JP2002235105A - 高微粉炭吹込み低Si高炉操業方法 - Google Patents

高微粉炭吹込み低Si高炉操業方法

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JP2002235105A JP2001030984A JP2001030984A JP2002235105A JP 2002235105 A JP2002235105 A JP 2002235105A JP 2001030984 A JP2001030984 A JP 2001030984A JP 2001030984 A JP2001030984 A JP 2001030984A JP 2002235105 A JP2002235105 A JP 2002235105A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微粉炭比100kg/thm以上、更には1
50kg/thm以上を安定して高炉へ吹込むときに直
面する溶銑中のSi濃度の増加を低く抑えた、高微粉炭
吹込み低Si高炉操業方法を提供する。 【解決手段】 銑鉄トン当り100kg以上の高微粉炭
を高炉羽口より吹込む高微粉炭吹込み高炉操業下におい
て、塩基性フラックスがレースウェイ内で微粉炭と共に
分散するように微粉炭と共に塩基性フラックスを高炉羽
口より吹込むとともに、炉内に装入するコークスの一部
を高炉の中心部に装入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銑鉄トン当り10
0kg[以下、kg/thm(ton hotmeta
l)の単位で表わす]以上の高微粉炭を高炉羽口より吹
込む高微粉炭吹込み高炉操業下において、出銑する溶銑
中のSi濃度を減少させるための高微粉炭吹込み低Si
高炉操業方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】周知の
ように従来、高炉では、鉄鉱石(ペレット、焼結鉱等を
含む)、コークス、副原料(石灰石等)などを上部から
装入する一方、下部の羽口から高温の空気を供給するこ
とで、コークスを燃料(熱源)及び還元剤として鉄鉱石
を還元、溶解し、銑鉄の製造がなされてきたが、その
後、製造コストの高いコークスの使用量を低減するた
め、またコークス炉の老朽化対策としてコークス炉の稼
働率を軽減するため、等の理由から、コークスに代わる
燃料として高炉羽口から補助燃料を吹込む高炉操業方法
が広く実施されるようになってきた。
【0003】上記補助燃料としては、当初、燃焼性に優
れる重油等の液体燃料が用いられたが、先のオイルショ
ック以降、重油価格が高騰し、近年では、石炭を粉砕し
た微粉炭をコークスの一部代替燃料として高炉羽口から
吹込む所謂微粉炭吹込み高炉操業(以下PCI操業とい
う)が一般的となり、また今日では、微粉炭比100k
g/thm以上の微粉炭を高炉羽口より吹込む所謂高微
粉炭吹込み高炉操業も行なわれつつある。
【0004】しかしながら、高炉に吹込まれる微粉炭に
は約10%程度の灰分量が含まれ、この灰分はSi
2:50〜60%、Al23:20〜30%、その他
Fe23、CaOなどからなり、主に酸性成分で構成さ
れている。従って、上記のように高炉に微粉炭比100
kg/thm以上もの微粉炭を吹込むと、微粉炭中の灰
分の中のSiO2を主成分とする酸性スラグがレースウ
ェイ内に大量に増加し、スラグの粘性や融点が上昇し、
灰分のレースウェイ内での滓化が遅れるとともに、滓化
が遅れた酸性スラグ中のSiO2が、SiO2+C→Si
O+COの反応でSiOガスを発生し、この発生したS
iOガスが炉下部の高温帯を上昇する間に溶銑中に含ま
れるCによって還元されてSiとなり、溶銑中に吸収さ
れ、溶銑中のSi濃度を増加させる。このように溶銑中
のSi濃度が増加すると、後続する製鋼工程では脱珪
(Si)処理を十分に行なう必要が生じ、その処理によ
る生産性の低下と共に石灰系フラックスの原単位が増加
するなど種々の不具合を生じることになる。
【0005】そこで、上記不具合を生じることのないよ
うに溶銑中のSi濃度の増加を抑制することを目的とし
て、これまでにも溶銑中のSi濃度を低減する高炉操業
