JP4765875B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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この発明は、感光体ドラム及び中間転写ベルトを有し、かつ、色ずれ補正モード及びポリゴン位相制御モードを有するタンデム型のカラープリンタやカラー複写機、これらのカラー複合機等に適用して好適な画像形成装置に関するものである。
近年、タンデム方式のカラープリンタやカラー複写機、これらのカラー複合機等が使用される場合が多くなってきた。この種のカラー画像形成装置によれば、カラー画像の印字品質(色再現性)を最適に維持するために、原稿画像のR色、G色、B色を再現するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(BK)色を中間転写ベルト上で重ね合わせるようになされる。Y、M、C及びBKの各色を再現性良く重ね合わせるには、画像形成ユニットにおいて、積極的に色ずれ補正することが必須となっている(以下色ずれ補正モードという)。
色ずれ補正モードに関しては、中間転写ベルトまたは搬送材転写ベルト上に形成された位置検知用の色ずれ検知マーク(以下レジストマークという)を反射型センサなどの色ずれ検知用の検知手段(以下レジストセンサという)により検知し、基準色のレジストマークに対する他の色のレジストマークの色ずれ量を算出し、この色ずれ量を無くすようにY、M、C色の各画像形成ユニットにフィードバックし、レーザビーム光の書込みタイミングを補正することで、高品質な色画像を得るようになされる。
この種のカラー複写機に関して、特許文献1には、光ビーム走査装置が記載さされている。この光ビーム走査装置によれば、ポリゴンミラーの回転ムラ及びその回転ムラの経時変化に対応して位相制御する場合に、位相制御手段は、複数のポリゴンミラーの回転速度を制御する回転基準信号発生部を備え、待機中に基準信号とビーム検出信号との位相差を複数回検出して最大位相差に基づいて位相位置を決定する。回転基準信号発生部は、基準ポリゴンミラーに対応するレーザビーム検知器の出力に応じて残りのポリゴンミラーに対応するレーザビーム検知器の出力が常に先に出力されるようになされる。このように光ビーム走査装置を構成すると、ポリゴンミラーの回転ムラ等の副走査方向の画像ずれが突然発生するのを防止できるというものである。
特開平9−211367号公報(第8頁 図4)
ところで、従来例に係るカラー用の画像形成装置によれば、特許文献1に見られるような光ビーム走査装置で、ポリゴンモータ等の温度変化により、ポリゴンミラーの回転速度が微小変化し、ビーム検出信号の位相がドリフト変動すると、位相制御で調整した各作像色のビーム検出信号の位相位置がずれることにより、副走査ずれとなるおそれがある。特にビーム検出信号の位相が基準信号(以下作像走査基準信号という)を追い越す現象が起こると、ビーム検出信号(以下走査光検知信号という)でカウントしている画像形成タイミングが最悪ポリゴンミラー(以下多面鏡という)1面分ずれて、1走査ライン分の副走査ずれが発生するおそれがある。
そこで、この発明は上述した課題を解決したものであって、作像走査基準信号に対する走査光検知信号の位相調整範囲を制限することなく、全色の走査光検知信号を最適な位相位置に設定できるようにすると共に、多面鏡1面分の副走査ずれを防止できるようにした画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る画像形成装置は、作像走査基準信号及び全色の走査光検知信号に基づいて各々の色用の多面鏡を回転し、当該多面鏡で各々の色毎に光を走査して像担持体に色作像処理する画像形成手段と、画像形成手段の多面鏡で走査された光を所定の位置で検出して得られる走査光検知信号と作像走査基準信号との間の位相差を検出する検出手段とを備えた画像形成装置において、作像走査基準信号に対して各色の走査光検知信号の位相位置の設定を禁止する位相差の領域をマスク領域とし、全色の走査光検知信号の中から選ばれた基準色の走査光検知信号と他の各色の走査光検知信号との間の位相位置を補正するためのレジスト補正処理で算出された色ズレ補正量を副走査補正量としたとき、基準色の走査光検知信号と副走査補正量に従って位相調整された他色の走査光検知信号とで各々隣接する二色間の走査光検知信号の位相差を算出し、二色間の走査光検知信号の位相差とマスク領域を成す位相差とを比較し、マスク領域の位相差よりも広い位相差となる色の走査光検知信号の組みを求め、求めた組みの色の走査光検知信号の位相差がマスク領域の位相差を跨ぐようなオフセット量を算出し、算出されたオフセット量を全色の走査光検知信号の副走査補正量に演算する制御手段を有することを特徴とするものである。
請求項1に係る画像形成装置によれば、基準色の走査光検知信号と副走査補正量に従って位相調整された他色の走査光検知信号とを位相調整範囲を制限することなく、マスク領域にかからない最適な位相位置に設定(配置)できるようになる。
請求項2に係る画像形成装置は、請求項1において、作像走査基準信号の1周期うちマスク領域以外の位相差の領域を位相調整可能領域としたとき、制御手段は、基準色の走査光検知信号の位相位置及び副走査補正量から算出された各色の走査光検知信号の位相位置が位相調整可能領域内に設定可能か否かを判別し、基準色及び各色の走査光検知信号の位相位置が位相調整可能領域内に設定されている場合は、位相オフセット制御を実行しないことを特徴とするものである。
請求項3に係る画像形成装置は、位相調整可能領域には最小限界位置及び最大限界位置が設定され、制御手段は、基準色の走査光検知信号に対して、副走査補正量から算出された各色の走査光検知信号のうち、最小位相位置に設定された走査光検知信号と、最大位相位置に設定された走査光検知信号との間の位相差が位相調整可能領域内に設定される場合に、最大位相位置の走査光検知信号を位相調整可能領域の最大限界位置に配置し、又は、最小位相位置の走査光検知信号を位相調整可能領域の最小限界位置に配置するようにオフセット量を全色の走査光検知信号の副走査補正量に演算することを特徴とするものである。
請求項4に係る画像形成装置は請求項1において、画像形成手段によって像担持体に色作像処理された画像の先端位置を用紙の所定の先端書込み位置に合わせるタイミングを画像先端タイミングとしたとき、制御手段は、算出したオフセット量に応じて画像先端タイミングを補正することを特徴とするものである。
請求項5に係る画像形成装置は請求項4において、画像形成手段に用紙搬送制御用の駆動ローラが設けられ、制御手段は、駆動ローラのスタートタイミングを調整して画像先端タイミングを補正することを特徴とするものである。
請求項6に係る画像形成装置は請求項4において、制御手段は、駆動ローラの減速スタートタイミングを調整して画像先端タイミングを補正することを特徴とするものである。
請求項7に係る画像形成装置は請求項4において、画像形成手段には、所定の用紙に画像を転写する転写部と、駆動ローラと転写部との間に設けられて用紙の先端を検出する検出部とが設けられ、制御手段は、検出部から転写部に至るまでの経路における前記用紙の搬送速度を調整して前記画像先端タイミングを補正することを特徴とするものである。
本発明に係る画像形成装置によれば、位相オフセット制御用の制御手段を備え、制御手段は、基準色の走査光検知信号と副走査補正量に従って位相調整された他色の走査光検知信号とで各々隣接する二色間の走査光検知信号の位相差を算出し、二色間の走査光検知信号の位相差とマスク領域を成す位相差とを比較し、マスク領域の位相差よりも広い位相差となる色の走査光検知信号の組みを求め、ここで求めた組みの色の走査光検知信号の位相差がマスク領域の位相差を跨ぐようなオフセット量を算出し、ここで算出されたオフセット量を全色の走査光検知信号の副走査補正量に演算するようになされる。
この構成によって、基準色の走査光検知信号と副走査補正量に従って位相調整された他色の走査光検知信号とを位相調整範囲を制限することなく、マスク領域にかからない最適な位相位置に設定(配置)できるようになる。従って、作像走査基準信号の当該周期の位相調整可能領域内で、全色の走査光検知信号の位相位置が設定できない場合に、マスク領域を隔てた次周期の作像走査基準信号の位相調整可能領域に他色の走査光検知信号の位相位置を設定できるようになる。しかも、最大位相位置の走査光検知信号を位相調整可能領域の最大限界位置に配置でき、又は、最小位相位置の走査光検知信号を位相調整可能領域の最小限界位置に配置できるようになる。
以下、図面を参照しながら、この発明に係る実施形態としての画像形成装置について説明をする。
図1は、本発明に係る実施形態としてのカラー複写機100の構成例を示す概念図である。
