JP2009187829A - ガス絶縁断路器 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱による磁石性能の低下を防ぎつつ磁石の容量を増大させることにより、開閉速度が遅いことでアーク長さが長くなってもループ電流遮断に必要な磁束密度を安定して得ることができ、また、磁束がアークに直交して高い遮断性能を発揮できるガス絶縁断路器を提供する。
【解決手段】可動接触子7は、非磁性金属材料から構成され、可動側永久磁石11が設置されている。可動側永久磁石11の極性は固定側永久磁石10と同極性となるように構成されている。また、可動側永久磁石11に隣接して可動接触子7の長孔部にアーク固定接触子9の外周部に摺動自在な可動側強磁性体部14が取り付けられている。
【選択図】図1

Description

発明の属する技術分野
本発明は、磁界消弧方式のガス絶縁断路器に係り、特に、磁石容量の増大を図ったガス絶縁断路器に関するものである。
一般に、72kV以上の変電所においては、信頼性を確保すべく、運転母線の切換が可能な複母線方式が採用されている。複母線方式では、2つの主母線を母線連絡回線によって連結しておき、ガス絶縁断路器によって数千Aの電流を遮断することにより、主母線で構成されるループを開閉して、運転母線を切換えるようになっている。
ここで、図9の単線結線図を用いて、複母線方式を採用した変電所の構成について具体的に説明する。すなわち、電源トランスTr1には電源側絶縁断路器CB1を介して2系統の送電母線BUS1、送電母線BUS2が接続されており、この送電母線BUS1・送電母線BUS2から断路器DS1、断路器DS2を経て、共通の負荷側絶縁断路器CB2及び負荷側トランスTr2に至るループ系統が形成されている。
以上の構成を有する変電所において、断路器DS2で第2系統L2を切り離す場合には、断路器DS2は第1系統L1から破線のように回り込んでくる電流(以下、ループ電流)を開閉することになる。したがって、ループ長さに対応する20〜100V程度の回復電圧での電流遮断を行っている。
ところで、断路器としてもっとも簡単な電流遮断構造は、並み切り方式と呼ばれるものである。この並み切り方式では、極めて単純に接点開離の際に生じるアークを引き伸ばして、電流を遮断している。しかしながら、断路器の開閉速度は通常、2m/s程度なので、並み切り方式ではループ電流の回復電圧が数百Vといえども3000A程度の電流を遮断するのが限度である。
そこで、断路器に最低限の構造を付加することで遮断電流の向上を図るために、磁界消弧方式が提案されており、実用化されている。磁界消弧方式とは永久磁石などによる磁界を利用してアークを回転駆動させて冷却遮断するものである。磁界消弧方式のガス絶縁断路器の従来例として、以下のようなものが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
図10に示す従来例では、断路部1はSF6ガスが充填された断路器ケース(図示せず)内に収容されている。断路部1には固定接触部2が設けられ、それに対向して可動接触子7が配置されている。可動接触子7は、磁気駆動コイルや可動接点を備えない単純構造の筒状接触子であり、図示しない開閉操作機構によって固定接触部2に対して進退可能に設けられている。
固定接触部2には固定接触部材4が設置されており、固定接触部材4に形成された溝には、板ばね5を挿入して、先端部が図10中の上方に付勢された主通電固定接触子6が取り付けられている。また、固定接触部材4の外周付近には固定接触部2を覆うシールド8が固定されている。
さらに、固定接触部材4の中心部分には強磁性体からなるアーク固定接触子9が固定されている。なお、アーク固定接触子9の先端部には、耐アーク材31が接合されている。この耐アーク材31の材料としては、例えば、タングステンと銅(W−Cu)の複合合金などが適しており、接合方法としては、例えば、ろう付、摩擦圧接、電子ビームなどが適している。
