JP3294466B2 - 転炉における高吹止Mn操業方法 - Google Patents

転炉における高吹止Mn操業方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶銑予備処理にて燐を
除去し排滓した溶銑を、上吹き、上底吹き、底吹き等の
転炉に装入し、Mn焼結鉱を添加して脱炭精錬する際
に、高Mn歩留りを得るための操業方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、溶銑予備処理技術の発展に伴い、
転炉における精錬はレススラグによる脱炭吹錬が主流に
なっている。この中で、溶鋼へのMn添加方法は、従来
行われていた精錬後に高価なFe−Mn系合金を使う方
法に代わって、安価なMn鉱石を当該精錬中に添加し
て、溶融還元を行う方法が一般的となってきた。このM
n鉱石を用いた吹止Mn向上対策としては、例えば特開
昭60−9813号公報に記載のように、転炉にてMn
鉱石を添加して精錬する方法において、精錬末期に粉状
あるいは塊状のC含有物質を、Mn鉱石を添加して生成
されたスラグ中に上方から添加して、該生成スラグ中の
MnOを強制的に還元する方法が提案されている。ま
た、他の例として、特開昭62−33709号公報に記
載のように、塊状のMn鉱石より安価な粉状のMn鉱石
を事前に焼結して、鉱石中の酸素を焼結時の加熱により
分解放出させて、その分解熱量差分だけMn焼結鉱の添
加量が増やせることにより高吹止Mnが得られる方法も
提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
60−9813号公報に記載の方法では、Mn鉱石の融
点が1550℃以上と高温であるため、Mn鉱石自体の
溶融あるいはスラグへの溶解が十分でなく、Mn鉱石を
添加した後の生成スラグが未滓化状態にあるため、C含
有物質によるスラグの還元を行ったとしても反応は十分
には進行せず、Mn歩留りを大きく向上することはでき
ない。また、特開昭62−33709号公報に記載の方
法においても、Mn鉱石を事前に焼結したとしても、反
応面積の増大に見合う分のMn歩留り向上効果は認めら
れるものの、Mn焼結鉱の融点そのものがMn鉱石と同
様高いために、飛躍的なMn歩留り向上は期待できな
い。そこで、これらの課題を解決し、Mn歩留りを大幅
に向上する転炉の操業方法が強く望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、下記のとおりである。溶銑予備処理にて脱燐処理
し排滓した溶銑を、転炉に装入し、当該精錬初期にMn
焼結鉱を添加する脱炭精錬方法において、前記Mn焼結
鉱のCaO/SiO2 を3以上、Al23 濃度を2〜
10%とすると共に、[C]濃度が0.5%以下になっ
た当該精錬末期に、粒径5mm以下のコークス粉を炉内
で生成したスラグ内に1.5〜5.0kg/t吹き込
み、[C]≧0.10%で吹止ることを特徴とする転炉
における高吹止Mn操業方法。
【0005】
【作用】次に、作用について述べる。本発明者らは、前
記課題を一挙に解決する方法として、滓化性が良くかつ
反応性に優れるMn焼結鉱を使用し、Mn焼結鉱が十分
溶けて生成スラグ(前回精錬時のスラグを若干含む)の
反応性が増した状態で、スラグ中にコークス粉を吹き込
み、スラグのMnOを効率的に還元することに着眼し
た。すなわち、従来法のようにコークス等の炭材でスラ
グを強制還元しようとしても、Mn鉱石あるいはMn焼
結鉱の未溶解部分を含むスラグが未滓化状態であった
り、スラグの組成がMnOの還元に対して熱力学的な観
点から適正でない場合(反応性が悪い)には、炭材によ
る還元効果は十分に発揮できない。この課題を、本発明
手段によって解決するものである。
【0006】まず、滓化性がよく、熱力学的な反応性に
も優れたMn源としては、CaO/SiO2 が3以上、
