器の動作について説明する。閉極状態で交流電流が固定接点から可動コンタクト25の向きに流れている場合に、可動コンタクト25が操作機構(図示せず)によって固定コンタクト23と開離し、さらにアークコンタクト24と可動コンタクト25が開離すると、アークコンタクト24と可動コンタクト25間にアーク29が発生する。ここで、アーク29に作用する永久磁石26が発生する磁束密度のベクトルは図中の接線方向のベクトルであるが、図中のベクトルBzで示す可動コンタクト25の駆動方向成分とベクトルBrで示す径方向成分に分けて考える。このときアーク29には上向きに流れる電流iと、永久磁石26が発生する磁束密度の径方向成分Brとの相互作用により、駆動力Fがフレミングの左手の法則による向き、即ち、図11の紙面手前から裏側に作用する。永久磁石26による径方向磁界はアークコンタクト24の上面の円周上のそれぞれの場所で放射状に発生しており、この駆動力Fが継続的にアーク29に作用して、アーク29は周方向(開閉器の上面から見た場合、右回り)に駆動され回転する。アーク29は消弧性ガス中を回転して、相対的に消弧性ガスが吹き付けられることで、冷却され、電流ゼロ点を経たところで消滅し、電流は完全に遮断される。
特開2002−334636号報(図2)
上記のような従来の開閉器では、フィンガー状のアークコンタクト24は可動コンタクト25と確実に接触させるように弾性を有している。この弾性機能を働かせるために、アークコンタクト24のフィンガー部が撓むことが必要であり、フィンガー部の撓みを阻害する硬さを有する永久磁石26をアークコンタクト24のアーク走行面近傍に近づけることはできなかった。このためアークコンタクト24側のアーク29の足近傍では、径方向の磁界強度が十分でなかった。磁性体27を固定コンタクト23の外部に配置し、磁束を径方向に傾けるとアークを回転駆動させる径方向磁界を強めることができるが、磁性体27を通る磁束密度は磁石から距離が長くなって弱くなるので、磁性体27による径方向磁界の補強には限界があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、アークに永久磁石を近づけて、走行するアークと交差する径方向磁界を強めることで、消弧性ガス中の回転駆動力を強めることができ、消弧性能を向上させる開閉器を得ることを目的とする。
この発明にかかる開閉器は、開極時に固定コンタクトと可動コンタクト間に発生するアークの近傍に、可動コンタクトと接触しないアークコンタクトを配置し、ここに固定コンタクトからアークを移す。そして、アークコンタクトの先端部にアークを回転駆動する磁界を発生する永久磁石を備えたものである。
この発明は、可動コンタクトと接触せず撓むことがないアークコンタクトに永久磁石を設けるので、永久磁石をアークに近づけて配置できる。これにより、走行するアークと交差する径方向磁界を強めることで、消弧性ガス中の回転駆動力を強めることができ、消弧性能を向上させることができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における開閉器の開離途中を示す消弧室の断面図である。消弧室は消弧性ガスを封入したタンク(図示せず)内に配置される。図において、1は容器、2は容器内に設けられた円筒状の固定コンタクト、3は操作機構(図示せず)によって可動する固定コンタクト2と接離可能な円筒状の可動コンタクト、4は固定コンタクト2の内側に設けられ、固定コンタクト2と電気的に接続された円柱状の中継アークコンタクト、5は固定コンタクト2と電気的に接続され、一端が容器1の側面に固着され、他端が中継アークコンタクト4及び固定コンタクト2の先端部近傍に延在したドーナツ円板状で、可動コンタクト3に接触せず撓むことがないアークコンタクト、6は開極時に発生するアーク、7はアークコンタクト5の内部に他端近傍でこの他端を囲むように配置され、軸方向に着磁された第1の永久磁石、8は第1の永久磁石7から発生する磁束である。ここで、第1の永久磁石7の着磁方向は、図1において上方がN極、下方がS極の場合を示す。
固定コンタクト2は、複数の切り込みが円筒の上方から途中まで形成されている。この切り込みで分離された部分は弾性体の役割を果たし、閉極時の固定コンタクト2と可動コンタクト3との接触力を強めることができる。固定コンタクト2は、通常銅に銀メッキしたものが使われる。また中継アークコンタクト4及びアークコンタクト5は耐弧メタル(銅─タングステン合金)が使われる。この耐弧メタルは非磁性体であり、第1の永久磁石7の磁束はアークコンタクト5を通過して外部の空間にも形成される。アークコンタクト5の先端部上方では、曲面処理がされる。これにより曲面処理がされない角部での電解集中を緩和し、アーク6が消弧されやすくできる。
