JP4768312B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
一般的な電子写真方式では、光学装置で原稿を読み取り、その情報に基づいて書き込み装置で像担持体上に静電潜像を形成し、現像装置により静電潜像をトナー像に可視像化し、該トナー像を記録媒体上に転写し、定着装置で記録媒体上のトナーを加熱溶融・加圧して定着させるようになっている。
これらの工程では、発熱や温度上昇を伴う。すなわち、光学装置では、原稿をスキャンするスキャナランプやスキャナランプを駆動するスキャナモータが発熱し、書き込み装置においては高速回転するポリゴンミラーを駆動するモータが発熱する。
これらの熱が機内(装置内)に滞留することにより様々な弊害が生じる。例えば、トナーが軟化点温度まで昇温させられると、画質不良が発生したり、ドラムユニットや現像器、トナーコンテナなどの可動部をロックさせて故障が発生したりする。また、温度の上昇により軸受等のオイルが劣化したり、モータ等の機械的寿命を早めてしまう。
あるいは、機内の電気基板上のICの放熱が問題になり、誤作動、故障の原因となる。さらには、耐熱温度が低い樹脂部品などでは、変形の問題が生じることがある。
そこで、これらの現象が生じないように、冷却用ファンとダクトなどを利用した熱の強制対流伝達や、液冷による熱輸送、ペルチェ素子による熱電変化等により、装置の各部分を冷却している。
そこで、上述のように主電源を入れたまま長時間使用されない場合、ヒータの電源を落としたり制限したりして予熱状態にし、冷却ファンについてはタイマを用いて動作停止から一定の時間を設定してその時間経過後に冷却ファンの回転数を落としたり停止させる方法や、温度上昇部分の温度を温度センサで感知して、その情報に基づいて冷却ファンの回転数を制御する方法などが行われている。
特開平09−006188号公報には、画像形成装置を制御するDCコントローラは、スタンバイモードが設定されたときは、スタンバイモード設定からの経過時間をタイマで計測し、所定時間経過を計測したら記録用紙に画像を定着させる定着ヒータへの電力供給を予熱モードに移行させ、前記定着ヒータ部分の冷却ファンを駆動するファンモータの回転を低下させる技術が開示されている。
また、画像形成装置の小型化に伴い装置内部が密集して効率的に冷やすことが難しいため、温度上昇部分の温度がなかなか低下せず、待機時においても冷却ファンの停止や回転数を下げるまでに時間がかかってしまうという問題もあった。
請求項3に記載の発明によれば、蓄冷材料の融解、凝固が使用環境温度内で繰り返されるので、そのための設備が不要であり、簡易な構成で省エネ、静穏化の冷却機能を長期に亘り得ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、省エネ、静穏化を効率的に達成できる。
請求項6に記載の発明によれば、温度上昇部と冷却手段間の熱の授受を効率的に行うことができる。
請求項7に記載の発明によれば、温度上昇による故障や不具合を防止できるとともに、冷却のエネルギーや騒音の過剰発生を抑制して効率的な冷却を行える。また、装置立ち上げ時等の急速な発熱に対して短時間に冷却することができる。
請求項8、9、10、11又は12に記載の発明によれば、蓄冷材料の放熱による画像形成装置への影響を高精度に抑制できる。
請求項13、14又は15に記載の発明によれば、蓄冷材料を用いた冷却手段の使用効率を高めることができる。
請求項16に記載の発明によれば、必要な時に冷却機能を有する蓄冷材料に交換できるので、待機時や緊急の発熱時に蓄冷材料で確実に冷却することができる。また、メンテナンス時等の作業性の向上を図ることができる。
まず、図1に基づいて本参考例における画像形成装置の構成の概要を説明する。符号4はスキャナランプ2やスキャナモータ3を備えた読み取り装置を、符号5は書き込み装置を示している。
像担持体としての感光体ドラム6は図示しない駆動機構により矢印方向に回転駆動され、その表面を帯電装置7により一様に帯電される。帯電された感光体ドラム6の表面に書き込み装置5により静電潜像が形成され、該静電潜像は現像装置8によりトナー像として可視像化される。