Al23 が2〜10%に焼成したMn焼結鉱が有効で
あることを実験的に見出した。本Mn焼結鉱は、Mn鉱
石粉およびまたは鉄Mn鉱石粉に石灰石を配合して、焼
結機で焼成したものである。Mn鉱石あるいは鉄Mn鉱
石に石灰石を配合して焼結鉱を作ると、石灰石から含有
してくるCaO分が、CaO−Mn34 系状態図から
予想される通り、Mn焼結鉱の融点を低下させる。特
に、Mn焼結鉱のCaO/SiO2 を3以上にするとそ
の効果は著しく、融点は1400℃以下となる。
【0007】また、このCaO/SiO2 が3以上のM
n焼結鉱のAl23 分が2%以上含まれる場合は、融
点低下効果がさらに大きく助長されることも判明した。
ただし、Al23 分が10%を越えると、Mn焼結鉱
の反応性が低下する(MnOの活量が低下する)ため好
ましくない。CaO/SiO2 が3以上、Al23
2〜10%に焼成されたMn焼結鉱は、前記したように
低融点であるために転炉内で容易に溶融し、前回精錬時
に若干量残存したスラグ(CaO/SiO2 が3付近に
調整されている)と融合して、生成スラグの滓化を大き
く促進する。さらに、Mn焼結鉱は、それ自身が高Ca
O/SiO2 組成であるので、溶けると同時に高CaO
/SiO2 の溶融スラグを生成し、その反応性、すなわ
ちスラグ中のMnOの活量を高めて、MnOの還元を促
進する。
【0008】通常、スラグの塩基度を確保するために、
吹錬前あるいは吹錬中に生石灰の添加が行われるが、本
発明の高塩基度Mn焼結鉱を使用した場合は、これが全
く不要となる。通常使われているCaO/SiO2 が2
以下の低塩基度Mn焼結鉱を使用した場合も、Mn鉱石
の生鉱石を添加する場合と同様に、スラグの反応性を高
めるために生石灰を添加する必要があり、この生石灰の
スラグへの溶解に時間がかかるため、スラグ中のMnO
の還元は遅れてしまい、吹止時の高Mn歩留りは望めな
い。なお、Mn焼結鉱中のSiO2 分およびAl23
分は、Mn鉱石あるいは鉄Mn鉱石中のガング分として
含まれてくるものであり、これを活用し、不足分は焼結
原料として添加すればよい。
【0009】次に、スラグへのコークス粉吹き込みによ
るMnO含有スラグの強制還元の方法については、コー
クス吹き込みの時期を、高い浴温が確保できてスラグの
滓化状態が最も良好になる吹錬末期を選択するのが、M
nOの還元反応を促進する上で好ましい。特に、脱炭最
盛期を過ぎてスラグの酸素ポテンシャルが上昇し始める
時期にコークスを吹き始めるのが最も効果的である。す
なわち、その時期は、溶鋼の[C]濃度が0.50%以
下になった時点以降に吹き始め、吹錬終了直後に吹き込
みを終了するのが望ましい。
【0010】また、コークス粉のサイズは、表面積を増
大する観点からは小さいほど有利であるが、排ガスと共
に吸引されるロス分を考慮し、また、粉砕コストが高く
なること等から、5mm以下であれば適当である。な
お、本発明の効果は、上吹き転炉、上底吹き転炉、ある
いは底吹き転炉のいずれに適用しても得られるが、スラ
グ−メタル反応促進に有利な強攪拌条件が確保できる上
底吹き転炉あるいは底吹き転炉において、より大きな効
果が得られる。
【0011】図1は、溶銑予備処理にて脱燐処理した溶
銑を、攪拌効果による脱炭反応効率の良い上底吹き転炉
に装入し、上記した適正組成のMn焼結鉱を添加して精
錬し、[C]濃度が0.5%以下になってコークス粉を
スラグ中に吹き込んだ場合の、コークス原単位(吹き込
み量)と吹止におけるMn歩留りとの関係を示す図であ
る。図から明らかなように、コークス原単位が多い程、
Mn歩留りは大きくなっており、75%以上の高歩留り
を得るためには、コークス原単位は1.5kg/t以上
が必要である。
【0012】しかし、コークス原単位を5.0kg/t
より多くしても、Mn歩留りはほぼ一定になり、コーク
スを無駄に消費することになる上、吹止以降の[C]ピ
