JP2002197949A - ガス絶縁断路器 - Google Patents

ガス絶縁断路器

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JP2002197949A
JP2002197949A JP2000394616A JP2000394616A JP2002197949A JP 2002197949 A JP2002197949 A JP 2002197949A JP 2000394616 A JP2000394616 A JP 2000394616A JP 2000394616 A JP2000394616 A JP 2000394616A JP 2002197949 A JP2002197949 A JP 2002197949A
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JP2000394616A
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Hideaki Shirai
英明 白井
Takeshi Shinkai
健 新海
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 永久磁石による磁界を利用することによっ
て、電流の大小にかかわらず、高い遮断性能が得られる
ガス絶縁断路器を提供する。 【解決手段】 主通電接触部2及びアーク接触部3を、
SF6ガスが充填された断路器ケース内に収容すること
によって断路部1を構成する。アーク固定接触子12
を、強磁性体によって構成する。アーク固定接触子12
の先端に、耐アーク材11を接合する。アーク固定接触
子12を、固定接触部材4に固定する。アーク固定接触
子12の可動接触子7側と反対側の面に、永久磁石10
を取り付ける。アーク固定接触子12の断面積を、永久
磁石10が取り付けられた側より可動接触子7側に近い
方を小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガス絶縁断路器に係
り、特に、磁界を利用してアークを消弧するガス絶縁断
路器に関する。
【0002】
【従来の技術】ガス絶縁開閉装置は、絶縁ガスが封入さ
れた密閉容器内に充電部が封入されており、外部からの
影響を受けにくく、高い信頼性、環境調和性が得られ
る。特に、電力の安定供給が要求される日本において
は、ガス絶縁開閉装置をはじめとする変電設備には、き
わめて高い信頼性が要求される。例えば、通常超高圧と
呼ばれる300kV以上の変電所においては、母線を複
母線方式として信頼性を向上させるように構成されてい
る。この複母線方式の場合、2つの主母線はTIE回線
によって連結されており、運転母線を切り替えることが
できる。この切り替えの際には、主母線で構成されるル
ープを、ガス絶縁断路器によって開閉し、数千Aの定格
電流を遮断する必要がある。
【0003】しかしながら、もともと断路器は点検保守
のために電路を開路するためのものであり、遮断器のよ
うに高い電流遮断性能は持っていない。また、変電所に
おける断路器の数は、遮断器の数倍あり、しかも操作回
数が多い。このため、上記のような変電所においては、
高い電流遮断性能を持ちつつ、少ない部品点数で簡潔な
構造の断路器が求められている。
【0004】ここで、断路器としてもっとも簡単な構造
は、並み切り方式と呼ばれるものである。この並み切り
方式は、単純に接点開離の際に生じるアークを引き伸ば
して遮断するものである。しかしながら、並み切り方式
では、いくらループに流れる電流(以下、ループ電流と
言う)の回復電圧が低く、数百Vといえども、3〜40
00Aの電流遮断が限度である。
【0005】これに対処するため、接点極間に最低限の
構造を付加することによって、遮断性能の向上を図るこ
とができる磁界消弧方式の断路器が提案され、実用化さ
れている。これはアーク電流によって磁界を発生させ、
この磁界を利用してアークを回転駆動させて冷却遮断す
るものである。
【0006】このような磁界消弧方式のガス絶縁断路器
の一例を、図5及び6を参照して説明する。まず、かか
るガス絶縁断路器が用いられる変電所は、以下のように
構成されている。すなわち、図5の単線結線図に示すよ
うに、電源トランスTr1には、電源側遮断器CBlを
介して、2系統の送電母線BUS1及び送電母線BUS
2が接続されている。この送電母線BUS1及び送電母
線BUS2から、ガス絶縁断路器DS1、DS2を経
て、共通の負荷側遮断器CB2及び負荷側トランスTr
2に至るループ系統が形成されている。このような複母
線方式の場合、ガス絶縁断路器DS2において第2系統
L2を切り離す際には、ガス絶縁断路器DS2は、第1
系統L1から破線のように回り込んでくるループ電流を
