JP4766137B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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本発明は、アンテナ装置に関し、特に、複数のアンテナ共振点を有する複共振アンテナの構造に関するものである。
携帯電話等の無線通信機器に内蔵される表面実装型アンテナの一つとして複共振アンテナが注目されている(例えば、特許文献1参照)。複共振アンテナは、誘電体基体上に複数の放射導体が形成され、各放射導体の給電点が共通且つ共振周波数が異なるように構成されたものであり、例えば2つの放射導体の一方をGPS用アンテナ、他方を無線LAN用アンテナとして使用できる。また、周波数帯域の一部分が重なり合うように2つの共振周波数を僅かにずらして共振周波数の広帯域化を図ることも可能である。
また、特許文献2には、誘電体からなるL字状の基体に、第1の放射電極、第1の接続電極および給電電極からなる逆Fアンテナと、第2の放射電極および第2の接続電極からなるマイクロストリップアンテナを形成し、マイクロストリップアンテナの第2の放射電極の開放端を逆Fアンテナの給電電極に近接させ、第1および第2の放射電極の開放端と接地端を結ぶ線を略90度で交差するように配置させたアンテナ装置が開示されている。このアンテナ装置によれば、アンテナの最大面積が非常に大きくなるが、2つのアンテナの放射効率を維持できる。
また、特許文献3には、誘電体基体に低側の給電放射電極と高側の給電放射電極を設けたアンテナ構造が開示されている。このアンテナ構造では、低側の給電放射電極において、給電部は直接又はキャパシタンス部を介して無線通信用回路に接続される。給電部の両側の少なくとも一方側の電極端縁部分は、インダクタンス部を有するリアクタンス回路を介してグランド電極に接地される。高側の給電放射電極において、給電部はインダクタンス部を介して無線通信用回路に接続される。また、給電部の両側の少なくとも一方側の電極端縁部分はショート電極によって直接的にグランド電極に接地される。このアンテナ構造によれば、複数の周波数帯での無線通信に容易に対応でき、しかも、満足なアンテナ整合条件を得ることができる。
特許第4044302号公報 特開平11−312923号公報 特開平2008−205991号公報
一般に、アンテナ素子を構成する放射導体の長さは共振波長によって定まり、共振波長が低いほど放射導体の長さは長くなるが、高誘電率の基体を用いて波長短縮効果を高めた場合には、放射導体の長さを短くできる。したがって、複共振アンテナにおいても、基体の誘電率を高くすることで低域側アンテナの放射導体の長さを短くでき、これにより複共振アンテナ全体の小型化を図ることができる。
しかしながら、複共振アンテナは、相対的に低い共振周波数で動作する低域側アンテナと、それよりも高い共振周波数で動作する高域側アンテナを共通の基体上に形成するものであり、共通の基体上に低域側アンテナのみならず高域側アンテナも形成されるため、単に高誘電率の基体を用いると、高域側アンテナの放射導体が極端に小さくなってしまうという問題がある。そのため、高域側アンテナの放射効率が大きく低下するという問題がある。
上記特許文献2に記載された従来のアンテナ装置によれば、2つのアンテナの放射効率を維持できるが、アンテナの最大面積が非常に大きくなるという問題がある。また、特許文献3に記載された従来のアンテナ構造によれば、複数の周波数帯での無線通信に対応できるが、基板のエッジ側に設けられた低側の放射電極が基板の内側に設けられた高側の放射電極の放射を阻害してしまい、高側の放射電極の放射効率が低下している可能性がある。
