JP4768921B2 - 高微粉炭吹込み低Si高炉操業方法 - Google Patents

高微粉炭吹込み低Si高炉操業方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、銑鉄トン当り100kg[以下、kg/thm(ton hot metal)の単位で表わす]以上の高微粉炭を高炉羽口より吹込む高微粉炭吹込み高炉操業下において、出銑する溶銑中のSi濃度を減少させるための高微粉炭吹込み低Si高炉操業方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
周知のように従来、高炉では、鉄鉱石(ペレット、焼結鉱等を含む)、コークス、副原料(石灰石等)などを上部から装入する一方、下部の羽口から高温の空気を供給することで、コークスを燃料(熱源)及び還元剤として鉄鉱石を還元、溶解し、銑鉄の製造がなされてきたが、その後、製造コストの高いコークスの使用量を低減するため、またコークス炉の老朽化対策としてコークス炉の稼働率を軽減するため、等の理由から、コークスに代わる燃料として高炉羽口から補助燃料を吹込む高炉操業方法が広く実施されるようになってきた。
【0003】
上記補助燃料としては、当初、燃焼性に優れる重油等の液体燃料が用いられたが、先のオイルショック以降、重油価格が高騰し、近年では、石炭を粉砕した微粉炭をコークスの一部代替燃料として高炉羽口から吹込む所謂微粉炭吹込み高炉操業(以下PCI操業という)が一般的となり、また今日では、微粉炭比100kg/thm以上の微粉炭を高炉羽口より吹込む所謂高微粉炭吹込み高炉操業も行なわれつつある。
【0004】
しかしながら、高炉に吹込まれる微粉炭には約10%程度の灰分量が含まれ、この灰分はSiO2:50〜60%、Al23:20〜30%、その他Fe23、CaOなどからなり、主に酸性成分で構成されている。従って、上記のように高炉に微粉炭比100kg/thm以上もの微粉炭を吹込むと、微粉炭中の灰分の中のSiO2を主成分とする酸性スラグがレースウェイ内に大量に増加し、スラグの粘性や融点が上昇し、灰分のレースウェイ内での滓化が遅れるとともに、滓化が遅れた酸性スラグ中のSiO2が、SiO2+C→SiO+COの反応でSiOガスを発生し、この発生したSiOガスが炉下部の高温帯を上昇する間に溶銑中に含まれるCによって還元されてSiとなり、溶銑中に吸収され、溶銑中のSi濃度を増加させる。このように溶銑中のSi濃度が増加すると、後続する製鋼工程では脱珪(Si)処理を十分に行なう必要が生じ、その処理による生産性の低下と共に石灰系フラックスの原単位が増加するなど種々の不具合を生じることになる。
【0005】
そこで、上記不具合を生じることのないように溶銑中のSi濃度の増加を抑制することを目的として、これまでにも溶銑中のSi濃度を低減する高炉操業方法が提案されている。例えば、特開昭57−137403号公報には、微粉炭の吹込みにおける高炉の操業法において、微粉炭とともに石灰石、ドロマイトあるいは、それらの焼成物またはカルシウム、マグネシウムの水酸化物などの塩基性物質を送風羽口から高炉内へ吹込み、これにより出銑する銑鉄中のSi含有量及びS含有量を同時に減少させる、微粉炭と塩基性物質との混合吹込みによる高炉の低Si操業方法が提案されている。
【0006】
しかし、上記公報に提案の方法では、実施例においてSiの低減効果が認められるものの、この例では微粉炭の吹込み量が銑鉄トン当り40〜80kgと低く、今日行なわれつつある微粉炭比100kg/thm以上、更には150kg/thm以上を安定して高炉へ吹込む場合の高炉操業方法とは、レースウェイ中での微粉炭の燃焼条件などが異なる。すなわち、微粉炭はコークスに比べ燃焼速度が速いため、吹込み量が100kg/thm以上の高微粉炭吹込み高炉操業下では従来以上に高温度場及び低酸素場のレースウェイが形成されるとともに、上述したようにレースウェイ周辺部では微粉炭の灰分中のSiO2がスラグ化し大量の酸性スラグを形成することになる。このように酸性スラグが高温度場及び低酸素場に存在する場合には、上記SiO2+C→SiO+COの反応が起こりやすくなり、酸性スラグからSiOガスが発生しやすくなる。
【0007】
上記のような状況下において、上記公報に提案のように微粉炭とともに石灰石、ドロマイトあるいは、それらの焼成物またはカルシウム、マグネシウムの水酸化物などの塩基性物質を単に混合して高炉羽口より吹込むだけでは大量に形成された酸性スラグ中のSiO2の活量を十分に低下させることが難しく、SiOガスの発生を十分に抑制し得ない。
