JP4701001B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
(B)定着ユニットの周囲を、ファンをもって強制冷却している(例えば、特許文献2参照)。
ファンを利用した事例はこれらの他にも多数あるが、しかしながらファンを利用した強制空冷はファンの風切音が騒音発生の原因となり、常にユーザークレームの上位に挙げられるなど、その代替方法が望まれていて静音化の要請に反する。
(C)定着後の高温なシートを、末端を液冷により熱交換して冷却したヒートパイプローラに狭持させることで冷却する(例えば、特許文献3参照)。この技術では、液冷は空気よりも3桁上の高い熱輸送効率を有するが、しかしながらそのシール性に弱点が残り、液漏れへの懸念や信頼性の点で画像形成装置、ひいては電子機器への利用において高い信頼性の保証という点で十分とはいえず、安全性、信頼性の確保の要請に反する。
また熱電素子として、精度と応答性に優れるペルチェ素子を使ったものとして、
(D)上記(D)と同様、定着後の高温なシートの冷却をする技術として、ガイド板とペルチェ素子を利用した技術(例えば、特許文献4参照)。しかし、ペルチェ素子は効率が悪いことで知られており、接触熱抵抗などを考慮すると、その効率は概ね0.2程度と、省エネが叫ばれる昨今できれば利用を避けたい冷却デバイスになっている。
請求項2にかかる発明は、前記蓄熱部材の凝固点温度を室温以上とした。
請求項3にかかる発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、1つまたは複数の蓄熱部材に対し、複数の冷却対象部材、ならびにこれら蓄熱部材と複数の冷却対象部材を熱的につなぐ複数の熱輸送手段を含むこととした。
請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置において、それぞれの融解温度ならびに融解熱が異なる蓄熱部材を含むこととした。
請求項5にかかる発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の画像形成装置において、前記蓄熱部材を攪拌する攪拌手段を備えた。
請求項6にかかる発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の画像形成装置において、前記蓄熱部材を前記熱輸送手段により仕切られた複数のセルによる分割配置とした。
請求項7にかかる発明は、請求項1乃至6の何れかに記載の画像形成装置において、前記冷却対象部材、前記熱輸送手段、前記蓄熱部材のいずれかにおいて、熱輸送量の制御手段を有することとした。
請求項8にかかる発明は、請求項1乃至7の何れかに記載の画像形成装置において、1つの前記冷却対象部材に、複数の異なる融解温度、融解熱を有する蓄熱部材を有することとした。
請求項9にかかる発明は、請求項1乃至8の何れかに記載の画像形成装置において、当該画像形成装置の非使用時、故障時、又はメンテナンス時には、前記冷却対象部材と、前記蓄熱部材が断熱状態になるようにした。
請求項10にかかる発明は、請求項1乃至9の何れかに記載の画像形成装置において、前記蓄熱部材を前記熱輸送手段に対して着脱可能とした。
以下の説明において、画像形成装置が備える冷却対象物は、当該画像形成装置を稼動状態におくことにより昇温する部材であって、自ら発熱する発熱部材と自ら発熱しないが高温部材との接触により昇温し冷却が必要となる高温部材を含む。例えば現像剤の摩擦により発熱する現像装置、レーザ光源やポリゴンモータなど熱源を備えた書き込み装置、定着装置などは発熱部材の例であり、定着装置を通る間に受熱して高温となるシート状媒体に接して受熱し昇温するガイドや排紙トレイなどは自らは発熱しないが、昇温を抑制したい高温部材の例である。
1.1 冷却手段を有する画像形成装置
図1は、本発明における冷却手段を有する画像形成装置を右方向から見た概略図を示している。画像形成装置1の内部に発熱部材2と、この発熱部材2と熱的に接触する良熱伝導部材(板形)5aと、その一端側をこの良熱伝導部材5aと熱的に接触する良熱伝導部材(長軸形)3を有する。
つまり、画像形成装置1内部の発熱部材2は良熱伝導部材(板形)5aを経て、良熱伝導部材3を介して外部の蓄熱部材4に良熱伝導部材(板形)5bを経て熱的につながれる構成を有する。ここで、良熱伝導部材(板形)5a、良熱伝導部材3、良熱伝導部材(板形)5bは熱輸送手段を構成している。
冷却対象物である発熱部材2を冷却する冷却手段は、本例では、熱輸送手段である良熱伝導部材(板形)5a、良熱伝導部材3、良熱伝導部材(板形)5bと、蓄熱部材4を含む構成である。