図2は第1の永久磁石の取り付け例を示す図である。図において、9はテフロン(米国デュポン社の登録商標)等の断熱性材料で形成された断熱性部材であり、高温のアークの熱から第1の永久磁石を保護し、第1の永久磁石の熱減磁を防ぐために用いられる。尚、断熱性材料は非磁性体であって、断熱性があればよい。例えば、ポリイミドやポリアリレート等のエンジニアリングプラスティックである。
次に動作について説明する。閉極状態で交流電流が固定コンタクト2から可動コンタクト3の向きに流れている場合に、可動コンタクト3が操作機構(図示せず)によって開極すると、両コンタクト間にアーク6が発生する。開離の進行によって、固定コンタクト2側のアークの足は、可動コンタクト3に近くなる中継アークコンタクト4に転移する。更に開離が進むと、可動コンタクト3に近くなるアークコンタクト5に転移する。このようにアークの足は移動し、図1で示すような可動コンタクト3とアークコンタクト5間にアーク6が形成される。ここで、アーク6に作用する第1の永久磁石7が発生する磁束密度のベクトルは図中の接線方向のベクトルであるが、図中のベクトルBzで示す可動コンタクト3の駆動方向成分とベクトルBrで示す径方向成分に分けて考える。このときアーク6には上向きに流れる電流iと、第1の永久磁石7が発生する磁束密度の径方向成分Brとの相互作用により、駆動力Fがフレミングの左手の法則による向き、即ち、図1の紙面裏側から手前に作用する。第1の永久磁石7による径方向磁界はアークコンタクト上のそれぞれの場所で放射状に発生しており、この駆動力Fが継続的にアーク6に作用して、アーク6は周方向(開閉器の上面から見た場合、右回り)に駆動され回転する。
第1の永久磁石7は、可動コンタクト3と接触せず、従って撓むことがないアークコンタクト5中で、アーク6が走行するアークコンタクト5の表面に近づけて配置できるので、第1の永久磁石7が発生する磁束密度は従来に比べて強くなっている。第1の永久磁石7が発生する磁束密度は磁石から距離が長くなるにしたがって弱くなるので、アークコンタクト5の先端近傍では強い磁束密度がアーク6に継続的に与えられ、強い駆動力が継続的に作用するので、アークコンタクト5側のアークの足は、可動コンタクト3側のアークの足より大きく回転し、アーク6は引き伸ばされる。このように、アーク6は消弧性ガス中を回転して、相対的に消弧性ガスが吹き付けられることで、冷却され、電流ゼロ点を経たところで消滅し、電流は完全に遮断される。
上述の作用は、第1の永久磁石7をアーク6が走行するアークコンタクト5の表面にさらに近く配置することで、アーク6にさらに強い駆動力を与えることができるので、消弧性能を一層向上させることができる。
したがって、従来に比べ、撓むことがないアークコンタクト上で走行するアークに永久磁石を近づけて、走行するアークと交差する径方向磁界を強めることで、消弧性ガス中の回転駆動力を強めることができ、消弧性能を向上させることができる。
尚、第1の永久磁石7の着磁方向を図1において上方がN極、下方がS極の場合で説明したが、上方がS極、下方がN極の場合であっても、アーク6に作用する力の向きが変わるだけで、同様の効果を得ることができる。
また、第1の永久磁石7の取り付け例として図2を用いて説明したが、他の例として図3や図4に示すようなものであってもよい。図2は、断熱性部材で第1の永久磁石7の一部を被うようにした例であったが、図3は断熱性部材で永久磁石7全体を被った例である。こうすることで、アーク6から離れた部分であっても、アークコンタクトの下部等から回り込む熱を遮ることができるので、より効果的に第1の永久磁石の熱減磁を防ぐことができる。熱減磁に対する耐性が向上することで、永久磁石をさらにアーク6に近づけることができるので、より一層消弧性能を向上させることができる。また、図4は第1の永久磁石7を、断熱性部材9を介在させてアークコンタクト5の内面に設置し、断熱性材料で形成されたカバー10で固定した例である。こうすることで、第1の永久磁石7の取り付けを容易にすることができる。以降で述べる他の実施の形態においても、これらの取り付け例は適用できる。
また、図1では、固定コンタクト2は円筒状のものを示したが、図5に示すような他の形状のものであってもよい。図5において、図1と同一の記号は同一或いは相当するものを示す。2は円形上に配置され、分割された固定コンタクトであり、固定コンタクト2の下部を容器1に設置された電極11に接触させ、バンド12で締めた構造である。固定コンタクト2は、可動コンタクト3と接離可能であり、閉極時の接触力が十分確保されるように構成されたものであれば構わない。以降で述べる他の実施の形態においてもこの固定コンタクト構成は適用できる。
また、中継アークコンタクト4を備えた例で説明したが、中継アークコンタクト4がなくても構わない。固定コンタクト2とアークコンタクト5との距離を短縮させることで、固定コンタクト2からアークコンタクト5への転移を即座に行えるようにすることで、固定コンタクト3のアークによる損傷を抑えながら、上述と同様の効果を得ることができる。
実施の形態2.