図1に示すカラー複写機100は、タンデム式のカラー画像形成装置の一例を構成し、作像走査基準信号の一例となるマスター(擬似)インデックス信号(以下MST−IDX信号という)に基づいて各色毎にポリゴンミラー34(多面鏡)を回転し、各色用のレーザビーム光を各色用の感光体ドラムに各々走査することにより、当該感光体ドラムで作像処理するものである。感光体ドラムで作像処理された各色のトナー像は、中間転写ベルト上で重ね合わされて色画像を形成するようになる。
カラー複写機100は、複写機本体101と画像読取装置102とから構成される。複写機本体101の上部には、自動原稿給紙装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置102が設置されている。自動原稿給紙装置201の原稿台上に載置された原稿dは、図示しない搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、原稿画像を反映する入射光がラインイメージセンサCCDにより読み込まれる。
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ画像信号は、図示しない画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正及び画像圧縮処理等がなされ、デジタルの画像情報となる。画像情報は画像形成部80へ送られる。画像形成部80はY,M,C,Kの各色毎に像担持体を有する複数組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kと、無終端状の中間転写ベルト6と、再給紙機構(ADU機構)を含む給紙搬送手段と、トナー像を定着するための定着装置17とを備えている。
この例で、画像形成ユニット10Yは、感光体ドラム1Y、帯電器2Y、書込みユニット3Y、現像ユニット4Y及び像形成体用のクリーニング手段8Yを有して、イエロー(Y)色の画像を形成するようになされる。感光体ドラム1Yは像担持体の一例を構成し、例えば、中間転写ベルト6の右側上部に近接して回転自在に設けられ、Y色のトナー像を形成するようになされる。この例で、感光体ドラム1Yは、図示しない駆動機構によって、反時計方向に回転される。感光体ドラム1Yの斜め右側下方には、帯電器2Yが設けられ、感光体ドラム1Yの表面を所定の電位に帯電するようになされる。
感光体ドラム1Yのほぼ真横には、これに対峙して、各々のレーザ光源及びポリゴンミラー34を有した書込みユニット3Yが設けられ、事前に帯電された感光体ドラム1Yに対して、Y色用の画像データに基づく所定の強度を有したY色用のレーザビーム光を走査するようになされる。
レーザビーム光は、例えば、Y色用のポリゴンミラー34を回転して偏向走査される、いわゆるY色画像データの主走査方向への書込みである。主走査方向は、感光体ドラム1Yの回転軸に平行する方向である。感光体ドラム1Yは、副走査方向に回転する。副走査方向は、感光体ドラム1Yの回転軸に対して直交する方向である。感光体ドラム1Yが副走査方向に回転し、かつ、レーザビーム光の主走査方向への偏向走査によって、感光体ドラム1YにはY色用の静電潜像が形成される。
上述のレーザビーム光はMST−IDX信号の基準周期を制御目標にして、感光体ドラム1Yに走査される。ポリゴンミラー34によって偏向されるレーザビーム光の走査周期は、図2に示すようなインデックスセンサ49により検知され、走査光検知信号の一例となるY色用のインデックス信号(以下Y−IDX信号という)となってポリゴン駆動制御系に出力される。ここにインデックス信号とは、各々の画像形成ユニット内のインデックスセンサ49で、ポリゴンミラー34の鏡面が所定の角度に位相合わせされたことを検出する信号をいう。例えば、Y色用のポリゴン駆動制御系では、Y−IDX信号がMST−IDX信号に対して目標位相差を保持するようなポリゴン位相制御がなされる(図2及び図3参照)。
書込みユニット3Yの上方には現像ユニット4Yが設けられ、感光体ドラム1Yに形成されたY色用の静電潜像を現像するように動作する。現像ユニット4Yは、図示しないY色用の現像ローラを有している。現像ユニット4Yには、Y色用のトナー剤及びキャリアが収納されている。
Y色用の現像ローラは、内部に磁石が配置され、現像ユニット4Y内でキャリアとY色トナー剤を攪拌して得られる2成分現像剤を感光体ドラム1Yの対向部位に回転搬送し、Y色のトナー剤により静電潜像を現像するようになされる。この感光体ドラム1Yに形成されたY色のトナー像は、1次転写ローラ7Yを動作させて中間転写ベルト6に転写される(1次転写)。感光体ドラム1Yの左側下方には、クリーニング部8Yが設けられ、前回の書込みで感光体ドラム1Yに残留したトナー剤を除去(クリーニング)するようになされる。
この例で、画像形成ユニット10Yの下方には画像形成ユニット10Mが設けられる。画像形成ユニット10Mは、感光体ドラム1M、帯電器2M、書込みユニット3M、現像ユニット4M及び像形成体用のクリーニング部8Mを有して、マゼンタ(M)色の画像を形成するようになされる。画像形成ユニット10Mの下方には画像形成ユニット10Cが設けられる。画像形成ユニット10Cは、感光体ドラム1C、帯電器2C、書込みユニット3C、現像ユニット4C及び像形成体用のクリーニング部8Cを有して、シアン(C)色の画像を形成するようになされる。
画像形成ユニット10Cの下方には画像形成ユニット10Kが設けられる。画像形成ユニット10Kは、感光体ドラム1K、帯電器2K、書込みユニット3K、現像ユニット4K及び像形成体用のクリーニング部8Kを有して、ブラック(BK)色の画像を形成するようになされる。感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kには有機感光体(Organic Photo Conductor;OPC)ドラムが使用される。
なお、画像形成ユニット10M〜10Kの各部材の機能については、画像形成ユニット10Yの同じ符号のものについて、YをM、C、Kに読み替えることで適用できるので、その説明を省略する。上述の1次転写ローラ7Y,7M,7C及び7Kには、使用するトナー剤と反対極性(本実施例においては正極性)の1次転写バイアス電圧が印加される。
中間転写ベルト6は像担持体の一例を構成し、1次転写ローラ7Y,7M,7C及び7Kによって転写されたトナー像を重合してカラートナー像(カラー画像)を形成する。例えば、中間転写ベルト6上に形成されたカラー画像は、中間転写ベルト6が時計方向に回転することで、2次転写ローラ7Aに向けて搬送される。2次転写ローラ7Aは中間転写ベルト6の下方に位置しており、中間転写ベルト6に形成されたカラートナー像を給紙部20から搬送されてきた用紙Pに一括して転写するようになされる(2次転写)。
給紙部20は、例えば、上述の書込みユニット3Kの下方に設けられ、給紙トレイ20A,20B,20Cを有して構成される。給紙トレイ20A,20B,20C内に収容された用紙Pは、給紙トレイ20A,20B,20Cにそれぞれ設けられる送り出しローラ21及び給紙ローラ22Aにより給紙され、搬送ローラ22B,22C,ループローラ22D、レジストローラ23等を経て、2次転写ローラ7Aに搬送される。
レジストローラ23は用紙搬送制御用の駆動ローラの一例を構成し、給紙部20から繰り出された所定の用紙Pを2次転写系IIの手前で保持し、画像タイミングに合わせて2次転写系IIへ送り出すようになされる。2次転写ローラ7Aは転写部の一例を構成し、レジストローラ23によって用紙搬送制御される所定の用紙Pに中間転写ベルト6に担持された色画像を転写するようになされる。2次転写ローラ7Aとレジストローラ23との間には、検知部の一例を構成する先端検知センサ11が設けられ、レジストローラ23から送出された用紙Pの先端を検知するようになされる。
2次転写ローラ7Aの左側には定着装置17が設けられ、カラー画像を転写された用紙Pを定着処理するようになされる。定着装置17は、定着ローラ、加圧ローラ及び加熱(IH)ヒータを有している。定着処理は、加熱ヒータによって加熱される定着ローラ及び加圧ローラの間に用紙Pを通過させることで、当該用紙Pが加熱・加圧される。定着後の用紙Pは、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。
この例で、中間転写ベルト6の左側上方にはクリーニング部8Aが設けられ、転写後の中間転写ベルト6上に残存するトナー剤をクリーニングするように動作する。クリーニング部8Aは、中間転写ベルト6の電荷を除電する除電部や中間転写ベルト6に残留するトナー等を除去するパッドを有している。このクリーニング部8Aによってベルト面がクリーニングされ、除電部で除電された後の中間転写ベルト6は、次の画像形成サイクルに入る。これにより、用紙Pにカラー画像を形成できるようになる。