本発明は上記課題を解決するものであり、本発明の目的は、高域側アンテナの良好な放射効率を維持しながら、低域側アンテナの小型化を図ることが可能な複共振型のアンテナ装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によるアンテナ装置は、アンテナ素子と、アンテナ素子が実装されたプリント基板とを備え、アンテナ素子は、略直方体状の誘電体からなる基体と、基体の少なくとも上面に形成された第1の共振周波数で共振する第1の放射導体と、第1の放射導体と共に基体の少なくとも上面に形成された第1の共振周波数よりも高い第2の共振周波数で共振する第2の放射導体とを備え、基体は、第1の放射導体の下方に設けられ、基体の底面から第1の高さhを有する第1の空洞部と、第2の放射導体の下方に設けられ、基体の底面から第1の高さhよりも高い第2の高さhを有する第2の空洞部とを有し、第1及び第2の放射導体は、互いに平行な帯状パターンであって基体の長手方向に沿って設けられており、第1及び第2の放射導体の一端は前記プリント基板に設けられた給電ラインに接続され、第1及び第2の放射導体の他端は開放端とされ、当該開放端はいずれも基体の稜線位置において終端していることを特徴とする。
本発明によれば、基体が第1の空洞部と第2の空洞部とを備え、第1の空洞部の上方に共振周波数の低い側のアンテナ素子ANT1を形成し、第2の空洞部の上方に共振周波数の高い側のアンテナ素子ANT2を形成しているので、共振周波数の高い側のアンテナ素子ANT2が小さくなりすぎてしまい、放射特性が大幅に低下するという問題を解決できる。すなわち、小型で放射特性に優れた複共振アンテナを実現することができる。
アンテナ素子が実装されるアンテナ実装領域は、プリント基板のエッジに接して設けられており、第1の放射導体はプリント基板のエッジに近い側に位置し、第2の放射導体はプリント基板のエッジから遠い側に位置することが好ましい。この構成によれば、基体の下部に空洞部を設けているため、第2の放射導体から放射された電波の経路が、基体により阻害されにくくなる。そのため、エッジから遠い側の第2の放射導体についての放射効率を向上させることができる。
本発明において、前記アンテナ素子の基体は、当該基体の長手方向の両端にそれぞれ設けられた第1及び第2の足部を有し、第1及び第2の放射導体の開放端側に位置する第1の足部の幅Sがλg/20以上(λgは前記第2の共振周波数の実効波長)であることが好ましい。第1及び第2の放射導体の先端からほぼλg/20の位置に電界が集中するが、第1の足部の幅がλg/20以上であれば、第1及び第2の放射導体の先端部の直下において誘電体をある程度残すことができ、グランドに接続される端子電極と放射導体との間に容量を持たせることができるので、アンテナ素子の小型化が可能となる。
本発明において、前記アンテナ素子の基体は、当該基体の長手方向の両端にそれぞれ設けられた第1及び第2の足部を有し、第1及び第2の放射導体の給電側に位置する第2の足部の幅Sが前記第1の高さh以上前記第2の高さh以下であることが好ましい。第1及び第2の放射導体が基体の側面から上面にかけて直角に折れ曲がるときに誘電体の厚みが極端に変わってしまうと、折れ曲がり位置で電流の反射が生じてしまい、アンテナ特性が低下してしまう可能性がある。しかし、第2の足部の幅Sをh以上h以下に範囲に収めれば、良好なアンテナ特性を得ることができる。
本発明によれば、共振周波数の高い側で動作するアンテナ素子の放射効率を維持しながら、共振周波数の低い側で動作するアンテナ素子の小型化を図ることができ、これによりアンテナ素子全体の小型化が図られた複共振型のアンテナ装置を提供できる。
本発明の第1の実施形態によるアンテナ装置100の構造を示す略斜視図である。 図1に示したアンテナ素子10の略展開図である。 図2のA−A'線に沿ったアンテナ素子10の略断面図である。 (a)はプリント基板20の表面のレイアウトであり、(b)はプリント基板20の裏面のレイアウトである。 第1及び第2の放射導体12,13からの電波の放射経路を示す模式図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態によるアンテナ装置100の構造を示す略斜視図である。また、図2は、図1に示したアンテナ素子10の略展開図である。
図1に示すように、本実施形態によるアンテナ装置100は、アンテナ素子10と、アンテナ素子10が実装されたプリント基板20とを備え、アンテナ素子10はプリント基板20の一方の主面(表面)に設けられたアンテナ実装領域内に実装されている。