感光体ドラム6上のトナー像は、図示しない給紙トレイから所定のタイミングで給紙された記録媒体としての転写紙に転写装置9により転写される。トナー像を転写された転写紙は定着ローラ10aと加圧ローラ10bを有する定着装置10に送られ、ここで熱と圧力によりトナー像を定着される。
定着を終えた転写紙は図示しない排紙ローラ対により排紙トレイ11上に排出・スタックされる。トナー像を転写した後の感光体ドラム6の表面はクリーニング装置12によりクリーニングされ、続いて図示しない除電装置により表面電位を初期化され、次の作像工程に備えられる。
両面コピーの場合には、定着装置10を出た転写紙は両面ユニット26へ案内され、ここで反転されて再度給紙される。
熱源であり温度上昇部としてのスキャナランプ2は、蓄冷材料を用いる冷却手段としての蓄冷型冷却手段15により冷却される。ここで、「温度上昇部」とは、自ら発熱して温度上昇する場合と他の熱源により暖められて温度上昇する場合の双方の部位を含む意味である。
蓄冷型冷却手段15は、スキャナランプ2の表面に面接触した銅製の良熱伝導部材15aと、該良熱伝導部材15aに接続され、冷却室13内へ延びる可撓性を有するアルミニウム製の良熱伝導部材15bと、冷却室13内に設けられ、良熱伝導部材15bに接続された蓄冷パック15cを有している。良熱伝導部材15bはその端部の表面積を大きくして蓄冷パック15cに面接触している。
蓄冷型冷却手段16は、スキャナモータ3の表面に面接触した銅製の良熱伝導部材16aと、該良熱伝導部材16aに接続され、冷却室13内へ延びる銅製の良熱伝導部材16bと、冷却室13内に設けられ、良熱伝導部材16bに接続された蓄冷パック16cを有している。良熱伝導部材16bはその端部の表面積を大きくして蓄冷パック16cに面接触している。
蓄冷パック15c、16cは、図2に示すように、樹脂製のパッケージ17に蓄冷材料18を封入した構成を有している。
本参考例では蓄冷材料18として、水にMnSO4(硫酸マンガン)を配分した結晶性材料を用いている。この蓄冷材料18は、材料配分を変えることで融解温度を0〜50°Cの範囲で任意に変えることができる。融解熱は水のほぼ半分、密度、熱伝導率、通常比熱(顕熱)はともに水と同程度であり、順に1E+3[kg/m3]、0.6[W/mK]、4.2E+3[J/K・kg]である。
本参考例では蓄冷材料18として40°Cで融解するものを選択した。よって温度上昇部としてのスキャナランプ2、スキャナモータ3の温度が40°C以上に上昇した場合、蓄冷パック15c、16cの蓄冷材料18が融解し、その吸熱作用により冷却が行われる(以下の他の蓄冷パックにおいても構成、冷却機能は同様である)。
蓄冷材料18は他に添料、防腐剤等と混合して用いても構わない。
書き込み装置5は、蓄冷材料を用いる冷却手段としての蓄冷型冷却手段20により冷却される。蓄冷型冷却手段20は、書き込み装置5の下面に面接触したアルミニウム製の良熱伝導部材20aと、該良熱伝導部材20aに接続され、冷却室13内へ延びるアルミニウム製の良熱伝導部材20bと、冷却室13内に設けられ、良熱伝導部材20bに接続された蓄冷パック20cを有している。良熱伝導部材20bはその端部の表面積を大きくして蓄冷パック20cに面接触している。
従って、書き込み装置5は、書き込み冷却ファン19により強制空冷されるとともに、温度が蓄冷材料18の融解温度(40°C)以上になった場合には蓄冷材料18の吸熱により冷却される。
現像装置8は、蓄冷材料を用いる冷却手段としての蓄冷型冷却手段22により冷却される。蓄冷型冷却手段22は、現像装置8の下面に面接触した銅製の良熱伝導部材22aと、該良熱伝導部材22aに接続され、冷却室13内へ延びる銅製の良熱伝導部材22bと、冷却室13内に設けられ、良熱伝導部材22bに接続された蓄冷パック22cを有している。良熱伝導部材20bはその端部の表面積を大きくして蓄冷パック20cに面接触している。
従って、現像装置8は、現像冷却ファン21により強制空冷されるとともに、温度が蓄冷材料18の融解温度(40°C)以上になった場合には蓄冷材料18の吸熱により冷却される。
また、定着装置10が配置される位置の画像形成装置本体1の背面には図示しない強制空冷方式の冷却手段としての定着冷却ファンが設けられており、定着冷却ファンにより機外の空気が機内に送り込まれると同時に画像形成装置本体1に設けられた図示しない穴から排気されるようになっている。