開閉することによって、電流遮断を行う。
【0007】次に、ガス絶縁断路器DS1、DS2の構
成を、以下に詳説する。すなわち、ガス絶縁断路器DS
1、DS2の断路部1は、図6に示すように、主通電接
触部2と、その内側に設けられたアーク接触部3とを組
み合わせることによって構成され、これらは図示しない
SF6絶縁ガスを充填した断路器ケース内に納められて
いる。主通電接触部2は、主通電固定接触子6及び可動
接触子7によって構成されている。主通電固定接触子6
は、固定接触部材4に形成された溝に、板ばね5を挿入
して取り付けたものである。可動接触子7は筒状の接触
子であり、図示しない開閉操作機構によって進退可能に
設けられている。このような主通電接触部2は、シール
ド8によって覆われている。このシールド8の一端は、
固定接触部材4に固定されている。
【0008】また、アーク接触部3は、アーク固定接触
子9、第1アーク可動接点18、第2アーク可動接点1
9、絶縁筒20及び吹き消しコイル17の組み合わせに
よって構成されている。アーク固定接触子9は、一端が
固定接触部材4に固定され、他端が可動接触子7の内側
へ延長されている。このアーク固定接触子9の先端に
は、耐アーク材11が設けられている。第1アーク可動
接点18は、可動接触子7の内側に設けられた接点であ
る。第2アーク可動接点19は耐アーク材料で形成され
ており、一端が可動接触子7に図示のように固着され、
他端が絶縁筒20に固着されている。
【0009】絶縁筒20は、可動接触子7と同軸方向に
配設され、第1アーク可動接点18と第2アーク可動接
点19との間を絶縁している。吹き消しコイル17は、
第1アーク可動接点18及び第2アーク可動接点19
に、絶縁筒20を介して巻かれた磁気駆動コイルであ
る。この吹き消しコイル17の端部は、それぞれ第1ア
ーク可動接点18、第2アーク可動接点19に電気的に
接続されている。
【0010】かかるガス絶縁断路器DS1、DS2にお
いては、投入状態の断路部1を開極するときは、図示し
ない制御部から開閉操作機構への指令により、可動接触
子7が図中右方へ動いて主通電固定接触子6から離れ
る。このように、主通電接触部2が開離した瞬間に、電
流経路がアーク接触部3に移って吹き消しコイル17に
流れ、磁界16が生じる。また、図6に示すように、可
動接触子7が右方へ動くことにより、第2アーク可動接
点19がアーク固定接触子9から離れ、この両接点間に
アーク15が生じる。このとき、吹き消しコイル17に
よって生じる磁界16は、アーク固定接触子9と第2の
アーク可動接点19との間隙に生じたアーク15にほぼ
直角に作用する。このため、アーク15は、これを直角
に横切る磁界16によって、アーク接触部3の円周方向
に回転駆動され、冷却されて消弧する。
【0011】以上のように、磁界消弧方式のガス絶縁断
路器は、コイルに流れるアーク電流によって発生する磁
界が、アークに対して直角の関係にあり、アークを動か
す駆動力として有効に活用できるように構成されてい
る。つまり、遮断すべき対象であるアーク電流そのもの
を利用して、磁界を発生させており、電流が大きくなる
と、それにつれて発生する磁界も大きく、得られる駆動
力も大きくなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に、磁界消弧方式のガス絶縁断路器は、アーク電流が大
きいと発生する磁界が大きくなるが、その一方で、アー
ク電流が小さいと発生する磁界も小さくなる。このた
め、2000A以下の領域では、上述の並み切り方式と
同様の遮断性能しか得られない可能性がある。従って、
このような電流領域では、アークの損傷の程度は比較的
少ないものの、可動接触子に耐アーク性の金属部を設け
るなどの特別の配慮は必要となる。
【0013】本発明は、以上のような従来技術の問題点
を解決するために提案されたものであり、その目的は、
永久磁石による磁界を利用することによって、電流の大
小にかかわらず、高い遮断性能が得られるガス絶縁断路
器を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、絶縁ガスを封入した密閉容器内に、主
通電固定接触子及びアーク固定接触子と、これに接離す
る可動接触部とが設けられたガス絶縁断路器において、
以下のような技術的特徴を有する。
【0015】すなわち、請求項1記載の発明は、前記ア
ーク固定接触子は強磁性体で構成され、前記アーク固定
接触子における前記可動接触部側と反対側には、永久磁
石が設置されていることを特徴とする。以上のような請
求項1記載の発明では、永久磁石の磁界が、強磁性体の
アーク固定接触子によって、可動接触部との対向位置ま
で導出されるので、アークを回転駆動させて消弧するた