図1及び図2に示すように、アンテナ素子10は複共振アンテナであって、誘電体からなる基体11と、基体11に形成された複数の導体パターンによって構成されている。基体11は、Y方向を長手方向、X方向を幅方向、Z方向を高さ方向とする略直方体状を有している。このうち、基体11の上面11a、底面11b及び2つの側面11c,11dはY方向と平行な面であり、側面11e,11fはY方向と直交する面であり、底面11bはプリント基板20に対する搭載面である。なお、アンテナ素子10の上下方向はプリント基板20の表面を基準面にして定義される。
基体11の材料としては、特に限定されるものではないが、Ba−Nd−Ti系材料(比誘電率80〜120)、Nd−Al−Ca−Ti系材料(比誘電率43〜46)、Li−Al−Sr−Ti(比誘電率38〜41)、Ba−Ti系材料(比誘電率34〜36)、Ba−Mg−W系材料(比誘電率20〜22)、Mg−Ca−Ti系材料(比誘電率19〜21)、サファイヤ(比誘電率9〜10)、アルミナセラミックス(比誘電率9〜10)、コージライトセラミックス(比誘電率4〜6)などを用いることができる。基体11は、型枠を用いてこれらの材料粉を焼成することによって作製される。
誘電体材料は、目的とする周波数に応じて適宜選択すればよい。比誘電率εが大きくなるほど大きな波長短縮効果が得られるので、放射導体の長さをより短くできるが、放射効率が低下するため、必ずしも比誘電率εが大きければよいというわけではなく、適切な値が存在する。したがって、例えば、目的とする周波数が2.4GHzである場合、比誘電率εが5〜40程度の材料を用いることが好ましい。これによれば、十分な放射効率を確保しつつ基体の小型化を図ることができる。比誘電率εが5〜40程度である材料としては、Mg−Ca−Ti系誘電体セラミックを好ましく挙げることができる。Mg−Ca−Ti系誘電体セラミックとしては、TiO、MgO、CaO、MnO、SiOを含有するMg−Ca−Ti系誘電体セラミックを用いることが特に好ましい。
図2に示すように、アンテナ素子10の導体パターンは、基体11の側面11eから上面11aにかけて形成された第1及び第2の放射導体12,13と、基体11の底面11bに形成された端子電極14〜16とを備えている。これらの導体パターンは、電極用ペースト材をスクリーン印刷や転写などの方法によって塗布した後、所定の温度条件下で焼き付けを行うことによって形成できる。電極用ペースト材としては、銀、銀−パラジウム、銀−白金、銅などを用いることができる。導体パターンは、この他にメッキやスパッタなどでも形成することが可能である。
図3は、図2のA−A'線に沿ったアンテナ素子10の略断面図である。
図1〜図3に示すように、基体11の概略的な形状は直方体状であるが、完全な直方体状ではなく、基体11の長手方向中央の底部が除去され、基体11の幅方向に貫通する空洞部17を有している。詳細は後述するが、空洞部11は階段状となっており、空洞部11の高さは段階的に変化している。すなわち、空洞部11は、第1の放射導体12の下方に設けられ、基体11の底面から第1の高さhを有する第1の空洞部17aと、第2の放射導体13の下方に設けられ、基体11の底面から第1の高さhよりも高い第2の高さhを有する第2の空洞部17bとで構成されている。例えば、基体11の大きさが12×3×3mmであるとき、第1の空洞部17の高さhは0.3mm、第2の空洞部18の高さhは1.6mmに設定することができる。
第1の放射導体12は、第1の共振周波数fで共振する第1のアンテナ素子ANT1として機能するものであり、基体11の側面11eの垂直辺11g及び上面11aの長辺11hに接しながら連続的に形成された細長い帯状導体パターンである。第2の放射導体13は、第1の共振周波数fよりも高い第2の共振周波数f(f>f)で共振する第2のアンテナ素子ANT2として機能するものであり、基体11の側面11eの垂直辺11i及び上面11aの長辺11jに接しながら連続的に形成された細長い帯状の導体パターンである。第1及び第2の放射導体12,13の一端は共に端子電極15に接続されており、他端は共に基体11の上面11aの短辺11kまで延びて開放端となっている。特に限定されるものではないが、基体11の幅が3mmであるとき、第1及び第2の放射導体12,13の幅は0.8mmに設定することができる。