複写機本体101には制御部15が備えられ、色ずれ補正モード及びポリゴン位相制御モードに基づいて画像形成ユニット10Y,10M,10C,10K等を制御する。ここに色ずれ補正モードとは、Y、M、C及びBKの各色のトナー像を再現性良く重ね合わせるために、中間転写ベルト6上にレジストマークを形成し、このレジストマークをレジストセンサ12A,12B等により検知し、基準色のレジストマークに対する他の色のレジストマークの色ずれ量を算出し、この色ずれ量を無くすようにY、M、C色の各画像形成ユニットにフィードバックし、レーザビーム光の書込みタイミングを補正する動作をいう。
ポリゴン位相制御モードとは、各作像色用の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの各々のポリゴンミラー34で各々走査されたレーザビーム光を所定の位置で検出して得られる各作像色のインデックス信号(以下YMCK−IDX信号という)とMST−IDX信号との間の位相差φxを所定の目標位相差φy,φm,φc,φkに合わせ込む動作をいう。
図2は、Y色用の書込みユニット3Yの構成例を示す概念図である。図2に示すY色用の書込みユニット3Yは、半導体レーザ光源31、コリメータレンズ32、補助レンズ33、ポリゴンミラー34、ポリゴンモータ35、f(θ)レンズ36、ミラー面結像用のCY1レンズ37、ドラム面結像用のCY2レンズ38、反射板39、ポリゴンモータ駆動基板45及び、LD駆動基板46を有している。
半導体レーザ光源31は、Y色用のLD駆動基板46に接続される。LD駆動基板46には、図示しない画像処理部から書込みデータWyが供給される。LD駆動基板46では書込みデータWyがPWM変調され、PWM変調後の所定のパルス幅のレーザ駆動信号SLyを半導体レーザ光源31に出力する。半導体レーザ光源31では、Y色用のレーザ駆動信号SLyに基づいてレーザビーム光が発生される。半導体レーザ光源31から出射されたレーザビーム光は、コリメータレンズ32,補助レンズ33及びCY1レンズ37によって所定のビーム光に整形される。
このレーザビーム光は、ポリゴンミラー34によって主走査方向に偏向される。例えば、ポリゴンミラー34はポリゴンモータ35により駆動される。ポリゴンモータ35にはポリゴン駆動基板45が接続され、先に述べた制御部15からポリゴン駆動基板45には、Y色用のポリゴン駆動クロック信号(以下YP−CLK信号という)が供給される。ポリゴン駆動基板45は、YP−CLK信号に基づき、ポリゴンモータ35を所定の回転速度で回転するようになされる。
ポリゴン位相制御後には、ポリゴンモータ35が等速度回転となるように回転制御がロックされる。ポリゴンミラー34によって偏向されるレーザビーム光は、f(θ)レンズ36及びCY2レンズ38によって感光体ドラム1Yの方へ結像される。この動作により、通常動作モード時又は色ずれ補正モード時、感光体ドラム1Yの画像領域に、原稿画像又は色ずれ補正用のレジストマークCRの静電潜像を形成するようになされる。
書込みユニット3Yの所定の固定部位には反射板39が設けられ、この反射板39に対峙した位置には、レーザインデックスセンサ49が取り付けられる。レーザインデックスセンサ49はポリゴンミラー34によって偏向されるレーザビーム光を検知して、図3に示す位相差検出部61にY−IDX信号を出力するようになされる。図2には示していないが、他のM,C,BK色用の書込みユニット3M,3C,3Kのレーザインデックスセンサ49からは、M−IDX信号、C−IDX信号、K−IDX信号が各々位相差検出部61に出力される。
図3は、カラー複写機100の制御系の構成例を示すブロック図である。図3に示すカラー複写機100では、走査光検知信号(インデックス信号;以下IDX信号という)の変動対策としてマスク領域Maを設定し、更に、マスク領域Maを避けて、各色のインデックス信号の位相を設定(配置)するように、各色の副走査補正量に一律のオフセット量を加えるようになされる。ここにマスク領域Maとは、MST−IDX信号に対してY,M,C,K色の各色のインデックス信号(以下でY−IDX信号、M−IDX信号、C−IDX信号、K−IDX信号又は総称してYMCK−IDX信号という)の位相位置の設定を禁止する位相差の領域をいう。副走査補正量とは、全色のYMCK−IDX信号の中から選ばれた、例えば、基準BK色のK−IDX信号と他のYMC各色のIDX信号との間の位相位置を補正するためのレジスト補正処理で算出された色ズレ補正量をいう。
カラー複写機100の制御系は、レジストセンサ12A(12B)、制御部15、位相差検出部61、位相補正部62、Yポリゴン駆動部63、Mポリゴン駆動部64、Yポリゴン駆動部63、Kポリゴン駆動部66及び水晶発振器67を有して構成される。
制御部15は制御手段の一例を構成し、例えば、信号検知回路51、記憶装置52、ROM53、RAM54、位相オフセット制御用のCPU55(中央演算装置)、Y画像タイミング生成部56、M画像タイミング生成部57、C画像タイミング生成部58、K画像タイミング生成部59及び搬送ローラ制御部60を有して構成される。
信号検知回路51は、図1に示したレジストセンサ12A(12B)に接続される。信号検知回路51は、色ずれ補正モード時、レジストセンサ12A等から出力される画像検知信号S2をA/D変換して二値化した後の画像検知データDpを出力する。画像検知データDpは、色ずれ補正用のレジストマークを読み取って得たデータである。
信号検知回路51には記憶装置52が接続され、信号検知回路51から出力された画像検知データDpが記憶される。記憶装置52には不揮発メモリやハードディスク装置等が使用される。画像検知データDpは副走査補正量を算出する際に使用される。記憶装置52にはCPU55が接続される。
CPU55には検出手段の一例を構成する位相差検出部61が接続され、MST−IDX信号と、Y−IDX信号や、M−IDX信号、C−IDX信号、K−IDX信号等を比較して位相差データDφを出力する。例えば、位相差検出部61は、MST−IDX信号、Y−IDX信号、M−IDX信号、C−IDX信号、K−IDX信号を入力し、MST−IDX信号とY−IDX信号との間の位相差を検出してY色用の位相差検出データDφyを出力する。
同様にして、MST−IDX信号とM−IDX信号との間の位相差が検出されてM色用の位相差検出データDφmが出力され、MST−IDX信号とC−IDX信号との間の位相差が検出されてC色用の位相差検出データDφcが出力され、MST−IDX信号とK−IDX信号との間の位相差が検出されてBK色用の位相差検出データDφkが各々出力される。図中、位相差データDφはDφ=(Dφy,Dφm,Dφc,Dφk)で示している。
なお、Y−IDX信号は、画像形成ユニット10Yのポリゴンミラー34で走査されたレーザビーム光を所定の位置で検出して得られる。M−IDX信号は、画像形成ユニット10Mのポリゴンミラー34で走査されたレーザビーム光を所定の位置で検出して得られる。C−IDX信号は、画像形成ユニット10Cのポリゴンミラー34で走査されたレーザビーム光を所定の位置で検出して得られる。K−IDX信号は、画像形成ユニット10Kのポリゴンミラー34で走査されたレーザビーム光を所定の位置で検出して得られる。
CPU55には、位相差検出部61の他にROM53(読み出し専用メモリ)やRAM54(随時情報書込み読出しメモリ)が接続される。ROM53には、例えば、BK色のIDX信号と副走査補正量に従って位相調整されたCMY各色のIDX信号とにおいて、各々隣接する二色間のYMCK−IDX信号の位相差を算出するステップと、二色間のYMCK−IDX信号の位相差とマスク領域Maを成す位相差とを比較するステップと、マスク領域Maの位相差よりも広い位相差となる色のYMCK−IDX信号の組みを求めるステップと、ここで求めた組みの色のYMCK−IDX信号の位相差がマスク領域Maの位相差を跨ぐようなオフセット量を算出するステップと、ここに算出されたオフセット量を全色のYMCK−IDX信号の副走査補正量に演算するステップとが記述された演算プログラムが格納される。
CPU55はROM53から演算プログラムを読み出してRAM54に展開し、演算プログラムに基づいてオフセット量(OFst)を算出する。例えば、BK色基準でK−IDX信号と副走査補正量に従って位相調整されたCMY各色のIDX信号とにおいて、各々隣接する二色間のYMCK−IDX信号の位相差を算出し、二色間のYMCK−IDX信号の位相差とマスク領域Maを成す位相差とを比較し、マスク領域Maの位相差よりも広い位相差となる色のYMCK−IDX信号の組みを求め、求めた組みの色のYMCK−IDX信号の位相差がマスク領域Maの位相差を跨ぐようなオフセット量を算出する。
