JP4767590B2 - 低降伏比高張力鋼および低降伏比高張力鋼の製造方法 - Google Patents

低降伏比高張力鋼および低降伏比高張力鋼の製造方法 Download PDF

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本発明は、耐震性の観点から高靭性と低降伏比を要求される建築構造や、船舶、橋梁、各種貯留タンクに好適に用いることができ、溶接性と低温靭性に優れた低降伏比高張力鋼および低降伏比高張力鋼の製造方法に関するものである。なお、主に対象とする強度レベルは、降伏強さで325〜475MPa、引張強さで490〜640MPaの、いわゆる一般に50キロ鋼と呼ばれるクラスである。
建築用鋼材は、弾性設計(許容応力度設計)から、1981年6月に施行された新耐震設計基準に基づく終局耐力設計への移行に伴い、低降伏比が求められている。低降伏比化を達成するため、一般に、鋼組織の二相(Dual phase)化、すなわち、降伏を支配する軟質相(通常、フェライト)と引張強さを確保するための硬質相(パーライト、ベイナイト、マルテンサイトなど)を形成させる方法が広く用いられている。具体的には、制御圧延を含む熱間圧延後の鋼または焼入後の鋼を、フェライトとオーステナイトの二相域温度に再加熱して、フェライトとCが濃化されたオーステナイトとし、その後空冷以上の冷速で冷却、さらにその後焼き戻し処理する方法が例えば特許文献1などに開示されている。
このとき、成分的には、C量が高いほど二相組織化が容易となるばかりでなく、硬質相がより硬化し、低降伏比化が容易となる。しかし、高C化は、溶接性や低温靭性には不利となるという問題があった。それに対して、低温靭性を改善するためには、低C化や制御圧延が有効ではあるが、いずれも降伏比が上昇するため、低温靭性向上と低降伏比化とは相容れず、両立がきわめて困難であった。
建築用途では、従来、靭性要求レベルが低く、低降伏比化に有利な高C鋼でも特に問題となることはなかったが、阪神大震災を契機とした近年の耐震性能への要求の厳格化傾向には、必ずしも十分に対応できないという問題があった。
特開平2−266378号公報
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、優れた溶接性、低温靭性と同時に高強度で低降伏比を得ることができる低降伏比高張力鋼および低降伏比高張力鋼の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究することにより、溶接性、低温靭性を確保すべく鋼成分のうちC、PCMの成分をきわめて低く抑える一方、高強度を達成し得る鋼組織に制御・限定し、さらに鋼の硬さと板厚断面方向の鋼の硬さの均一性を制御・限定することにより、優れた溶接性、低温靭性と同時に高強度で低降伏比を得ることができる低降伏比高張力鋼を考案した。
また、本発明者は、鋭意研究することにより、鋼成分のうちC、PCMの成分をきわめて低く抑えた鋳片または鋼片を1000〜1250℃の温度に加熱し、オーステナイト未再結晶温度域での累積圧下量を30%以上として720℃以上の温度で熱間圧延を終了した後、680℃以上の温度から開始して350℃以下の温度で停止する加速冷却を行うことで、板厚方向断面1/4厚位置の鋼組織のポリゴナルまたは擬ポリゴナルフェライトとパーライトの合計分率が50%未満であって、鋼の表面1mm下断面における荷重98Nでのビッカース硬さが300Hv以下で、前記ビッカース硬さと前記鋼の板厚断面方向に1mm間隔で測定したビッカース硬さの最小値との差の数値が、mmで表記した板厚の1.5倍の数値以下であり、優れた溶接性、低温靭性と同時に高強度で低降伏比を有する低降伏比高張力鋼が容易に得られることを考案した。