従って、定着装置10の周辺が、定着冷却ファンにより強制空冷されるとともに、断熱材25の温度が蓄冷材料18の融解温度(40°C)以上になった場合には蓄冷材料18の吸熱により冷却される。
両面ユニット26は、蓄冷材料を用いる冷却手段としての蓄冷型冷却手段28により冷却される。蓄冷型冷却手段28は、銅製の板材とヒートパイプで構成され両面ユニット26の下面に面接触した良熱伝導部材28aと、該良熱伝導部材28aに接続され、冷却室13内へ延びる銅製の良熱伝導部材28bと、冷却室13内に設けられ、良熱伝導部材28bに接続された蓄冷パック28cを有している。良熱伝導部材28bはその端部の表面積を大きくして蓄冷パック28cに面接触している。
各蓄冷パック15c、16c、20c、22c、24c、28cは着脱自在に設けられており、冷却室13の側板を開放して交換できるようになっている。
従って、機外で凝固させた蓄冷パックに交換したり、装置の稼動状況に合わせて冷却能力の異なる蓄冷パック(蓄冷部材)に交換することができる。
これに比べて、蓄冷型冷却手段では電力を必要とせず、且つ、回転等の動作をする部材が存在しないので騒音が発生せず、省エネ、静穏化を実現できる。従って、冷却ファンを少なくし、あるいは冷却ファンの回転数を少なくし、その分を蓄冷型冷却手段によりカバーすれば、画像形成装置全体における省エネ、静穏化を促進することができる。
また、本参考例では、1つの温度上昇部に対して蓄冷パックを1つ設ける構成としたが、複数の蓄冷パックで1つの温度上昇部を冷却したり、複数の蓄冷パックで複数の温度上昇部を冷却したり、あるいは1つの蓄冷パックで複数の温度上昇部を冷却することも可能である。
また、機内の良熱伝導部材からの放熱により機内温度の上昇を防ぐと同時に確実に蓄冷パックに熱を搬送するために、良熱伝導部材を断熱材で覆うことも効果的である。
図3に示すように、本実施形態における画像形成装置は、温度上昇部34と、該温度上昇部34の表面に面接触した銅製の薄板状の良熱伝導部材35と、蓄冷型冷却手段30と、水冷型冷却手段31と、空冷型冷却手段32と、画像形成装置本体1の外部に一体に配置された冷却室33を有している。
蓄冷型冷却手段30は、一端部を良熱伝導部材35に接続され、冷却室33側へ延びる銅製の良熱伝導部材30aと、該良熱伝導部材30aの他端との間に間隔をおいて冷却室33内へ延びる銅製の良熱伝導部材30bと、冷却室33内に設けられ、良熱伝導部材30bに接続(接触)された蓄冷パック30cと、温度上昇部34と蓄冷パック30c間の熱移動を任意に遮断可能な熱スイッチング機構30dを有している。良熱伝導部材30bはその端部の表面積を大きくして蓄冷パック30cに面接触している。
ポンプ31cによりパイプ31a内を冷媒が循環されている。冷却室33ではヒートシンク31dが図示しない熱伝導性ラバーを介してパイプ31aの復路の下流側端部に接触しており、自然空冷によって冷媒を冷却している。
移送手段としてのポンプ31cのON・OFFによりヒートシンク31dへの熱移送を切り替えることができる。
空冷型冷却手段32は、良熱伝導部材35に接続され、冷却室33へ延びる銅製の良熱伝導部材32aと、冷却室33に設けられ、良熱伝導部材32aに接続されたヒートシンク32bと、冷却室33に設けられ、ヒートシンク32bを強制空冷する冷却ファン32cを有している。良熱伝導部材32aはその端部の表面積を大きくしてヒートシンク32bに面接触している。冷却ファン32cのON・OFFにより強制空冷の切り替えがなされる。
ソレノイド37がオンすると良熱伝導部材36は下方に移動し、良熱伝導部材30aと良熱伝導部材30bに対して非接触状態となって温度上昇部34と蓄冷パック30c間の熱移動が遮断される。ソレノイド37がオフすると、良熱伝導部材36は上方に移動して接触し、良熱伝導部材30aと良熱伝導部材30b間を熱移動可能に接続する。すなわち、熱スイッチング機構30dは接触と非接触の2つのポジションをとることで、熱の授受を切り替えることができる。
ソレノイド37のオン・オフ動作は逆態様でもよい。良熱伝導部材36は、接触面積を大きくするために、良熱伝導部材30aと良熱伝導部材30bの周面に沿う断面円弧形状(樋状)とするのが望ましい。
良熱伝導部材30aと良熱伝導部材30bの表面は断熱材38で覆われている。
