JP4768438B2 - コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、薄型テレビやリアプロジェクション等の電気又は電子機器に使用されるフレキシブルプリント基板(以下「FPC」という)を使用したコネクタに関するもので、特に狭ピッチ化を維持しつつ、接続対象物の厚さによって接続安定性の向上を図ったコネクタの構造に関するものである。
携帯電話やCCDカメラ等に使用されるコネクタは、狭ピッチで極薄(所謂軽薄短小)であり、1つのタイプは主にハウジングとコンタクトとを備え、ハウジングにFPCを挿入し、コンタクトの接触部に接触させる構造のもの(所謂、ノンZIFタイプ)やまた違うタイプとしては主にハウジングとコンタクトとスライダーとを備え、ハウジングとスライダーとでFPCを挟持する構造のもの(所謂、ZIFタイプとピアノタッチタイプ)がある。ハウジングとスライダーとでFPCを保持する方法には、色々考えられるが、中でもハウジングにFPCを挿入した後にスライダーを挿入しFPCをコンタクトに押しつける構造のものが多い。また、客先の仕様や狭ピッチを図るためには、前記コンタクトの接続部を前記ハウジングの嵌合口側に配置しなければならないこともある。
ハウジングには、コンタクトが挿入される所要数の挿入孔が設けられるとともにFPCが挿入される嵌合口が設けられている。
コンタクトは主にFPCと接触する接触部と基板等に接続する接続部とハウジングに固定される固定部とを備えている。このコンタクトは、圧入等によってハウジングに固定されている。
下記にZIFタイプの所謂バックロックタイプとしての特許文献1(特開2003−297489)と特許文献2(特開平11−307198号)と本出願人が既に提案した特許文献3(特開2004−71160)を例示する。また、FFCをロックする構造として、特許文献4(実開平6−82783号)及び本出願人が既に提案した特許文献5(特願2003−422258)、特許文献6(特願2004−307793)、特許文献7(特願2005−178666)を例示する。
特開2003−297489の要約によると、アクチュエータを小さい操作力で操作でき、また、アクチュエータによるコンタクトの移動量を大きくして接続を確実に行うことができ、更に、低背のコネクタを提供することを目的とし、アクチュエータは、カム部と操作部を有し、前記両部の間に各コンタクトのばね部の先端付近が挿入脱出可能な逃げ溝を形成され、アクチュエータを支点を中心として90°右回転すると、カム部は各コンタクトのばね部と連結ばね部を弾性変形させ、すると、接触部の突起と接触部の突起との間で、FPCは挟圧され、したがって、FPCのパターンは、各コンタクトの端子部を介してプリント基板に接続され、インシュレータの天井部は、各コンタクトの接触部を被覆し、天井部の前面側の下部には、FPCをコネクタに挿入するためのガイド部が形成された構造のコネクタが開示されている。 特開平11−307198号の要約によると、複数の端子を接続し、FPC等を保持するプリント配線板用コネクターの操作性、保持性能を向上することを目的とし、ハウジングに、FPC等が差し込まれる挿入溝を設け、複数のコンタクトを、接触部を挿入溝に対して突出後退自在に、並列して設け、操作部材を、接続位置と解除位置とに回動自在に設け、操作部材に、複数のカムを設け、操作部材が接続位置のとき、コンタクトが、カムに被操作部を押圧されて接触部を挿入溝に突出させ、FPC等の端子に圧接して、端子を接続すると共にFPC等を保持し、操作部材が解除位置のとき、一部のコンタクトが、カムに被操作部を押圧されて接触部を挿入溝に対して僅かに突出させ、FPC等に当接して、FPC等を仮保持し、残りのコンタクトは、接触部を挿入溝に対して後退させる構造のプリント配線板用コネクターが開示されている。 特開2004−71160の要約によると、各部位の強度や仕様等を損なうことなく、スライダーでFPC又はFFCを確実にコンタクトの接触部に押圧することができ、作業性がよく、ピッチの狭小化や低背位化が可能なコネクタを提供することを目的とし、コンタクトの接触部と接続部との間に弾性部と支点部とを設けるとともに接触部と弾性部と支点部と接続部とを略クランク形状に配置し、かつ、接続部と対向する位置に弾性部から延設された押受部を設け、スライダーに長手方向に連設した押圧部を設け、押圧部がコンタクトの接続部と押受部との間で回動自在にスライダーをハウジングに装着する構造のコネクタが開示されている。 実開平6−82783号の要約によると、フレキシブルケーブルの裏面にリジットな補強板が取り付けられているフラットケーブルでも容易にスライダーの爪に係止させられることを目的とし、コンタクトピンを内装し、フラットケーブルを差し込む嵌合空間を形成したハウジングの嵌合空間内に、スライダーを挿抜自在に且つ抜き出し時に外側に回動可能に取り付け、前記嵌合空間にフラットケーブルを差し込んでからスライダーを嵌合空間に押し込むと、フラットケーブルがコンタクトピンに電気的に接続されるにおいて、前記スライダーのフラットケーブル当接面に、フレキシブルケーブルの裏面に補強板があてがわれたフラットケーブルのフレキシブルケーブル及び補強板に形成された係止部に挿入係止される係止突子を突設した構造のものが開示されている。 FPCをロックする構造として、本出願人が提案した特願2003−422258に、少芯数のコネクタでも、要求されたFPCの保持力を確保することができ、接続不良にも繋がらないコネクタを提供することを目的に、FPCと着脱自在に嵌合するコネクタであって、FPCと接触する接触部を有する所要数のコンタクトと、このコンタクトが保持・固定されるとともにFPCが挿入される嵌合口を有するハウジングとを備えるコネクタにおいて、FPCに係止部を設け、係止部と係合する係合部を有するロック部材をハウジングに装着し、ロック部材の係合部をFPCの係止部に係合させることによりFPCがハウジングから抜けないようにすることにより達成でき、更に前記係合部に対応した位置に溝部を設けることでより確実なロックができる構造のコネクタが開示されている。 防塵性を高めるために、本出願人が提案した特願2004−307793の要約には、FPCの挿入力が掛からないで、防塵性を高めるコネクタを提供することを目的とし、所要数のコンタクトとハウジングと回動部材とを備えるコネクタにおいて、コンタクトは少なくと接触部と接続部と支点部と連結部と押受部とを備え、略倒H形状に配置し、接続部と押受部との間で回動部材の押圧部を回動させると接触部が接続対象物に接続するような構造にし、ハウジングにはコンタクトの接触部を被覆する天井部と押受部を覆う上壁部とを備え、回動部材には操作部と押圧部と押受部と係止孔とカバー部とを備え、回動部材が回動した後、回動部材のカバー部でコンタクトテール側を覆うようにする構造のものが開示されている。 防塵性を高めるために、本出願人が提案した特願2005−178666の要約には、FPCの挿入力が掛からないで、防塵性を高めるコネクタを提供することを目的とし、所要数のコンタクトとハウジングと回動部材とを備えるコネクタにおいて、コンタクトは少なくと接触部と接続部と支点部と連結部と押受部とを備え、略倒H形状に配置し、接続部と押受部との間で回動部材の押圧部を回動させると接触部が接続対象物に接続するような構造にし、ハウジングにはコンタクトの接触部を被覆する天井部と押受部を覆う上壁部とを備え、回動部材には操作部と押圧部と押受部と係止孔とカバー部とを備え、回動部材が回動した後、上壁部の先端と操作部との間及び上壁部と回動部材の操作部と反対側の先端との間を、回動時に回動部材がハウジングの上壁部に触れない範囲で狭くする構造のものが開示されている。