すなわち、本発明の低降伏比高張力鋼の製造方法は、板厚方向断面1/4厚位置の鋼組織のポリゴナルまたは擬ポリゴナルフェライトとパーライトの合計分率が50%未満であって、鋼の表面1mm下断面における荷重98Nでのビッカース硬さが300Hv以下で、前記ビッカース硬さと前記鋼の板厚断面方向に1mm間隔で測定したビッカース硬さの最小値との差の数値が、mmで表記した板厚の1.5倍の数値以下である低降伏比高張力鋼の製造方法であって、鋼成分が質量%で、C:0.01〜0.08%、Si:0.4%以下、Mn:1.0〜2.0%、P:0.02%以下、S:0.01%以下、Nb:0.005〜0.06%、Ti:0.005〜0.025%、Al:0.06%以下、N:0.001〜0.005%、Cu:0〜0.5%、Ni:0〜0.5%、Cr:0〜0.5%、Mo:0〜0.5%、V:0〜0.1%、B:0〜0.003%、かつP CM =C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5Bが0.1〜0.18%、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋳片または鋼片を、1000〜1250℃の温度に加熱し、オーステナイト未再結晶温度域での累積圧下量を30%以上として720℃以上810℃以下の温度で熱間圧延を終了した後、680℃以上780℃以下の温度から開始して170℃以上350℃以下の温度で停止する加速冷却を行うことを特徴とする。
上記低降伏比高張力鋼の製造方法は、前記鋼成分が質量%で、Cu:0.05〜0.5%、Ni:0.05〜0.5%、Cr:0.05〜0.5%、Mo:0.05〜0.5%、V:0.01〜0.1%、B:0.0002〜0.003%、Mg:0.0002〜0.005%の範囲で1種または2種以上をさらに含有する製造方法とすることができる。
上記低降伏比高張力鋼の製造方法は、前記鋼成分が質量%で、Ca:0.0005〜0.004%、REM:0.0005〜0.008%のいずれか1種をさらに含有する製造方法とすることができる。
本発明の低降伏比高張力鋼は、上記のいずれかに記載の低降伏比高張力鋼の製造方法によって製造された低降伏比高張力鋼であって、鋼成分が質量%で、C:0.01〜0.08%、Si:0.4%以下、Mn:1.0〜2.0%、P:0.02%以下、S:0.01%以下、Nb:0.005〜0.06%、Ti:0.005〜0.025%、Al:0.06%以下、N:0.001〜0.005%、Cu:0〜0.5%、Ni:0〜0.5%、Cr:0〜0.5%、Mo:0〜0.5%、V:0〜0.1%、B:0〜0.003%、かつP CM =C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5Bが0.1〜0.18%、残部が鉄および不可避的不純物からなり、板厚方向断面1/4厚位置の鋼組織のポリゴナルまたは擬ポリゴナルフェライトとパーライトの合計分率が50%未満であって、鋼の表面1mm下断面における荷重98Nでのビッカース硬さが300Hv以下で、前記ビッカース硬さと前記鋼の板厚断面方向に1mm間隔で測定したビッカース硬さの最小値との差の数値が、mmで表記した板厚の1.5倍の数値以下、降伏強さ325〜475MPa、引張強さ490〜640MPaであることを特徴とする
上記低降伏比高張力鋼は、前記鋼成分が質量%で、Cu:0.05〜0.5%、Ni:0.05〜0.5%、Cr:0.05〜0.5%、Mo:0.05〜0.5%、V:0.01〜0.1%、B:0.0002〜0.003%、Mg:0.0002〜0.005%の範囲で1種または2種以上をさらに含有することができる。
上記低降伏比高張力鋼は、前記鋼成分が質量%で、Ca:0.0005〜0.004%、REM:0.0005〜0.008%のいずれか1種をさらに含有することができる。
本発明の低降伏比高張力鋼によれば、優れた溶接性、低温靭性と同時に高強度で低降伏比を得ることができる。また、本発明の低降伏比高張力鋼の製造方法によれば、本発明の低降伏比高張力鋼を容易に製造できる。その結果、耐震性に優れた建築構造用、あるいは液体アンモニアとLPGなどとの混載タンク用として好適な溶接性と低温靭性に優れた低降伏比高張力鋼を大量にかつ安価に供給できるようになり、溶接鋼構造物のより一層の安全性向上に寄与できる。特に、本発明の低降伏比高張力鋼を用いることで、混載タンクの船舶への搭載が容易となる。
次に、本願発明について詳細に説明する。
本発明は、優れた溶接性と低温靭性を得るために低降伏比高張力鋼としては画期的に低いC、PCM成分とし、その条件下で強度を確保するためにミクロ組織(鋼組織)を限定するものである。
