JP4766461B2 - ポリエステルまたはその共重合体の製造法 - Google Patents

ポリエステルまたはその共重合体の製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続式のポリエステルまたはその共重合体の製造法、特に最終の重縮合反応工程の反応性を向上させ、高重合度および高品質のポリマを工業的に有利に得ることができるポリエステルまたはその共重合体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルまたはその共重合体は、機械的性質、成形加工性、耐熱性、耐薬品性、柔軟性、屈曲疲労性などの性能バランスが優れることから、機械部品、自動車部品、電気・電子部品等の成形樹脂として、さらに、繊維、フィルムをはじめ、一般消費材にまで至る幅広い用途に使用されている。
【0003】
このポリエステルまたはその共重合体の製造法は、従来から、ジカルボン酸とジオールを先ずエステル化反応せしめ、次いで重縮合反応せしめる直接重合法とジカルボン酸ジアルキルエステルとジオールを先ずエステル交換反応せしめ、次いで重縮合反応せしめるエステル交換重合法の二つに大別されるが、両者とも最終的に重縮合反応を経て所望の高粘度ポリエステルまたはその共重合体を工業的に有利に製造することが共通する課題となっている。
【0004】
一般的に、このポリマ高粘度化ための重縮合反応方法には、大別して連続式と回分式(バッチ式)とがあるが、このうち連続式の横型撹拌重縮合反応装置は、ケーシングの長手方向の一方側に設けた入口からプレポリマが供給され、プレポリマは減圧下に重合度を高めながら他方の出口側まで流動していき、所望の重合度に高められた後に出口から吐出されるように構成されている(特公昭47−27179号公報、実公昭51−45559号公報、実公昭54−5805号公報、特公昭61−59173号公報、特公昭62−50179号公報など参照)。
【0005】
このような連続式の横型撹拌重縮合反応装置の例を図4に示すが、プレポリマは2本の撹拌軸4を有し、かつ、円板型多段状構成の撹拌翼5および槽上部の真空排気口3が装備された反応槽内に供給口1から送液し、最終の重縮合反応を行って高粘度化されたポリマ製品を吐出口2から得るものである。
【0006】
また、図4における反応槽内の断面形状は図5のように撹拌翼5の回転軌跡に添った形状となっている。
【0007】
従って、かかる連続式では入口から出口に進行する位置によって重合度が変わる特徴を持っている。これらの連続式の横型撹拌重縮合反応装置においては、均一な剪断・撹拌機能と併せて循環或いは一方向への送液機能、撹拌翼相互間の掻き取り機能(セルフクリーニング機能)、更には高い重合反応性を得るため高度の液表面更新機能が要求されるが、従来の横型撹拌重縮合反応装置ではこれらの機能を同時に満足させ得るものはなかった。
【0008】
また特に芳香族ジカルボン酸、1,4−ブタンジオール、ポリアルキレンエーテルグリコールから構成される共重合体の製造においては、通常のポリエステルに比べ重合反応性が低いにもかかわらず耐久性能や成形性の面で高い重合度のポリマが要請されており、またポリアルキレンエーテルグリコールの比率が異なる多種の品種を連続式で作り分けるには反応槽内のポリマの流動につきよりピストンフロー性を高める必要があり、上記の既存技術では満足できるものではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
連続式重縮合反応にてポリマ高粘度化を達成するためには、従来の横型撹拌重縮合反応装置では不十分であり、重縮合反応条件面の改善のみでは限度があった。特に高重合度でかつ末端カルボキシル基濃度の低いポリマを得ることは困難であった。
【0010】
そこで本発明は、連続式重縮合法で、高重合度かつ高品質のポリエステルまたはその共重体が得られる製造法を提供することを目的とする。
【0011】
また本発明のもう一つの課題はピストンフロー性に優れ品種切り替えの容易な連続式重縮合法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を達成するために、横型2軸撹拌重縮合反応装置の機能面とポリマ高粘度化の重縮合反応性に注目して鋭意検討した結果、特徴的な撹拌翼形状を持つ横型2軸撹拌重縮合反応装置を適切な条件下で運転することで、所望とするポリマの高粘度化を達成し、かつ末端カルボキシル基濃度の低いポリマが得られる等ポリマ品質も顕著に向上することを見出し本発明に到達した。