近年、電気・電子機器の小型化が進むにつれ、コネクタの小型化の要求も強くなってきており、コネクタはより一層軽薄短小化が進んできている。
ピッチの狭小化も進む中、ピッチが0.3mm以下の場合、コネクタの狭ピッチ化を図る上で、2種類のコンタクトを用いて、2種類のコンタクトを千鳥(交互)に配置することが多い。一方のコンタクトは基板接続部方向より挿入され、もう一方のコンタクトはFPC挿入側から挿入され、それぞれハウジング等の絶縁体に保持されている。そのため、FPCを挿入(嵌合)させた際に、一方コンタクトの接触部に対向する位置にはハウジング等の絶縁体があるが、もう一方コンタクトの接触部に対向する位置にはハウジング等の絶縁体がないので、前記FPCの厚さによってもう一方コンタクトの接触圧が低下し、接続不良に繋がることがあった。特に、FPCが0.15mm以下ではその傾向が高くなる。つまり、構造上、前記もう一方のコンタクトの挿入溝と嵌合口は繋がった状態になり、前記FPCの厚さが薄いと、前記もう一方のコンタクトの接触部が前記FPCに押圧された時に、前記FPCが前記挿入溝内に逃げてしまい接触圧の低下に繋がってしまう。
また、前記接続対象物(例えば、FPC)の厚さは客先仕様によっても変わる可能が多い(例えば、0.1〜0.15mmの変化が考えられる)が、前記FPCの厚さに対応するためには別のコネクタを準備するか、別のコンタクト(ギャップ寸法等を変更したもの)を準備し、ハウジング等の絶縁体に挿入しなければならなかった。1つのコネクタやコンタクトで前記FPCの厚さの違いに対応しようとするとFPCの厚さが薄い場合接触圧が低下し、接続不良に繋がってしまうことになり、また、FPCの厚さに対応する別のコネクタやコンタクトを準備すると別の金型が必要になり、管理工数も増え、コストアップに繋がってしまうと言った課題も発生した。
さらに、軽薄短小化が進む中、アクチュエータやスライダー等の回動部材の稼動するスペースを確保するため、コンタクト上面(特にテール側)を露出することが公の事実となっている。しかしながら、コネクタの使用用途によってはコネクタの小型化(低背化)の要求がされることがなく、コンタクトが露出していると、防塵性が悪く、場合によっては接続不良の原因に繋がることも考えられる。また、FPCをコネクタに挿入する際には挿入力の掛からない構造のものが要求され、FPCが完全に嵌合されているかどうかを目視で判別することも要求されている。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、FPCの厚さにも対応でき、かつ、コストアップにも繋がらなく、安定した接続を得ることができるコネクタ10を提供せんとするものである。
上記目的は、接続対象物と着脱自在に嵌合するコネクタ10であって、該接続対象物と接触する接触部26を上側のみに有する所要数のコンタクト14、16と、このコンタクト14、16が保持・固定されるとともに前記接続対象物が挿入される嵌合口20を有するハウジング12と、前記コンタクト14、16を押圧する回動部材18とを備えるコネクタ10において、2種類のコンタクト14、16を嵌合口20の反対方向から前記ハウジング12に挿入し、一方の前記コンタクト14は、一端側に前記接続対象物と接触する接触部26と他端側に前記回動部材18により押圧される押受部32とを有する第一片22と、一端側に前記ハウジング12に挿入される固定部38を有する延設部36と他端側に基板と接続する接続部40とを有する第ニ片24と、前記第一片22と前記第二片24とを連結する連結支点部30とを備え、前記接触部26と前記連結支点部30と前記接続部40とを略クランク形状に配置し、もう一方のコンタクト16は、一端側に前記接続対象物と接触する接触部26と他端側に前記回動部材181により押圧される押受部32とを有する第一片22と、一端側に基板と接続する接続部40及び前記ハウジング12に挿入される固定部38を有する延設部36と他端側に前記回動部材18の押圧部54を狭持する突出台44と有する第ニ片24と、前記第一22片と前記第二片24とを連結する連結支点部30とを備え、前記接続部40と前記固定部38は略二股状に配置されるとともに前記接触部26と前記連結支点部30と前記接続部40とを略倒U字形状に配置し、前記ハウジング12は、一方及びもう一方の前記コンタクト14、16の接触部26を被覆する天井部50を有し、前記嵌合口20内の前記一方及びもう一方のコンタクト14、16の接触部26、26の対向側には、前記ハウジング12である絶縁物が存在し、前記回動部材18は、回動させるための操作部56と長手方向に連設した押圧部54と前記押受部34が挿入できる別個独立の係止孔58とを備え、前記押圧部54が一方の前記コンタクト14の接続部40と押受部34との間及びもう一方の前記コンタクト16の突出台44と押受部32との間で回動するように前記ハウジング12に装着されることにより達成できる。
前記ハウジング12の嵌合口20に連設する挿入部を設け、ギャップ寸法を調整するために前記挿入部にシート部材19を挿入する。
一方の前記コンタクト14及びもう一方の前記コンタクト16のピッチが0.2〜0.5mmである。
また、前記回動部材18に略L字形状をした突出壁76を設け、前記接続対象物が挿入され、前記回動部材18が回動した際に一方の前記突出壁76で一方の前記コンタクト14の接続部40及びもう一方の前記コンタクト16の突出台44と覆うようにしている。
一方の前記コンタクト14及びもう一方の前記コンタクト16の両方若しくはどちらかに、前記押受部32の先端の内側に突出した突出部42を設け、前記回動部材18が回動した際に前記突出部42が前記回動部材18の係止孔58と係合する。
前記FPC64の厚さによって、板状片の前記シート部材19の厚さを0.1〜1mmの範囲で変える。0.1〜1mmの範囲で変化させることは単なる設計事項ではない。
