JP3533062B2 - 粉体吹き込み高炉操業方法 - Google Patents
粉体吹き込み高炉操業方法Info
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Description
操業方法に関し、特に、微粉炭の吹き込み時に上昇する
炉内圧力を低下させ、通気性を改善した高炉操業方法の
改良に関するものである。
削減あるいはコークス炉の負担軽減、炉寿命の延長など
を目的として、従来のオールコークス操業(還元材のす
べてを炉頂部からコークスとして挿入する方法)から、
炉頂部からのコークス装入に加えて、高炉羽口から廉価
な微粉炭を多量に吹き込む操業に移りつつある。
込み操業技術の1つとして確立された技術であり、50
〜100kg/t−銑鉄の微粉炭吹き込み量での安定操
業が実施されている。しかし、微粉炭の吹き込み量を上
記量よりも多くすると、レースウェイ周辺で鳥の巣と称
される現象が発生し、これが成長して高炉下部でのガス
流れを不良にする場合が往々にして起こるという問題が
ある。
図4に示す通り、微粉炭4を、高炉炉壁9に設けられた
羽口7から、送風ガス5と共にランス1を通じて、コー
クス層8内に多量に吹き込む。このため、羽口内部で、
微粉炭燃焼に伴う送風圧力の上昇をきたす。また、レー
スウェイ2(羽口先の炉内側に存在するコークスの希薄
な燃焼空間)の周囲(奥)に、微粉炭4の吹き込みによ
り生成する高融点のスラグ壁3(通称鳥の巣)によって
通気性が低下する現象が生じる。
2内において、高速で燃焼して生成する微粉炭の灰分1
1がその由来となっている。即ち、高炉に吹き込まれる
微粉炭4には、約8〜10%の灰分が含まれ、この灰分
は、後述する表1の通り、SiO2 50〜60%、Al
2 O3 20〜30%、その他Fe2 O3 、CaOなどか
らなり、主として酸性成分で構成されている。したがっ
て、微粉炭4の吹き込み量が多くなると、微粉炭が燃焼
して生成する灰分11からの、SiO2 、Al 2 O3 を
主体とする酸性成分スラグが増加し、レースウェイの周
囲(奥)に生成するスラグの粘性や融点が増加する。こ
のため、レースウェイの周囲に生成するスラグは、高炉
の上部から降下する滴下スラグ6と同化せず、コークス
や微粉炭の灰分のレースウェイ内での適正な滓化が遅れ
ることになる。その結果、レースウェイ周辺に、この滓
化が遅れたスラグが厚く蓄積して厚い高融点のスラグ壁
3が形成されることになる。
操業にとって重要であり、焼結鉱から生成した滴下スラ
グ6は、レースウェイで発生するコークスや微粉炭の灰
分からのスラグと同化して安定な最終スラグへと変化さ
せる必要がある。
イの周囲に、安定な最終スラグへと変化せず、滴下スラ
グ6とならない、前記高融点のスラグ壁3が存在する
と、高炉の炉下部の通気性を低下させる。そしてこの通
気性の低下が、送風圧力の上昇や圧力変動の増大をきた
し、微粉炭の多量吹き込み化や、微粉炭の多量吹き込み
操業の長時間の継続を困難にしている。
粉炭比を増大させると、炉芯のコークスは粉化しやすく
なる傾向があり、炉芯の空隙率は低下する。したがっ
て、羽口より吹き込まれた粉体は、炉芯の表面部に溜ま
りやすくなる。また更に、前記した通り、微粉炭の吹き
込み量の増大により、強酸性灰分(アッシュ分)がレー
スウェイ奥(鳥の巣)に蓄積しやすいことから、これら
両者の影響を同時に受けて、相乗的に高融点のスラグ壁
3(鳥の巣)が成長することになる。
き込み量aは、図5に示す関係となっており、また、高
炉の炉芯の空隙率εと、前記高融点のスラグ壁厚tは、
図6に示す関係となっている。即ち、前記した通り、微