また、図6に示すように、装置の状況に応じて前記複数の冷却手段(蓄冷型冷却手段30、水冷型冷却手段31、空冷型冷却手段32)の使用状態を制御する冷却制御手段42を有している。
冷却制御手段42は、I/Oインターフェース43、CPU44、ROM45、RAM46を有するマイクロコンピュータであり、サーミスタ39、40、41や操作パネル47等から情報が入力され、ソレノイド37、ポンプ31c、冷却ファン32c等を制御する。
冷却制御手段42は、装置の状況に応じて上記3つの冷却手段を表1に示す使用パターンで切り替える。
表1に示すように、画像形成装置の稼動時は、冷却制御手段42は熱スイッチング機構30dを制御して温度上昇部34と蓄冷パック30cの接続を遮断し、水冷型冷却手段31と空冷型冷却手段32により冷却する。稼動状態にあるときに蓄冷型冷却手段30により温度上昇部34を冷却しないことで、蓄冷材料18を凝固させ、冷却可能に蓄冷することができる。
待機状態時には、冷却制御手段42は蓄冷型冷却手段30を優先して使用する制御を行う。
それ以降(待機時2;スリープモード)では、水冷型冷却手段31も停止(ポンプ31c停止)し、蓄冷型冷却手段30のみにより冷却を行う。待機時2では動作する部材が全く存在しないので、騒音がなくなるとともにエネルギー消費もない。
複数の冷却手段の冷却能力の総和を制御することにより、冷却の不足による温度上昇や、冷却のエネルギーや騒音を過剰に発生させないようにすることができる。
本実施形態では、冷却手段(冷却ユニット)の組み合わせを表1に示す使用パターンとしたが、待機時に確実に蓄冷型冷却手段30により冷却できる組み合わせであればよく、これに限定される趣旨ではない。蓄冷材料18の量を多くしたり、温度上昇部34の温度によっては待機時に蓄冷型冷却手段30のみで冷却することも可能である。
すなわち、吸熱過程を終えて凝固過程に移行する状態、あるいは凝固過程において放熱が始まっている状態にあるときは、温度上昇部34と蓄冷パック30cを接続しても冷却機能は発現せず、あるいは逆に温度上昇部34へ熱が移動して温度上昇部34が加熱される不具合が生じる。
冷却制御手段42は、状態把握手段としてのサーミスタ39、40、41からの検知情報に基づいて蓄冷パック30cの状態(融解・凝固)を判断又は推定し、冷却機能を有する状態に無い場合には、蓄冷型冷却手段30の優先使用を止め、残りの他の冷却手段を選択して使用する制御を行う。
蓄冷型冷却手段30を優先して使用するケースでない場合も、蓄冷パック30cが放熱状態にあるときは、冷却制御手段42は熱スイッチング機構30dを制御して温度上昇部34と蓄冷パック30c間の熱移動を遮断する。
画像形成装置全体において冷却手段として蓄冷型冷却手段のみを用いる構成とすることもでき、この場合にも上記と同様の熱スイッチング機構30dの制御が行われる。
本実施形態ではサーミスタ39、40、41による検知温度の平均値により関係データテーブルを作成しているが、状態把握手段としてのサーミスタは1つでもよい。
また、蓄冷材料18の熱放出時の温度を(室温との差)予め測定し、蓄冷材料の温度(蓄冷パック30c)の温度がその温度になったら蓄冷材料18が放熱していると判断するようにしてもよい。
本実施形態では画像形成装置本体1の外部に冷却室33を有する構成としたが、各冷却ユニットが機内(画像形成装置本体1内)に配置される構成や、機内と機外に冷却ユニットを分散させる構成としてもよい。
本実施形態では、温度上昇部34の温度を測定する温度測定手段としてのサーミスタ50が設けられており、冷却制御手段42はサーミスタ50からの検知情報(測定情報)に基づいて前記複数の冷却手段の使用パターンを決定する。温度上昇部34の温度により、冷却能力の不足、過剰を把握することができる。
冷却制御手段42は、サーミスタ50の検知情報に基づいて熱スイッチング機構30dのON・OFF(接触・非接触)とポンプ31cの流量と冷却ファン32cの回転数を制御する。
温度上昇部34の温度が低くなるにしたがって、ポンプ31cの流量の低減、冷却ファン32cの回転数の低減、蓄冷型冷却手段30のOFF(熱スイッチング機構30dのOFF)の順に制御を行い、温度上昇部34が所定の温度になるようにする。
