JP4770552B2 - タンタル酸リチウム単結晶の製造方法 - Google Patents

タンタル酸リチウム単結晶の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、波長変換素子等に用いて好適な、タンタル酸リチウム単結晶を製造する方法に係わる。
タンタル酸リチウム(LiTaO)やニオブ酸リチウム(LiNbO)に代表される無機強誘電体結晶は、レーザ光発生装置において波長変換素子等に用いられる。
そして、例えば、第二高調波発生(SHG)を利用した波長変換素子の場合、近赤外光を入射して緑色光を得ることができることから、レーザ光源を用いた画像生成装置(プロジェクタやプリンタ等)や光学記録再生装置等に適用することができる。
最近、波長変換素子として、上述したタンタル酸リチウム等の無機強誘電体単結晶の分極を周期的に反転させる構造が、主流となっている。
この構造の波長変換素子は、疑似位相整合(Quasi Phase Matching;QPM)方式、即ち、基本波と高調波の伝搬定数の差を周期構造で補償して位相を整合させる方式を採用している。
この方式では、高い変換効率が得られること、出力光の平行ビーム化・回折限界集光が容易であること、適用できる材料や波長に制限がないこと等、多くの優れた特徴を持っている。
ところで、レーザ光の波長変換素子においては、耐光損傷強度が強いことが要求され、そのための材料開発が求められている。
例えば、コングルエント組成(一致溶融組成)のタンタル酸リチウム単結晶基板を、VTE(Vapor Transport Equilibration;気相平衡法)によって処理して、化学量論組成に近づけることが提案されている(特許文献1参照)。
これにより、耐光損傷強度を向上させることができる。また、抗電場Ec(分極を反転させるための印加電圧の目安となる値)の値も、コングルエント組成タンタル酸リチウム単結晶の20kV/mm以上に対して、数100V/mmと低減化できて、分極反転が比較的容易にできるようになる。
また、2重ルツボ法と称される特殊な結晶育成装置を用いて、添加物を加えた化学量論組成に近いタンタル酸リチウム単結晶を育成する製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この製造方法によって単結晶を育成することにより、耐光損傷強度の向上や抗電場の低減化を図ることができる。
米国特許第4071323号明細書 特開2001−287999号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された製造方法では、単結晶の耐光損傷強度は必ずしも充分には得られていない。
一方、上記特許文献2に記載された製造方法では、特殊な結晶育成装置を必要とするため、装置が複雑になり、組成均質性や大型化、量産化、低コスト化については充分とは言い難い。
上述した問題の解決のために、本発明においては、単結晶の耐光損傷強度を充分に確保すると共に、大型化や量産が可能である、タンタル酸リチウム単結晶の製造方法を提供するものである。
本発明のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法は、MgOを添加物として含み、MgOの添加量が0.05mol%〜0.2mol%であるコングルエント組成のタンタル酸リチウム単結晶基板を使用して、この単結晶基板を、タンタルとリチウムとを含む原料を用いて気相平衡法により処理することにより、化学量論組成に近づけるものである。
上述の本発明のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法によれば、MgOを添加物として含み、MgOの添加量が0.05mol%〜0.2mol%であるコングルエント組成のタンタル酸リチウム単結晶基板を使用して気相平衡法により処理を行うので、抗電場を低減することが可能になる。
また、添加物を含まないコングルエント組成のタンタル酸リチウム単結晶基板を使用して気相平衡法により処理を行った場合と比較して、処理後に得られる単結晶の耐光損傷強度を向上することが可能になる。
上述の本発明の製造方法によれば、耐光損傷強度に優れ、かつ抗電場も低い単結晶を得ることができる。
従って、分極反転型波長変換デバイスに用いて好適な単結晶を得ることができる。
