JP2015053169A - 直流遮断用真空バルブ - Google Patents
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Abstract
【課題】通電と遮断の両特性を兼備した接点を有する真空バルブを用い、直流回路を開閉する。【解決手段】接離自在の一対の接点を有する直流遮断用真空バルブにおいて、接点は、中央部にざぐり穴5を設けた導電率の高い導電性合金よりなる通電用接点2と、通電用接点2の周りに設けられるとともに、通電用接点2よりも後退し、且つ円弧状の複数のスリット3を設けた電流裁断値の高い抵抗性合金よりなる遮断用接点4とを備え、通電用接点2と遮断用接点4を異種金属材料とし、通電特性と遮断特性を分担させることを特徴とする。【選択図】 図1
Description
本発明の実施形態は、直流回路を開閉する接離自在の一対の接点を有する直流遮断用真空バルブに関する。
従来、直流回路の開閉には、遮断器にリアクトルとコンデンサを有する転流回路を並列接続した直流遮断器が用いられている。転流回路にて振動電流を発生させ、直流電流に重畳させることにより、電流零点を作り、この零点にて遮断するものである(例えば、特許文献1参照。)。
一方、交流回路では、電流零点が周期的に発生するので交流遮断器が用いられているが、通電特性と遮断特性の両特性を両立させるため、接点に通電用接点と遮断用接点を用いたものがある。例えば、Cu−Cr系接点において、中心をCuを多く含有した通電用接点とし、その外周をCrを多く含有した遮断用接点としたものである(例えば、特許文献2参照。)。
このため、直流回路においても、転流回路などの付属回路を用いず開閉ができ、通電特性と遮断特性を兼備できるものが望まれていた。
本発明が解決しようとする課題は、通電と遮断の両特性を兼備した接点を用い、直流回路を開閉することができる直流遮断用真空バルブを提供することにある。通電と遮断の両特性を兼備する接点を用いることにより、付属回路が不要となり、直流回路を簡素化することができる。
上記課題を解決するために、実施形態の直流遮断用真空バルブは、接離自在の一対の接点を有する直流遮断用真空バルブにおいて、前記接点は、中央部にざぐり穴を設けた導電率の高い通電用接点と、前記通電用接点の周りに設けられるとともに、前記通電用接点よりも後退し、且つ円弧状の複数のスリットを設けた電流裁断値の高い遮断用接点と、を備えたことを特徴とする。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
先ず、本発明の実施例1に係る直流遮断用真空バルブを図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施例1に係る直流遮断用真空バルブの一方の接点を示す断面図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
図1に示すように、通電軸1端面には、円状の通電用接点2が固着されており、その外周に、円弧状の複数のスリット3を有する円板状の遮断用接点4が固着されている。通電用接点2の中心部には、ざぐり穴5が設けられている。遮断用接点4は、通電用接点2よりも後退しており、通電用接点2が接離する。
通電用接点2は、導電率のよいAg、Cuなどを主成分とする導電性合金を用いる。遮断用接点4は、限流効果が大きく電流裁断値の大きいFe、W、Cなどを主成分とする抵抗性合金を用いる。
通電時には、通電用接点2で良好な接触抵抗が得られる。遮断時には、通電用接点2のざぐり穴5の回りの接触面に発生したアークがローレンツ力で遮断用接点4に移動し、スリット3により回転駆動する。遮断用接点4では、金属材料の電流裁断値が高いとともに、ギャップ長が通電用接点2よりも広く、アーク電圧が高くなるため、電流裁断現象が起こり、直流電流を遮断することができる。また、従来のようなCu−Cr系合金で互いの含有量を調整して通電用と遮断用を構成するのではなく、通電用と遮断用を異なる金属材料としているので、通電特性と遮断特性を確実に向上させることができる。
なお、対向する接点2、4間のギャップ長を広くし、開閉速度を早くすれば、直流高電圧、大電流を遮断することができるようになる。ここでは、ギャップ長数mm、開閉速度0.数m/sとし、1極で500V−500A程度の遮断を可能性としている。太陽光発電設備などの分散型直流電源設備に適するものとなる。この真空バルブを遮断器に搭載する場合には、対向する接点2、4間に裁断に伴うサージを吸収するサージ吸収器を接続し、電源電圧に対応して複数の真空バルブを直列接続するものとする。通電容量は、通電用接点2の接触面積で対応する。
上記実施例1の直流遮断用真空バルブによれば、導電率の高い通電用接点2と裁断電流値の高い遮断用接点4を有しているため、通電と遮断の両特性を兼備することができ、従来のような付属設備が不要で簡素な構成とすることができる。通電用接点2と遮断用接点4は、異種金属材料からなり、通電特性と遮断特性を分担するものである。