図10に示した従来例では、固定接触部材4において可動接触子7側と反対側の面に、永久磁石10が取り付けられている点に特徴がある。そして、強磁性体により構成されるアーク固定接触子9の断面積は、永久磁石10を取り付けた側よりも、可動接触子7側に近い方が小さく絞られている。なお、永久磁石は複数の永久磁石10で構成され、個々の永久磁石10の設置面積はアーク固定接触子9の被設置面積よりも小さく設定されている。
このような従来例において、ガス絶縁断路器が閉極状態にある場合には、電流は主通電固定接触子6及び可動接触子7を通して通電している。そして、ガス絶縁断路器に開極指令が与えられると、図示されない駆動装置により可動接触子7が図10の右方向に駆動する。それにより、まず主通電固定接触子6と可動接触子7とが開離し、主通電固定接触子6を流れていた電流はアーク固定接触子9に転流する。さらに、開極が進むと、時間的に遅れてアーク固定接触子9と可動接触子7が開離し、アークが発生する。
アーク固定接触子9が強磁性体からなるので、アークは永久磁石10による磁界により円周方向の力を受けて回転運動し、回転方向に駆動されて消弧される。この場合、アーク固定接触子9、可動接触子7はフィンガー等の筒状に構成されているため、アークが径方向の磁界が弱い中心に付くことはない。したがって、可動接触子7は安定して駆動される。
上記図10の従来例では、アーク固定接触子9の基部側、つまり可動接触子7側と反対側の面に永久磁石10が取り付けられていたが、次に示す図11〜図14の従来例では、アーク固定接触子9の先端側、つまり可動接触子7に近接した端部側に、永久磁石が取り付けられた例である。なお、図11〜図14において、符号35及び36は可動接触部側のシールド及び集電子であり、24はアークを示している。
図11に示した従来例では、アーク固定接触子9の内部に、永久磁石10が軸方向、すなわち可動接触子7が駆動されるその駆動方向に沿ってN極、S極またはS極、N極となる向きに配置されている。まお、アーク固定接触子9は主通電固定接触子6の内側に同心円的に配置されていて、これら両接触子6、9の間に存する隙間に可動接触子7が進退して駆動変位される。
このような従来例でも、前記の例と同じく、アーク固定接触子9と可動接触子7との間に発生したアーク24は、永久磁石10による磁界により円周方向の力を受けて回転運動し、回転方向に駆動されて消弧される。しかも、図11に示した従来例では、アーク固定接触子9の内部に永久磁石10を配置しているため、永久磁石10からアーク24までの距離が近く、アーク24に強い磁界が作用する。したがって、アーク24は強く駆動され、遮断性能を一層向上できる。
さらに、遮断性能の向上を図った従来例として、図12に示すように、主通電固定接触子6を囲むようにして、シールド8の内周部に磁性体37を取り付けても良い。磁性体37の材料としては、透過率の大きい材質、例えば鉄や鉄を含んだ合金といった強磁性体等が用いられる。また、磁性体37は円筒状の一体型で構成してもよいが、分割して円周上に配置した態様であってもよい。永久磁石10による磁界は、磁性体37に引きつけられるため、アーク24の発生するアーク固定接触子9と可動接触子7との間では、半径方向により強い磁路を形成する。したがって、アーク24は、より駆動され易くなり、一層の遮断性能の向上を期待できる。
また、図13、図14に示す従来例では、永久磁石10の向きを変えた例である。すなわち、主通電固定接触子6の周囲、つまりシールド8の内周部に、永久磁石10がN極、S極、N極、S極というように互いに引きつけ合う向きに配置されている。この例では、永久磁石10が発生する上下方向の磁界とアーク24の軸方向に流れる電流によって、アーク24はローレンツ力により図の手前または奥向きに電磁力を受け、駆動される。それにより、アーク24は引き延ばされ消弧される。