また、本発明の製造方法によれば、添加物が添加されたコングルエント組成のタンタル酸リチウム単結晶基板を使用するので、SAW(surface acoustic wave ;弾性表面波)デバイスに代表されるコングルエント組成の単結晶の完成された育成技術をそのまま流用することができることから、大型化、高品質化、量産化、及び低コスト化に優れている。
前述したように、本発明においては、予め添加物が添加されたコングルエント組成のタンタル酸リチウム単結晶基板を使用して、気相平衡法(VTE法)により処理を行って、化学量論組成(タンタル:リチウム=1:1)に近づける。
また、本発明においては、単結晶に予め添加する添加物として、2a族元素、2b族元素、3a族元素、3b族元素、即ち以下に挙げる元素から選ばれる1種又は2種以上を使用する。
2a族元素:Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Ra
2b族元素:Zn,Cd,Hg
3a族元素:Sc,Y,ランタノイド系列の元素(希土類元素;La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu)、アクチノイド系列の元素(Ac,Th,Pa,U,Np,Pu,Am,Cm,Bk,Cf,Es,Fm,Md,No,Lr)
3b族元素:B,Al,Ga,In,Tl
そして、上述の元素単体、もしくは上述の元素の化合物例えば酸化物を添加物として予め単結晶に添加して、気相平衡法による処理を行う前の単結晶基板を作製する。例えば、引上法により単結晶基板を育成する場合には、単結晶を育成するための融液に、上述の元素単体、もしくは上述の元素の化合物を添加して、単結晶の育成を行う。
添加物の添加量は、添加する元素の種類にもよるが、少な過ぎることがなく、また多過ぎることがないように、ある程度の範囲内に設定する。
例えば、酸化マグネシウム(MgO)を添加する場合には、タンタル酸リチウムに対して、0.01mol%〜0.25mol%の範囲内とする。
添加量が少な過ぎると、耐光損傷強度を向上する効果が充分に得られない。
一方、添加量が増えるに従い、自発分極等の誘電特性が低下していくので、添加量が多すぎると、誘電特性が充分に得られなくなる。
以下、本発明のタンタル酸リチウムの単結晶製造方法の一実施の形態を説明する。
まず、上述した元素が添加物として予め添加されたコングルエント組成のタンタル酸リチウム単結晶基板1を用意する。
添加物が予め添加されたコングルエント組成のタンタル酸リチウム単結晶基板の育成方法としては、従来公知の育成方法、例えば引上法(所謂チョクラルスキー法)を適用することができる。
コングルエント組成では、リチウム及びタンタルのモル分率(LiO/(LiO+Ta))=0.4830〜0.4853となる。
上述のモル分率を有するタンタル酸リチウムの融液に、添加物を添加して、引上法によって単結晶を育成することにより、添加物が添加されたコングルエント組成のタンタル酸リチウム単結晶基板1を作製することができる。
そして、例えば、引上法で育成された単結晶を、所定の厚さ(例えば、1mm程度)にスライスして得られた、例えば約51mm(2インチ)のフルウエハーの単結晶基板1を用意する。
次に、タンタルとリチウムとを含む原料を使用して、気相平衡法(VTE法)により処理を行う。
原料としては、例えば、酸化タンタルと酸化リチウムとの混合粉末を使用することができる。
また、タンタル酸リチウム単結晶を化学量論組成に近づけるためには、原料において、タンタルよりもリチウムを多くする必要がある。例えば、原料のモル分率(LiO/(LiO+Ta))を0.55〜0.95とすればよい。
気相平衡法(VTE法)の条件は、処理温度を1100℃〜1650℃、好ましくは1200℃〜1500℃とし、処理時間を5時間〜400時間程度とする。
なお、処理時間は、処理する単結晶基板の厚さに依存し、例えば、0.5mm〜1.0mm程度の厚さの単結晶基板に対しては、10時間〜300時間程度が好ましい。
本実施の形態における、気相平衡法(VTE法)による処理の基本的な流れは、以下に示す通りである。
(1)原料粉末が充填された収容部材(白金皿等)を容器に入れる
(2)収容部材に対して単結晶基板を配置する
(3)原料粉末及び単結晶基板の周囲を被覆部材で覆ってほぼ密閉状態とし、それらを容器内に収容して密閉する。
(4)容器を高温で所定時間加熱する。
(5)高温処理後、容器から被覆部材を取り外して、単結晶基板を取り出す。
そして、本実施の形態においては、装置の構成や基板の配置を図1〜図3に示すようにして、気相平衡法(VTE法)による処理を行う。