また、前記回動部材181を断面略U字形状にするとともに前記上壁部52の先端と前記操作部56との間を0.5〜0.7mmにし、前記上壁部52と前記回動部材181の前記操作部56と反対側の先端との間を0.3〜0.5mmにすることで、回動時に前記回動部材181が前記ハウジング121の上壁部52に触れることなく、防塵性を高める。前記上壁部52の先端と前記操作部56との間が0.5mm以下では回動部材181を回動する際に回動部材181がハウジング121に接触してしまい、前記上壁部52の先端と前記操作部56との間が0.7mm以上では防塵性を高めることができない。前記上壁部52と前記回動部材181の前記操作部56と反対側の先端との間が0.3mm以下では回動部材181を回動する際に回動部材181がハウジング121に接触してしまい、前記上壁部52と前記回動部材181の前記操作部56と反対側の先端との間が0.5mm以上では防塵性を高めることができない。
以上の説明から明らかなように、本発明のコネクタ10、101によると、次のような優れた顕著な効果が得られる。
(1)接続対象物と着脱自在に嵌合するコネクタ10であって、該接続対象物と接触する接触部26を上側のみに有する所要数のコンタクト14、16と、このコンタクト14、16が保持・固定されるとともに前記接続対象物が挿入される嵌合口20を有するハウジング12と、前記コンタクト14、16を押圧する回動部材18とを備えるコネクタ10において、2種類のコンタクト14、16を嵌合口20の反対方向から前記ハウジング12に挿入し、一方の前記コンタクト14は、一端側に前記接続対象物と接触する接触部26と他端側に前記回動部材18により押圧される押受部32とを有する第一片22と、一端側に前記ハウジング12に挿入される固定部38を有する延設部36と他端側に基板と接続する接続部40とを有する第ニ片24と、前記第一片22と前記第二片24とを連結する連結支点部30とを備え、前記接触部26と前記連結支点部30と前記接続部40とを略クランク形状に配置し、もう一方のコンタクト16は、一端側に前記接続対象物と接触する接触部26と他端側に前記回動部材181により押圧される押受部32とを有する第一片22と、一端側に基板と接続する接続部40及び前記ハウジング12に挿入される固定部38を有する延設部36と他端側に前記回動部材18の押圧部54を狭持する突出台44と有する第ニ片24と、前記第一22片と前記第二片24とを連結する連結支点部30とを備え、前記接続部40と前記固定部38は略二股状に配置されるとともに前記接触部26と前記連結支点部30と前記接続部40とを略倒U字形状に配置し、前記ハウジング12は、一方及びもう一方の前記コンタクト14、16の接触部26を被覆する天井部50を有し、前記嵌合口内の前記一方及びもう一方のコンタクトの接触部の対向側には、前記ハウジングである絶縁物が存在し、前記回動部材18は、回動させるための操作部56と長手方向に連設した押圧部54と前記押受部34が挿入できる別個独立の係止孔58とを備え、前記押圧部54が一方の前記コンタクト14の接続部40と押受部34との間及びもう一方の前記コンタクト16の突出台44と押受部32との間で回動するように前記ハウジング12に装着しているので、狭ピッチ化が可能で、かつ、接続対象物の挿入力が掛かることがなく、かつ、コストアップにも繋がらなく、安定した接続を得ることができる。
(2)前記ハウジング121の嵌合口20に連設する挿入部を設け、ギャップ寸法を調整するために前記挿入部にシート部材19を挿入しているので、狭ピッチ化が可能で、かつ、接続対象物の挿入力が掛かることがなく、FPC64の厚さが変化した場合にも容易に対応することが可能で、コストアップにも繋がらなく、安定した接続を得ることができる。
(3)一方の前記コンタクト14及びもう一方の前記コンタクト16のピッチが0.2〜0.5mmであるので、嵌合口20の反対側より一方及びもう一方のコンタクト14、16を挿入しても接続不良を起こすことなく、0.3mm以下の狭ピッチ化が可能である。
(4)前記回動部材18に略L字形状をした突出壁76を設け、前記接続対象物が挿入され、前記回動部材18が回動した際に一方の前記突出壁76で一方の前記コンタクト14の接続部40及びもう一方の前記コンタクト16の突出台44と覆うようにしているので、前記回動部材18が回動した後には一方の前記コンタクト14の接続部40及びもう一方の前記コンタクト16の突出台44が破損することがない。
(5)一方の前記コンタクト14及びもう一方の前記コンタクト16の両方若しくはどちらかに、前記押受部32の先端の内側に突出した突出部42を設け、前記回動部材18が回動した際に前記突出部42が前記回動部材18の係止孔58と係合しているので、一方の前記コンタクト14及びもう一方の前記コンタクト16が外れることがなく、安定した接続を得ることができる。
)前記FPC64の厚さによって、板状片の前記シート部材19の厚さを0.1〜1mmの範囲で変えているので、容易にFPC64の厚さ変化にも対応することができ、コストアップにも繋がらなく、FPCが変形することなく、安定した接続を得ることができる。
)前記回動部材181を断面略U字形状にするとともに前記上壁部52の先端と前記操作部56との間を0.5〜0.7mmにし、前記上壁部52と前記回動部材181の前記操作部56と反対側の先端との間を0.3〜0.5mmにすることで、回動時に前記回動部材181が前記ハウジング121の上壁部52に触れることないので、かつ、隙間が殆どないため特許文献6より2〜3倍以上に防塵性を高めることができる。
図1から図8に基づいて、本発明の一実施例について説明する。図1(A)はFPC挿入側よりみた回動部材が開いた状態のコネクタの斜視図であり、(B)は回動部材が閉じた状態のコネクタの斜視図である。図2は回動部材の斜視図であり、図3はハウジングの斜視図である。図4(A)は一方のコンタクトの斜視図であり、(B)はもう一方のコンタクトの斜視図である。図5(A)は回動部材が開いた状態の一方のコンタクト部分の断面図であり、(B)は回動部材が開いた状態のもう一方のコンタクト部分の断面図である。図6(A)は回動部材が閉じた状態の一方のコンタクト部分の断面図であり、(B)は回動部材が閉じた状態のもう一方のコンタクト部分の断面図である。図7(A)は挿入される前のFPCとコネクタの斜視図であり、(B)はFPCが挿入された状態のコネクタの斜視図である。図8は回動部材の押圧部の移動及び回動の仕方を説明する説明図である。
一実施例の本発明のコネクタは、主にハウジング12と回動部材18とコンタクト14、16とを備えている。該コネクタ10は、2種類のコンタクト14、16を嵌合口20の反対方向から前記ハウジング12に挿入し、それぞれのコンタクト14、16の接続部40、40は千鳥に配列され、同一挿入方向でもピッチの狭小化を図っている。
まず、図4に基づいて、2種類のコンタクト14、16について説明する。この2種類のコンタクト14、16は金属製であり、公知技術のプレス加工によって製作されている。前記コンタクト14、16の材質としては、バネ性や導電性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。
