JP2023042022A - アスコルビン酸及び/又はその塩を含有する外用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】アスコルビン酸又はその塩、炭素数3個のジオール及び水を含有し、エトキシジグリコールの含有量が20質量%未満であっても、香料による濁りが抑えられた外用組成物を提供する。【解決手段】(A)アスコルビン酸及びアスコルビン酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種、(B)炭素数3個のジオール、(C)水、(D)果実系香料、並びに(E)式(I)で表されるアルキレンオキシド誘導体を含有し、エトキシジグリコールの含有量が20質量%未満である、外用組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、アスコルビン酸及び/又はその塩を含有する外用組成物に関する。
アスコルビン酸は、抗炎症効果、ニキビ改善効果、美白効果、老化防止効果、抗酸化効果、コラーゲン等の生体成分の合成促進による細胞賦活効果、表皮角化細胞の紫外線による細胞障害やDNA損傷を抑制する効果といった各種の効果を発揮することが知られており、これらの効果を期待して皮膚外用剤として広く用いられている。
アスコルビン酸を水性の皮膚外用剤において安定に可溶化するためのいくつかの方法が検討されている(例えば、特許文献1)。
一方、溶液タイプの医薬部外品や化粧品では、溶液の美観を向上させる、あるいは「透明感」のような商品コンセプトに合わせた外観をもたせるなどの目的から、透明度の高いものが好まれる場合がある。
WO2018/003850号公報
本発明者らは、炭素数3個のジオール及び水を含有し、エトキシジグリコールの含有量が20質量%未満である場合、アスコルビン酸又はその塩を含有しても優れた安定性を示すが、果実系の香料を添加すると濁りが生じやすく、溶液の透明性が損なわれやすいという課題を見出した。
そこで、本発明は、アスコルビン酸又はその塩、炭素数3個のジオール及び水を含有し、エトキシジグリコールの含有量が20質量%未満であっても、果実系香料による濁りが抑えられた外用組成物を提供することに関する。
本発明者らは、鋭意検討した結果、
(A)アスコルビン酸及びアスコルビン酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種、(B)炭素数3個のジオール、(C)水、(D)果実系香料と、(E)特定のアルキレンオキシド誘導体を共存させると、エトキシジグリコールの含有量が20質量%未満であっても果実系香料による外用組成物の濁りが抑制されることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、下記に掲げる外用組成物を提供する。
項1.
(A)アスコルビン酸及びアスコルビン酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種、
(B)炭素数3個のジオール、
(C)水、
(D)果実系香料、並びに
(E)式(I):R-O-[(AO)(EO)]-H(式中、Rは炭素数16以上の炭化水素基、AOは炭素数3~4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、m及びnはそれぞれ炭素数3~4のオキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、m≧0、n≧1であり、オキシアルキレン基とオキシエチレン基はブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよく、R部分の分子量WR1に対するnの割合n/WR1が、0.088以下である)で表されるアルキレンオキシド誘導体
を含有し、エトキシジグリコールの含有量が20質量%未満である、外用組成物。
項2.
前記(A)成分の含有量が1~30質量%である、項1に記載の外用組成物。
項3.
前記(B)成分の含有量が1~80質量%である、項1又は2に記載の外用組成物。
項4.
前記(C)成分の含有量が1~50質量%である、項1~3のいずれか一項に記載の外用組成物。
項5.
前記(D)成分の含有量が0.0001~2質量%である、項1~4のいずれか一項に記載の外用組成物。
項6.
前記(E)成分の含有量が0.01~3質量%である、項1~5のいずれか一項に記載の外用組成物。
項7.
前記(E)成分のAOが、オキシプロピレン基である、項1~6のいずれか一項に記載の外用組成物。
項8.
さらに、(F)低級アルコールを含有する、項1~7のいずれか一項に記載の外用組成物。
項9.
CIELAB表色系における明度L値が99.5以上である、項1~8のいずれか一項に記載の外用組成物。
項10.
pHが2~5である、項1~9のいずれか一項に記載の外用組成物。
また、本発明は、下記に掲げる果実系香料を可溶化する方法を提供する。
項11.