原材料及び基板の収容状態について説明するために、概略構成図を図1に示す。図1は、容器等の断面構成を示している。
図1に示すように、本実施の形態では、原料粉末3を入れるための収容部材4として、一端部に開口を有し、所定の深さをもった白金皿を使用している。
複数枚の基板1(例えば、フルウエハー)は、保持部材5によって支持された状態で、収容部材4に配置されている。
ここで、保持部材5の一形態の構成を、図2A及び図2Bに示す。
図2A及び図2Bに示すように、この保持部材5(支持治具或いはホルダー)は、基板1,1,…が、個々の基板に対してそれぞれ形成された溝5a,5a,…内に受け入れられることにより、直立状態で整列されている。
保持部材5の材質としては、白金製の板や線材等を使用することができる。板や線材を加工することにより、図2A及び図2Bに示すような保持部材5が作製される。
なお、各基板を積み重ねて積層状態に配置し、隣り合う基板の間にスペーサ(白金線等)を介在させる方法も考えられるが、作業性に問題があり、また、基板のうちスペーサの存在によって隠れてしまう場所にはリチウム蒸気が当たらないので処理ができなくなって有効面積が減少し、歩留まりの悪化に繋がる等の問題が生じる。
これに対して、本実施の形態のように、各基板を直立状態で整列させることにより、基板の間にスペーサ等を介在させる必要がなくなり、作業性や量産性を向上させることができる。
保持状態の基板同士の間隔が狭すぎると、処理に支障を来す虞があるので、十乃至十数ミリメートル程度の間隔を確保することが望ましい。但し、基板同士の間隔を大きくしすぎると、一度にセット可能な基板枚数が少なくなってしまうことに注意を要する。
また、保持部材5に対して、各基板を正確に垂直な状態で保持する必要はなく、許容される傾斜角度をもって各基板をほぼ直立状態で保持すれば良い。
原料粉末3が充填された収容部材4に対して、基板1,1,…を保持した保持部材5は原料粉末3の上に載置される。そして、この状態で、原料粉末3及び各基板1の周囲を覆うようにして被覆部材6を被せる。
被覆部材6は、原料粉末3及び基板1,1,…を密封するための部材であり、例えば、一端部が開口された円筒状の白金製ルツボを用いることができる。
そして、被覆部材6を被せた状態では、図1に示すように、被覆部材6の開口縁が容器7の内底面に接触された状態となっている。
容器7(加熱用容器)は、原料粉末3が充填された収容部材4と、各基板1をほぼ垂直の状態に保持した状態の保持部材5と、これらの部材を覆っている被覆部材6を収容して高温で加熱するための部材である。
本実施の形態では、角箱状をした2分割型のアルミナ角型容器が用いられ、上ハーフ7Hと、下ハーフ7Lとで構成される空間内に上記の各部材4,5,6や基板1、原料粉末3が収容される。つまり、原料粉末3が充填された収容部材4が下ハーフ7Lの内底面に位置され、これに基板1を保持した状態の保持部材5が配置される。そして、これらを被覆部材6で覆うことにより、この被覆部材6と下ハーフ7Lとの間に形成される空間内に、基板1や原料粉末3等がほぼ密封状態で閉じ込められる。そして、下ハーフ7Lに上ハーフ7Hを載せて両者を一体にすることで、全てが容器7内に収容される。
次に、上述した(4)の加熱工程で使用される装置8の要部を、図3A及び図3Bに示す。
図3A及び図3Bに示すように、例えば、円柱状をした炉9には凹部9aが設けられ、その内底面に、図1に示した収容状態の容器7を配置して、炉蓋10を閉じる。
そして、図示しない熱源(ヒーター)及び温度検出手段(熱電対を用いた温度センサ)、温度制御手段を用いて、大気中で高温の熱処理を行う。
これにより、基板1に対して、気相平衡法(VTE法)による処理がなされる。
VTE法による処理が終了した後には、炉9から容器7を取り出して、容器7の上ハーフ7Hを外し、被せてある被覆部材6(白金ルツボ)を取り外す。
このとき、被覆部材6を容易に取り外すことができ、中の基板1を手際良く取り出すことができるため、従来の方法と比較して、工程数及び時間を短縮できる。
従って、作業性が良好であり、量産化に適している。
このように処理して得られた基板1は、良好な特性を有し、例えば、SHG等の非線形光学デバイスへの適用において、耐光損傷性が大幅に改善される。
なお、気相平衡法(VTE法)による処理を行った直後の基板は、引上法により育成された直後の単結晶基板(即ち、処理前の基板)と同様に、多分域状態となっているため、単分域化処理を行う。