方法が提案されている。例えば、特開昭57−1374
03号公報には、微粉炭の吹込みにおける高炉の操業法
において、微粉炭とともに石灰石、ドロマイトあるい
は、それらの焼成物またはカルシウム、マグネシウムの
水酸化物などの塩基性物質を送風羽口から高炉内へ吹込
み、これにより出銑する銑鉄中のSi含有量及びS含有
量を同時に減少させる、微粉炭と塩基性物質との混合吹
込みによる高炉の低Si操業方法が提案されている。
【0006】しかし、上記公報に提案の方法では、実施
例においてSiの低減効果が認められるものの、この例
では微粉炭の吹込み量が銑鉄トン当り40〜80kgと
低く、今日行なわれつつある微粉炭比100kg/th
m以上、更には150kg/thm以上を安定して高炉
へ吹込む場合の高炉操業方法とは、レースウェイ中での
微粉炭の燃焼条件などが異なる。すなわち、微粉炭はコ
ークスに比べ燃焼速度が速いため、吹込み量が100k
g/thm以上の高微粉炭吹込み高炉操業下では従来以
上に高温度場及び低酸素場のレースウェイが形成される
とともに、上述したようにレースウェイ周辺部では微粉
炭の灰分中のSiO2がスラグ化し大量の酸性スラグを
形成することになる。このように酸性スラグが高温度場
及び低酸素場に存在する場合には、上記SiO2+C→
SiO+COの反応が起こりやすくなり、酸性スラグか
らSiOガスが発生しやすくなる。
【0007】上記のような状況下において、上記公報に
提案のように微粉炭とともに石灰石、ドロマイトあるい
は、それらの焼成物またはカルシウム、マグネシウムの
水酸化物などの塩基性物質を単に混合して高炉羽口より
吹込むだけでは大量に形成された酸性スラグ中のSiO
2の活量を十分に低下させることが難しく、SiOガス
の発生を十分に抑制し得ない。
【0008】一方、特開平2−263907号公報に
は、高炉羽口より、銑鉄トン当り微粉炭150kg以
上、同じく酸化鉄150kg以上を同時に吹込み、羽口
前理論燃焼温度を1800℃以上2600℃以下とし、
羽口送風中の微粉炭/酸素重量比率を限定範囲内とする
高炉羽口粉体吹込み操業法と、この操業の際に併せて高
炉羽口より、銑鉄トン当り造滓剤30〜60kgを吹込
む高炉羽口粉体吹込み操業法が提案されている。
【0009】そして、上記公報に提案の高炉羽口粉体吹
込み操業法によれば、風圧変動や荷下がり変動を起こす
ことなく操業を継続することが可能となり、コークス炉
生産制約の緩和、焼結鉱焼成エネルギーの低減および高
炉出銑比上昇による生産弾力性の向上をはかることが可
能となるなど、産業上極めて有用な効果がもたらされる
とされている。そして、この操業方法の好適態様として
必要により造滓剤が高炉羽口から吹込まれ、その造滓剤
としては石灰石、ドロマイト等、その他のMgO源また
はCaO源を含有するものが例示されている。しかし、
この高炉羽口粉体吹込み操業法では溶銑中のSi濃度の
低減については何ら説明がなされていない。
【0010】また、高炉に微粉炭比100kg/thm
以上もの微粉炭を吹込んだ場合に、溶銑中のSi濃度が
増加する原因として、上述したSiOガスの発生の他に
溶銑流れの経路が懸念される。具体的には、オールコー
クス操業時及び微粉炭比100kg/thm未満の低微
粉炭吹込み操業時は、溶銑が逆V字形の炉芯斜面に沿っ
て流れることはほとんど見られず、上述したSiOガス
の発生量抑制を対象とすれば良く、フラックス吹込み技
術が有効であったが、微粉炭比100kg/thm以
上、更には150kg/thm以上もの高微粉炭吹込み
操業下では、フラックス吹込みによる出銑中のSi低減
効果は少なく、その理由としては、溶銑が逆V字形の炉
芯斜面に沿って流れ、そのレースウェイ周辺への流れ込
みにより、溶銑中へのSiの吸収促進があり、SiOガ
スの発生量抑制効果が薄らいでいる結果と考えられる。
【0011】本発明は、上述の如き事情を背景になした
ものであって、その目的は、今日行なわれつつある微粉
炭比100kg/thm以上、更には150kg/th
m以上を安定して高炉へ吹込むときに直面する溶銑中の
Si濃度の増加を低く抑えた、高微粉炭吹込み低Si高
炉操業方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る高微粉炭吹込み低Si高炉操業方法