本実施形態においては上記の順に制御が行われるが、冷却ユニットの冷却能力やエネルギー効率により制御の順序や仕方は変わってもよい。
第2の実施形態では、蓄冷パック30cの温度のみを測定して蓄冷材料18の状態を把握する構成としたが、本実施形態における状態把握手段は、蓄冷材料18の温度Aを測定するサーミスタ51と、温度上昇部34と蓄冷パック30c間の熱移動路としての良熱伝導部材30bの温度Bを測定するサーミスタ52を有している。
冷却制御手段42Aは、サーミスタ51による検出温度Aと、サーミスタ52による検出温度Bを比較し、検出温度A<検出温度Bの場合には蓄冷材料18は吸熱していると判断又は推定し、検出温度A>検出温度Bの場合には蓄冷材料18は発熱(放熱)していると判断又は推定する。
蓄冷材料18が発熱していると判断した場合には、冷却制御手段42Aは蓄冷型冷却手段30の使用不可と判断し、熱スイッチング機構30dを制御して温度上昇部34と蓄冷パック30c間の熱移動を遮断する。
温度A、温度Bの検出部位にサーミスタ等の温度検出手段をそれぞれ複数設け、平均値で比較するようにしてもよい。
本実施形態では蓄冷材料18の硬さを測定してその状態を把握することを特徴としている。
状態把握手段53は、直動アクチュエータとしてのシリンダ54と、位置センサ55を有している。蓄冷パック30cのパッケージは柔軟性を有する材料で袋状に形成されている。
良熱伝導部材30bの反対側から蓄冷パック30cにシリンダ54のヘッド54aを所定の力で押し付け、位置センサ55によりヘッド54aの位置変位量を検出する。位置センサ55の検出情報は冷却制御手段42Bへ送られる。
蓄冷材料18の凝固状態によりヘッド54aの位置は変化するため、ヘッド54aを蓄冷パック30cから離れた初期位置に戻し、定期的に押し付けることにより蓄冷パック30cの凝固状態を把握することができる。
冷却制御手段42Bは位置センサ55からの検出情報に基づいて蓄冷材料18の状態(例えば放熱過程にあるか否か)を判断又は推定し、蓄冷型冷却手段30の使用の可否を決定する。
シリンダ54を複数設け、その平均値により上記関係データテーブルを作成してもよい。
蓄冷材料18の状態を把握(監視)する状態把握手段としては、他に、サーモセンサによるサーモグラフィを用いて判断する構成としてもよく、蓄冷パック30cの厚み方向における音の伝達変化を測定して判断する構成としてもよい。
また、蓄冷材料として結晶性材料を用いたが、これに限定される趣旨ではなく、例えば通電により状態変化して吸熱特性を呈するような材料でもよい。この場合でもモータ等の回転部材は存在しないので、静穏化を実現できる。
蓄冷材料としては、上記硫酸マンガンの他に、硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムなどと水の混合物を用いてもよい。
3 温度上昇部としてのスキャナモータ
5 温度上昇部としての書き込み装置
8 温度上昇部としての現像装置
10 温度上昇部としての定着装置
18 蓄冷材料
26 温度上昇部としての両面ユニット
30 冷却手段としての蓄冷型冷却手段
30d 熱スイッチング機構
31 冷却手段としての水冷型冷却手段
32 冷却手段としての空冷型冷却手段
34 温度上昇部
39、40、41 状態把握手段としてのサーミスタ
42 冷却制御手段
50 温度計測手段としてのサーミスタ
Claims (16)
- 温度上昇部と、該温度上昇部を冷却する複数の異なる方式の冷却手段と、装置の状況に応じて前記複数の冷却手段の使用状態を制御する冷却制御手段を有し、前記複数の冷却手段の少なくとも一つが蓄冷材料を用いるものであり、前記温度上昇部と前記蓄冷材料を用いる冷却手段との間に熱移動を任意に遮断可能な熱スイッチング機構が設けられ、前記冷却制御手段は前記装置の稼動状態時には前記熱スイッチング機構を制御して熱移動を遮断することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記蓄冷材料は結晶性材料であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2に記載の画像形成装置において、
前記結晶性材料は前記温度上昇部の温度以下の融解温度をもち、凝固点温度が画像形成装置の使用環境温度以上であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