【0008】
一方、特開平2−263907号公報には、高炉羽口より、銑鉄トン当り微粉炭150kg以上、同じく酸化鉄150kg以上を同時に吹込み、羽口前理論燃焼温度を1800℃以上2600℃以下とし、羽口送風中の微粉炭/酸素重量比率を限定範囲内とする高炉羽口粉体吹込み操業法と、この操業の際に併せて高炉羽口より、銑鉄トン当り造滓剤30〜60kgを吹込む高炉羽口粉体吹込み操業法が提案されている。
【0009】
そして、上記公報に提案の高炉羽口粉体吹込み操業法によれば、風圧変動や荷下がり変動を起こすことなく操業を継続することが可能となり、コークス炉生産制約の緩和、焼結鉱焼成エネルギーの低減および高炉出銑比上昇による生産弾力性の向上をはかることが可能となるなど、産業上極めて有用な効果がもたらされるとされている。そして、この操業方法の好適態様として必要により造滓剤が高炉羽口から吹込まれ、その造滓剤としては石灰石、ドロマイト等、その他のMgO源またはCaO源を含有するものが例示されている。しかし、この高炉羽口粉体吹込み操業法では溶銑中のSi濃度の低減については何ら説明がなされていない。
【0010】
また、高炉に微粉炭比100kg/thm以上もの微粉炭を吹込んだ場合に、溶銑中のSi濃度が増加する原因として、上述したSiOガスの発生の他に溶銑流れの経路が懸念される。具体的には、オールコークス操業時及び微粉炭比100kg/thm未満の低微粉炭吹込み操業時は、溶銑が逆V字形の炉芯斜面に沿って流れることはほとんど見られず、上述したSiOガスの発生量抑制を対象とすれば良く、フラックス吹込み技術が有効であったが、微粉炭比100kg/thm以上、更には150kg/thm以上もの高微粉炭吹込み操業下では、フラックス吹込みによる出銑中のSi低減効果は少なく、その理由としては、溶銑が逆V字形の炉芯斜面に沿って流れ、そのレースウェイ周辺への流れ込みにより、溶銑中へのSiの吸収促進があり、SiOガスの発生量抑制効果が薄らいでいる結果と考えられる。
【0011】
本発明は、上述の如き事情を背景になしたものであって、その目的は、今日行なわれつつある微粉炭比100kg/thm以上、更には150kg/thm以上を安定して高炉へ吹込むときに直面する溶銑中のSi濃度の増加を低く抑えた、高微粉炭吹込み低Si高炉操業方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る高微粉炭吹込み低Si高炉操業方法は、銑鉄トン当り100kg以上の高微粉炭を高炉羽口より吹込む高微粉炭吹込み高炉操業下において、塩基性フラックスがレースウェイ内で微粉炭と共に分散するように微粉炭と共に塩基性フラックスを高炉羽口より吹込むとともに、炉内に装入するコークスの一部を高炉の中心部に中心コークスとして別装入するものである。
【0013】
本発明では、銑鉄トン当り100kg以上の高微粉炭を高炉羽口より吹込むが、このように多量の微粉炭を高炉羽口より炉内に吹込んだときのレースウェイ特性を調査した。その結果、図1に示すように、オールコークス操業の場合と比較して、レースウェイ内での最高温度が2500℃と高くなり、その温度位置がレースウェイの羽口近傍に移行するとともに、レースウェイの深度とともに急激に低くなることが分かった。また、ガス中酸素濃度及び酸素分圧もそれぞれレースウェイの羽口寄りで高いものの、レースウェイの深度とともに急激に低くなることが分かった。一方、酸素分圧の結果から、レースウェイ内のSiO分圧を計算したところ、本来であればレースウェイの中央から先端寄りで高いはずのものが、中央羽口寄りから高くなっていることが分かった。
【0014】
すなわち、上記の事項から推測するに、多量の微粉炭を高炉羽口より炉内に吹込むと、微粉炭はコークスに比べ燃焼速度が速いため、レースウェイの羽口近傍で高温度場が形成され、これにより、レースウェイ周辺部では微粉炭の灰分中のSiO2がスラグ化し、SiO2を主成分とする酸性スラグがレースウェイ内に大量に増加し、スラグの粘性や融点が上昇し、灰分のレースウェイ内での滓化が遅れる。その上、レースウェイ内は燃焼で酸素が羽口寄りで消費され低酸素場に形成されており、前記高温度場と相俟って、滓化が遅れた酸性スラグ中のSiO2が、SiO2+C→SiO+COの反応でSiOガスを発生する。この発生したSiOガスが炉下部の高温帯を上昇する間に溶銑中に含まれるCによって還元されてSiとなり、溶銑中に吸収され、溶銑中のSi濃度が増加すると推測される。