第1のアンテナ素子ANT1の共振周波数fは第1のアンテナ素子ANT2の共振周波数fよりも低いため、通常であれば、第1の放射導体12の長さは第2の放射導体13よりも長くなければならないが、本実施形態においては、第1の放射導体12と第2の放射導体13の長さは同一である。すなわち、第1及び第2の放射導体12,13の開放端は基体11の長手方向の一端の稜線(短辺11k)で揃っている。これは、基体11の底部に高さが段階的に変化する空洞部17が形成され、これにより第1及び第2の放射導体12,13に対する基体11の波長短縮効果が異なることによるものである。
アンテナ素子の共振周波数を高くするためには放射導体を長くすればよく、共振周波数を低くするためには放射導体を短くすればよいことから、放射導体の長さを基体の長さよりも短くしたり、逆に基体11の側面11fまで延ばしたりすることも可能である。つまり、第1及び第2の放射導体12,13の長さを不揃いにすることも考えられる。しかし、先端を不揃いとした場合には基体11の表面積を有効利用することができないだけでなく、放射導体の先端部において電界集中する位置が互いに異なってしまうことにより、アンテナ特性の調整が非常に難しくなる。しかしながら、本実施形態によれば、第1及び第2の放射導体12,13の開放端が基体11の長手方向の一端の稜線で揃っていることから、基体11の表面積を最大限に利用することができ、アンテナ設計も容易となる。
端子電極14,15は、基体11の底面11bの長手方向の一端側に形成されており、第3の端子電極16は他端側に形成されている。第1及び第2の放射導体12,13の一端は共に第2の端子電極15に接続されている。端子電極14,15は、基体11の幅方向に延びる帯状パターンであって、両者は所定幅のギャップgを介して対向しており、両者の間には容量結合が生じている。アンテナ素子10をプリント基板20上に実装したとき、端子電極14はプリント基板20上の給電ラインに接続される。
図2に示すように、基体11の長手方向中央の底部に空洞部17が形成されることにより、基体11の長手方向の両端には足部18a,18bが形成されることになる。足部18a,18bは、プリント基板20と接触する底面を有する部分である。ここで、高域側の共振周波数の実効波長をλgとするとき、開放端側に位置する第1の足部18aの幅Sは、λg/20以上であることが好ましい。これは、第1及び第2の放射導体12,13の先端からほぼλg/20の位置に電界が集中するため、第1の足部18aの幅がλg/20以上であれば、第1及び第2の放射導体12,13の先端部の直下において誘電体をある程度残すことができ、グランドに接続される端子電極16と放射導体12,13との間に容量を持たせることができるので、アンテナ素子の小型化が可能となるからである。
一方、開放端側とは反対の給電側に位置する第2の足部18bの幅Sは、h以上h以下であることが好ましく、S=(h+h)/2であることが特に好ましい。これは、第1及び第2の放射導体12,13が基体11の側面11eから上面11aにかけて直角に折れ曲がるときに誘電体の厚みが極端に変わってしまうと、折れ曲がり位置で電流の反射が生じてしまい、アンテナ特性が低下してしまうからである。しかし、足部18bの幅Sがh〜hであれば、アンテナ特性が低下することはなく、良好なアンテナ特性を得ることができる。
図4は、アンテナ素子10が実装されるプリント基板20上のパターンレイアウトを示す略平面図であり、(a)はプリント基板20の表面20aのレイアウト、(b)はプリント基板の裏面20bのレイアウトである。特に、(b)は裏面20bのレイアウトを表面20a側から透過的に示したものである。
図4に示すように、プリント基板20は絶縁基板21の表裏面に導体パターンが形成されたものであって、特に、プリント基板20の表面20aには、一辺がプリント基板20の長手方向(Y方向)のエッジ20eに接し、他の三辺がグランドパターン22によって画定された略矩形状のアンテナ実装領域23が設けられている。アンテナ実装領域23は、原則的には、グランドパターン22が排除された矩形状の絶縁領域であるが、アンテナ実装領域23内には3つのランド24〜26が設けられている。ランド25,26は周囲のグランドパターン22に接続されていることから、厳密に言えばグランドパターン22が排除された領域ではない。図示のように、アンテナ実装領域23をプリント基板20のコーナー部に設けた場合には、アンテナ素子から見て二方向はプリント基板(グランドパターン)の存在しない自由空間であることから、アンテナの放射効率を高めることができる。