図2は、発熱部材2につなぐ熱輸送手段として良熱伝導部材(板形)およびヒートパイプを用いた概略図である。本例では、良熱伝導部材(板形)としての銅板27とこれに一端側を接触させて取り付けた複数本のヒートパイプ26で熱輸送手段を構成している。銅板27とヒートパイプ26との接合の場合、ロウ付けやはんだ付けは不可なため、例えば銅材などの補助板でヒートパイプを挟み締めし、ネジ止めするやり方などがある。
図3もまた、発熱部材2につなぐ熱輸送手段として良熱伝導部材(板形)および良熱伝導部材のパイプを用いた概略図である。本例では、良熱伝導部材(板形)としての銅板27にパイプ30を多重に折り曲げて接触させロウ付けした。
図4、5は、本発明における冷却手段の温度特性図を示しており、画像形成装置1の稼動時Startから、停止時End後までを横軸を時間軸とし、縦軸を発熱部材2の温度軸として、温度と時間の関係を表している。図4、5の中で、実線は蓄熱部材4に熱的につながれた場合における発熱部材2の温度、破線は発熱部材2と蓄熱部材4とが熱的につながれていない場合における発熱部材2の温度、の各推移を示している。
本発明における冷却手段を有する画像形成装置では、蓄熱部材4が融解し、凝固するというサイクルを毎日繰り返して行なう。蓄熱部材4は画像形成装置1が稼動時Startには凝固していないと融解熱を利用できない。よって、特に凝固に関しては、凝固点温度Tfは室温Trより高いという条件を満足させる必要がある。これにより、画像形成装置1の稼動、停止といった毎日の繰り返し運転に伴う冷却対象部材の昇温を抑制することが可能になる。
図1で説明した発熱部材2と蓄熱部材4の構成において、発熱部材2が複数あるとき、これら複数の発熱部材2をそれぞれ1つの蓄熱部材4に対して複数の熱輸送手段でそれぞれ熱的につなぐ構成とすることができる。この場合、熱効率面では好ましいとはいえないがこれら複数の発熱部材2と1つの蓄熱部材4とを直接、良熱伝導部材3で熱的につなぐ構成も可能である。
本例のように、1つの蓄熱部材4を複数の熱輸送手段で熱的につないだ例では構成簡易で、蓄熱部材4を一箇所で管理、メンテナンスすることができる利点がある。
上記例3における変形例として、蓄熱部材4を複数とし、これら複数の蓄熱部材4に対して発熱部材2も複数有した構成とすることもできる。もちろん、熱輸送手段も複数有する構成である。この例では、発熱部材2ごとに蓄熱部材4を備え、かつこれら複数の発熱部材2はそれぞれが融解温度ならびに融解熱を変えた構成とすることができる。その場合、構成容易で個々の発熱部材2の発熱温度のちがいなど、熱特性による冷却自由度が増加し、きめ細かい冷却制御が達成される。また、蓄熱部材を分散配置することが可能で、この場合蓄熱部材は小型になり、狭スペースであっても有効に設置できる。また故障時等、交換に要する手間とコストが抑えられる。
[5.1] 攪拌手段
蓄熱部材自身に、自己を攪拌する手段を設けて、結晶から非結晶に相転移する際の温度ムラを抑制することができる。攪拌手段による攪拌により、蓄熱部材の吸熱効果が促進され、短時間立上げに伴う短時間発熱への吸熱が可能になる。
図8は、蓄熱部材4に熱輸送手段として、良熱伝導部材(板形)としての銅板34が取り付けられ、この銅板34にヒートパイプ等の良熱伝導部材3がついた例である。さらに蓄熱部材4には該蓄熱部材を被う容器外部から複数の圧力付与装置32が設置される構成である。
例えば、圧力付与装置32として圧電素子を用いる。図8に示したように、直方体をした蓄熱部材4の一面に、円形の平面部分をもつ圧電素子を、該一面上で1周するように並べ、これらの圧電素子を各々独立制御する。1周するように並べられた順序で、かつ、例えば、時計回りの方向で駆動することにより、ひいては該一面に圧力変動を起こすことができる。
図9に示した攪拌手段の例は、図8における例とは異なり、蓄熱部材4の内部に複数の攪拌板35がついた2本の攪拌棒40を挿入し、これらを図9に示すように矢印方向に回転されることで、半結晶状態にある蓄熱部材4に対流を行なわせ、効率の良い熱循環、ひいては吸熱を行なうことができる。
本例は、蓄熱部材自身を小分けにセルごとに区切り、仕切り板に良熱伝導部材を用いて断面積を稼ぎ熱伝導を効率化する。具体的には図10に示すように、蓄熱部材4を直交する多数の良熱伝導部材である銅板42からなる区切板を用いて小さい格子で区分けしてセル毎に区切っている。蓄熱部材と接触する銅板の面積が増大することから吸熱効果が促進され、短時間立上げに伴う短時間の発熱に対応が可能になる。