最初に、図4(A)の一方のコンタクト14について説明する。一方の前記コンタクト14は図4(A)のように倒略H形状をし、少なくとも前記FPC64と接触する接触部26(図4(A)の図面の上側)と基板等に接続する接続部40と前記ハウジング12に固定する固定部38と連結支点部30と回動部材181によって押圧される押受部32とを備えている。前記接触部26と前記押受部32とは略クランク状の板状片の第一片22の両端に設けられ、前記押受部32の先端には内側に突出した突出部42が設けられている。一端側に前記ハウジング12に挿入される固定部38を有する延設部36と他端側に基板と接続する接続部40とを有する第ニ片24を備え、前記第一片22と前記第二片24はほぼ中間付近で連結支点部30によって連結されている。前記接触部26と前記連結支点部30と前記接続部40とは略クランク形状に配置されており、前記接続部40には前記押受部32側に突出するような突出台44が設けられ、前記押受部32と前記突出台44との間で前記回動部材181の押圧部54が回動するようなっている。本実施例では前記コンタクト14の連結支点部30付近に、前記嵌合口20と反対方向に傾斜する傾斜部28が設けられている。該傾斜部28を設けることで、低背化を図っている。また、前記突出台44は前記回動部材181の押圧部54が回動する際に安定した回動をするために、押受部32と接続部40との間の間隔を調整するためのものであり、突出量はこのようなことを考慮して適宜設計する。
前記接続部40の配置位置としては、基板のランド位置や基板のパターン位置や狭スペース等を考慮して適宜設計する。一方の前記コンタクト14では、前記接続部40を前記押受部32に対向する側に設けている。前記接触部26は、FPC64と接触し易いように凸部形状にしており、前記接続部40は本実施例では図4(A)のように表面実装タイプ(SMT)にしているが、ディップタイプでも良い。本実施例では、一方の前記コンタクト141では、前記連結支点部30から前記接触部26に対向するように延設部36を設け、該延設部36上に前記ハウジング121に固定するための固定部38を設けている。前記固定部38の大きさや形状は、保持力や前記ハウジング121の強度等を考慮して適宜設計する。
前記連結支点部30と前記押受部32とは、前記FPC64が挿入された際に、次のような作用を果たすための部分である。前記FPC64が前記ハウジング12の嵌合口20内に挿入された後に、前記回動部材18の押圧部54が前記コンタクト14の接続部40の突出台44と押受部32との間で回動すると、前記押受部32が押圧部54によって押し上げられることで前記コンタクト14の連結支点部30の下端(図4(A)の下側)を支点にし、前記コンタクト14の連結支点部30の上端が前記接触部26側に傾くことによって、前記接触部26が前記FPC64側に押圧される。前記連結支点部30と前記押受部32の大きさや形状は、このような作用を果たすために、適宜設計されている。また、前記コンタクト14の押受部32の先端に突出部42を設け、回動部材181の押圧部54をコンタクト14の押受部32と接続部40の突出台44との間で回動させるとき、前記回動部材18の係止孔58に係合させることで、回動部材18の回動に対する強い反発力に対抗することが望ましい。前記突出部42の大きさは、このような役割を果たすことが出来れば如何なる大きさでもよく、回動部材181の係止孔が引っ掛かる程度に適宜設計する。
次に、もう一方のコンタクト16について説明する。ここでは、上述した一方のコンタクト14との相違部分についてのみ説明する。もう一方の前記コンタクト16も図4(B)のように一方の前記コンタクト14と同様に倒略H字形状をしており、主にFPC64と接触する接触部26(図4(B)の図面の上側)と基板に接続する接続部40とハウジング12に固定する固定部38と連結支点部30と前記回動部材181のよって押圧される押受部32とを備えている。これらの前記接触部26と前記連結支点部30と前記接続部40は、略倒U字形状に配置されている。前記接続部40は、一方のコンタクトと同様に表面実装タイプ(SMT)にしているが、ディップタイプでも良い。
一方の前記コンタクト14ともう一方の前記コンタクト16の相違点は、幾分形状的な違いはあるものの第二片24の一端側を基板と接続する接続部40及び前記ハウジング12に挿入される固定部38とを略二股状に配置しことである。それぞれのコンタクト14、16を前記ハウジング12に同一方向(嵌合口20の反対側)から挿入し、前記ハウジングに保持されている。即ち、一方の前記コンタクト14では、前記接続部40を前記押受部32と対向する側に、前記延設部36を前記接触部26と対向する側に設けているのに対し、もう一方の前記コンタクト16では、前記接続部40を前記接触部26と対向する側に前記ハウジング12に挿入される固定部38を有する延設部36から略二股状に配置される。
ここで、前記回動部材181の押圧部54の移動及び回動の仕方について図8に基づいて説明する。
第一に、図8(A)のように前記接続対象物と前記コネクタ101との接続前の状態で、前記押圧部54の下端70側が前記押受部32の突出部42と接続部40の突出台44との間に位置する。
第二に、図8(B)のように前記操作部56を回動(図面の時計回り方向)させると前記押圧部54が嵌合口20と反対方向に移動し、前記押圧部54の下端70側が前記押受部32の突出部42と接続部40の突出台44との間に挟持される。
第三に、図8(C)のように前記操作部56をさらに回動させると第ニの位置で前記押圧部54が押圧部54の中心を回転軸72として回動する。
第四に、図8(D)のように前記操作部56をさらに回動させると第三の位置で前記押圧部54が押圧部54の中心を回転軸72として回動し、前記押圧部54が前記押受部32と前記接続部40の突出台44との間でほぼ垂直になり回転軸72が前記突出部42に接した上端68側に移動する。
第五に、図8(E)のように前記操作部56をさらに回動させると第四の位置で前記押圧部54が前記突出部42に接した上端68側を中心に回動し、前記押圧部54を前記突出部42に引っ掛かった状態に係合させる。
即ち、前記押圧部54は最初は移動し、その後回動し、さらに回動を続けると回転軸72が変化して、省スペース間でコンパクトな回動(回転)を行なうものである。
つまり、本発明のコネクタ101では、前記FPC64等の接続対象物を嵌合口20内に挿入する際に挿入力の掛からない(所謂、ゼロ・インサーション・フォース(ZIF))構造で、前記回動部材181の押圧部54をより前記コンタクト141、161の突出部42側で回動させる(より突出部42側で前記コンタクト141、161の押受部32を押し上げる)ことで小さな力で前記回動部材181をロックできる構造で、かつ、前記回動部材181の押圧部54でより前記コンタクト141,161の突出部42側の押受部32を押し上げることで高い接触力を得られる構造になっている。