【0015】
そこで、本発明者等は、上記の如くして大量に増加する酸性スラグの滓化を促進させることに着目し鋭意研究を行なってきた。その結果、特開昭57−137403号公報の実施例にあるような微粉炭と塩基性フラックスとを予め混合し、且つ微粉炭量に対して比較的多量の塩基性フラックスを高炉羽口より炉内に吹込んだ場合、微粉炭比80kg/thm以下では、多量の塩基性フラックスの吹込みによりスラグの融点が高くなるものの、微粉炭との分散性が得られ、この分散性と相俟って酸性スラグの滓化性を損なうことなく、溶銑中のSi濃度の低減が期待されるが、微粉炭比100kg/thm以上では、予め混合しての多量の塩基性フラックスの吹込み自体が難しい上に、吹込めても微粉炭との分散性が悪く、大量に形成される酸性スラグ全体を十分に滓化させることができず、溶銑中のSi濃度の低減が期待できないことが分かった。また、このように溶銑中のSi濃度の低減が期待できないもう一つの理由として、溶銑が逆V字形の炉芯斜面に沿って流れ、そのレースウェイ周辺への流れ込みによりSiOガスとの接触の機会が増え、溶銑中へのSiの吸収促進が想定されることである。そこで、これらのことを改善して本発明をなしたものである。
【0016】
すなわち、本発明では、銑鉄トン当り100kg以上の高微粉炭を高炉羽口より吹込むが、その際、塩基性フラックスがレースウェイ内で微粉炭と共に分散するように微粉炭と共に塩基性フラックスを高炉羽口より吹込むとともに、炉内に装入するコークスの一部を高炉の中心部に中心コークスとして別装入するものである(参考発明1)。
【0017】
微粉炭を上記のように吹込むことで、レースウェイ内では微粉炭の近傍に塩基性フラックスが存在することになり、酸性スラグ中のSiO2の活量を低下させることができるとともに、溶融反応により低粘性のスラグ(CaO−SiO2系)が形成でき滓化の促進が計れることになる。そして、この低粘性スラグがスムーズに炉下部へと滴下し、SiOガスの発生を抑えることができる。一方、高炉の中心部には炉内に装入するコークスの一部が装入されており、この装入によって、炉芯部のコークス粒径を大きく保ち、炉芯の通液性を確保することが可能になり、溶銑を炉芯に浸透させて炉芯斜面に沿って流れる溶銑量を抑制し、SiOガスとの接触機会を減少させることができる。而して、SiOガスの発生を抑えることとSiOガスとの接触機会を減少させることとが相俟って溶銑中のSi濃度をより効果的に低くすることができる。
【0018】
なお、微粉炭と塩基性フラックスとを分散性良くレースウェイ内へ吹込む手段としては、例えば羽口内に複数本のノズルを設け、微粉炭と塩基性フラックスとを別々のノズルから吹込んでもよいし、あるいは予め微粉炭に付着乃至被覆して吹込んでもよい。また、高炉の中心部に装入されるコークスの粒径としては30〜75mm程度のものがよく、コークス粒径が30mm未満では、劣化によってコークス粒径を大きく保つことが難しく、空隙率が低下し炉芯の通液性を確保することが難しくなくなることが懸念される。またコークス粒径が75mmを超えると、装入時に割れが発生し易くなり粉コークスが発生して空隙率が低下し炉芯の通液性を確保することが難しくなくなる。従って、好ましくは45〜75mm程度の粒径とするのがよい。
【0019】
そして更に、本発明では、上記参考発明1の構成に加えて、吹込まれる塩基性フラックスの量を、その塩基性フラックス中のCaO量と吹込まれる微粉炭中のSiO2量との質量比(CaO/SiO2:以下C/Sで表わす)が0.8〜2.0となる量に調整して高炉羽口より吹込むことが望ましい(参考発明2)。
【0020】
すなわち、塩基性フラックスを分散性良く吹込んでも、C/Sが0.8未満では塩基性フラックスが少なく大量の酸性スラグと十分に溶融反応させることが難しく、酸性スラグを十分に低粘性スラグに滓化させることができないことが懸念され、引いては溶銑中のSi濃度の低減が十分に計れないことが懸念される。このことからして、C/Sの下限値はより望ましくは1.0以上とするのがよい。一方、C/Sが2.0を超える場合は、大量の酸性スラグと溶融反応する量の塩基性フラックスが存在することになり、酸性スラグ中のSiO2の活量を抑制できるものの、高融点の塩基性フラックスが多くなるため溶融反応の融点が高くなり滓化がスムーズにできなくなる。このことからして、C/Sの上限値はより望ましくは1.7以下とするのがよい。従って、本発明ではC/Sを0.8〜2.0の範囲が望ましく、より望ましくは1.0〜1.7とするもので、この範囲内であれば大量の酸性スラグを塩基性フラックスと溶融反応させて低融点、低粘性のスラグに滓化させることができ、炉内に装入するコークスの一部を高炉の中心部に装入する作用効果と相俟って溶銑中のSi濃度の低減を十分に計ることができる。