(A)アスコルビン酸及びアスコルビン酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種、
(B)炭素数3個のジオール、
(C)水、並びに
(D)果実系香料
を含有し、エトキシジグリコールの含有量が20質量%未満である、外用組成物に、
(E)式(I):R-O-[(AO)(EO)]-H(式中、Rは炭素数16以上の炭化水素基、AOは炭素数3~4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、m及びnはそれぞれ炭素数3~4のオキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、m≧0、n≧1であり、オキシアルキレン基とオキシエチレン基はブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよく、R部分の分子量WR1に対するnの割合n/WR1が、0.088以下である)で表されるアルキレンオキシド誘導体を共存させることを特徴とする、果実系香料を可溶化する方法。
本発明によれば、果実系香料による濁りが抑制された、透明性の高い外用組成物が得られる。
試験例1において、調製してから25℃で1日静置した後の比較例7と実施例1の外観の写真である。
本明細書において、含有量の単位「質量%」は、「g/100g」と同義である。
[外用組成物]
本発明の外用組成物は、(A)アスコルビン酸及びアスコルビン酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種、(B)炭素数3個のジオール、(C)水、(D)果実系香料、並びに(E)特定のアルキレンオキシド誘導体を含有する。
((A)アスコルビン酸及びアスコルビン酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種)
本発明に用いられるアスコルビン酸としては、医薬品、医薬部外品又は化粧品分野において皮膚外用剤の成分として市販されているアスコルビン酸を使用することができ、これらは、限定はされないが、通常L体のものを指す。
アスコルビン酸の塩も使用できる。ここで、アスコルビン酸の塩とは、薬学上許容される塩である。限定はされないが、例えば、有機塩基との塩(例えば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ピリジン塩等の第三級アミンとの塩、アルギニン等の塩基性アンモニウム塩等)、無機塩基との塩(例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩等)等が例示される。好ましいアスコルビン酸の塩は、ナトリウム塩又はカリウム塩である。
本発明において、アスコルビン酸及びその塩は、いずれか1種単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。本発明の効果を顕著に奏する観点から、アスコルビン酸が好ましい。
アスコルビン酸又はその塩は合成して用いてもよく、市販品を用いてもよい。
本発明の外用組成物において、(A)成分の総含有量は、他の成分とのバランスによって適宜設定される。(A)成分の総含有量は、美白、抗炎症、抗老化、抗酸化等の機能を付与する観点から、外用組成物の全量に対して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。そして、(A)成分の総含有量は、(A)成分の安定性を良好とする観点から、外用組成物の全量に対して、好ましくは30質量%以下、より好ましくは27質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下である。
本発明の外用組成物において、(A)成分の総含有量は、外用組成物の全量に対して、好ましくは1~30質量%、より好ましくは5~27質量%、さらに好ましくは10~25質量%である。
((B)炭素数3個のジオール)
本発明に用いられる炭素数3個のジオールとしては、医薬品、医薬部外品又は化粧品分野において外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されない。また、このような炭素数3個のジオールは、市販品をそのまま用いることもできる。炭素数3個のジオールとしては、限定はされないが、例えば、1,3-プロパンジオール(CAS番号:504-63-2、英名:1,3-Dihydroxypropane又はTrimethyleneGlycol)又はプロピレングリコール(CAS番号:57-55-6、英名:1,2-Dihydroxypropane、和名別名:1,2-プロパンジオール)が例示でき、1種類を使用しても、適宜組み合わせて使用してもよい。(B)成分として、少なくとも1,3-プロパンジオールを含むことが好ましい。例えば、皮膚への刺激緩和、使用感向上、着色抑制の観点から、1,3-プロパンジオール及びプロピレングリコールを組み合わせることも好ましい態様の一つである。
本発明の外用組成物において、(B)成分の総含有量は、アスコルビン酸及びその塩の安定性を良好とする観点から、外用組成物の全量に対して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上、さらにより好ましくは15質量%以上、特に好ましくは20質量%以上である。そして、(B)成分の総含有量は、アスコルビン酸及びその塩の安定性を良好とする観点から、外用組成物の全量に対して、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下、さらにより好ましくは65質量%以下、特に好ましくは60質量%以下である。
本発明の外用組成物において、(B)成分の総含有量は、アスコルビン酸及びその塩の安定性を良好とする観点から、外用組成物の全量に対して、好ましくは1~80質量%、より好ましくは5~75質量%、さらに好ましくは10~70質量%、さらにより好ましくは15~65質量%、特に好ましくは20~60質量%である。
(B)成分のうち、1,3-プロパンジオールの含有量は、外用組成物の全量に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上である。そして、1,3-プロパンジオールの含有量は、外用組成物の全量に対して、好ましくは70質量%以下、より好ましくは65質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。
1,3-プロパンジオールの含有量は、外用組成物の全量に対して、好ましくは10~70質量%、より好ましくは20~65質量%、さらに好ましくは25~60質量%である。