めに必要な磁界を得ることができる。また、永久磁石
は、アークにさらされる部分より距離をとって配置され
ているため、損耗しにくく、高い信頼性及び耐久性を確
保できる。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1又は請求
項2記載のガス絶縁断路器において、前記アーク固定接
触子は、前記永久磁石設置側よりも前記可動接触部側の
断面積が小さくなるように構成されていることを特徴と
する。以上のような請求項2記載の発明では、アーク固
定接触子を構成する強磁性体の断面積が、永久磁石設置
側よりも可動接触部側が小さくなっているので、磁界を
強磁性体の先端に集中させることができる。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項1又は請求
項2記載のガス絶縁断路器において、前記アーク固定接
触子には、前記可動接触部と接離してアークにさらされ
る部分に、耐アーク材料が接合されていることを特徴と
する。以上のような請求項3記載の発明では、耐アーク
材によって、アークによる強磁性体の損傷を防止するこ
とができる。
【0018】請求項4記載の発明は、前記アーク固定接
触子は、第1のアーク固定接触子及び第2のアーク固定
接触子によって構成され、前記第2のアーク固定接触子
は円筒形状であり、前記第1のアーク固定接触子は、前
記第2のアーク固定接触子内に配設され、前記第1のア
ーク固定接触子は強磁性体で構成され、前記第1のアー
ク固定接触子における前記可動接触部側と反対側には、
永久磁石が設置されていることを特徴とする。以上のよ
うな請求項4記載の発明では、永久磁石の磁界を導出す
る第1のアーク固定接触子は、第2のアーク固定接触子
の内部にあるため、アークにさらされることはなく、ル
ープ電流通電も必要ない。一方、第2のアーク固定接触
子は、強磁性体とする必要はない。従って、少なくとも
第2のアーク固定接触子を、耐アーク性、機械強度、ル
ープ電流通電等を考えた材料・構成とし、第1のアーク
固定接触子を強磁性体とすればよい。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項1〜4のい
ずれか1項に記載のガス絶縁断路器において、前記永久
磁石は複数個設置され、個々の前記永久磁石における設
置側面積は、前記アーク固定接触子における前記永久磁
石が設置される側の面積よりも小さいことを特徴とす
る。以上のような請求項5記載の発明では、断面積の小
さい永久磁石は、直径の加工や市場での取引がし易く、
多数の需要が見込めるため、安価に製造できる。このた
め、かかる永久磁石を複数個用いることによって、ガス
絶縁断路器の製造コストの低減が可能となる。
【0020】請求項6記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれか1項に記載のガス絶縁断路器において、前記永久
磁石における前記アーク固定接触子への設置面と反対側
に、第2の強磁性体が設けられ、前記第2の強磁性体
は、前記アーク固定接触子及び前記可動接触部の径より
も、外側に導出されていることを特徴とする。以上のよ
うな請求項6記載の発明によれば、永久磁石の磁束はア
ーク固定接触子の先端から、アーク固定接触子及び可動
接触部の径よりも外側に導出された第2の強磁性体へ流
れ、また、その逆に流れる。従って、アークに垂直に磁
束が鎖交するように、且つアーク固定接触子の先端と第
2の強磁性体の端部との距離がなるべく短くなるよう
に、第2の強磁性体を配置すれば、強力な遮断を実現で
きるとともに、磁界の減衰を抑えることが可能となる。
【0021】請求項7記載の発明は、請求項1〜6のい
ずれか1項に記載のガス絶縁断路器において、前記可動
接触部に、磁気駆動コイルが設けられていることを特徴
とする。以上のような請求項7記載の発明では、可動接
触部に磁気駆動コイルが設けられているので、永久磁石
による磁界に加えて、アーク電流によって磁界を発生さ
せることができ、より大きな磁界によって高い遮断性能
を得ることができる。
【0022】請求項8記載の発明は、請求項1〜7のい
ずれか1項に記載のガス絶縁断路器において、前記永久
磁石は、フェライト系材料若しくは希土類系材料のいず
れかを含むことを特徴とする。以上のような請求項8記
載の発明では、永久磁石として高保持力材料を用いてい
るので、高磁界を得ることができる。
【0023】請求項9記載の発明は、請求項1〜8のい
ずれか1項に記載のガス絶縁断路器において、前記強磁
性体は、鉄、鉄系合金、パーマロイ系合金若しくはアモ
ルファス系合金のいずれかを含むことを特徴とする。以
上のような請求項9記載の発明では、強磁性体として高
透磁率材料を用いているので、アーク固定接触子の表面
