JP4764800B2 - 発泡性エアゾール組成物 - Google Patents

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本発明は、二酸化炭素を含有する発泡性エアゾール組成物に関し、特に香料であるジヒドロジャスモン酸メチル及びビタミンE及びその誘導体を含有する発泡性エアゾール組成物に関する。
二酸化炭素が皮膚に作用すると皮膚の血行が促進されることから、種々の二酸化炭素含有化粧料が提案されている。例えば、皮膚上でマッサージしても、二酸化炭素を高濃度に含有する泡が皮膚上に長時間安定に保持され、皮膚の血行促進効果の得られる発泡性皮膚血行促進塗布剤が提案されている。例えば、特許文献1には、このような発泡性皮膚血行促進塗布剤が開示され、二酸化炭素はアルカリ側では炭酸塩となり、血行促進効果を奏さないため、pHは2.5〜7.0の範囲であることが好ましい旨記載されている(特許文献1[0020]参照)。
なお、健常な肌のpHは弱酸性であり、糖尿病患者やアレルギー体質の人の皮膚のpHは弱アルカリ性に傾きやすいことから、肌のpHを弱酸性に保持するべく化粧品のpHは弱酸性に保たれることが多い。
ところで、エアゾール組成物からなる化粧品を用いたマッサージによって、リラクゼーション効果を得ることを目的とし、グリーンフローラル調(フレッシュフローラルスムキー調)に調香したエアゾール組成物が提案されている。例えば、特許文献2では、リラクゼーション効果と洗浄の2つの効果を有するエアゾール組成物が開示され、体温に近い30℃程度の高温時でも泡の状態を安定化させるために、デカグリセリンモノ飽和脂肪酸エステルを含有させることが記載されている。
また、香料を含有する化粧品では、抗酸化成分のビタミンC、ビタミンEやその誘導体を香料の保存性向上、特に香りの変化を抑制するためにプレミックスなど製剤中に配合することが通常行われる。
特開2005−2046号公報 特開2002−241745号公報
香料と他のエキスやビタミン類とが共存するとき、着色が起きたり香調が変わったりするなどの安定性の問題が起きる。これらの香料のうち、多くの化粧料に使われるジヒドロジャスモン酸メチル(メチルジヒドロジャスモネート)は、ビタミンE及びその誘導体(以下、単に「ビタミンE誘導体」と記載する。)と共存させた場合に、酸性下で保存されると赤褐色に変色が起きること、特に、この着色は酸性下や高温化で加速され、他の植物エキスの共存下でより着色が起きやすくなる(以下「褐変化」ということがある。)ことを本発明者らは発見した。
本発明は、ジヒドロジャスモン酸メチルとビタミンE誘導体とが共存する二酸化炭素含有エアゾール組成物において、酸性下であっても褐変化を生じにくい組成物を得ることを目的とするものである。
本発明者らは、特定のポリグリセリン誘導体を配合することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ジヒドロジャスモン酸メチル、ビタミンE誘導体、及びポリグリセリン誘導体を含有する水性液と二酸化炭素とを含む発泡性エアゾール組成物であって、ポリグリセリン誘導体が平均付加モル数9〜18のジグリセリンの酸化プロピレン付加物及び/又はデカグリセリン脂肪酸エステルであることを特徴とする発泡性エアゾール組成物を提供するものである。
本発明によれば、ジヒドロジャスモン酸メチルとビタミンE誘導体とが共存し、かつ酸性条件下であっても着色を生じさせない二酸化炭素を含有する発泡性エアゾール組成物を提供することができる。また、本発明の発泡性エアゾール組成物は、フォームを形成した後の泡の感触が良好であり、また洗い流しやすさに優れるものである。
本発明のエアゾール組成物は、ジヒドロジャスモン酸メチル、ビタミンE誘導体、及びポリグリセリン誘導体を含有する水性液を含む。
ジヒドロジャスモン酸メチル(メチルジヒドロジャスモネート)はMDJなどと称され、多くの化粧料に使われる香料成分の1つである。グリーンノートを形成する化粧品の合成香料として知られるものである。