(B)成分のうち、プロピレングリコールの含有量は、外用組成物の全量に対して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。そして、プロピレングリコールの含有量は、外用組成物の全量に対して、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
プロピレングリコールの含有量は、外用組成物の全量に対して、好ましくは1~20質量%、より好ましくは3~15質量%、さらに好ましくは5~10質量%である。
((C)水)
本発明の皮膚外用組成物は、水を含む。外用組成物の全量に対する水の含有量は、特に限定されないが、アスコルビン酸及びその塩の安定性を良好とする観点から、好ましくは、1~50質量%、より好ましくは3~40質量%、さらに好ましくは5~30質量%である。
((D)果実系香料)
本発明に用いられる果実系香料は、果実系のフレーバーを有する香料であって、医薬品、医薬部外品又は化粧品において皮膚外用剤の成分として用いられるものであれば、特に限定はされない。果実系香料は、天然香料でも合成香料でもよいが、精油又は油溶性成分を含有することが好ましい。
ここで、果実系香料として、柑橘系香料、ピーチ系香料、チェリー系香料、リンゴ系香料等が例示されるが、中でも柑橘系香料が好ましい。
柑橘系香料には、柑橘類植物の抽出物、又は柑橘類植物のフレーバーを有する香料が含まれる。柑橘類植物とは、ミカン科、ミカン亜科、ミカン連に属する植物である。このような植物には、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、スダチ、ライム、ユズ、カボス、ベルガモット、タンジェリン、みかん、シークワーサー、ぽんかん、ブンタン、はっさく、ジャバラ、タンカン、いよかんなどが含まれる。
柑橘系香料は、特に柑橘類植物の抽出物を用いてもよく、果実又は果皮の抽出物を用いるのが特に好ましい。このような香料としては、限定はされないが、例えば、オレンジ油、レモン油、グレープフルーツ油、スダチ油、ライム油、ユズ油、カボス油、シークワーサー油等の柑橘系精油が含まれるものが好ましい。
柑橘系香料としては、例えば、リモネン、リモニン、ノミリン、β-ピネン、γ-テルピネン、シトラール、α-ピネン、オーラプテン、ノビレチン、リナロール、酢酸リナリル、イオノン、チモール及びペリラアルデヒドからなる群より選ばれる少なくとも1種の油溶性成分を配合して製造し、使用したものが好ましい。また、これらの成分は、塩や誘導体としても使用できる。ここで、塩とは、特に限定はされないが、例えば、有機塩基との塩(例えば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ピリジン塩などの第三級アミンとの塩、アルギニンなどの塩基性アンモニウム塩など)、無機塩基との塩(例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩など)などが挙げられる。また誘導体としては酢酸体などが挙げられる。特に好ましい塩は、ナトリウム塩、カリウム塩である。
本発明の外用組成物において、外用組成物の全量に対する(D)成分の総含有量は、他の成分とのバランスによって適宜設定される。(D)成分の総含有量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、外用組成物の全量に対して、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上、さらにより好ましくは0.05質量%以上、特に好ましくは0.1質量%以上である。また、(D)成分の総含有量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、外用組成物の全量に対して、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1.5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、さらにより好ましくは0.8質量%以下、特に好ましくは0.6質量%以下である。
本発明の外用組成物において、(D)成分の総含有量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、外用組成物の全量に対して、好ましくは0.0001~2質量%、より好ましくは0.001~1.5質量%、さらに好ましくは0.01~1質量%、さらにより好ましくは0.05~0.8質量%、特に好ましくは0.1~0.6質量%である。
((E)アルキレンオキシド誘導体)
本発明の外用組成物は、(E)成分として、式(I):R-O-[(AO)(EO)]-H(式中、Rは炭素数16以上の炭化水素基、AOは炭素数3~4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、m及びnはそれぞれ炭素数3~4のオキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、m≧0、n≧1であり、オキシアルキレン基とオキシエチレン基はブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよく、R部分の分子量WR1に対するnの割合であるn/WR1が、0.088以下である)で表されるアルキレンオキシド誘導体を含む。(E)成分のオキシアルキレン誘導体は、肌への刺激を抑えつつ、果実系香料を可溶化する点で好ましい。
の炭化水素基の炭素数は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、16以上であり、好ましくは18以上である。そして、Rの炭化水素基の炭素数は、例えば30以下、28以下、26以下又は24以下であり得る。本発明の効果を顕著に奏する観点から、Rの炭化水素の炭素数は18が特に好ましい。
の炭化水素基は、直鎖又は分岐を有する脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基(シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)及び芳香族炭化水素基(フェニル基、ナフチル基等)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の組み合わせを含むことができる。
は、中でも直鎖又は分岐を有する脂肪族炭化水素基からなることが好ましい。この場合、二重結合又は三重結合を有してもよいが、二重結合及び三重結合の合計数は、3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1以下であることがさらに好ましい。
