JP2002060808A - 化学組成を調整した焼結鉱を使用する高炉操業方法 - Google Patents
化学組成を調整した焼結鉱を使用する高炉操業方法Info
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- JP2002060808A JP2002060808A JP2000239291A JP2000239291A JP2002060808A JP 2002060808 A JP2002060808 A JP 2002060808A JP 2000239291 A JP2000239291 A JP 2000239291A JP 2000239291 A JP2000239291 A JP 2000239291A JP 2002060808 A JP2002060808 A JP 2002060808A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 微粉炭多量吹込み時に、焼結鉱で形成される
融着帯の通気性、還元性を確保し、炉周辺部のO/Cを
上昇させ、この領域の還元効率を向上させることによ
り、高炉の燃料比低減、生産性向上を達成する。 【解決手段】 焼結鉱の塩基度(CaO/SiO2)を
1.4〜1.9、SiO2を3.5〜5.5質量%、A
l2O3を1.5〜2.3質量%、かつMgOを0.2〜
1.5質量%と適正な範囲に維持する。また、焼結鉱の
CaO/SiO2の範囲を拡張し、焼結鉱の一部を塊状
鉄鉱石および/または塊状副原料で置き換え、焼結鉱と
塊状鉄鉱石および/または塊状副原料の平均組成におけ
るCaO/SiO2,SiO2,Al2O3,MgOを適正
な範囲に維持する。さらに、羽口部から粉状鉄鉱石およ
び/または粉状副原料を吹込む。
融着帯の通気性、還元性を確保し、炉周辺部のO/Cを
上昇させ、この領域の還元効率を向上させることによ
り、高炉の燃料比低減、生産性向上を達成する。 【解決手段】 焼結鉱の塩基度(CaO/SiO2)を
1.4〜1.9、SiO2を3.5〜5.5質量%、A
l2O3を1.5〜2.3質量%、かつMgOを0.2〜
1.5質量%と適正な範囲に維持する。また、焼結鉱の
CaO/SiO2の範囲を拡張し、焼結鉱の一部を塊状
鉄鉱石および/または塊状副原料で置き換え、焼結鉱と
塊状鉄鉱石および/または塊状副原料の平均組成におけ
るCaO/SiO2,SiO2,Al2O3,MgOを適正
な範囲に維持する。さらに、羽口部から粉状鉄鉱石およ
び/または粉状副原料を吹込む。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炉頂から装入され
る鉄鉱石の大部分を占める焼結鉱の化学組成を調整する
ことにより、燃料比を低減させ、生産性を向上させた高
炉操業方法に関する。
る鉄鉱石の大部分を占める焼結鉱の化学組成を調整する
ことにより、燃料比を低減させ、生産性を向上させた高
炉操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉操業にあっては、コ−クス代替とし
て、安価で燃焼性がよく発熱量の高い燃料(微粉炭、石
油、重油、ナフサ等)を羽口部より吹込み、溶銑製造コ
スト低減、生産性向上をはかってきており、特公昭40
−23763号公報にその技術が開示されている。とく
に直近では価格の点から微粉炭吹込みが主流となってお
り、燃料比低減(コスト低減),生産性向上に大きく寄
与している。
て、安価で燃焼性がよく発熱量の高い燃料(微粉炭、石
油、重油、ナフサ等)を羽口部より吹込み、溶銑製造コ
スト低減、生産性向上をはかってきており、特公昭40
−23763号公報にその技術が開示されている。とく
に直近では価格の点から微粉炭吹込みが主流となってお
り、燃料比低減(コスト低減),生産性向上に大きく寄
与している。
【0003】このようにして吹込まれた微粉炭は高炉内
で一部のコ−クスの代りに燃焼し、その燃焼性の良さと
高い発熱量のために、高温で多量の還元ガスを生成し効
率的な還元反応を行う。したがって炉頂より装入された
鉄鉱石はすばやく金属状態に還元されるとともに、溶融
して高温の溶銑となり、高炉の炉熱が高く生産性が向上
する。
で一部のコ−クスの代りに燃焼し、その燃焼性の良さと
高い発熱量のために、高温で多量の還元ガスを生成し効
率的な還元反応を行う。したがって炉頂より装入された
鉄鉱石はすばやく金属状態に還元されるとともに、溶融
して高温の溶銑となり、高炉の炉熱が高く生産性が向上
する。
【0004】従来の高炉操業において、炉頂から装入さ
れる鉄鉱石のうち、焼結鉱の占める割合は通常60〜9
0%と非常に高く、焼結鉱の被還元性等の性状により、
高炉の還元効率がほぼ決定される。したがって焼結鉱の
被還元性等の性状改善は、高炉の燃料比低減、生産性向
上にとって非常に重要である。
れる鉄鉱石のうち、焼結鉱の占める割合は通常60〜9
0%と非常に高く、焼結鉱の被還元性等の性状により、
高炉の還元効率がほぼ決定される。したがって焼結鉱の
被還元性等の性状改善は、高炉の燃料比低減、生産性向
上にとって非常に重要である。
【0005】一方微粉炭吹込み、とくに100kg/ト
ン以上の多量吹込みにより、高炉の加熱還元効率の指標
である熱流比(ガスの熱容量に対する固体の熱容量の
比)が低下するため、加熱還元、とくに炉周辺部におけ
る加熱還元に余裕が生じる。したがって炉周辺部に装入
する鉄鉱石とコ−クスの比率(O/Cと称する)を高く
して、この領域の還元効率を向上させることが行われて
いる。
ン以上の多量吹込みにより、高炉の加熱還元効率の指標
である熱流比(ガスの熱容量に対する固体の熱容量の
比)が低下するため、加熱還元、とくに炉周辺部におけ
る加熱還元に余裕が生じる。したがって炉周辺部に装入
する鉄鉱石とコ−クスの比率(O/Cと称する)を高く