へ導出された磁界の減衰を抑えることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるガス絶縁断路
器の実施の形態について、図1〜4を参照して具体的に
説明する。なお、図1〜4は本実施の形態の断面図であ
り、図5及び図6に示した従来技術と同様の部材は説明
を省略する。
【0025】(1)第1の実施の形態 (構成)請求項1〜3に記載の発明に対応する実施の形
態を、図1を参照して説明する。すなわち、本実施の形
態における断路部1は、主通電接触部2及びアーク接触
部3を、SF6ガスが充填された断路器ケース内に収容
することによって構成されている。主通電接触部2及び
アーク接触部3は、基本的には、図6の従来技術と同様
に構成されている。但し、アーク接触部3におけるアー
ク固定接触子12は、強磁性体によって構成されてい
る。アーク固定接触子12の先端には、耐アーク材11
が接合されている。この耐アーク材11としては、例え
ば、タングステンと銅(W−Cu)の複合合金などが適
している。接合方法としては、例えば、ろう付、摩擦圧
接、電子ビームなどが適している。また、可動接触子7
は、磁気駆動コイルや可動接点を備えない単純構造の接
触子である。
【0026】さらに、アーク固定接触子12は、固定接
触部材4に固定されるとともに、その可動接触子7側と
反対側の面に、永久磁石10が取り付けられている。そ
して、強磁性体により構成されるアーク固定接触子12
の断面積は、永久磁石10を取り付けた側よりも、可動
接触子7側に近い方が小さく絞られている。
【0027】(作用)以上のような構成を有する本実施
の形態の作用は以下の通りである。すなわち、投入状態
の断路部1を開極するときは、可動接触子7が図中右方
へ動いて主通電固定接触子6から離れる。また、可動接
触子7が右方へ動くことにより、可動接触子7がアーク
固定接触子12から離れ、この両接点間にアーク15が
生じる。このとき、永久磁石10の磁界が、アーク固定
接触子12を構成する強磁性体により、アーク固定接触
子12と可動接触子7との対向位置まで導出され、この
磁界がアークをアーク接触部3の円周方向に回転駆動
し、冷却及び消弧が行なわれる。なお、永久磁石10の
径をD1、強磁性体の径をD2とし、永久磁石の磁界を
B1、強磁性体の磁界をB2とすると、以下の式1の関
係が成立する。
【数1】 B1(πD1/4)=B2(πD2/4) …式1
【0028】(効果)以上のような本実施の形態によれ
ば、永久磁石10から発生する磁界によって、アークを
回転駆動して冷却及び消弧を実現しているので、例え
ば、数百Aから数千Aまでのループ電流であっても遮断
することができる。従って、アーク電流の大小に影響さ
れることなく、高い遮断性能が得られる。特に、アーク
固定接触子12の断面積が、永久磁石10側より可動接
触子7側が小さくなるように絞って構成されているの
で、上記の式1より、アーク固定接触子12を構成する
強磁性体の先端に磁界を集中させることができ、より一
層優れた遮断性能が得られる。
【0029】また、比較的熱に弱い永久磁石10は、ア
ークにさらされる部分から距離をとって配置されている
ため、高温のアークによって永久磁石10が損耗するこ
とがなく、高い信頼性及び耐久性を確保できる。さら
に、アーク固定接触子12におけるアークにさらされる
部分には、耐アーク材11が設けられているので、アー
クによる強磁性体の損傷も防止される。
【0030】(2)第2の実施の形態 (構成)請求項4及び5記載の発明に対応する実施の形
態を、図2(a)(b)を参照して説明する。本実施の
形態は、アーク固定接触子が、第1のアーク固定接触子
13aと第2のアーク固定接触子13bによって構成さ
れている。第1のアーク固定接触子12aは強磁性体に
よって構成されている。第2のアーク固定接触子13b
は、円筒形状をしており、その円筒内部に、第1のアー
ク固定接触子13aが設けられている。第1のアーク固
定接触子13aにおける可動接触子7側と反対側には、
複数の永久磁石10aが設置されている。個々の永久磁
石10aの設置面積は、第1のアーク固定接触子13a
の被設置面積よりも小さい。その他の構成は、上記の第
1の実施の形態と同様である。
【0031】(作用効果)以上のような本実施の形態に
よれば、上記の第1の実施の形態と同様の作用効果が得
られるとともに、以下のような作用効果を奏する。すな
わち、径の小さい永久磁石10aは、直径の加工や市場
での取引がし易く、多数の需要が見込めるため、安価に
製造できる。従って、かかる永久磁石10aを複数個用
いることによって、ガス絶縁断路器の製造コストの低減
が可能となる。また、永久磁石10aの数を増減させる
ことによって、取り付ける対象の大きさに容易に適合さ