粉炭吹き込み量aが増すほど、高融点のスラグ壁厚tが
増え、高炉の炉芯の空隙率εが小さくなって、通気性が
低下することが分かる。
成したガス(ボッシュガス)の流れの向きを、炉中心方
向より炉上部方向に変化させる。このガスの流れの変化
は、生成した高温のガスが高炉炉壁9に沿って流れるこ
と(周辺流化)を招き、更には、炉壁9からの熱損失増
大に伴う燃料比の増大(燃料コスト上昇)を招く。ま
た、生成した高温のガスが炉壁に沿って流れることは、
炉壁耐火物/冷却装置への損傷を引き起こすことにもつ
ながる。
炭と共に、羽口から、高塩基度媒溶剤を吹き込み、この
レースウェイの周囲に存在する高融点のスラグの塩基度
を上げて粘性を下げ(流動性を上げ)、高炉の上部から
降下する滴下スラグと同化させ、微粉炭の灰分のレース
ウェイ内での適正な滓化を促進させ、もって羽口前レー
スウェイ部の微粉炭吹き込み時の通気性を改善する技術
が、種々提案されている。
は、前記高塩基度媒溶剤として、CaO系、MgO系、
SiO系のフラックスを用いることが開示されている。
また特公平6−89382号公報では、微粉ドロマイ
ト、蛇紋岩、カンラン石、石灰石等の塩基性微粉媒溶剤
を微粉炭と同時に吹き込み、吹き込み量を、媒溶剤と微
粉炭中の灰分を混合した時の塩基度(塩基性成分量/酸
性成分量)が0.5〜1.3となるようにして、微粉炭
の灰分とドロマイト等をレースウェイ内で同化させ、低
粘性のスラグを形成して、高融点のスラグ壁(鳥の巣)
を薄くすることが開示されている。
図3に示す通り、高塩基度媒溶剤10を微粉炭4と同時
に、送風ガス5と共に、ランス1を通じて、コークス層
8内に吹き込むことで、微粉炭の灰分11と高塩基度媒
溶剤10とがレースウェイ内部で同化して、低い粘性の
スラグが形成され、高炉の上部から降下する滴下スラグ
と同化しやすくなり、メタル・スラグ滴となって、高炉
内を滴下する。この結果、前記図4の微粉炭吹き込みの
みの場合に比して、高融点のスラグ層3の生成が抑制さ
れ、この高融点のスラグ層3の厚みが薄くなり、安定な
レースウェイ形状を維持でき、通気性の改善を図ること
ができる。
技術では、微粉炭の灰分と高塩基度媒溶剤とがレースウ
ェイ内部で同化するメカニズムに関して、まだ充分解明
されておらず、この結果、高炉の微粉炭吹き込む量が極
めて大きい操業では、それに見合って、吹き込む高塩基
度媒溶剤量を多くする。この結果、吹き込まれた高塩基
度媒溶剤自体の羽口内部での溶融および滓化が遅れてし
まい、充分にレースウェイ内部で同化、溶融しないとい
う欠点があった。
石灰石等の鉱石類の高塩基度媒溶剤は、それ自体の融点
が高く、2000℃程度の温度で、かつ微粉炭粒子灰分
との同化のための限られた時間しかないレースウェイ内
部において、充分溶融化せず、この結果固体状態のま
ま、微粉炭粒子と同化せずに、レースウェイの奥に到達
しやすい。
ま、レースウェイの奥に到達した場合には、火炎温度を
はるかに下回る温度の奥のコークスベッド(炉芯)に取
り込まれてしまい、未溶融のまま炉心に残る。このた
め、最悪の場合、通気性改善のために投入する高塩基度
媒溶剤が、却って通気性を損なう結果となっていた。ま
た、このことは、微粉炭粒子灰分との同化のために必要
とする分以上に、高塩基度媒溶剤の吹き込み量を多くす
ることにもつながる。
度媒溶剤を使う場合、石灰石は羽口前で分解する際に分
解熱を奪い、この熱補償のために余分なコークスが必要
となり、燃料比がアップする。またこれに伴って、発生
するガスも多くなり、ガス回収のコストが増大する。
溶剤を用いる場合、前記新たな弊害を生む可能性が不可
避であり、この高塩基度媒溶剤吹き込み技術により、高