本例は、熱輸送手段について熱輸送量の制御手段を設けている。図11には、駆動装置37により往復動する銅板36を設け、蓄熱部材4と銅板34とに接触する態様と離間する態様を切換え可能にする。銅板34は蓄熱部材4に接触した状態で固定され、熱伝導部材(長軸形)3の一端側が接触固定されている。良熱伝導部材(長軸形)3の他端側は発熱部材に接触している。
また、蓄熱部材4を熱輸送手段に対して着脱可能な構成とすることで、蓄熱部材4のメンテナンス時や故障時における蓄熱部材の交換が容易となる。例えば、着脱可能な構成例として、熱輸送手段を矩形の穴状部をもつケースとして構成し、このケースに蓄熱部材が挿脱できる構成例を挙げることができる。このような着脱可能な構成により、メンテナンス時、故障時における蓄熱部材の交換を容易に行なうことができる。
図12は、画像形成装置1の構成と主な発熱部およびこれらの発熱部に設けた熱良導体を例示している。熱良導体は図示しないが良熱伝導部材(長軸形)を介して蓄熱部材に熱的につながっている。
以下では、スキャナランプ8、スキャナモータ10、書き込み装置12、現像装置6、ガイド20、排紙トレイ17、両面ユニット23などの冷却対象物を冷却するようにしている。
両面ユニット23は、裏面の画像形成のため高温のシート状媒体を反転搬送するべく一旦スタックされるため、良熱伝導部材24を両面ユニット23と面接触させ、吸熱させる。
また、熱損失を極力軽減させるために、断熱材を多用しても構わない。例えば、熱輸送手段経路の周囲を断熱材で覆うことにより、熱を画像形成装置1内部に排熱せず、確実に蓄熱部材へ輸送することができる。
3、5a、5b、7、9、11、13、18、19、24、 熱輸送手段としての良熱伝導部材
4 蓄熱部材
26、33 熱輸送手段としてのヒートパイプ
27、34 熱輸送手段としての銅板
30 熱輸送手段としてのパイプ
Claims (10)
- 冷却対象部材を具備した画像形成装置であって、前記冷却対象部材が昇温された時の温度よりも低く、前記冷却対象部材が昇温されていない時の温度よりも高い融解温度を有する蓄熱部材と、前記冷却対象部材と前記蓄熱部材とを熱的につなぐ熱輸送手段とを含む冷却手段を有すると共に、前記蓄熱部材が結晶から非結晶へ相転移する際の融解吸熱反応を利用して前記冷却対象部材を冷却することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1記載の画像形成装置において、前記蓄熱部材の凝固点温度が室温以上であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 請求項1または2に記載の画像形成装置において、
1つまたは複数の蓄熱部材に対し、複数の冷却対象部材、ならびにこれら蓄熱部材と複数の冷却対象部材を熱的につなぐ複数の熱輸送手段を含むことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置において、
それぞれの融解温度ならびに融解熱が異なる蓄熱部材を含むことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4の何れかに記載の画像形成装置において、
前記蓄熱部材を攪拌する攪拌手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至5の何れかに記載の画像形成装置において、
前記蓄熱部材が前記熱輸送手段により仕切られた複数のセルにより分割配置されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至6の何れかに記載の画像形成装置において、
前記冷却対象部材、前記熱輸送手段、前記蓄熱部材のいずれかにおいて、熱輸送量の制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至7の何れかに記載の画像形成装置において、
1つの前記冷却対象部材に、複数の異なる融解温度、融解熱を有する蓄熱部材を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至8の何れかに記載の画像形成装置において、
当該画像形成装置の非使用時、故障時、又はメンテナンス時には、前記冷却対象部材と、前記蓄熱部材が断熱状態になることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至9の何れかに記載の画像形成装置において、
前記蓄熱部材が前記熱輸送手段に対して着脱可能であることを特徴とする画像形成装置。
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