次に、本発明の実施例2に係る直流遮断用真空バルブを図2を参照して説明する。図2は、本発明の実施例2に係る直流遮断用真空バルブの一方の接点を示す断面図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。なお、この実施例2が実施例1と異なる点は、接点の形状である。図2において、実施例1と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図2に示すように、通電軸1端面には、接離する接点面が二分割された接点2、4が固着されている。中心線を境に、一方が導電性合金よりなる半円状の通電用接点2、他方が抵抗性合金よりなる半円状の遮断用接点4となっており、通電用接点2と遮断用接点4で円状を形成している。また、筒状の真空絶縁容器6の外周には、永久磁石7を設けている。遮断用接点4は、通電用接点2よりも後退しており、通電用接点2が接触する。なお、永久磁石7は、真空絶縁容器6内となる図示しないアークシールドに固定してもよい。
通電時には、通電用接点2で良好な接触抵抗が得られる。遮断時には、通電用接点2で発生したアークがローレンツ力と永久磁石7の磁場により遮断用接点4に移動する。遮断用接点4では、高い電流裁断値と高いアーク電圧により、直流電流を遮断することができる。
上記実施例2の直流遮断用真空バルブによれば、導電率の高い通電用接点2と裁断電流値の高い遮断用接点4を有し、外周に設けた永久磁石7によりアークの移動を容易としているので、通電と遮断の両特性を兼備することができる。
次に、本発明の実施例3に係る直流遮断用真空バルブを図3を参照して説明する。図3は、本発明の実施例3に係る直流遮断用真空バルブの一方の接点を示す断面図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。なお、この実施例3が実施例2と異なる点は、接点を3分割したことである。図3において、実施例2と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図3に示すように、通電軸1の端面には、接離する接点面を三分割した接点2、4a、4bが固着されている。中央が矩形状の通電用接点2、両端が半円状の遮断用接点4a、4bである。
上記実施例3の直流遮断用真空バルブによれば、実施例2による効果のほかに、電流方向が1方向に場合にはアーク移動も1方向であり実施例2で対応することができるが、電流方向が2方向の場合に、遮断用接点4a、4bを両端に設けているので対応することができる。
次に、本発明の実施例4に係る直流遮断用真空バルブを図4を参照して説明する。図4は、本発明の実施例4に係る直流遮断用真空バルブの一方の接点を示す断面図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。なお、この実施例4が実施例3と異なる点は、遮断用接点にテーパを設けたことである。図4において、実施例3と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図4に示すように、遮断用接点4a、4bには、外周にいくほど接点間のギャップ長が広がるようなテーパ4cを設けている。
上記実施例4の直流遮断用真空バルブによれば、実施例3による効果のほかに、アークが遮断用接点4a、4bの先端まで移動するにつれてアーク電圧をより上昇させることができる。
次に、本発明の実施例5に係る直流遮断用真空バルブを図5を参照して説明する。図5は、本発明の実施例5に係る直流遮断用真空バルブの一方の接点を示す断面図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。なお、この実施例5が実施例4と異なる点は、遮断用接点を長くしたことである。図5において、実施例4と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図5に示すように、遮断用接点4a、4bの円弧部の半径方向を長くしている。これに伴い、真空絶縁容器1を断面楕円状としている。
上記実施例5の直流遮断用真空バルブによれば、実施例4による効果のほかに、アークを移動させる距離が長くなるので、確実に遮断させることができる。なお、遮断用接点4a、4bが長いため、永久磁石7を取除くことができる。
次に、本発明の実施例6に係る直流遮断用真空バルブを図6を参照して説明する。図6は、本発明の実施例6に係る直流遮断用真空バルブの一方の接点を示す断面図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。なお、この実施例6が実施例5と異なる点は、通電用、遮断用接点を円状としたことである。図6において、実施例5と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図6に示すように、通電用接点2を円状とし、その外周に円板状の遮断用接点4を設けている。遮断用接点4の半径方向の中間部には、段差部4dを設け、内周側と外周側ともテーパ部4cを設けている。真空絶縁容器1は、筒状としている。なお、段差部4dは、複数段設けることができる。