図6は、この発明の実施の形態2における開閉器の開離途中を示す消弧室の断面図である。図において、図1と同一の記号は同一或いは相当するものであり、第1の永久磁石7の着磁方向は径方向外向きがN極、径方向内向きがS極の場合を示す。実施の形態1とは第1の永久磁石7の着磁方向が異なる。
実施の形態1では、第1の永久磁石7が軸方向に着磁されていたので、アークコンタクト5の先端部近傍から離れて、第1の永久磁石7の真上近傍では、軸方向磁界が主となり、径方向磁界が弱まる部分があった。この領域にアーク6の足がある場合には、アーク6に作用する駆動力が弱まってしまうことがあった。本実施の形態では、第1の永久磁石7の着磁方向が径方向であり、アークコンタクトの先端近傍から離れた範囲まで径方向磁界を形成できるので、アーク6の足が径方向遠方にずれても継続して駆動力を与えることができる利点がある。動作は実施の形態1と同様であり、アーク6には駆動力が継続的に作用して、アーク6は周方向(開閉器の上面から見た場合、右回り)に駆動され回転する。
したがって、実施の形態1に比べ、第1の永久磁石7が発生する磁界の径方向成分を強めることができ、消弧性能を一層向上させることができる。
尚、第1の永久磁石7の着磁方向は、図6において径方向外向きがN極、径方向内向きがS極の場合で説明したが、径方向外向きがS極、径方向内向きがN極の場合であっても、アーク6に作用する力の向きが変わるだけで、同様の効果を得ることができる。また、中継アークコンタクト4を備えた例で説明したが、実施の形態1と同様に中継アークコンタクト4がなくても構わない。
実施の形態3.
上述の実施の形態では、アーク6に駆動力を与える永久磁石がアークコンタクト5に配置されている場合で説明したが、この実施の形態は中継アークコンタクト4にも永久磁石を配置して径方向磁界を強めたものである。中継アークコンタクト4に配置する永久磁石は、単独では十分な径方向磁界を発生できないが、アークコンタクト5の第1の永久磁石の磁界を補強する程度の磁界は十分に発生できるので、消弧性能をより一層向上させることができる。以下に説明する。
図7は、この発明の実施の形態3における開閉器の開離途中を示す消弧室の断面図である。図において、図1と同一の記号は同一或いは相当するものであり、13は中継アークコンタクト4に配置された第2の永久磁石である。第1の永久磁石7から発生する磁束8及び第2の永久磁石13から発生する磁束14はそれぞれ単独に存在する場合の磁束である。実際は2つの永久磁石の磁束が合成されたものとなるが、説明の都合上、このように記載した。ここで、第1の永久磁石7の着磁方向は上方がN極、下方がS極であり、第2の永久磁石の着磁方向は上方がS極、下方がN極の場合を示す。
図7において、アーク6と交差する磁束8及び磁束14の径方向成分はいずれも内向きとなっている。したがって、上述のように第1の永久磁石7及び第2の永久磁石13の着磁方向を適切に選択することで、アークコンタクト5の先端部近傍で径方向磁界を強めることができる。動作は実施の形態1と同様であり、アーク6には駆動力が継続的に作用して、アーク6は周方向(開閉器の上面から見た場合、右回り)に駆動され回転する。
したがって、第1の永久磁石7及び第2の永久磁石13によって、アークコンタクト5の先端部近傍で径方向磁界を強めることで、実施の形態1よりも強い駆動力をアーク6に与えることができ、消弧性能をより一層向上させることができる。
尚、第1の永久磁石7及び第2の永久磁石13の着磁方向は、図7において第1の永久磁石7の着磁方向は上方がN極、下方がS極であり、第2の永久磁石の着磁方向は上方がS極、下方がN極の場合で説明したが、それぞれを逆向きにしたものであっても、アーク6に作用する力の向きが変わるだけで、同様の効果を得ることができる。また、中継アークコンタクト上にアーク6の足が留まる時間は短いが、第2の永久磁石13を断熱性部材で被うことで、第2の永久磁石13の熱減磁を防ぐことができる。
実施の形態4.