して、この領域の還元効率を向上させることが行われて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、炉周辺部に
装入された鉄鉱石は、高炉羽口部のコ−クス旋回燃焼領
域(レ−スウェイと称する)で生成した高温還元ガスと
の間で反応伝熱が行われ、鉄鉱石の軟化融着によって融
着帯を形成する(炉周辺部に形成するものを根と称す
る)。この根は、通常の高炉操業においては、炉下部炉
周辺部に安定して存在し、位置と厚みに変動のないこと
が望ましい。また根の通気性が良好で結果として還元性
が良好であることが望ましい。
装入された鉄鉱石は、高炉羽口部のコ−クス旋回燃焼領
域(レ−スウェイと称する)で生成した高温還元ガスと
の間で反応伝熱が行われ、鉄鉱石の軟化融着によって融
着帯を形成する(炉周辺部に形成するものを根と称す
る)。この根は、通常の高炉操業においては、炉下部炉
周辺部に安定して存在し、位置と厚みに変動のないこと
が望ましい。また根の通気性が良好で結果として還元性
が良好であることが望ましい。
【0007】しかるに微粉炭を多量に吹込んで炉周辺部
のO/Cが非常に高くなった場合は、鉄鉱石の層厚が厚
くなるので、焼結鉱が高炉内を降下するときの加熱還元
が遅れ、残留したFeOとシリカ(SiO2)が結合し
てできる低融点化合物にアルミナ(Al2O3),マグネ
シァ(MgO)が溶け込む。この融液中にさらにFeO
が溶け込み融液の量が増加するため、還元ガスの浸透
が悪く(根の通気性が悪く),還元遅れがさらに助長さ
れる。このため、炉周辺部のO/Cを低下させるアクシ
ョンを実施せざるを得ない。
のO/Cが非常に高くなった場合は、鉄鉱石の層厚が厚
くなるので、焼結鉱が高炉内を降下するときの加熱還元
が遅れ、残留したFeOとシリカ(SiO2)が結合し
てできる低融点化合物にアルミナ(Al2O3),マグネ
シァ(MgO)が溶け込む。この融液中にさらにFeO
が溶け込み融液の量が増加するため、還元ガスの浸透
が悪く(根の通気性が悪く),還元遅れがさらに助長さ
れる。このため、炉周辺部のO/Cを低下させるアクシ
ョンを実施せざるを得ない。
【0008】このように焼結鉱の還元遅れが生じる理由
は、焼結鉱中の脈石成分であるSiO2,Al2O3,M
gO、カルシァ(CaO)の組成が適正化されていない
ことによる。これに還元遅れの結果多量に残留したFe
Oが加わり、上述した融液生成量の増加を招く。焼結鉱
中の脈石成分のうち,CaOは焼結鉱の強度、被還元性
を改善すべく塩基度(CaO/SiO2)を確保するた
めに必要であり,Al2O3は少ないほどよいが,Al2
O3の低い鉄鉱石は高価であるためむやみに低減できな
い。またSiO2,MgOは焼結鉱の強度、還元粉化性
を確保するために必要であり、これらの脈石成分を適正
にすることがなかなか困難であった。
は、焼結鉱中の脈石成分であるSiO2,Al2O3,M
gO、カルシァ(CaO)の組成が適正化されていない
ことによる。これに還元遅れの結果多量に残留したFe
Oが加わり、上述した融液生成量の増加を招く。焼結鉱
中の脈石成分のうち,CaOは焼結鉱の強度、被還元性
を改善すべく塩基度(CaO/SiO2)を確保するた
めに必要であり,Al2O3は少ないほどよいが,Al2
O3の低い鉄鉱石は高価であるためむやみに低減できな
い。またSiO2,MgOは焼結鉱の強度、還元粉化性
を確保するために必要であり、これらの脈石成分を適正
にすることがなかなか困難であった。
【0009】また高炉の出銑口から流出するスラグ中の
Al2O3,MgOをある定められた範囲に調整し、スラ
グの流動性、脱硫能を確保するためにも焼結鉱中のSi
O2,MgOは必要であった。
Al2O3,MgOをある定められた範囲に調整し、スラ
グの流動性、脱硫能を確保するためにも焼結鉱中のSi
O2,MgOは必要であった。
【0010】よって微粉炭を多量に吹込んで炉周辺部の
O/Cが非常に高くなった場合は、焼結鉱の還元遅れが
生じ上述した不利な現象を招くので、炉周辺部のO/C
を上昇させることができず、その結果炉周辺部のガス量
が増加し、炉体放散熱が増大し、燃料比が増加するとと
もに、装入物降下異常が発生し、生産性が低下するた
め、微粉炭多量吹込みによって生じる、炉周辺部におけ
る加熱還元の余裕を有効に利用できず、微粉炭吹込み量
にも限界があった。ここでいう炉周辺部とは、炉壁から
炉口径の15%の距離までの領域を示す。
O/Cが非常に高くなった場合は、焼結鉱の還元遅れが
生じ上述した不利な現象を招くので、炉周辺部のO/C
を上昇させることができず、その結果炉周辺部のガス量
が増加し、炉体放散熱が増大し、燃料比が増加するとと
もに、装入物降下異常が発生し、生産性が低下するた
め、微粉炭多量吹込みによって生じる、炉周辺部におけ
る加熱還元の余裕を有効に利用できず、微粉炭吹込み量
にも限界があった。ここでいう炉周辺部とは、炉壁から
炉口径の15%の距離までの領域を示す。
【0011】そこで本発明は、焼結鉱の化学組成を適正
化して、融着帯の根の通気性、還元性を良好に維持する
ことにより、微粉炭多量吹込み時に炉周辺部のO/Cを
上昇させ、この領域の還元効率を向上させることによ
り、高炉の燃料比低減、生産性向上を安定的に行うこと
を目的とする。
化して、融着帯の根の通気性、還元性を良好に維持する
ことにより、微粉炭多量吹込み時に炉周辺部のO/Cを
上昇させ、この領域の還元効率を向上させることによ
り、高炉の燃料比低減、生産性向上を安定的に行うこと
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の化学組成を調整
した焼結鉱を使用する高炉操業方法は、その目的を達成
するために、高炉羽口部から微粉炭を吹込むとともに、
焼結鉱を含む鉄原料および炭材を高炉炉頂部から装入す
る方法において、高炉炉頂部から装入する焼結鉱の化学
組成は、塩基度(CaO/SiO2)を1.4〜1.