図13、図14に示す従来例においては、永久磁石10は軸方向に対して直交する方向に配置されているため、アーク24と磁束のなす角度は垂直に近くなり、アーク24の受ける円周方向の力は大きくなって、アーク24は駆動されやすくなる。したがって、アーク24の消弧性能をより一層向上することができる。
特開2002−197949号公報 特開2002−334636号公報
しかしながら、上記の従来技術には次のような問題点が指摘されていた。すなわち、磁石の設置が固定接触部側にのみ限られている。たとえ、図11に示した従来例のように磁石の設置をアーク固定接触子9の先端部にしようとも、磁石の断面積はその内径以上には大きくできない。
そのため、開閉速度が例えば0.1m/s程度以下の低速タイプの並み切り方式断路器に適用しようとする場合に、開閉速度が遅い関係でアーク時間が相対的に長くなり、アーク長さも伸びてしまう可能性が高い。したがって、アークの回転駆動に必要な磁束密度が得られずに、結局はアークを単に引き伸ばす並切り方式に近くなってしまい、接点の消耗が激しくなる。
また、アーク固定接触子9の先端で集中された磁束も近傍に磁性体がなければ、磁束が拡散するため、必ずしも全ての磁束がアークに直交するとは限らない。このような不具合を解消するために、図12〜図14の従来例においては、磁力を集中させるべく磁性体38もしくは永久磁石10を固定接触部2側のシールド8内部に設置していた。
しかしながら、これらの従来例では、永久磁石10が高温のアーク24にさらされる心配があった。また、磁性体37が円筒形状の場合、渦電流によって磁界が打ち消される可能性があった。さらに渦電流により発熱に生じるため、やはり、永久磁石10が高温となる恐れがある。一般に、磁力の強い希土類磁石はキュリー点が低く、温度が高くならないところに設置することが望ましい。そのため、磁性体38もしくは永久磁石10の配置箇所には改善が求められていた。
すなわち、従来技術の課題としては、次の2つがあげられていた。第1に、固定接触部側にのみ永久磁石が設置されているために、磁石の容量に限界があり、ループ電流遮断に必要な磁束密度が得ることが難しかった。第2に、磁力を集中させようとして固定接触部側のシールド内部に磁性体や磁石を設置すると、磁性体が円筒の場合に生じる渦電流による発熱し、さらにはアーク熱の影響を受けて、永久磁石の性能が低下する可能性があった。
本発明は、以上のような課題を解消するために提案されたものであり、その目的は、熱による磁石性能の低下を防ぎつつ磁石の容量を増大させることにより、開閉速度が遅いことでアーク長さが長くなってもループ電流遮断に必要な磁束密度を安定して得ることができ、また、磁束がアークに直交して高い遮断性能を発揮できるガス絶縁断路器を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、絶縁ガスを封入した密閉容器内には固定接触部及び可動接触部が対向して配置され、前記固定接触部には主通電固定接触子及びアーク固定接触子が固着され、前記可動接触部には主通電可動接触子及び該主通電可動接触子に電気的に接続された可動接触子が設置され、前記可動接触子は前記固定接触部に接離するよう移動自在に設けられたガス絶縁断路器において、前記アーク固定接触子には固定側強磁性体部が設けられ、前記固定側強磁性体部における前記可動接触部側と反対側の端部には固定側永久磁石が設置され、前記可動接触子は非磁性金属材料から構成され、前記可動接触子には前記可動接触子の移動方向に延びる長孔部が形成され、前記可動接触子の長孔部の端部には可動側永久磁石が設置され、前記可動側永久磁石に隣接して前記可動接触子の長孔部には前記アーク固定接触子の外周部に摺動自在な可動側強磁性体部が取り付けられ、前記可動側強磁性体部は前記固定接触部に対向して開口部を有しその反対側に底部を有する筒状の鉄系材料から構成され、且つ筒状部分の肉厚が底部側で最も厚く、開口部に向かって薄くなるように形成され、前記固定側強磁性体部と前記可動側強磁性体部は互いに対向する部分の極性が同極性となるように構成されたことを特徴としている。