(E)成分のR-O-部分の好適な例としては、例えば、R-OHの化合物であるセタノール(1-ヘキサデカノール)、パルミトレイルアルコール(シス-9-ヘキサデセン-1-オール)、1-ヘプタデカノール、ステアリルアルコール(1-オクタデカノール)、イソステアリルアルコール(16-メチルヘプタデセン-1-オール)、エライジルアルコール(9E-オクタデセン-1-オール)、オレイルアルコール(シス-9-オクタデセン-1-オール)、リノレイルアルコール(9Z,12Z-オクタデカジエン-1-オール)、エライドリノレイルアルコール(9E,12E-オクタデカジエン-1-オール)、リノレニルアルコール(9Z,12Z,15Z-オクタデカトリエン-1-オール)、エライドリノレニルアルコール(9E,12E,15E-オクタデカトリエン1-オール)、リシノレイルアルコール(12-ヒドロキシ-9-オクタデセン-1-オール)、ノナデシルアルコール、アラキジルアルコール(1-エイコサノール)、ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール(1-ドコサノール)、エルシルアルコール(シス-13-ドコセン-1-オール)、デシルテトラデカノール(2-デシル-1-テトラデカノール)、リグノセリルアルコール(1-テトラコサノール)、セリルアルコール(1-ヘキサコサノール)、1-ヘプタコサノール、モンタニルアルコール(1-オクタコサノール)、1-ノナコサノール、ミリシルアルコール(1-トリアコンタノール)、1-ドトリアコンタノール又はゲジルアルコール(1-テトラトリアコンタノール)から、水酸基の水素原子を除いた部分が例示される。
(E)成分において、上記R及びR-O-部分は、1種単独であっても、2種以上が混在してもよい。
上記AOは、炭素数3~4のオキシアルキレン基であり、例として、オキシプロピレン基(POと略記する)、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基などが挙げられ、好ましくは、オキシプロピレン基及び/又はオキシブチレン基であり、より好ましくはオキシプロピレン基である。
AOの平均付加モル数mは0以上であり、例えば1以上、5以上、10以上であり得る。そして、mは、例えば35以下、30以下、25以下又は20以下であり得る。
EOの平均付加モル数nは1以上である。そして、nは、本発明の効果を奏する観点から、好ましくは2以上、より好ましくは5以上、さらに好ましくは10以上である。そして、nは、例えば40以下、30以下、25以下又は24以下であり得る。
AOとEOの平均付加モル数の和m+nは、本発明の効果を顕著に奏する観点から、50以下が好ましく、例えば45以下、40以下又は37以下とすることができる。また、m+nは、例えば、1以上、2以上、3以上、5以上又は10以上とすることができる。
本明細書において、上記式(I)のR部分の分子量をWR1、[(AO)(EO)]部分(本明細書中、Rと呼ぶ場合がある)の分子量をWR2とする。
(E)成分のn/WR1は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、0.088以下、例えば、0.085以下、0.08以下、0.075以下又は0.071以下である。そして、(E)成分のn/WR1は、例えば、0.003以上、0.005以上、0.008以上、0.01以上、0.015以上、0.02以上、0.025以上又は0.03以上であり得る。
本発明の外用組成物において、(E)成分のWR2/WR1は、例えば、4.8以下、4.6以下、4以下、3.8以下、3.6以下、2.5以下、又は2以下であり得る。そして、WR2/WR1は、例えば、1以上、1.1以上、1.2以上、1.3以上、1.4以上、1.5以上又は1.6以上又は1.7以上であり得る。
(E)成分のうち、PO及び/又はEOを含む化合物において、(m+n)/WR1は、例えば0.11以下、0.1以下、0.09以下、0.08以下、0.05以下、又は0.04以下であり得る。そして、(m+n)/WR1は、例えば、0.003以上、0.005以上、0.008以上、0.01以上、0.015以上、0.02以上、0.025以上又は0.03以上であり得る。
(E)成分のアルキレンオキシド誘導体の具体例としては、例えば、セテス-1、セテス-2、セテス-3、セテス-4、セテス-5、セテス-6、セテス-7、セテス-8、セテス-10、セテス-12、セテス-13、セテス-14、セテス-15、セテス-16、セテス-17、セテス-18、セテス-20;イソセテス-5、イソセテス-7、イソセテス-10、イソセテス-12、イソセテス-15、イソセテス-20;オレス-2、オレス-3、オレス-4、オレス-5、オレス-6、オレス-7、オレス-8、オレス-9、オレス-10、オレス-11、オレス-12、オレス-13、オレス-15、オレス-16、オレス-20;ステアレス-1、ステアレス-2、ステアレス-3、ステアレス-4、ステアレス-5、ステアレス-6、ステアレス-7、ステアレス-8、ステアレス-9、ステアレス-10、ステアレス-11、ステアレス-12、ステアレス-13、ステアレス-14、ステアレス-15、ステアレス-16、ステアレス-17、ステアレス-18、ステアレス-20、ステアレス-21;イソステアレス-2、イソステアレス-3、イソステアレス-5、イソステアレス-8、イソステアレス-10、イソステアレス-12、イソステアレス-15、イソステアレス-16、イソステアレス-20、イソステアレス-22;オクチルドデセス-2、オクチルドデセス-5、オクチルドデセス-10、オクチルドデセス-16、オクチルドデセス-20;デシルテトラデセス-5、デシルテトラデセス-10、デシルテトラデセス-15、デシルテトラデセス-20、デシルテトラデセス-25;デシルペンタデセス-5、デシルペンタデセス-10、デシルペンタデセス-15、デシルペンタデセス-20、デシルペンタデセス-25;PPG-1セテス-1、PPG-1セテス-5、PPG-1セテス-10、PPG-2セテス-1、PPG-2セテス-5、PPG-2-セテス-10、PPG-2セテス-12、PPG-4セテス-1、PPG-4セテス-5、PPG-4セテス-10、PPG-8セテス-1、PPG-8セテス-2、PPG-8セテス-5、PPG-8セテス-10;PPG-9ステアレス-3、PPG-30ステアレス-4、PPG-34ステアレス-3、PPG-38ステアレス-6;PPG-6デシルテトラデセス-12、PPG-6デシルテトラデセス-20、PPG-20デシルテトラデセス-10及びPPG-13デシルテトラデセス-24からなる群より選ばれる1種単独、又は2種以上の組み合わせが挙げられる。