せることができるので、汎用性が高い構造となる。
【0032】また、永久磁石10aからの磁界を導出す
る第1のアーク固定接触子13aは、第2のアーク固定
接触子13bの内部にあるため、アークにさらされるこ
とはなく、ループ電流通電も必要ない。一方、第2のア
ーク固定接触子13bは、強磁性体とする必要はない。
従って、少なくとも第2のアーク固定接触子13bを、
耐アーク性、機械的強度、ループ電流通電等を考慮した
材料、構成とし、第1のアーク固定接触子13aを強磁
性体とすれば、消弧のための磁界を確保しつつ、強磁性
体の損傷を防止することができる。
【0033】(3)第3の実施の形態 (構成)請求項6記載の発明に対応する実施の形態を、
図3を参照して説明する。すなわち、本実施の形態は、
永久磁石10におけるアーク固定接触子12との接触面
と反対側に、第2の強磁性体14が設けられている。こ
の第2の強磁性体14は、アーク固定接触子12及び可
動接触子7の径よりも外側に、且つシールド8の内側に
導出され、その端縁部は、アーク固定接触子12に向か
うようにシールド8の端部に支持されている。アーク固
定接触子12に対する第2の強磁性体14の位置と方向
は、図3に示すように、磁界16がアーク15にほぼ垂
直に鎖交するとともに、発生した磁界16の減衰を抑え
られるように設定されている。その他の構成は、上記の
第1の実施の形態と同様である。
【0034】(作用効果)以上のような本実施の形態に
よれば、上記の第1の実施の形態と同様の作用効果が得
られるとともに、以下のような作用効果を奏する。すな
わち、図3に示すように、磁束16は、アーク固定接触
子12の先端から、アーク固定接触子12と可動接触子
7の径よりも外側に導出された第2の強磁性体14へと
流れる。また、その逆にも流れる。このとき、上記のよ
うな設定によって、磁界16がアーク15に垂直に鎖交
し、磁界16の減衰が抑えられるので、強力な磁界によ
る冷却及び消弧が可能となる。
【0035】(4)第4の実施の形態 (構成)請求項7記載の発明に対応する実施の形態を、
図4を参照して説明する。本実施の形態は、上記の第1
の実施の形態における可動接触子7の内側に、図6で示
した従来技術と同様の吹き消しコイル17、第1アーク
可動接点18、第2アーク可動接点19及び絶縁筒20
を設けたものである。
【0036】(作用効果)以上のような本実施の形態に
よれば、上記の第1の実施の形態と同様の作用効果が得
られるとともに、可動接触子7に磁気駆動コイルである
吹き消しコイル17が設けられているので、より一層大
きな磁界を得ることができ、ループ電流遮断性能を向上
させることができる。
【0037】(5)他の実施の形態 本発明は、上記のような実施の形態に限定されるもので
はなく、各部材の形状、数量、材質等は適宜変更可能で
ある。例えば、上記の実施の形態における永久磁石1
0,10aとしては、Ba−Fe−O系、Sr−Fe−
O系などのフェライト系材料を用いたり、Nd−Fe−
B系、Nd−Fe−N系、Sm−Co系などの希土類系
材料を用いることが望ましい(請求項8に対応)。かか
る材料は高保持力材料であるため、これを上記の実施の
形態における永久磁石10,10aに適用すれば、高い
磁界を得ることができるので、遮断性能がさらに向上す
る。
【0038】また、上記の実施の形態における強磁性体
(第2の強磁性体14も含む)としては、例えば、鉄や
鉄系合金、パーマロイ系合金若しくはアモルファス系合
金などを使用することが望ましい(請求項9に対応)。
かかる材料は、高透磁率材料であるため、これを上記の
実施の形態における強磁性体に適用すれば、アーク固定
接触子から可動接触子側表面へ磁界が導出される時に、
磁界が減衰することを抑制できる。なお、鉄系合金とし
ては、例えば、ケイ素鋼、Fe−Al系合金、Fe−C
o−V系合金(パーメンジュール)、Fe−Si−Al
系合金(センダスト)などが挙げられる。パーマロイ系
合金は、ニッケルを主成分とする高透磁率合金であり、
例えば、スーパーマロイ、ミューメタル、ハードバーム
などが挙げられる。アモルファス系合金は、非晶質系合
金であり、例えば、メタグラスなどが挙げられる。
【0039】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、永
久磁石による磁界を利用することによって、電流の大小
にかかわらず、高い遮断性能が得られるガス絶縁断路器
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス絶縁断路器の第1の実施の形態を
示す断面図。
【図2】本発明のガス絶縁断路器の第2の実施の形態を
示す断面図(a)、(a)のA−A断面図(b)。
【図3】本発明のガス絶縁断路器の第3の実施の形態を
示す断面図。