CPU55は、算出したオフセット量を全色のYMCK−IDX信号の副走査補正量に演算するようになされる。RAM54には演算途中のデータが一時記憶される。CPU55は、BK色基準でK−IDX信号の位相位置及び副走査補正量から算出された各色のY,M,C−IDX信号の位相位置が位相調整可能領域Ra内に設定可能か否かを判別する。例えば、各作像色系について、MST−IDX信号の1基準周期の中にマスク領域判定用の最小限界値φmin及び最大限界値φmaxが設定される。この設定はMST−IDX信号に対してK−IDX信号を基準としたY−IDX信号や、M−IDX信号、C−IDX信号の各々の位相差φxがマスク領域Ma内に存在するか否かを判定するためである。
BK色基準で及び各色のY,M,C−IDX信号の位相位置が位相調整可能領域Ra内に設定できない場合は、位相オフセット制御を実行する。なお、BK色基準で及び各色のY,M,C−IDX信号の位相位置が位相調整可能領域Ra内に設定可能な場合は、位相オフセット制御を実行しない。
上述のCPU55には、Y画像タイミング生成部56、M画像タイミング生成部57、C画像タイミング生成部58及びK画像タイミング生成部59が接続される。Y画像タイミング生成部56は、CPU55から出力されるYシフト量に基づいてY色用の副走査有効領域信号(Y−VALID信号;以下Y−VV信号という)を生成する。Yシフト量は、BK色基準でK−IDX信号のパルスをカウントして得られる量である。Y−VV信号は、図示しないY色用の画像メモリへ出力される。Y色用の画像メモリでは、Y−VV信号に基づいてY色用の画像データが読み出され、Y色用の画像データが書込みユニット3Yに出力される。
M画像タイミング生成部57は、CPU55から出力されるMシフト量に基づいてM色用の副走査有効領域信号(M−VALID信号;以下M−VV信号という)を生成する。Mシフト量は、BK色基準でK−IDX信号のパルスをカウントして得られる量である。M−VV信号は、図示しないM色用の画像メモリへ出力される。M色用の画像メモリでは、M−VV信号に基づいてM色用の画像データが読み出され、M色用の画像データが書込みユニット3Mに出力される。
C画像タイミング生成部58は、CPU55から出力されるCシフト量に基づいてC色用の副走査有効領域信号(C−VALID信号;以下C−VV信号という)を生成する。Cシフト量は、BK色基準でK−IDX信号のパルスをカウントして得られる量である。C−VV信号は、図示しないC色用の画像メモリへ出力される。C色用の画像メモリでは、C−VV信号に基づいてC色用の画像データが読み出され、C色用の画像データが書込みユニット3Cに出力される。
K画像タイミング生成部59は、CPU55から出力されるKシフト量に基づいてBK色用の副走査有効領域信号(K−VALID信号;以下K−VV信号という)を生成する。Kシフト量は、BK色基準でMST−IDX信号のパルスをカウントして得られる量である。K−VV信号は、図示しないBK色用の画像メモリへ出力される。BK色用の画像メモリでは、K−VV信号に基づいてBK色用の画像データが読み出され、BK色用の画像データが書込みユニット3Kに出力される。
上述のCPU55には、先端検知センサ11が接続され、レジストローラ23から送出された用紙Pの先端を検知して得た先端検知信号S11を出力する。CPU55には、更に搬送モータ制御部60が接続され、スタート信号S61及び減速スタート信号S62に基づいてループローラ22D、レジストローラ23等(図1参照)を駆動制御する。例えば、ループローラ22Dや、レジストローラ23、2次転写ローラ7A等には図示しないローラ駆動用のモータが設けられ、搬送モータ制御部60は、スタート信号S61及び減速スタート信号S62に基づいてこれらのモータに所定の駆動電圧Vmを供給するようになされる。スタート信号S61及び減速スタート信号S62は、CPU55から搬送モータ制御部60へ出力される。
また、上述の位相差検出部61には、CPU55の他に位相補正部62が接続される。CPU55は位相差検出部61により検出された各作像色用の位相差と位相差判定用の閾値とを比較し、この比較結果に基づいて作像処理の合間、例えば、当該ページの作像処理が終了した後に、各作像色毎に位相差を所定の目標位相差に合わせ込むポリゴン位相制御を実行する。
ポリゴン位相制御では、MST−IDX信号とY−IDX信号との間の位相差φxをゼロに調整した後、色ずれ補正処理(色ずれ補正モード)により得られる副走査補正量(以下位相シフト量データD1という)に基づいてMST−IDX信号とY−IDX信号との間の位相差φxを所定の目標位相差φyに合わせ込むように位相補正部62を制御する。他のMCK作像色についても同様に処理される。図中、位相シフト量データD1はD1=(D1y,D1m,D1c,D1k)で示している。
位相補正部62は、各色用の位相検出データDφ=(Dφy,Dφm,Dφc,Dφk)、位相シフト量データD1=(D1y,D1m,D1c,D1k)及び位相制御指示命令D2を入力して、各色用のポリゴン駆動クロック信号としてYP−CLK信号、MP−CLK信号、CP−CLK信号、KP−CLK信号を発生するようになされる。
位相補正部62にはYポリゴン駆動部63、Mポリゴン駆動部64、Yポリゴン駆動部63及びKポリゴン駆動部66が接続される。Yポリゴン駆動部63には、YP−CLK信号が供給され、Mポリゴン駆動部64には、MP−CLK信号が供給され、Cポリゴン駆動部65には、CP−CLK信号が供給され、Kポリゴン駆動部66には、KP−CLK信号が各々供給される。
位相補正部62には水晶発振器67が接続され、基準クロック信号(以下CLK信号という)を発生して位相補正部62の他に、上述のCPU55や位相差検出部61等に出力する。Yポリゴン駆動部63は図2に示したポリゴンモ−タ駆動基板45及びポリゴンモ−タ35から構成される。ポリゴン駆動部63は、YP−CLK信号に基づき、ポリゴンモータ35を所定の回転速度で回転するようになされる。他のMポリゴン駆動部64、Yポリゴン駆動部63及びKポリゴン駆動部66もYポリゴン駆動部63と同様にして構成され、これらの機能も同様であるのでその説明を省略する。
図4A及びBは、MST−IDX信号に対するY−IDX信号の変動例(その1)を示す波形図である。
図4Aに示すTrは、MST−IDX信号の1基準周期であり、ポリゴンミラー1面に対応する主走査基準固定値である。φyは、例えば、MST−IDX信号とY−IDX信号との間の目標位相差である。目標位相差φyを維持するためには、まず、MST−IDX信号とY−IDX信号との間の位相差を「0」に位相を合わせた後に、色ずれ補正処理により得られた位相シフト量に基づいてMST−IDX信号とY−IDX信号との間に目標位相差φyを設定するようになされる。
他の作像色についても、同様にして、MST−IDX信号とM−IDX信号との間に目標位相差φmが設定され、MST−IDX信号とC−IDX信号との間に目標位相差φcが設定され、MST−IDX信号とK−IDX信号との間に目標位相差φkが各々設定される。
図4Bに示すTyは、Y−IDX信号の1検出周期である。両者の関係はTr=Tyが理想である。実際は、ポリゴンモータ35の温度変化や、機内温度の変化を原因としてTr<TyやTr>Ty等になる場合がある。また、図中、A−B間の矢印は、目標位相差φyを基準にしてY−IDX信号が変動する範囲を示している。この変動範囲は、例えば、Tr=Tyを維持していても、ポリゴンモータ35の温度変化に伴いポリゴンミラー34の回転速度が微小に変化することにより、Y−IDX信号にドリフト変動として現れるために生ずる。この現象は、Tr<TyやTr>Ty等を原因として生ずる場合もある。
図5A及びBは、MST−IDX信号に対するY−IDX信号の変動例(その2)を示す波形図である。
図5Bに示すY−IDX信号の変動例によれば、ポリゴンモータ35の温度変化等を原因にして、Y−IDX信号IIの位相が進んで、図5Aに示すMST−IDX信号Iを飛び越えて、図4Bに示した変動範囲のA点に移動してしまった場合、MST−IDX信号Iと、Y−IDX信号IIの次に検出されたY−IDX信号IIIとの間の位相差φy’を制御対象として検出されてしまう。このため、書込みユニット3Yにおいて、MST−IDX信号Iに対してポリゴンミラー34で1面分(1走査ライン)の画像書き込み位置がずれてしまう(1面分の副走査ずれ)。