本発明のエアゾール組成物を構成する水性液中に、MDJの含有量は0.005〜0.1質量%の範囲であることが好ましい。揮散により匂いを発する性質上、他の香料成分とのバランスも重要であるが、0.005質量%以上であると十分な香調が得られ、0.1質量%以下であると全体の香調のバランスの点で好ましい。以上の点から、MDJの含有量はさらに0.01〜0.05質量%の範囲が好ましい。
上記水性液には、MDJのほか、シトロネロール、リリアル、リナロール、イオノンベータ、ネロールなどの合成香料を含んでいてもよい。また、天然香料として、植物性香料のラベンダー、レモンなどの柑橘類、ヘリクリスム、ミント、ペパーミント、レモングラス、ローズ、カンファーなどの精油や、ムスク、シベット、カストリウムなどの動物性香料を併せて使用してもよい。
上記水性液は、通常、上記MDJ等の複数の香料からなる香料組成物が配合されるが、該香料組成物には、香料の安定化や希釈のために、エタノールなどのアルコールやポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、ブチレングリコール、エチレングリコールなどの多価アルコールを配合することが好ましい。これらのアルコール及び多価アルコールの香料組成物における含有量は、0.1〜60質量%程度である。0.1質量%以上であると香料組成物の安定化が図れ、60質量%以下であると皮膚への刺激が小さく好ましい。以上の点から、アルコール及び多価アルコールの香料組成物における含有量は1〜40質量%の範囲がより好ましい。
本発明のエアゾール組成物はビタミンE誘導体を含有する。ビタミンE誘導体は、MDJ等の香料の香りの変化を抑制するとともに、血行を促進し、しわ・くすみ防止剤としての効果をも有する。
ビタミンE誘導体としては、トコール及びトコトリエノールの誘導体が挙げられ、具体的にはα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、リノール酸dl−α−トコフェロール、リノレイン酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、アスコルビン酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールなどが挙げられる。これらは天然物由来のものであっても、また合成によって得られたものでもよく、これらを単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのうち、特に各種トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、及びニコチン酸dl−α−トコフェロールが好ましい。
ビタミンE誘導体の含有量は、上記水性液中に0.01〜10質量%の範囲が好ましい。この範囲であると、上記ビタミンE誘導体の効果を十分に奏することができ、かつ十分な乳化安定性と使用感が得られる。さらに10質量%以下であると、乳化安定性を保持する点から好ましく、またべたつきなどの感触が生じない点からも好ましい。以上の点からビタミンE誘導体の含有量は、さらに0.01〜3質量%の範囲が好ましい。
本発明のエアゾール組成物には、MDJの保存安定性を向上させるビタミンE誘導体のほかに他のビタミン及びその誘導体を添加することができる。具体的には、ビタミンA及びその誘導体であるレチノール、レチノイン酸、レチノイン酸エステル、カロテノイド、ビタミンB群では、B1、B2、B6、B12、及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、特には油溶解性誘導体、ビタミンD誘導体(パントテン酸誘導体)などが挙げられる。
本発明のエアゾール組成物はポリグリセリン誘導体として、ジグリセリンの酸化プロピレン付加物又はデカグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする。これらは、MDJを含む香料成分とビタミンE誘導体とを酸性下で安定に共存させるのに有効なものであり、褐変化を抑制する効果を示す。