ランド24〜26は、アンテナ素子10の端子電極14〜16がそれぞれ接続されるものである。ランド24は給電ライン27に接続されており、ランド25,26は近接のグランドパターン22に接続されている。アンテナ実装領域23内には浮きランド29が設けられており、浮きランド29のリード部29aはチップインダクタ等の周波数調整素子30を介して近接のグランドパターン22に接続されている。また、給電ライン27はチップインダクタ等のインピーダンス調整素子31を介して近接のグランドパターン22に接続されている。
プリント基板20の裏面20bにもまた、表面20a側のアンテナ実装領域23と平面視にて実質的に同一形状の絶縁領域であるグランドクリアランス領域28が設けられている。裏面20b側のグランドクリアランス領域28には各種実装部品が実装されないことから、ランド等の導体パターンは何ら形成されていない。なお、プリント基板20が多層基板の場合には、裏面20bのみならず内層にもこのようなグランドクリアランス領域28が形成される必要がある。つまり、アンテナ実装領域23の直下にはグランドパターンがくり貫かれた絶縁領域が拡がっている必要がある。このような実装構造は「グランドクリアランスタイプ」と呼ばれるのに対し、アンテナ実装領域23の直下がグランドパターンで覆われたものは「オングランドタイプ」と呼ばれる。
アンテナ素子10は、プリント基板20上のグランドパターン22の一部を除去して形成されたチップアンテナよりも広いアンテナ実装領域23内に実装される。グランドクリアランスタイプの場合、アンテナ素子10の下方には何も実装できないので、基板面積が広く占有されるが、グランド面が全く存在しないのでアンテナ自身(基体)の低背化が可能となる。一方、オングランドタイプの場合、実装面および下方の領域にグランド面が設けられていることから、グランドクリアランスタイプに比べてアンテナ素子の背は高いが、例えば多層基板の表面をアンテナの実装面とし、内層をグランドパターン層とすることで、多層基板の裏面を部品実装領域として使用できる。
図1に示したように、プリント基板20上にアンテナ素子10を実装すると、第1及び第2の放射導体12,13の一端は共にランド24,25間の容量結合を介して給電ライン27に接続される。給電ラインと第1及び第2の放射導体12,13との間にギャップgによる容量結合が存在していることから、インピーダンス整合が容易となる。第1及び第2の放射導体12,13には給電ライン27から給電電流が供給され、給電電流は第1又は第2の放射導体から放射される。ここで、給電電流が第1の周波数fの信号である場合には、第1の放射導体12から電磁波として輻射され、第2の周波数fの信号である場合には、第2の放射導体13から電磁波として輻射される。
図5は、第1及び第2の放射導体12,13からの電波の放射経路を示す模式図である。
図5に示すように、第1の放射導体12、第2の放射導体13から放射された電波(電磁波)は、基体11を貫通して外界に放射される。ここで、第2の放射導体13は、第1の放射導体12に比べて基板20のエッジ20eから遠いため、電波が基体11を経由してエッジ20eよりも外側の自由空間に到達するまでの経路は長くなる。本実施形態におけるアンテナ素子10の場合、空洞部17a、17bにより、第2の放射導体13から放射された電波の経路が、基体11により阻害されにくい構成となっている。したがって、プリント基板20のエッジ20eから遠い側の第2の放射導体13についての放射効率を向上させることができる。
上述したように、本実施形態によるアンテナ装置100は、高域側のアンテナ素子ANT2が形成される基体12の直下に相対的に大きな空洞部(第2の空洞部17b)を有し、低域側のアンテナ素子T1が形成される基体11の直下に相対的に小さな空洞部(第1の空洞部17a)を有している。そのため、高誘電率の基体を用いて共振周波数の高い高域側アンテナを構成したとしても、アンテナ長を大幅に短くする必要はなく、高域側アンテナの放射効率の低下を防止することができる。すなわち、高域側で高誘電率の基体の厚さを薄くした場合には、高い共振周波数を得ようとする場合であっても、アンテナ長を比較的長くできる。したがって、高域側のアンテナ素子が必要以上に小型化されることがなく、高域側のアンテナ素子の放射特性を改善することができる。