以上のような本発明では、固定接触部だけではなく、可動接触子の内部にも永久磁石を設置し、この可動側永久磁石の固定接触部側の先端に鉄等の円筒状の強磁性体を取り付けることにより、磁束をアーク固定接触子先端まで誘導する回路を構成することができる。
さらに、この可動側強磁性体の内径を可動接触子の先端になるほど小さく設定することにより、磁界を強磁性体先端に集中させることができる。つまり、永久磁石には希土類磁石やサマリウムコバルト磁石のような強力な磁界発生源を用いることが可能であり、強磁性体として機械的強度にすぐれ比較的耐熱性のある鉄を用いることができる。したがって、高温のアークに熱に弱い永久磁石をさらすことなく回転駆動に必要な磁界をえることが可能となる。
ところで、アークが1ヶ所にとどまるとその熱により金属が溶けるためその溶解熱が伝達されて、永久磁石が磁力を失ってしまう恐れがあるが、本発明においては、固定側強磁性体部と可動側強磁性体部の向かい合う部分の極性を、同極性としたので、片側のみの場合に比べて比較的長いアークに対しても、駆動に必要な磁束密度を可動側、固定側それぞれから得ることができる。しかも、得られる磁束密度が増える分、高速にアークを駆動することができるため、アークの冷却効果が大きくなり、短時間でアークを消すことができることが可能となる。
本発明のガス絶縁断路器によれば、可動接触子の内部にも永久磁石を設置し、可動側強磁性体の内径を可動接触子の先端になるほど小さく設定し、さらに、固定側強磁性体部と可動側強磁性体部の向かい合う部分を同極性とするといった構成により、熱による磁石性能の低下を確実に防ぐと同時に、磁石の容量を増大させたので、開閉速度が遅くてアーク長さが長くなったとしてもループ電流遮断に必要な磁束密度を安定して得ることができ、遮断性能の向上に寄与することができた。
以下、本発明に係るガス絶縁断路器の実施形態について、図1〜図8を参照して具体的に説明する。なお、図10〜図14に示した従来例と同一部材に関しては同一符号を付して説明は省略する。
(1)第1の実施形態
[構成]
第1の実施形態について図1〜図6を用いて説明する。図1及び図2は第1の実施形態の断面図であり、図1は操作途中状態、図2は閉路状態を示している。また、図3は図1のC−C矢視図、図4は図3のD部分の拡大図、図5は図1のB−B矢視図、図6は図1のA−A矢視図である。
第1の実施形態において、図1及び図2に示すように、断路器断路部1は固定接触部2と可動接触部20から構成されている。これらは図示しない絶縁ガスを充填した断路器ケース内に納めている。可動接触部20は可動接触部20内に形成された溝に、板ばね5を挿入して取り付けた主通電可動接触子26と、これに電気的に接続され図示しない開閉操作ロッドで駆動させられる筒状の可動接触子7と、該可動接触子7駆動時の摩擦力を軽減するためのガイド27から構成され、これらは可動接触部20に一端を固定した電界緩和用のシールド8で覆われている。
可動接触子7は、非磁性金属材料から構成され、固定接触部2に対向する側に、可動接触子7の移動方向に延びる非貫通の長孔部が形成されている。この長孔部のとば口には耐アーク金属可動接点18が取り付けられている。また、長孔部の内部には少なくとも2個以上で構成された可動側永久磁石11が設置されており、この可動側永久磁石11に隣接して可動接触子7の長孔部にアーク固定接触子9の外周部に摺動自在な可動側強磁性体部14が取り付けられている。
可動側強磁性体部14は固定接触部2に対向して開口部を有しその反対側に底部を有する筒状の鉄系材料から構成されており、筒状部分の肉厚が底部側で最も厚く、開口部に向かって薄くなるように形成されている。詳細は図示していないが可動側強磁性体14と、非磁性体である可動接触子7は、ボルトなどで直接固定されている。