本発明の外用組成物において、外用組成物の全量に対する(E)成分の総含有量は、他の成分とのバランスによって適宜設定される。(E)成分の総含有量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、外用組成物の全量に対して、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、さらにより好ましくは0.15質量%以上である。また、(E)成分の総含有量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、外用組成物の全量に対して、好ましくは、3質量%以下であり、より好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、さらにより好ましくは0.8質量%以下、特に好ましくは0.6質量%以下である。
本発明の外用組成物において、(E)成分の総含有量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは0.01質量%~3質量%、より好ましくは0.05~2質量%、さらに好ましくは0.1~1質量%、さらにより好ましくは0.15~0.8質量%、特に好ましくは0.15~0.6質量%である。
(各成分の比)
本発明の外用組成物において、(A)成分の総含有量1質量部に対する(B)成分の総含有量は、(A)成分の安定性を良好とする観点から、好ましくは0.1~30質量部、より好ましくは0.3~25質量部、さらに好ましくは0.7~20質量部である。
本発明の外用組成物において、(A)成分の総含有量1質量部に対するプロピレングリコールの含有量は、(A)成分の安定性を良好とする観点から、好ましくは0.1~10質量部、より好ましくは0.2~9質量部、さらに好ましくは0.3~8.5質量部である。
本発明の外用組成物において、(A)成分の総含有量1質量部に対する(C)成分の含有量は、(A)成分の安定性を良好とする観点から、好ましくは0.1~3.0質量部、より好ましくは0.4~2.6質量部、さらに好ましくは0.7~2.2質量部である。
本発明の外用組成物において、(A)成分の総含有量1質量部に対する(D)成分の総含有量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは0.005~0.20質量部、より好ましくは0.01~0.15質量部、さらに好ましくは0.013~0.10質量部である。
本発明の外用組成物において、(A)成分の総含有量1質量部に対する(E)成分の総含有量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは0.005~0.45質量部、より好ましくは0.01~0.40質量部、さらに好ましくは0.015~0.35質量部である。
本発明の外用組成物において、(D)成分の総含有量1質量部に対する(E)成分の総含有量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは0.2~12.5質量部、より好ましくは0.3~11質量部、さらに好ましくは0.4~10質量部である。
((F)低級アルコール)
本発明の外用組成物は、使用感の向上、安定性及び経皮吸収の促進の観点から、本発明の効果を妨げない限り、上記(A)~(E)成分の他に、低級アルコールを含有してもよい。本発明において用いられる低級アルコールとしては、医薬品、医薬部外品又は化粧品分野において皮膚外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されない。本明細書において、「低級アルコール」は、C~Cのアルコールを指す。そのうち、特に、C~Cのアルコールを好ましく用いることができる。このような例として、中でもエタノールが好ましいが、他にも、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール等も用いることができる。
本発明の外用組成物において、低級アルコールの総含有量は、含まれる場合、外用組成物の全量に対して、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、さらにより好ましくは1質量%以上、特に好ましくは3質量%以上である。そして、低級アルコールの含有量は、外用組成物の全量に対して、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、さらにより好ましくは35質量%以下である。
本発明の外用組成物に含まれる低級アルコールの総含有量は、外用組成物の全量に対して、好ましくは0.01~50質量%、より好ましくは0.1~45質量%、さらに好ましくは0.5~40質量%、さらにより好ましくは1~35質量%、特に好ましくは3~35質量%である。
(ブチレングリコール)
本発明の外用組成物は、使用感の向上、安定性及び経皮吸収の促進の観点から、上記(A)~(F)成分の他に、ブチレングリコール(1,3-ブチレングリコール又は1,3-ブタンジオールとも呼ばれる)をさらに含有しても良い。
本発明の外用組成物において、ブチレングリコールの含有量は、含まれる場合、使用感の向上、安定性及び経皮吸収の促進の観点から、外用組成物の全量に対して、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上である。そして、ブチレングリコールの含有量は、外用組成物の全量に対して、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
本発明の外用組成物におけるブチレングリコールの含有量は、外用組成物の全量に対して、好ましくは0.01~40質量%、より好ましくは0.1~35質量%、さらに好ましくは0.3~30質量%である。
(エトキシジグリコール、ポリエチレングリコール)
本発明の外用組成物には、上記(A)~(F)成分、ブチレングリコールの他に、エトキシジグリコール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル;CAS番号110-90-0)及び/又はポリエチレングリコールを含有してもよい。
エトキシジグリコールの含有量は、(A)成分に起因する褐変を抑制する観点から、外用組成物の全量に対して20質量%未満であることが好ましく、10質量%未満であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましく、0.1質量%以下であることがさらにより好ましい。場合により、エトキシジグリコールを0.01質量%以下など、実質的に含有しないか全く含有しない外用組成物とすることもできる。また、場合により、エトキシジグリコールの含有量は、油溶性成分を安定化する観点から、外用組成物の全量に対して0.1質量%以上又は1質量%以上とすることができる。