実施の形態3では、第1の永久磁石7の着磁方向として、軸方向に着磁された場合を示したが、径方向に着磁された場合でも、同様の効果を得ることができるので、以下に説明する。
図8は、この発明の実施の形態4における開閉器の開離途中を示す消弧室の断面図である。図において、図7と同一の記号は同一或いは相当するものである。第1の永久磁石7から発生する磁束8及び第2の永久磁石13から発生する磁束14はそれぞれ単独に存在する場合の磁束である。実際は2つの永久磁石の磁束が合成されたものとなるが、説明の都合上、このように記載した。ここで、第1の永久磁石7の着磁方向は径方向外向きがN極、径方向内向きがS極であり、第2の永久磁石の着磁方向は上方がS極、下方がN極の場合を示す。尚、図8は実施の形態2を示す図6における中継アークコンタクト4に第2の永久磁石13が配置されたものに相当する。
図8において、アーク6と交差する磁束8及び磁束14の径方向成分はいずれも内向きとなっている。したがって、上述のように第1の永久磁石7及び第2の永久磁石13の着磁方向を適切に選択することで、アークコンタクト5の先端部近傍で径方向磁界を強めることができる。動作は実施の形態2と同様であり、アーク6には駆動力が継続的に作用して、アーク6は周方向(開閉器の上面から見た場合、右回り)に駆動され回転する。
したがって、第1の永久磁石7及び第2の永久磁石13によって、アークコンタクト5の先端部近傍で径方向磁界を強めることで、実施の形態2よりも強い駆動力をアーク6に与えことができ、消弧性能をより一層向上させることができる。
尚、第1の永久磁石7及び第2の永久磁石13の着磁方向は、図8において第1の永久磁石7の着磁方向は径方向外向きがN極、径方向内向きがS極であり、第2の永久磁石の着磁方向は上方がS極、下方がN極の場合で説明したが、それぞれを逆向きにしたものであっても、アーク6に作用する力の向きが変わるだけで、同様の効果を得ることができる。
実施の形態5.