は、銑鉄トン当り100kg以上の高微粉炭を高炉羽口
より吹込む高微粉炭吹込み高炉操業下において、塩基性
フラックスがレースウェイ内で微粉炭と共に分散するよ
うに微粉炭と共に塩基性フラックスを高炉羽口より吹込
むとともに、炉内に装入するコークスの一部を高炉の中
心部に装入するものである。
【0013】本発明では、銑鉄トン当り100kg以上
の高微粉炭を高炉羽口より吹込むが、このように多量の
微粉炭を高炉羽口より炉内に吹込んだときのレースウェ
イ特性を調査した。その結果、図1に示すように、オー
ルコークス操業の場合と比較して、レースウェイ内での
最高温度が2500℃と高くなり、その温度位置がレー
スウェイの羽口近傍に移行するとともに、レースウェイ
の深度とともに急激に低くなることが分かった。また、
ガス中酸素濃度及び酸素分圧もそれぞれレースウェイの
羽口寄りで高いものの、レースウェイの深度とともに急
激に低くなることが分かった。一方、酸素分圧の結果か
ら、レースウェイ内のSiO分圧を計算したところ、本
来であればレースウェイの中央から先端寄りで高いはず
のものが、中央羽口寄りから高くなっていることが分か
った。
【0014】すなわち、上記の事項から推測するに、多
量の微粉炭を高炉羽口より炉内に吹込むと、微粉炭はコ
ークスに比べ燃焼速度が速いため、レースウェイの羽口
近傍で高温度場が形成され、これにより、レースウェイ
周辺部では微粉炭の灰分中のSiO2がスラグ化し、S
iO2を主成分とする酸性スラグがレースウェイ内に大
量に増加し、スラグの粘性や融点が上昇し、灰分のレー
スウェイ内での滓化が遅れる。その上、レースウェイ内
は燃焼で酸素が羽口寄りで消費され低酸素場に形成され
ており、前記高温度場と相俟って、滓化が遅れた酸性ス
ラグ中のSiO2が、SiO2+C→SiO+COの反応
でSiOガスを発生する。この発生したSiOガスが炉
下部の高温帯を上昇する間に溶銑中に含まれるCによっ
て還元されてSiとなり、溶銑中に吸収され、溶銑中の
Si濃度が増加すると推測される。
【0015】そこで、本発明者等は、上記の如くして大
量に増加する酸性スラグの滓化を促進させることに着目
し鋭意研究を行なってきた。その結果、特開昭57−1
37403号公報の実施例にあるような微粉炭と塩基性
フラックスとを予め混合し、且つ微粉炭量に対して比較
的多量の塩基性フラックスを高炉羽口より炉内に吹込ん
だ場合、微粉炭比80kg/thm以下では、多量の塩
基性フラックスの吹込みによりスラグの融点が高くなる
ものの、微粉炭との分散性が得られ、この分散性と相俟
って酸性スラグの滓化性を損なうことなく、溶銑中のS
i濃度の低減が期待されるが、微粉炭比100kg/t
hm以上では、予め混合しての多量の塩基性フラックス
の吹込み自体が難しい上に、吹込めても微粉炭との分散
性が悪く、大量に形成される酸性スラグ全体を十分に滓
化させることができず、溶銑中のSi濃度の低減が期待
できないことが分かった。また、このように溶銑中のS
i濃度の低減が期待できないもう一つの理由として、溶
銑が逆V字形の炉芯斜面に沿って流れ、そのレースウェ
イ周辺への流れ込みによりSiOガスとの接触の機会が
増え、溶銑中へのSiの吸収促進が想定されることであ
る。そこで、これらのことを改善して本発明をなしたも
のである。
【0016】すなわち、本発明では、銑鉄トン当り10
0kg以上の高微粉炭を高炉羽口より吹込むが、その
際、塩基性フラックスがレースウェイ内で微粉炭と共に
分散するように微粉炭と共に塩基性フラックスを高炉羽
口より吹込むとともに、炉内に装入するコークスの一部
を高炉の中心部に装入するものである(請求項1)。
【0017】微粉炭を上記のように吹込むことで、レー
スウェイ内では微粉炭の近傍に塩基性フラックスが存在
することになり、酸性スラグ中のSiO2の活量を低下
させることができるとともに、溶融反応により低粘性の
スラグ(CaO−SiO2系)が形成でき滓化の促進が
計れることになる。そして、この低粘性スラグがスムー
ズに炉下部へと滴下し、SiOガスの発生を抑えること
ができる。一方、高炉の中心部には炉内に装入するコー
クスの一部が装入されており、この装入によって、炉芯
部のコークス粒径を大きく保ち、炉芯の通液性を確保す