本発明でいうポリエチレングリコールは、特に限定はされないが、例えば、重合度4以上のものであり、基剤などとして医薬品、医薬部外品、化粧品において用いられるものである。具体的には、平均分子量150~1000程度のポリエチレングリコールであり、さらに、170~800程度のポリエチレングリコールであり得る。このようなポリエチレングリコールとしては、具体的には、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール500、ポリエチレングリコール600、ポリエチレングリコール700、ポリエチレングリコール800等が例示できる。これらには市販品が存在するので、それら市販品を入手して使用することもできる。市販品としては、具体的には、例えば、日油株式会社が販売する、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600、三洋化成工業株式会社のポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600などが例示される。
ここで、平均分子量は、例えば、医薬部外品原料規格2006 ポリエチレングリコールの項に記載の平均分子量試験に準じて、求めることができる。
<平均分子量が190~210のポリエチレングリコールの平均分子量測定方法>
ポリエチレングリコール約0.8gを精密に量り、約200mLの耐圧共栓瓶に入れ、ピリジン約25mLを加え、加温して溶かし放冷する。別に無水フタル酸42gを取り、新たに蒸留したピリジン300mLを正確に量って入れた1Lの遮光した共栓瓶に加え、強く振り混ぜて溶かした後、16時間以上放置する。この液25mLを正確に量り、先の耐圧共栓瓶に加えて密栓し、丈夫な布でこれを包み、あらかじめ98℃±2℃に加熱した水浴中に入れる。この際、瓶の中の液が水浴の液の中に浸るようにする。98℃±2℃で30分間加熱した後、室温になるまで放冷する。次に、0.5mol/L水酸化ナトリウム溶液50mLを正確に加え、この液につき、0.5mol/L水酸化ナトリウム溶液で滴定する。このときの指示薬はフェノールフタレイン・ピリジン溶液(1→100)を5滴用いる。ただし、滴定の終点は、液が15秒間持続する淡赤色を呈するときとする。同様の方法で空試験を行う。
得られた値を下記式にあてはめ、平均分子量を算出する。
平均分子量=[試料の量(g)×4000]/(a-b)
a:空試験における0.5mol/L水酸化ナトリウム溶液の消費量(mL)
b:試料の試験における0.5mol/L水酸化ナトリウム溶液の消費量(mL)
なお、平均分子量が190~210以外のポリエチレングリコールの場合でも、秤取量が異なるが、それ以外は平均分子量が190~210のポリエチレングリコールの試験法に準ずる。
これらのポリエチレングリコールは、1種又は2種以上の組み合わせであり得る。
本発明の外用組成物において、ポリエチレングリコールの総含有量は、外用組成物の匂いを良好とする観点から、外用組成物の全量に対して、5質量%未満であり、好ましくは3質量%未満、より好ましくは1質量%未満、さらに好ましくは0.5質量%未満、さらにより好ましくは0.1質量%以下であり、場合により、ポリエチレングリコールを0.01質量%以下など、実質的に含有しないか又は全く含有しない外用組成物とすることもできる。
(pH調整剤)
本発明の外用組成物は、使用感の向上、安定性及び経皮吸収の促進の観点から、本発明の効果を妨げない限り、上記(A)~(F)成分の他に、pH調整剤を含んでいてもよい。
本発明に用いられるpH調整剤としては、医薬品、医薬部外品又は化粧品分野において皮膚外用剤の成分として通常用いられる化合物を使用することができる。特に限定はされないが、アミンを有するpH調整剤(例えば、アミノエチルスルホン酸又はその塩、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、L-カルニチン、低分子ベタイン(より好ましくはトリメチルグリシン))、有機酸塩(例えば、乳酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウム、グルコン酸カルシウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウムなど)、無機酸塩(例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、リン酸ナトリウム、硝酸カリウム、ホウ酸ナトリウム、好ましくはピロ亜硫酸ナトリウム)、3-O-エチルアスコルビン酸又はその塩などが例示される。
本発明の外用組成物において、pH調整剤の総含有量は特に限定されないが、外用組成物の全量に対して、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上である。そして、pH調整剤の総含有量は、外用組成物の全量に対して、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。アミンを有するpH調整剤の含有量は、外用組成物の全量に対して、好ましくは0.01質量%~10質量%、より好ましくは0.05質量%~5質量%である。3-O-エチルアスコルビン酸又はその塩の総含有量は、外用組成物の全量に対して、好ましくは0.005質量%~10質量%、より好ましくは0.01質量%~5質量%、さらに好ましくは0.02質量%~3質量%、さらにより好ましくは、0.1質量%~2質量%である。
本発明の外用組成物において、(A)成分に対するpH調整剤の含有量の比率は特に限定されないが、(A)成分の総含有量1質量部に対して、0.00001~20質量部が好ましく、0.0001~20質量部がより好ましく、0.0005~10質量部がさらに好ましく、0.005~5質量部がさらにより好ましく、0.01~1質量部が最も好ましい。
(その他の成分)
本発明の外用組成物には、上記成分の他に、さらに、アスコルビン酸が有する各種の作用を増強又は補足する目的で、また他の有用な作用を付加するため、美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、ニキビ改善成分、老化防止成分、コラーゲン等の生体成分合成促進成分、血行促進成分、保湿成分、老化防止成分等の各種成分を1種又は2種以上組み合わせて配合することができる。
本発明の外用組成物は、上記成分の他に、さらに(E)成分以外の界面活性剤、可溶化成分、油脂類、糖類又は経皮吸収促進成分を配合することもできる。特に(E)成分以外の界面活性剤、可溶化成分又は油脂類を配合することによって、水性溶媒中におけるアスコルビン酸の安定性、有効性、使用感をより向上させることができる。