褐変化を抑制するメカニズムについては明らかではないが、これらのポリグリセリン誘導体を配合することで、MDJとビタミンE及びその誘導体の分散及び存在状態が変化すると思われる。
上記ジグリセリンの酸化プロピレン付加物の平均付加モル数としては9〜18であり、好ましくは13〜14である。これらのジグリセリンの酸化プロピレン付加物としては、市販品としてSY−DP9、SY−DP14(いずれも阪本薬品工業株式会社)などがある。
これらのジグリセリンの酸化プロピレン付加物は1種を単独で又は2種以上を併用することもできる。
また、デカグリセリン脂肪酸エステルとしては、デカグリセリンモノ脂肪酸エステルもしくはデカグリセリンジ脂肪酸エステルが好ましく、エステルを形成する脂肪酸は、ヒドロキシル基を含まない炭素数8〜22、特に8〜16の直鎖又は分岐鎖脂肪酸が好ましい。
これらのデカグリセリン脂肪酸エステルは1種を単独で又は2種以上を併用することもできる。
また、上記ジグリセリンの酸化プロピレン付加物とデカグリセリン脂肪酸エステルを併用することもできる。
ポリグリセリン誘導体の含有量は、上記水性液中に0.1〜20質量%の範囲であることが好ましい。0.1質量%以上であると褐変化を十分に抑制することができ、一方、20質量%以下であると十分な泡質や泡立ちの点で好ましい。すなわち、20質量%を超えて配合すると、泡質の低下や配合時の泡立ちが十分でなく、更に皮膚への刺激を呈する可能性がある。以上の観点から、ポリグリセリン誘導体の含有量は0.3〜10質量%の範囲がさらに好ましく、0.5〜5質量%の範囲が特に好ましい。
また、MDJに対するポリグリセリン誘導体の含有量比(質量比)は5〜4000の範囲であることが好ましい。この含有量比であると褐変化を抑制することができる。該含有量比は、好ましくは50以上、特に80以上、更に2000を超える含有量比を配合すれば褐変化を抑制する効果は良好となる。一方、泡質の低下や皮膚刺激の点など総合的な品質の向上の観点から、含有量比を4000以下とすることが好ましく、3000以下であることがさらに好ましい。
本発明において、二酸化炭素は水性液中に溶解しており、これを皮膚に適用したときに発泡する。そして、皮膚上において泡中のガス状の二酸化炭素及び水性液中の二酸化炭素は、皮膚の血行を促進する作用を有する。従って、二酸化炭素は水性液中に高濃度で存在するようにするのが好ましい。
二酸化炭素の水性液への溶解量は水性液の組成によっても異なるが、500〜30000質量ppm、さらに5000〜20000質量ppm、特に8000〜18000質量ppmとするのが好ましい。
また、上記水性液のpHは、健常な肌のpHが弱酸性であることから、3.5〜6.5の範囲であることが好ましい。また、本発明において、血行促進作用成分として配合される二酸化炭素はアルカリ側では二酸化炭素としてではなく、炭酸塩となってしまい、血行促進効果を奏さない。従って、水性液中に二酸化炭素を高濃度で溶解させておき、優れた血行促進効果を得る点からも上記範囲にpHを調整することが好ましい。これらの範囲にpHを調整する際のpH調整剤としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の有機酸又はこれらの塩、あるいはリン酸又はそれらの塩などが利用できる。
本発明のエアゾール組成物を構成する水性液には、皮膚に適用した際の泡の安定性を向上させるために、乳化剤を含有させることが好ましい。乳化剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤を使用することができる。
これらのうち、泡の安定性等の観点から、非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤が好ましい。良好な起泡性を得るとの点からは、非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤に加えてカチオン性界面活性剤も好ましい。また、これらの界面活性剤の配合により、殺菌作用や、トリートメント効果、帯電防止効果などの効果も得られる。また、両性界面活性剤は起泡力増強の目的などで必要に応じて添加される。