上述のMST−IDX信号Iに対する飛び越し現象については、ポリゴンモータ35の回転速度が基準となる回転速度(基準速度)よりも速く、Y−IDX信号IIがMST−IDX信号Iよりも前進する位相進みの場合及び、その回転速度が基準速度よりも遅く、Y−IDX信号IIがMST−IDX信号IVよりも後退する位相遅れの場合が対象となる。このカラー複写機100では、MST−IDX信号Iに対する飛び越し現象を事前に防止する機能が特加されている。この機能は、MST−IDX信号の位相差を示す領域にマスク領域Maを設定し、このマスク領域Maには、MST−IDX信号に対するY−IDX信号、M−IDX信号、C−IDX信号及び、K−IDX信号の位相位置が設定できないようにするというものである。
図6A〜Cは、第1の実施例に係る位相オフセットの設定例(その1)を示す動作タイムチャートである。
[位相オフセットの基本概念]
図6Aに示す位相オフセットの基本概念によれば、1基準周期TrのMST−IDX信号には、マスク領域Maが設定される。マスク領域Maを成す位相差の領域には、MST−IDX信号に対してY−IDX信号、M−IDX信号、C−IDX信号、K−IDX信号の位相位置の設定が禁止される。この例で、MST−IDX信号の1基準周期Trからマスク領域Maを差し引いた残りの位相差の領域は位相調整可能領域Raとなされる。つまり、位相調整可能領域Raとは、MST−IDX信号の1基準周期Trうちマスク領域Ma以外の位相差の領域をいう。図中、φmimを位相調整時の最小限界値とし、φmaxをその最大限界値としたとき、位相調整可能領域Raはφmim≦Ra≦φmaxとなる。
BK色基準で副走査補正量に基づいて位相調整された他の色のインデックス(IDX)信号の位相位置を設定(配置)するとき、K−IDX信号を基準にした他のC−IDX信号、M−IDX信号及びY−IDX信号の各々の位相がマスク領域Maに設定されないような工夫がなされている。
この例では、MST−IDX信号の1基準周期Trが2Line(ポリゴンミラー1面分)に対応する場合を例に挙げている。例えば、図6Bに示すマスク領域Maは、MST−IDX信号を基準にして±0.25Lineの位相差の範囲に設定される。
このようなマスク領域Maが設定されたMST−IDX信号で、例えば、BK色基準でK−IDX信号と、Y−IDX信号との間の位相関係を1.97Lineに設定する制御要求がCPU55になされた場合、マスク領域Maを設定したことにより、このマスク領域Maには各々の色のIDX信号の位相位置が設定できないことから、K−IDX信号の位相は、0Lineから0.25Lineへシフトされ、Y−IDX信号の位相=1.97Lineは、1.75Lineとなってしまう。つまり、マスク領域Maの設定概念に想到していないと、K−IDX信号及びY−IDX信号の間が、強制的に1.5Lineの位相関係に設定されてしまう。
これに対して、MST−IDX信号の2周期(ポリゴンミラー2面分)を使用して、位相位置を全体にシフトさせると、Y−IDX信号の位相=1.97Lineは、MST−IDX信号の2周期目の最小限界値φmin=2.25Lineに設定すること、すなわち、オフセット量をOFstとしたとき、OFst=0.28Line分を全体の位相量に演算することで、図6Cに示すようにBK色基準でK−IDX信号と、Y−IDX信号との間を1.97Lineの位相関係に設定できるようになる。
図7A〜Gは、第1の実施例に係る位相オフセットの設定例(その2)を示す動作タイムチャートである。
[位相オフセットの具体例]
図7Aに示す位相オフセットの具体例によれば、BK色基準でK−IDX信号と、Y−IDX信号との間の位相関係を1.9Lineに設定し、K−IDX信号と、M−IDX信号との間の位相関係を1.7Lineに設定し、K−IDX信号と、C−IDX信号との間の位相関係を1.0Lineに設定する制御要求がCPU55になされた場合を例に挙げる。
この場合、図7Bに示す1基準周期TrのMST−IDX信号には、マスク領域Maが設定される。この例で、MST−IDX信号とK−IDX信号との間の位相を合わせた場合であって、オフセット量OFstを考慮しない場合は、マスク領域Maに、K−IDX信号の位相位置及びY−IDX信号の位相位置が設定されることとなってしまう。
そこで、BK色基準でK−IDX信号と副走査補正量に従って位相調整されたCMY各色のIDX信号とにおいて、各々隣接する二色間、例えば、K−IDX信号とC−IDX信号との間の位相差、C−IDX信号とM−IDX信号との間の位相差及びM−IDX信号とY−IDX信号との間の位相差を各々算出する。
次に、二色間のK−IDX信号とC−IDX信号との間の位相差や、C−IDX信号とM−IDX信号との間の位相差、M−IDX信号とY−IDX信号との間の位相差等と、マスク領域Maを成す位相差とを各々比較し、マスク領域Maの位相差よりも広い位相差となる色のY,M,C及びK−IDX信号の組みを求め、ここで求めた組みの二色間のIDX信号の位相差がマスク領域Maの位相差を跨ぐようなオフセット量OFstを算出する。その後、ここに算出されたオフセット量OFstを全色のY,M,C,K−IDX信号の副走査補正量に演算するようになされる。この演算は、例えば、CPU55がオフセット量OFstをY,M,C,K−IDX信号の副走査補正量に加算するようになされる。
上述の例で、K−C色間のIDX信号の位相差は1.0Lineである。C−M色間のIDX信号の位相差は0.7Lineであり、M−Y色間のIDX信号の位相差は0.2Lineである。マスク領域Maを越える位相差はM−C色間のIDX信号の位相差=0.7Lineと、K−C色間のIDX信号の位相差=1.0Lineである。
ここで、全体の位相シフト量が小さくなるように位相位置を選択するものとすれば、その位相位置の大きいM−C色間のIDX信号の位相差=0.7Lineを選択して、M色の位相位置がMST−IDX信号の2周期目(次面)の最小限界値φmin=2.25Lineにくるように位相量を設定すること、すなわち、オフセット量OFst=0.55Line分を全体の位相量に加算するようになされる。
この演算によって、図7Cに示すように、マスク領域Maにかかることなく、BK色基準でK−IDX信号と、Y−IDX信号との間の位相関係を1.9Lineに設定し、K−IDX信号と、M−IDX信号との間の位相関係を1.7Lineに設定し、K−IDX信号と、C−IDX信号との間の位相関係を1.0Lineに設定できるようになる。
なお、図7D〜GにはK−VV信号、C−VV信号、M−VV信号、Y−VV信号の波形図を示している。K−VV信号は、K−IDX信号に基づいて立ち上がり、C−VV信号はC−IDX信号に基づいて立ち上がり、M−VV信号は、M−IDX信号に基づいて立ち上がり、Y−VV信号はY−IDX信号に基づいて立ち上がる。K−VV信号や、C−VV信号、M−VV信号、Y−VV信号等は、各色用の画像データを画像メモリから読み出す際に使用される。
続いて、第1の実施例としてのカラー複写機100の動作例について説明する。図8は、カラー複写機100のCPU55の位相オフセット制御時の動作例を示すフローチャートである。この例では、レジスト補正モード終了後に、位相オフセット制御をするか否かが判別され、この判別結果に基づいて位相オフセット制御を実行し、又は、位相オフセット制御を実行することなく、各色のK−VV信号、C−VV信号、M−VV信号、Y−VV信号を発生する。MST−IDX信号の1基準周期Trが2Lineの場合であって、マスク領域判定用の最小限界値φminとして0.25Lineが設定され、その最大限界値φmaxとして1.75Lineが設定される。位相調整可能領域Raはφmim≦Ra≦φmaxの関係より、0.25≦Ra≦1.75の範囲に設定される。
また、BK色基準でK−IDX信号と、Y−IDX信号との間の位相関係を1.9Lineに設定し、K−IDX信号と、M−IDX信号との間の位相関係を1.7Lineに設定し、K−IDX信号と、C−IDX信号との間の位相関係を1.0Lineに設定する場合を例に挙げる。
これらを位相オフセット制御条件にして、フローチャートのステップST1で全色の位相差(値)が0.25〜1.75Lineの範囲にあるか否か、すなわち、位相調整可能領域Raがφmim≦Ra≦φmaxを満たすか否か判別する。全色の位相値が0.25〜1.75Lineの範囲に有る場合は、位相オフセット制御を実行せずにステップST10に移行する。
全色のIDX信号の位相値が位相調整可能領域Ra=0.25〜1.75Lineの範囲に無い場合は、ステップST2に移行する。ステップST2では、各位相値のうち、最大値(MAX)−最小値(MIN)の位相差が1.5Line以上となるものが有るか否かを判別する。
各色のIDX信号の位相値で最大値−最小値の位相差が1.5Line以上となるものが有る場合は、ステップST3に移行して相互に隣合う2つ色のIDX信号の位相差を算出する。その後、ステップST4に移行してこれらの位相差のうち0.5Lineを越えるものをIDX信号の位相値の大きい組みから順に優先して探索する。決定した組みのうち大きい方の色のIDX信号が2.25Lineになるようにオフセット量OFstを算出する。