単分域化処理の方法は、従来公知の方法を使用することができ、例えば、基板の両面に導電膜から成る電極を形成して、両電極間に電圧を印加すると共に、キュリー点よりも低い所定の温度で加熱する。
また、この単分域化処理において歪が生じた場合には、この歪を除去するために単分域化処理後にアニール(熱処理)を行う。
また、容器等の材質については、熱的及び化学的な安定性を考慮して、収容部材4、保持部材5、被覆部材6の何れにも白金(Pt)を用いることが好ましく、それら全体を囲む容器7としてアルミナ容器を用いることが好ましいが、原料粉末3の特性やコスト要求等に応じて、その他の材質を選択することももちろん可能である。
上述の本実施の形態によれば、収容部材4に原料粉末3を入れるだけで不純物の混入がないようにすることができ、バインダー等の整形の必要もない。
また、基板1を保持部材5に載せるだけで基板1を設置できるため、基板の保持のための穴あけ加工等が不要になり、また各基板1をほぼ直立状態で保持してスペーサ等を不要にする。
また、基板1のサイズの変更に対しても、容易かつ柔軟に対応することができる。
さらに、被覆部材6を被せることにより、基板1を密閉することができるので、蒸気の漏れを防いで、VTE法による処理を有効に行うことができる。
従って、本実施の形態によれば、工程数を削減することができ、基板の品質管理が容易になる。また、基板サイズを変更しても製造設備を大幅に改変する必要がない。
しかも、添加物が添加されたコングルエント組成のタンタル酸リチウム単結晶基板を使用することから、コングルエント組成の単結晶の完成された育成技術をそのまま流用することができる。
即ち、タンタル酸リチウム単結晶の量産化や高品質化、大型化、並びにコストの低減を図ることができる。
また、上述の本実施の形態によれば、添加物を添加したタンタル酸リチウム単結晶を使用して、VTE法による処理を行うことにより、耐光損傷強度を充分に有し、かつ抗電場が低く、分極反転形成が容易となる誘電特性を有する単結晶を得ることができる。
そして、特に、添加物を含まないコングルエント組成のタンタル酸リチウム単結晶基板を使用してVTE法による処理を行った場合と比較して、処理後に得られる単結晶の耐光損傷強度を向上することが可能になる。
上述の実施の形態では、基板1としてフルウエハーを使用して、VTE法による処理を行っているが、フルウエハーを分割した基板を使用してもよい。
また、被覆部材は、基板を収容した空間が密閉されるのであれば、原料粉末及び収容部材の全てを覆っていなくてもよい。例えば、被覆部材の開口端を収容部材(白金皿等)に収容された原料粉末に埋めて、原料粉末と被覆部材とによって密閉空間を形成してもよい。
上述した実施の形態の製造方法によって製造したタンタル酸リチウム単結晶は、例えば、SHG等の波長変換や、偏光、焦点等の制御やスイッチング、光記憶等に用いる各種の光学デバイスへの適用が考えられる。
このような光学デバイスとして、周期分極反転構造を有する非線形光学デバイス(SHG素子等)に適用した場合の、光学デバイスの製造方法を、以下、図4A〜図4Eを参照して説明する。
まず、図4Aに示す基板(単結晶基板)1を装置8に投入する。基板1としては、引上法(チョクラルスキー法)で育成された、上述した元素を添加物として含有するコングルエント組成の単結晶を、所定の厚さ(例えば1mm)にスライスしたものを使用することができる。
続いて、基板1に気相平衡法(VTE法)により処理を行う。
処理後に基板1を装置8から取り出す。
その後、所定温度で電界を印加して単分域化を行う。
次に、図4Bに示すように、例えばアルミニウムから成る電極膜を成膜した後、リソグラフィーによってパターンニングして、例えば数μm程度の所定周期を有する電極パターンを基板1に形成する。図4Bでは、簡略化して示しているが、実際には櫛状の電極パターンとする。
周期分極反転構造では、例えば、強誘電体基板において片面に分極周期パターンに一致する周期電極を形成し、他方の面に一様電極を形成する。
次に、図4Cに示すように、対をなす電極間(表裏面の電極)に、数百V程度の外部直流電圧を印加する。これによって、図4Dに概念的に示すように、所定の分極反転周期を持ったドメイン構造とする。
その後、研磨やコート等の処理工程を経て、基板1上に形成された個々の素子部分を切断等により分離する。
これにより、図4Eに示すような光学デバイス2を製造することができる。
図4Eに示す光学デバイス2としては、例えば、光線伝播方向の長さが8mm程度の非線形光学デバイス等が挙げられる。