また、上記界面活性剤としては、皮膚上での泡の安定性の点から、炭素数8〜16のアルキル鎖を有するものが好ましい。さらに、エアゾール組成物を構成する成分によっては、長鎖脂肪酸エステルまたは長鎖アルキルアルコールなどの成分を配合することで更に泡の安定性を向上させることができる。
なお、これらの界面活性剤は1種単独で又は2種以上を組み合せて使用することができる。
非イオン性界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などのエチレンオキサイド付加物;脂肪酸アルキルアミド、アルキルポリサッカライドなどが挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸塩、リン酸エステル塩などが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩のようなアンモニウム塩やアミン塩などが挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタインなどが挙げられる。
これらの界面活性剤は、皮膚上での泡の安定性及び泡感触の点からその量が多い方が好ましいが、一方で皮膚への刺激等の面を考慮すると水性液中に、0.3〜25質量%の範囲で含有することが好ましい。特に、洗浄剤やマッサージ剤などの洗い流す系では、特に1〜20質量%、さらに3〜15質量%含有するのが好ましい。また、乳液や化粧水などそのまま皮膚上に残る系では、0.3〜10質量%、さらに0.3〜6質量%が好ましい。
また、本発明のエアゾール組成物には、沸点−45〜40℃の炭化水素を含有させることが好ましい。本発明のエアゾール組成物を皮膚に適用したとき、二酸化炭素とともにその一部が発泡し、その後泡を皮膚上に拡げる際にさらに起泡し、泡を持続させる作用を有するものである。
沸点−45〜40℃の炭化水素としては、プロパン、ブタン、イソブタン、イソペンタン、n−ペンタン、ネオペンタンなどが挙げられ、これらのうちイソペンタン、n−ペンタン、ネオペンタンが安全性、泡の持続性の点で特に好ましい。
沸点−45〜40℃の炭化水素の含有量としては、水性液中に0.1〜5質量%の範囲が好ましく、さらに0.5〜2質量%、特に0.8〜2質量%の範囲が好ましい。
本発明のエアゾール組成物は、植物エキスを含有することができる。植物エキスとしては、特に制限は無いが、例えば甘草エキス、グリチルリチン酸及びその誘導体、脂溶性グリチルレチン酸類、アズレン、グアイアズレン、オウゴンエキス、カミツレエキス、クマザサエキス、シラカバエキス、ゼニアオイエキス、桃葉エキス、セイヨウノコギリソウエキス、キキョウエキス、ビワ葉エキス、ボダイジュエキスユーカリエキス、西洋オトギリソウエキス、などの抗炎症作用をもつものや、ショウキョウエキス、オランダカラシ、カンタリスチンキ、サンショウエキス、ハッカ油、ワサビ大根エキス、ショウキョウエキスなどの局所刺激作用をもつもの、ルチン誘導体や、ヒバマタエキス、セージ抽出物など、はりやむくみに効果のあるものなどが挙げられる。
また、植物エキス以外の抗生物質、抗真菌剤、抗炎症剤、血行促進剤、保湿剤なども配合することができる。
次に、本発明のエアゾール組成物は噴射剤として二酸化炭素以外に、窒素ガス、ネオンガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、キセノンガス、酸素ガス、圧縮空気等を配合することができる。これらの噴射剤は、水性液中の二酸化炭素濃度が前記の範囲に保持される量配合でき、耐圧容器の内圧が25℃において0.50〜1.80MPa、特に0.70〜0.95MPaの範囲となるように配合するのが好ましい。また、これらの二酸化炭素に添加して使用する噴射剤は、噴射剤中の40質量%以下、特に20質量%以下とするのが好ましい。また、二酸化炭素による血行促進効果をより高めるためには、噴射剤として酸素ガス又は圧縮空気を二酸化炭素濃度の0.1〜20質量%、特に1〜10質量%含有させるのが好ましい。