実施の形態3では、アーク6に駆動力を与える永久磁石が中継アークコンタクト4及びアークコンタクト5に配置されている場合で説明したが、永久磁石を中継アークコンタクト4に配置する代わりに、固定コンタクト2と接触しても撓むことがないように強化した先端部を設けた可動コンタクト3に配置することで、実施の形態1に比べ、消弧性能を一層向上させることができるので、以下に説明する。
図9は、この発明の実施の形態5における開閉器の開離途中を示す消弧室の断面図である。図において、図7と同一の記号は同一或いは相当するものであり、15は可動コンタクト3の先端部分であり、固定コンタクト2と接触しても撓むことがない、非磁性体の硬い金属で形成される。可動コンタクト3が所定の最終位置になる閉極状態では、可動コンタクト3の本体部と固定コンタクト2が接触するので、閉極時の抵抗が増大することがない。16は可動コンタクトの先端部15に配置された第3の永久磁石である。第3の永久磁石16は円筒状の可動コンタクトの先端部15内に配置されるので、径方向の厚さに制限されるが、薄いものであれば配置が可能である。第1の永久磁石7から発生する磁束8及び第3の永久磁石16から発生する磁束17はそれぞれ単独に存在する場合の磁束である。実際は2つの永久磁石の磁束が合成されたものとなるが、説明の都合上、そのように記載した。ここで、第1の永久磁石7の着磁方向は上方がN極、下方がS極であり、第3の永久磁石の着磁方向も上方がN極、下方がS極の場合を示す。尚、図9は実施の形態1を示す図1における可動コンタクト3に第3の永久磁石16が配置されたものに相当する。
次に動作について説明する。実施の形態1と同様の動作で、アーク6の固定コンタクト2側の足はアークコンタクト5に転移する。可動コンタクト3とアークコンタクト5の距離が短い開離状態では、第1の永久磁石7から第3の永久磁石16に直接向かう磁束が多くなっており、軸方向磁界が主となる場合がある。しかし、即座に開離が進むことで、図9に示したように径方向磁界が主となる。アーク6と交差する磁束8及び磁束17の径方向成分はいずれも内向きとなっているので、アークコンタクト5の先端部近傍で径方向磁界を強めることができる。また、開離がさらに進むと、アークコンタクト5の先端部近傍での径方向磁界は、2つの永久磁石で強められていた状態から、第1の永久磁石7からの径方向磁界が主となるが、可動コンタクト側では第3の永久磁石16からの径方向磁界はアーク6に作用し続ける。したがって、第1及び第3の永久磁石による全体として強められた径方向磁界によって、駆動力が継続的にアーク6に作用して、アーク6は周方向(開閉器の上面から見た場合、右回り)に駆動され回転する。
上述のように、第1の永久磁石7の磁束8及び第3の永久磁石16の磁束17をアーク6に交差させ、径方向磁界を強めることで、実施の形態1よりも強い駆動力をアーク6に与えことができ、消弧性能をより一層向上させることができる。
尚、第1の永久磁石7及び第3の永久磁石16の着磁方向は、図9において第1の永久磁石7の着磁方向は上方がN極、下方がS極であり、第3の永久磁石の着磁方向は上方がN極、下方がS極の場合で説明したが、それぞれを逆向きにしたものであっても、アーク6に作用する力の向きが変わるだけで、同様の効果を得ることができる。また、中継アークコンタクト4を備えた例で説明したが、実施の形態1で述べたように中継アークコンタクト4がなくても構わない。また、第3の永久磁石16を断熱性部材で被うことで、第3の永久磁石16の熱減磁を防ぐことができる。
実施の形態6.
実施の形態5では、第1の永久磁石7の着磁方向として、軸方向に着磁された場合で説明したが、径方向に着磁された場合でも、同様の効果を得ることができるので、以下に説明する。
図10は、この発明の実施の形態6における開閉器の開離途中を示す消弧室の断面図である。図において、図9と同一の記号は同一或いは相当するものである。第1の永久磁石7から発生する磁束8及び第3の永久磁石16から発生する磁束17はそれぞれ単独に存在する場合の磁束である。実際は2つの永久磁石の磁束が合成されたものとなるが、説明の都合上、そのように記載した。ここで、第1の永久磁石7の着磁方向は径方向外向きがN極、径方向内向きがS極であり、第3の永久磁石の着磁方向は上方がN極、下方がS極の場合を示す。尚、図10は実施の形態2を示す図6における可動コンタクト3の先端部に第3の永久磁石16が配置されたものに相当する。
次に動作について説明する。実施の形態2と同様の動作で、アーク6の固定コンタクト2側の足はアークコンタクト5に転移する。可動コンタクト3とアークコンタクト5の距離が短く、第1の永久磁石7と第3の永久磁石16がほぼ水平になっている場合に、それぞれの永久磁石のS極からの磁束同士が反発しており、軸方向磁界が主である。しかし、即座に開離が進むことで、図10に示すように径方向磁界が主となる。アーク6と交差する磁束8及び磁束17の径方向成分はいずれも内向きとなっているので、アークコンタクト5の先端部近傍で径方向磁界を強めることができる。また、開離がさらに進むと、アークコンタクト5の先端部近傍での径方向磁界は、2つの永久磁石で強められていた状態から、第1の永久磁石7からの径方向磁界が主となるが、可動コンタクト3側では第3の永久磁石16からの径方向磁界はアーク6に作用し続ける。したがって、第1及び第3の永久磁石による全体として強められた径方向磁界によって、駆動力が継続的にアーク6に作用して、アーク6は周方向(開閉器の上面から見た場合、右回り)に駆動され回転する。