続いて、本発明の製造方法により、実際にタンタル酸リチウム単結晶を製造して、特性を調べた。
(実施例1)
モル分率((LiO/(LiO+Ta))=0.485のコングルエント組成のタンタル酸リチウムに対して、MgOを0.05mol%添加した融液を使用して、2インチサイズのタンタル酸リチウム単結晶を育成した。
育成したタンタル酸リチウム単結晶をZ面で切り出し、1mm厚に加工した基板を使用して、図2〜図4に示した構成の容器及び製造装置を使用して、気相平衡法(VTE法)により処理を行った。VTE法による処理の条件は、原料粉末の組成を0.65LiO・0.35Ta(モル比)、処理温度を1360℃、処理時間を200時間とした。
VTE処理直後の基板は多分域状態であるため、両面にカーボンペーストを塗布して電極材として、200℃に加熱すると共に両電極間におよそ1kVの直流電圧を印加して、単分域化処理を行った。
さらに、単分域化処理時の歪を除去するために、600℃でアニールを行った。
これにより、タンタル酸リチウムの単結晶を得た。
得られた単結晶に対して、以下の方法によって、特性を測定した。
まず、ソーヤータワーブリッジ法で、強誘電ヒステリシス曲線を測定した。
その結果、対称性の良いヒステリシス曲線が測定された。飽和自発分極量は56μC/cmと文献値とほぼ同等であり、抗電場の値は210V/mmとなっていた。
次に、耐光損傷強度を測定した。測定方法は、波長532nmの連続発振の緑色レーザ光を直径40μmに絞って、レーザの偏光方向がc軸に平行になるように、単結晶中へ入射させて、単結晶から出射するレーザビームをスクリーン上に投影した。
もし、光損傷が発生すると、結晶の屈折率が大きく変化するために、出射するレーザビームがスポット状から変形するので、光損傷を目視で観察することができる。
測定の結果、測定時に用いた緑色レーザの発生装置の出力限界である8W(パワー密度〜630kW/cm)入射に対しても、光損傷が全く観察されなかった。
(参考例1)
コングルエント組成タンタル酸リチウムに対するMgOの添加量を0.1mol%に増やした他は、実施例1と同様の方法により、単結晶の育成、VTE法による処理、単分域化処理を行い、タンタル酸リチウム単結晶を得た。
得られた単結晶に対して、実施例1と同様の方法により、特性を測定した。
その結果、実施例1と同様に8W入射に対しても光損傷は全く観察されなかったが、ヒステリシス曲線の対称性が悪く、飽和自発分極量は23μC/cmと実施例1に比べて半減していた。
(参考例2)
コングルエント組成タンタル酸リチウムに対するMgOの添加量を0.2mol%に増やした他は、実施例1と同様の方法により、単結晶の育成、VTE法による処理、単分域化処理を行い、タンタル酸リチウム単結晶を得た。
得られた単結晶に対して、実施例1と同様の方法により、特性を測定した。
その結果、実施例1と同様に8W入射に対しても光損傷は全く観察されなかったが、ヒステリシス曲線の対称性が悪く、飽和自発分極量は4μC/cmと、実施例1に比べて大幅に小さくなっていた。
参考例1及び参考例2では、内部電場が大きいために、ヒステリシス曲線の対称性が悪くなっており、タンタル酸リチウム結晶本来の誘電特性を再現していない。
一方、光損傷強度は充分に得られている。
そこで、内部電場の大きさに対応して、単分域化処理の条件を変更すれば、特性が改善されると推測して、単分域化処理の温度を200℃から400℃に上げて、再度実験を行った。
(実施例2)
単分域化処理の温度を200℃から400℃に変更した他は、参考例1と同様(MgOを0.1mol%添加)にして、単結晶の育成、VTE法による処理、単分域化処理を行い、タンタル酸リチウム単結晶を得た。
得られた単結晶に対して、実施例1と同様の方法により、特性を測定した。
その結果、実施例1と同様に8W入射に対しても光損傷は全く観察されなかった。
また、対称性の良いヒステリシス曲線が得られ、飽和自発分極量は54μC/cmと実施例1に近い値が得られた。また、抗電場の値は230V/mmとなっていて、実施例1と近い値であった。
(実施例3)
単分域化処理の温度を200℃から400℃に変更した他は、参考例2と同様(MgOを0.2mol%添加)にして、単結晶の育成、VTE法による処理、単分域化処理を行い、タンタル酸リチウム単結晶を得た。
得られた単結晶に対して、実施例1と同様の方法により、特性を測定した。
その結果、実施例1と同様に8W入射に対しても光損傷は全く観察されなかった。