本発明の外用組成物には、外観安定性や粘度等の品質を損なわず、また本発明の効果を損なわない量的及び質的範囲内で、必要に応じて医薬品、医薬部外品又は化粧品分野において外用剤の成分として一般的に用いられる各種の成分、例えば、刺激軽減剤、増粘剤、防腐剤、紫外線防御剤、着色剤、分散剤等を配合することができる。なお、これらの成分は1種単独で、又は2種以上を任意に配合することができる。
(明度)
本発明の外用組成物は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、果実系香料が可溶化した、透明性の高い組成物であることが好ましい。本発明の外用組成物は、透明性の高い溶液とする観点から、CIELAB表色系における明度L値が、99.5以上であることが好ましい。本発明の外用組成物のL値は、より具体的には実施例に記載の方法で測定される。
(pH)
本発明の外用組成物は、(A)成分の安定性、皮膚や粘膜に対する低刺激性、及び皮膚使用感の良さという観点から、好ましくはpH2~5の酸性領域である。
(形態、物性)
本発明の外用組成物は、ペースト状、ムース状、ジェル状、液状、乳液状、クリーム状、シート状(基材担持)、エアゾール状、スプレー状などの各種所望の形態に調製することができる。これらは当業界の通常の方法にて製造することができる。中でも、本発明の外用組成物は、透明性による美観が顕著に表れる、液状の形態が好ましい。
本発明の外用組成物は、特に皮膚に適用するために用いられる外用組成物の使用の際に望まれる適度な粘性を備えた組成物として調製することができる。本発明の外用組成物の粘度は、特に限定はされないが、例えば、E型粘度計を用いて25℃で測定した場合の粘度が通常1~300mPa・s程度、好ましくは1~200mPa・s程度、より好ましくは1~100mPa・s程度、最も好ましくは、1~50mPa・s程度である。粘度測定方法は、より詳細には、第16改正日本薬局方[B]一般試験法 2.物理的試験法 その他の物理的試験法 2.53 粘度測定法 2.第2法 回転粘度計法 2.1.3 円すい‐平板形回転粘度計(コーンプレート型粘度計)に記載の方法に準ずる。
(用途・容器)
本発明の外用組成物は、例えば美白剤、抗炎症剤、抗老化剤として用いることができ、例えば、にきび予防や治療、抗酸化の作用を有しうる。さらに、皮膚への適用により、皮膚の透明感が高まり、潤いが保持され、キメが整い、ざらつきを抑える効果が発揮される場合がある。さらには、毛穴を目立たなくさせる、整肌保湿などの効果が発揮される場合がある他、しみの予防や治療に用いることもできる。
本発明の外用組成物は、例えば、美容液、化粧水、日焼け止めクリーム、乳液、クリーム、ローション、オイル及びパックなどの基礎化粧料;ファンデーション、口紅、リップクリーム、マスカラ、アイシャドウ、アイライナー、眉墨及び美爪料等のメーキャップ化粧料;洗顔料やクレンジング、ボディ洗浄料などの洗浄料;腋臭防止剤、水虫治療剤、鎮痒剤、創傷治癒剤、清拭剤、清浄剤、消炎鎮痛剤、にきび治療剤、痔疾用剤、殺菌消毒剤、美白剤、紫外線防御剤などの、化粧品、外用医薬品又は外用医薬部外品の分野に属する各種の外用組成物とすることができる。皮膚への作用効果から、本発明は皮膚外用剤(外皮用の製剤)等の外皮に適用される製品に使用されることが好ましい。
本発明の外用組成物は、組成物の透明性からその表示コンセプトを連想させることができる点で、例えば、「透明」「透明感」「透け肌」「透きとおる肌」などの表示等がされる製品(例えば、シミ予防又は改善、美肌、美白、日焼け止めなどの用途に関する製品など)に好適に使用することができる。
本発明の外用組成物は、用途などに応じて1日あたり1回から数回に分けて、公知あるいは慣用されている用法・用量にて使用することができる。
本発明の外用組成物は、任意の容器に収容して提供される。本発明の外用組成物を収容する容器については特に制限されず、例えば、ガラス製であってもよく、またプラスチック製であってもよいが、組成物の透明性による美観が顕著に表れる、容器内部の組成物を視認できる透明容器が好ましい。ここで、「透明容器」とは、無色透明容器及び有色透明容器の双方が含まれる。
(製造方法)
本発明の外用組成物は、上記(A)~(E)成分に、必要に応じて上記各任意成分を配合混合し、さらに必要に応じてその他の溶媒や通常使用される外用剤の基剤等を配合し、必要に応じてpH調整することによって製造することができる。例えば、実施例に記載のように、(A)~(C)及び任意で(F)成分、ブチレングリコール、エトキシジグリコール、ポリエチレングリコールなどを含む水相と、(D)及び(E)を含む油相とに分けて調製し、水相と油相を混合してもよい。
[果実系香料を可溶化する方法]
本発明は、以下の方法を包含する。ここで、「香料の可溶化」とは、香料の濁りが全くない又はほとんど認められない状態を表し、例えば、外用組成物のCIELAB表色系における明度L値が、99.5以上となることを表す。
(A)アスコルビン酸及びアスコルビン酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種、(B)炭素数3個のジオール、(C)水、並びに(D)果実系香料を含有し、エトキシジグリコールの含有量が20質量%未満である、外用組成物において、
(E)式(I):R-O-[(AO)(EO)]-H(式中、Rは炭素数16以上の炭化水素基、AOは炭素数3~4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、m及びnはそれぞれ炭素数3~4のオキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、m≧0、n≧1であり、オキシアルキレン基とオキシエチレン基はブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよく、R部分の分子量WR1に対するnの割合n/WR1が、0.088以下である)で表されるアルキレンオキシド誘導体を共存させることを特徴とする、果実系香料を可溶化する方法。
上記方法における(A)~(E)成分及びその他に許容される成分の具体的態様については、上記の[外用組成物]の記載に準じる。
次に、実施例や試験例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例や試験例に限定されるものではない。なお、表における各成分の量の単位は、特に記載がない限り、質量%である。
[測定方法]
(濁りの測定)