次に、回動部材18について説明する。この回動部材18は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。
該回動部材18は主にハウジング12に回動可能に装着される軸部分と前記コンタクト14、16の押受部32を押圧する押圧部54と前記コンタクト14、16の突出部42が係合する係止孔58と操作部56を備えている。本実施例では、前記回動部材18を断面略十字形状にしている。前記軸は、回動部材18を回動するための支点であり、ハウジング12の長手方向両側に回動部材18が回動可能に適宜装着され、上述したように前記押圧部54が回動する際に回転軸72が変化するように前記軸と前記ハウジング12の軸受け部との関係ではクリアランスを設けている。また、長手方向両側には、前記コンタクト14、16の押受部32を押圧した際に回動部材18が高さ(図面の上)方向に持ち上がらないようにするためにハウジング12と係合するロック部が設けられている。ロック部の形状や大きさ等は、ハウジング12に係合できれば如何なるものでもよく、上述の役割やコネクタ10の大きさや強度等を考慮して適宜設計する。
前記回動部材18の前記押圧部54は、コンタクト14、16の押受部32に押し付ける部分であり、その形状としては細長形状にすることが望ましく、本実施例では楕円形状をしている。このように楕円形状にすることによって、図5(A)及び図6(A)のように回動部材18を回動させ、コンタクト14、16の押受部32と接続部40の突出台44との間で回転させることで、押圧部54の大きさの変化によりコンタクト14、16の押受部32が持ち上げられ、FPC64をコンタクト14、16の接触部26側に押し付けている。押圧部54の形状としては、コンタクト14、16の押受部32と接続部40の突出台44との間で回転でき、長軸と短軸といった大きさの違いによりコンタクト14、16の押受部32を押し上げられれば、如何なるものでもよい。前記押圧部54の形状や大きさは、このようなことを考慮して適宜設計する。
また、前記回動部材18を回動した際に、回動部材18の回動に対する反発力が強い為に、前記コンタクト14、16の突出部42が係合する係止孔58が別個独立に設けられている。前記係止孔58を別個独立に設けることで、回動部材18の強度アップや回動時の変形を防止している。
上述した前記回動部材18は前記ハウジング12の嵌合口20と反対側(一方のコンタクト14の接続部側)に回動自在に装着されている。
また、前記回動部材18に略L字形状をした突出壁76を設け、前記接続対象物が挿入され、前記回動部材18が回動した際に一方の前記突出壁76で一方の前記コンタクト14の接続部40及びもう一方の前記コンタクト16の突出台44と覆うようにしている。
次に、ハウジング12について説明する。このハウジング12は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。
前記ハウジング12には、所要数のコンタクト14、16が装着される挿入溝48が設けられており、圧入や引っ掛け(ランス)や溶着等によって固定されている。また、前記ハウジング12には前記FPC64が挿入される嵌合口20が設けられ、前記嵌合口20の大きさは前記FPC64が挿入でき、前記FPC64が挿入された際に前記回動部材18で前記コンタクト14、16に押圧できるように適宜設計されている。前記ハウジング12の長手方向両側には、前記回動部材18の軸が回動可能に装着される軸受部が設けられている。前記軸と前記軸受けとの関係は、上述したような前記回動部材18の押圧部54のコンパクトな回転が可能なようにクリアランスが設けられている。この軸受部の形状や大きさは、回動部材18の軸が回動でき、前記押圧部54のコンパクトな回転が可能なように装着されていれば如何なるものでもよく、この役割やハウジング12の強度や大きさ等を考慮して適宜設計する。
前記ハウジング12には、前記コンタクト14、16の接触部26、26を被覆する天井部50が設けられている。前記天井部50は2種類の前記コンタクト14、16の接触部を保護するためのものであり、その大きさや形状はこの役割や前記ハウジング12の強度や前記回動部材18の回動性や強度等を考慮して適宜設計する。低背化を考慮して、前記ハウジング12の肉厚は出来るかぎり薄くしている。
図9から図16に基づいて、本発明の別の一実施例について説明する。図9(A)はFPC挿入側よりみた回動部材が開いた状態のコネクタの斜視図であり、(B)は回動部材が閉じた状態のコネクタの斜視図である。図10は回動部材の斜視図であり、図11はハウジングの斜視図である。図12(A)は一方のコンタクトの斜視図であり、(B)はもう一方のコンタクトの斜視図である。図13(A)は回動部材が開いた状態の一方のコンタクト部分の断面図であり、(B)は回動部材が開いた状態のもう一方のコンタクト部分の断面図である。図14(A)は回動部材が閉じた状態の一方のコンタクト部分の断面図であり、(B)は回動部材が閉じた状態のもう一方のコンタクト部分の断面図である。図15(A)は挿入される前のFPCとコネクタの斜視図であり、(B)はFPCが挿入された状態のコネクタの斜視図である。図16(A)はシート部材の斜視図であり、(B)は別のシート部材の斜視図である。図17はシート部材に係合部若しくは係止部を設け、ハウジング若しくはコンタクトに係合部若しくは係止部に対応する位置に係止部若しくは係合部を設けた場合を説明する図面である。図17(A)は回動部材が開いた状態でシート部材とコンタクトが係合した状態の断面図であり、(B)は動部材が閉じた状態でシート部材とコンタクトが係合した状態の断面図であり、(C)はもう一方のコンタクトの斜視図であり、(D)は別のシート部材の斜視図である。
別の一実施例の本発明のコネクタも、主にハウジング121と回動部材181とコンタクト141、161とを備えている。該コネクタ101は、2種類のコンタクト141、161をハウジング121への挿入方向を変えて千鳥に配列しており、挿入方向を変えて千鳥に配列することによってピッチの狭小化と低背位化に対応させたものである。
まず、図12に基づいて、2種類のコンタクト141、161について説明する。この2種類のコンタクト141、161は金属製であり、公知技術のプレス加工によって製作されている。前記コンタクト141、161の材質としては、バネ性や導電性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。