本発明の低降伏比高張力鋼のミクロ組織は、板厚方向断面1/4厚位置において、ポリゴナルまたは擬ポリゴナルフェライトとパーライトの合計分率が50%未満であることを構成要素の一つとする。このようなミクロ組織は、圧延後比較的高温で変態生成する組織であり、実製造においては圧延後の冷速が比較的の遅い場合に生成する組織である。
なお、ここでの合計分率とは、観察面積に対する面積分率(組織構成比率)を意味する。低降伏比高張力鋼のミクロ組織は、本来、高張力化を担うべきベイナイトやマルテンサイトなどと呼ばれる低温変態生成組織分率で限定すべきである。しかし、特に「ベイナイト」と総称される組織は、一般に多種多様な中間段階変態組織の総称であり、その定義は必ずしも明確ではなく、組織の規定が困難で特許上の組織の規定としては不正確さを伴うと判断される。このため、本発明では、当業者であれば、定義および組織判別上ほとんど問題が生じないと考えられ、組織の特定・識別が明確なポリゴナルまたは擬ボリゴナルフェライトとパーライトの組織分率として限定した。
当該組織が50%以上になると、本願発明のような低C、低PCM成分では安定した50キロ級の高張力化か困難となるため、50%未満に限定した。下限は限定するものではなく、成分や目的とする板厚や強度によっては、O%であっても優れた特性が得られる。なお、組織を本願発明の通り限定することで、多くの場合、引張試験時に明瞭な降伏点が出現せず、低降伏比が容易に得られる。
合計分率を50%未満に抑えるべき組織(ポリゴナルまたは擬ポリゴナルフェライトとパーライト)は、既に述べたように圧延後比較的遅い冷速で生成するため、実製造上、圧延後強制的な加速冷却が必要となる。加速冷却条件を含む製造条件については後述するが、加速冷却を施した場合、必然的に表層は硬化し易くなる。JISなどの規定では、板厚にもよるが、板厚全厚または1/4板厚位置から引張試破片を採取することになっており、その規定の中で所定の強度を満足することは言うまでもないが、本来、板厚断面で均一であることが望ましく、曲げ加工性や穿孔性など各種加工性の観点からも板厚断面方向で強度差が小さいほうが好ましいことは言うまでもない。このため、板厚断面の硬さを以下の通り限定する。
すなわち、鋼の表面1mm下断面における荷重98Nでのビッカース硬さが300Hv以下とする。鋼の表面1mm下断面の硬さ規制は、曲げ加工時の割れ防止の観点からのものである。
また、鋼の表面1mm下断面における荷重98Nでのビッカース硬さと、前記鋼の板厚断面方向に1mm間隔で測定したビッカース硬さの最小値との差の数値が、mmで表記した板厚の1.5倍の数値以下とする。この規制は、上述した加工性やそもそも有すべき鋼材の均一性の観点から限定したもので、mmで表記した板厚の1.5倍以内であれば鋼材の加工性や均一性が使用性能上問題となることはない。
次に、本発明の低降伏比高張力鋼の鋼成分について説明する。
Cは鋼材の特性に最も顕著に効くもので、下限0.01%は強度確保や溶接などの熱影響部が必要以上に軟化することのないようにするための最小量である。しかし、C量が多すぎると焼入性が必要以上に上がり、鋼材が本来有すべき強度、靭性のバランス、溶接性などに悪影響を及ぼすため、さらに、後述する比較的低温で加速冷却を停止する本願発明の製造方法において、板厚断面方向の硬さ、特に表層の硬さを本願発明の限定範囲に抑えるため、上限を0.08%とした。
Siは脱酸上鋼に含まれる元素であるが、多く添加すると溶接性、HAZ靭性が劣化するため、上限を0.4%に限定した。鋼の脱酸はTi、Alのみでも十分可能であり、HAZ靭性、焼入性などの観点から低いほど好ましく、必ずしも添加する必要はない。
Mnは強度、靭性を確保する上で不可欠な元素であり、その下限は1.0%である。しかし、Mn量が多すぎると焼入性が上昇して溶接性、HAZ靭性を劣化させるだけでなく、連続鋳造スラブの中心偏析を助長するので上限を2.0%とした。
Pは本発明鋼においては不純物であり、P量の低減はHAZにおける粒界破壊を減少させる傾向があるため、少ないほど好ましい。含有量が多いと母材、溶接部の低温靭性を劣化させるため上限を0.02%とした。