少なくとも前記装置の稼動状態と待機状態を有し、前記冷却制御手段は前記待機状態時には前記蓄冷材料を用いない他の冷却手段を停止し、前記蓄冷材料を用いる冷却手段を使用することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4に記載の画像形成装置において、
前記使用の対象となった蓄冷材料を用いる冷却手段が冷却機能を有する状態にない場合、前記冷却制御手段は前記他の冷却手段を選択して使用することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記温度上昇部と前記蓄冷材料間の熱移動路が断熱材で覆われていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記温度上昇部の温度を測定する温度測定手段を有し、前記冷却制御手段は前記温度測定手段の測定情報に基づいて前記複数の冷却手段の使用パターンを決定することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記蓄冷材料を用いる冷却手段の状態を把握する状態把握手段を有し、前記冷却制御手段は前記状態把握手段からの情報に基づいて前記熱スイッチング機構を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8に記載の画像形成装置において、
前記蓄冷材料を用いる冷却手段が放熱過程にあると判断された場合、前記冷却制御手段は前記熱スイッチング機構を制御して熱移動を遮断することを特徴とする画像形成装置。 - 温度上昇部と、蓄冷材料を用いて前記温度上昇部を冷却する冷却手段と、前記温度上昇部と前記蓄冷材料を用いる冷却手段との間に設けられ熱移動を遮断可能な熱スイッチング機構と、該熱スイッチング機構を制御する冷却制御手段を有していることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項10に記載の画像形成装置において、
前記蓄冷材料を用いる冷却手段の状態を把握する状態把握手段を有し、前記冷却制御手段は前記状態把握手段からの情報に基づいて前記熱スイッチング機構を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11に記載の画像形成装置において、
前記蓄冷材料を用いる冷却手段が放熱過程にあると判断された場合、前記冷却制御手段は前記熱スイッチング機構を制御して熱移動を遮断することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8又は11に記載の画像形成装置において、
前記状態把握手段は前記蓄冷材料の温度を測定する構成を有し、前記冷却制御手段は前記状態把握手段からの情報に基づいて、予め求められた前記蓄冷材料の温度とその相状態との関係データテーブルから前記蓄冷材料を用いる冷却手段の使用の可否を判断することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8又は11に記載の画像形成装置において、
前記状態把握手段は前記蓄冷材料の温度Aと、前記温度上昇部と前記蓄冷材料間の熱移動路の温度Bを測定する構成を有し、前記冷却制御手段は前記状態把握手段からの情報に基づいて前記温度Aと前記温度B間の温度勾配を判断し、その結果に基づいて前記蓄冷材料を用いる冷却手段の使用の可否を判断することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8又は11に記載の画像形成装置において、
前記状態把握手段は前記蓄冷材料の硬さを測定する構成を有し、前記冷却制御手段は前記状態把握手段からの情報に基づいて、予め求められた前記蓄冷材料の硬さとその相状態との関係データテーブルから前記蓄冷材料を用いる冷却手段の使用の可否を判断することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記蓄冷材料が着脱自在であることを特徴とする画像形成装置。
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