最初に、図12(A)の一方のコンタクト141について説明する。一方の前記コンタクト141は図12(A)のように倒略H形状をし、少なくとも前記FPC64と接触する接触部26(図12(A)の図面の上側)と基板等に接続する接続部40と前記ハウジング121に固定する固定部38と連結支点部30と回動部材181によって押圧される押受部32とを備えている。前記接触部26と前記押受部32とは略クランク状の板状片の第一片22の両端に設けられ、前記押受部32の先端には内側に突出した突出部42が設けられている。一端側に前記ハウジング121に挿入される固定部38を有する延設部36と他端側に基板と接続する接続部40とを有する第ニ片24を備え、前記第一片22と前記第二片24はほぼ中間付近で連結支点部30によって連結されている。前記接触部26と前記連結支点部30と前記接続部40とは略クランク形状に配置されており、前記接続部40には前記押受部32側に突出するような突出台44が設けられ、前記押受部32と前記突出台44との間で前記回動部材181の押圧部54が回動するようなっている。本実施例では前記コンタクト141の連結支点部30付近に、前記嵌合口20と反対方向に傾斜する傾斜部28が設けられている。該傾斜部28を設けることで、低背化を図っている。また、前記突出台44は前記回動部材181の押圧部54が回動する際に安定した回動をするために、押受部32と接続部40との間の間隔を調整するためのものであり、突出量はこのようなことを考慮して適宜設計する。
前記接続部40の配置位置としては、基板のランド位置や基板のパターン位置や狭スペース等を考慮して適宜設計する。即ち、前記接続部40は要求仕様に応じて、前記接触部26に対向する側や前記押受部32に対向する側に設けられることになり、また、ランドの位置によっては千鳥に設けることもある。一方の前記コンタクト141では、前記接続部40を前記押受部32に対向する側に設けている。前記接触部26は、FPC64と接触し易いように凸部形状にしており、前記接続部40は本実施例では図12(A)のように表面実装タイプ(SMT)にしているが、ディップタイプでも良い。前記FPC64の仕様によっては、前記接触部26と対向する側にも接触部26を設ける場合もある。即ち、2つの接触部26、26を設けて、前記FPC64を挟持するようにしてもよい。本実施例では、一方の前記コンタクト141では、前記連結支点部30から前記接触部26に対向するように延設部36を設け、該延設部36上に前記ハウジング121に固定するための固定部38を設けている。前記固定部38の大きさや形状は、保持力や前記ハウジング121の強度等を考慮して適宜設計する。
前記連結支点部30と前記押受部32とは、前記FPC64が挿入された際に、次のような作用を果たすための部分である。前記FPC64が前記ハウジング121の嵌合口20内に挿入された後に、前記回動部材181の押圧部54が前記コンタクト141の接続部40の突出台44と押受部32との間で回動すると、前記押受部32が押圧部54によって押し上げられることで前記コンタクト141の連結支点部30の下端(図12(A)の下側)を支点にし、前記コンタクト141の連結支点部30の上端が前記接触部26側に傾くことによって、前記接触部26が前記FPC64側に押圧される。前記連結支点部30と前記押受部32の大きさや形状は、このような作用を果たすために、適宜設計されている。また、前記コンタクト141の押受部32の先端に突出部42を設け、回動部材181の押圧部54をコンタクト141の押受部32と接続部40の突出台44との間で回動させるとき、前記回動部材181の係止孔58に係合させることで、回動部材181の回動に対する強い反発力に対抗することが望ましい。前記突出部42の大きさは、このような役割を果たすことが出来れば如何なる大きさでもよく、回動部材181の係止孔が引っ掛かる程度に適宜設計する。
次に、もう一方のコンタクト161について説明する。ここでは、上述した一方のコンタクト141との相違部分についてのみ説明する。もう一方の前記コンタクト161も図12(B)のように一方の前記コンタクト141と同様に倒略H字形状をしており、主にFPC64と接触する接触部26(図12(B)の図面の上側)と基板に接続する接続部40とハウジング121に固定する固定部38と連結支点部30と前記回動部材181のよって押圧される押受部32とを備えている。これらの前記接触部26と前記連結支点部30と前記接続部40は、略倒U字形状に配置されている。前記接続部40は、一方のコンタクトと同様に表面実装タイプ(SMT)にしているが、ディップタイプでも良い。
一方の前記コンタクト141ともう一方の前記コンタクト161の相違点は、幾分形状的な違いはあるものの前記接続部40と前記延設部36とが逆にしただけである。即ち、一方の前記コンタクト141では、前記接続部40を前記押受部32と対向する側に、前記延設部36を前記接触部26と対向する側に設けているのに対し、もう一方の前記コンタクト161では、前記接続部40を前記接触部26と対向する側に、前記延設部36を前記押受部32と対向する側に設けている。もう一方の前記コンタクト161の延設部36に前記ハウジング121に固定するための固定部38を設けている。
また、前記シート部材19の浮き上がりを防止するために、前記コンタクト161には後述する前記シート部材19の所定位置の前記係合部78若しくは前記係止部80に対応する位置に前記係合部78若しくは前記係止部80と係合する係止部80若しくは係合部78を設けることが望ましい。前記係止部80とは、前記シート部材19の係合部に対応する形状に適宜設計する。例えば、前記シート部材19の係合部78が略L字形状であれば、前記コンタクト161の係止部80は略L字形状にすることが考えられる。前記係合部78とは、前記シート部材19の係止部80に対応する形状に適宜設計する。例えば、前記シート部材19の係止部80が略L字形状をした溝部であれば、前記コンタクト161の係合部は略L字形状の突起にすることが考えられる。
ここで、前記回動部材181の押圧部54の移動及び回動の仕方については、先の実施例で説明したので、ここでの説明は省略する。
次に、回動部材181について説明する。この回動部材181は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。
該回動部材181は主にハウジング121に回動可能に装着される軸部分と前記コンタクト141、161の押受部32を押圧する押圧部54と前記コンタクト141、161の突出部42が係合する係止孔58と操作部56を備えている。本実施例では、前記回動部材181を断面略十字形状にしている。前記軸は、回動部材181を回動するための支点であり、ハウジング121の長手方向両側に回動部材181が回動可能に適宜装着され、上述したように前記押圧部54が回動する際に回転軸72が変化するように前記軸と前記ハウジング121の軸受け部との関係ではクリアランスを設けている。