SはPと同様本発明鋼においては不純物であり、母材の低温靭性の観点からは少ないほど好ましい。含有量が多いと母材、溶接部の低温靭性を劣化させるため上限を0.01%とした。
Nbはオーステナイトの未再結晶温度を上昇させ、熱間圧延時の制御圧延の効果を最大限に発揮するのに加え、溶接や切断時の熱影響部の軟化を防止する上での必須元素で、最低0.005%の添加が必要である。また、焼入れの際の加熱オーステナイトの細粒化にも寄与する。さらに、析出硬化として、強度向上効果も有する。しかし、過剰な添加は、溶接部の靭性劣化を招くため上限を0.06%とした。
Tiは母材およびHAZ靭性向上のために必須である。なぜならばTiは、Al量が少ないとき(例えば0.003%以下)、Oと結合してTi23を主成分とする析出物を形成、粒内変態フェライト生成の核となりHAZ靭性を向上させる。また、TiはNと結合してTiNとしてスラブ中に微細析出し、加熱時のγ粒の粗大化を抑え圧延組織の細粒化に有効であり、また鋼板中に存在する微細TiNは、溶接時にHAZ組織を細粒化するためである。これらの効果を得るためには、Tiは最低0.005%必要である。しかし多すぎるとTiCを形成し、低温靭性や溶接性を劣化させるので、その上限は0.025%である。
Alは、一般に脱酸上鋼に含まれる元素であるが、脱酸はSiまたはTiだけでも十分であり、本発明鋼においては、その下限は限定しない。しかし、Al量が多くなると鋼の清浄度が悪くなるだけでなく、溶接金属の靭性が劣化するので上限を0.06%とした。
Nは、不可避的不純物として鋼中に含まれるものであるが、Nbと結合して炭窒化物を形成して強度を増加させ、また、TiNを形成して前述のように鋼の性質を高める。このため、N量として最低0.001%必要である。しかしながら、N量の増加はHAZ靭性、溶接性にきわめて有害であり、本発明鋼においてはその上限は0.005%である。
次に必要に応じて含有することができるCu、Ni、Cr、Mo、V、B、Mgの添加理由について説明する。
基本となる成分に、さらにこれらの元素を添加する主たる目的は、本発明鋼の優れた特徴を損なうことなく、強度、靭性などの特性を向上させるためである。したがってその添加量は自ずと制限されるべき性質のものである。
CuはNiとほぼ同様の効果、現象を示し、上限の0.5%は溶接性劣化に加え、過剰な添加は熱間圧延時にCu−クラックが発生し製造困難となるため規制される。下限は実質的な効果が得られるための最小量とすべきで0.05%である。これは後述するCr、Moについても同様である。
Niは過剰に添加しなければ、溶接性、HAZ靭性に悪影響を及ぼすことなく母材の強度、靭性を向上させる。これら効果を発揮させるためには、少なくとも0.05%以上の添加が必須である。一方、過剰な添加は高価なだけでなく、溶接性に好ましくない。また、Niを多く添加すると液体アンモニア中で応力腐食割れ(SCC)を誘起する可能性が指摘されている。発明者らの実験によれば、1%までの添加は溶接性や液体アンモニア中でのSCCを大きく劣化させず、強度、靭性向上効果の方が大きいため、上限を1.0%とした。
Cr、Moは、母材の強度、靭性をともに向上させるため、それぞれ0.05%以上必要である。しかし添加量が多すぎると母材、溶接部の靭性および溶接性を劣化を招き、経済性も失するためそれぞれ上限を0.5%とした。
Vは、Nbとほぼ同様の作用を有するものであるが、Nbに比べてその効果は小さい。また、Vは焼入れ性にも影響を及ぼし、上記元素と同様組織制御の観点から添加するものである。Nbと同様の効果は0.01%未満では効果が少なく、上限は0.10%まで許容できる。
Bは、オーステナイト粒界に偏析し、フェライトの生成を抑制することを介して、焼入性を向上させ、強度向上に寄与する。この効果を享受するため、最低0.0002%以上必要である。しかし、多すぎる添加は焼入性向上効果が飽和するだけでなく、靭性上有害となるB析出物を形成する可能性もあるため、上限を0.003%とした。なお、タンク用鋼などとして、応力腐食割れが懸念されるケースでは、母材および溶接熱影響部の硬さの低減がポイントとなることが多く(例えば、硫化物応力腐食割れ(SCC)防止のためにはHRC≦22(HV≦248)が必須とされる)、そのようなケースでは焼入性を増大させるB添加は好ましくない。