また、図3及び図4に示すように、可動接触子7にはラック用溝16と、この溝16に固定されたラック17が取り付けられている。ラック17は、可動接触部20の方に取り付けられたピニオン21と共に歯車を構成して、互いにかみ合っており、外部からの回転駆動力を可動接触子7に直線駆動に変換伝達するようになっている(図6参照)。さらに、ラック17とピニオン21の歯車のかみ合わせがずれないように、永久磁石からなるラック・ピニオン用ガイド15が設置されている。
また、図1〜図4に示すように、可動接触部20側にはラック溝16に対向する部分に主通電可動接触子26の代わりに、ぶれ防止用永久磁石22が固着されている。ぶれ防止用永久磁石22は、ラック・ピニオン用ガイド15と対向する面に取り付けられており、このガイド15の極性と同極性となって、可動接触子7に対して反発力を与えるようになっている。
ぶれ防止用永久磁石22による可動接触子7への反発力は、可動接触子7が中心軸上に位置するときにラック用溝16幅に相当する数枚の板ばね5の力(図3では「接触力」として示す)とつり合うように設定されている。また、可動側永久磁石11と、可動側強磁性体14との間には磁性流体23が充填されている。なお、磁性流体23は永久磁石11と強磁性体14とで挟まれた空間内に収めているので、外部へこぼれることはない。
一方、固定接触部2には固定接触部材4に板ばね5を挿入して取り付けた主通電固定接触子6と、アーク固定接触子9を有するアーク接触部3とが一端を固定して固着されている。すなわち、固定接触部2は、主通電固定接触子6とその内側に設けたアーク接触部3との組合せ構造からなる。そして、固定接触部2は、固定接触部材4に一端を固定した電界緩和用のシールド8で覆われている。
アーク接触部3は一端が固定側強磁性体13で構成され、他端に耐アーク金属固定接点12が鋼ボルト19により固定されている。また、アーク接触部3におけるアーク固定接触子9において固定接触部材4に固定されている部分には、2個以上の固定側永久磁石10が図5のように埋め込まれており、鋼ボルト19に磁力で固着されている。固定側永久磁石10と固定側強磁性体13は、その間にリング29を介在しており、直接は触れないようにしている。
なお、可動側永久磁石11の極性は固定側永久磁石10と同極性となるように構成されている。よって、図1に示すような磁界25が形成される。図1では固定側接触部2及び可動接触部20の先端側がN極同士としているが、S極同士の構成も、もちろん可能である。
[作用効果]
以上の構成を有する第1の実施形態の作用効果は次の通りである。すなわち、投入状態の断路器断路部1を開極するときは、図示しない開閉機構の指令により可動接触子7が図1及び図2の右方へ動かされて主通電固定接触子6が離れる。さらに、可動接触子7が右方へ動くことにより、今度は図1に示すように耐アーク性金属可動接点18が耐アーク性金属固定接点12から離れ、この両接点18、12間にアーク24が生じる。
このアーク24を固定側永久磁石10と可動側永久磁石11によって作られる磁界25がアーク24を直角に横切ることにより、ローレンツ力でガス中を回転駆動され、冷却されて消弧する。その速度は磁束密度に依存するため、磁束密度が大きいとアークの駆動速度も早くなる。
第1の実施形態では、可動接触子7の内部に、可動側永久磁石11を設置して、この永久磁石11の固定接触部側の先端に鉄等の円筒状の可動側強磁性体14を取り付けたことで、磁束をアーク固定接触子9の先端まで誘導する回路を構成することが可能である。さらに、可動側強磁性体14の内径を、可動接触子7の先端になるほど小さくすることで、磁界を強磁性体14先端に集中させることができる。
ここで、永久磁石11の面積をS1、強磁性体14の先端の面積をS2とし、永久磁石11の磁束密度をB1、強磁性体14の磁束密度をB2とすると、B1S1=B2S2という関係が成立する。つまり、永久磁石11の磁束密度B1が一定であれば、永久磁石11の面積S1を、強磁性体14の先端の面積S2よりも大きくすることで磁束密度B2を集中させることが可能である。