ることが可能になり、溶銑を炉芯に浸透させて炉芯斜面
に沿って流れる溶銑量を抑制し、SiOガスとの接触機
会を減少させることができる。而して、SiOガスの発
生を抑えることとSiOガスとの接触機会を減少させる
こととが相俟って溶銑中のSi濃度をより効果的に低く
することができる。
【0018】なお、微粉炭と塩基性フラックスとを分散
性良くレースウェイ内へ吹込む手段としては、例えば羽
口内に複数本のノズルを設け、微粉炭と塩基性フラック
スとを別々のノズルから吹込んでもよいし、あるいは予
め微粉炭に付着乃至被覆して吹込んでもよい。また、高
炉の中心部に装入されるコークスの粒径としては30〜
75mm程度のものがよく、コークス粒径が30mm未
満では、劣化によってコークス粒径を大きく保つことが
難しく、空隙率が低下し炉芯の通液性を確保することが
難しくなくなることが懸念される。またコークス粒径が
75mmを超えると、装入時に割れが発生し易くなり粉
コークスが発生して空隙率が低下し炉芯の通液性を確保
することが難しくなくなる。従って、好ましくは45〜
75mm程度の粒径とするのがよい。
【0019】そして更に、本発明では、上記請求項1の
構成に加えて、吹込まれる塩基性フラックスの量を、そ
の塩基性フラックス中のCaO量と吹込まれる微粉炭中
のSiO2量との質量比(CaO/SiO2:以下C/S
で表わす)が0.8〜2.0となる量に調整して高炉羽
口より吹込むことが望ましい(請求項2)。
【0020】すなわち、塩基性フラックスを分散性良く
吹込んでも、C/Sが0.8未満では塩基性フラックス
が少なく大量の酸性スラグと十分に溶融反応させること
が難しく、酸性スラグを十分に低粘性スラグに滓化させ
ることができないことが懸念され、引いては溶銑中のS
i濃度の低減が十分に計れないことが懸念される。この
ことからして、C/Sの下限値はより望ましくは1.0
以上とするのがよい。一方、C/Sが2.0を超える場
合は、大量の酸性スラグと溶融反応する量の塩基性フラ
ックスが存在することになり、酸性スラグ中のSiO2
の活量を抑制できるものの、高融点の塩基性フラックス
が多くなるため溶融反応の融点が高くなり滓化がスムー
ズにできなくなる。このことからして、C/Sの上限値
はより望ましくは1.7以下とするのがよい。従って、
本発明ではC/Sを0.8〜2.0の範囲が望ましく、
より望ましくは1.0〜1.7とするもので、この範囲
内であれば大量の酸性スラグを塩基性フラックスと溶融
反応させて低融点、低粘性のスラグに滓化させることが
でき、炉内に装入するコークスの一部を高炉の中心部に
装入する作用効果と相俟って溶銑中のSi濃度の低減を
十分に計ることができる。
【0021】また、本発明では、上記請求項1の構成に
加えて、吹込まれる塩基性フラックスがそのフラックス
中にMgOを少なくとも3.0%以上含む場合には微粉
炭中の灰分に含まれるAl23が酸性的に作用すること
から、吹込まれる塩基性フラックスの量を、その塩基性
フラックス中のCaO量及びMgO量と吹込まれる微粉
炭中のSiO2量及びAl23量との質量比[(CaO
+MgO)/(SiO2+Al23):以下(C+M)
/(S+A)で表わす]が0.6〜1.6となる量に調
整して高炉羽口より吹込むことが望ましい(請求項
3)。
【0022】すなわち、塩基性フラックスを分散性良く
吹込んでも、(C+M)/(S+A)が0.6未満では
塩基性フラックスが少なく大量の酸性スラグと十分に溶
融反応させることが難しく、酸性スラグを十分に低粘性
スラグに滓化させることができないことが懸念され、引
いては溶銑中のSi濃度の低減が十分に計れないことが
懸念される。このことからして、(C+M)/(S+
A)の下限値はより望ましくは0.8以上とするのがよ
い。一方、(C+M)/(S+A)が1.6を超える場
合は、大量の酸性スラグと溶融反応する量の塩基性フラ
ックスが存在することになり、酸性スラグ中のSiO2
の活量を抑制できるものの、高融点の塩基性フラックス
が多くなるため溶融反応の融点が高くなり滓化がスムー
ズにできなくなる。このことからして、(C+M)/
(S+A)の上限値はより望ましくは1.6以下とする
のがよい。従って、本発明では(C+M)/(S+A)
を0.6〜1.6の範囲が望ましく、より望ましくは