Mgは、溶接熱影響部においてオーステナイト粒の成長を抑制し、細粒化する作用があり、溶接部の強靭化が図れる。このような効果を享受するためには、Mgは0.0002%以上必要である。一方、添加量が増えると添加量に対する効果代が小さくなるため、コスト上得策ではないので上限は0.005%とした。
CaおよびREMは、MnSの形態を制御し、母材の低温靭性を向上させるほか、湿潤硫化水素環境下での水素誘起割れ(HIC、SSC、SOHIC)感受性を低減させる。これらの効果を発揮するためには、最低0.0005%必要である。しかし、多すぎる添加は、鋼の清浄度を逆に高め、母材靭性や湿潤硫化水素環境下での水素誘起割れ(HIC、SSC、SOHIC)感受性を高めるため、Caの添加量の上限は0.004%、REMの添加量の上限は0.008%に限定した。CaとREMは、ほぼ同等の効果を有するため、いずれか1種を上記範囲で添加すればよい。
鋼の個々の成分を限定しても、成分系全体が適切でないと優れた特性は得られない。このため、PCMの値を0.10〜0.18%の範囲に限定する。下記式により規定されるPCMは溶接性を表す指標で、低いほど溶接性は良好である。本発明鋼においては、PCMが0.25%以下であれば、優れた溶接性の確保が可能である。下限の0.10%は、広い板厚範囲で安定して強度を確保するための必要量であり、上限の0.18%は、後述する比較的低温で加速冷却を停止しても、強度が過剰となったり、鋼材の表層硬さや板厚断面方向硬さ差が必要以上に大きくならないように限定したものである。
CM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
優れた溶接性と低温靭性を確保しつつ、上述した組織を安定して得るためには、以下に示す通り製造条件を限定することがきわめて有効である。以下、その理由について説明する。
圧延に先立つ加熱温度を1000〜1250℃に限定した理由は、加熱時のオーステナイト粒を小さく保ち、圧延組織の微細化を図るためである。1250℃は加熱時のオーステナイトが極端に粗大化しない上限温度であり、加熱温度がこれを超えるとオーステナイト粒が粗大混粒化し、変態後の組織も粗大化するため鋼の靭性が著しく劣化する。一方、加熱温度が低すぎると、後述する圧延終了温度の確保が困難となるばかりでなく、オーステナイトの未再結晶温度を上昇させ、熱間圧延時の制御圧延の効果を最大限に発揮させたり、析出硬化を発現させるためのNbの溶体化の観点から下限を1000℃に限定した。
上述のような条件で加熱した鋳片または鋼片を、オーステナイト未再結晶温度域での累積圧下量を30%以上とし、720℃以上で熱間圧延を終了した後、680℃以上の温度から加速冷却する。
オーステナイト未再結晶温度域での圧延を行うことによって、オーステナイト粒を顕著に細粒化するため、少なくとも30%以上の累積圧下量が必要である。圧延終了温度が720℃を下回ると、フェライトが変態析出し、フェライトを加工(圧延)する恐れがあり、低降伏比化や低温靭性確保の点で好ましくない。このため、圧延終了温度は、720℃以上に限定する。
720℃以上で熱間圧延を終了した後、加速冷却を行う。放冷すると強度が低下するだけでなく、転移の回復に伴って低降伏比化が困難となる(現象論的には、明瞭な降伏点が出現する)。
680℃以上の温度から加速冷却を開始するのは、変態域の冷速を早めることで組織を微細化し、強度と靭性を同時に向上させるためである。また、組織を微細化することは、C濃縮相であるマルテンサイト−オーステナイト混合相(M−A constituents)が生成する可能性があるが、その場合でも微細に分散生成することになるため、母材靭性への悪影響を抑えることにも寄与する。加速冷却を開始の温度が680℃未満であると、粗大なフェライトが析出し始め、強度低下や靭性を劣化させるため、680℃以上からの加速冷却に限定した。この加速冷却は、350℃以下の温度で停止しなければならない。350℃を超える温度では、加速冷却停止後の放冷が実質上の焼き戻しとなり、強度低下とともに転位の回復に伴って低降伏比化が困難となるからである。