9、SiO2を3.5〜5.5質量%、Al2O3を1.
5〜2.3質量%、かつMgOを0.2〜1.5質量%
とすることを特徴とする。
した焼結鉱を使用する高炉操業方法は、その目的を達成
するために、高炉羽口部から微粉炭を吹込むとともに、
焼結鉱を含む鉄原料および炭材を高炉炉頂部から装入す
る方法において、高炉炉頂部から装入する焼結鉱の化学
組成は、塩基度(CaO/SiO2)を1.4〜1.
9、SiO2を3.5〜5.5質量%、Al2O3を1.
5〜2.3質量%、かつMgOを0.2〜1.5質量%
とすることを特徴とする。
【0013】また、高炉炉頂部からは焼結鉱と塊状鉄鉱
石および/または塊状副原料をあらかじめ混合して装入
し、焼結鉱の化学組成は、塩基度(CaO/SiO2)
を1.4〜2.2、SiO2を3.5〜5.5質量%、
Al2O3を1.5〜2.3質量%、かつMgOを0.2
〜1.5質量%とし、焼結鉱の5.0〜25.0質量%
を塊状鉄鉱石で置き換え、および/または焼結鉱の0.
2〜2.0質量%を塊状副原料で置き換え、焼結鉱と塊
状鉄鉱石および/または塊状副原料を混合した後の平均
化学組成を、塩基度(CaO/SiO2)を1.4〜
1.9、SiO2を3.5〜5.5質量%、Al2O3を
1.5〜2.3質量%、かつMgOを0.2〜1.5質
量%となるように調整することを特徴とする。
石および/または塊状副原料をあらかじめ混合して装入
し、焼結鉱の化学組成は、塩基度(CaO/SiO2)
を1.4〜2.2、SiO2を3.5〜5.5質量%、
Al2O3を1.5〜2.3質量%、かつMgOを0.2
〜1.5質量%とし、焼結鉱の5.0〜25.0質量%
を塊状鉄鉱石で置き換え、および/または焼結鉱の0.
2〜2.0質量%を塊状副原料で置き換え、焼結鉱と塊
状鉄鉱石および/または塊状副原料を混合した後の平均
化学組成を、塩基度(CaO/SiO2)を1.4〜
1.9、SiO2を3.5〜5.5質量%、Al2O3を
1.5〜2.3質量%、かつMgOを0.2〜1.5質
量%となるように調整することを特徴とする。
【0014】さらに、高炉羽口部から粒径5.0mm未
満の粉状鉄鉱石および/または粉状副原料を吹込むこと
を特徴とする。
満の粉状鉄鉱石および/または粉状副原料を吹込むこと
を特徴とする。
【0015】さらに、高炉羽口部から粒径5.0mm未
満の粉状鉄鉱石を、あらかじめ40〜90%に予備還元
して吹込むことを特徴とする。
満の粉状鉄鉱石を、あらかじめ40〜90%に予備還元
して吹込むことを特徴とする。
【0016】さらに高炉羽口部から粒径5.0mm未満
の粉状鉄鉱石および/または粉状副原料を、あらかじめ
微粉炭と混合して吹込むか、あるいは同じ羽口から別々
に吹込むことを特徴とする。
の粉状鉄鉱石および/または粉状副原料を、あらかじめ
微粉炭と混合して吹込むか、あるいは同じ羽口から別々
に吹込むことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において、焼結鉱の塩基度
(CaO/SiO2)を1.4〜1.9と数値限定した
のは、CaO/SiO2が1.4未満だと、残留したF
eOとSiO2が結合してできる低融点化合物が多量に
生成し、この生成融液が焼結鉱で形成される融着帯の気
孔中に侵入するため、融着帯の通気性が悪くなり結果と
して還元遅れが生じることが理由の1つである。また多
量に生成したFeOとSiO2が結合してできる低融点
化合物は流動性が良く、コ−クスと接触してFeOの溶
融還元およびそれに引き続く生成金属鉄の浸炭溶融が激
しく起こり、1400℃未満の低温で滴下するため、溶
銑温度が低下し高炉の炉熱が低下することがもう1つの
理由である。
(CaO/SiO2)を1.4〜1.9と数値限定した
のは、CaO/SiO2が1.4未満だと、残留したF
eOとSiO2が結合してできる低融点化合物が多量に
生成し、この生成融液が焼結鉱で形成される融着帯の気
孔中に侵入するため、融着帯の通気性が悪くなり結果と
して還元遅れが生じることが理由の1つである。また多
量に生成したFeOとSiO2が結合してできる低融点
化合物は流動性が良く、コ−クスと接触してFeOの溶
融還元およびそれに引き続く生成金属鉄の浸炭溶融が激
しく起こり、1400℃未満の低温で滴下するため、溶
銑温度が低下し高炉の炉熱が低下することがもう1つの
理由である。
【0018】またCaO/SiO2が1.9を超える
と、還元初期にFeOとCaOが結合してできる低融点
化合物が多量に生成し、この生成融液が焼結鉱で形成さ
れる融着帯の気孔中に侵入するため、融着帯の通気性が
悪く還元遅れが生じることも理由に挙げられる。またこ
のFeOとCaOが結合してできる低融点化合物は、還
元が進行しFeOが減少するにつれてその融点が上昇し
流動性が悪化するため、コ−クスとの接触によるFeO
の溶融還元、生成金属鉄の浸炭溶融が遅れ、1500℃
を超えても滴下せず、この滴下しない融着帯がレ−スウ
ェイ直上まで降下してきて一気に溶融を余儀なくされる
ため、装入物降下異常、通気性悪化が生じることも理由
に挙げられる。
と、還元初期にFeOとCaOが結合してできる低融点
化合物が多量に生成し、この生成融液が焼結鉱で形成さ
れる融着帯の気孔中に侵入するため、融着帯の通気性が
悪く還元遅れが生じることも理由に挙げられる。またこ
のFeOとCaOが結合してできる低融点化合物は、還
元が進行しFeOが減少するにつれてその融点が上昇し
流動性が悪化するため、コ−クスとの接触によるFeO
の溶融還元、生成金属鉄の浸炭溶融が遅れ、1500℃
を超えても滴下せず、この滴下しない融着帯がレ−スウ
ェイ直上まで降下してきて一気に溶融を余儀なくされる
ため、装入物降下異常、通気性悪化が生じることも理由
に挙げられる。
【0019】焼結鉱のCaO/SiO2が1.4〜1.