0.8〜1.4とするもので、この範囲内であれば大量
の酸性スラグを塩基性フラックスと溶融反応させて低融
点、低粘性のスラグに滓化させることができ、炉内に装
入するコークスの一部を高炉の中心部に装入する作用効
果と相俟って溶銑中のSi濃度の低減を十分に計ること
ができる。
【0023】また更に、上記請求項1乃至3の何れかに
記載の高微粉炭吹込み低Si高炉操業方法においては、
下記(1)式で求められる操業指数αが0.025〜
0.260の範囲となるように、高炉の中心部に装入す
るコークス量と高炉羽口より吹込まれる微粉炭量とを調
整して操業するとよい(請求項4)。 α=Rccc/Rpc×B ………(1) 但し、Rccc:高炉の中心部に装入するコークス量
(kg/thm) Rpc :高炉羽口より吹込まれる微粉炭量(kg/t
hm) B :塩基性フラックス中の塩基性酸化物と微粉炭
中の酸性酸化物の質量比(−)
【0024】図2は、高炉羽口より吹込まれる微粉炭量
Rpc=200kg/thmとし、高炉の中心部に装入
するコークス量(Rccc)と塩基性フラックス中の塩
基性酸化物と微粉炭中の酸性酸化物の質量比(B)を変
化させて高炉操業した場合の、操業指数(α)と出銑中
のSi量との関係を示すグラフ図である。なお、図にお
いて、α=0.00上の黒点は、上から微粉炭のみの吹
込みの場合、微粉炭吹込みとコークスの中心部への装入
との組合せの場合、下二つは微粉炭とフラックスの同時
吹込みの場合である。
【0025】上記図2から明らかなように、αが0.0
25以上の操業であれば、出銑中のSi量が0.45以
下となり低減効果のあることが分かる。しかし、αが
0.26を超えて操業しても、出銑中のSi量の低減効
果は飽和してしまい、逆にフラックスの入れ過ぎによる
風圧上昇などのマイナス面が懸念される他に、高炉の中
心部に装入する高価なコークスを必要以上に装入する不
経済な操業となる。このため、操業指数αを0.025
〜0.260の範囲とし、より望ましくは0.05〜
0.260の範囲とする。
【0026】なお、本発明では、塩基性フラックスを特
に限定するものではないが、好適には生石灰が望まし
く、生石灰(CaO)であれば上述の作用効果はもとよ
り石灰石やドロマイトなどより吹込み量を少なくでき、
これにより微粉炭の吹込み量を多くすることができる。
また、生石灰(CaO)を多量に含む転炉スラグなども
使用できる。
【0027】
【発明の実施の形態】高炉において、羽口に微粉炭吹込
みノズルと塩基性フラックス吹込みノズルとを設けて、
本発明の方法に係る微粉炭吹込み試験を行なった。図3
は、そのときに得られた吹込みCaO量と溶銑中のSi
量との関係を示すグラフ図であって、高炉の中心部に装
入するコークス量(Rccc)を13kg/thmと
し、図3aは微粉炭比(Rpc)100kg/thmの
場合、図3bは微粉炭比(Rpc)200kg/thm
の場合である。なお、この試験では塩基性フラックスと
して生石灰(CaO)を用いた。
【0028】上記図3から明らかなように、微粉炭比1
00kg/thmの場合には、吹込み微粉炭量がそれほ
ど多くないこともあって、吹込みCaO量が6kg/t
hm(B=C/S:約1.0,α=0.13)では溶銑
中のSi濃度が約0.31〜0.35%で十分低減し改
善効果は中心コークス無しの時に比べ効果が大きかっ
た。吹込みCaO量が12kg/thm(B=C/S:
約2.0,α=0.26)では溶銑中のSi濃度が約
0.28〜0.33%で低減効果がフラックスの投入量
の割りに少なかった。この吹込みCaO量が12kg/
thm以上の試験において送風圧の上昇が認められた。
これはC/Sが高くなったためスラグ融点が高くなり滓
化が遅れ通気性が悪くなったためと推測される。
【0029】一方、微粉炭比200kg/thmの場合
には、吹込みCaO量が6kg/thm(B=C/S:
約0.5,α=0.033)では溶銑中のSi濃度が約
0.39〜0.44%でそれほど低減せず改善効果はわ
ずかであった。これは微粉炭の灰分中のSiO2が大量
に生じCaOが不足し十分な溶融反応が行われなかった
ためと推測される。しかし、吹込みCaO量が12kg
/thm(B=C/S:約1.0,α=0.065)及
び20kg/thm(B=C/S:約1.7,α=0.