外用組成物の香料による濁りは、分光測色計CM-5(コニカミノルタ株式会社製)により、CIELAB表色系における明度L値を測定することによって評価した。調製したサンプル40mLを50mLねじ口瓶(日電理化硝子製、SV-50)に入れ、25℃で1日静置した。分光測色計による測定は、試験液27mLをガラスセル(CM-A99、厚さ20mm)に入れ、25℃にてCIELAB表色系におけるL値、a値、及びb値を測定した。測定値は、精製水をブランクとして得られるL値、a値、及びb値を用いた。装置のキャリブレーション及び測定は、装置に付属のマニュアルに従って行った。図1の比較例7(L値:99.11)のように、得られたL値が99.5未満の場合に目視によって顕著な濁りを示すことから、L値が99.5以上の場合を濁りなし(〇)、L値が99.5未満の場合を濁りあり(×)と判定した。
[試験例1.果実系香料による濁りの抑制試験]
下記表1及び表2に示す処方で、油相成分をマグネチックスターラーで撹拌しながら水相成分を投入し、可溶化させた外用組成物を透明バイアルに入れ、25℃で1日間静置した。上記方法によって得られた静置後の明度L値と香料による濁りの判定結果を同じ表に示した。
上記式(I)の構造を有するアルキレンオキシド誘導体のうち、Rの炭素数が16(実施例3、5)、18(実施例1、2、7、8)、24(実施例4、6)の化合物を使用した実施例は、いずれも果実系香料による濁りは観察されなかった。
一方、Rの炭素数が12(比較例1)又は10(比較例2)のアルキレンオキシド誘導体を使用した外用組成物は、香料による濁りがあると判定された。さらに、式(I)の構造を有しない界面活性剤として、例えばRが脂肪酸部分を構成する脂肪酸エステル(比較例3~6)、Rの長鎖の炭化水素部分がない水添ヒマシ油又はヤシ油(比較例7~10)を使用した外用組成物は、果実系香料による濁りがあると判定された。
また、表1及び表2の実施例の外用組成物は、いずれもアスコルビン酸の析出、着色は見られなかった。
Figure 2023042022000002
Figure 2023042022000003
実施例1及び比較例7の果実系香料を水に置き換えた組成の外用組成物は、目視で濁りが見られなかった。また、実施例1及び比較例7の界面活性剤(オレス-10又はPEG-40水添ヒマシ油)を水に置き換えた組成の外用組成物は、水相と油相が分離した。さらに実施例1及び比較例7の果実系香料及び界面活性剤の両方を水に置き換えた組成の外用組成物も、目視で濁りが見られなかった。これらから、(1)アスコルビン酸、1,3-プロパンジオール及び水を含有するエトキシジグリコールが20質量%未満の組成物では、果実系香料を添加すると、香料に起因して顕著に油相の分離が起こること、(2)実施例の界面活性剤(アルキレンオキシド誘導体)によって、果実系香料に起因する油相の分離と溶液の濁りが抑制されることが示される。
[製剤例]
下記表3~6の処方により、常法に基づいて本発明の外用組成物を調製した。
Figure 2023042022000004
Figure 2023042022000005
Figure 2023042022000006
Figure 2023042022000007
本発明の外用組成物は透明性が高いことから、例えば溶液タイプの医薬部外品又は化粧品として有用である。本発明の外用組成物は、とりわけ、溶液が視認可能な透明容器に収容された医薬部外品又は化粧品に対して有効に使用することができる。

Claims (11)

  1. (A)アスコルビン酸及びアスコルビン酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種、
    (B)炭素数3個のジオール、
    (C)水、
    (D)果実系香料、並びに
    (E)式(I):R-O-[(AO)(EO)]-H(式中、Rは炭素数16以上の炭化水素基、AOは炭素数3~4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、m及びnはそれぞれ炭素数3~4のオキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、m≧0、n≧1であり、オキシアルキレン基とオキシエチレン基はブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよく、R部分の分子量WR1に対するnの割合n/WR1が、0.088以下である)で表されるアルキレンオキシド誘導体
    を含有し、エトキシジグリコールの含有量が20質量%未満である、外用組成物。
  2. 前記(A)成分の含有量が1~30質量%である、請求項1に記載の外用組成物。
  3. 前記(B)成分の含有量が1~80質量%である、請求項1又は2に記載の外用組成物。
  4. 前記(C)成分の含有量が1~50質量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の外用組成物。
  5. 前記(D)成分の含有量が0.0001~2質量%である、請求項1~4のいずれか一項に記載の外用組成物。
  6. 前記(E)成分の含有量が0.01~3質量%である、請求項1~5のいずれか一項に記載の外用組成物。
  7. 前記(E)成分のAOが、オキシプロピレン基である、請求項1~6のいずれか一項に記載の外用組成物。
  8. さらに、(F)低級アルコールを含有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の外用組成物。
  9. CIELAB表色系における明度L値が99.5以上である、請求項1~8のいずれか一項に記載の外用組成物。
  10. pHが2~5である、請求項1~9のいずれか一項に記載の外用組成物。
  11. (A)アスコルビン酸及びアスコルビン酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種、
    (B)炭素数3個のジオール、
    (C)水、並びに
    (D)果実系香料
    を含有し、エトキシジグリコールの含有量が20質量%未満である、外用組成物に、
    (E)式(I):R-O-[(AO)(EO)]-H(式中、Rは炭素数16以上の炭化水素基、AOは炭素数3~4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、m及びnはそれぞれ炭素数3~4のオキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、m≧0、n≧1であり、オキシアルキレン基とオキシエチレン基はブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよく、R部分の分子量WR1に対するnの割合n/WR1が、0.088以下である)で表されるアルキレンオキシド誘導体を共存させることを特徴とする、果実系香料を可溶化する方法。
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