本発明は、以上の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能であり、それらも本発明に包含されるものであることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態においては、基体11上に第1及び第2の放射導体13,14、端子電極14〜16が形成されているが、その他の導体パターンが形成されても構わない。また、上記実施形態においては、共振周波数f、fを有する2つのアンテナ素子を有する場合を例示しているが、本発明はこのような場合に限定されるものではなく、アンテナ素子の数は3つ以上であっても構わない。その場合、空洞の高さはさらに段階的となる。
また、上記実施形態においては、基体の各面に上記の導体パターンが形成される限りにおいて、コーナー部が切り欠かれていてもよい。また、基体の表面に形成される導体パターンは放射導体12,13及び端子電極14〜16に限定されず、他の導体パターンが追加的に形成されても構わない。
10 アンテナ素子
11 基体
12 第1の放射導体
13 第2の放射導体
14、15、16 端子電極
17a、17b 空洞部
20 基板
22 グランドパターン
23 アンテナ実装領域
24、25、26 ランド
27 給電ライン
28 グランドクリアランス領域
100 アンテナ装置

Claims (4)

  1. アンテナ素子と、前記アンテナ素子が実装されたプリント基板とを備え、
    前記アンテナ素子は、
    略直方体状の誘電体からなる基体と、
    前記基体の少なくとも上面に形成された第1の共振周波数で共振する第1の放射導体と、
    前記第1の放射導体と共に前記基体の少なくとも上面に形成された前記第1の共振周波数よりも高い第2の共振周波数で共振する第2の放射導体とを備え、
    前記基体は、
    前記第1の放射導体の下方に設けられ、前記基体の底面から第1の高さを有する第1の空洞部と、
    前記第2の放射導体の下方に設けられ、前記基体の底面から前記第1の高さよりも高い第2の高さを有する第2の空洞部とを有し、
    前記第1及び第2の放射導体は、互いに平行な帯状パターンであって前記基体の長手方向に沿って設けられており、
    前記第1及び第2の放射導体の一端は前記プリント基板に設けられた給電ラインに接続され、
    前記第1及び第2の放射導体の他端は開放端とされ、当該開放端はいずれも前記基体の稜線位置において終端していることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記アンテナ素子が実装されるアンテナ実装領域は、前記プリント基板のエッジに接して設けられており、
    前記第1の放射導体は前記プリント基板の前記エッジに近い側に位置し、前記第2の放射導体は前記プリント基板の前記エッジから遠い側に位置することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記基体は、当該基体の長手方向の両端にそれぞれ設けられた第1及び第2の足部を有し、前記第1及び第2の放射導体の開放端側に位置する前記第1の足部の幅Sがλg/20以上(λgは前記第2の共振周波数の実効波長)であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記基体は、当該基体の長手方向の両端にそれぞれ設けられた第1及び第2の足部を有し、前記第1及び第2の放射導体の給電側に位置する第2の足部の幅Sが前記第1の高さ以上前記第2の高さ以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
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