9の範囲にある場合は、FeOとSiO2が結合してで
きる低融点化合物、およびFeOとCaOが結合してで
きる低融点化合物の生成量が少なく、そのため生成融液
が焼結鉱で形成される融着帯の気孔中に侵入し、融着帯
の通気性悪化、還元遅れを生じない。また,FeOとS
iO2が結合してできる流動性の良い低融点化合物の生
成量が少ないため、コ−クスとの接触によるFeOの溶
融還元、生成金属鉄の浸炭溶融が激しくなく、1400
℃未満の低温で滴下することもない。さらに,FeOと
CaOが結合してできる低融点化合物の生成量も少ない
ため、コ−クスとの接触によるFeOの溶融還元、生成
金属鉄の浸炭溶融が遅れ、1500℃を超えても滴下し
ない現象もみられない。
9の範囲にある場合は、FeOとSiO2が結合してで
きる低融点化合物、およびFeOとCaOが結合してで
きる低融点化合物の生成量が少なく、そのため生成融液
が焼結鉱で形成される融着帯の気孔中に侵入し、融着帯
の通気性悪化、還元遅れを生じない。また,FeOとS
iO2が結合してできる流動性の良い低融点化合物の生
成量が少ないため、コ−クスとの接触によるFeOの溶
融還元、生成金属鉄の浸炭溶融が激しくなく、1400
℃未満の低温で滴下することもない。さらに,FeOと
CaOが結合してできる低融点化合物の生成量も少ない
ため、コ−クスとの接触によるFeOの溶融還元、生成
金属鉄の浸炭溶融が遅れ、1500℃を超えても滴下し
ない現象もみられない。
【0020】そして、焼結鉱のCaO/SiO2が1.
4〜1.9の範囲にある場合は、SiO2が3.5〜
5.5質量%、Al2O3が1.5〜2.3質量%、かつ
MgOが0.2〜1.5質量%の範囲にあれば、上述し
た生成融液の融着帯の気孔中への侵入量増加,FeOの
溶融還元、生成金属鉄の浸炭溶融促進による滴下温度低
下,FeOの溶融還元、生成金属鉄の浸炭溶融遅れによ
る滴下温度過度の上昇の現象はみられない。SiO2,
Al2O3,MgOのそれぞれの含有量を数値限定した理
由は、これらの範囲を逸脱すると、上述した好ましくな
い現象が現われることによる。
4〜1.9の範囲にある場合は、SiO2が3.5〜
5.5質量%、Al2O3が1.5〜2.3質量%、かつ
MgOが0.2〜1.5質量%の範囲にあれば、上述し
た生成融液の融着帯の気孔中への侵入量増加,FeOの
溶融還元、生成金属鉄の浸炭溶融促進による滴下温度低
下,FeOの溶融還元、生成金属鉄の浸炭溶融遅れによ
る滴下温度過度の上昇の現象はみられない。SiO2,
Al2O3,MgOのそれぞれの含有量を数値限定した理
由は、これらの範囲を逸脱すると、上述した好ましくな
い現象が現われることによる。
【0021】また、焼結鉱の5.0〜25.0質量%を
塊状鉄鉱石で置き換えて、焼結鉱と塊状鉄鉱石の平均化
学組成を上述した適正範囲に維持することでも、本発明
の効果を享受できる。このときは焼結鉱のCaO/Si
O2を1.4〜2.2まで拡張しても、焼結鉱と塊状鉄
鉱石の平均化学組成を上述した適正範囲に維持すれば効
果は同じである。塊状鉄鉱石としては通常使用している
鉄鉱石を使用でき、例えばSiO2,Al2O3を多く含
む豪州系鉄鉱石等でもよい。塊状鉄鉱石はあらかじめ焼
結鉱と混合して高炉炉頂部から装入する。
塊状鉄鉱石で置き換えて、焼結鉱と塊状鉄鉱石の平均化
学組成を上述した適正範囲に維持することでも、本発明
の効果を享受できる。このときは焼結鉱のCaO/Si
O2を1.4〜2.2まで拡張しても、焼結鉱と塊状鉄
鉱石の平均化学組成を上述した適正範囲に維持すれば効
果は同じである。塊状鉄鉱石としては通常使用している
鉄鉱石を使用でき、例えばSiO2,Al2O3を多く含
む豪州系鉄鉱石等でもよい。塊状鉄鉱石はあらかじめ焼
結鉱と混合して高炉炉頂部から装入する。
【0022】さらに、焼結鉱の0.2〜2.0質量%を
塊状副原料で置き換えて、焼結鉱と塊状副原料の平均化
学組成を上述した適正範囲に維持することでも、本発明
の効果を享受でき、焼結鉱のCaO/SiO2を1.4
〜2.2まで拡張できる。塊状副原料としては通常使用
している副原料を使用でき、例えばSiO2を多く含む
軟珪石、SiO2,MgOを多く含む蛇紋岩、橄欖岩、
ジュナイト等でもよい。
塊状副原料で置き換えて、焼結鉱と塊状副原料の平均化
学組成を上述した適正範囲に維持することでも、本発明
の効果を享受でき、焼結鉱のCaO/SiO2を1.4
〜2.2まで拡張できる。塊状副原料としては通常使用
している副原料を使用でき、例えばSiO2を多く含む
軟珪石、SiO2,MgOを多く含む蛇紋岩、橄欖岩、
ジュナイト等でもよい。
【0023】そして、塊状鉄鉱石と塊状副原料のどちら
か一方だけの使用でも、両方の使用でも、本発明の効果