また、高温のアーク24に熱に弱い永久磁石10、11をさらすことがないため、永久磁石10、11には希土類磁石やサマリウムコバルト磁石のような強力な磁界発生源を用い、強磁性体13、14として機械的強度にすぐれ比較的耐熱性のある鉄をもちいることができ、アーク24の回転駆動に必要な磁界を容易に得ることが可能である。
しかも、アーク24が1ヶ所にとどまるとその熱により金属が溶けるためその溶解熱が伝達されて磁石が磁力を失ってしまう恐れがあるが、本施設形態では可動接触部20と固定接触部2の磁極を同極性として対向させているので、片側のみの場合に比べて比較的長いアーク24に対しても駆動に必要な磁束密度を可動側、固定側それぞれから得ることができる。その上、可動側にも永久磁石11を設置したことで、得られる磁束密度が増えている。したがって、高速にアーク24を駆動することが可能となり、アーク冷却効果が高まり、短時間でアーク24を消すことができる。
また、本実施形態では、強磁性体13、14を介して可動接触子7先端に磁界を発生する構造をとれることから、永久磁石10、11を加工しやすい小さい複数個で構成することが可能であり、経済的に有利である。さらには、ラック・ピニオン用ガイド15を永久磁石で構成しているので、ラック17とピニオン21との間で操作駆動により発生する鉄系の微小異物をラック17で吸引保持することができ、絶縁上問題となる場所へ近づけないことが可能である。これにより、絶縁信頼性が一層、向上する。
また、ラック・ピニオン用ガイド15を永久磁石で構成し、可動接触部7側の対向する面に永久磁石22を反極性となるように設置したことにより、磁石の反発力を両者間に働かせて、ラック17を設置したことで欠損している板ばね分の力のアンバランスを磁石の反発力で相殺させて可動接触子7を中心軸に安定させることが可能である。この結果、可動接触子7のぶれを抑制することができりスムーズな断路器操作を実現して、かつ可動接触子7の先端で発生するアーク24が、可動接触子7のぶれにより発生磁界との角度が変化することを防止できる。
さらに、第1の実施形態では、鋼ボルト19を耐アーク金属固定接点12内部に埋め込んで固定側強磁性体13及び固定側永久磁石10間で磁気回路を構成できるのでアーク駆動に必要な磁束密度を、よりアーク24に近接した場所で得ることができるといった効果もある。なお、アーク電流は耐アーク金属固定接点12から固定側強磁性体13を介して固定接触部材4に流れるので、固定側永久磁石10にアーク電流が流れることはない。
また、第1の実施形態では、可動側永久磁石11と可動側強磁性体14との間に磁性流体23を充填したので、断路器の操作により永久磁石11が動いてしまい、磁界回路が切れてしまうことがない。なお、磁性流体23は、絶縁ガスを封入する前に実施する真空引きで流体成分が蒸発することはなく、また水分を含まないので絶縁性能に悪影響を与えることがない。また、磁性流体23の代わりにゴム磁石を使用することでも永久磁石の安定化の効果を得ることができる。
以上述べたように、第1の実施形態によれば、永久磁石より発生する磁束を強磁性体で局所に集中させることができ、かつ可動側と固定側双方に磁石を設置しているのでアーク全体を効率的に駆動することができる。また、固定接触部2側において鋼ボルト19のみに永久磁石10を固着しており、固定側強磁性体13には直接磁石10を固着させていないので、固定側強磁性体13は磁気回路を構成するためのみに使用していることになる。これによりアーク24に近い鋼ボルト19に磁束密度を集中させることが可能である。
なお、永久磁石10、11の磁界25が一定方向なのに対して、アーク24は交流であり電流の方向が反転するため、アーク24の駆動方向も電流の方向にあわせて毎回逆転することになり回転は反復運動となるが、磁束密度を強くすることでアーク24を可動接触子7の中心軸に対して1回転以上させて、限られた範囲内を反復しないようにすることが可能である。