前記回動部材181の前記押圧部54は、コンタクト141、161の押受部32に押し付ける部分であり、その形状としては細長形状にすることが望ましく、本実施例では楕円形状をしている。このように楕円形状にすることによって、図13(A)及び図14(A)のように回動部材181を回動させ、コンタクト141、161の押受部32と接続部40の突出台44との間で回転させることで、押圧部54の大きさの変化によりコンタクト141、161の押受部32が持ち上げられ、FPC64をコンタクト141、161の接触部26側に押し付けている。押圧部54の形状としては、コンタクト141、161の押受部32と接続部40の突出台44との間で回転でき、長軸と短軸といった大きさの違いによりコンタクト141、161の押受部32を押し上げられれば、如何なるものでもよい。前記押圧部54の形状や大きさは、このようなことを考慮して適宜設計する。また、前記回動部材181には、操作性を考慮して、操作部56が設けられている。特徴的なのは、一方の前記コンタクト141の押受部32と突出台44との間で回動することで、一方及びもう一方の前記コンタクト141、161の押受部32を押し上げて、一方及びもう一方の前記コンタクト141、161の接触部26をFPC64に接触させている。
また、前記回動部材181を回動した際に、回動部材181の回動に対する反発力が強い為に、前記コンタクト141、161の突出部42が係合する係止孔58が別個独立に設けられている。前記係止孔58を別個独立に設けることで、回動部材181の強度アップや回動時の変形を防止している。
上述した前記回動部材181は前記ハウジング121の嵌合口20と反対側(一方のコンタクト141の接続部側)に回動自在に装着されている。
次に、ハウジング121について説明する。このハウジング121は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。
前記ハウジング121には、所要数のコンタクト141、161が装着される挿入溝48が設けられており、圧入や引っ掛け(ランス)や溶着等によって固定されている。また、前記ハウジング121には前記FPC64が挿入される嵌合口20が設けられ、前記嵌合口20の大きさは前記FPC64が挿入でき、前記FPC64が挿入された際に前記回動部材181で前記コンタクト141、161に押圧できるように適宜設計されている。前記ハウジング121の長手方向両側には、前記回動部材181の軸が回動可能に装着される軸受部が設けられている。前記軸と前記軸受けとの関係は、上述したような前記回動部材181の押圧部54のコンパクトな回転が可能なようにクリアランスが設けられている。この軸受部の形状や大きさは、回動部材181の軸が回動でき、前記押圧部54のコンパクトな回転が可能なように装着されていれば如何なるものでもよく、この役割やハウジング121の強度や大きさ等を考慮して適宜設計する。
前記ハウジング121には、前記コンタクト141、161の接触部26、26を被覆する天井部50が設けられている。前記天井部50は2種類の前記コンタクト14、16の接触部を保護するためのものであり、その大きさや形状はこの役割や前記ハウジング121の強度や前記回動部材181の回動性や強度等を考慮して適宜設計する。低背化を考慮して、前記ハウジング121の肉厚は出来るかぎり薄くしている。
前記ハウジング121には、嵌合口20に連設する挿入部49を設けられ、該挿入部49は前記シート部材19が入る部分である。前記挿入部49の大きさは前記シート部材19が入れば(挿入)できればよく、FPC64の変形や接続安定性やハウジング121の強度やシート部材19の役割(後述する)、厚さ等を考慮して適宜設計する。前記挿入部49の位置は少なくとももう一方の前記コンタクト161部分の挿入溝48部分であってもよい。本実施例では、前記ハウジング121の嵌合口20の長手方向両側に前記挿入部49を設けており、前記シート部材19を1枚の板状片にし、長手方向両側の前記挿入部49に挿入している。
また、前記シート部材19の浮き上がりを防止するために、前記ハウジング121には後述する前記シート部材19の前記係合部78若しくは前記係止部80に対応する位置に前記係合部78若しくは前記係止部80と係合する係止部80若しくは係合部78を設けることが望ましい。前記係止部80とは、前記シート部材19の係合部に対応する形状に適宜設計する。例えば、前記シート部材19の係合部78が略L字形状であれば、前記ハウジング121の係止部80は略L字形状若しくは溝部にすることが考えられる。前記係合部78とは、前記シート部材19の係止部80に対応する形状に適宜設計する。例えば、前記シート部材19の係止部80が略L字形状をした溝部であれば、前記ハウジング121の係合部は略L字形状の突起にすることが考えられる。
最後に、前記シート部材19について説明する。前記シート部材19は電気絶縁性を有していればよい。即ち、プラスチック材料でも金属の表面に絶縁処理を施したものでもよい。電気絶縁性のプラスチックは、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。また、金属材料のは公知技術のプレス加工によって製作され、この材質としては銅合金(ベリリウム銅やリン青銅等)が考えられ、これらの金属材料の表面に絶縁処理を施している。絶縁処理としてはテープを貼り付けることやめっき加工やフッ素加工などが考えられる。
前記シート部材19は、前記ハウジング121の挿入部49に挿入されることで、前記FPC64の変形を防止したり、前記FPC64の厚さの違いによる前記コンタクト141、161のギャップ寸法を一定に調整し、安定して接続を得るためのものである。
前記シート部材19は、上記役割を考えると、少なくとももう一方の前記コンタクト161部分の前記挿入部49(挿入溝48)にのみ挿入すればよいが、コストや管理工数を考慮して本実施例では図16(A)のように1枚の板状片にしている。1枚の板状片の場合は、前記ハウジング121の挿入部49は嵌合口20の長手方向両側に設けている。
また、前記シート部材19としては、図16(B)のようにもう一方の前記コンタクト161に対応した位置に凸部74を設け、前記挿入溝48に前記凸部74が入るようにした形状であってもよい。前記凸部74が前記挿入溝48に入ることでさらに、FPC64の変形を防止することになる。
さらに、前記シート部材19は、前記FPC64の厚さによって、厚さを0.1〜1mmの範囲で変えている。このように変えることで、前記FPC64の厚さの違いによる前記コンタクト141、161のギャップ寸法を一定に調整し、安定して接続を得られるようにしており、このように変えることは単なる設計事項ではない。
なお、確実に、前記シート部材19の浮き上がりを防止するために、前記シート部材19の所定位置に、少なくとも1以上の係合部78若しくは係止部80を設けることが望ましい。前記係合部78とは、略L字状の突出片を設けたものであり、形状や大きさは浮き上がり防止の役割やコネクタの小型化や強度等を考慮して適宜設計する。前記係止部80とは、図17(D)のように前記シート部材19に略L字形状の溝部を設けたものであり、形状や大きさは浮き上がり防止の役割やコネクタの小型化や強度等を考慮して適宜設計する。前記係合部78若しくは前記係止部80は、前記シート部材19の浮き上がり防止を考えると、少なくとも中央部と両端部の3箇所に設けることが望ましい。本実施例では、もう一方のコンタクト161に対応する位置全てに前記係止部80を設けている。