【図4】本発明のガス絶縁断路器の第4の実施の形態を
示す断面図。
【図5】変電所の一例における単線結線図。
【図6】従来のガス絶縁断路器の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1…断路部 2…主通電接触部 3…アーク接触部 4…固定接触部材 5…板ばね 6…主通電固定接触子 7…可動接触子 8…シールド 9,12…アーク固定接触子 10,10a…永久磁石 11…耐アーク材 13a…第1のアーク固定接触子 13b…第2のアーク固定接触子 14…第2の強磁性体 15…アーク 16…磁界 17…吹き消しコイル 18…第1のアーク可動接点 19…第2のアーク可動接点 20…絶縁筒

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁ガスを封入した密閉容器内に、主通
    電固定接触子及びアーク固定接触子と、これに接離する
    可動接触部とが設けられたガス絶縁断路器において、 前記アーク固定接触子は強磁性体で構成され、 前記アーク固定接触子における前記可動接触部側と反対
    側には、永久磁石が設置されていることを特徴とするガ
    ス絶縁断路器。
  2. 【請求項2】 前記アーク固定接触子は、前記永久磁石
    設置側よりも前記可動接触部側の断面積が小さくなるよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項1記載のガ
    ス絶縁断路器。
  3. 【請求項3】 前記アーク固定接触子には、前記可動接
    触部と接離してアークにさらされる部分に、耐アーク材
    料が接合されていることを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載のガス絶縁断路器。
  4. 【請求項4】 絶縁ガスを封入した密閉容器内に、主通
    電固定接触子及びアーク固定接触子と、これに接離する
    可動接触部とが設けられたガス絶縁断路器において、 前記アーク固定接触子は、第1のアーク固定接触子及び
    第2のアーク固定接触子によって構成され、 前記第2のアーク固定接触子は円筒形状であり、 前記第1のアーク固定接触子は、前記第2のアーク固定
    接触子内に配設され、 前記第1のアーク固定接触子は強磁性体で構成され、 前記第1のアーク固定接触子における前記可動接触部側
    と反対側には、永久磁石が設置されていることを特徴と
    するガス絶縁断路器。
  5. 【請求項5】 前記永久磁石は複数個設置され、 個々の前記永久磁石における設置側面積は、前記アーク
    固定接触子における前記永久磁石が設置される側の面積
    よりも小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    1項に記載のガス絶縁断路器。
  6. 【請求項6】 前記永久磁石における前記アーク固定接
    触子への設置面と反対側に、第2の強磁性体が設けら
    れ、 前記第2の強磁性体は、前記アーク固定接触子及び前記
    可動接触部の径よりも、外側に導出されていることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のガス絶縁
    断路器。
  7. 【請求項7】 前記可動接触部に、磁気駆動コイルが設
    けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    1項に記載のガス絶縁断路器。
  8. 【請求項8】 前記永久磁石は、フェライト系材料若し
    くは希土類系材料のいずれかを含むことを特徴とする請
    求項1〜7のいずれか1項に記載のガス絶縁断路器。
  9. 【請求項9】 前記強磁性体は、鉄、鉄系合金、パーマ
    ロイ系合金若しくはアモルファス系合金のいずれかを含
    むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載
    のガス絶縁断路器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013115015A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Toshiba Corp ガス絶縁開閉機器
US8902026B2 (en) 2010-02-26 2014-12-02 Mitsubishi Electric Corporation Electric current switching apparatus

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