は同じである。
か一方だけの使用でも、両方の使用でも、本発明の効果
は同じである。
【0024】さて、本発明の化学組成を調整した焼結鉱
の単独使用、あるいは焼結鉱と塊状鉄鉱石および/また
は塊状副原料との混合使用において、高炉の出銑口から
流出するスラグ中化学組成(CaO/SiO2,Al2O
3,MgO)が、通常定められた範囲(CaO/Si
O2:1.1〜1.3,Al2O3:13.0〜16.0
質量%,MgO:4.0〜8.0質量%)を逸脱し、ス
ラグの流動性、脱硫能に問題を生じる可能性が出てきた
場合は、本発明において次のように対処する。
の単独使用、あるいは焼結鉱と塊状鉄鉱石および/また
は塊状副原料との混合使用において、高炉の出銑口から
流出するスラグ中化学組成(CaO/SiO2,Al2O
3,MgO)が、通常定められた範囲(CaO/Si
O2:1.1〜1.3,Al2O3:13.0〜16.0
質量%,MgO:4.0〜8.0質量%)を逸脱し、ス
ラグの流動性、脱硫能に問題を生じる可能性が出てきた
場合は、本発明において次のように対処する。
【0025】すなわち、高炉羽口部から粒径5.0mm
未満の粉状鉄鉱石および/または粉状副原料を吹込む。
粉状鉄鉱石はSiO2,Al2O3の調整に使用する。粉
状副原料のうち、石灰石はCaOの調整に、軟珪石はS
iO2の調整に、蛇紋岩、橄欖岩、ジュナイト等はSi
O2,MgOの調整に使用する。粉状鉄鉱石および/ま
たは粉状副原料の粒径を5.0mm未満と数値限定した
理由は、レ−スウェイ内で溶融、スラグ化しやすい上限
の粒径として5.0mmを採用したことによる。
未満の粉状鉄鉱石および/または粉状副原料を吹込む。
粉状鉄鉱石はSiO2,Al2O3の調整に使用する。粉
状副原料のうち、石灰石はCaOの調整に、軟珪石はS
iO2の調整に、蛇紋岩、橄欖岩、ジュナイト等はSi
O2,MgOの調整に使用する。粉状鉄鉱石および/ま
たは粉状副原料の粒径を5.0mm未満と数値限定した
理由は、レ−スウェイ内で溶融、スラグ化しやすい上限
の粒径として5.0mmを採用したことによる。
【0026】このようにして吹込まれた粉状鉄鉱石およ
び/または粉状副原料は、容易にレ−スウェイ内での溶
融、スラグ化され、逸脱したスラグ中化学組成を通常定
められた範囲に調整することができる。
び/または粉状副原料は、容易にレ−スウェイ内での溶
融、スラグ化され、逸脱したスラグ中化学組成を通常定
められた範囲に調整することができる。
【0027】また、粉状鉄鉱石をあらかじめ40〜90
%に予備還元して吹込むことにより、還元に必要な熱量
を節約できるため、レ−スウェイ内の温度を上昇させる
ことができ、レ−スウェイ内での溶融、スラグ化を促進
することから、さらに好ましい。予備還元率を40〜9
0%に数値限定した理由は、40%未満だとレ−スウェ
イ内の温度が低下し、レ−スウェイ内での溶融、スラグ
化を促進できないため、90%を超えると予備還元に必
要な燃料を多量に消費し、経済的でないことによる。
%に予備還元して吹込むことにより、還元に必要な熱量
を節約できるため、レ−スウェイ内の温度を上昇させる
ことができ、レ−スウェイ内での溶融、スラグ化を促進
することから、さらに好ましい。予備還元率を40〜9
0%に数値限定した理由は、40%未満だとレ−スウェ
イ内の温度が低下し、レ−スウェイ内での溶融、スラグ
化を促進できないため、90%を超えると予備還元に必
要な燃料を多量に消費し、経済的でないことによる。
【0028】そして、このとき粉状鉄鉱石および/また
は粉状副原料を、羽口部から吹込む微粉炭と別々のラン
スを使用して同じ羽口から吹込んでも、微粉炭とあらか
じめ混合して同じランスを使用して吹込んでも、レ−ス
ウェイ内での溶融、スラグ化に差はない。
は粉状副原料を、羽口部から吹込む微粉炭と別々のラン
スを使用して同じ羽口から吹込んでも、微粉炭とあらか
じめ混合して同じランスを使用して吹込んでも、レ−ス
ウェイ内での溶融、スラグ化に差はない。
【0029】
【実施例】以下実施例により本発明の特徴を具体的に説
明する。表1に本発明による高炉操業結果を従来法と比
較して示す。対象高炉は内容積 3000m3の中型高
炉であり、全鉄原料中の焼結鉱使用割合が70.0質量
%,焼結鉱中(CaO/SiO2)=2.25,(Si
O2)=5.6質量%,(MgO)=1.6質量%,
(Al2O3)=1.9質量%で操業していた。微粉炭吹
込み量100kg/トン、燃料比500kg/トンに維
持しながら溶銑を6000トン/日製造していた。この
とき全鉄原料中にSiO2,Al2O3を多く含む豪州系
塊状鉄鉱石を30.0質量% 配合していた。また出銑
口から流出するスラグ中の(CaO/SiO2)=1.