上述のステップST2で各色のIDX信号の最大値−最小値の位相差が1.5Line以上となるものが無い場合は、ステップST6に移行して各色のIDX信号の位相量の最大値が1.75Line以上のものが有るか否かを判別する。各色のIDX信号の位相値の最大値が1.75Line以上のものが有る場合は、ステップST7に移行して最大値を有するIDX信号が1.75Lineとなるオフセット量OFstを算出する。その後、ステップST9に移行する。
各色のIDX信号の位相値の最大値が1.75Line以上のものが無い場合は、ステップST8に移行して最小値のIDX信号が0.25Lineとなるオフセット量OFstを算出する。図7Cに示した例では、オフセット量OFst=0.55Lineが算出される。その後、ステップST9に移行する。
ステップST9では、算出したオフセット量OFstを全色の副走査補正量に加算する。図7Cに示した例ではオフセット量OFst=0.55Lineが加算される。この加算により、BK色基準のY,M,Cの各色の位相関係を最適に設定できるようになる。その後、ステップST10に移行する。ステップST10では、各色のK−VV信号や、C−VV信号、M−VV信号、Y−VV信号、位相値等を計算する(図7D〜G参照)。
このように、第1の実施例としてのカラー複写機100によれば、位相オフセット制御を実行する際に、CPU55はBK色基準でK−IDX信号と副走査補正量に従って位相調整されたCMY各色のIDX信号とにおいて、各々隣接するK−IDX信号とC−IDX信号との間の位相差、C−IDX信号とM−IDX信号との間の位相差及びM−IDX信号とY−IDX信号との間の位相差を各々算出する。
次に、二色間のK−IDX信号とC−IDX信号との間の位相差や、C−IDX信号とM−IDX信号との間の位相差、M−IDX信号とY−IDX信号との間の位相差等と、マスク領域Maを成す位相差とを各々比較し、マスク領域Maの位相差よりも広い位相差となる色のY,M,C及びK−IDX信号の組みを求める。
ここで求めた組みの二色間のIDX信号の位相差がマスク領域Maの位相差を跨ぐようなオフセット量OFst=0.55Lineを算出する。その後、ここに算出されたオフセット量OFstを全色のY,M,C,K−IDX信号の副走査補正量に加算するようになされる。
従って、BK色基準でK−IDX信号と副走査補正量に従って位相調整されたCMY各色のIDX信号とを位相調整範囲を制限することなく、マスク領域Maにかからない最適な位相位置、上述した例では、C色のC−IDX信号を位相位置1.55Lineに設定すること、M−IDX信号を位相位置2.25Lineに設定すること、及び、Y−IDX信号を位相位置2.45Lineに各々設定(配置)できるようになる。
このMST−IDX信号の当該周期の位相調整可能領域Ra内で、全色のYMCK−IDX信号の位相位置が設定できない場合に、マスク領域Maを隔てた2周期目(次周期)のMST−IDX信号の位相調整可能領域RaにM色のM−IDX信号の位相位置や、Y色のM−IDX信号の位相位置を設定できるようになる。しかも、図7に示した例では、最小位相位置のM−IDX信号を位相調整可能領域Raの最小限界位置φminに配置できるようになる。なお、前者に比べて位相シフト量が少なくなる場合によっては、最大位相位置のC−IDX信号を位相調整可能領域Raの最大限界位置φmaxに配置するようにしてもよい。
図9は、第2の実施例に係る用紙搬送系I及び2次転写系IIの構成例を示す概念図である。
この実施例では、第1の実施例で算出したIDX信号のオフセット量OFstに応じて制御部15が画像先端タイミングを補正するようになされる。ここに画像先端タイミングとは、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kによって中間転写ベルト6に色作像処理された画像の先端位置を用紙Pの所定の先端書込み位置に転写するタイミングをいう。
図9に示す用紙搬送系I及び2次転写系IIは、図1に示したカラー複写機100から2次転写ローラ7A、先端検知センサ11、レジストローラ23、ループローラ22Dを抽出し、図3に示した制御系からCPU55及び搬送モータ制御部60を抽出したものである。
CPU55は、画像形成時、基準信号となるカウントクロック信号(以下CLK信号という)に基づいて作像形成開始信号(以下PTOP信号という)を立ち上げ、当該PTOP信号を画像形成部80へ出力する。画像形成部80ではPTOP信号に基づいて作像形成処理を開始する。CPU55は、画像先端タイミング補正時、レジストストローラ23のスタートタイミングを調整し、スタート信号S61及び減速スタート信号S62を搬送モータ制御部60に出力する。
CPU55に接続された搬送モータ制御部60は、スタート信号S61及び減速スタート信号S62に基づいてループローラ22D、レジストローラ23等を駆動制御する。例えば、ループローラ22Dや、レジストローラ23、2次転写ローラ7A等には、図示しないローラ駆動用のモータが設けられ、搬送モータ制御部60は、スタート信号S61及び減速スタート信号S62に基づいてこれらのモータに所定の駆動電圧Vm1、Vm2、Vm3を供給する。
用紙搬送系Iでは、用紙搬送時、駆動電圧Vm1に基づいて駆動されるループローラ22D及び駆動電圧Vm2に基づいて駆動されるレジストローラ23によって用紙Pが2次転写ローラ7A下に搬送される。例えば、レジストローラ23は、給紙部20から繰り出された所定の用紙Pを2次転写ローラ7Aの手前で保持し、PTOP信号に基づいて2次転写ローラ2Aへ送り出すようになされる。搬送モータ制御部60では、IDX信号にオフセット量OFstを加算する場合であって、画像先端タイミング補正時、CPU55の制御を受けてレジストストローラ23のスタートタイミングを調整するようになされる。
2次転写系IIでは、2次転写ローラ7Aとレジストローラ23との間に設けられた先端検知センサ11が、レジストローラ23から送出された用紙Pの先端を検知して先端検知信号S11をCPU55に出力する。2次転写ローラ7Aでは、レジストローラ23によって用紙搬送制御される所定の用紙Pに、中間転写ベルト6から分離される色画像を転写するようになされる。
図10A〜Dは、画像位置ずれ及びその補正例を示す図である。図10Aは、PTOP信号と画像転写時刻tpとの関係例を示す図である。図10Aに示すtpは、画像転写時刻であり、CPU55がPTOP信号を立ち上げてからTo時間経過後の時刻である。すなわち、画像転写時刻tpは、中間転写ベルト6に担持された色画像が用紙Pに転写される時刻である。
図10Bは、オフセット量非加算時の画像形成例を示す図である。図10Bに示す画像形成例によれば、第1の実施例で説明したオフセット量OFstをIDX信号に加算しない場合である。この場合は、画像転写時刻tpにおいて、用紙Pの最適な画像形成位置に画像が転写される。すなわち、用紙Pの上下及び左右に所定の余白を残して画像が転写される場合である。
図10Cは、オフセット量加算時の画像形成例を示す図である。図10Cに示す画像形成例によれば、図10Bに示した用紙Pに対する画像形成位置に比べて、用紙Pの左右の余白は同等になるが、その上方の余白が多くなり、下方の余白が少なくなっている。これは、IDX信号にオフセット量OFstを加算したことで、用紙Pに対する画像形成位置が全体に下方へ位置ずれしたためである。
ここに図10Bに示した画像の先端位置と、図10Cに示した画像の先端位置との差分を位置ずれΔt(時間換算)とする。すなわち、図10Aに示したPTOP信号が立ち上がってから、用紙Pが時間Δtだけ2次転写ローラ7A下に早く到達したことを意味している。換言すると、用紙Pが2次転写ローラ7A下に到達して、オフセット量非加算時の画像形成時刻tpよりも時間Δtだけ遅れて転写された場合を意味している。
図10Dは、画像位置ずれ補正例を示す図である。図10Dに示す画像位置ずれ補正例によれば、図9に示したレジストローラ23から2次転写ローラ7A下への用紙Pの送り出し時刻を時間Δtだけ遅らせることで、オフセット量加算時の画像転写時刻tpに、2次転写ローラ7A下の最適な位置で用紙Pに画像を転写できるように補正がなされる。
続いて、第2の実施例にとしてのカラー複写機100の動作例について説明する。図11A〜Cは、レジストローラ23における用紙送出時のスタート信号S61の補正例を示すタイミングチャートである。図11AはCLK信号、図11BはPTOP信号、図11Cはスタート信号S61の各々の波形例を示す図である。図12は、第2の実施例としてのカラー複写機100の動作例を示すフローチャートである。