また、上述の磁性流体23としては、ガス絶縁開閉装置にとって有害な「水分」を含まず引火性もなく、フッ素系の化合物であるパーフルオロポリエーテルにフェライト粉末を混合させたものが好適である。また、第1の実施形態では磁性流体23としたがゴム磁石のように加工性に優れたものに、可動側永久磁石11を装着する穴を加工してゴム磁石で充填するように構成することも可能である。
以上の通り、第1の実施形態によれば、永久磁石10、11と強磁性体13、14の配置を工夫することにより、簡単な構成で数千Aまでの電流を確実に遮断可能であり、かつ接点の損傷を抑制することができる信頼性の高いガス絶縁断路器を提供できる。
(2)第2の実施形態
[構成]
第2の実施形態について図7及び図8を用いて説明する。図7は第2の実施形態の断面図(操作途中状態)、図8は要部正面図である。第2の実施形態は、固定接触部2を覆う電界緩和用シールド8にスリット28が形成された点に特徴がある。
[作用効果]
このように構成した第2の実施形態においては、図示しない開閉機構の指令により可動接触子7が図7中の右方へ動かされて主通電固定接触子6が離れると次に耐アーク性金属可動接点18が耐アーク性金属固定接点12から離れ、この両接点間にアーク24が生じる。
このアーク24は図7に示すように、これをほぼ直角に横切る固定側永久磁石10と磁性体からなるシールド8間に作られる磁界25によるローレンツ力により回転駆動され、冷却されて消弧する。この時、シールド8には1ヶ所以上のスリット28を設けているので、渦電流が流れて磁界25が打ち消されることを防止することが可能である。
以上のように第2の実施形態によれば、固定接触部2側のシールド8を磁性体とすることにより、ほとんどの磁束がアーク24と直交することができ、効率的に磁束密度を集中させることが可能である。また、シールド8に1ヶ所以上のスリット28を設けることで渦電流が流れる回路が構成されることがなく、渦電流により磁界が打ち消されることを防止でき、発熱の心配もない。なお、上記の実施形態では固定側のシールドで説明したが同構造を可動側で構成することも可能であり、同様の効果が得られる。
(3)他の実施形態
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、各部材の材料や形状、配置箇所や配置数などは適宜変更可能であり、可動接触部の駆動機構としては、ラックとピニオン以外であっても構わない。また、絶縁ガスとしては、環境調和性に優れた混合ガスを使用する際、混合ガスの使用に伴う遮断性能の低下を抑えることができるため、本発明のガス絶縁断路器が好適である。
本発明に係る第1の実施形態の断面図(操作途中状態)。 第1の実施形態の断面図(閉路状態)。 図1のC−C矢視図。 図3のD部分の拡大図。 図1のB−B矢視図。 図1のA−A矢視図。 本発明に係る第2の実施形態の断面図(操作途中状態)。 第1の実施形態の要部正面図。 複母線方式を採用した変電所の単結結線図。 従来のガス絶縁断路器の断面図。 従来のガス絶縁断路器の断面図。 従来のガス絶縁断路器の断面図。 従来のガス絶縁断路器の断面図。 図13のE−E矢視図。
符号の説明
1…断路器断路部
2…固定接触部
3…アーク接触部
4…固定接触部材
5…板ばね
6…主通電固定接触子
7…可動接触子
8…シールド
9…アーク固定接触子
10…固定側永久磁石
11…可動側永久磁石
12…耐アーク性金属固定接点
13…固定側強磁性体
14…可動側強磁性体
15…ラック・ピニオン用ガイド
16…ラック用溝
17…ラック
18…耐アーク性金属可動接点
19…鋼ボルト
20…可動接触部
21…ピニオン
22…ぶれ防止用永久磁石
23…強磁性流体
24…アーク
25…磁界
26…主通電可動接触子
27…ガイド
28…スリット
29…リング

Claims (7)

  1. 絶縁ガスを封入した密閉容器内には固定接触部及び可動接触部が対向して配置され、前記固定接触部には主通電固定接触子及びアーク固定接触子が固着され、前記可動接触部には主通電可動接触子及び該主通電可動接触子に電気的に接続された可動接触子が設置され、前記可動接触子は前記固定接触部に接離するよう移動自在に設けられたガス絶縁断路器において、