なお、加速冷却時の冷速は、鋼成分や意図する降伏比、低温靭性レベルによっても変わるため一概には言えないが、板厚1/4厚位置の加速冷却開始温度から350℃以下となるまでの平均冷速で、少なくとも3℃/秒以上とすることが望ましい。
また、本発明の低降伏比高張力鋼の製造方法は、加熱・圧延後、加速冷却を施し、焼き戻しを行わない、いわゆる非調質型とするものである。
転炉−連続鋳造−厚板工程で表1および表3に示す種々の鋼成分の鋼板(厚さ15〜80mm)を表2および表4に示す条件で製造し、諸特性について調べた。その結果を表2および表4に示す。
Figure 0004767590
Figure 0004767590
Figure 0004767590
Figure 0004767590
表1〜表4において、上述した好ましい範囲未満または好ましい範囲を越える数値については、下線を付して示した。なお、表2および表4に示す項目における好ましい範囲について以下に示す。
降伏強さ:325〜475MPa(50キロ鋼クラス)
引張強さ:490〜640MPa(50キロ鋼クラス)
降伏比(YR):80%未満
靭性(vTrs):−40℃以下
板厚方向断面1/4厚位置の鋼組織のα+P分率(α=ポリゴナルまたは擬ポリゴナルフェライト、P=パーライト):50%未満
鋼の表面1mm下断面における荷重98Nでのビッカース硬さ:300Hv以下
最小硬さとの差(鋼の表面1mm下断面における荷重98Nでのビッカース硬さと、鋼の板厚断面方向に1mm間隔で測定したビッカース硬さの最小値との差の数値):mmで表記した板厚の1.5倍の数値以下
表1〜表4において、実験例1〜実験例10は、本発明の製造方法によって製造した本発明の鋼板であり、表1および表2に示すように、すべての諸特性が良好であった。
これに対し、表1〜表4において、実験例11〜実験例23は、本発明によらない比較例であり、表1〜表4に示すように、いずれかの特性が劣る結果となった。
より詳細には、実験例11は、C量が高いため表面硬さや最小硬さとの差が大きく、また、γ未再結晶温度域における累積圧下量も小さいために靭性に劣る。
実験例12は、鋼成分としては本願発明範囲内にあるもののPCMが高いため、強度が高く、靭性にも劣る。また、断面の硬さ差も大きい。
実験例13は、鋼成分としてNbが添加されておらず、加速冷却停止温度も高いため、降伏比は高めで強度が低く、靭性にも劣る。
実験例14は、Tiが添加されておらず、プロセス的には圧延温度が低く、それに連動して加速冷却開始温度も低いため、組織が適正でなく降伏比は高めで強度は低く、靭性もやや劣る。
実験例15は、C量が低いため、組織が適正でなく強度が低い。
実験例16は、実験例11と同一でC量が高いため、製造条件は本発明の限定範囲内であるが、鋼の表面1mm下断面におけるビッカース硬さ、最小硬さとの差、靭性に劣る。
実験例17は、本発明の鋼板である実験例4と同一成分であるが、加速冷却開始温度が低いため、板厚方向断面1/4厚位置の鋼組織のα+P分率が大きく、引張強さに劣る。
実験例18は、本発明の鋼板である実験例4と同一成分であるが、加速冷却停止温度が高いため、降伏比が高く、引張強さもやや劣る。

Claims (6)

  1. 板厚方向断面1/4厚位置の鋼組織のポリゴナルまたは擬ポリゴナルフェライトとパーライトの合計分率が50%未満であって、鋼の表面1mm下断面における荷重98Nでのビッカース硬さが300Hv以下で、前記ビッカース硬さと前記鋼の板厚断面方向に1mm間隔で測定したビッカース硬さの最小値との差の数値が、mmで表記した板厚の1.5倍の数値以下である低降伏比高張力鋼の製造方法であって、
    鋼成分が質量%で、
    C:0.01〜0.08%、
    Si:0.4%以下、
    Mn:1.0〜2.0%、
    P:0.02%以下、
    S:0.01%以下、
    Nb:0.005〜0.06%、
    Ti:0.005〜0.025%、
    Al:0.06%以下、
    N:0.001〜0.005%、
    Cu:0〜0.5%、