【0013】
即ち本発明は、芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸ジアルキルエステルを主とするジカルボン酸成分と1,4−ブタンジオールを主とするジオール成分および全ポリマに対し、0〜90重量%の数平均分子量600〜4000のポリアルキレンエーテルグリコールとから有機チタン化合物の存在下でエステル化反応またはエステル交換反応し、次いで予備重縮合反応した後、最終の重縮合反応を行ってポリエステルまたはその共重合体を連続式で製造するに際し、最終の重縮合反応を撹拌翼の外周端が描く軌跡に合わせた底部をもつケーシングの長手方向両側壁に、平行2軸を横架し、この2軸に各々多段状の撹拌翼が互いに組み込まれるように取り付けてあり、該撹拌翼が2軸間で互いに下方から噛み込むように異方向回転させるとともに、これらの撹拌翼を円板を切欠いた複数枚の厚肉状羽根で構成し、かつ、これらの厚肉状羽根の断面形状が平行四辺形である横型2軸撹拌重縮合反応装置にて完結させることを特徴とするポリエステルまたはその共重合体の製造法である。
【0014】
また、横型2軸撹拌重縮合反応装置は、横型2軸の一方の軸に装着した撹拌翼の羽根枚数を2枚以上とし、他方の軸に装着した撹拌翼の羽根枚数を、一方の軸に装着した撹拌翼の羽根枚数の整数倍とするとともに、横型2軸の相対回転比を前記撹拌翼の羽根数比の逆数であること、さらに、横型2軸に各々装着した撹拌翼の羽根の傾斜面の向きを同方向とし、かつ、各々装着した多段状の撹拌翼外周を連結する掻き取り棒(スクレーパ)を配置してあること、また、本反応装置における反応槽内の反応液静止液面レベルの上限は、撹拌翼の回転2軸位置以下に保持しながら最終の重縮合反応を完結させることが本発明の好ましい態様である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
まず、本発明において最終の重縮合反応に用いられる連続式の横型2軸撹拌重縮合反応装置の好ましい構造について述べる。
本反応装置の基本的な全体構造を図1に示す。反応装置全体は、通常、ジャケットから熱媒により必要な温度にまで加熱でき、また冷却することが可能であり、一般的には高真空条件下にて運転される。
【0017】
図1において、エステル化反応またはエステル交換反応し、次いで予備重縮合反応した後のプレポリマ原料は、2本の撹拌軸4を有し、かつ、円板を切欠いた断面形状が平行四辺形の厚肉状羽根で構成された多段状の撹拌翼5および反応副生成物,揮発成物を槽上部から排気するための真空排気口3が装備された反応槽内に供給口1から送液して最終の重縮合反応を行い、高粘度化されたポリマ製品を吐出口2から得るものである。
【0018】
図1における反応槽内の断面形状は図2に示す逆ハート型となっており、液相部となる下半分は掻き取り棒(スクレーパ)6を付けた多段状の撹拌翼5(2本の撹拌軸4)の回転軌跡に添った形状、上半分は半円形としカマボコ状の気相部となっている。
【0019】
また、図1における反応槽内部の図3に示す多段状の撹拌翼5の構造体は、水平に設置した2本の平行な撹拌軸4と各々に取り付けられた花びら状特殊形状翼(円板を切欠いた複数枚の厚肉状羽根で構成し、これらの厚肉状羽根の断面形状が平行四辺形)および翼外周端を接続する掻き取り棒(スクレーパ)6が構成しており、槽内循環流を発生させ得るものである。
【0020】
このような特徴を有する横型2軸撹拌重縮合反応装置として、本発明で使用する具体的な反応装置は、特開平3−151033号公報に記載されている住友重機械工業(株)社製の“バイボラック”が混合性能,表面更新性,セルフクリーニング性,流動性等の基本性能が優れており好ましく挙げられる。
【0021】
次に、本発明の横型2軸撹拌重縮合反応装置における最終の重縮合反応は、反応中、槽内の反応液静止液面レベルの上限を撹拌翼の回転2軸位置以下に保持しながら反応を進めることが、ポリマ高重合度化のために極めて有効である。槽内の反応液静止液面レベルの上限が撹拌翼の回転2軸位置以上になると槽内の気相部が小さくなり、結果的に反応液全体の表面更新性が低下して所望の高重合度ポリマを得るには不利となる傾向にある。