本発明の発泡性皮膚血行促進塗布剤は皮膚上に適用し、生じた泡を皮膚上に拡げることにより使用するのが好ましい。ここで皮膚上への適用手段としては、所望の皮膚上に直接吐出して、その場で泡を形成させてもよいし、手に吐出して泡を形成させ、その泡を所望の皮膚上に塗布してもよい。本発明の発泡性エアゾール組成物により形成された泡は長時間安定であり、皮膚上に拡げる操作、軽いマッサージ等を行っても安定であることから、高濃度の二酸化炭素が皮膚に長時間作用し、優れた血行促進効果を奏する。
従って、本発明のエアゾール組成物は、発泡性皮膚洗浄剤、発泡性マッサージ皮膚洗浄剤、発泡性メイク落とし、発泡性クリーム、発泡性乳液、発泡性養毛・育毛料、また褥創などの予防や治療用の発泡塗布剤・発泡清拭剤、むくみや浮腫に対する予防や治療用の発泡塗布剤・発泡清拭剤等として使用できる。また対象としては人間だけでなく、例えば犬、猫などのペットの皮膚や毛の状態の改善にも応用できる。これらの用途に応じて、それらの有効成分を配合できる。例えば化粧料(洗浄料を含む)に対しては、前記保湿剤の他、サンスクリーン剤(UV−A及び又はUV−Bの吸収剤・反射剤)、美白剤、痩身剤、シワ・くすみ防止剤としての各種合成ビタミン、天然ビタミン及びそれらの誘導体、アミノ酸及びその誘導体などが使用できる。養毛・育毛料の有効成分としては、各種血流促進剤や、植物抽出物などが使用できる。マッサージ剤や清拭剤としては、各種抗炎症剤や局所麻酔剤、抗ヒスタミン剤、殺菌剤が添加できる。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。
評価方法
(1)褐変化の測定
各実施例及び比較例で得た水性液(エアゾール組成物の原液)について、目視にて色調を観察した。また紫外可視分光光度計(島津製作所「UV−2500」)を用い、積分球ユニット(島津製作所「ISR−2200」)で350〜700nmの波長領域について反射スペクトルを測定し、530nm付近のピークの有無によって評価した。なお、530nm付近のピークは褐変化により出現するものである。
測定は、配合直後の水性液と、該水性液をガラス製のねじ口瓶に40℃で保存し、1ヶ月及び3ヶ月経過後のものについて測定した。また、該水性液とイソペンタン及び二酸化炭酸をガラス製の耐圧エアゾール容器に充填して目視にて色調の変化を評価した。
なお、目視による色調の変化について、1ヶ月後及び3ヶ月後の評価は以下の基準により行った。
◎ 色調に変化なし。
○ 色調にわずかに変化あり。
△ 褐変化がわずかに起こった。
× 褐変化が顕著であった。
(2)低温での保存安定性
各実施例及び比較例で得た水性液について、該水性液をガラス製のねじ口瓶に−5℃で1ヶ月間保存した後、目視にて油層の分離の有無について確認した。
(3)泡の感触、マッサージ中の泡持ち、及び洗い流しやすさの評価
各実施例及び比較例で調製した耐圧容器中のエアゾール組成物を、上下に振とうしてフォーム状のマッサージ剤(洗浄タイプ)を得て、専門パネラー5人が、2分間のマッサージをした後に洗い流す操作を行った。各パネラーによる泡の感触、マッサージ中の泡持ち、及び洗い流しやすさに関する評価をそれぞれ平均して、各エアゾール組成物の評点とした。評価基準は以下のとおりである。
良い;5点
やや良い;4点
普通;3点
やや劣る;2点
劣る;1点
製造例1及び2(香料組成物A及びBの製造)
第1表に示す配合により香料組成物A及びBを製造した。
Figure 0004764800
実施例1、2、比較例1及び2(水性液の調製)
第2表に示す配合により、水性液(エアゾール組成物の原液)を調製した。なお、原液はpH5.6となるように調整を行なった後、精製水で100%となるように調製した。この水性液を上記評価方法(1)及び(2)により評価した。結果を第2表に示す。なお、実施例1及び2で調製した水性液をそれぞれ水性液(A)及び(B)と、比較例1及び2で調製した水性液をそれぞれ水性液(C)及び(D)と以後記載する。