上述のように、第1の永久磁石7の磁束8及び第3の永久磁石16の磁束17をアーク6に交差させ、径方向磁界を強めることで、実施の形態2よりも強い駆動力をアーク6に与えことができ、消弧性能をより一層向上させることができる。
尚、第1の永久磁石7及び第3の永久磁石16の着磁方向は、図10において第1の永久磁石7の着磁方向は径方向外向きがN極、径方向内向きがS極であり、第3の永久磁石の着磁方向は上方がN極、下方がS極の場合で説明したが、それぞれを逆向きしたものであっても、アーク6に作用する力の向きが変わるだけで、同様の効果を得ることができる。また、中継アークコンタクト4を備えた例で説明したが、実施の形態1と同様に中継アークコンタクト4がなくても構わない。また、第3の永久磁石16を断熱性部材で被うことで、第3の永久磁石16の熱減磁を防ぐことができる。
尚、上述の実施の形態1乃至6で示した、固定コンタクト2、中継アークコンタクト4、アークコンタクト5、第1の永久磁石7、第2の永久磁石13及び第3の永久磁石16の形状は一例であって、他の形状であっても、第1の永久磁石7、第2の永久磁石13及び第3の永久磁石16が分割されたものであっても、それぞれの実施例で述べた効果が得られる。また、上述の実施の形態1乃至6では交流電流の場合で説明したが、直流電流の場合にも適用できる。
この発明の実施の形態1における開閉器の消弧室の断面図である。 この発明の第1の永久磁石の第1の取り付け例を示す図である。 この発明の第1の永久磁石の第2の取り付け例を示す図である。 この発明の第1の永久磁石の第3の取り付け例を示す図である。 この発明の実施の形態1における他の開閉器の消弧室の断面図である。 この発明の実施の形態2における開閉器の消弧室の断面図である。 この発明の実施の形態3における開閉器の消弧室の断面図である。 この発明の実施の形態4における開閉器の消弧室の断面図である。 この発明の実施の形態5における開閉器の消弧室の断面図である。 この発明の実施の形態6における開閉器の消弧室の断面図である。 従来の開閉器の消弧室の断面図である。
符号の説明
2 固定コンタクト、3 可動コンタクト、4 中継アークコンタクト、5 アークコンタクト、6 アーク、7 第1の永久磁石、9 断熱性部材、13 第2の永久磁石、16 第3の永久磁石。

Claims (6)

  1. 消弧性ガスを封入したタンク内に設けられた固定コンタクトと、前記タンク内に設けられ、前記固定コンタクトと接離可能で、開極時に前記固定コンタクトとの間にアークが発生する可動コンタクトと、一端が前記固定コンタクトと電気的に接続され、他端が前記固定コンタクトの先端部近傍で且つ前記可動コンタクトと接触しない位置に延在し、前記アークを前記固定コンタクトから受け取るアークコンタクトと、このアークコンタクトに設けられ、アークを回転駆動する磁界を発生する第1の永久磁石とを備え、前記固定コンタクトが円筒状であり、この固定コンタクトの内側に設けられ、前記固定コンタクトと電気的に接続され、アークを前記固定コンタクトから前記アークコンタクトへ中継する中継アークコンタクトとを備えたことを特徴とする開閉器。
  2. 中継アークコンタクトに第2の永久磁石を備え、この第2の永久磁石は第1の永久磁石によるアークコンタクトの先端近傍部分における磁界を強める向きに着磁されたことを特徴とする請求項記載の開閉器。
  3. 可動コンタクトに第3の永久磁石を備え、この第3の永久磁石は前記可動コンタクトの開離途中に、第1の永久磁石によるアークコンタクトの先端近傍部分における磁界を強める向きに着磁されたことを特徴とする請求項に記載の開閉器。
  4. 第1の永久磁石は、可動コンタクトの駆動方向に着磁されたことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の開閉器。
  5. 第1の永久磁石は、可動コンタクトの駆動方向に直交する方向に着磁されたことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の開閉器。
  6. アークコンタクトのアークが走行する表面近傍の第1の永久磁石の面を断熱性部材で被ったことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の開閉器。
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