微粉炭吹き込み量を保障していくには不安がある。この
ため、現状の微粉炭を吹き込む量には限界があり、現状
の微粉炭吹き込み量にしても、他の高炉操業条件の複雑
な制御により、高炉内の通気性を改善して、微粉炭吹き
込みを維持しているのが実情である。
微粉炭を吹き込む高炉操業方法において、微粉炭吹き込
む量が極めて大きい操業でも、羽口前レースウェイ部の
微粉炭を吹き込み時の通気性を改善でき、しかもこの通
気性を改善するために吹き込む塩基性スラグ量が少な
く、塩基性スラグの過大な吹き込みにより生じる通気性
の低下を防止した高炉操業方法を提供することを目的と
する。
めに、本発明に係る高炉操業方法は、高炉羽口から送風
ガスと共に微粉炭を吹き込む際、微粉炭とともに塩基性
スラグを吹き込み、該スラグを微粉炭灰分と同化させ
て、微粉炭灰分によりレースウェイ奥に生成する高融点
のスラグ層(通称鳥の巣)の成長を抑制して、微粉炭吹
き込み時の炉内通気性を改善する(炉内圧力を低下させ
る)高炉操業方法において、前記吹き込みスラグとし
て、レースウェイの温度以下の融点を有するとともに、
リンの含有量が1.0%以下のものを用い、かつ、前記
吹き込みスラグと微粉炭中の灰分を混合した時の塩基度
(塩基性成分量/酸性成分量)が0.5〜1.3となる
ように前記吹き込みスラグの量を調整する。
て、レースウェイの温度以下の融点を有するプリメルト
スラグを用いる。プリメルトスラグとは、既に一度溶解
しているスラグという意味である。例えば、転炉スラグ
や高炉スラグなどは、製銑や製鋼過程で発生し、この過
程で既に一度溶解しており、前記ドロマイトやCaO系
フラックスなどの一度溶解していない生の鉱石類に比し
て、溶解性や滓化性が非常に良い。また、転炉スラグや
高炉スラグなどは、後述する表1の通り、塩基度も高い
ので、本発明の高塩基度のスラグとして好適である。
塩基度のプリメルトスラグを用いることにより、スラグ
は充分にレースウェイ内部で溶融し、微粉炭粒子灰分と
同化する。言い換えると、従来技術のように、レースウ
ェイ内部で溶融せず、微粉炭粒子灰分と同化しないま
ま、レースウェイの奥に到達し、通気性を害することも
なく、微粉炭吹き込み量を低減することが可能である。
炭灰分とがレースウェイ内を飛翔中に邂逅および同化す
るためには、また、吹き込まれたスラグとレースウェイ
奥に既に生成している高融点のスラグ層とが同化するた
めには、吹き込まれたスラグが、微粉炭灰分との邂逅前
に、溶融ないし半溶融状態になっていることが重要であ
ることを知見した。即ち、1700〜2000℃程度の
温度で、かつスペース的にも限られたレースウェイ内部
では、吹き込まれるスラグを、レースウェイの温度以下
の融点を有するプリメルトスラグとすることにより、吹
き込み量が増大するなどの操業条件が変化しても、吹き
込まれるスラグを、確実に溶融ないし半溶融状態とする
ことができる。
剤である鉱石類の融点は、組成により異なるものの、ド
ロマイト:約2450℃、蛇紋岩:約1800℃、カン
ラン石:約1500〜1900℃、石灰石:約2570
℃程度であり、1700〜2000℃程度のレースウェ
イ内部温度と同等か、それよりも高い。これに対し、転
炉スラグの融点は約1450℃、高炉スラグの融点は約
1300℃であり、レースウェイ内部温度よりも充分低
い。したがって、この融点の低さとプリメルトであるこ
ととの相乗作用により、本発明では、吹き込まれたスラ
グが、レースウェイ内部で確実に溶融ないし半溶融状態
となる。
吹き込み量を、100kg/t−銑鉄以上、更には20
0kg/t−銑鉄以上、と大きくした操業で、しかも長