また、対称性の良いヒステリシス曲線が得られ、飽和自発分極量は52μC/cmと実施例1に近い値が得られた。また、抗電場の値は420V/mmとなっていた。
(比較例1)
コングルエント組成タンタル酸リチウムに対するMgOの添加量を0.5mol%に増やした他は、実施例1と同様の方法により、単結晶の育成、VTE法による処理、単分域化処理を行い、タンタル酸リチウム単結晶を得た。
得られた単結晶に対して、実施例1と同様の方法により、特性を測定した。
その結果、実施例1と同様に8W入射に対しても光損傷は全く観察されなかった。
しかしながら、内部電場が極端に大きいためか、単分域化が不可能であり、多分域状態のままであった。
(比較例2)
コングルエント組成タンタル酸リチウムに添加物を加えない融液から育成したタンタル酸リチウム単結晶を用いた他は、実施例1と同様の方法により、単結晶の育成、VTE法による処理、単分域化処理を行い、タンタル酸リチウム単結晶を得た。
得られた単結晶に対して、実施例1と同様の方法により、特性を測定した。
その結果、対称性の良いヒステリシス曲線が測定され、飽和自発分極量は54μC/cmと文献値とほぼ同等であり、抗電場の値は110V/mmとなっていた。
一方、光損傷は、4W(パワー密度〜300kW/cm)入射に対して出射ビームの変形が観測され、実施例1〜実施例3と比較して、光損傷閾値が低下していることがわかった。
(比較例3)
前述した特許文献2に記載された2重ルツボ法で育成された、MgOを1.0mol%添加した化学量論組成に近い、2インチサイズ、厚さ1mmのタンタル酸リチウム単結晶を用いて、実施例1と同様の方法によって、特性を測定した。
その結果、実施例1と同様に8W入射に対しても光損傷は全く観察されなかった。
また、対称性の良いヒステリシス曲線が測定され、飽和自発分極量は56μC/cmと文献値とほぼ同等であった。
しかし、抗電場の値は600V/mmと、実施例1に比べて3倍程度大きかった。
このため、この単結晶を使用して構成した光学デバイスにおいて、分極反転電圧が高くなり、分極反転幅比等の制御性に問題が生じる可能性がある。
なお、気相平衡法(VTE法)によって処理する前のコングルエント組成の単結晶についても、上述の実施例及び比較例と同様にして、光損傷の測定を行った。MgOの添加量を、0mol%(添加なし)、0.05mol%、0.1mol%、0.2mol%、0.5mol%、1mol%、3mol%、5mol%と変えた、8種類の単結晶の測定を行った。
その結果、8種類とも、0.05W(パワー密度4kW/cm)の光照射でも出射ビームの変形(光損傷)が観察された。
即ち、気相平衡法(VTE法)による処理を行わないと、充分な光損傷強度が得られないことがわかった。
以上の結果から、実施例1〜実施例3のように、MgOを添加した融液から単結晶を育成すること、即ち、MgOが添加された単結晶を育成することと、育成した単結晶を気相平衡法(VTE法)によって処理することとを、共に実行することにより、耐光損傷強度を充分に得ることができ、また抗電場を低減できることがわかる。
なお、上述の各実施例では、コングルエント組成として、モル分率((LiO/(LiO+Ta))=0.485の組成を使用したが、一般的に言われているコングルエント組成範囲であれば、その他の組成としても同様の効果を得ることが可能である。
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
本発明の製造方法の一実施の形態における原料粉末及び基板の収容状態を示す図である。 A、B 本発明の製造方法の一実施の形態における基板の保持方法の一形態を示す図である。 A、B 本発明の製造方法の一実施の形態における製造装置の要部の概略構成図である。 A〜E 本発明で製造した単結晶基板を用いた光学デバイスの製造工程を説明する工程図である。
符号の説明
1 基板、2 光学デバイス、3 原料粉末、4 収容部材、5 保持部材、6 被覆部材、7 容器、9 炉

Claims (1)

  1. MgOを添加物として含み、MgOの添加量が0.05mol%〜0.2mol%であるコングルエント組成のタンタル酸リチウム単結晶基板を使用して、
    前記単結晶基板を、タンタルとリチウムとを含む原料を用いて気相平衡法により処理することにより、化学量論組成に近づける
    タンタル酸リチウム単結晶の製造方法。
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