【0022】
本発明の芳香族ジカルボン酸成分とは、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸等、あるいは、これら芳香族ジカルボン酸のジアルキルエステルが挙げられる。これらのうち、特にテレフタル酸成分、イソフタル酸成分が好ましく使われ、テレフタル酸成分単一で、またはテレフタル酸成分とイソフタル酸成分を混合して、あるいはテレフタル酸成分と他の芳香族ジカルボン酸成分1種または2種以上を混合して用いられる。
【0023】
また、他のジカルボン酸成分として脂肪族ジカルボン酸成分を芳香族ジカルボン酸成分と併用することもできる。脂肪族ジカルボン酸成分とは、C2〜C36の脂肪族ジカルボン酸であり、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、ダイマー酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等、あるいは、これら脂肪族ジカルボン酸のジアルキルエステルが挙げられる。これらのうち、特にドデカンジカルボン酸成分、ダイマー酸成分が好ましく使われる。れらは単一で、または他の脂肪族ジカルボン酸成分1種以上を混合し、芳香族ジカルボン酸成分と併用して使われる。この際、脂肪族ジカルボン酸成分の添加量は、全酸分に対して上限40モル%まで添加できるが、40モル%以上の添加量になるとポリマ融点の低下幅が大きくなり、成形性とか耐熱性等の実用性能面が劣るので好ましくない。
【0024】
また、ジオール成分は1,4−ブタンジオールを主に使用するが、他のジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ペンタメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロールなどの脂環式ジオール等が挙げられ、特にプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく使われる。これらは1,4−ブタンジオールと1種以上を混合し、全ジオール成分の30モル%以下で用いることもできる。
【0025】
また、ポリエーテルエステルブロック共重合体を製造するに際しては、数平均分子量600〜4000のポリアルキレンエーテルグリコールを用いる。ポリアルキレンエーテルグリコールとは、脂肪族ポリエーテルであり、例えば、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体などが挙げられ、特にポリエステルエーテルブロック共重合体の弾性特性からポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物が好ましい。これらは単一で、または他の脂肪族ポリエーテル1種以上を混合して用いることが可能である。これらの分子量は、600〜4000の範囲であり、好ましくは800〜3000の範囲である。600以下だと弾性特性等のエラストマとしての特性が不十分になり、また、4000以上になるとポリマの相溶性が悪化して高性能のエラストマが得られない。これらのポリアルキレンエーテルグリコールの添加量は、全ポリマに対して上限90重量%であり、好ましくは、樹脂としての物性および成形性等のバランスの点から、上限85重量%である。90重量%以上になると、エラストマ樹脂としての耐久性および耐熱性等の物性が低下し、成形性も劣るようになる。
【0026】
このポリアルキレンエーテルグリコールはその全量または一部をエステル化反応またはエステル交換反応の開始前または途中に添加してもよく、また、全量もしくはエステル化反応またはエステル交換反応で添加した以外の残部をエステル化反応またはエステル交換反応が実質的に終了した後に、重縮合反応開始前または途中に添加してもよい。
【0027】
本発明のエステル化反応時またはエステル交換反応時に存在させる有機チタン化合物の例としては、
(R1O)nTi(OR2)4-n
(ただし、R1,R2は炭素数1〜10の脂肪族、脂環族または芳香族の炭化水素基、nは0〜4の数字(小数を含む)である)で表されるチタン酸エステルおよび縮合物である。