    前記アーク固定接触子には固定側強磁性体部が設けられ、
    前記固定側強磁性体部における前記可動接触部側と反対側の端部には固定側永久磁石が設置され、
    前記可動接触子は非磁性金属材料から構成され、
    前記可動接触子には前記可動接触子の移動方向に延びる長孔部が形成され、
    前記可動接触子の長孔部の端部には可動側永久磁石が設置され、
    前記可動側永久磁石に隣接して前記可動接触子の長孔部には前記アーク固定接触子の外周部に摺動自在な可動側強磁性体部が取り付けられ、
    前記可動側強磁性体部は前記固定接触部に対向して開口部を有しその反対側に底部を有する筒状の鉄系材料から構成され、且つ筒状部分の肉厚が底部側で最も厚く、開口部に向かって薄くなるように形成され、
    前記固定側強磁性体部と前記可動側強磁性体部は互いに対向する部分の極性が同極性となるように構成されたことを特徴とするガス絶縁断路器。
  2. 固定側及び可動側の永久磁石のうち、少なくとも一方は複数個の永久磁石から構成されたことを特徴とする請求項1に記載のガス絶縁断路器。
  3. 固定側における永久磁石と強磁性体部との間、もしくは可動側における永久磁石と強磁性体部との間、あるいはその両方に、パーフルオロエーテルにフェライト系粉末もしくは希土類系材料を加えた磁性流体あるいはゴム磁石が充填されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のガス絶縁断路器。
  4. 絶縁ガスを封入した密閉容器内には固定接触部及び可動接触部が対向して配置され、前記固定接触部にはこれを覆うシールドが取り付けられると共に主通電固定接触子及びアーク固定接触子が固着され、前記可動接触部には主通電可動接触子及び該主通電可動接触子に電気的に接続された可動接触子が設置され、前記可動接触子は前記固定接触部に接離するよう移動自在に設けられたガス絶縁断路器において、
    前記アーク固定接触子には固定側強磁性体部が設けられ、
    前記固定側強磁性体部における前記可動接触部側と反対側の端部には固定側永久磁石が設置され、
    前記シールドは強磁性体で構成され、且つ前記可動接触部に対向する端部に少なくとも1ヶ所以上のスリットが設けられたことを特徴とするガス絶縁断路器。
  5. 前記可動接触子には前記可動接触子に直線的な駆動力を与えるために互いにかみ合うラック及びピニオンが設置され、
    前記ラックに近接して、前記ラッチ及びピニオンのかみ合わせがずれないように永久磁石からなるラック・ピニオン用ガイドが取り付けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス絶縁断路器。
  6. 前記ラック・ピニオン用ガイドと対向する面に、該ガイドの極性と同極性となって前記可動接触子に対して反発力を与えて前記可動接触子の移動動作時のぶれを抑えるぶれ防止用永久磁石が設置されたことを特徴とする請求項5に記載のガス絶縁断路器。
  7. 前記アーク固定接触子の前記可動接触子に対向する部分に耐アーク性金属材料が鋼ボルトで前記固定接触部に固定されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のガス絶縁断路器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013115015A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Toshiba Corp ガス絶縁開閉機器
JP2021077542A (ja) * 2019-11-11 2021-05-20 三菱電機株式会社 ガス絶縁開閉装置

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