この例では、レジスト補正モード終了後に、位相オフセット制御を実行する場合であって、第1の実施例で算出したIDX信号のオフセット量OFstに応じてCPU55が画像先端タイミングを補正する場合を前提とする。
なお、図12に示すフローチャートのステップST1〜ST10については、第1の実施例で説明したステップST1〜ST10と全く同様な処理内容となるのでその説明を省略する。第2の実施例では、第1の実施例で説明したIDX信号のオフセットOFset分だけ、スタート信号S61に関し、立ち上げ時刻をΔt時間だけ遅らせるようになされる。
これらを前提にして、図12に示すステップST11で、CPU55は、ステップST7及びステップST8で各々算出されたオフセット量OFstに応じて画像先端タイミングを補正するようになされる。例えば、図11Aに示すCLK信号のパルスが、図示しないカウンタによってカウントされると、所定のクロック数をカウントした時点(時刻t21)に、図9に示したCPU55が図11Bに示すPTOP信号を立ち上げて、画像形成部80等へ出力する。
この例では、図11Bに示した時刻t21でPTOP信号が立ち上がると、カウンタによって、オフセット量非加算時の経過時間Tに相当するクロック数がカウントされ、所定のクロック数をカウントした時点(時刻t22)に、図11Cに示すスタート信号S61が立ち上がる。スタート信号S61は、ループローラ22D及びレジストローラ23をスタートさせる信号である。
つまり、PTOP信号の立ち上がり時刻t21からレジストローラ23のスタート信号S61が立ち上がるまでの経過時間をTとしたとき、この経過時間Tをオフセット量OFsetに応じて調整する。例えば、CPU55はOFset=Δtをスタート信号S61の立ち上げ時刻t22に設定する。波線に示すスタート信号S61の立ち上がり時刻t23は、実線に示すスタート信号S61の立ち上がり時刻t22をT+Δtとして遅らせるようにタイミングを調整する。
この調整により、オフセット量加算時、CPU55は、経過時間TにΔtを加算したT+Δt(時刻t23)に、補正後のスタート信号S61を立ち上げることができる。これにより、IDX信号のオフセット量OFstによる先端ずれを補正できるようになる。
このように、第2の実施例としてのカラー複写機100によれば、位相オフセット制御を実行した際に、CPU55は第1の実施例で算出したIDX信号のオフセット量OFstに応じて画像先端タイミングを補正する。上述した例では、CPU55がレジストローラ23によって保持される用紙Pの送出タイミングを制御するようになされる。
従って、図9に示したレジストローラ23から2次転写ローラ7A下への用紙Pの送り出し時刻をオフセット量OFst分の時間Δtだけ遅らせることができ、オフセット量加算時、画像転写時刻tpに2次転写ローラ7A下の最適な位置で用紙Pに画像を転写できるようになる。これにより、IDX信号へのオフセット量OFstによる画像全体の位置ずれを解消することができ、高品質の画像形成装置を提供することができる。
(請求項6)
図13は、第3の実施例としてのカラー複写機100の動作例を示すタイムチャートである。
この例でも、レジスト補正モード終了後に、位相オフセット制御を実行する場合であって、第1の実施例で算出したIDX信号のオフセット量OFstに応じてCPU55が画像先端タイミングを補正する場合を前提とする。なお、第3の実施例でも、図12に示したフローチャートのステップST1〜ST10について適用されるが、その処理内容は第1の実施例で説明しているので、その説明を省略する。
また、図12に示したステップST11で、CPU55は、ステップST7及びステップST8で各々算出されたオフセット量OFstに応じて画像先端タイミングを補正するが、第3の実施例では、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kに設けられたループローラ22D及びレジストローラ23の減速スタートタイミングを調整して画像先端タイミングを補正するようになされる。例えば、CPU55は先端検知センサ11が用紙Pの先端を検知した後、ループローラ22D及びレジストローラ23の減速スタートタイミングS62をIDX信号のオフセット量OFstに応じて制御する。
この例では、図13Aに示した時刻t31でレジストローラ23のスタート信号S61が立ち上がると、時間T1を経過した後、時刻t32で画像検知センサ11が用紙Pの先端を検出して、先端検知信号S11を立ち上げる。時刻t32で先端検知信号S11が立ち上がると、CPU55は、経過時間T2を設定し、その後、時刻t33にレジストローラ23及びループローラ22Dを減速させるための減速スタート信号S62を立ち上げる。
つまり、スタート信号S61の立ち上がり時刻t31から先端検知信号S11が立ち上がるまでの経過時間をT1とし、先端検知信号S11の立ち上がり時刻t32から減速スタート信号S62を立ち上げるまでの経過時間をT2としたとき、この経過時間T2をオフセット量OFsetに応じて調整する。
例えば、CPU55は、OFst=Δtを減速スタート信号S62の立ち上げ時刻t33に設定する。波線に示すオフセット量加算時の減速スタート信号S62の立ち上がり時刻t34は、実線に示すオフセット量非加算時の減速スタート信号S62の立ち上がり時刻t33をT2+Δtとして遅らせるように減速タイミングを調整する。
この調整により、オフセット量加算時、CPU55は、経過時間T2にΔtを加算したT2+Δt(時刻t34)に、補正後の減速スタート信号S62を立ち上げることができる。これにより、IDX信号のオフセット量OFstによる先端ずれを補正できるようになる。
このように、第3の実施例としてのカラー複写機100によれば、位相オフセット制御を実行した際に、CPU55は第1の実施例で算出したIDX信号のオフセット量OFstに応じて画像先端タイミングを補正する。上述した例では、CPU55が、先端検知センサ11によって用紙Pの先端を検知した後、ループローラ22D及びレジストローラ23の減速スタートタイミングS62をIDX信号のオフセット量OFsに応じて制御するようになされる。
従って、図9に示したレジストローラ23から2次転写ローラ7A下への用紙Pの送り出し時刻を第2の実施例と同様にして、オフセット量OFst分の時間Δtだけ遅らせることができ、オフセット量加算時、画像転写時刻tpに2次転写ローラ7A下の最適な位置で用紙Pに画像を転写できるようになる。これにより、IDX信号へのオフセット量OFstによる画像全体の位置ずれを解消することができ、高品質の画像形成装置を提供することができる。
図14は、第4の実施例としての用紙搬送系Iにおける減速制御例を示す動作タイムチャートである。
この例でも、レジスト補正モード終了後に、位相オフセット制御を実行する場合であって、第1の実施例で算出したIDX信号のオフセット量OFstに応じてCPU55が画像先端タイミングを補正する場合を前提とする。なお、第4の実施例でも、図12に示したフローチャートのステップST1〜ST10について適用されるが、その処理内容は第1の実施例で説明しているので、その説明を省略する。
また、図12に示したステップST11で、CPU55は、ステップST7及びステップST8で各々算出されたオフセット量OFstに応じて画像先端タイミングを補正するが、第4の実施例では、レジストローラ23及びループローラ22Dの減速制御により、用紙先端位置を補正する場合を挙げる。
例えば、図9に示したCPU55は、先端検知センサ11から2次転写ローラ7Aに至るまでの経路における用紙Pの搬送速度を調整して画像先端タイミングを補正する。つまり、CPU55には用紙搬送速度調整機能が備えられる。
図14において、縦軸は、搬送速度v[m/s]であり、レジストローラ23及びループローラ22Dを駆動するモータの速度である。実線は、これらのモータの運転特性である。この例では、時刻t41で搬送モータ制御部60は、レジストローラ23及びループローラ22Dの駆動用のモータに駆動電圧Vm2を供給(オン)する。レジストローラ23等は用紙搬送をスタートする。その後、時刻t42でレジストローラ23は搬送速度vAに到達すると、搬送モータ制御部60は駆動電圧Vm2をオフする。このとき、モータは一定速度で回転する状態となる。
また、時刻t43で先端検知センサ11は用紙Pの先端を検知し、先端検知信号S11をCPU55に出力する。CPU55は、先端検知信号S11が立ち上がって時間Tを経過した時刻t44で減速制御を開始する。例えば、時刻t44でレジストローラ23を減速制御して搬送速度vB(vB<vA)にする。これにより、オフセット量非加算時、時刻t44でレジストローラ23等が減速をスタートする。