時間の微粉炭の吹き込み操業であっても、また、それに
見合って、吹き込む塩基性スラグ量を多くした場合に
も、吹き込まれたスラグが、レースウェイ内部で確実に
溶融ないし半溶融状態となる。そして、レースウェイ内
で溶融ないし半溶融状態となった塩基性スラグは、吹き
込まれた微粉炭灰分とのレースウェイ内飛翔中での邂逅
・同化、また、レースウェイ奥に既に生成している高融
点のスラグ層との同化が遅れることはなく、この結果、
低融点のスラグを生成して、炉内滴下スラグと、充分に
レースウェイ内部で同化、溶融する。
も、高塩基度媒溶剤として、ドロマイト以外に、転炉ス
ラグを用いることの例示がある。しかしながら、一般的
には、転炉スラグは、後述する表1のNo.4の高リン転炉
スラグの通り、P含有量がP 2 O5 で2〜3%(Pとし
て1.0〜1.3%)と高い。この高リン転炉スラグ
を、高塩基度スラグとして高炉に吹き込んだ場合、溶銑
中のリンが上昇し、高炉より下工程(溶銑予備処理処
理、製鋼工程)にて、鋼中のリン除去のための脱燐処理
が、高炉での微粉炭吹き込みによる源単位の向上分より
も、非常な割高となり、現実的な製銑方法ではなくな
る。
ストアップとならないための、転炉スラグ等の本発明の
塩基性スラグのりん量の上限値は、1.0%である。し
たがって、本発明では、例えば転炉スラグを用いる場合
には、脱リンされた溶銑を吹練した後に生成する低リン
転炉スラグ、それもリンの含有量を1.0%以下とした
転炉スラグを分取したものを粉砕して用いる。
低いリンの転炉スラグを分取することが、転炉の設備上
不可能であれば、CaOを比較的多量に含み(約40
%)塩基性である高炉スラグを粉砕して、転炉スラグと
共に、混合して吹き込むことが好ましい。
ラグの塩基度が転炉スラグより低いので、必要な塩基度
を確保するために、吹き込みに必要な量は、転炉スラグ
単体のものより増大する。したがって、スラグの吹き込
み量を低減しようとすれば、転炉スラグと混合して用い
ることが効率上好ましい。
状で、200メッシュ以下の粒度であることが好まし
い。これより大きい塊状では、作用が遅く、また、レー
スウェイ内部で溶融ないし半溶融状態にならなくなる可
能性が生じる。
粉砕手段としては、高炉吹き込み前に、高炉微粉炭製造
用ミルに原料スラグを所定量投入して、石炭と混合粉砕
することも可能であり、別途専用ミルで転炉スラグを粉
砕した後に微粉炭と混合して吹き込むことも可能であ
る。
について、微粉炭中の灰分の酸性成分量を考慮して、前
記吹き込みスラグと微粉炭中の灰分を混合した時の塩基
度(塩基性成分量/酸性成分量)が0.5〜1.3とな
るようにする。塩基度が0.5未満では、本発明の塩基
性スラグの吹き込み効果が期待できず、また、塩基度が
1.3を越えても、殆ど塩基度の低下効果はない。
微粉炭と混合乃至別の配管にて吹き込んでも良いが、タ
イミングとしては、最も反応の効率が良い、微粉炭と同
時に高炉に吹き込むのが好ましい。
る。図1(a)〜(c)は、内容積4550m 3 の高炉
において、表1に示す灰分を有するNo.1の微粉炭を一定
量(200kg/t−溶銑)吹き込み時に、各々違う塩
基性スラグを同時に吹き込んだ場合の、送風圧力の時間
的な変化を示している。なお、図1(a)〜(c)にお
いて、縦軸は送風圧力、横軸は時刻を示している。ま
た、操業条件は、送風量:6000Nm3 /hr、送風
温度:1100℃、羽口前風速:230m/s、羽口
径:135mmφとした。
号公報に記載された従来の方法であって、高炉中に、表
1に示すNo.2の組成のドロマイト5%(10kg/t−
溶銑)を、微粉炭と混合させて吹き込んだ場合を示す。