具体的には、チタン酸のメチルエステル、テトラ−n−プロピルエステル、テトラ−n−ブチルエステル、テトライソプロピルエステル、テトライソブチルエステル、テトラ-tert−ブチルエステル、シクロヘキシルエステル、フェニルエステル、ベンジルエステル、トリルエステル、あるいはこれらの混合エステルなどがある。これらのうちでもテトラ−n−プロピルエステル、テトラ−n−ブチルエステル、テトライソプロピルエステルが好ましく、特にテトラ−n−ブチルエステルが好ましく用いられる。これらの有機チタン化合物は一種でもよく、二種以上を併用することもできる。
【0028】
この有機チタン化合物の添加量は、通常、生成ポリマ量に対して0.005〜1重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%の範囲である。
有機チタン化合物の添加時期としては、エステル化反応前またはエステル交換反応の開始前に一括または分割添加してもよく、必要に応じ重縮合反応触媒として、エステル化反応またはエステル交換反応の終了以降、重縮合反応前に分割添加することもできる。
【0029】
さらに、本発明において、エステル化反応性またはエステル交換反応性を更に高め、かつTHFの副生を一層抑制するために、モノアルキルスズ化合物,モノアリールスズ化合物,ジアルキルスズ化合物,ジアリールスズ化合物,トリアルキルスズ化合物,トリアリールスズ化合物,テトラアルキルスズ化合物などの有機スズ化合物を前記有機チタン化合物と併用添加することもできる。これらのうちで特にモノアルキルスズ化合物が好ましい。これら有機スズ化合物の添加量は、生成ポリマ量に対して0.005〜0.1wt%程度が好ましい範囲である。
【0030】
また、本発明において、最終の重縮合反応を良好に進めるために、ヒンダードフェノール系安定剤あるいはアミド基含有ヒンダードフェノール系安定剤を重縮合反応開始前または途中で添加することが有効である。これら安定剤の添加量は、生成ポリマ量に対して0.02〜0.6wt%程度が好ましい範囲である。
【0031】
本発明は連続式にて、エステル化反応またはエステル交換反応の後、予備重縮合反応を行い、最終の重縮合反応を本発明の横型2軸撹拌重縮合反応装置を適用する。最終の重縮合反応においては、反応温度を230〜270℃、減圧度を7×102Pa以下、水平回転2軸の撹拌を5〜50rpmにて行うことが反応を良好に進めるために好ましい。
【0032】
【実施例】
以下に実施例によって本発明を具体的に説明する。なお、本例中、部とは重量部を意味し、また最終の重縮合反応で得られたポリマの溶融粘度(MFR)、溶液ヘイズ、カルボキシル末端基量および融点は次の方法にて求めた。
[溶融粘度(MFR)]
ASTM D1238に従い、荷重2160gで所定温度にて測定した。
[溶液ヘイズ]
試料5.4gをフェノール/四塩化エタン(60/40wt%)の混合溶媒40mlに加熱溶解し、この溶液を20mmセルに入れて直読ヘイズコンピューター(スガ試験機HGM-30DP)で測定した値。
[カルボキシル末端基量]
サンプル1.5gをO−クレゾール・クロロホルム混合溶媒50mlに加熱溶解し、N/25エタノール性水酸化ナトリウム溶液で滴定した。
[融点]
差動走査熱量計(Du Pont社製DSC−910型)を使い、窒素ガス雰囲気下、10℃/分の昇温速度で加熱したときの融解ピークの頂上温度を測定した。
<実施例1>
テレフタル酸90部、1,4−ブタンジオール93部(テレフタル酸に対し1.8モル比)をテトラブチルチタネート0.06部とともに均一に調製したスラリー状液を補充しながら、撹拌翼を備えた第1エステル化反応槽(槽内温度210℃,槽内減圧度800×102Paに保持)へ連続的に供給し、反応生成水と副生THFを精留塔を通じて系外に留去させて反応を進めた。次に、第1エステル化反応槽の生成物を抜き出し、撹拌翼を備えた第2エステル化反応槽(槽内温度225℃,槽内減圧度600×102Paに保持)へ連続的に供給し、反応生成水と副生THFを精留塔を通じて系外に留去させて反応を進めた。第1エステル化反応槽および第2エステル化反応槽の液量/液滞留時間を2.5L/2時間30分になるように、上記スラリー原料の供給速度およびエステル化生成物の抜き出し速度を調節しつつ、上記のスラリー原料を供給開始してから18時間後に連続エステル化反応工程が定常状態になった。