ックアップによる[C]のばらつきを生ずる。従って、
コークスの原単位は、1.5〜5.0kg/tの範囲が
適正である。なお、スラグへのコークス吹き込みは、出
鋼孔からノズルを挿入して行っても、炉腹部に設けたノ
ズルから吹き込んでも、あるいはメインランスの配管を
2系統化して酸素ガスとは別のノズルから上吹きしても
よい。図中に、比較としてMn焼結鉱ではなくMn鉱石
の生鉱石をそのまま使用した場合の結果も破線で付記し
ているが、Mn歩留りは低い値にとどまっている。
【0013】図2は、溶銑予備処理にて脱燐処理した溶
銑を上底吹き転炉に装入し、上記した適正組成のMn焼
結鉱を添加して精錬し、[C]濃度が0.5%以下にな
ってコークス粉をスラグ中に吹き込んだ場合の、吹止
[C]濃度と吹止のMn歩留りの関係を示している。図
から判るように、吹止[C]を0.10%以上にすれ
ば、75%以上の高いMn歩留りが得られる。逆に、吹
止[C]が0.10%より低くなれば、Mn歩留りはそ
の程度に対応して低下してしまう。これは、溶鋼および
スラグの酸素ポテンシャルが大きくなりすぎて、平衡
[Mn]が大幅に低くなり、[Mn]の再酸化反応が進
むためである。従って、スラグの酸素ポテンシャルが急
激に増大する前、すなわち、[C]濃度0.1%以上の
領域で吹止る必要がある。図中に、比較として適正組成
に焼成したMn焼結鉱は使用したが、吹錬末期のコーク
ス吹き込みを行わなかった場合の結果も破線で付記して
いるが、Mn歩留りは低い値にとどまっている。
【0014】
【実施例】
1.溶銑成分(溶銑予備処理にて脱燐処理した溶銑) 表1および表2に示す。 2.溶銑量 350t 3.上底吹き転炉吹錬方法 上吹き送酸速度:75,000(Nm3 /hr) 底吹き送酸速度:0.2(Nm3 /min・t) 底吹きガス種 :O2 ガスとCO2 ガスの混合ガス 4.吹き込み粉コークスサイズ:≦5.0mm 5.Mn焼結鉱投入時期 吹錬初期に全量投入 6.操業条件および結果 表1および表2に同様にまとめて示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、転炉でのレススラグに
よる脱炭吹錬(脱燐溶銑の吹錬)時に、適正な組成に調
整したMn焼結鉱を添加し、かつ吹錬末期にコークス粉
をスラグに吹き込んで[Mn]の再酸化が起こる前に吹
き止めることにより、高いMn歩留りが得られるので、
Fe−Mn系合金の大幅削減によるメリットが享受でき
る上、転炉における生石灰原単位の削減にもつながり、
本発明がこの種の産業分野にもたらす効果は極めて大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】コークス原単位と吹止におけるMn歩留りとの
関係を示す図
【図2】吹止[C]と吹止におけるMn歩留りとの関係
を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−17810(JP,A) 特開 昭60−9813(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21C 5/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶銑予備処理にて脱燐処理し排滓した溶
    銑を、転炉に装入し、当該精錬初期にMn焼結鉱を添加
    する脱炭精錬方法において、前記Mn焼結鉱のCaO/
    SiO2 を3以上、Al23 濃度を2〜10%とする
    と共に、[C]濃度が0.5%以下になった当該精錬末
    期に、粒径5mm以下のコークス粉を炉内で生成したス
    ラグ内に1.5〜5.0kg/t吹き込み、[C]≧
    0.10%で吹止ることを特徴とする転炉における高吹
    止Mn操業方法。
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