図1(b)は、本発明方法で、高炉中に、表1に示すN
o.5の組成の粉砕した低リン転炉スラグ5%(10kg
/t−溶銑)を、微粉炭と混合させて吹き込んだ場合を
示す。図1(c)は、本発明の比較法であって、表1に
示すNo.6の組成の粉砕した高炉スラグ5%(10kg/
t−溶銑)を、微粉炭と混合させて吹き込んだ場合を示
す。なお、塩基度(塩基性成分量/酸性成分量)は、図
1(a)で0.4、図1(b)で0.5、図1(c)で
0.4である。
吹き込みを開始した0時過ぎ以降は、吹き込み前に比し
て、風圧レベルの変動が減少している。これは、ドロマ
イトによる通気性改善効果と言える。但し、その効果は
送風圧の2%程度であり、全微粉炭量に対する吹き込み
ドロマイトの添加割合の多さ(5%)からすると、その
効果の効率は低い。これは、前記特公平6−89382
号公報技術の問題として記載した通り、ドロマイトが溶
融しないまま、コークスベッド(炉芯)に取り込まれて
しまい、未溶融のまま炉心に残るため、通気性を損なっ
ているものと推察される。
上乗せして吹き込んだ、本発明の図1(b)では、矢印
Sで示す転炉スラグ吹き込みを開始した2時過ぎ以降
は、吹き込み前に比して、風圧レベルの変動は減少して
おり、転炉スラグが通気性の改善に効果があるのが分か
る。また、その効果は送風圧の6%程度であり、全微粉
炭の5%の吹き込みを行った効果としては効率が高く満
足できる。
じくプリメルト品のスラグ(フラックス)である粉砕し
た高炉スラグ5%を上乗せして吹き込んだ場合の送風圧
力の変化を示すが、矢印Sで示す高炉スラグ吹き込みを
開始した3時過ぎ以降は、風圧レベルの変動は、減少し
ているのが分かる。また、その効果は送風圧の3%程度
の減少であった。したがって、高炉スラグでも、羽口前
の高融点スラグ層を溶融および滓化する効果はあるが、
組成的に転炉スラグよりも塩基度が低いゆえ、転炉スラ
グ並の効果を得るには、より多くのスラグを吹き込む必
要がある。
存することはないので長期間の安定した吹き込みは可能
である。したがって、低リンの転炉スラグ量が十分確保
できない場合に、転炉スラグと併用して用いると有効で
ある。
炭とドロマイトの吹き込み(従来技術)と、図1(b)
の微粉炭と転炉スラグの吹き込み(本発明)とを、各々
一週間継続した後、予定休風時に炉内のコークスやスラ
グ類をサンプリングし、スラグ組成を調査した結果を示
す。
O量の分布から、従来技術(△印)では、本発明例(□
印)や、微粉炭操業を行わぬベース操業(◇印)に比し
て、特に炉芯部分(炉内無次元半径0.5の付近)で、
スラグ中のMgO量が急増しており、ドロマイトの主成
分であるMgOが、未溶融のまま羽口より奥に蓄積して
いることが分かる。
溶剤を羽口より吹き込んだ場合、溶融および滓化が進ま
ず、炉芯に蓄積することが明らかである。この炉芯蓄積
は長期に微粉炭とフラックスの混合吹き込みを継続した
場合、炉芯の通気性不良を起こす結果となる。そのため
炉芯の未滓化スラグを溶解させるような操業、例えば、
一時的に、微粉炭や媒溶剤の吹き込みを中止する等のア
クションが必要となり、再び風圧の上昇という結果を招
くことになる。
におけるCaO量の分布の場合にも、転炉スラグを用い
た本発明例(□印)では、微粉炭操業を行わぬベース操
業(◇印)に比しても、炉内半径方向のスラグ中のCa
O量の変化はあまり無く、転炉スラグの主成分であるC
aOが羽口より奥に蓄積していないことが分かる。この
ように、転炉スラグを羽口より吹き込んだ場合、溶融お
よび滓化が速やかに進行し、レースウェイ前方では微粉
炭由来のスラグと同化してしまい、炉芯に蓄積しないこ
とが明らかである。