【0021】
また、本発明では、上記参考発明1の構成に加えて、吹込まれる塩基性フラックスがそのフラックス中にMgOを少なくとも3.0%以上含む場合には微粉炭中の灰分に含まれるAl23が酸性的に作用することから、吹込まれる塩基性フラックスの量を、その塩基性フラックス中のCaO量及びMgO量と吹込まれる微粉炭中のSiO2量及びAl23量との質量比[(CaO+MgO)/(SiO2+Al23):以下(C+M)/(S+A)で表わす]が0.6〜1.6となる量に調整して高炉羽口より吹込むことが望ましい(参考発明3)。
【0022】
すなわち、塩基性フラックスを分散性良く吹込んでも、(C+M)/(S+A)が0.6未満では塩基性フラックスが少なく大量の酸性スラグと十分に溶融反応させることが難しく、酸性スラグを十分に低粘性スラグに滓化させることができないことが懸念され、引いては溶銑中のSi濃度の低減が十分に計れないことが懸念される。このことからして、(C+M)/(S+A)の下限値はより望ましくは0.8以上とするのがよい。一方、(C+M)/(S+A)が1.6を超える場合は、大量の酸性スラグと溶融反応する量の塩基性フラックスが存在することになり、酸性スラグ中のSiO2の活量を抑制できるものの、高融点の塩基性フラックスが多くなるため溶融反応の融点が高くなり滓化がスムーズにできなくなる。このことからして、(C+M)/(S+A)の上限値はより望ましくは1.6以下とするのがよい。従って、本発明では(C+M)/(S+A)を0.6〜1.6の範囲が望ましく、より望ましくは0.8〜1.4とするもので、この範囲内であれば大量の酸性スラグを塩基性フラックスと溶融反応させて低融点、低粘性のスラグに滓化させることができ、炉内に装入するコークスの一部を高炉の中心部に装入する作用効果と相俟って溶銑中のSi濃度の低減を十分に計ることができる。
【0023】
また更に、上記参考発明2の高微粉炭吹込み低Si高炉操業方法においては、下記(1)式で求められる操業指数αが0.025〜0.260の範囲となるように、高炉の中心部に中心コークスとして別装入するコークス量と高炉羽口より吹込まれる微粉炭量とを調整して操業するとよい(請求項)。
α=Rccc/Rpc×B ………(1)
但し、Rccc:高炉の中心部に中心コークスとして別装入するコークス量(kg/th m)
Rpc :高炉羽口より吹込まれる微粉炭量(kg/thm)
B :塩基性フラックス中の塩基性酸化物であるCaO量と微粉炭中の酸性酸 化物であるSiO 量との質量比CaO/SiO (−)
【0024】
図2は、高炉羽口より吹込まれる微粉炭量Rpc=200kg/thmとし、高炉の中心部に装入するコークス量(Rccc)と塩基性フラックス中の塩基性酸化物と微粉炭中の酸性酸化物の質量比(B)を変化させて高炉操業した場合の、操業指数(α)と出銑中のSi量との関係を示すグラフ図である。なお、図において、α=0.00上の黒点は、上から微粉炭のみの吹込みの場合、微粉炭吹込みとコークスの中心部への装入との組合せの場合、下二つは微粉炭とフラックスの同時吹込みの場合である。
【0025】
上記図2から明らかなように、αが0.025以上の操業であれば、出銑中のSi量が0.45以下となり低減効果のあることが分かる。しかし、αが0.26を超えて操業しても、出銑中のSi量の低減効果は飽和してしまい、逆にフラックスの入れ過ぎによる風圧上昇などのマイナス面が懸念される他に、高炉の中心部に装入する高価なコークスを必要以上に装入する不経済な操業となる。このため、操業指数αを0.025〜0.260の範囲とし、より望ましくは0.05〜0.260の範囲とする。
【0026】
なお、本発明では、塩基性フラックスを特に限定するものではないが、好適には生石灰が望ましく、生石灰(CaO)であれば上述の作用効果はもとより石灰石やドロマイトなどより吹込み量を少なくでき、これにより微粉炭の吹込み量を多くすることができる。また、生石灰(CaO)を多量に含む転炉スラグなども使用できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