11)では、十分な溶融反応が行われ、溶銑中のSi濃
度が約0.32〜0.35%及び約0.28〜0.31
%とそれぞれ大きく低減し大きな改善効果が認められ
た。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る高微
粉炭吹込み低Si高炉操業方法によれば、溶銑中のSi
濃度を低減させて、今日行なわれつつある微粉炭比10
0kg/thm以上はもとより、150kg/thm以
上、更には200kg/thm以上もの高微粉炭吹込み
低Si高炉操業をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レースウェイ深度と温度、酸素濃度、酸素分
圧、SiOガス分圧のそれぞれとの関係を高微粉炭操業
の場合及びオールコークス操業の場合を比較して示すグ
ラフ図である。
【図2】本発明に係る高微粉炭吹込み低Si高炉操業方
法の場合と、微粉炭のみの吹込みの場合、微粉炭吹込み
とコークスの中心部への装入との組合せの場合、微粉炭
とフラックスの同時吹込みの場合とを合わせて示す、操
業指数αと出銑中のSi量との関係を示すグラフ図であ
って、
【図3】本発明に係る高微粉炭吹込み低Si高炉操業方
法の場合の、吹込みCaO量と溶銑中のSi濃度との関
係を示すグラフ図であって、aは微粉炭比100kg/
thmの場合、bは微粉炭比200kg/thmの場合
である。
フロントページの続き (72)発明者 野間 文雄 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社神 戸製鋼所加古川製鉄所内 Fターム(参考) 4K012 BC03 BC06 BD08 BE01 BE06 BE09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銑鉄トン当り100kg以上の高微粉炭
    を高炉羽口より吹込む高微粉炭吹込み高炉操業下におい
    て、塩基性フラックスがレースウェイ内で微粉炭と共に
    分散するように微粉炭と共に塩基性フラックスを高炉羽
    口より吹込むとともに、炉内に装入するコークスの一部
    を高炉の中心部に装入することを特徴とする高微粉炭吹
    込み低Si高炉操業方法。
  2. 【請求項2】 微粉炭と共に高炉羽口より吹込まれる塩
    基性フラックスの量を、その塩基性フラックス中のCa
    O量と吹込まれる微粉炭中のSiO2量との質量比(C
    aO/SiO2)が0.8〜2.0となる量に調整され
    て高炉羽口より吹込まれる請求項1に記載の高微粉炭吹
    込み低Si高炉操業方法。
  3. 【請求項3】 微粉炭と共に高炉羽口より吹込まれる塩
    基性フラックスの量を、その塩基性フラックス中のCa
    O量及びMgO量と吹込まれる微粉炭中のSiO2量及
    びAl23量との質量比[(CaO+MgO)/(Si
    2+Al23)]が0.6〜1.6となる量に調整さ
    れて高炉羽口より吹込まれる請求項1に記載の高微粉炭
    吹込み低Si高炉操業方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れかに記載の高微粉
    炭吹込み低Si高炉操業方法において、更に、下記
    (1)式で求められる操業指数αが0.025〜0.2
    60の範囲となるように、高炉の中心部に装入するコー
    クス量と高炉羽口より吹込まれる微粉炭量とを調整して
    操業する高微粉炭吹込み低Si高炉操業方法。 α=Rccc/Rpc×B ………(1) 但し、Rccc:高炉の中心部に装入するコークス量
    (kg/thm) Rpc :高炉羽口より吹込まれる微粉炭量(kg/t
    hm) B :塩基性フラックス中の塩基性酸化物と微粉炭
    中の酸性酸化物の質量比(−)
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