き込みを継続しても、炉芯の通気性不良を起こさない結
果となる。そのためフラックスの混合吹き込みのよう
に、炉芯の未滓化フラックスを溶解させるような操業、
即ち一時的にフラックスの混合を中止するアクションが
不要となり、風圧のレベルを下げた安定した操業を継続
できる。
減や、ボッシュガス(炉内ガス)の周辺流化の抑制、お
よび送風圧の低下分を利用した微粉炭吹き込み量の増大
が可能になる。そして、炉頂から挿入する副原料を羽口
からのリサイクル原料であるスラグに置き換えること
で、副原料コストを削減することができる。
入を抑制することで、これらが分解してCO2 を発生す
る時に消費する熱エネルギーを節減することができる。
方法は、微粉炭の吹き込み量が極めて大きく、それに伴
い吹き込む高塩基度媒溶剤の量が増大した操業の場合で
も、高塩基度媒溶剤の溶融・滓化が遅れ、未溶融のまま
炉心に残ることが無い。また高塩基度媒溶剤が分解する
際に分解熱を奪い、この熱補償のために燃料比や、ガス
回収のコストががアップするなどの悪影響をもたらすこ
とも無く、羽口前レースウェイ部の微粉炭を吹き込み時
の通気性を改善し、微粉炭吹き込みの長時間操業を可能
にすることができる。しかも、その効果が、従来の方法
を大幅に変更することなく達成できる点で工業的な意義
は大きい。
だ場合の、高炉内の送風圧力の経時変化を示し、図1
(a)は従来技術、図1(b)、(c)は本発明例の説
明図である。
一週間継続した後の、従来技術と本発明例の炉内のスラ
グ組成を示し、図2(a)はMgO、図2(b)はCa
Oに関する説明図である。
吹き込み時のレースウエイ状況を示す、説明図である。
スウエイ状況を示す、説明図である。
の関係を示し、図5(b)は高融点スラグ壁厚と高炉空
隙率との関係を示す説明図である。
イ 3:高融点スラグ壁 4:微粉炭 5:送風ガス 6:メタル・ス
ラグ滴 7:羽口 8:コークス層 9:高炉壁 10:塩基性媒溶
剤 11:微粉炭灰分
Claims (3)
- 【請求項1】 高炉羽口から送風ガスと共に微粉炭を吹
き込む際、微粉炭とともに塩基性スラグを吹き込み、該
スラグを微粉炭灰分と同化させて、微粉炭灰分によりレ
ースウェイ奥に生成する高融点のスラグ層(通称鳥の
巣)の成長を抑制し、微粉炭吹き込み時の炉内通気性を
改善する高炉操業方法において、前記吹き込みスラグと
して、レースウェイの温度以下の融点を有するプリメル
トスラグであって、リンの含有量が1.0%以下のもの
を用い、かつ、前記吹き込みスラグと微粉炭中の灰分を
混合した時の塩基度(塩基性成分量/酸性成分量)が
0.5〜1.3となるように前記吹き込みスラグの量を
調整することを特徴とする粉体吹き込み高炉操業方法。 - 【請求項2】 前記微粉炭の吹き込み量が、100kg
/t−銑鉄以上である請求項1に記載の粉体吹き込み高
炉操業方法。 - 【請求項3】 前記プリメルトスラグとして、転炉スラ
グおよび/または高炉スラグを用いる請求項1または2
に記載の粉体吹き込み高炉操業方法。
Priority Applications (1)
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Country Status (1)
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1997
- 1997-01-14 JP JP00474597A patent/JP3533062B2/ja not_active Expired - Lifetime
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