    Ni:0〜0.5%、
    Cr:0〜0.5%、
    Mo:0〜0.5%、
    V:0〜0.1%、
    B:0〜0.003%、
    かつ
    CM =C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5Bが0.1〜0.18%、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋳片または鋼片を、1000〜1250℃の温度に加熱し、
    オーステナイト未再結晶温度域での累積圧下量を30%以上として720℃以上810℃以下の温度で熱間圧延を終了した後、
    680℃以上780℃以下の温度から開始して170℃以上350℃以下の温度で停止する加速冷却を行うことを特徴とする低降伏比高張力鋼の製造方法。
  2. 前記鋼成分が質量%で、
    Cu:0.05〜0.5%、
    Ni:0.05〜0.5%、
    Cr:0.05〜0.5%、
    Mo:0.05〜0.5%、
    V:0.01〜0.1%、
    B:0.0002〜0.003%、
    Mg:0.0002〜0.005%の範囲で1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の低降伏比高張力鋼の製造方法。
  3. 前記鋼成分が質量%で、
    Ca:0.0005〜0.004%、
    REM:0.0005〜0.008%のいずれか1種をさらに含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の低降伏比高張力鋼の製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の低降伏比高張力鋼の製造方法によって製造された低降伏比高張力鋼であって、
    鋼成分が質量%で、
    C:0.01〜0.08%、
    Si:0.4%以下、
    Mn:1.0〜2.0%、
    P:0.02%以下、
    S:0.01%以下、
    Nb:0.005〜0.06%、
    Ti:0.005〜0.025%、
    Al:0.06%以下、
    N:0.001〜0.005%、
    Cu:0〜0.5%、
    Ni:0〜0.5%、
    Cr:0〜0.5%、
    Mo:0〜0.5%、
    V:0〜0.1%、
    B:0〜0.003%、
    かつ
    CM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5Bが0.1〜0.18%、残部が鉄および不可避的不純物からなり、
    板厚方向断面1/4厚位置の鋼組織のポリゴナルまたは擬ポリゴナルフェライトとパーライトの合計分率が50%未満であって、
    鋼の表面1mm下断面における荷重98Nでのビッカース硬さが300Hv以下で、
    前記ビッカース硬さと前記鋼の板厚断面方向に1mm間隔で測定したビッカース硬さの最小値との差の数値が、mmで表記した板厚の1.5倍の数値以下、降伏強さ325〜475MPa、引張強さ490〜640MPaであることを特徴とする低降伏比高張力鋼。
  5. 前記鋼成分が質量%で、
    Cu:0.05〜0.5%、
    Ni:0.05〜0.5%、
    Cr:0.05〜0.5%、
    Mo:0.05〜0.5%、
    V:0.01〜0.1%、
    B:0.0002〜0.003%、
    Mg:0.0002〜0.005%の範囲で1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項4に記載の低降伏比高張力鋼。
  6. 前記鋼成分が質量%で、
    Ca:0.0005〜0.004%、
    REM:0.0005〜0.008%のいずれか1種をさらに含有することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の低降伏比高張力鋼。
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