この例で、搬送モータ制御部60は逆転ブレーキ制御又はショートブレーキ制御を実行する。ここに逆転ブレーキ制御とは、レジストローラ23やループローラ22Dを駆動するモータに通常正回転を与える電圧と逆向きの電圧を所定時間(一瞬)供給して逆回転を与える制動制御をいう。逆転ブレーキ制御によれば、ショートブレーキ制御に比べて強力な制動力が得られる。ショートブレーキ制御とは、レジストローラ23を駆動するモータへの電圧供給を断ち、電圧供給端子をショートして電機子反作用による制動力を得る制御をいう。
この例で、オフセット量加算時は、先端検知信号S11が立ち上がって時間Tを経過した時刻t44にOFset=Δtを設定する。例えば、CPU55は、時刻t44に関してT±Δtを設定する。時刻t44に関してT−Δtが設定された場合は、オフセット量非加算時に比べてオフセット量加算時のレジストローラ23等が早めに減速をスタートするようになされる。
また、時刻t44に関してT+Δtが設定された場合は、オフセット量非加算時に比べてオフセット量加算時のレジストローラ23等が遅れて減速をスタートするようになされる。いずれの場合も、時刻t45で2次転写ローラ7Aと同期して一定の搬送速度vBで用紙Pを搬送する。これにより、用紙Pが2次転写ローラ7Aに到達するまでの時間を制御することができ、用紙Pの到達時刻を遅らせることができる。
このように、第4の実施例としてのカラー複写機100によれば、位相オフセット制御を実行した際に、CPU55は第1の実施例で算出したIDX信号のオフセット量OFstに応じて画像先端タイミングを補正する。上述した例では、CPU55が、先端検知センサ11から2次転写ローラ7Aに至るまでの経路における用紙Pの搬送速度を調整して画像先端タイミングを補正するようになされる。
従って、図9に示したレジストローラ23から2次転写ローラ7A下へ向けて搬送される用紙Pの到達時刻をオフセット量OFst分の時間Δtだけ遅らせることができ、オフセット量加算時、第1〜第3の実施例と同様にして画像転写時刻tpに2次転写ローラ7A下の最適な位置で用紙Pに画像を転写できるようになる。これにより、IDX信号へのオフセット量OFstによる画像全体の位置ずれを解消することができ、高品質の画像形成装置を提供することができる。
この発明は、感光体ドラム及び中間転写ベルトを有し、かつ、色ずれ補正モード及びポリゴン位相制御モードを有するタンデム型のカラープリンタやカラー複写機、これらのカラー複合機等に適用して好適である。
本発明に係る実施形態としてのカラー複写機100の構成例を示す概念図である。 Y色用の書込みユニット3Yの構成例を示す概念図である。 カラー複写機100の制御系の構成例を示すブロック図である。 (A)及び(B)は、MST−IDX信号に対するY−IDX信号の変動例(その1)を示す波形図である。 (A)及び(B)は、MST−IDX信号に対するY−IDX信号の変動例(その2)を示す波形図である。 (A)〜(C)は、第1の実施例に係る位相オフセットの設定例(その1)を示す動作タイムチャートである。 (A)〜(G)は、第1の実施例に係る位相オフセットの設定例(その2)を示す動作タイムチャートである。 第1の実施例としてのカラー複写機100のCPU55の位相オフセット制御時の動作例を示すフローチャートである。 第2の実施例に係る用紙搬送系I及び2次転写系IIの構成例を示す概念図である。 (A)〜(D)は、画像位置ずれ及びその補正例を示す図である。 (A)〜(C)は、レジストローラ23における用紙送出時のスタート信号S61の補正例を示すタイミングチャートである。 第2の実施例としてのカラー複写機100の動作例を示すフローチャートである。 第3の実施例としてのカラー複写機100の動作例を示すタイムチャートである。 第4の実施例としての用紙搬送系Iにおける減速制御例を示す動作タイムチャートである。
符号の説明
1Y,1M,1C,1K 感光体ドラム(像担持体)
3Y,3M,3C,3K 書込みユニット
4Y,4M,4C,4K 現像ユニット
6 中間転写ベルト(像担持体)
10Y,10M,10C,10K 画像形成ユニット(画像形成手段)
12A,12B レジストセンサ
11 先端検知センサ(検出部)
15 制御部(制御手段)
55 CPU(制御手段)
60 搬送モータ制御部(制御手段)
61 位相差検出部(検出手段)
62 位相補正部
63 Yポリゴン駆動部
64 Mポリゴン駆動部
65 Cポリゴン駆動部
66 Kポリゴン駆動部
100 カラー複写機
101 複写機本体
102 画像読取装置
201 自動原稿給紙装置
202 原稿画像走査露光装置

Claims (7)

  1. 作像走査基準信号及び全色の走査光検知信号に基づいて各々の色用の多面鏡を回転し、当該多面鏡で各々の色毎に光を走査して像担持体に色作像処理する画像形成手段と、前記画像形成手段の多面鏡で走査された光を所定の位置で検出して得られる走査光検知信号と前記作像走査基準信号との間の位相差を検出する検出手段とを備えた画像形成装置において、
    前記作像走査基準信号に対して各色の走査光検知信号の位相位置の設定を禁止する位相差の領域をマスク領域とし、全色の走査光検知信号の中から選ばれた基準色の走査光検知信号と他の各色の走査光検知信号との間の位相位置を補正するためのレジスト補正処理で算出された色ズレ補正量を副走査補正量としたとき、
    前記基準色の走査光検知信号と前記副走査補正量に従って位相調整された前記他色の走査光検知信号とで各々隣接する二色間の走査光検知信号の位相差を算出し、前記二色間の走査光検知信号の位相差と前記マスク領域を成す位相差とを比較し、前記マスク領域の位相差よりも広い位相差となる色の走査光検知信号の組みを求め、求めた組みの前記色の走査光検知信号の位相差がマスク領域の位相差を跨ぐようなオフセット量を算出し、算出された前記オフセット量を全色の走査光検知信号の前記副走査補正量に演算する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記作像走査基準信号の1周期うち前記マスク領域以外の位相差の領域を位相調整可能領域としたとき、
    前記制御手段は、
    前記基準色の走査光検知信号の位相位置及び前記副走査補正量から算出された各色の走査光検知信号の位相位置が前記位相調整可能領域内に設定可能か否かを判別し、
    前記基準色及び各色の走査光検知信号の位相位置が前記位相調整可能領域内に設定されている場合は、位相オフセット制御を実行しないことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記位相調整可能領域には最小限界位置及び最大限界位置が設定され、
    前記制御手段は、
    前記基準色の走査光検知信号に対して、副走査補正量から算出された各色の走査光検知信号のうち、最小位相位置に設定された走査光検知信号と、最大位相位置に設定された走査光検知信号との間の位相差が前記位相調整可能領域内に設定される場合に、最大位相位置の前記走査光検知信号を前記位相調整可能領域の最大限界位置に配置し、又は、最小位相位置の走査光検知信号を前記位相調整可能領域の最小限界位置に配置するように前記オフセット量を全色の走査光検知信号の前記副走査補正量に演算することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記画像形成手段によって像担持体に色作像処理された画像の先端位置を用紙の所定の先端書込み位置に転写するタイミングを画像先端タイミングとしたとき、
    前記制御手段は、
    算出した前記オフセット量に応じて画像先端タイミングを補正することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記画像形成手段に用紙搬送制御用の駆動ローラが設けられ、
    前記制御手段は、
    前記駆動ローラのスタートタイミングを調整して前記画像先端タイミングを補正することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、
    前記駆動ローラの減速スタートタイミングを調整して前記画像先端タイミングを補正することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  7. 前記画像形成手段には、
    所定の用紙に画像を転写する転写部と、
    前記駆動ローラと転写部との間に配置されて前記用紙の先端を検出する検出部とが備えられ、
    前記制御手段は、
    前記検出部から転写部に至るまでの経路における前記用紙の搬送速度を調整して前記画像先端タイミングを補正することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
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