20,(Al2O3)=14.5質量%,(MgO)=
6.5質量%で操業していた。
明する。表1に本発明による高炉操業結果を従来法と比
較して示す。対象高炉は内容積 3000m3の中型高
炉であり、全鉄原料中の焼結鉱使用割合が70.0質量
%,焼結鉱中(CaO/SiO2)=2.25,(Si
O2)=5.6質量%,(MgO)=1.6質量%,
(Al2O3)=1.9質量%で操業していた。微粉炭吹
込み量100kg/トン、燃料比500kg/トンに維
持しながら溶銑を6000トン/日製造していた。この
とき全鉄原料中にSiO2,Al2O3を多く含む豪州系
塊状鉄鉱石を30.0質量% 配合していた。また出銑
口から流出するスラグ中の(CaO/SiO2)=1.
20,(Al2O3)=14.5質量%,(MgO)=
6.5質量%で操業していた。
【0030】
【表1】
【0031】(実施例1)本発明による操業例であり、
微粉炭吹込み量を180kg/トンに増加するときに、
全鉄原料中の焼結鉱使用割合を80.0質量% に増加
し、焼結鉱中(CaO/SiO2)=2.0,(Si
O2)=5.2質量%,(MgO)=1.0質量%,
(Al2O3)=1.95質量%とした。SiO2,Al2
O3を多く含む豪州系塊状鉄鉱石を全鉄原料中の20.
0質量%だけ配合した。このとき、出銑口から流出する
スラグ中の(CaO/SiO2)=1.25,(Al2O
3)=14.0質量%,(MgO)=5.0質量%であ
った。比較例1に対比すると、燃料比が低く、出銑量が
多い。
微粉炭吹込み量を180kg/トンに増加するときに、
全鉄原料中の焼結鉱使用割合を80.0質量% に増加
し、焼結鉱中(CaO/SiO2)=2.0,(Si
O2)=5.2質量%,(MgO)=1.0質量%,
(Al2O3)=1.95質量%とした。SiO2,Al2
O3を多く含む豪州系塊状鉄鉱石を全鉄原料中の20.
0質量%だけ配合した。このとき、出銑口から流出する
スラグ中の(CaO/SiO2)=1.25,(Al2O
3)=14.0質量%,(MgO)=5.0質量%であ
った。比較例1に対比すると、燃料比が低く、出銑量が
多い。
【0032】(実施例2)本発明による操業例であり、
微粉炭吹込み量を180kg/トンに増加するときに、
全鉄原料中の焼結鉱使用割合を84.0質量%に増加
し、焼結鉱中(CaO/SiO2)=1.9,(Si
O2)=5.0質量%,(MgO)=0.5質量%,
(Al2O3)=2.0質量%とした。SiO2,Al2O
3を多く含む豪州系塊状鉄鉱石を全鉄原料中の15.0
質量%だけ配合した。また、塊状蛇紋岩を全鉄原料中の
1.0質量%配合した。このとき、出銑口から流出する
スラグ中の(CaO/SiO2)=1.25,(Al2O
3)=15.0質量%,(MgO)=5.5質量%であ
った。比較例1に対比すると、燃料比が低く、出銑量が
多い。
微粉炭吹込み量を180kg/トンに増加するときに、
全鉄原料中の焼結鉱使用割合を84.0質量%に増加
し、焼結鉱中(CaO/SiO2)=1.9,(Si
O2)=5.0質量%,(MgO)=0.5質量%,
(Al2O3)=2.0質量%とした。SiO2,Al2O
3を多く含む豪州系塊状鉄鉱石を全鉄原料中の15.0
質量%だけ配合した。また、塊状蛇紋岩を全鉄原料中の
1.0質量%配合した。このとき、出銑口から流出する
スラグ中の(CaO/SiO2)=1.25,(Al2O
3)=15.0質量%,(MgO)=5.5質量%であ
った。比較例1に対比すると、燃料比が低く、出銑量が
多い。
【0033】(実施例3)本発明による操業例であり、
微粉炭吹込み量を180kg/トンに増加するときに、
全鉄原料中の焼結鉱使用割合を99.5質量%とし、焼
結鉱中(CaO/SiO2)=1.6,(SiO2)=
5.3質量%,(MgO)=0.8質量%,(Al
2O3)=1.85質量%とした。また、塊状橄欖岩を全
鉄原料中の0.5質量%だけ配合した。このとき、出銑
口から流出するスラグ中の(CaO/SiO2)=1.
25,(Al2O3)=14.0質量%,(MgO)=
6.0質量%であった。比較例1に対比すると、燃料比
が低く、出銑量が多い。
微粉炭吹込み量を180kg/トンに増加するときに、
全鉄原料中の焼結鉱使用割合を99.5質量%とし、焼
結鉱中(CaO/SiO2)=1.6,(SiO2)=
5.3質量%,(MgO)=0.8質量%,(Al
2O3)=1.85質量%とした。また、塊状橄欖岩を全
鉄原料中の0.5質量%だけ配合した。このとき、出銑
口から流出するスラグ中の(CaO/SiO2)=1.
25,(Al2O3)=14.0質量%,(MgO)=
6.0質量%であった。比較例1に対比すると、燃料比
が低く、出銑量が多い。
【0034】(実施例4)本発明による操業例であり、
微粉炭吹込み量を180kg/トンに増加するときに、
全鉄原料中の焼結鉱使用割合を100質量%とし、焼結
鉱中(CaO/SiO2)=1.5,(SiO2)=4.
5質量%,(MgO)=0.5質量%,(Al2O3)=
2.0質量%とした。また、羽口部から,5.0mm未
満の粉状鉄鉱石を 40kg/トンの量だけ、微粉炭と
は別のランスで吹込んだ。このとき、出銑口から流出す
るスラグ中の(CaO/SiO2)=1.20,(Al2
O3)=15.5質量%,(MgO)=4.5質量%で
あった。比較例1に対比すると、燃料比が低く、出銑量
が多い。
微粉炭吹込み量を180kg/トンに増加するときに、
全鉄原料中の焼結鉱使用割合を100質量%とし、焼結
鉱中(CaO/SiO2)=1.5,(SiO2)=4.