Figure 0004764800
*1 モノラウリン酸ポリグリセリル水溶液;デカグリセリンモノラウリルエステルの50%水溶液、太陽化学株式会社「サンソフトM−12JW」
*2 ジグリセリン酸化プロピレン付加物;酸化プロピレンの平均付加モル数14、阪本薬品工業株式会社「SY−DP14」
実施例3(エアゾール組成物の調製)
上記実施例1で調製した水性液(A)をガラス製の耐圧容器に97質量%充填した。密閉後に容器内の空気を吸引により脱気し、次いで、イソペンタン1.3質量%、二酸化炭素1.7質量%を充填して、エアゾール組成物を得た。該エアゾール組成物について上記評価方法(3)にて評価した。結果を第3表に示す。
実施例4、比較例3及び4
実施例3において、実施例1で調製した水性液(A)に代えて、実施例2、比較例1及び比較例2で調製した水性液(水性液(B)、(C)及び(D))をそれぞれ用いたこと以外は実施例3と同様にしてエアゾール組成物を得た。該エアゾール組成物について上記評価方法(3)にて評価した。結果を第3表に示す。
Figure 0004764800
比較例3及び4で調製したエアゾール組成物について、ガラス製の耐圧容器中に40℃で3ヶ月保存後、エアゾール容器中の内容物は赤褐色を呈しており、噴射したフォームも薄く赤褐色を呈した。すなわち、エアゾール組成物においても、水性液と同様の褐変化が生じていることが認められた。
一方、本発明のエアゾール組成物では、平均付加モル数9〜18のジグリセリンの酸化プロピレン付加物及び/又はデカグリセリン脂肪酸エステルを配合することにより、色調の変化を抑制することができる。また、この効果に加えて、泡の感触や洗い流しやすさが向上するとともに、低温保存時での油層の分離が抑制され、低温での保存安定性が向上する。
本発明によれば、ジヒドロジャスモン酸メチルとビタミンE誘導体とが共存するエアゾール組成物において、酸性下であっても褐変化を生じさせることがなく、しかも、泡の感触や洗い流しやすさが向上し、低温保存時での安定性に優れるエアゾール組成物を提供することができる。

Claims (8)

  1. ジヒドロジャスモン酸メチル、ビタミンE及びその誘導体、及びポリグリセリン誘導体を含有する水性液と二酸化炭素とを含む、酸性の発泡性エアゾール組成物であって、ポリグリセリン誘導体が平均付加モル数9〜18のジグリセリンの酸化プロピレン付加物及び/又はデカグリセリンモノ脂肪酸エステルであり、前記水溶液中のジヒドロジャスモン酸メチルの含有量が0.005〜0.1質量%であることを特徴とする発泡性エアゾール組成物。
  2. 前記二酸化炭素の前記水溶液への溶解量が、500〜30000質量ppmである請求項1に記載の発泡性エアゾール組成物。
  3. 前記水性液のpHが3.5〜6.5である請求項1又は2に記載の発泡性エアゾール組成物。
  4. デカグリセリン脂肪酸エステルがデカグリセリンモノ脂肪酸エステル又はデカグリセリンジ脂肪酸エステルである請求項1〜3のいずれかに記載の発泡性エアゾール組成物。
  5. ビタミンE及びその誘導体がトコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、及びニコチン酸dl−α−トコフェロールからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜のいずれかに記載の発泡性エアゾール組成物。
  6. 前記水性液中のビタミンE及びその誘導体の含有量が0.01〜10質量%の範囲である請求項1〜のいずれかに記載の発泡性エアゾール組成物。
  7. ジヒドロジャスモン酸メチルに対するポリグリセリン誘導体の含有量比(質量比)が5〜4000の範囲である請求項1〜のいずれかに記載の発泡性エアゾール組成物。
  8. 前記水性液中のポリグリセリン誘導体の含有量が0.1〜20質量%の範囲である請求項1〜のいずれかに記載の発泡性エアゾール組成物。
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