上記実施例6の直流遮断用真空バルブによれば、アーク移動の制御が困難な場合においても、遮断用接点4側に速やかに移動させることができ、また、段差部4dによって確実にアーク電圧を高くすることができる。
以上述べたような実施形態によれば、導電率の高い通電用接点と、裁断電流値の高い遮断用接点を用い、通電用接点で発生したアークを遮断用接点に移動させて遮断するようにしているので、直流電圧の通電と遮断の両特性を兼備した真空バルブを提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 通電軸
2 通電用接点
3 スリット
4、4a、4b 遮断用接点
4c テーパ
4d 段差部
5 ざぐり穴
6 真空絶縁容器
7 永久磁石
2 通電用接点
3 スリット
4、4a、4b 遮断用接点
4c テーパ
4d 段差部
5 ざぐり穴
6 真空絶縁容器
7 永久磁石
Claims (7)
- 接離自在の一対の接点を有する直流遮断用真空バルブにおいて、
前記接点は、中央部にざぐり穴を設けた導電率の高い通電用接点と、
前記通電用接点の周りに設けられるとともに、前記通電用接点よりも後退し、且つ円弧状の複数のスリットを設けた電流裁断値の高い遮断用接点と、
を備えたことを特徴とする直流遮断用真空バルブ。 - 接離自在の一対の接点と、
前記接点の周りに設けられた永久磁石と、
を有する直流遮断用真空バルブにおいて、
前記接点は、接点面を二分割し、
一方に、導電率の高い通電用接点を設け、
他方に、前記通電用接点よりも後退した電流裁断値の高い遮断用接点を設けたことを特徴とする直流遮断用真空バルブ。 - 接離自在の一対の接点と、
前記接点の周りに設けられた永久磁石と、
を有する直流遮断用真空バルブにおいて、
前記接点は、接点面を三分割し、
中央に導電率の高い通電用接点を設け、
両端に前記通電用接点よりも後退した電流裁断値の高い遮断用接点を設けたことを特徴とする直流遮断用真空バルブ。 - 前記遮断用接点に、外周にいくほど、ギャップ長が広がるようなテーパを設けたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の直流遮断用真空バルブ。
- 前記接触面を楕円状としたことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の直流遮断用真空バルブ。
- 接離自在の一対の接点と、
前記接点の周りに設けられた永久磁石と、
を有する直流遮断用真空バルブにおいて、
前記接点は、中央部にざぐり穴を設けた導電率の高い通電用接点と、
前記通電用接点の周りに設けられるとともに、前記通電用接点よりも後退し、且つ外周にいくほどギャップ長が広がるようなテーパを複数段設けた電流裁断値の高い遮断用接点と、
を備えたことを特徴とする直流遮断用真空バルブ。 - 前記通電用接点を導電性合金とし、
前記遮断用接点を抵抗性合金としたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の直流遮断用真空バルブ。
Priority Applications (1)
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JP2013184958A JP2015053169A (ja) | 2013-09-06 | 2013-09-06 | 直流遮断用真空バルブ |
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JP2013184958A JP2015053169A (ja) | 2013-09-06 | 2013-09-06 | 直流遮断用真空バルブ |
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JP2013184958A Pending JP2015053169A (ja) | 2013-09-06 | 2013-09-06 | 直流遮断用真空バルブ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9852858B2 (en) | 2015-04-22 | 2017-12-26 | Lsis Co., Ltd. | Contact of vacuum interrupter |
-
2013
- 2013-09-06 JP JP2013184958A patent/JP2015053169A/ja active Pending
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US9852858B2 (en) | 2015-04-22 | 2017-12-26 | Lsis Co., Ltd. | Contact of vacuum interrupter |
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