5質量%,(MgO)=0.5質量%,(Al2O3)=
2.0質量%とした。また、羽口部から,5.0mm未
満の粉状鉄鉱石を 40kg/トンの量だけ、微粉炭と
は別のランスで吹込んだ。このとき、出銑口から流出す
るスラグ中の(CaO/SiO2)=1.20,(Al2
O3)=15.5質量%,(MgO)=4.5質量%で
あった。比較例1に対比すると、燃料比が低く、出銑量
が多い。
【0035】(実施例5)本発明による操業例であり、
微粉炭吹込み量を180kg/トンに増加するときに、
全鉄原料中の焼結鉱使用割合を100質量%とし、焼結
鉱中(CaO/SiO2)=1.5,(SiO2)=4.
5質量%,(MgO)=0.5質量%,(Al2O3)=
2.0質量%とした。また、羽口部から,5.0mm未
満の粉状蛇紋岩を 10kg/トンの量だけ、微粉炭と
あらかじめ混合し、同じランスで吹込んだ。このとき、
出銑口から流出するスラグ中の(CaO/SiO2)=
1.20,(Al2O3)=15.0質量%,(MgO)
=5.5質量%であった。比較例1に対比すると、燃料
比が低く、出銑量が多い。
微粉炭吹込み量を180kg/トンに増加するときに、
全鉄原料中の焼結鉱使用割合を100質量%とし、焼結
鉱中(CaO/SiO2)=1.5,(SiO2)=4.
5質量%,(MgO)=0.5質量%,(Al2O3)=
2.0質量%とした。また、羽口部から,5.0mm未
満の粉状蛇紋岩を 10kg/トンの量だけ、微粉炭と
あらかじめ混合し、同じランスで吹込んだ。このとき、
出銑口から流出するスラグ中の(CaO/SiO2)=
1.20,(Al2O3)=15.0質量%,(MgO)
=5.5質量%であった。比較例1に対比すると、燃料
比が低く、出銑量が多い。
【0036】(実施例6)本発明による操業例であり、
微粉炭吹込み量を180kg/トンに増加するときに、
全鉄原料中の焼結鉱使用割合を100質量%とし、焼結
鉱中(CaO/SiO2)=1.5,(SiO2)=4.
5質量%,(MgO)=0.5質量%,(Al2O3)=
2.0質量%とした。また、羽口部から,5.0mm未
満のあらかじめ65%に予備還元した粉状鉄鉱石を60
kg/トンの量だけ、および粉状蛇紋岩を10kg/ト
ンの量だけ、微粉炭とあらかじめ混合し、同じランスで
吹込んだ。このとき、出銑口から流出するスラグ中の
(CaO/SiO2)=1.20,(Al2O3)=1
5.5質量%,(MgO)=5.0質量%であった。比
較例1に対比すると、燃料比が低く、出銑量が多い。
微粉炭吹込み量を180kg/トンに増加するときに、
全鉄原料中の焼結鉱使用割合を100質量%とし、焼結
鉱中(CaO/SiO2)=1.5,(SiO2)=4.
5質量%,(MgO)=0.5質量%,(Al2O3)=
2.0質量%とした。また、羽口部から,5.0mm未
満のあらかじめ65%に予備還元した粉状鉄鉱石を60
kg/トンの量だけ、および粉状蛇紋岩を10kg/ト
ンの量だけ、微粉炭とあらかじめ混合し、同じランスで
吹込んだ。このとき、出銑口から流出するスラグ中の
(CaO/SiO2)=1.20,(Al2O3)=1
5.5質量%,(MgO)=5.0質量%であった。比
較例1に対比すると、燃料比が低く、出銑量が多い。
【0037】(比較例1)従来法による操業例であり、
微粉炭吹込み量を180kg/トンに増加するときに、
全鉄原料中の焼結鉱使用割合を70.0質量% のまま
とし、焼結鉱中(CaO/SiO2)=2.25,(S
iO2)=5.6質量%,(MgO)=1.6質量%,
(Al2O3)=1.9質量%もそのままとした。また全
鉄原料中にSiO2,Al2O3を多く含む豪州系塊状鉄
鉱石使用割合も30.0質量%のままとして操業を継続
した。出銑口から流出するスラグ中の(CaO/SiO
2)=1.15,(Al2O3)=16.0質量%,(M
gO)=6.5質量%であった。実施例1〜6に比べ
て、燃料比を上昇せざるを得ず、生産量が低下してい
る。
微粉炭吹込み量を180kg/トンに増加するときに、
全鉄原料中の焼結鉱使用割合を70.0質量% のまま
とし、焼結鉱中(CaO/SiO2)=2.25,(S
iO2)=5.6質量%,(MgO)=1.6質量%,
(Al2O3)=1.9質量%もそのままとした。また全
鉄原料中にSiO2,Al2O3を多く含む豪州系塊状鉄
鉱石使用割合も30.0質量%のままとして操業を継続
した。出銑口から流出するスラグ中の(CaO/SiO
2)=1.15,(Al2O3)=16.0質量%,(M
gO)=6.5質量%であった。実施例1〜6に比べ
て、燃料比を上昇せざるを得ず、生産量が低下してい
る。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、焼結鉱のCaO/SiO2(1.4〜1.9)、S
iO2(3.5〜5.5質量%),Al2O3(1.5〜
2.3質量%),MgO(0.2〜1.5質量%)を適
正な範囲に維持することにより、また、焼結鉱のCaO
/SiO2の範囲を拡張し(1.4〜2.2)、焼結鉱
の一部を塊状鉄鉱石(5.0〜25.0質量%)、およ
び/または塊状副原料(0.2〜2.0質量%)で置き
換えることにより、生成融液の融着帯の気孔中への侵入
量増加,FeOの溶融還元、生成金属鉄の浸炭溶融促進
による滴下温度低下,FeOの溶融還元、生成金属鉄の
浸炭溶融遅れによる滴下温度過度の上昇を抑制し、融着
帯の通気性悪化、還元遅れが防止でき、かつ滴下温度を
1400〜1500℃の範囲に維持できる。このため、
微粉炭多量吹込み時に炉周辺部の O/Cを増加しこの
領域の還元効率を向上させることができ、また高炉の炉
熱を高く維持でき、高炉の燃料比低減、生産性向上を安
定的に行える。
は、焼結鉱のCaO/SiO2(1.4〜1.9)、S
iO2(3.5〜5.5質量%),Al2O3(1.5〜
2.3質量%),MgO(0.2〜1.5質量%)を適
正な範囲に維持することにより、また、焼結鉱のCaO
/SiO2の範囲を拡張し(1.4〜2.2)、焼結鉱
の一部を塊状鉄鉱石(5.0〜25.0質量%)、およ
び/または塊状副原料(0.2〜2.0質量%)で置き