本発明の活用例としては、薄型テレビやリアプロジェクション等の電気又は電子機器に使用されるFPC64を使用したコネクタに活用され、特にFPCの厚さによって接続安定性の向上を図ったコネクタの構造に関するものである。
(A) FPC挿入側よりみた回動部材が開いた状態のコネクタの斜視図である。(B) 回動部材が閉じた状態のコネクタの斜視図である。 回動部材の斜視図である。 ハウジングの斜視図である。 (A) 一方のコンタクトの斜視図である。(B) もう一方のコンタクトの斜視図である。 (A) 回動部材が開いた状態の一方のコンタクト部分の断面図である。(B) 回動部材が開いた状態のもう一方のコンタクト部分の断面図である。 (A) 回動部材が閉じた状態の一方のコンタクト部分の断面図である。(B) 回動部材が閉じた状態のもう一方のコンタクト部分の断面図である。 (A) 挿入される前のFPCとコネクタの斜視図である。(B) FPCが挿入された状態のコネクタの斜視図である。 回動部材の押圧部の移動及び回動の仕方を説明する図面である。 (A) FPC挿入側よりみた回動部材が開いた状態の別のコネクタの斜視図である。(B) 回動部材が閉じた状態の別のコネクタの斜視図である。 別の回動部材の斜視図である。 別のハウジングの斜視図である。 (A) 別の一方のコンタクトの斜視図である。(B) 別のもう一方のコンタクトの斜視図である。 (A) 別の回動部材が開いた状態の一方のコンタクト部分の断面図である。(B) 別の回動部材が開いた状態のもう一方のコンタクト部分の断面図である。 (A) 別の回動部材が閉じた状態の一方のコンタクト部分の断面図である。(B) 別の回動部材が閉じた状態のもう一方のコンタクト部分の断面図である。 (A) 挿入される前のFPCと別のコネクタの斜視図である。(B) FPCが挿入された状態の別のコネクタの斜視図である。 (A) シート部材の斜視図である。(B) 別のシート部材の斜視図である。 シート部材に係合部若しくは係止部を設け、ハウジング若しくはコンタクトに係合部若しくは係止部に対応する位置に係止部若しくは係合部を設けた場合を説明する図面である。
10、101 コネクタ
12、121 ハウジング
14、16、141、161 コンタクト
18、181 回動部材
19 シート部材
20 嵌合口
22 第一片
24 第二片
26 接触部
30 連結支点部
32 押受部
34 接触片
36 延設部
38 固定部
40 接続部
42 突出部
44 突出台
46 係合部
48 挿入溝
49 挿入部
50 天井部
54 押圧部
56 操作部
58 係止孔
64 FPC
66 係止部
68 下端
70 上端
72 回転軸
74 凸部
76 突出壁
78 係合部
80 係止部

Claims (7)

  1. 接続対象物と着脱自在に嵌合するコネクタであって、
    該接続対象物と接触する接触部を上側のみに有する所要数のコンタクトと、このコンタクトが保持・固定されるとともに前記接続対象物が挿入される嵌合口を有するハウジングと、前記コンタクトを押圧する回動部材とを備えるコネクタにおいて、
    2種類のコンタクトを嵌合口の反対方向から前記ハウジングに挿入し、
    一方の前記コンタクトは、一端側に前記接続対象物と接触する接触部と他端側に前記回動部材により押圧される押受部とを有する第一片と、一端側に前記ハウジングに挿入される固定部を有する延設部と他端側に基板と接続する接続部とを有する第ニ片と、前記第一片と前記第二片とを連結する連結支点部とを備え、前記接触部と前記連結支点部と前記接続部とを略クランク形状に配置し、
    もう一方のコンタクトは、一端側に前記接続対象物と接触する接触部と他端側に前記回動部材により押圧される押受部とを有する第一片と、一端側に基板と接続する接続部及び前記ハウジングに挿入される固定部を有する延設部と他端側に前記回動部材の押圧部を狭持する突出台と有する第ニ片と、前記第一片と前記第二片とを連結する連結支点部とを備え、前記接続部と前記固定部は略二股状に配置されるとともに前記接触部と前記連結支点部と前記接続部とを略倒U字形状に配置し、
    前記ハウジングは、一方及びもう一方の前記コンタクトの接触部を被覆する天井部を有し、前記嵌合口内の前記一方及びもう一方のコンタクトの接触部の対向側には、前記ハウジングである絶縁物が存在し、
    前記回動部材は、回動させるための操作部と長手方向に連設した押圧部と前記押受部が挿入できる別個独立の係止孔とを備え、前記押圧部が一方の前記コンタクトの接続部と押受部との間及びもう一方の前記コンタクトの突出台と押受部との間で回動するように前記ハウジングに装着されることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記ハウジングの嵌合口に連設する挿入部を設け、ギャップ寸法を調整するために前記挿入部にシート部材を挿入することを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
  3. 一方の前記コンタクト及びもう一方の前記コンタクトのピッチが0.2〜0.5mmであることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
  4. 前記回動部材に略L字形状をした突出壁を設け、前記接続対象物が挿入され、前記回動部材が回動した際に一方の前記突出壁で一方の前記コンタクトの接続部及びもう一方の前記コンタクトの突出台と覆うことを特徴とする請求項1または3記載のコネクタ。
  5. 一方の前記コンタクト及びもう一方の前記コンタクトの両方若しくはどちらかに、前記押受部の先端の内側に突出した突出部を設け、前記回動部材が回動した際に前記突出部が前記回動部材の係止孔と係合することを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
  6. 前記接続対象物の厚さによって、板状片の前記シート部材の厚さを0.1〜1mmの範囲で変えることを特徴とする請求項2記載のコネクタ。
  7. 前記回動部材を断面略U字形状にするとともに前記上壁部の先端と前記操作部との間を0.5〜0.7mmにし、前記上壁部と前記回動部材の前記操作部と反対側の先端との間を0.3〜0.5mmにすることで、回動時に前記回動部材が前記ハウジングの上壁部に触れることなく、防塵性を高めることを特徴とする請求項1または記載のコネクタ。
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