高炉において、羽口に微粉炭吹込みノズルと塩基性フラックス吹込みノズルとを設けて、本発明の方法に係る微粉炭吹込み試験を行なった。図3は、そのときに得られた吹込みCaO量と溶銑中のSi量との関係を示すグラフ図であって、高炉の中心部に装入するコークス量(Rccc)を13kg/thmとし、図3aは微粉炭比(Rpc)100kg/thmの場合、図3bは微粉炭比(Rpc)200kg/thmの場合である。なお、この試験では塩基性フラックスとして生石灰(CaO)を用いた。
【0028】
上記図3から明らかなように、微粉炭比100kg/thmの場合には、吹込み微粉炭量がそれほど多くないこともあって、吹込みCaO量が6kg/thm(B=C/S:約1.0,α=0.13)では溶銑中のSi濃度が約0.31〜0.35%で十分低減し改善効果は中心コークス無しの時に比べ効果が大きかった。吹込みCaO量が12kg/thm(B=C/S:約2.0,α=0.26)では溶銑中のSi濃度が約0.28〜0.33%で低減効果がフラックスの投入量の割りに少なかった。この吹込みCaO量が12kg/thm以上の試験において送風圧の上昇が認められた。これはC/Sが高くなったためスラグ融点が高くなり滓化が遅れ通気性が悪くなったためと推測される。
【0029】
一方、微粉炭比200kg/thmの場合には、吹込みCaO量が6kg/thm(B=C/S:約0.5,α=0.033)では溶銑中のSi濃度が約0.39〜0.44%でそれほど低減せず改善効果はわずかであった。これは微粉炭の灰分中のSiO2が大量に生じCaOが不足し十分な溶融反応が行われなかったためと推測される。しかし、吹込みCaO量が12kg/thm(B=C/S:約1.0,α=0.065)及び20kg/thm(B=C/S:約1.7,α=0.11)では、十分な溶融反応が行われ、溶銑中のSi濃度が約0.32〜0.35%及び約0.28〜0.31%とそれぞれ大きく低減し大きな改善効果が認められた。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る高微粉炭吹込み低Si高炉操業方法によれば、溶銑中のSi濃度を低減させて、今日行なわれつつある微粉炭比100kg/thm以上はもとより、150kg/thm以上、更には200kg/thm以上もの高微粉炭吹込み低Si高炉操業をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レースウェイ深度と温度、酸素濃度、酸素分圧、SiOガス分圧のそれぞれとの関係を高微粉炭操業の場合及びオールコークス操業の場合を比較して示すグラフ図である。
【図2】本発明に係る高微粉炭吹込み低Si高炉操業方法の場合と、微粉炭のみの吹込みの場合、微粉炭吹込みとコークスの中心部への装入との組合せの場合、微粉炭とフラックスの同時吹込みの場合とを合わせて示す、操業指数αと出銑中のSi量との関係を示すグラフ図であって、
【図3】本発明に係る高微粉炭吹込み低Si高炉操業方法の場合の、吹込みCaO量と溶銑中のSi濃度との関係を示すグラフ図であって、aは微粉炭比100kg/thmの場合、bは微粉炭比200kg/thmの場合である。

Claims (1)

  1. 銑鉄トン当り100kg以上の高微粉炭を高炉羽口より吹込む高微粉炭吹込み高炉操業下において、塩基性フラックスがレースウェイ内で微粉炭と共に分散するように、該塩基性フラックスと前記微粉炭を前記高炉羽口内に設けた別々のノズルから吹き込む、または、予め該塩基性フラックスを前記微粉炭に付着乃至被覆して吹込むとともに、炉内に装入するコークスの一部を高炉の中心部に中心コークスとして別装入る高炉操業方法であって、
    前記微粉炭と共に高炉羽口より吹込まれる塩基性フラックスの量を、その塩基性フラックス中のCaO量と前記吹込まれる微粉炭中のSiO 2 量との質量比B=CaO/SiO 2 (−)が0.8〜2.0となる量に調整するとともに、
    更に、下記(1)式で求められる操業指数αが0.025〜0.260の範囲となるように、前記高炉の中心部に中心コークスとして別装入するコークス量Rccc(kg/thm)と前記高炉羽口より吹込まれる微粉炭量Rpc(kg/thm)とを調整して操業することを特徴とする高微粉炭吹込み低Si高炉操業方法。
    α=Rccc/Rpc×B ………(1)
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