換えることにより、生成融液の融着帯の気孔中への侵入
量増加,FeOの溶融還元、生成金属鉄の浸炭溶融促進
による滴下温度低下,FeOの溶融還元、生成金属鉄の
浸炭溶融遅れによる滴下温度過度の上昇を抑制し、融着
帯の通気性悪化、還元遅れが防止でき、かつ滴下温度を
1400〜1500℃の範囲に維持できる。このため、
微粉炭多量吹込み時に炉周辺部の O/Cを増加しこの
領域の還元効率を向上させることができ、また高炉の炉
熱を高く維持でき、高炉の燃料比低減、生産性向上を安
定的に行える。
【0039】また、出銑口から流出するスラグ中化学組
成(CaO/SiO2,Al2O3,MgO)が、通常定
められた範囲(CaO/SiO2:1.1〜1.3,A
l2O 3:13.0〜16.0質量%,MgO:4.0〜
8.0質量%)を逸脱する可能性が出た場合でも、羽口
部から粉状鉄鉱石、および/または粉状副原料を吹込む
ことにより通常の範囲に調整でき、スラグの流動性、脱
硫能に問題を生じない。
成(CaO/SiO2,Al2O3,MgO)が、通常定
められた範囲(CaO/SiO2:1.1〜1.3,A
l2O 3:13.0〜16.0質量%,MgO:4.0〜
8.0質量%)を逸脱する可能性が出た場合でも、羽口
部から粉状鉄鉱石、および/または粉状副原料を吹込む
ことにより通常の範囲に調整でき、スラグの流動性、脱
硫能に問題を生じない。
Claims (5)
- 【請求項1】 高炉羽口部から微粉炭を吹込むととも
に、焼結鉱を含む鉄原料および炭材を高炉炉頂部から装
入する方法において、高炉炉頂部から装入する焼結鉱の
化学組成は、塩基度(CaO/SiO2)を1.4〜
1.9、SiO2を3.5〜5.5質量%、Al2O3を
1.5〜2.3質量%、かつMgOを0.2〜1.5質
量%とすることを特徴とする化学組成を調整した焼結鉱
を使用する高炉操業方法。 - 【請求項2】 高炉羽口部から微粉炭を吹込むととも
に、焼結鉱を含む鉄原料および炭材を高炉炉頂部から装
入する方法において、高炉炉頂部からは焼結鉱と塊状鉄
鉱石および/または塊状副原料をあらかじめ混合して装
入し、前記焼結鉱の化学組成は、塩基度(CaO/Si
O2)を1.4〜2.2、SiO2を3.5〜5.5質量
%、Al2O3を1.5〜2.3質量%、かつMgOを
0.2〜1.5質量%とし、焼結鉱の5.0〜25.0
質量%を塊状鉄鉱石で置き換え、および/または焼結鉱
の0.2〜2.0質量%を塊状副原料で置き換え、焼結
鉱と塊状鉄鉱石および/または塊状副原料を混合した後
の平均化学組成を、塩基度(CaO/SiO2)を1.
4〜1.9、SiO2を3.5〜5.5質量%、Al2O
3を1.5〜2.3質量%、かつMgOを0.2〜1.
5質量%となるように調整することを特徴とする化学組
成を調整した焼結鉱を使用する高炉操業方法。 - 【請求項3】 高炉羽口部から粒径5.0mm未満の粉
状鉄鉱石および/または粉状副原料を吹込むことを特徴
とする請求項1又は2記載の化学組成を調整した焼結鉱
を使用する高炉操業方法。 - 【請求項4】 高炉羽口部から粒径5.0mm未満の粉
状鉄鉱石を、あらかじめ40〜90%に予備還元して吹
込むことを特徴とする請求項3記載の化学組成を調整し
た焼結鉱を使用する高炉操業方法。 - 【請求項5】 高炉羽口部から粒径5.0mm未満の粉
状鉄鉱石および/または粉状副原料を、あらかじめ微粉
炭と混合して吹込むか、あるいは同じ羽口から別々に吹
込むことを特徴とする、請求項3又は4記載の化学組成
を調整した焼結鉱を使用する高炉操業方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000239291A JP2002060808A (ja) | 2000-08-08 | 2000-08-08 | 化学組成を調整した焼結鉱を使用する高炉操業方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000239291A JP2002060808A (ja) | 2000-08-08 | 2000-08-08 | 化学組成を調整した焼結鉱を使用する高炉操業方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002060808A true JP2002060808A (ja) | 2002-02-28 |
Family
ID=18730853
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000239291A Withdrawn JP2002060808A (ja) | 2000-08-08 | 2000-08-08 | 化学組成を調整した焼結鉱を使用する高炉操業方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002060808A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109490351A (zh) * | 2017-09-11 | 2019-03-19 | 上海梅山钢铁股份有限公司 | 一种铁矿粉液相流动性的检测方法 |
-
2000
- 2000-08-08 JP JP2000239291A patent/JP2002060808A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109490351A (zh) * | 2017-09-11 | 2019-03-19 | 上海梅山钢铁股份有限公司 | 一种铁矿粉液相流动性的检测方法 |
CN109490351B (zh) * | 2017-09-11 | 2021-04-06 | 上海梅山钢铁股份有限公司 | 一种铁矿粉液相流动性的检测方法 |
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---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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