次に、数平均分子量約2000のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール189部、テトラブチルチタネート0.6部および”イルガノックス”1098(チバガイギー社製ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤)0.3部の混合液を補充調製しながら、第2エステル化反応槽から抜き出した生成物とともに、槽内温度240℃,槽内減圧度20×102Paに保持した予備重縮合反応槽へ連続的に供給して反応を進めた。さらに、予備重縮合反応槽から抜き出したプレポリマを、槽内温度245℃,撹拌回転数30rpm,槽内減圧度2×102Pa以下に保持した最終の重縮合反応装置である住友重機械工業(株)社製の“バイボラック”へ連続的に供給して反応を進めた後、“バイボラック”からストランド状で連続的に吐出した溶融ポリマを水冷固化し、カッターにてカッティング後、ペレットとした。予備重縮合反応槽の液量/液滞留時間を2L/1時間30分、および“バイボラック”槽内の液量を2L(反応液静止液面は撹拌2軸位置より約2cm下)、液滞留時間を1時間30分になるように、エステル化反応生成物とポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール原料の供給速度および溶融ポリマの抜き出し速度を調節し、第2エステル化反応槽の生成物を予備重縮合反応槽に供給開始してから12時間後に連続重縮合反応工程が定常状態に達し、表1に示した品質のポリマを得た。
<実施例2>
最終重縮合反応装置である住友重機械工業(株)社製の “バイボラック”槽内の液量を3L(反応液静止液面は撹拌2軸位置より約2cm上)、液滞留時間を2時間15分になるように変更した以外は実施例1と同条件にて最終の重縮合反応まで連続反応を実施し、表1に示したポリマ品質の結果を得た。
<実施例3>
テレフタル酸148部、1,4−ブタンジオール136部(テレフタル酸に対し1.7モル比)を、テトラブチルチタネート0.07部、ブチルヒドロキシスズオキサイド0.05部とともに均一に調製したスラリー状液、および数平均分子量約1000のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール60部の混合液を補充調製しながら、撹拌翼を備えた第1エステル化反応槽(槽内温度210℃,槽内減圧度800×102Paに保持)へ連続的に供給し、反応生成水と副生THFを精留塔を通じて系外に留去させて反応を進めた。次に、第1エステル化反応槽の生成物を抜き出し、撹拌翼を備えた第2エステル化反応槽(槽内温度225℃,槽内減圧度600×102Paに保持)へ連続的に供給し、反応生成水と副生THFを精留塔を通じて系外に留去させて反応を進めた。第1エステル化反応槽および第2エステル化反応槽の液量/液滞留時間を3L/2時間30分になるように、上記スラリー原料の供給速度およびエステル化生成物の抜き出し速度を調節しつつ、上記のスラリー原料を供給開始してから18時間後に連続エステル化反応工程が定常状態になった。
【0033】
次に、テトラブチルチタネート0.4部、”イルガノックス”1098(チバガイギー社製ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤)0.25部および1,4−ブタンジオール8部のスラリー状液を補充調製しながら、第2エステル化反応槽から抜き出した生成物とともに、槽内温度240℃,槽内減圧度20×102Paに保持した予備重縮合反応槽へ連続的に供給して反応を進めた。さらに、予備重縮合反応槽から抜き出したプレポリマを、槽内温度250℃,撹拌回転数20rpm,槽内減圧度2×102Pa以下に保持した最終の重縮合反応装置である住友重機械工業(株)社製の“バイボラック”へ連続的に供給して反応を進めた後、“バイボラック”からストランド状で連続的に吐出した溶融ポリマを水冷固化し、カッターにてカッティング後、ペレットとした。予備重縮合反応槽の液量/液滞留時間を3L/2時間、“バイボラック”槽内の液量を2L(反応液静止液面は撹拌2軸位置より約2cm下)、液滞留時間を1時間30分になるように、エステル化反応生成物の供給速度および溶融ポリマの抜き出し速度を調節し、第2エステル化反応槽の生成物を予備重縮合反応槽に供給開始してから15時間後に連続重縮合反応工程が定常状態に達し、表1に示した品質のポリマを得た。
<比較例1>
最終の重縮合反応装置を図4,図5に示した円板型多段状構造の撹拌翼を有する横型2軸撹拌重縮合反応装置に変更した以外は実施例2と同条件にて最終の重縮合反応まで連続反応を実施し、表1に示したポリマ品質の結果を得た。
【0034】
【表1】
Figure 0004766461
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明はポリエステルまたはその共重体の連続式製造法の最終重縮合反応の反応性を良好に向上できることから、結果として高粘度・高品質のポリマを有利に得ることができる。本発明の反応性向上効果はポリエーテルエステルブロック共重合体においてとりわけ大であり、該共重合体の製造に特に有利である。また重縮合反応性が極めて高いため、所望の重合度が得られる範囲で有機チタン化合物の添加量を減少させることで、ポリマの末端カルボキシル基濃度をより低下させたりポリマの耐熱性を向上させたりすることができる。
【0036】
また本発明の最終重合機はポリマ流れのピストンフロー性が高く流れ方向の拡散混合が従来反応機より小さいため、品種切り替えを短時間で行うことができ、経済的効果も大となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における好適な横型2軸撹拌重縮合反応装置の全体図
【図2】本発明における好適な横型2軸撹拌重縮合反応装置の断面構造
【図3】本発明における好適な横型2軸撹拌重縮合反応装置の撹拌部の構造
【図4】従来の横型2軸撹拌重縮合反応装置の全体図
【図5】従来の横型2軸撹拌重縮合反応装置の断面構造
【符号の説明】
1.プレポリマ原料供給口
2.ポリマ製品吐出口
3.真空排気口
4.撹拌2軸
5.撹拌翼
6.掻き取り棒(スクレーパ)

Claims (4)

  1. 芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸ジアルキルエステルを主とするジカルボン酸成分と1,4−ブタンジオールを主とするジオール成分および全ポリマに対し、0〜90重量%の数平均分子量600〜4000のポリアルキレンエーテルグリコールとか
    ら有機チタン化合物の存在下でエステル化反応またはエステル交換反応し、次いで予備重縮合反応した後、最終の重縮合反応を行ってポリエステルまたはその共重合体を連続式で製造するに際し、最終の重縮合反応を撹拌翼の外周端が描く軌跡に合わせた底部をもつケーシングの長手方向両側壁に、平行2軸を横架し、この2軸に各々多段状の撹拌翼が互いに組み込まれるように取り付けてあり、該撹拌翼が2軸間で互いに下方から噛み込むように異方向回転させるとともに、これらの撹拌翼を円板を切欠いた複数枚の厚肉状羽根で構成し、かつ、これらの厚肉状羽根の断面形状が平行四辺形である横型2軸撹拌重縮合反応装置にて完結させることを特徴とするポリエステルまたはその共重合体の製造法。
  2. 横型2軸の一方の軸に装着した撹拌翼の羽根枚数を2枚以上とし、他方の軸に装着した撹拌翼の羽根枚数を、一方の軸に装着した撹拌翼の羽根枚数の整数倍とするとともに、横型2軸の相対回転比を前記撹拌翼の羽根数比の逆数とした横型2軸撹拌重縮合反応装置であることを特徴とする請求項1記載のポリエステルまたはその共重合体の製造法。
  3. 横型2軸に各々装着した撹拌翼の羽根の傾斜面の向きを同方向とし、かつ、各々装着した多段状の撹拌翼外周を連結する掻き取り棒を配置した横型2軸撹拌重縮合反応装置であることを特徴とする請求項1または2記載のポリエステルまたはその共重合体の製造法。
  4. 横型2軸撹拌重縮合反応装置における反応槽内の反応液静止液面レベルの上限は、撹拌翼の回転2軸位置以下に保持しながら最終の重縮合反応を完結させることを特徴とする請求項1または2または3記載のポリエステルまたはその共重合体の製造法。
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